JP3891046B2 - 反撥磁気回路の製造方法及びこの製造方法に用いられる製造装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は各種映像音響機器に使用されるスピーカの反撥磁気回路の製造方法及びこの製造方法に用いられる製造装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来の技術を図４および図５のスピーカの側断面図により説明する。図４によると、１はヨーク１ａとその底面中央に接着結合された第１のマグネット１ｂとこのマグネット１ｂに接着結合されたプレート１ｃとで形成された第１の磁気回路ブロックであり、２は前記プレート１ｃ上に接着結合されたフレームであり、３は外周がエッジ４を介して前記フレーム２に結合される振動板であり、この振動板３の内周は前記磁気回路１の磁気ギャップ１ｄに嵌め込まれるボイスコイル５に接着結合されている。
【０００３】
なお、６はフレーム２と前記ボイスコイル５に接着結合されるダンパであり、ボイスコイル５を上下動可能に指示するものである。
【０００４】
また、図５は近年提案されているスピーカの音圧レベルの向上を入力をあげることなく、能率の向上を図って実現した反撥磁気回路を用いたスピーカであり、図４のスピーカと同一部分は同一番号を付し説明を省略して説明すると、相違点は第１の磁気回路ブロック１の上部に前記第１のマグネット１ｂの磁束の方向と反対方向に着磁された第２のマグネット７ａとサブプレート７ｂからなる第２の磁気回路ブロック７を設けたものである。この第２の磁気回路ブロック７により磁気ギャップ１ｄの磁束密度を向上させ、スピーカの能率向上を図り、音声出力の向上を図るものである。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように構成されたスピーカの第１のマグネット１ｂの磁化はマグネットの単品の状態で行うことはなく、スピーカの組立時のラインの中で、第１の磁気回路ブロック１を接着結合により形成した後、着磁していた。
【０００６】
即ち、前記ヨーク１ａやプレート１ｃは磁性材料で構成されているので、第１のマグネット１ｂとヨーク１ａやプレート１ｃの接着結合前に第１のマグネットを着磁すると磁性材料である前記ヨーク１ａやプレート１ｃを吸着しようとするため第１の磁気回路ブロックの組立が困難となるため、第１の磁気回路ブロック１の接着結合による組立終了後、着磁するものであった。
【０００７】
しかしながら、図５に記載した反撥磁気回路を持つスピーカでは第１の磁気回路ブロック１と第２の磁気回路ブロック７で構成される磁気回路ブロックは、第１のマグネット１ｂと第２のマグネット７ａの磁化方向が異なるため全ての磁気回路ブロックを接着結合した後に着磁することができず、夫々の磁気回路ブロックを着磁後、第１と第２の磁気回路ブロックを接着結合するため、反撥しあう２つの磁気回路ブロックの組立は困難で、生産性の低いものとなっていた。
【０００８】
本発明は上記課題を解決する反撥磁気回路の製造方法及びこの製造方法に用いられる製造装置を提供するものである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の請求項１に記載の反撥磁気回路の製造方法は、下型に予め磁化された第１のマグネットからなる前記第１の磁気回路ブロックを装着する工程と、上型に予め磁化された第２のマグネットからなる第２の磁気回路ブロックを装着する工程と、少なくとも前記下型に装着された第１の磁気回路ブロックと前記上型に装着された第２の磁気回路ブロックの少なくとも一方の接合面に接着剤を塗布する工程と、前記下型に装着された前記第１の磁気回路ブロックまたは前記上型に装着された前記第２の磁気回路ブロックの少なくとも一方を移動して前記第１の磁気回路ブロックと前記第２の磁気回路ブロックの当接を検出する工程と、所定の押圧を行う工程とで構成したため、上型と下型で位置決めされた第１と第２の磁気回路ブロックの当接を検出した後、所定の時間押圧によって接着結合したことで磁気回路ブロックの組立が終了するので、磁気回路ブロックを構成する各部品のバラツキの影響を受けることなく生産効率の良い、安定した反撥磁気回路ブロックの製造が行われるものとするとともに、前記第１の磁気回路ブロックおよび前記第２の磁気回路ブロックの少なくとも一方を移動させて前記第１の磁気回路ブロックと前記第２の磁気回路ブロックを接合のための所定の押圧を行う手段を電動モータとし、前記第１の磁気回路ブロックと前記第２の磁気回路ブロックの当接も特別の押圧検出素子を用いることなく電動モータの負荷電流の検出によって極めて精度の良いスタート位置の検出が行えるものである。
【００１１】
また、本発明の請求項２に記載の反撥磁気回路の製造装置は、第１の磁気回路ブロックが装着される下型と、この下型と間隔を設けて上下動可能に駆動する第２の磁気回路ブロックが装着される上型と、ボールネジと噛み合い、このボールネジの回転を前記上型の上下駆動に変換する前記上型に設けられたネジ部と、前記ボールネジを左右回転させるサーボモータと、前記上型を下動させ、前記第１の磁気回路ブロックと前記第２の磁気回路ブロックの当接を検出するとともに押圧して接着結合するとともに、この所定時間押圧した後、前記サーボモータを逆回転させ前記上型を上動させて初期の位置に戻す制御部とで構成するとともに、前記第１の磁気回路ブロックと前記第２の磁気回路ブロックの所定押圧時間の決定を前記サーボモータに接続されたエンコーダのパルス数に基づき行うものであり、起動トルクの大きいサーボモータを用いることで磁気回路ブロックの組立のスピードアップを図るとともに、前記エンコーダのパルスカウントにより極めて簡単に所定押圧時間が決定でき、生産効率の良い、安定した反撥磁気回路ブロックの製造が行えるものである。
【００１４】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の反撥磁気回路の製造装置の一実施の形態について図１〜図３により説明する。図１は本発明の一実施の形態の反撥磁気回路の製造装置の斜視図であり、図２は同要部である制御部のブロック図であり、図３は同装置で作製される磁気回路ブロックの側断面図である。
【００１５】
なお、この製造装置により作製される磁気回路ブロックは図５に記載の反撥磁気回路を用いたスピーカと同じものであるので、以下の説明にあたってはそれに付与された番号と同一部分については同一番号を用いて説明する。
【００１６】
（実施の形態１）
同図によると、１００は基台であり、支柱１０１を有している。１０２はチャック部１０２ａと着磁済みの第１の磁気回路ブロック１を装着するセンターガイド１０２ｂからなる下型であり、１０３は支柱１０１上に固定された電動モータであるサーボモータであり、制御部（図示せず）によりコントロールされている。
【００１７】
１０４は後述する上型１０５を装着したスライダーであり、前記サーボモータ１０３の回転軸に装着されたボールネジ１０３ａと噛み合い、前記サーボモータ１０３の回転を上下の直線運動に変換するネジ部１０４ａと前記サーボモータ１０３の回転に伴うスライダー１０４の回転を規制する前記支柱に装着された直線状のガイド１０１ａに跨り、摺接する回転規制部１０４ｂとで形成されている。
【００１８】
１０５は着磁済みの第２の磁気回路ブロック７を装着する上型であり、前記支柱１０１上を摺接してこの上型の自由端側のブレを防ぐ支持部１０５ａと前記第２の磁気回路ブロック７の装着に用いられるチャック１０５ｂとで構成されている。
【００１９】
以下、制御機能について説明すると、１１０は前記サーボモータ１０３に内蔵されたインクリメンタルタイプのエンコーダ１０３ａと接続されるとともに、前記サーボモータ１０３の入力端子に接続される出力端子を有する制御部であり、この制御部１１０は前記インクリメンタルタイプのエンコーダ１０３ａからのパルス信号を受けて前記サーボモータ１０３を介して前記上型１０５を装着したスライダーの位置を検知する位置検出部１１０ａと、前記サーボモータ１０３の負荷電流を検出する負荷電流検出部１１０ｂと前記サーボモータ１０３へ電力を供給する電流供給部１１０ｃと、位置検出部１１０ａと負荷電流検出部１１０ｂからのそれぞれの信号を受けて前記サーボモータ１０３へ電力を供給する電流供給部１１０ｃへ供給する負荷電流を指示する指示部１１０ｄから構成されている。
【００２０】
以上により構成された反撥磁気回路の製造装置の動作について説明すると、まず、スライダー１０４が上死点にある時、上型１０５に第２の磁気回路ブロック７を装着し、下型１０２に第１の磁気回路ブロック１を装着する（磁気回路ブロック１および７の装着工程）。
【００２１】
この時、磁気回路ブロック１または７の当接面の少なくとも一方の面に接着剤が塗布されている（接着剤の塗布工程）。
【００２２】
次に制御部１１０の指示部１１０ｄに駆動命令を手動入力すると、スライダー１０４はサーボモータ１０３の回転に応じて所定位置まで高速で下降し、一定位置まで達した時、低速で下降する（エンコーダ１１０ａのパルスを位置検出部１１０ａが計測して位置を検出し、サーボモータ１０３を制御部１１０で制御する）。
【００２３】
次に磁気回路ブロック１と磁気回路ブロック７が当接すると負荷電流が上昇するので負荷電流検出部１１０ｂがこれを当接点として検出（当接点の検出工程）し、指示部１１０ｄはこの当接点を起点としてエンコーダ１０３からのパルス数をカウント（予めパルスのカウント数による磁気回路ブロック１および７の押圧力と押圧時間の関係が把握されている。）し、所定のカウント後（所定の押圧力での押圧時間の後）、磁気回路ブロック１の上型１０５での装着を解放指示するとともに、スライダー１０４を前記上死点まで高速上昇させる指示を電流供給部１１０ｃを介してサーボモータ１０３に行う（押圧工程）。
【００２４】
以上の動作を繰り返すことで反撥磁気回路装置の製作が連続的に行われる。なお、磁気回路ブロック１と磁気回路ブロック７の装着・脱着を自動化することで組み立て工数の削減が更に図れるものである。
【００２５】
以上のように本実施の形態では、低速での所定のカウント数の下降により、磁気回路ブロック１と磁気回路ブロック７の押圧力と押圧時間をコントロールして接着結合を安定的に効率よく行うことができるものである。
【００２６】
即ち、磁気回路ブロック１と磁気回路ブロック７の当接位置は負荷電流検出部１１０ｂによる負荷電流の増加によって検出することで厚さ方向の製造上のバラツキを考慮する必要なく当接点を決定するとともに、エンコーダ１０３からのパルス数をカウントすることで押圧力と押圧時間を決定して反撥磁気回路の磁気回路ブロック１と磁気回路ブロック７の接着結合を行うことができ、空気圧や油圧を利用したプレス機構を用いるものでないため、機械的な駆動で反撥磁気回路の磁気回路ブロック１と磁気回路ブロック７の接着結合が行え生産性のスピードアップが図れるものである。
【００２７】
なお、上記実施の形態においては第２の磁気回路ブロック７はサブプレート７ｂと第２のマグネット７ａにより形成されるものとして説明したが、第２のマグネット７ａのみで形成される場合もあり得るものである。
【００２８】
また、本実施の形態では、上型のみを上下動させたが、下型のみを上下動させてもよく、上型、下型のいずれも上下動させるように構成してもよい。
【００２９】
【発明の効果】
以上のように、本発明の反撥磁気回路の製造方法は磁気回路ブロック１と磁気回路ブロック７の当接を検知した後、所定時間押圧するので、生産効率の良い、安定した反撥磁気回路の製造が行われるものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の反撥磁気回路の製造方法に用いられる一実施形態の製造装置の斜視図
【図２】同装置の制御部分の回路ブロック図
【図３】同本発明に用いられる一実施形態の磁気回路ブロックの側断面図
【図４】従来のスピーカの側断面図
【図５】同反撥磁気回路を用いた他のスピーカの側断面図
【符号の説明】
１ 第１の磁気回路ブロック
１ａ ヨーク
１ｂ 第１のマグネット
１ｃ プレート
７ 第２の磁気回路ブロック
７ａ 第２のマグネット
１０２ 下型
１０３ サーボモータ
１０３ａ エンコーダ
１０４ スライダー
１０５ 上型
１１０ 制御部
１１０ａ 位置検出部
１１０ｂ 負荷電流検出部
１１０ｄ 指示部
【発明の属する技術分野】
本発明は各種映像音響機器に使用されるスピーカの反撥磁気回路の製造方法及びこの製造方法に用いられる製造装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来の技術を図４および図５のスピーカの側断面図により説明する。図４によると、１はヨーク１ａとその底面中央に接着結合された第１のマグネット１ｂとこのマグネット１ｂに接着結合されたプレート１ｃとで形成された第１の磁気回路ブロックであり、２は前記プレート１ｃ上に接着結合されたフレームであり、３は外周がエッジ４を介して前記フレーム２に結合される振動板であり、この振動板３の内周は前記磁気回路１の磁気ギャップ１ｄに嵌め込まれるボイスコイル５に接着結合されている。
【０００３】
なお、６はフレーム２と前記ボイスコイル５に接着結合されるダンパであり、ボイスコイル５を上下動可能に指示するものである。
【０００４】
また、図５は近年提案されているスピーカの音圧レベルの向上を入力をあげることなく、能率の向上を図って実現した反撥磁気回路を用いたスピーカであり、図４のスピーカと同一部分は同一番号を付し説明を省略して説明すると、相違点は第１の磁気回路ブロック１の上部に前記第１のマグネット１ｂの磁束の方向と反対方向に着磁された第２のマグネット７ａとサブプレート７ｂからなる第２の磁気回路ブロック７を設けたものである。この第２の磁気回路ブロック７により磁気ギャップ１ｄの磁束密度を向上させ、スピーカの能率向上を図り、音声出力の向上を図るものである。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように構成されたスピーカの第１のマグネット１ｂの磁化はマグネットの単品の状態で行うことはなく、スピーカの組立時のラインの中で、第１の磁気回路ブロック１を接着結合により形成した後、着磁していた。
【０００６】
即ち、前記ヨーク１ａやプレート１ｃは磁性材料で構成されているので、第１のマグネット１ｂとヨーク１ａやプレート１ｃの接着結合前に第１のマグネットを着磁すると磁性材料である前記ヨーク１ａやプレート１ｃを吸着しようとするため第１の磁気回路ブロックの組立が困難となるため、第１の磁気回路ブロック１の接着結合による組立終了後、着磁するものであった。
【０００７】
しかしながら、図５に記載した反撥磁気回路を持つスピーカでは第１の磁気回路ブロック１と第２の磁気回路ブロック７で構成される磁気回路ブロックは、第１のマグネット１ｂと第２のマグネット７ａの磁化方向が異なるため全ての磁気回路ブロックを接着結合した後に着磁することができず、夫々の磁気回路ブロックを着磁後、第１と第２の磁気回路ブロックを接着結合するため、反撥しあう２つの磁気回路ブロックの組立は困難で、生産性の低いものとなっていた。
【０００８】
本発明は上記課題を解決する反撥磁気回路の製造方法及びこの製造方法に用いられる製造装置を提供するものである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の請求項１に記載の反撥磁気回路の製造方法は、下型に予め磁化された第１のマグネットからなる前記第１の磁気回路ブロックを装着する工程と、上型に予め磁化された第２のマグネットからなる第２の磁気回路ブロックを装着する工程と、少なくとも前記下型に装着された第１の磁気回路ブロックと前記上型に装着された第２の磁気回路ブロックの少なくとも一方の接合面に接着剤を塗布する工程と、前記下型に装着された前記第１の磁気回路ブロックまたは前記上型に装着された前記第２の磁気回路ブロックの少なくとも一方を移動して前記第１の磁気回路ブロックと前記第２の磁気回路ブロックの当接を検出する工程と、所定の押圧を行う工程とで構成したため、上型と下型で位置決めされた第１と第２の磁気回路ブロックの当接を検出した後、所定の時間押圧によって接着結合したことで磁気回路ブロックの組立が終了するので、磁気回路ブロックを構成する各部品のバラツキの影響を受けることなく生産効率の良い、安定した反撥磁気回路ブロックの製造が行われるものとするとともに、前記第１の磁気回路ブロックおよび前記第２の磁気回路ブロックの少なくとも一方を移動させて前記第１の磁気回路ブロックと前記第２の磁気回路ブロックを接合のための所定の押圧を行う手段を電動モータとし、前記第１の磁気回路ブロックと前記第２の磁気回路ブロックの当接も特別の押圧検出素子を用いることなく電動モータの負荷電流の検出によって極めて精度の良いスタート位置の検出が行えるものである。
【００１１】
また、本発明の請求項２に記載の反撥磁気回路の製造装置は、第１の磁気回路ブロックが装着される下型と、この下型と間隔を設けて上下動可能に駆動する第２の磁気回路ブロックが装着される上型と、ボールネジと噛み合い、このボールネジの回転を前記上型の上下駆動に変換する前記上型に設けられたネジ部と、前記ボールネジを左右回転させるサーボモータと、前記上型を下動させ、前記第１の磁気回路ブロックと前記第２の磁気回路ブロックの当接を検出するとともに押圧して接着結合するとともに、この所定時間押圧した後、前記サーボモータを逆回転させ前記上型を上動させて初期の位置に戻す制御部とで構成するとともに、前記第１の磁気回路ブロックと前記第２の磁気回路ブロックの所定押圧時間の決定を前記サーボモータに接続されたエンコーダのパルス数に基づき行うものであり、起動トルクの大きいサーボモータを用いることで磁気回路ブロックの組立のスピードアップを図るとともに、前記エンコーダのパルスカウントにより極めて簡単に所定押圧時間が決定でき、生産効率の良い、安定した反撥磁気回路ブロックの製造が行えるものである。
【００１４】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の反撥磁気回路の製造装置の一実施の形態について図１〜図３により説明する。図１は本発明の一実施の形態の反撥磁気回路の製造装置の斜視図であり、図２は同要部である制御部のブロック図であり、図３は同装置で作製される磁気回路ブロックの側断面図である。
【００１５】
なお、この製造装置により作製される磁気回路ブロックは図５に記載の反撥磁気回路を用いたスピーカと同じものであるので、以下の説明にあたってはそれに付与された番号と同一部分については同一番号を用いて説明する。
【００１６】
（実施の形態１）
同図によると、１００は基台であり、支柱１０１を有している。１０２はチャック部１０２ａと着磁済みの第１の磁気回路ブロック１を装着するセンターガイド１０２ｂからなる下型であり、１０３は支柱１０１上に固定された電動モータであるサーボモータであり、制御部（図示せず）によりコントロールされている。
【００１７】
１０４は後述する上型１０５を装着したスライダーであり、前記サーボモータ１０３の回転軸に装着されたボールネジ１０３ａと噛み合い、前記サーボモータ１０３の回転を上下の直線運動に変換するネジ部１０４ａと前記サーボモータ１０３の回転に伴うスライダー１０４の回転を規制する前記支柱に装着された直線状のガイド１０１ａに跨り、摺接する回転規制部１０４ｂとで形成されている。
【００１８】
１０５は着磁済みの第２の磁気回路ブロック７を装着する上型であり、前記支柱１０１上を摺接してこの上型の自由端側のブレを防ぐ支持部１０５ａと前記第２の磁気回路ブロック７の装着に用いられるチャック１０５ｂとで構成されている。
【００１９】
以下、制御機能について説明すると、１１０は前記サーボモータ１０３に内蔵されたインクリメンタルタイプのエンコーダ１０３ａと接続されるとともに、前記サーボモータ１０３の入力端子に接続される出力端子を有する制御部であり、この制御部１１０は前記インクリメンタルタイプのエンコーダ１０３ａからのパルス信号を受けて前記サーボモータ１０３を介して前記上型１０５を装着したスライダーの位置を検知する位置検出部１１０ａと、前記サーボモータ１０３の負荷電流を検出する負荷電流検出部１１０ｂと前記サーボモータ１０３へ電力を供給する電流供給部１１０ｃと、位置検出部１１０ａと負荷電流検出部１１０ｂからのそれぞれの信号を受けて前記サーボモータ１０３へ電力を供給する電流供給部１１０ｃへ供給する負荷電流を指示する指示部１１０ｄから構成されている。
【００２０】
以上により構成された反撥磁気回路の製造装置の動作について説明すると、まず、スライダー１０４が上死点にある時、上型１０５に第２の磁気回路ブロック７を装着し、下型１０２に第１の磁気回路ブロック１を装着する（磁気回路ブロック１および７の装着工程）。
【００２１】
この時、磁気回路ブロック１または７の当接面の少なくとも一方の面に接着剤が塗布されている（接着剤の塗布工程）。
【００２２】
次に制御部１１０の指示部１１０ｄに駆動命令を手動入力すると、スライダー１０４はサーボモータ１０３の回転に応じて所定位置まで高速で下降し、一定位置まで達した時、低速で下降する（エンコーダ１１０ａのパルスを位置検出部１１０ａが計測して位置を検出し、サーボモータ１０３を制御部１１０で制御する）。
【００２３】
次に磁気回路ブロック１と磁気回路ブロック７が当接すると負荷電流が上昇するので負荷電流検出部１１０ｂがこれを当接点として検出（当接点の検出工程）し、指示部１１０ｄはこの当接点を起点としてエンコーダ１０３からのパルス数をカウント（予めパルスのカウント数による磁気回路ブロック１および７の押圧力と押圧時間の関係が把握されている。）し、所定のカウント後（所定の押圧力での押圧時間の後）、磁気回路ブロック１の上型１０５での装着を解放指示するとともに、スライダー１０４を前記上死点まで高速上昇させる指示を電流供給部１１０ｃを介してサーボモータ１０３に行う（押圧工程）。
【００２４】
以上の動作を繰り返すことで反撥磁気回路装置の製作が連続的に行われる。なお、磁気回路ブロック１と磁気回路ブロック７の装着・脱着を自動化することで組み立て工数の削減が更に図れるものである。
【００２５】
以上のように本実施の形態では、低速での所定のカウント数の下降により、磁気回路ブロック１と磁気回路ブロック７の押圧力と押圧時間をコントロールして接着結合を安定的に効率よく行うことができるものである。
【００２６】
即ち、磁気回路ブロック１と磁気回路ブロック７の当接位置は負荷電流検出部１１０ｂによる負荷電流の増加によって検出することで厚さ方向の製造上のバラツキを考慮する必要なく当接点を決定するとともに、エンコーダ１０３からのパルス数をカウントすることで押圧力と押圧時間を決定して反撥磁気回路の磁気回路ブロック１と磁気回路ブロック７の接着結合を行うことができ、空気圧や油圧を利用したプレス機構を用いるものでないため、機械的な駆動で反撥磁気回路の磁気回路ブロック１と磁気回路ブロック７の接着結合が行え生産性のスピードアップが図れるものである。
【００２７】
なお、上記実施の形態においては第２の磁気回路ブロック７はサブプレート７ｂと第２のマグネット７ａにより形成されるものとして説明したが、第２のマグネット７ａのみで形成される場合もあり得るものである。
【００２８】
また、本実施の形態では、上型のみを上下動させたが、下型のみを上下動させてもよく、上型、下型のいずれも上下動させるように構成してもよい。
【００２９】
【発明の効果】
以上のように、本発明の反撥磁気回路の製造方法は磁気回路ブロック１と磁気回路ブロック７の当接を検知した後、所定時間押圧するので、生産効率の良い、安定した反撥磁気回路の製造が行われるものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の反撥磁気回路の製造方法に用いられる一実施形態の製造装置の斜視図
【図２】同装置の制御部分の回路ブロック図
【図３】同本発明に用いられる一実施形態の磁気回路ブロックの側断面図
【図４】従来のスピーカの側断面図
【図５】同反撥磁気回路を用いた他のスピーカの側断面図
【符号の説明】
１ 第１の磁気回路ブロック
１ａ ヨーク
１ｂ 第１のマグネット
１ｃ プレート
７ 第２の磁気回路ブロック
７ａ 第２のマグネット
１０２ 下型
１０３ サーボモータ
１０３ａ エンコーダ
１０４ スライダー
１０５ 上型
１１０ 制御部
１１０ａ 位置検出部
１１０ｂ 負荷電流検出部
１１０ｄ 指示部
Claims (2)
- 少なくともヨークとこのヨークに接着結合された第１のマグネットとこの第１のマグネット上に接着結合されたプレートとで構成される第１の磁気回路ブロックと、前記プレート上に接着結合された前記第１のマグネットと反撥する方向に磁化された第２のマグネットから構成される第２の磁気回路ブロックとで構成される反撥磁気回路の製造方法において、下型に予め磁化された第１のマグネットからなる前記第１の磁気回路ブロックを装着する工程と、上型に予め磁化された第２のマグネットからなる第２の磁気回路ブロックを装着する工程と、少なくとも前記下型に装着された第１の磁気回路ブロックと前記上型に装着された第２の磁気回路ブロックの少なくとも一方の接合面に接着剤を塗布する工程と、前記下型に装着された前記第１の磁気回路ブロックおよび前記上型に装着された前記第２の磁気回路ブロックの少なくとも一方を移動させた時、前記第１の磁気回路ブロックと前記第２の磁気回路ブロックの当接を検出する工程と、所定の押圧を行う工程とで構成され、前記第１の磁気回路ブロックと前記第２の磁気回路ブロックの少なくとも一方を移動・押圧する手段が電動モータの回転運動を直線運動に変換して行うものであり、前記第１の磁気回路ブロックと前記第２の磁気回路ブロックの当接を検出する手段が電動モータの負荷電流の検出により行うものである反撥磁気回路の製造方法。
- 第１の磁気回路ブロックが装着される下型と、この下型と間隔を設けて上下動可能に駆動する第２の磁気回路ブロックが装着される上型と、ボールネジと噛み合い、このボールネジの回転を前記上型の上下駆動に変換する前記上型に設けられたネジ部と、前記ボールネジを左右回転させるサーボモータと、前記上型を下動させ、前記第１の磁気回路ブロックと前記第２の磁気回路ブロックの当接を検出し、押圧して接着結合するとともに、所定時間押圧した後、前記サーボモータを逆回転させ前記上型を上動させて初期の位置に戻す命令を前記電動モータに指示する制御部とで構成される反撥磁気回路の製造装置であって、前記所定時間の押圧を前記サーボモータに接続されたエンコーダのパルス数に基づき決定する反撥磁気回路の製造装置。
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