JP3890502B2 - 非接地電源の絶縁検出装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非接地電源の絶縁検出装置に係り、特に、電気による推進力を利用する車両に搭載された非接地の直流電源に好適な絶縁検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
非接地電源の絶縁検出装置は、非接地の直流電源の正及び負端子に接続され、接地電位部からは絶縁された正及び負側の主回路配線の接地電位部に対する絶縁抵抗つまり地絡抵抗を検出することで、接地電位部に対する絶縁や地絡状態を検出するものである(例えば、特許文献1参照)。このような従来の絶縁検出装置では、非接地の直流電源の正端子と接地電位部との間にコンデンサを直列に設定時間の間接続するスイッチング手段、非接地の電源の負端子と接地電位部との間にコンデンサを直列に設定時間の間接続するスイッチング手段、各スイッチング手段の遮断後にコンデンサの両端子間の電圧を検出する検出手段を接続する検出用のスイッチング手段、検出手段で検出した各スイッチング手段の遮断後のコンデンサの両端子間電圧とコンデンサを完全に充電することによって予め算出しておいた電源電圧とに基づいて電源の接地電位部に対する絶縁抵抗つまり地絡抵抗を求める演算手段などを備えており、演算手段で演算された地絡抵抗の値から絶縁状態の検出や判定などを行っている。
【0003】
このような絶縁検出装置では、地絡抵抗の値を算出する際、コンデンサの容量などを定数として含む式を用いるが、定数として用いるコンデンサの容量などには、製品間における容量などのばらつきや温度変化による容量のばらつきなどが存在し、さらに容量などの経時変化などが生じる場合もある。このように定数として用いる値にばらつきや変化がある場合、算出した地絡抵抗の値と実際の地絡抵抗の値との間の計測誤差が増大するため、絶縁状態の検出精度が低下してしまう。したがって、コンデンサの容量など地絡抵抗を算出する際の定数となる値にばらつきや変化などがあっても、地絡抵抗の計測誤差をできるだけ低減し、絶縁状態の検出精度を向上することが望まれている。
【0004】
これに対して、絶縁状態の検出精度を向上するため、本願の発明者らは、正端子側及び負端子側の配線が接地電位部から絶縁された直流電源にコンデンサを直列に第1の設定時間の間接続する第1のスイッチング手段と、電源の正端子と接地電位部との間にコンデンサを直列に第2の設定時間の間接続する第2のスイッチング手段と、接地電位部と電源の負端子との間にコンデンサを直列に第2の設定時間の間接続する第3のスイッチング手段と、第1、第2及び第3の各スイッチング手段の遮断後にコンデンサの両端子間の電圧を検出する検出手段を接続する第4のスイッチング手段と、第1のスイッチング手段を遮断後の検出手段での検出電圧に基づいて電源電圧を推定し、この推定した電源電圧と第2及び第3のスイッチング手段を遮断後の検出手段での各検出電圧とに基づいて電源の接地電位部に対する絶縁抵抗を求める演算手段とを備えた構成の絶縁検出装置を考えている。
【0005】
さらにこのとき、第1のスイッチング手段が、電源の正端子に接続された第1のスイッチ部と、電源の負端子に接続された第2のスイッチ部とを含み、第3のスイッチング手段が、第2のスイッチ部と、第1のスイッチに直列に接続された第3のスイッチ部とを含み、第2のスイッチング手段が、第1のスイッチ部と、第2のスイッチ部に直列に接続された第4のスイッチ部とを含み、第4のスイッチング手段が、第3のスイッチ部と第4のスイッチ部とを含み、第1のスイッチ部と第3のスイッチ部との間と、第2のスイッチ部S2と第4のスイッチ部との間とに、正側から負側に向かう方向に整流する第1のダイオード、第1の抵抗及びコンデンサを直列に接続し、第1のダイオード及び第1の抵抗に並列に、この第1のダイオードと逆方向に整流する第2のダイオードを接続し、検出手段を第3のスイッチ部と第4のスイッチ部との間に接続し、検出手段と第4のスイッチ部との間を接地電位部に接地した構成としている。
【0006】
このような絶縁検出装置とれば、コンデンサを完全に充電するのに要する時間よりも短い時間に第1の設定時間を設定し、この第1の設定時間の間、第1のスイッチング手段によって直流電源と接地電位部との間にコンデンサが直流に接続されて充電され、このときのコンデンサの両端端子間の電圧を第4のスイッチング手段によって接続された検出手段で検出することにより、この検出した電圧からコンデンサの容量などを定数として含む電源電圧を算出するための式により演算手段が電源電圧を推定することができる。そして、この推定した電源電圧と、第2及び第3のスイッチング手段遮断後の検出手段での検出電圧とに基づいてコンデンサの容量などを定数として含む絶縁抵抗を算出するための式により絶縁抵抗を演算することで、絶縁抵抗の計測誤差を低減し、絶縁状態の検出精度を向上できる。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−226950号公報(第4−7頁、第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような本願の発明者らが考えている絶縁検出装置では、第1、第2及び第3の各スイッチング手段を作動させたとき、各スイッチング手段の作動により形成された各々の回路は第1のダイオードを含んでいる。さらに、第4のスイッチング手段を作動させたとき、第4のスイッチング手段の作動により形成された回路は第2のダイオードを含んでいる。このため、電源電圧を推定するための第1のスイッチング手段を遮断後の検出手段での検出電圧、そして推定した電源電圧と併せて電源の接地電位部に対する絶縁抵抗を求める基となる第2及び第3のスイッチング手段を遮断後の検出手段での各検出電圧は、第1のダイオードにおける順方向電圧降下及び第2のダイオードにおける順方向電圧降下の影響を受けることになる。したがって、検出手段での各検出電圧は、第1及び第2の各ダイオードにおける順方向電圧降下に相当する誤差を含むため、第1及び第2の各ダイオードにおける順方向電圧降下の大きさによっては、絶縁状態の検出精度が低下してしまう場合がある。
【0009】
このように、本願の発明者らが考えている回路にダイオードを含む絶縁検出装置では、コンデンサの容量の製品間のばらつきなどによる絶縁抵抗の計測誤差を低減して絶縁状態の検出精度を向上できるが、ダイオードの順方向電圧降下の大きさによっては、検出手段での検出電圧の誤差が大きくなり、絶縁状態の検出精度が低下してしまう場合がある。したがって、絶縁状態の検出精度をさらに向上するため、検出手段での検出電圧の誤差を低減する必要がある。
【0010】
これに対して、本願の発明者らは、第1のダイオードにおける順方向電圧降下と第2のダイオードにおける順方向電圧降下との合計値に基づいて補正定数を設定し、検出電圧をこの補正定数で補正する検出手段を考えている。しかし、ダイオードの順方向電圧降下は、ダイオードに流れる電流量が大きくなるに連れて指数関数適に大きくなる。一方、電源の接地電位部に対する絶縁抵抗が小さくなるに連れてダイオードに流れる電流量が多くなる。このため、絶縁抵抗が小さくなるに連れて、ダイオードの順方向電圧降下が大きくなる。したがって、検出手段での検出電圧を補正する場合、補正定数を設定して検出電圧を補正すると、検出電圧の誤差がかえって大きくなってしまう場合があり、検出手段での検出電圧の誤差を低減し難い。
【0011】
本発明の課題は、検出手段での検出電圧の誤差を低減することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の絶縁検出装置は、正端子側及び負端子側の配線が接地電位部から絶縁された直流電源にコンデンサを直列に、このコンデンサが完全に充電される時間よりも短い第1の設定時間の間接続する第1のスイッチング手段と、電源の正端子と接地電位部との間にコンデンサを直列に第2の設定時間の間接続する第2のスイッチング手段と、接地電位部と電源の負端子との間にコンデンサを直列に第2の設定時間の間接続する第3のスイッチング手段と、第1、第2及び第3の各スイッチング手段の遮断後にコンデンサの両端子間の電圧を検出する検出手段を接続する第4のスイッチング手段と、第1のスイッチング手段を遮断後の前記検出手段での検出電圧に基づいて電源の電源電圧を推定し、この推定した電源電圧と第2及び第3のスイッチング手段を遮断後の検出手段での各検出電圧とに基づいて電源の接地電位部に対する絶縁抵抗を求める演算手段とを備え、第1のスイッチング手段が、電源の正端子に接続された第1のスイッチ部と、電源の負端子に接続された第2のスイッチ部とを含み、第3のスイッチング手段が、第2のスイッチ部と、第1のスイッチに直列に接続された第3のスイッチ部とを含み、第2のスイッチング手段が、第1のスイッチ部と、第2のスイッチ部に直列に接続された第4のスイッチ部とを含み、第4のスイッチング手段が、第3のスイッチ部と、第4のスイッチ部とを含み、第1のスイッチ部と第3のスイッチ部との間と、第2のスイッチ部と第4のスイッチ部との間とに、正側から負側に向かう方向に整流する第1のダイオード及び前記コンデンサが直列に接続され、第1のダイオードに並列に、この第1のダイオードと逆方向に整流する第2のダイオードが接続されており、検出手段は、この検出手段で検出した検出電圧に、この検出電圧に応じた第1のダイオードの順方向電圧降下の値と第2のダイオードの順方向電圧降下の値との合計値に対応する補正値を加えて検出電圧を補正する構成とすることにより上記課題を解決する。
【0013】
このような構成とすれば、検出手段は、この検出手段で検出した検出電圧に、この検出電圧に応じた第1のダイオードの順方向電圧降下量と第2のダイオードの順方向電圧降下量との合計値に対応する補正値を加えて検出電圧を補正する。このように、絶縁抵抗の大きさに応じた補正値で検出電圧を補正するため、検出手段での検出電圧の誤差を低減できる。
【0014】
また、検出手段は、この検出手段で検出した検出電圧と予め設定した補正判定電圧値とを比較し、検出電圧が補正判定電圧値以上のとき、第1のダイオードの順方向電圧降下の値と第2のダイオードの順方向電圧降下の値との合計値に応じて予め設定した第1の補正値を検出電圧に加えてこの検出電圧を補正し、検出電圧が補正判定電圧値未満のとき、補正をおこなわないか、または第1の補正値よりも小さく前記第1のダイオードの順方向電圧降下の値と第2のダイオードの順方向電圧降下の値との合計値に応じて予め設定した第2の補正値を検出電圧に加えてこの検出電圧を補正する構成とする。
【0015】
このような構成とすることでも、検出電圧が比較的高いときには第1の補正値で検出電圧の補正を行い、検出電圧が比較的低いときには補正を行わないか、または第1の補正値よりも小さい第2の補正値で検出電圧の補正を行うため、検出電圧の誤差を低減できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明を適用してなる絶縁検出装置の第1の実施形態について図1乃至図4を参照して説明する。図1は、本発明を適用してなる絶縁検出装置の概略構成を示すブロック図である。図2は、本発明を適用してなる絶縁検出装置の絶縁抵抗の算出動作を示すフロー図である。図3は、各スイッチ部の動作に対するコンデンサの充放電状態と電圧の読み込みタイミングを示すタイムチャートである。図4は、絶縁抵抗の値に対する各電源電圧の計測時間で検出した絶縁抵抗の値の検出誤差を示す図である。
【0017】
本実施形態の絶縁検出装置1は、図1に示すように、例えば電力を利用して推進力を得る電気推進車両などの電力源となる直流電源3に対して適用したものである。電源3は、複数の蓄電池などを直列接続したものや燃料電池などであり、電源3の正端子側の正側主回路配線5aと負端子側の負側主回路配線5bが、各々、接地電位部7、例えば車体などから絶縁されており、電源3は非接地電源となっている。絶縁検出装置1は、第1スイッチS1、第2スイッチS2、第3スイッチS3、第4スイッチS4、コンデンサ9、検出手段と演算手段を兼ねると共に絶縁状態を判定するマイコン11、そして各スイッチを設定された時間に応じて開閉制御する図示していないスイッチング制御回路などで構成されている。
【0018】
なお、図示していないスイッチング制御回路をマイコン11に一体に含めるなど、検出手段、演算手段及びスイッチング制御回路などは、別体または一体に適宜形成できる。さらに、本実施形態の検出手段となるマイコン11は、検出した検出電圧を補正する補正機能を果たすプログラムを含んでいる。また、図1で示した第1スイッチS1、第2スイッチS2、第3スイッチS3、第4スイッチS4は、リレーや半導体スイッチといったスイッチ機能を果たす部品からなるスイッチ部の接点部分を模式的に示したものである。
【0019】
電源3の正側端子には、この正側端子から第1スイッチS1及び第3スイッチS3が順次直列に接続され、電源3の負側端子には、この負端子側から第2スイッチS2、第4スイッチS4及び第4抵抗R4が順次直列に接続されている。第1スイッチS1と第3スイッチS3との間から第2スイッチS2と第4スイッチS4との間には、第1ダイオードD1、第1抵抗R1及びコンデンサ9が順次直列に接続されている。第1抵抗R1とコンデンサ9との間から第1スイッチS1と第3スイッチS3との間には、第2ダイオードD2及び第2抵抗R2が順次直列に接続されている。すなわち、第1ダイオードD1及び第1抵抗R1と、第2ダイオードD2及び第2抵抗R2とは並列に接続されている。また、第2ダイオードD2と第2抵抗R2との間の部位から接地電位部7に、バイパス手段として、第5スイッチS5、そして第2抵抗R2よりも抵抗が低い第5抵抗R5が順次直列に接続されている。なお、第1ダイオードD1は、正側から負側に向かう方向に整流するものであり、第2ダイオードD2は、第1ダイオードD1と逆方向に整流するものである。
【0020】
第3スイッチS3と第4抵抗R4間には、第3スイッチS3と第4抵抗R4に対して直列に第3抵抗R3が接続されており、第3スイッチS3と第3抵抗R3との間には、検出手段と演算手段を兼ねるマイコン11がマイコン11のアナログ/デジタル変換ポートつまりA/Dポートを介して接続されている。また、第3抵抗R3と第4抵抗R4との間の部位は、接地電位部7に接地されている。
【0021】
したがって、電源3にコンデンサ9を直列に第1の設定時間の間接続する第1のスイッチング手段は、第1スイッチS1、第2スイッチS2及び図示していないスイッチング制御回路などで、電源3の正端子と接地電位部7との間にコンデンサ9を直列に第2の設定時間の間接続する第2のスイッチング手段は、第1スイッチS1、第4スイッチS4及び図示していないスイッチング制御回路などで、接地電位部7と電源3の負端子との間にコンデンサ9を直列に第2の設定時間の間接続する第3のスイッチング手段は、第2スイッチS2、第3スイッチS3及び図示していないスイッチング制御回路などで、第4のスイッチング手段は、第3スイッチS3、第4スイッチS4及び図示していないスイッチング制御回路などで形成されている。なお、コンデンサ9には、例えば数μFといった比較的高容量のものが用いられ、第1抵抗R1と第2抵抗R2には、例えば数百kΩといった比較的高い抵抗値のものが用いられている。
【0022】
このような構成の絶縁検出装置の動作と本発明の特徴部について説明する。絶縁検出装置1は、図2及び図3に示すように、絶縁状態の検出を開始すると、図示していないスイッチング制御回路が第1スイッチS1及び第2スイッチS2を第1の設定時間である第1閉路時間T1の間、閉路する(ステップ101)。すなわち、第1のスイッチング手段により、接地電位部7を介さずに電源3にコンデンサ9を直列に接続する回路が形成され、第1閉路時間T1の間、コンデンサ9への充電が行われ、コンデンサ9の両端子間の電圧VCが上昇する。なお、第1閉路時間T1は、コンデンサ9を完全に充電するのに必要な時間よりも短い時間に設定されており、例えばコンデンサ9を完全に充電するのに必要な時間の1/5〜1/10といったような短い時間となっており、第1閉路時間T1は、必要とされる絶縁抵抗の計測誤差範囲によって選択されたものである。
【0023】
ステップ101において第1閉路時間T1が経過すると、第1スイッチS1及び第2スイッチS2が開路つまり遮断され、第1閉路時間T1よりも短い所定時間tw1経過後、第3スイッチS3及び第4スイッチS4が閉路される。すなわち、第4のスイッチング手段により、コンデンサ9の両端子間の電圧を検出するマイコン11が接続された回路が形成されると共に、第2抵抗R2、第3抵抗R3、そして第4抵抗R4を含むコンデンサ9からの放電回路が形成され、コンデンサ9の両端子間の電圧VCが降下する。第3スイッチS3及び第4スイッチS4が閉路されてから第1閉路時間T1よりも短い所定時間tw2経過後、マイコン11は、A/Dポートを介してA/D変換データ、つまりコンデンサ9の両端子間の電圧VCを読み込む(ステップ103)。
【0024】
このとき、マイコン11は、コンデンサ9の両端子間電圧VCに対応する検出電圧の値の補正を行う(ステップ105)。ステップ105では、マイコン11は、検出したコンデンサ9の両端子間の電圧VCに対応する検出電圧に応じた第1ダイオードD1の順方向電圧降下の値と第2ダイオードD2の順方向電圧降下の値の合計値を求め、この合計値を補正値として検出電圧に加算して補正し、これにより電源3の電源電圧を推定するための補正した検出電圧V0を得る。
【0025】
なお、マイコン11には、予め、第1ダイオードD1の順方向電流に対する順方向電圧降下及び第2ダイオードD2の順方向電流に対する順方向電圧降下の特性データと、マイコン11での検出電圧に対応する第1ダイオードD1の順方向電流及び第2ダイオードD2の順方向電流のデータとが入力されている。そして、これらのデータに基づいて、マイコン11は、検出電圧に応じて第1ダイオードD1の順方向電圧降下の値と第2ダイオードD2の順方向電圧降下の値を求めている。また、本実施形態では、マイコン11は、A/Dポートを介してA/D変換データを読み込むことで検出電圧を得ている。このため、マイコン11は、検出電圧に対応するA/D変換データに、第1ダイオードD1の順方向電圧降下の値と第2ダイオードD2の順方向電圧降下の値の合計値に対応するカウント数を補正値として加算することで検出電圧の補正を行っている。
【0026】
このようなステップ105の後、この電源3の電源電圧を推定するための補正した検出電圧V0により、次式(1)から推定の電源電圧V0sを算出する(ステップ107)。
V0s=V0/(1−EXP(−T1/C・R1)) …(1)
ただし、式(1)において、T1は第1スイッチS1及び第2スイッチS2の閉路時間、Cはコンデンサ9の容量、R1は第1抵抗R1の抵抗値である。
【0027】
一方、図示していないスイッチング制御回路は、ステップ103でコンデンサ9の両端子間の電圧VCを検出した後、第3スイッチS3及び第4スイッチS4が閉路された状態で、第5スイッチS5を閉路して第2抵抗R2をバイパスさせることで、第2抵抗R2の抵抗値を下げた状態とし、コンデンサ9からの放電に要する時間を短縮する。第5スイッチS5を閉路して、第1閉路時間T1よりも短い所定時間td1経過後、第5スイッチS5を開路つまり遮断した後、マイコン11は、A/Dポートを介してA/D変換データ、つまりコンデンサ9の両端子間の電圧VCを読み込む(ステップ109)。
【0028】
ステップ109で電圧VCが0Vであることが確認されたら、図示していないスイッチング制御回路は、第3スイッチS3を開路し、所定時間tw1経過後に第1スイッチS1を閉路する。そして、第1スイッチS1及び第4スイッチS4を第2の設定時間である第2閉路時間T2の間、閉路する(ステップ111)。すなわち、第2のスイッチング手段により、電源3の正端子と接地電位部7との間にコンデンサ9を直列に接続した回路、つまり、図1に示すように、正側主回路配線5a、第1スイッチS1、第1ダイオードD1、第1抵抗R1、コンデンサ9、第4スイッチS4、第4抵抗R4、接地電位部7、そして図1において点線で示すような位置に仮定される負端子側の地絡抵抗Rn、負側主回路配線5bを順次直列に電源3に接続した回路が形成される。これにより、第2閉路時間T2の間、コンデンサ9への充電が行われ、図3に示すように、地絡抵抗Rnの値に応じてコンデンサ9の両端子間の電圧VCが上昇する。なお、第2の設定時間である第2閉路時間T2も、第1閉路時間T1と同様に、コンデンサ9を完全に充電するのに必要な時間よりも短く、所定時間tw1、tw2、td1よりも長い時間に設定されている。
【0029】
ステップ111において第2閉路時間T2が経過すると、図2及び図3に示すように、第1スイッチS1が開路つまり遮断され、所定時間tw1経過後、第3スイッチS3が閉路され、第3スイッチS3及び第4スイッチS4が閉路された状態となる。すなわち、第4のスイッチング手段により、コンデンサ9の両端子間の電圧を検出するマイコン11が接続された回路が形成されると共に、第2抵抗R2、第3抵抗R3、そして第4抵抗R4を含むコンデンサ9からの放電回路が形成され、コンデンサ9の両端子間の電圧VCが降下する。そして、第3スイッチS3が閉路されてから所定時間tw2経過後、マイコン11は、A/Dポートを介してA/D変換データ、つまりコンデンサ9の両端子間の電圧VCを読み込む(ステップ113)。
【0030】
このとき、マイコン11は、ステップ105と同様に、コンデンサ9の両端子間電圧VCに対応する検出電圧の値の補正を行う(ステップ115)。ステップ115では、マイコン11は、検出したコンデンサ9の両端子間の電圧VCに対応する検出電圧に応じた第1ダイオードD1の順方向電圧降下の値と第2ダイオードD2の順方向電圧降下の値の合計値を求め、この合計値を補正値として検出電圧に加算して補正し、これにより負端子側の地絡抵抗Rnを算出するための検出電圧VCNを得る。
【0031】
一方、図示していないスイッチング制御回路は、ステップ115でコンデンサ9の両端子間の電圧VCを検出した後、第3スイッチS3及び第4スイッチS4が閉路された状態で、第5スイッチS5を閉路して第2抵抗R2をバイパスさせ、コンデンサ9からの放電に要する時間を短縮する。第5スイッチS5を閉路して、第2閉路時間T2よりも短い所定時間td2経過後、第5スイッチS5を開路つまり遮断した後、マイコン11は、A/Dポートを介してA/D変換データ、つまりコンデンサ9の両端子間の電圧VCを読み込む(ステップ117)。
【0032】
ステップ117で電圧VCが0Vであることが確認されたら、図示していないスイッチング制御回路は、第4スイッチS4を開路し、所定時間tw1経過後、第2スイッチS2を閉路する。そして、第2スイッチS2及び第3スイッチS3を第2の設定時間である第2閉路時間T2の間、閉路する(ステップ119)。すなわち、第3のスイッチング手段により、接地電位部7と電源3の負端子との間にコンデンサ9を直列に接続した回路、つまり、図1に示すように、正側主回路配線5a、図1において点線で示すような位置に仮定される正端子側の地絡抵抗Rp、接地電位部7、第3抵抗R3、第3スイッチS3、第1ダイオードD1、第1抵抗R1、コンデンサ9、第2スイッチS2、そして負側主回路配線5bを順次直列に電源3に接続した回路が形成される。これにより、第2閉路時間T2の間、コンデンサ9への充電が行われ、図3に示すように、地絡抵抗Rpの値に応じてコンデンサ9の両端子間の電圧VCが上昇する。
【0033】
ステップ119において第2閉路時間T2が経過すると、図2及び図3に示すように、第2スイッチS2が開路つまり遮断され、所定時間tw1経過後、第4スイッチS4が閉路され、第3スイッチS3及び第4スイッチS4が閉路された状態となる。すなわち、第4のスイッチング手段により、コンデンサ9の両端子間の電圧を検出するマイコン11が接続された回路が形成されると共に、第2抵抗R2、第3抵抗R3、そして第4抵抗R4を含むコンデンサ9からの放電回路が形成される。そして、第4スイッチS4が閉路されてから所定時間tw2経過後、マイコン11は、A/Dポートを介してA/D変換データ、つまりコンデンサ9の両端子間の電圧VCを読み込む(ステップ121)。
【0034】
このとき、マイコン11は、ステップ105、115と同様に、コンデンサ9の両端子間電圧VCに対応する検出電圧の値の補正を行う(ステップ123)。ステップ123では、マイコン11は、検出したコンデンサ9の両端子間の電圧VCに対応する検出電圧に応じた第1ダイオードD1の順方向電圧降下の値と第2ダイオードD2の順方向電圧降下の値の合計値を求め、この合計値を補正値として検出電圧に加算して補正し、これにより負端子側の地絡抵抗Rnを算出するための検出電圧VCPを得る。
【0035】
なお、ステップ115及びステップ123における検出電圧は、各々負端子側の地絡抵抗Rn及び正端子側の地絡抵抗Rpの値と反比例の関係にある。つまり、地絡抵抗Rn、Rpの値が小さくなるに連れて検出電圧は高くなり、地絡抵抗Rn、Rpの値が大きくなるに連れて検出電圧は低くなる。したがって、補正値は、地絡抵抗Rn、Rpの値が小さくなるに連れて大きくなり、地絡抵抗Rn、Rpの値が大きくなるに連れて小さくなる。例えば、図3では、負端子側の地絡抵抗Rnの値よりも正端子側の地絡抵抗Rpの値が大きいため、検出電圧VCNを得るためのステップ113での検出電圧よりも、検出電圧VCPを得るためのステップ121での検出電圧の方が小さくなっている。このため、検出電圧VCNを得るためのステップ115で用いられた補正値は、検出電圧VCPを得るためのステップ123で用いられた補正値よりも大きな値となる。
【0036】
ステップ123の後、マイコン11は、ステップ115、123で得たVCN、VCPを用いて、以下の式(2)から、電源3の接地電位部7となる車体などに対する絶縁抵抗、すなわち地絡抵抗Rn、Rpを代表する地絡抵抗値RLを算出する(ステップ125)。
RL=−R1−T2/C・ln(1−(VCP+VCN)/V0s)…(2)
ただし、式(2)において、T2は第2閉路時間、Cはコンデンサ9の容量、R1は第1抵抗R1の抵抗値、V0sはステップ107で得た推定した電源電圧である。
【0037】
一方、図示していないスイッチング制御回路は、ステップ121でコンデンサ9の両端子間の電圧VCを検出した後、第3スイッチS3及び第4スイッチS4が閉路された状態で、第5スイッチS5を閉路して第2抵抗R2をバイパスさせ、コンデンサ9からの放電に要する時間を短縮する。第5スイッチS5を閉路して所定時間td2経過後、第5スイッチS5を開路つまり遮断した後、マイコン11は、A/Dポートを介してA/D変換データ、つまりコンデンサ9の両端子間の電圧VCを読み込む(ステップ127)。そして、ステップ127で電圧VCが0Vであることが確認された時点で、1回の絶縁状態の検出サイクルを終了する。また、絶縁状態の検出を行う間、ステップ101からステップ127までの絶縁状態の検出サイクルを繰り返す。
【0038】
マイコン11は、1回または複数回の絶縁状態の検出サイクルで求めた地絡抵抗値RLから絶縁状態を判定する。例えば、地絡抵抗値RLと、予め絶縁状態を判定するために定めた基準となる地絡抵抗の値つまり基準抵抗値とを比較し、地絡抵抗値RLが基準抵抗値以下になっている場合には、絶縁不良が生じていると判定する。
【0039】
ところで、式(2)などからわかるように、コンデンサ9の容量C、さらに第1抵抗R1の抵抗値R1が製品間差や温度変化などによりばらつくと、電源3の地絡抵抗値RLの計測精度に影響し、検出した地絡抵抗値RLの精度が低下してしまう。したがって、絶縁状態の検出精度が低下してしまうことになる。特にコンデンサ9は、浮遊容量を考慮すると数μFといった比較的大きな値のものが必要となるため、例えば製品間差において±5%程度のばらつきがあるとすると、これに温度変化を考慮すると±10%程度のばらつきが生じる場合があり、このようなコンデンサ9の容量のばらつきが絶縁状態の検出精度を低下させてしまうことになる。加えて、経時変化による部品定数の変化によって生じるばらつきなども絶縁状態の検出精度を低下させてしまうことになる。
【0040】
しかし、本実施形態の絶縁検出装置1では、絶縁検出のサイクルの最初の段階で第1スイッチS1と第2スイッチS2を、コンデンサ9を完全に充電するのに要する時間よりも短い第1閉路時間T1の間閉路することにより、電源3の電源電圧を推定している。第1スイッチS1と第2スイッチS2を短時間閉路してコンデンサ9を充電する場合は、実際のコンデンサ9の容量と抵抗R1の抵抗値とで決定される時定数C・R1で充電されるときの充電到達電圧を推定する方式であるため、推定した電源電圧V0sは、実際の電源3の電源電圧ではなく、コンデンサ9と抵抗R1の容量及び抵抗値の誤差、つまりばらつきを含んだ値となる。そして、このばらつきを含む推定した電源電圧V0sを、絶縁検出のサイクルにおける以降に続くステップで行う地絡抵抗値RLの演算に用いることで、コンデンサ9の容量のばらつきに対する補正が行われ、コンデンサ9の容量のばらつきによって生じる実際の地絡抵抗値RLと、算出した地絡抵抗値RLとの誤差を低減することができる。したがって、絶縁状態の検出精度を向上できる。
【0041】
このような本実施形態の絶縁検出装置1によって計測した地絡抵抗値RLと、実際の地絡抵抗値RLとの誤差を、ある所定の規格容量を有するコンデンサ9、そしてある所定の規格抵抗値を有する第1抵抗R1を用いた場合を想定して計算した結果を図4に示す。なお、コンデンサ9は、製品間差と温度変化を考慮して±10%程度の容量のばらつきが、第1抵抗R1は、製品間差と温度変化を考慮して±2%程度の容量のばらつきがあるものとする。図4において、V0計測時間は、第1閉路時間を意味し、したがって、図4では、第1閉路時間T1をt秒、2t秒、そして3t秒、ただしt<2t<3tとした場合の計測誤差を示している。なお、図4は、縦軸を検出精度つまり検出誤差、横軸を地絡抵抗の値として計算結果をグラフ化したものである。
【0042】
図4からわかるように、従来の絶縁検出装置で検出した場合、つまり補正無しの場合に比べて、本実施形態の絶縁検出装置1で検出した場合、つまり補正ありの場合の方が各地絡抵抗値に対して計測誤差が低減されている。さらに、V0計測時間つまり第1閉路時間T1の設定によって計測誤差の低減度合いが異なっており、第1閉路時間T1がt秒のときには、地絡抵抗が小さくなるにしたがって誤差が大きくなるが、地絡抵抗が大きくなるにしたがって誤差が小さくなっている。第1閉路時間T1が2t秒のときには、地絡抵抗が大きい場合には、第1閉路時間T1がt秒のときよりも誤差が大きくなるが、各地絡抵抗にわたって平均的に誤差が小さくなっている。第1閉路時間T1が3t秒のときにも各地絡抵抗にわたって平均的に誤差が小さくなっているが、誤差は、第1閉路時間T1が2t秒のときよりも大きい。
【0043】
したがって、絶縁不良を判定する地絡抵抗の値の設定を比較的大きな値とする場合には、第1閉路時間T1をt秒とするのが好ましく、絶縁不良を判定する地絡抵抗の値の設定を比較的小さな値とする場合には、第1閉路時間T1を2t秒とするのが好ましい。このように、第1閉路時間T1つまり第1の設定時間は、絶縁不良を判定する地絡抵抗の値周辺で計測誤差が小さくなるように選択するのが好ましい。例えば、図4において絶縁不良を判定する地絡抵抗の値をRΩに設定したとすれば、第1閉路時間T1として2t秒を選択するのが好ましく、このとき、従来の絶縁検出装置では±10%以上の計測誤差があるのに対し、本実施形態の絶縁検出装置1では、±2%以下の計測誤差となり、絶縁状態の検出精度を向上できることになる。
【0044】
このように、本実施形態の絶縁検出装置では、検出手段となるマイコン1は、マイコン1で検出した検出電圧に、この検出電圧に応じた第1のダイオードの順方向電圧降下量と第2のダイオードの順方向電圧降下量との合計値に対応する補正値を加えて検出電圧を補正する。このように、絶縁抵抗の大きさに応じた補正値で検出電圧を補正するため、検出手段での検出電圧の誤差を低減できる。
【0045】
さらに、検出手段での検出電圧の誤差を低減できることにより、絶縁状態の検出精度をさらに向上できる。
【0046】
加えて、本実施形態の絶縁検出装置1では、閉路したときに第2抵抗R2をバイパスする経路を形成する第5スイッチS5を含むバイパス手段を備えているため、マイコン11によるコンデンサ9の両端子間の電圧の検出後に第5スイッチS5を閉路することで、コンデンサ9からの放電時間を短縮することができる。したがって、絶縁検出のための1サイクルに要する時間を短縮することができ、単位時間当たりの絶縁検出の回数を増やし、絶縁検出の精度をさらに向上できる。
【0047】
なお、第5スイッチS5を含むバイパス手段としては、本実施形態の構成に限らず、バイパス手段は、図5に示すように、第2抵抗R2の両端子間に、第2抵抗R2と並列に第5スイッチS5が接続されている構成にすることもできる。また、絶縁検出のための1サイクルに要する時間の短縮などの必要性がない場合などには、第5スイッチS5を含むバイパス手段を設けない構成にすることもできる。
【0048】
また、本実施形態では、電源3の正端子側の地絡抵抗Rpと負端子側の地絡抵抗Rnを代表する地絡抵抗値RLを算出している。しかし、個別の式により電源電圧V0sと検出電圧VCP、VCNなどとに基づいて電源3の正端子側の地絡抵抗Rpと負端子側の地絡抵抗Rnを個々に推定し、絶縁不良の部位も検出できるようにすることもできる。
【0049】
また、本発明は、本実施形態において示した回路構成に限らず、正端子側及び負端子側の配線が接地電位部から絶縁された直流電源にコンデンサを直列に第1の設定時間の間接続する第1のスイッチング手段、電源の正端子と接地電位部との間に前記コンデンサを直列に第2の設定時間の間接続する第2のスイッチング手段、電源の負端子と接地電位部との間にコンデンサを直列に第2の設定時間の間接続する第3のスイッチング手段、第1、第2及び第3の各スイッチング手段の遮断後にコンデンサの両端子間の電圧を検出する検出手段を接続する第4のスイッチング手段などをそなえていれば様々な回路構成の絶縁検出装置に適用することができる。
【0050】
(第2の実施形態)
以下、本発明を適用してなる絶縁検出装置の第2の実施形態について図6及び図7を参照して説明する。図6は、本発明を適用してなる絶縁検出装置の絶縁抵抗の算出動作における電源電圧推定過程を示すフロー図である。図7は、本発明を適用してなる絶縁検出装置の絶縁抵抗の算出動作における絶縁抵抗計測過程を示すフロー図である。図8は、各スイッチ部の動作に対するコンデンサの充放電状態と電圧の読み込みタイミングを示すタイムチャートである。 なお、本実施形態では、第1の実施形態と同一のもの及び動作などには同じ符号を付して説明を省略し、第1の実施形態と相違する特徴部などについて説明する。
【0051】
本実施形態の絶縁検出装置が第1の実施形態と相違する点は、検出手段であるマイコンが、検出電圧に応じて補正値を求めず、検出電圧と補正判定電圧値とを比較した結果に応じて、予め設定された第1の補正値または第1の補正値よりも小さい第2の補正値のいずれかで検出電圧の補正を行うことにある。すなわち、本実施形態の絶縁検出装置1は、図6及び図8に示すように、ステップ103においてマイコン11がA/D変換データを読み込んだ後、マイコン11は、このコンデンサ9の両端子間電圧VCに対応する検出電圧と予め設定した補正判定電圧値との比較を行う(ステップ129)。ステップ129において検出電圧が補正判定電圧値以上である場合には、マイコン11は、予め入力されている第1の補正値をこの検出電圧に加算して補正し、これにより電源3の電源電圧を推定するための補正した検出電圧V0を得る(ステップ131)。
【0052】
一方、ステップ129において検出電圧の値が補正判定電圧値未満である場合には、マイコン11は、予め入力されている第1の補正値よりも小さい第2の補正値をこの検出電圧に加算して補正し、これにより電源3の電源電圧を推定するための補正した検出電圧V0を得る(ステップ133)。
【0053】
なお、補正判定電圧値は、例えばマイコン11で検出されると想定される最大電圧と最小電圧の中間の電圧とし、第1の補正値は、例えば負端子側の地絡抵抗Rnまたは正端子側の地絡抵抗Rpが最小値つまり0Ωのときの順方向電流に対応する第1ダイオードD1の順方向電圧降下と第2ダイオードD2の順方向電圧降下との合計値に対応する値とし、第2の補正値は、例えば負端子側の地絡抵抗Rnまたは正端子側の地絡抵抗Rpが最大値のときの順方向電流に対応する第1ダイオードD1の順方向電圧降下と第2ダイオードD2の順方向電圧降下との合計値に対応する値とするなど、第1ダイオードD1及び第2ダイオードD2の特性に応じて、できるだけ検出電圧の誤差を低減できるように適宜決定している。
【0054】
また、ステップ103におけるマイコン11での検出電圧は、負端子側の地絡抵抗Rnや正端子側の地絡抵抗Rpを含まない回路を形成したときのコンデンサ9の両端子間電圧VCに対応する電圧である。このため、回路に異常がなければ、ステップ103におけるマイコン11での検出電圧は、常に負端子側の地絡抵抗Rnまたは地絡抵抗Rpが最小値のときと同じ値となる。したがって、本実施形態のようにステップ129、131、133によって用いる補正値の選択を行わず、電源電圧の推定の過程では、ステップ103におけるマイコン11での検出電圧に、常に第1の補正値を加えて検出電圧を補正する構成にすることもできる。
【0055】
さらに、図7及び図8に示すように、ステップ113においてマイコン11がA/D変換データを読み込んだ後も、ステップ129と同様に、マイコン11は、このコンデンサ9の両端子間電圧VCに対応する検出電圧と予め設定した補正判定電圧値との比較を行う(ステップ135)。ステップ135において検出電圧が補正判定電圧値以上である場合には、マイコン11は、予め入力されている第1の補正値をこの検出電圧に加算して補正し、これにより負端子側の地絡抵抗Rnを算出するための検出電圧VCNを得る(ステップ137)。
【0056】
一方、ステップ135において検出電圧の値が補正判定電圧値未満である場合には、マイコン11は、予め入力されている第1の補正値よりも小さい第2の補正値をこの検出電圧に加算して補正し、これにより負端子側の地絡抵抗Rnを算出するための検出電圧VCNを得る(ステップ139)。なお、図8では、ステップ113におけるマイコン11の検出電圧は、補正判定電圧値以上であるため、第1の補正値をこの検出電圧に加算して補正し、これにより負端子側の地絡抵抗Rnを算出するための検出電圧VCNを得ている。
【0057】
また、ステップ121においてマイコン11がA/D変換データを読み込んだ後も、ステップ129、135と同様に、マイコン11は、このコンデンサ9の両端子間電圧VCに対応する検出電圧と予め設定した補正判定電圧値との比較を行う(ステップ141)。ステップ141において検出電圧が補正判定電圧値以上である場合には、マイコン11は、予め入力されている第1の補正値をこの検出電圧に加算して補正し、これにより負端子側の地絡抵抗Rnを算出するための検出電圧VCNを得る(ステップ143)。
【0058】
一方、ステップ141において検出電圧の値が補正判定電圧値未満である場合には、マイコン11は、予め入力されている第1の補正値よりも小さい第2の補正値をこの検出電圧に加算して補正し、これにより負端子側の地絡抵抗Rnを算出するための検出電圧VCNを得る(ステップ145)。なお、図8では、ステップ121におけるマイコン11の検出電圧は、補正判定電圧値未満であるため、第2の補正値をこの検出電圧に加算して補正し、これにより負端子側の地絡抵抗Rpを算出するための検出電圧VCPを得ている。
【0059】
このように、本実施形態の絶縁検出装置でも、検出電圧が比較的高いときには第1の補正値で検出電圧の補正を行い、検出電圧が比較的低いときには第1の補正値よりも小さい第2の補正値で検出電圧の補正を行うため、検出電圧の誤差を低減できる。
【0060】
また、本実施形態では、マイコン11での検出電圧が補正判定電圧値未満である場合には、第1の補正値よりも小さい第2の補正値を用いている。しかし、マイコン11での検出電圧が補正判定電圧値未満のときの第1ダイオードD1の順方向電圧降下と第2ダイオードD2の順方向電圧降下との合計値が値絡抵抗値の計測精度に対して無視できる程度である場合には、マイコン11での検出電圧が補正判定電圧値未満である場合には、補正を行わないようにすることもできる。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、検出手段での検出電圧の誤差を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなる絶縁検出装置の第1の実施形態の概略構成を示す図である。
【図2】本発明を適用してなる絶縁検出装置の第1の実施形態における絶縁抵抗の算出動作を示すフロー図である。
【図3】各スイッチ部の動作に対するコンデンサの充放電状態と電圧の読み込みタイミングを示すタイムチャートである。
【図4】絶縁抵抗の値に対する各電源電圧の計測時間で検出した絶縁抵抗の値の検出誤差を示す図である。
【図5】本発明を適用してなる絶縁検出装置の変形例を示す図である。
【図6】本発明を適用してなる絶縁検出装置の第2の実施形態における絶縁抵抗の算出動作における電源電圧推定過程を示すフロー図である。
【図7】本発明を適用してなる絶縁検出装置の第2の実施形態における絶縁抵抗の算出動作における絶縁抵抗計測過程を示すフロー図である。
【図8】各スイッチ部の動作に対するコンデンサの充放電状態と電圧の読み込みタイミングを示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 絶縁検出装置
3 電源
5a 正側主回路配線
5b 負側主回路配線
7 接地電位部
9 コンデンサ
11 マイコン
S1 第1スイッチ
S2 第2スイッチ
S3 第3スイッチ
S4 第4スイッチ
Rp 正端子側地絡抵抗
Rn 負端子側地絡抵抗
【発明の属する技術分野】
本発明は、非接地電源の絶縁検出装置に係り、特に、電気による推進力を利用する車両に搭載された非接地の直流電源に好適な絶縁検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
非接地電源の絶縁検出装置は、非接地の直流電源の正及び負端子に接続され、接地電位部からは絶縁された正及び負側の主回路配線の接地電位部に対する絶縁抵抗つまり地絡抵抗を検出することで、接地電位部に対する絶縁や地絡状態を検出するものである(例えば、特許文献1参照)。このような従来の絶縁検出装置では、非接地の直流電源の正端子と接地電位部との間にコンデンサを直列に設定時間の間接続するスイッチング手段、非接地の電源の負端子と接地電位部との間にコンデンサを直列に設定時間の間接続するスイッチング手段、各スイッチング手段の遮断後にコンデンサの両端子間の電圧を検出する検出手段を接続する検出用のスイッチング手段、検出手段で検出した各スイッチング手段の遮断後のコンデンサの両端子間電圧とコンデンサを完全に充電することによって予め算出しておいた電源電圧とに基づいて電源の接地電位部に対する絶縁抵抗つまり地絡抵抗を求める演算手段などを備えており、演算手段で演算された地絡抵抗の値から絶縁状態の検出や判定などを行っている。
【0003】
このような絶縁検出装置では、地絡抵抗の値を算出する際、コンデンサの容量などを定数として含む式を用いるが、定数として用いるコンデンサの容量などには、製品間における容量などのばらつきや温度変化による容量のばらつきなどが存在し、さらに容量などの経時変化などが生じる場合もある。このように定数として用いる値にばらつきや変化がある場合、算出した地絡抵抗の値と実際の地絡抵抗の値との間の計測誤差が増大するため、絶縁状態の検出精度が低下してしまう。したがって、コンデンサの容量など地絡抵抗を算出する際の定数となる値にばらつきや変化などがあっても、地絡抵抗の計測誤差をできるだけ低減し、絶縁状態の検出精度を向上することが望まれている。
【0004】
これに対して、絶縁状態の検出精度を向上するため、本願の発明者らは、正端子側及び負端子側の配線が接地電位部から絶縁された直流電源にコンデンサを直列に第1の設定時間の間接続する第1のスイッチング手段と、電源の正端子と接地電位部との間にコンデンサを直列に第2の設定時間の間接続する第2のスイッチング手段と、接地電位部と電源の負端子との間にコンデンサを直列に第2の設定時間の間接続する第3のスイッチング手段と、第1、第2及び第3の各スイッチング手段の遮断後にコンデンサの両端子間の電圧を検出する検出手段を接続する第4のスイッチング手段と、第1のスイッチング手段を遮断後の検出手段での検出電圧に基づいて電源電圧を推定し、この推定した電源電圧と第2及び第3のスイッチング手段を遮断後の検出手段での各検出電圧とに基づいて電源の接地電位部に対する絶縁抵抗を求める演算手段とを備えた構成の絶縁検出装置を考えている。
【0005】
さらにこのとき、第1のスイッチング手段が、電源の正端子に接続された第1のスイッチ部と、電源の負端子に接続された第2のスイッチ部とを含み、第3のスイッチング手段が、第2のスイッチ部と、第1のスイッチに直列に接続された第3のスイッチ部とを含み、第2のスイッチング手段が、第1のスイッチ部と、第2のスイッチ部に直列に接続された第4のスイッチ部とを含み、第4のスイッチング手段が、第3のスイッチ部と第4のスイッチ部とを含み、第1のスイッチ部と第3のスイッチ部との間と、第2のスイッチ部S2と第4のスイッチ部との間とに、正側から負側に向かう方向に整流する第1のダイオード、第1の抵抗及びコンデンサを直列に接続し、第1のダイオード及び第1の抵抗に並列に、この第1のダイオードと逆方向に整流する第2のダイオードを接続し、検出手段を第3のスイッチ部と第4のスイッチ部との間に接続し、検出手段と第4のスイッチ部との間を接地電位部に接地した構成としている。
【0006】
このような絶縁検出装置とれば、コンデンサを完全に充電するのに要する時間よりも短い時間に第1の設定時間を設定し、この第1の設定時間の間、第1のスイッチング手段によって直流電源と接地電位部との間にコンデンサが直流に接続されて充電され、このときのコンデンサの両端端子間の電圧を第4のスイッチング手段によって接続された検出手段で検出することにより、この検出した電圧からコンデンサの容量などを定数として含む電源電圧を算出するための式により演算手段が電源電圧を推定することができる。そして、この推定した電源電圧と、第2及び第3のスイッチング手段遮断後の検出手段での検出電圧とに基づいてコンデンサの容量などを定数として含む絶縁抵抗を算出するための式により絶縁抵抗を演算することで、絶縁抵抗の計測誤差を低減し、絶縁状態の検出精度を向上できる。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−226950号公報(第4−7頁、第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような本願の発明者らが考えている絶縁検出装置では、第1、第2及び第3の各スイッチング手段を作動させたとき、各スイッチング手段の作動により形成された各々の回路は第1のダイオードを含んでいる。さらに、第4のスイッチング手段を作動させたとき、第4のスイッチング手段の作動により形成された回路は第2のダイオードを含んでいる。このため、電源電圧を推定するための第1のスイッチング手段を遮断後の検出手段での検出電圧、そして推定した電源電圧と併せて電源の接地電位部に対する絶縁抵抗を求める基となる第2及び第3のスイッチング手段を遮断後の検出手段での各検出電圧は、第1のダイオードにおける順方向電圧降下及び第2のダイオードにおける順方向電圧降下の影響を受けることになる。したがって、検出手段での各検出電圧は、第1及び第2の各ダイオードにおける順方向電圧降下に相当する誤差を含むため、第1及び第2の各ダイオードにおける順方向電圧降下の大きさによっては、絶縁状態の検出精度が低下してしまう場合がある。
【0009】
このように、本願の発明者らが考えている回路にダイオードを含む絶縁検出装置では、コンデンサの容量の製品間のばらつきなどによる絶縁抵抗の計測誤差を低減して絶縁状態の検出精度を向上できるが、ダイオードの順方向電圧降下の大きさによっては、検出手段での検出電圧の誤差が大きくなり、絶縁状態の検出精度が低下してしまう場合がある。したがって、絶縁状態の検出精度をさらに向上するため、検出手段での検出電圧の誤差を低減する必要がある。
【0010】
これに対して、本願の発明者らは、第1のダイオードにおける順方向電圧降下と第2のダイオードにおける順方向電圧降下との合計値に基づいて補正定数を設定し、検出電圧をこの補正定数で補正する検出手段を考えている。しかし、ダイオードの順方向電圧降下は、ダイオードに流れる電流量が大きくなるに連れて指数関数適に大きくなる。一方、電源の接地電位部に対する絶縁抵抗が小さくなるに連れてダイオードに流れる電流量が多くなる。このため、絶縁抵抗が小さくなるに連れて、ダイオードの順方向電圧降下が大きくなる。したがって、検出手段での検出電圧を補正する場合、補正定数を設定して検出電圧を補正すると、検出電圧の誤差がかえって大きくなってしまう場合があり、検出手段での検出電圧の誤差を低減し難い。
【0011】
本発明の課題は、検出手段での検出電圧の誤差を低減することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の絶縁検出装置は、正端子側及び負端子側の配線が接地電位部から絶縁された直流電源にコンデンサを直列に、このコンデンサが完全に充電される時間よりも短い第1の設定時間の間接続する第1のスイッチング手段と、電源の正端子と接地電位部との間にコンデンサを直列に第2の設定時間の間接続する第2のスイッチング手段と、接地電位部と電源の負端子との間にコンデンサを直列に第2の設定時間の間接続する第3のスイッチング手段と、第1、第2及び第3の各スイッチング手段の遮断後にコンデンサの両端子間の電圧を検出する検出手段を接続する第4のスイッチング手段と、第1のスイッチング手段を遮断後の前記検出手段での検出電圧に基づいて電源の電源電圧を推定し、この推定した電源電圧と第2及び第3のスイッチング手段を遮断後の検出手段での各検出電圧とに基づいて電源の接地電位部に対する絶縁抵抗を求める演算手段とを備え、第1のスイッチング手段が、電源の正端子に接続された第1のスイッチ部と、電源の負端子に接続された第2のスイッチ部とを含み、第3のスイッチング手段が、第2のスイッチ部と、第1のスイッチに直列に接続された第3のスイッチ部とを含み、第2のスイッチング手段が、第1のスイッチ部と、第2のスイッチ部に直列に接続された第4のスイッチ部とを含み、第4のスイッチング手段が、第3のスイッチ部と、第4のスイッチ部とを含み、第1のスイッチ部と第3のスイッチ部との間と、第2のスイッチ部と第4のスイッチ部との間とに、正側から負側に向かう方向に整流する第1のダイオード及び前記コンデンサが直列に接続され、第1のダイオードに並列に、この第1のダイオードと逆方向に整流する第2のダイオードが接続されており、検出手段は、この検出手段で検出した検出電圧に、この検出電圧に応じた第1のダイオードの順方向電圧降下の値と第2のダイオードの順方向電圧降下の値との合計値に対応する補正値を加えて検出電圧を補正する構成とすることにより上記課題を解決する。
【0013】
このような構成とすれば、検出手段は、この検出手段で検出した検出電圧に、この検出電圧に応じた第1のダイオードの順方向電圧降下量と第2のダイオードの順方向電圧降下量との合計値に対応する補正値を加えて検出電圧を補正する。このように、絶縁抵抗の大きさに応じた補正値で検出電圧を補正するため、検出手段での検出電圧の誤差を低減できる。
【0014】
また、検出手段は、この検出手段で検出した検出電圧と予め設定した補正判定電圧値とを比較し、検出電圧が補正判定電圧値以上のとき、第1のダイオードの順方向電圧降下の値と第2のダイオードの順方向電圧降下の値との合計値に応じて予め設定した第1の補正値を検出電圧に加えてこの検出電圧を補正し、検出電圧が補正判定電圧値未満のとき、補正をおこなわないか、または第1の補正値よりも小さく前記第1のダイオードの順方向電圧降下の値と第2のダイオードの順方向電圧降下の値との合計値に応じて予め設定した第2の補正値を検出電圧に加えてこの検出電圧を補正する構成とする。
【0015】
このような構成とすることでも、検出電圧が比較的高いときには第1の補正値で検出電圧の補正を行い、検出電圧が比較的低いときには補正を行わないか、または第1の補正値よりも小さい第2の補正値で検出電圧の補正を行うため、検出電圧の誤差を低減できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明を適用してなる絶縁検出装置の第1の実施形態について図1乃至図4を参照して説明する。図1は、本発明を適用してなる絶縁検出装置の概略構成を示すブロック図である。図2は、本発明を適用してなる絶縁検出装置の絶縁抵抗の算出動作を示すフロー図である。図3は、各スイッチ部の動作に対するコンデンサの充放電状態と電圧の読み込みタイミングを示すタイムチャートである。図4は、絶縁抵抗の値に対する各電源電圧の計測時間で検出した絶縁抵抗の値の検出誤差を示す図である。
【0017】
本実施形態の絶縁検出装置1は、図1に示すように、例えば電力を利用して推進力を得る電気推進車両などの電力源となる直流電源3に対して適用したものである。電源3は、複数の蓄電池などを直列接続したものや燃料電池などであり、電源3の正端子側の正側主回路配線5aと負端子側の負側主回路配線5bが、各々、接地電位部7、例えば車体などから絶縁されており、電源3は非接地電源となっている。絶縁検出装置1は、第1スイッチS1、第2スイッチS2、第3スイッチS3、第4スイッチS4、コンデンサ9、検出手段と演算手段を兼ねると共に絶縁状態を判定するマイコン11、そして各スイッチを設定された時間に応じて開閉制御する図示していないスイッチング制御回路などで構成されている。
【0018】
なお、図示していないスイッチング制御回路をマイコン11に一体に含めるなど、検出手段、演算手段及びスイッチング制御回路などは、別体または一体に適宜形成できる。さらに、本実施形態の検出手段となるマイコン11は、検出した検出電圧を補正する補正機能を果たすプログラムを含んでいる。また、図1で示した第1スイッチS1、第2スイッチS2、第3スイッチS3、第4スイッチS4は、リレーや半導体スイッチといったスイッチ機能を果たす部品からなるスイッチ部の接点部分を模式的に示したものである。
【0019】
電源3の正側端子には、この正側端子から第1スイッチS1及び第3スイッチS3が順次直列に接続され、電源3の負側端子には、この負端子側から第2スイッチS2、第4スイッチS4及び第4抵抗R4が順次直列に接続されている。第1スイッチS1と第3スイッチS3との間から第2スイッチS2と第4スイッチS4との間には、第1ダイオードD1、第1抵抗R1及びコンデンサ9が順次直列に接続されている。第1抵抗R1とコンデンサ9との間から第1スイッチS1と第3スイッチS3との間には、第2ダイオードD2及び第2抵抗R2が順次直列に接続されている。すなわち、第1ダイオードD1及び第1抵抗R1と、第2ダイオードD2及び第2抵抗R2とは並列に接続されている。また、第2ダイオードD2と第2抵抗R2との間の部位から接地電位部7に、バイパス手段として、第5スイッチS5、そして第2抵抗R2よりも抵抗が低い第5抵抗R5が順次直列に接続されている。なお、第1ダイオードD1は、正側から負側に向かう方向に整流するものであり、第2ダイオードD2は、第1ダイオードD1と逆方向に整流するものである。
【0020】
第3スイッチS3と第4抵抗R4間には、第3スイッチS3と第4抵抗R4に対して直列に第3抵抗R3が接続されており、第3スイッチS3と第3抵抗R3との間には、検出手段と演算手段を兼ねるマイコン11がマイコン11のアナログ/デジタル変換ポートつまりA/Dポートを介して接続されている。また、第3抵抗R3と第4抵抗R4との間の部位は、接地電位部7に接地されている。
【0021】
したがって、電源3にコンデンサ9を直列に第1の設定時間の間接続する第1のスイッチング手段は、第1スイッチS1、第2スイッチS2及び図示していないスイッチング制御回路などで、電源3の正端子と接地電位部7との間にコンデンサ9を直列に第2の設定時間の間接続する第2のスイッチング手段は、第1スイッチS1、第4スイッチS4及び図示していないスイッチング制御回路などで、接地電位部7と電源3の負端子との間にコンデンサ9を直列に第2の設定時間の間接続する第3のスイッチング手段は、第2スイッチS2、第3スイッチS3及び図示していないスイッチング制御回路などで、第4のスイッチング手段は、第3スイッチS3、第4スイッチS4及び図示していないスイッチング制御回路などで形成されている。なお、コンデンサ9には、例えば数μFといった比較的高容量のものが用いられ、第1抵抗R1と第2抵抗R2には、例えば数百kΩといった比較的高い抵抗値のものが用いられている。
【0022】
このような構成の絶縁検出装置の動作と本発明の特徴部について説明する。絶縁検出装置1は、図2及び図3に示すように、絶縁状態の検出を開始すると、図示していないスイッチング制御回路が第1スイッチS1及び第2スイッチS2を第1の設定時間である第1閉路時間T1の間、閉路する(ステップ101)。すなわち、第1のスイッチング手段により、接地電位部7を介さずに電源3にコンデンサ9を直列に接続する回路が形成され、第1閉路時間T1の間、コンデンサ9への充電が行われ、コンデンサ9の両端子間の電圧VCが上昇する。なお、第1閉路時間T1は、コンデンサ9を完全に充電するのに必要な時間よりも短い時間に設定されており、例えばコンデンサ9を完全に充電するのに必要な時間の1/5〜1/10といったような短い時間となっており、第1閉路時間T1は、必要とされる絶縁抵抗の計測誤差範囲によって選択されたものである。
【0023】
ステップ101において第1閉路時間T1が経過すると、第1スイッチS1及び第2スイッチS2が開路つまり遮断され、第1閉路時間T1よりも短い所定時間tw1経過後、第3スイッチS3及び第4スイッチS4が閉路される。すなわち、第4のスイッチング手段により、コンデンサ9の両端子間の電圧を検出するマイコン11が接続された回路が形成されると共に、第2抵抗R2、第3抵抗R3、そして第4抵抗R4を含むコンデンサ9からの放電回路が形成され、コンデンサ9の両端子間の電圧VCが降下する。第3スイッチS3及び第4スイッチS4が閉路されてから第1閉路時間T1よりも短い所定時間tw2経過後、マイコン11は、A/Dポートを介してA/D変換データ、つまりコンデンサ9の両端子間の電圧VCを読み込む(ステップ103)。
【0024】
このとき、マイコン11は、コンデンサ9の両端子間電圧VCに対応する検出電圧の値の補正を行う(ステップ105)。ステップ105では、マイコン11は、検出したコンデンサ9の両端子間の電圧VCに対応する検出電圧に応じた第1ダイオードD1の順方向電圧降下の値と第2ダイオードD2の順方向電圧降下の値の合計値を求め、この合計値を補正値として検出電圧に加算して補正し、これにより電源3の電源電圧を推定するための補正した検出電圧V0を得る。
【0025】
なお、マイコン11には、予め、第1ダイオードD1の順方向電流に対する順方向電圧降下及び第2ダイオードD2の順方向電流に対する順方向電圧降下の特性データと、マイコン11での検出電圧に対応する第1ダイオードD1の順方向電流及び第2ダイオードD2の順方向電流のデータとが入力されている。そして、これらのデータに基づいて、マイコン11は、検出電圧に応じて第1ダイオードD1の順方向電圧降下の値と第2ダイオードD2の順方向電圧降下の値を求めている。また、本実施形態では、マイコン11は、A/Dポートを介してA/D変換データを読み込むことで検出電圧を得ている。このため、マイコン11は、検出電圧に対応するA/D変換データに、第1ダイオードD1の順方向電圧降下の値と第2ダイオードD2の順方向電圧降下の値の合計値に対応するカウント数を補正値として加算することで検出電圧の補正を行っている。
【0026】
このようなステップ105の後、この電源3の電源電圧を推定するための補正した検出電圧V0により、次式(1)から推定の電源電圧V0sを算出する(ステップ107)。
V0s=V0/(1−EXP(−T1/C・R1)) …(1)
ただし、式(1)において、T1は第1スイッチS1及び第2スイッチS2の閉路時間、Cはコンデンサ9の容量、R1は第1抵抗R1の抵抗値である。
【0027】
一方、図示していないスイッチング制御回路は、ステップ103でコンデンサ9の両端子間の電圧VCを検出した後、第3スイッチS3及び第4スイッチS4が閉路された状態で、第5スイッチS5を閉路して第2抵抗R2をバイパスさせることで、第2抵抗R2の抵抗値を下げた状態とし、コンデンサ9からの放電に要する時間を短縮する。第5スイッチS5を閉路して、第1閉路時間T1よりも短い所定時間td1経過後、第5スイッチS5を開路つまり遮断した後、マイコン11は、A/Dポートを介してA/D変換データ、つまりコンデンサ9の両端子間の電圧VCを読み込む(ステップ109)。
【0028】
ステップ109で電圧VCが0Vであることが確認されたら、図示していないスイッチング制御回路は、第3スイッチS3を開路し、所定時間tw1経過後に第1スイッチS1を閉路する。そして、第1スイッチS1及び第4スイッチS4を第2の設定時間である第2閉路時間T2の間、閉路する(ステップ111)。すなわち、第2のスイッチング手段により、電源3の正端子と接地電位部7との間にコンデンサ9を直列に接続した回路、つまり、図1に示すように、正側主回路配線5a、第1スイッチS1、第1ダイオードD1、第1抵抗R1、コンデンサ9、第4スイッチS4、第4抵抗R4、接地電位部7、そして図1において点線で示すような位置に仮定される負端子側の地絡抵抗Rn、負側主回路配線5bを順次直列に電源3に接続した回路が形成される。これにより、第2閉路時間T2の間、コンデンサ9への充電が行われ、図3に示すように、地絡抵抗Rnの値に応じてコンデンサ9の両端子間の電圧VCが上昇する。なお、第2の設定時間である第2閉路時間T2も、第1閉路時間T1と同様に、コンデンサ9を完全に充電するのに必要な時間よりも短く、所定時間tw1、tw2、td1よりも長い時間に設定されている。
【0029】
ステップ111において第2閉路時間T2が経過すると、図2及び図3に示すように、第1スイッチS1が開路つまり遮断され、所定時間tw1経過後、第3スイッチS3が閉路され、第3スイッチS3及び第4スイッチS4が閉路された状態となる。すなわち、第4のスイッチング手段により、コンデンサ9の両端子間の電圧を検出するマイコン11が接続された回路が形成されると共に、第2抵抗R2、第3抵抗R3、そして第4抵抗R4を含むコンデンサ9からの放電回路が形成され、コンデンサ9の両端子間の電圧VCが降下する。そして、第3スイッチS3が閉路されてから所定時間tw2経過後、マイコン11は、A/Dポートを介してA/D変換データ、つまりコンデンサ9の両端子間の電圧VCを読み込む(ステップ113)。
【0030】
このとき、マイコン11は、ステップ105と同様に、コンデンサ9の両端子間電圧VCに対応する検出電圧の値の補正を行う(ステップ115)。ステップ115では、マイコン11は、検出したコンデンサ9の両端子間の電圧VCに対応する検出電圧に応じた第1ダイオードD1の順方向電圧降下の値と第2ダイオードD2の順方向電圧降下の値の合計値を求め、この合計値を補正値として検出電圧に加算して補正し、これにより負端子側の地絡抵抗Rnを算出するための検出電圧VCNを得る。
【0031】
一方、図示していないスイッチング制御回路は、ステップ115でコンデンサ9の両端子間の電圧VCを検出した後、第3スイッチS3及び第4スイッチS4が閉路された状態で、第5スイッチS5を閉路して第2抵抗R2をバイパスさせ、コンデンサ9からの放電に要する時間を短縮する。第5スイッチS5を閉路して、第2閉路時間T2よりも短い所定時間td2経過後、第5スイッチS5を開路つまり遮断した後、マイコン11は、A/Dポートを介してA/D変換データ、つまりコンデンサ9の両端子間の電圧VCを読み込む(ステップ117)。
【0032】
ステップ117で電圧VCが0Vであることが確認されたら、図示していないスイッチング制御回路は、第4スイッチS4を開路し、所定時間tw1経過後、第2スイッチS2を閉路する。そして、第2スイッチS2及び第3スイッチS3を第2の設定時間である第2閉路時間T2の間、閉路する(ステップ119)。すなわち、第3のスイッチング手段により、接地電位部7と電源3の負端子との間にコンデンサ9を直列に接続した回路、つまり、図1に示すように、正側主回路配線5a、図1において点線で示すような位置に仮定される正端子側の地絡抵抗Rp、接地電位部7、第3抵抗R3、第3スイッチS3、第1ダイオードD1、第1抵抗R1、コンデンサ9、第2スイッチS2、そして負側主回路配線5bを順次直列に電源3に接続した回路が形成される。これにより、第2閉路時間T2の間、コンデンサ9への充電が行われ、図3に示すように、地絡抵抗Rpの値に応じてコンデンサ9の両端子間の電圧VCが上昇する。
【0033】
ステップ119において第2閉路時間T2が経過すると、図2及び図3に示すように、第2スイッチS2が開路つまり遮断され、所定時間tw1経過後、第4スイッチS4が閉路され、第3スイッチS3及び第4スイッチS4が閉路された状態となる。すなわち、第4のスイッチング手段により、コンデンサ9の両端子間の電圧を検出するマイコン11が接続された回路が形成されると共に、第2抵抗R2、第3抵抗R3、そして第4抵抗R4を含むコンデンサ9からの放電回路が形成される。そして、第4スイッチS4が閉路されてから所定時間tw2経過後、マイコン11は、A/Dポートを介してA/D変換データ、つまりコンデンサ9の両端子間の電圧VCを読み込む(ステップ121)。
【0034】
このとき、マイコン11は、ステップ105、115と同様に、コンデンサ9の両端子間電圧VCに対応する検出電圧の値の補正を行う(ステップ123)。ステップ123では、マイコン11は、検出したコンデンサ9の両端子間の電圧VCに対応する検出電圧に応じた第1ダイオードD1の順方向電圧降下の値と第2ダイオードD2の順方向電圧降下の値の合計値を求め、この合計値を補正値として検出電圧に加算して補正し、これにより負端子側の地絡抵抗Rnを算出するための検出電圧VCPを得る。
【0035】
なお、ステップ115及びステップ123における検出電圧は、各々負端子側の地絡抵抗Rn及び正端子側の地絡抵抗Rpの値と反比例の関係にある。つまり、地絡抵抗Rn、Rpの値が小さくなるに連れて検出電圧は高くなり、地絡抵抗Rn、Rpの値が大きくなるに連れて検出電圧は低くなる。したがって、補正値は、地絡抵抗Rn、Rpの値が小さくなるに連れて大きくなり、地絡抵抗Rn、Rpの値が大きくなるに連れて小さくなる。例えば、図3では、負端子側の地絡抵抗Rnの値よりも正端子側の地絡抵抗Rpの値が大きいため、検出電圧VCNを得るためのステップ113での検出電圧よりも、検出電圧VCPを得るためのステップ121での検出電圧の方が小さくなっている。このため、検出電圧VCNを得るためのステップ115で用いられた補正値は、検出電圧VCPを得るためのステップ123で用いられた補正値よりも大きな値となる。
【0036】
ステップ123の後、マイコン11は、ステップ115、123で得たVCN、VCPを用いて、以下の式(2)から、電源3の接地電位部7となる車体などに対する絶縁抵抗、すなわち地絡抵抗Rn、Rpを代表する地絡抵抗値RLを算出する(ステップ125)。
RL=−R1−T2/C・ln(1−(VCP+VCN)/V0s)…(2)
ただし、式(2)において、T2は第2閉路時間、Cはコンデンサ9の容量、R1は第1抵抗R1の抵抗値、V0sはステップ107で得た推定した電源電圧である。
【0037】
一方、図示していないスイッチング制御回路は、ステップ121でコンデンサ9の両端子間の電圧VCを検出した後、第3スイッチS3及び第4スイッチS4が閉路された状態で、第5スイッチS5を閉路して第2抵抗R2をバイパスさせ、コンデンサ9からの放電に要する時間を短縮する。第5スイッチS5を閉路して所定時間td2経過後、第5スイッチS5を開路つまり遮断した後、マイコン11は、A/Dポートを介してA/D変換データ、つまりコンデンサ9の両端子間の電圧VCを読み込む(ステップ127)。そして、ステップ127で電圧VCが0Vであることが確認された時点で、1回の絶縁状態の検出サイクルを終了する。また、絶縁状態の検出を行う間、ステップ101からステップ127までの絶縁状態の検出サイクルを繰り返す。
【0038】
マイコン11は、1回または複数回の絶縁状態の検出サイクルで求めた地絡抵抗値RLから絶縁状態を判定する。例えば、地絡抵抗値RLと、予め絶縁状態を判定するために定めた基準となる地絡抵抗の値つまり基準抵抗値とを比較し、地絡抵抗値RLが基準抵抗値以下になっている場合には、絶縁不良が生じていると判定する。
【0039】
ところで、式(2)などからわかるように、コンデンサ9の容量C、さらに第1抵抗R1の抵抗値R1が製品間差や温度変化などによりばらつくと、電源3の地絡抵抗値RLの計測精度に影響し、検出した地絡抵抗値RLの精度が低下してしまう。したがって、絶縁状態の検出精度が低下してしまうことになる。特にコンデンサ9は、浮遊容量を考慮すると数μFといった比較的大きな値のものが必要となるため、例えば製品間差において±5%程度のばらつきがあるとすると、これに温度変化を考慮すると±10%程度のばらつきが生じる場合があり、このようなコンデンサ9の容量のばらつきが絶縁状態の検出精度を低下させてしまうことになる。加えて、経時変化による部品定数の変化によって生じるばらつきなども絶縁状態の検出精度を低下させてしまうことになる。
【0040】
しかし、本実施形態の絶縁検出装置1では、絶縁検出のサイクルの最初の段階で第1スイッチS1と第2スイッチS2を、コンデンサ9を完全に充電するのに要する時間よりも短い第1閉路時間T1の間閉路することにより、電源3の電源電圧を推定している。第1スイッチS1と第2スイッチS2を短時間閉路してコンデンサ9を充電する場合は、実際のコンデンサ9の容量と抵抗R1の抵抗値とで決定される時定数C・R1で充電されるときの充電到達電圧を推定する方式であるため、推定した電源電圧V0sは、実際の電源3の電源電圧ではなく、コンデンサ9と抵抗R1の容量及び抵抗値の誤差、つまりばらつきを含んだ値となる。そして、このばらつきを含む推定した電源電圧V0sを、絶縁検出のサイクルにおける以降に続くステップで行う地絡抵抗値RLの演算に用いることで、コンデンサ9の容量のばらつきに対する補正が行われ、コンデンサ9の容量のばらつきによって生じる実際の地絡抵抗値RLと、算出した地絡抵抗値RLとの誤差を低減することができる。したがって、絶縁状態の検出精度を向上できる。
【0041】
このような本実施形態の絶縁検出装置1によって計測した地絡抵抗値RLと、実際の地絡抵抗値RLとの誤差を、ある所定の規格容量を有するコンデンサ9、そしてある所定の規格抵抗値を有する第1抵抗R1を用いた場合を想定して計算した結果を図4に示す。なお、コンデンサ9は、製品間差と温度変化を考慮して±10%程度の容量のばらつきが、第1抵抗R1は、製品間差と温度変化を考慮して±2%程度の容量のばらつきがあるものとする。図4において、V0計測時間は、第1閉路時間を意味し、したがって、図4では、第1閉路時間T1をt秒、2t秒、そして3t秒、ただしt<2t<3tとした場合の計測誤差を示している。なお、図4は、縦軸を検出精度つまり検出誤差、横軸を地絡抵抗の値として計算結果をグラフ化したものである。
【0042】
図4からわかるように、従来の絶縁検出装置で検出した場合、つまり補正無しの場合に比べて、本実施形態の絶縁検出装置1で検出した場合、つまり補正ありの場合の方が各地絡抵抗値に対して計測誤差が低減されている。さらに、V0計測時間つまり第1閉路時間T1の設定によって計測誤差の低減度合いが異なっており、第1閉路時間T1がt秒のときには、地絡抵抗が小さくなるにしたがって誤差が大きくなるが、地絡抵抗が大きくなるにしたがって誤差が小さくなっている。第1閉路時間T1が2t秒のときには、地絡抵抗が大きい場合には、第1閉路時間T1がt秒のときよりも誤差が大きくなるが、各地絡抵抗にわたって平均的に誤差が小さくなっている。第1閉路時間T1が3t秒のときにも各地絡抵抗にわたって平均的に誤差が小さくなっているが、誤差は、第1閉路時間T1が2t秒のときよりも大きい。
【0043】
したがって、絶縁不良を判定する地絡抵抗の値の設定を比較的大きな値とする場合には、第1閉路時間T1をt秒とするのが好ましく、絶縁不良を判定する地絡抵抗の値の設定を比較的小さな値とする場合には、第1閉路時間T1を2t秒とするのが好ましい。このように、第1閉路時間T1つまり第1の設定時間は、絶縁不良を判定する地絡抵抗の値周辺で計測誤差が小さくなるように選択するのが好ましい。例えば、図4において絶縁不良を判定する地絡抵抗の値をRΩに設定したとすれば、第1閉路時間T1として2t秒を選択するのが好ましく、このとき、従来の絶縁検出装置では±10%以上の計測誤差があるのに対し、本実施形態の絶縁検出装置1では、±2%以下の計測誤差となり、絶縁状態の検出精度を向上できることになる。
【0044】
このように、本実施形態の絶縁検出装置では、検出手段となるマイコン1は、マイコン1で検出した検出電圧に、この検出電圧に応じた第1のダイオードの順方向電圧降下量と第2のダイオードの順方向電圧降下量との合計値に対応する補正値を加えて検出電圧を補正する。このように、絶縁抵抗の大きさに応じた補正値で検出電圧を補正するため、検出手段での検出電圧の誤差を低減できる。
【0045】
さらに、検出手段での検出電圧の誤差を低減できることにより、絶縁状態の検出精度をさらに向上できる。
【0046】
加えて、本実施形態の絶縁検出装置1では、閉路したときに第2抵抗R2をバイパスする経路を形成する第5スイッチS5を含むバイパス手段を備えているため、マイコン11によるコンデンサ9の両端子間の電圧の検出後に第5スイッチS5を閉路することで、コンデンサ9からの放電時間を短縮することができる。したがって、絶縁検出のための1サイクルに要する時間を短縮することができ、単位時間当たりの絶縁検出の回数を増やし、絶縁検出の精度をさらに向上できる。
【0047】
なお、第5スイッチS5を含むバイパス手段としては、本実施形態の構成に限らず、バイパス手段は、図5に示すように、第2抵抗R2の両端子間に、第2抵抗R2と並列に第5スイッチS5が接続されている構成にすることもできる。また、絶縁検出のための1サイクルに要する時間の短縮などの必要性がない場合などには、第5スイッチS5を含むバイパス手段を設けない構成にすることもできる。
【0048】
また、本実施形態では、電源3の正端子側の地絡抵抗Rpと負端子側の地絡抵抗Rnを代表する地絡抵抗値RLを算出している。しかし、個別の式により電源電圧V0sと検出電圧VCP、VCNなどとに基づいて電源3の正端子側の地絡抵抗Rpと負端子側の地絡抵抗Rnを個々に推定し、絶縁不良の部位も検出できるようにすることもできる。
【0049】
また、本発明は、本実施形態において示した回路構成に限らず、正端子側及び負端子側の配線が接地電位部から絶縁された直流電源にコンデンサを直列に第1の設定時間の間接続する第1のスイッチング手段、電源の正端子と接地電位部との間に前記コンデンサを直列に第2の設定時間の間接続する第2のスイッチング手段、電源の負端子と接地電位部との間にコンデンサを直列に第2の設定時間の間接続する第3のスイッチング手段、第1、第2及び第3の各スイッチング手段の遮断後にコンデンサの両端子間の電圧を検出する検出手段を接続する第4のスイッチング手段などをそなえていれば様々な回路構成の絶縁検出装置に適用することができる。
【0050】
(第2の実施形態)
以下、本発明を適用してなる絶縁検出装置の第2の実施形態について図6及び図7を参照して説明する。図6は、本発明を適用してなる絶縁検出装置の絶縁抵抗の算出動作における電源電圧推定過程を示すフロー図である。図7は、本発明を適用してなる絶縁検出装置の絶縁抵抗の算出動作における絶縁抵抗計測過程を示すフロー図である。図8は、各スイッチ部の動作に対するコンデンサの充放電状態と電圧の読み込みタイミングを示すタイムチャートである。 なお、本実施形態では、第1の実施形態と同一のもの及び動作などには同じ符号を付して説明を省略し、第1の実施形態と相違する特徴部などについて説明する。
【0051】
本実施形態の絶縁検出装置が第1の実施形態と相違する点は、検出手段であるマイコンが、検出電圧に応じて補正値を求めず、検出電圧と補正判定電圧値とを比較した結果に応じて、予め設定された第1の補正値または第1の補正値よりも小さい第2の補正値のいずれかで検出電圧の補正を行うことにある。すなわち、本実施形態の絶縁検出装置1は、図6及び図8に示すように、ステップ103においてマイコン11がA/D変換データを読み込んだ後、マイコン11は、このコンデンサ9の両端子間電圧VCに対応する検出電圧と予め設定した補正判定電圧値との比較を行う(ステップ129)。ステップ129において検出電圧が補正判定電圧値以上である場合には、マイコン11は、予め入力されている第1の補正値をこの検出電圧に加算して補正し、これにより電源3の電源電圧を推定するための補正した検出電圧V0を得る(ステップ131)。
【0052】
一方、ステップ129において検出電圧の値が補正判定電圧値未満である場合には、マイコン11は、予め入力されている第1の補正値よりも小さい第2の補正値をこの検出電圧に加算して補正し、これにより電源3の電源電圧を推定するための補正した検出電圧V0を得る(ステップ133)。
【0053】
なお、補正判定電圧値は、例えばマイコン11で検出されると想定される最大電圧と最小電圧の中間の電圧とし、第1の補正値は、例えば負端子側の地絡抵抗Rnまたは正端子側の地絡抵抗Rpが最小値つまり0Ωのときの順方向電流に対応する第1ダイオードD1の順方向電圧降下と第2ダイオードD2の順方向電圧降下との合計値に対応する値とし、第2の補正値は、例えば負端子側の地絡抵抗Rnまたは正端子側の地絡抵抗Rpが最大値のときの順方向電流に対応する第1ダイオードD1の順方向電圧降下と第2ダイオードD2の順方向電圧降下との合計値に対応する値とするなど、第1ダイオードD1及び第2ダイオードD2の特性に応じて、できるだけ検出電圧の誤差を低減できるように適宜決定している。
【0054】
また、ステップ103におけるマイコン11での検出電圧は、負端子側の地絡抵抗Rnや正端子側の地絡抵抗Rpを含まない回路を形成したときのコンデンサ9の両端子間電圧VCに対応する電圧である。このため、回路に異常がなければ、ステップ103におけるマイコン11での検出電圧は、常に負端子側の地絡抵抗Rnまたは地絡抵抗Rpが最小値のときと同じ値となる。したがって、本実施形態のようにステップ129、131、133によって用いる補正値の選択を行わず、電源電圧の推定の過程では、ステップ103におけるマイコン11での検出電圧に、常に第1の補正値を加えて検出電圧を補正する構成にすることもできる。
【0055】
さらに、図7及び図8に示すように、ステップ113においてマイコン11がA/D変換データを読み込んだ後も、ステップ129と同様に、マイコン11は、このコンデンサ9の両端子間電圧VCに対応する検出電圧と予め設定した補正判定電圧値との比較を行う(ステップ135)。ステップ135において検出電圧が補正判定電圧値以上である場合には、マイコン11は、予め入力されている第1の補正値をこの検出電圧に加算して補正し、これにより負端子側の地絡抵抗Rnを算出するための検出電圧VCNを得る(ステップ137)。
【0056】
一方、ステップ135において検出電圧の値が補正判定電圧値未満である場合には、マイコン11は、予め入力されている第1の補正値よりも小さい第2の補正値をこの検出電圧に加算して補正し、これにより負端子側の地絡抵抗Rnを算出するための検出電圧VCNを得る(ステップ139)。なお、図8では、ステップ113におけるマイコン11の検出電圧は、補正判定電圧値以上であるため、第1の補正値をこの検出電圧に加算して補正し、これにより負端子側の地絡抵抗Rnを算出するための検出電圧VCNを得ている。
【0057】
また、ステップ121においてマイコン11がA/D変換データを読み込んだ後も、ステップ129、135と同様に、マイコン11は、このコンデンサ9の両端子間電圧VCに対応する検出電圧と予め設定した補正判定電圧値との比較を行う(ステップ141)。ステップ141において検出電圧が補正判定電圧値以上である場合には、マイコン11は、予め入力されている第1の補正値をこの検出電圧に加算して補正し、これにより負端子側の地絡抵抗Rnを算出するための検出電圧VCNを得る(ステップ143)。
【0058】
一方、ステップ141において検出電圧の値が補正判定電圧値未満である場合には、マイコン11は、予め入力されている第1の補正値よりも小さい第2の補正値をこの検出電圧に加算して補正し、これにより負端子側の地絡抵抗Rnを算出するための検出電圧VCNを得る(ステップ145)。なお、図8では、ステップ121におけるマイコン11の検出電圧は、補正判定電圧値未満であるため、第2の補正値をこの検出電圧に加算して補正し、これにより負端子側の地絡抵抗Rpを算出するための検出電圧VCPを得ている。
【0059】
このように、本実施形態の絶縁検出装置でも、検出電圧が比較的高いときには第1の補正値で検出電圧の補正を行い、検出電圧が比較的低いときには第1の補正値よりも小さい第2の補正値で検出電圧の補正を行うため、検出電圧の誤差を低減できる。
【0060】
また、本実施形態では、マイコン11での検出電圧が補正判定電圧値未満である場合には、第1の補正値よりも小さい第2の補正値を用いている。しかし、マイコン11での検出電圧が補正判定電圧値未満のときの第1ダイオードD1の順方向電圧降下と第2ダイオードD2の順方向電圧降下との合計値が値絡抵抗値の計測精度に対して無視できる程度である場合には、マイコン11での検出電圧が補正判定電圧値未満である場合には、補正を行わないようにすることもできる。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、検出手段での検出電圧の誤差を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなる絶縁検出装置の第1の実施形態の概略構成を示す図である。
【図2】本発明を適用してなる絶縁検出装置の第1の実施形態における絶縁抵抗の算出動作を示すフロー図である。
【図3】各スイッチ部の動作に対するコンデンサの充放電状態と電圧の読み込みタイミングを示すタイムチャートである。
【図4】絶縁抵抗の値に対する各電源電圧の計測時間で検出した絶縁抵抗の値の検出誤差を示す図である。
【図5】本発明を適用してなる絶縁検出装置の変形例を示す図である。
【図6】本発明を適用してなる絶縁検出装置の第2の実施形態における絶縁抵抗の算出動作における電源電圧推定過程を示すフロー図である。
【図7】本発明を適用してなる絶縁検出装置の第2の実施形態における絶縁抵抗の算出動作における絶縁抵抗計測過程を示すフロー図である。
【図8】各スイッチ部の動作に対するコンデンサの充放電状態と電圧の読み込みタイミングを示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 絶縁検出装置
3 電源
5a 正側主回路配線
5b 負側主回路配線
7 接地電位部
9 コンデンサ
11 マイコン
S1 第1スイッチ
S2 第2スイッチ
S3 第3スイッチ
S4 第4スイッチ
Rp 正端子側地絡抵抗
Rn 負端子側地絡抵抗
Claims (2)
- 正端子側及び負端子側の配線が接地電位部から絶縁された直流電源にコンデンサを直列に、該コンデンサが完全に充電される時間よりも短い第1の設定時間の間接続する第1のスイッチング手段と、前記電源の正端子と前記接地電位部との間に前記コンデンサを直列に第2の設定時間の間接続する第2のスイッチング手段と、前記接地電位部と前記電源の負端子との間に前記コンデンサを直列に第2の設定時間の間接続する第3のスイッチング手段と、前記第1、第2及び第3の各スイッチング手段の遮断後に前記コンデンサの両端子間の電圧を検出する検出手段を接続する第4のスイッチング手段と、前記第1のスイッチング手段を遮断後の前記検出手段での検出電圧に基づいて前記電源の電源電圧を推定し、該推定した電源電圧と前記第2及び第3のスイッチング手段を遮断後の前記検出手段での各検出電圧とに基づいて前記電源の前記接地電位部に対する絶縁抵抗を求める演算手段とを備え、
前記第1のスイッチング手段が、前記電源の正端子に接続された第1のスイッチ部と、前記電源の負端子に接続された第2のスイッチ部とを含み、前記第3のスイッチング手段が、前記第2のスイッチ部と、前記第1のスイッチに直列に接続された第3のスイッチ部とを含み、前記第2のスイッチング手段が、前記第1のスイッチ部と、前記第2のスイッチ部に直列に接続された第4のスイッチ部とを含み、前記第4のスイッチング手段が、前記第3のスイッチ部と、前記第4のスイッチ部とを含み、前記第1のスイッチ部と前記第3のスイッチ部との間と、前記第2のスイッチ部と前記第4のスイッチ部との間とに、正側から負側に向かう方向に整流する第1のダイオード及び前記コンデンサが直列に接続され、前記第1のダイオードに並列に、該第1のダイオードと逆方向に整流する第2のダイオードが接続されており、前記検出手段が、前記第3のスイッチ部と前記第4のスイッチ部との間に接続され、前記検出手段と前記第4のスイッチ部との間が前記接地電位部に接地されており、
前記検出手段は、該検出手段で検出した検出電圧に、該検出電圧に応じた前記第1のダイオードの順方向電圧降下の値と前記第2のダイオードの順方向電圧降下の値との合計値に対応する補正値を加えて前記検出電圧を補正してなる非接地電源の絶縁検出装置。 - 正端子側及び負端子側の配線が接地電位部から絶縁された直流電源にコンデンサを直列に、該コンデンサが完全に充電される時間よりも短い第1の設定時間の間接続する第1のスイッチング手段と、前記電源の正端子と前記接地電位部との間に前記コンデンサを直列に第2の設定時間の間接続する第2のスイッチング手段と、前記接地電位部と前記電源の負端子との間に前記コンデンサを直列に第2の設定時間の間接続する第3のスイッチング手段と、前記第1、第2及び第3の各スイッチング手段の遮断後に前記コンデンサの両端子間の電圧を検出する検出手段を接続する第4のスイッチング手段と、前記第1のスイッチング手段を遮断後の前記検出手段での検出電圧に基づいて前記電源の電源電圧を推定し、該推定した電源電圧と前記第2及び第3のスイッチング手段を遮断後の前記検出手段での各検出電圧とに基づいて前記電源の前記接地電位部に対する絶縁抵抗を求める演算手段とを備え、
前記第1のスイッチング手段が、前記電源の正端子に接続された第1のスイッチ部と、前記電源の負端子に接続された第2のスイッチ部とを含み、前記第3のスイッチング手段が、前記第2のスイッチ部と、前記第1のスイッチに直列に接続された第3のスイッチ部とを含み、前記第2のスイッチング手段が、前記第1のスイッチ部と、前記第2のスイッチ部に直列に接続された第4のスイッチ部とを含み、前記第4のスイッチング手段が、前記第3のスイッチ部と、前記第4のスイッチ部とを含み、前記第1のスイッチ部と前記第3のスイッチ部との間と、前記第2のスイッチ部と前記第4のスイッチ部との間とに、正側から負側に向かう方向に整流する第1のダイオード及び前記コンデンサが直列に接続され、前記第1のダイオードに並列に、該第1のダイオードと逆方向に整流する第2のダイオードが接続されており、前記検出手段が、前記第3のスイッチ部と前記第4のスイッチ部との間に接続され、前記検出手段と前記第4のスイッチ部との間が前記接地電位部に接地されており、
前記検出手段は、該検出手段で検出した検出電圧と予め設定した補正判定電圧値とを比較し、前記検出電圧が補正判定電圧値以上のとき、前記第1のダイオードの順方向電圧降下の値と前記第2のダイオードの順方向電圧降下の値との合計値に応じて予め設定した第1の補正値を前記検出電圧に加えて該検出電圧を補正し、前記検出電圧が補正判定電圧値未満のとき、補正をおこなわないか、または前記第1の補正値よりも小さく前記第1のダイオードの順方向電圧降下の値と前記第2のダイオードの順方向電圧降下の値との合計値に応じて予め設定した第2の補正値を前記検出電圧に加えて該検出電圧を補正してなる非接地電源の絶縁検出装置。
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