JP3890035B2 - 多重補償系システムを有する車両用電動操舵装置 - Google Patents

多重補償系システムを有する車両用電動操舵装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車両用操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用操舵装置、特に自動車の操舵装置においては、操舵ハンドルと車輪転舵軸とが機械的に連結されず、操舵制御部を介して電気的に接続される電動パワーステアリング、いわゆるステアバイワイヤ(Steer By Wire)方式の車両用操舵装置が知られている(特許文献1) 。この車両用操舵装置においては、構成する制御系が2系統もしくはそれ以上の系統からなり、ある1系統内の動作不良時にはその不良系統を他の系統で機能補償する多重補償系システムが採用されていることがある。これを採用することで、1つの制御系内に動作不良が発生した場合、例えば、車輪を転舵するための駆動手段である転舵モータ、或いはモータ制御部などが故障した場合に、他の制御系が現機能を維持し、通常時と変わらぬ走行を続けることを可能とする。そして、こうした動作不良が発生して上述のようなバックアップ系統で走行している際は、制御系内の動作不良の存在を運転者に認識させるために、ウォーニングランプなどが利用されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−88727号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、こうした制御系内の動作不良の発生を、ウォーニングランプなどで運転者に伝える場合、運転者がこれに気が付かない、又はたとえ気が付いたとしてもこれを軽んじてしまうことがある。これは、運転者の安全を確保するための制御系のバックアップが適切に行われているため、車両走行中にその故障を運転者が体感として感じることが無いからであり、そのため故障が発生しても運転者は意識的にウォーニングランプを見ることが無く、また、ウォーニングランプに気づいたとしても、その故障の重大性を認識できないからである。
【0005】
特に、上述の多重補償系システム内に存在する複数の制御系は、同一スペックで構成されている可能性が高く、1つのシステムに障害が生じた場合は他のすべてのシステムも同じモードの障害を発症する可能性があるので早急な修理を必要とする場合が多い。
【0006】
本発明の課題は、上述のような多重補償系のシステムにおいて、制御系内に動作不良が発生した場合に、車両の走行又はハンドル操作に意図した制限を設けることにより、運転者に制御系内の動作不良の存在を体感として認識させることを目的とする車両用操舵装置の提供である。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
請求項1に記載の多重補償系システムを有する車両用電動操舵装置は、
操舵ハンドル軸の回転角を検出するハンドル軸回転角センサと、そのハンドル軸の回転角に対応して車輪転舵軸を回転させる転舵モータと、前記ハンドル軸に擬似的な操舵反力を生じさせる反力モータと、前記転舵モータ及び反力モータの駆動を制御する操舵制御部とを含み、前記センサ、モータ及び制御部の少なくとも1種が2系統以上の多重補償系システムを有して、その動作不良時にはその不良系統を他の系統で機能補償する多重補償系システムを備える車両用電動操舵装置において、
前記反力モータ、前記転舵モータ、及び前記操舵制御部の動作不良を判定して少なくとも1つの前記動作不良を検出した場合に、前記判定した動作不良に応じて前記反力モータによる疑似操舵反力を経時的に変更させる反力制御を実行して、運転者に動作不良の存在を認識させることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の多重補償系システムを有する車両用電動操舵装置は、
請求項1に記載の多重補償系システムを有する車両用電動操舵装置において、前記反力制御が、前記転舵モータ、前記操舵制御部、及び前記反力モータのうち少なくとも1つの動作不良を検出し且つ前記反力モータの少なくとも1つが正常動作している場合に、前記反力モータによる疑似操舵反力の設定値を正常動作時より大きい値に変更し、前記反力モータによる疑似操舵反力を変更した設定値まで経時的に変化させることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の多重補償系システムを有する車両用電動操舵装置は、
請求項2に記載の多重補償系システムを有する車両用電動操舵装置において、前記反力制御が、前記転舵モータ又は前記操舵制御部のうち少なくとも1つの動作不良を検出した場合に実行されることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の多重補償系システムを有する車両用電動操舵装置は、
請求項1に記載の多重補償系システムを有する車両用電動操舵装置において、前記反力制御が、前記転舵モータ、前記操舵制御部、及び前記反力モータのうち少なくとも1つの動作不良を検出し且つ前記反力モータの少なくとも1つが正常動作している場合に、前記反力モータによる疑似操舵反力の設定値を正常動作時より小さい値に変更し、前記反力モータによる疑似操舵反力を変更した設定値まで経時的に変化させることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の多重補償系システムを有する車両用電動操舵装置は、
請求項4に記載の多重補償系システムを有する車両用電動操舵装置において、前記反力制御が、前記反力モータのうち少なくとも1つの動作不良を検出し且つ少なくとも1つが正常に稼動している場合に実行されることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の多重補償系システムを有する車両用電動操舵装置は、請求項3及び5を同時に備えることを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の多重補償系システムを有する車両用電動操舵装置は、
請求項2,3,4,5又は6のいずれかに記載の多重補償系システムを有する車両用電動操舵装置において、
前記設定値が、前記転舵モータ、前記操舵制御部、及び前記反力モータから検出した各動作不良の数の集計結果に応じて決定されることを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の多重補償系システムを有する車両用電動操舵装置は、
請求項1,2,3,4,5,6又は7のいずれかに記載の多重補償系システムを有する車両用電動操舵装置において、
前記反力制御と、車両の車速又はエンジン回転数の少なくとも一方に上限値を設け、前記車速又はエンジン回転数を前記上限値以下になるまで経時的に下げるとともに、その後は前記上限値を超えないように制御する車速制御との組み合わせによる制御パターンの制御を実行して、運転者に動作不良の存在を認識させることを特徴とする。
【0015】
請求項9に記載の多重補償系システムを有する車両用電動操舵装置は、
請求項8に記載の多重補償系システムを有する車両用電動操舵装置において、前記上限値が、前記転舵モータ、前記操舵制御部、及び前記反力モータから検出した各動作不良の数の集計結果に応じて決定されることを特徴とする。
【0016】
請求項10に記載の多重補償系システムを有する車両用電動操舵装置は、
請求項8又は9のいずれかに記載の多重補償系システムを有する車両用電動操舵装置において、
前記多重補償系システムの動作不良を検出する動作不良検出手段と、前記組み合わせによる制御パターンの制御を実行させる動作不良対応制御部とを有することを特徴とする。
【0017】
請求項11に記載の多重補償系システムを有する車両用電動操舵装置は、
請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9又は10のいずれかに記載の多重補償系システムを有する車両用電動操舵装置において、
前記多重補償系システムが、2重補償系システムであることを特徴とする。
【0018】
請求項1〜11に記載の多重補償系システムを有する車両用電動操舵装置によれば、操舵制御系内に動作不良が生じている場合に、車両の走行又はハンドル操作に制限を設け運転者に運転違和感を体感として与えることで、運転者は制御系内の動作不良の存在を認識することができる。また、この制限によって、運転者は通常の走行ができないために車両の修理を強要され、速やかに車両の修理を考えるようになる。結果、動作不良を内在したままの車両を運転する時間が短くなり、運転者の危険が少なくなる。
【0019】
請求項4〜11に記載の多重補償系システムを有する車両用電動操舵装置によれば、反力モータのうち少なくとも1つの動作不良を検出し且つ少なくとも1つが正常に稼動している場合に、前記反力モータは、発生させる疑似操舵反力を経時的に軽くして、操舵反力の小さい状態、又は操舵反力が無い状態にする。これによって、残存する反力モータも動作不良に陥った際に、運転者が急な反力の消失により急ハンドルを切ることがなくなり、運転者をこうした事故の危険から守ることができる。
【0020】
請求項8〜11に記載の多重補償系システムを有する車両用電動操舵装置によれば、前記転舵モータ、前記操舵制御部、及び前記反力モータのうち少なくとも1つの動作不良を検出した場合に、車両の車速又はエンジン回転数の少なくとも一方に上限値を設け、車速又はエンジン回転数をその上限値を下回るように経時的に変化させて、車両の車速を予め落としておく。これによって、残存する前記転舵モータ、前記操舵制御部、及び前記反力モータが急に動作不良に陥った時に、運転者はブレーキ操作等で簡単に危険を回避できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、図1に示す2重補償系システムによるステアバイワイヤ方式の車両用電動操舵装置を実施例とし、図1〜14を用いて説明する。ただし本発明は、多重補償系システムによるステアバイワイヤ方式の車両用電動操舵装置であり、以下に示す2重補償系システムによる実施例に限定するものではない。
【0022】
図1は、2重補償系システムによるステアバイワイヤ方式の車両用電動操舵装置の概略を示すものである。操舵ハンドル1と連結しその操舵ハンドル1の操舵による回転を伝達するハンドル軸2は、その同軸上で、ハンドル軸2の回転角を検出するハンドル軸回転角センサ3と、操舵ハンドル1の操舵に加えられるトルクを検出するトルクセンサ4と、減速機5とが連結している。減速機5は、ウォームギア等のギア機構であり、操舵ハンドル1を操舵する際の擬似反力を発生させる反力モータ6のトルクを、そのギア比により増大しつつハンドル軸2に伝達する。
【0023】
また、車輪10と連結する車輪転舵軸11は、その同軸上で減速機12a,bと、転舵回転角センサ13a,bと連結している。減速機12a,bはギア機構であり、転舵モータ14a,bの回転を、そのギア比により減速しつつ、車輪転舵軸11にその軸線方向の往復動作を行う力を与える。これにより、車輪10の車輪転舵角を変化させる。転舵モータ14a,bには、モータ回転角センサ(図示なし)が取り付けられている。転舵モータ14a,bの回転量は、ハンドル軸回転角センサ3、トルクセンサ4の検出した操舵ハンドル1の操舵によるハンドル軸2の回転を示す出力信号に基づき、制御部20a,bが制御する。
【0024】
この制御部20a,b(以下、ECUともいう)には、ハンドル軸回転角センサ3、トルクセンサ4及び転舵回転角センサ13a,bの検出した回転角とトルクを示す出力信号を入力するとともに、反力モータ6a,bと転舵モータ14a,bに対して、両モータの端子間に電圧V1,V2を印加し、両モータを駆動させるためのモータ電流I1,I2を出力している。
【0025】
なお、本実施形態の車両用電動操舵装置は2重補償系システムからなるものであり、反力モータ6a、転舵回転角センサ13a、転舵モータ14aを含み、ECU20aによって制御される制御系Aと、反力モータ6b、転舵回転角センサ13b、転舵モータ14bを含み、ECU20bによって制御される制御系Bとの2系統の制御系を有する。
【0026】
図2は,ECU20aの構成を示すとともに、図1に示す2重補償系システムにおける車両用電動操舵装置の制御系Aの構成を表す概略図である。ECU20aは、制御手段としての中央演算処理装置であるCPU21aと、データの読み出し書き込みを行い、そのデータを一時記憶するワークメモリとして機能するRAM22aと、各種プログラムなどを記憶する読み出し専用メモリであるROM23aと、外部と信号の送受信を行う入出力インターフェース25aとを有し、これらとバスライン24aを介して各種信号の送受信可能とした制御部を構成している。これにより、ECUは、センサ、モータ及び他のECU、さらには車速制御用ECUと、信号の送受信を行う。
【0027】
ROM23aには、動作不良検出部30aと、動作不良対応部40aと、これらを除く車両操舵にかかわる公知の動作プログラムを記憶している操舵制御部50aが存在する。動作不良検出部30aは、ECU20bが制御する制御系Bの動作不良を確認しこれらをRAM22aに記憶するECU動作確認プログラム31aと、反力モータ6a、転舵モータ14aの各動作不良を検出しRAM22aに記憶させる反力モータ動作確認プログラム32aと、転舵モータ動作確認プログラム33aとを有する。動作不良対応部40aは、動作不良を検出した際に、その様々な不良状況に応じて残存系統にバックアップを実行させるプログラムを有するバックアップ制御部41aと、制御系内に発生している動作不良に対応した動作不良対処プログラムを有する対処手段選択部42aと、動作確認及び動作不良確認時にはバックアップ制御とその後に実行する対処手段を実行するプログラムを有する対処手段実行部43aとを有する。ECU20bもECU20aと同様の構成である。
【0028】
また、図2に示されているように、ECU20aは、自身とは異なる制御系の制御系Bの反力モータ6b、転舵モータ14bとも信号の送受信を行うことが可能である。これは、ECU20bも同様である。通常走行時においては、制御系AのECU20aは制御系A内のモータと、制御系BのECU20bは制御系B内のモータと信号の送受信を行っており、異なる制御系のモータと信号の送受信は行わない。上述のような異なる制御系との信号の送受信は、ECUの一方に動作不良が発生した場合に、正常なECUが動作不良を発生したもう一方のECUのモータ制御をバックアップする際に必要とされる。例えば、ECU20aに動作不良が発生した場合は、ECU20bがECU20aのバックアップとして機能し、ECU20aの動作不良検出信号がECU20bに入力されることをトリガーとして、ECU20bは、自身の制御する反力モータ6bと転舵モータ14bに入力する駆動信号と同じ信号を、反力モータ6aと転舵モータ14aに対して入力し、駆動させることができる。
【0029】
このように、本実施形態では、通常走行時、それぞれの制御系統の各センサ、モータ及び制御部が、それぞれの制御系内において、各役割を果たしているが、いずれかの制御系のセンサ、モータ及び制御部に動作不良が生じた場合には、残り一方の制御系内のセンサ、モータ及び制御部が、動作不良を生じた制御系のバックアップ系統として機能し、動作不良が生じる前の車両状態を維持するように、制御系A,Bは構成されている。
【0030】
本発明は、上述の2重補償系システムからなる車両用電動操舵装置において、2系統存在する操舵制御系のいずれかに動作不良が発生した場合、その動作不良を検出し、その動作不良が生じる前の車両状態に戻すバックアップ制御が完了した状態で、この動作不良の存在を運転者に体感として報知するための対処手段を選択し、実行するものである。これら動作不良検出とその対処手段の決定は、各制御系の制御部であるECU20a、20bがそれぞれ行う。
【0031】
ここで、図1の2重補償系システムからなる車両用電動操舵装置における動作不良の検出方法を説明する。反力モータ6a,b、転舵モータ14a,b、ECU20a,bが動作不良を起こした場合に関して、その動作不良検出方法とその具体例を以下に示す。
【0032】
まず、ECUが動作不良を発生した際の動作不良検出方法を説明する。本発明を適用するECUは、図2のECU20aのように、ECU内のROMにECU動作確認プログラムを記憶している。このプログラムに基づいて、自身とその他のECUとの間で互いの動作状態を診断するための信号の送受信を行い、自身の送信した動作診断信号に対して相手側のECUから信号が返ってきた時、ECU内のCPUに、その信号が正常であるか、異常であるかの判断をさせることでECUの異常検出を行う。なお、信号が返ってこない場合は、返ってこないことに基づき、異常であると判断するものとする。
【0033】
上述のECU動作確認プログラムについて、図3のフローチャートを用いて説明する。以下では、図2のECU20aが、ROM23aに記憶されたECU動作確認プログラム31aによって、ECU20bを診断する場合を例にして説明を行う。また、このときECU20aは正常動作しているものとする。
【0034】
S100では、ECU20aは、バスライン24a、入出力インターフェース25aを介して、もう一方のECU20bにECU動作診断信号を送信する。S101では、この信号を受けたECU20bが、自身に動作不良が存在するかを判断し、その状態を表す信号をECU20aに送り返す。ECU20aは、バスライン24a、入出力インターフェース25aを介してこれを受信する。
【0035】
S102では、ECU20aのCPU21aが、ECU20bから受信した信号がECU20bの動作不良をあらわす信号であるかそうでないかを確認し、S103では、これを基にECU20bが正常であるか異常であるかを判断する。また、ECU20bが動作しておらず、信号が返ってこない場合は、信号が返ってこないことに基づき、ECU20bが異常であると判断する。
【0036】
その判断結果は、S104においてECU20aのRAM22aに一時記憶し、プログラムを終了する。記録されたデータは、このプログラムが実行されるたびに、上書きされる。
【0037】
このECU動作確認プログラム31aによれば、ECUの動作不良の検出が可能で、その結果は、絶えずRAM22a内に記録されているため、いつでもECU20bの動作状態の確認が行える。また、ECU20bは、これと同様のプログラムであるECU動作確認プログラム31bを有し、ECU20aの診断を行うことができる。
【0038】
次に、反力モータが動作不良を発生した際の動作不良検出方法を説明する。反力モータは、反力モータの端子間に対する電圧V1の印加に基づき、モータ電流I1が入力されることで駆動する。このモータ電流I1は、転舵モータを駆動させるための指令電流I2に基づいて、ECUが操舵トルク推定し、その操舵トルクに応じた指令反力トルクTsが発生するよう制御された電流である。反力モータの異常時には、上述の指令反力トルクTsとその指令反力トルクTsに基づいて反力モータが実際に出力するトルクTとの間に一定以上の差が生じた状態となる。この反力モータの異常を検出するには、トルクセンサにより反力モータが実際に出力したトルクTを検出し、このトルクTと上述の指令反力トルクTsとの比較を行うことで判定することが可能である。
【0039】
上述の反力モータの異常判定を行う反力モータ動作確認プログラムについて、図4のフローチャートを用いて説明する。以下では、図2のECU20aが、ROM23aに記憶された反力モータ動作確認プログラム32aによって、反力モータ6aの動作確認をする場合を例にして説明を行う。このときECU20aは正常動作しているものとする。
【0040】
S110では、ECU20aが、転舵モータ14aへの指令電流に基づいて操舵トルク推定し、その操舵トルクに応じた指令反力トルク(以下、指令トルクともいう)Tsを算出する。また、S111では、トルクセンサ4からハンドル軸2に実際に加えられるトルクTを検出する。このとき、両者はRAM22aに一時記憶される。
【0041】
S112では、ECU20aのCPU21aが、S110とS111でRAM23aに記憶した指令トルクTsと実際のトルクTとの偏差ΔTを演算し、S113において、S112で求めた偏差ΔTが、本プログラムにおいて正常と認める範囲内にあるか否かを判断する。偏差ΔTがその範囲内であれば反力モータ6aは正常であると判断され、範囲外であれば異常であると判断される。
【0042】
S114において、S113での判定結果をRAM22aに一時記憶し、本プログラムを終了する。RAM22a記録されたデータは、このプログラムが実行されるたびに、上書きされる。
【0043】
この反力モータ動作確認プログラム32aによれば、反力モータ6aの動作不良の検出が可能で、その結果は、絶えずRAM22a内に記録されているため、いつでも反力モータ6aの動作状態の確認が行える。また、ECU20bの反力モータ動作確認プログラム32bにより、反力モータ6bも同様に検出可能である。
【0044】
最後に、転舵モータが動作不良を発生した際の動作不良検出方法を説明する。転舵モータは、転舵モータの端子間に対する電圧V2の印加に基づきモータ電流I2が入力されることで駆動し、操舵によるハンドル軸の回転に基づいて、車輪転舵軸を回転させその軸線方向に往復動作させる。このモータ電流I2は、転舵モータを駆動するためのECUからの指令電流であるが、この指令電流値は、ハンドル軸回転角度センサから入力されるハンドル軸の回転角度(以下、ハンドル軸回転角度ともいう)φに基づくものであり、これにより、ハンドル軸の回転が車輪転舵軸に対して電気的に伝達される。この指令電流を得るために、検出されたハンドル軸回転角度φは、それに対応して回転する車輪転舵軸の目標回転角度(以下、指令角度ともいう)θsに変換される。この目標回転角度θsと転舵回転角センサによって検出される実際の車輪転舵軸の回転角度(転舵回転角)θとが、迅速且つスムーズに近づくように制御された電流が、指令電流として転舵モータに入力される。なお、ハンドル軸の回転角度φから指令角度θsへの変換は、例えば、両者を変換するための変換比(以下、舵角変換比ともいう)を、減速機のギア比等を考慮に入れた上であらかじめ設定しておき、この変換比をハンドル軸回転角度φに乗じることで、変換できる。転舵モータ異常時には、上述の指令角度θsと実際の車輪転舵軸の実際の回転角度(転舵回転角)θとの差が、一定時間経過しても規定値に達しないことから判断可能であり、これによって上述の転舵モータの異常判定が実行される。また、転舵モータの異常判定は、例えば、転舵モータへの通電経路上に電流検出部を設け、ここで検出される転舵モータへの実際の入力電流(モータ電流)I2と、ECUが算出した転舵モータへの指令電流Is2との差が一定以上あるか否かを検出することでも、判定可能である。
【0045】
上述の転舵モータの異常判定を行う転舵モータ動作確認プログラムについて、図5のフローチャートを用いて説明する。以下では、図2のECU20aが、ROM23aに記憶された反力モータ動作確認プログラム33aによって、正常動作している転舵モータ14aの動作確認をする場合を例にして説明を行う。このときECU20aは正常動作しているものとする。
【0046】
S120では、ECU20aが、ハンドル軸回転角センサ3の検出するハンドル軸回転角φに基づいて、車輪転舵軸11の目標回転角度である指令角度θsを算出し、これをRAM22aに一時記憶する。S121においては、本プログラムで定められた一定時間が経過した後、転舵回転角センサ13aから、車輪転舵軸11が実際に回転した回転角度(転舵回転角)θを検出し、これをRAM22aに一時記憶する。
【0047】
S122では、ECU20aのCPU21aが、S120とS121でRAM22aに記憶した転舵回転角の推定値θsと実際の転舵回転角θの偏差Δθを演算し、S123において、S122で求めた偏差Δθが、本プログラムにおいて正常と認める範囲内にあるか否かを判断する。偏差Δθがその範囲内であれば正常であると判断され、範囲外であれば異常であると判断される。
【0048】
S124において、S123での判定結果をRAM22aに一時記憶し、本プログラムを終了する。RAM22aに記録されたデータは、このプログラムが実行されるたびに、上書きされる。
【0049】
この転舵モータ動作確認プログラム33aによれば、転舵モータ6aの動作不良の検出が可能で、その結果は、絶えずRAM22a内に記録されているため、いつでも転舵モータ14aの動作状態の確認が行える。また、ECU20bの転舵モータ動作確認プログラム33bにより、転舵モータ14bも同様に検出可能である。
【0050】
上述の動作不良検出プログラムによって動作不良が確認された後は、動作不良により変化した車両状態を、動作不良が生じる前の車両状態に戻すバックアップ制御が実行される。これが完了した後に、本発明の特徴である、運転者にその動作不良を認識させるための手段の実行が行われる。
【0051】
ここで、図1の2重補償系システムからなる車両用電動操舵装置において、反力モータ6a,b、転舵モータ14a,b、ECU20a,bのいずれかに発生した動作不良を運転者にどのように認識させるか、そのための手段についての説明を行う。
【0052】
その手段としては、反力モータにより操舵の擬似反力の設定値を小さく又は大きくする反力制御を行い、ハンドル操作に制限を設ける手段、車両の車速、エンジン回転数に上限値を設け、車両の車速、エンジン回転数をその上限値以下に制御する車速制御により車両走行に制限を設ける手段、又はその両者からなる手段のいずれかが挙げられる。
【0053】
まず、反力制御を行い、ハンドル操作に制限を設ける手段について説明を行う。この反力制御は、単に反力を通常走行時よりも大きく又は小さくするという制御を行うことでも簡易に可能であり報知手段としても有効であるが、本実施形態においては、反力モータの動作不良時には、反力を小さく、転舵モータ又はECUが動作不良を発生した場合には反力を重くする反力制御を行うものとする。この反力制御は、反力モータに入力するモータ電流I1を制御することでなされる。反力モータは、モータ電流I1を大きくするほどモータのコイルに流れる電流が増し、それに比例して発生するトルクは大きくなり、逆にモータ電流I1を小さくすれば発生するトルクも小さくなる。このトルクが、運転者のハンドル操作に与えられる擬似反力であり、これを変更することで、運転者はハンドル操作に違和感を覚えることとなる。
【0054】
図6は、この反力制御の具体的な制御方法の流れを示すフローチャートである。以下、図6のフローチャートを用いてその説明を行う。S200では、反力モータの動作確認を行う。この動作確認は、上述の反力モータ動作確認プログラムによってなされ、ここでは、そのときにRAMに記憶した判定結果に基づき、動作確認を行う。このとき、反力モータに動作不良が発生している場合は、S203において、反力の設定値を動作不良以前より小さく設定する。S204において、S203で設定した反力値になるまで反力を経時的に小さくするために、反力モータに入力するモータ電流を経時的に減少させる制御を行う。S205において、反力が設定値に達したらこのモータ電流値を保つ制御がなされ、設定した反力を維持する。このとき、反力は急に変化させるのではなく、運転者が急ハンドルを切ることがないよう、経時的にゆっくりと変化するように制御する。また、設定する反力は、ゼロにしてもよい。
【0055】
S205の後、S209において、動作不良に基づく反力設定値の変更の解除を行う設定がなされたかどうかの確認がなされる。解除が確認されなければ、S205を繰り返し、反力を小さくした設定のままの走行を続けることになる。この解除設定は、運転者が修理業者に車両を修理に出して修理完了後に業者がこれを実施することとし、運転者が解除設定を行えないようにしておく。解除設定がなされることで、車両は通常の反力の大きさに基づくハンドル操作が行えるようになる。
【0056】
このとき、反力モータと同時に、ECU、転舵モータの1つに動作異常が発生していたとしても、反力を小さくするS203、S204、S205の反力制御を行う。これは、反力モータの1つが動作不良を発生した状態で、さらにもう一方の反力モータにも故障が発生した際に、反力が急激に減少することを防ぐためである。したがって、反力モータの動作不良時に設定する反力の設定値は、ゼロに近いほど効果的であるといえる。
【0057】
S200で反力モータの動作確認を行った結果、反力モータが正常に動作していた場合は、S201においてECUの動作不良確認を行う。S201で、ECUの動作不良が確認できなかった場合は、S202に進み、転舵モータの動作確認を行う。
【0058】
さらにS202において、転舵モータの動作不良が確認できなかった場合は、S200の前に戻り、再度反力モータの動作確認から行う。このように、動作不良が発生していない場合においても、絶えず動作確認を行い、制御系内の動作不良の確認がなされている。
【0059】
S201においてECUで動作不良が確認された場合と、S202で転舵モータの動作不良が確認された場合は、S206において、反力の設定値を動作不良前より大きく設定する。S207では、S206で設定した反力値になるまで反力を経時的に大きくするために、反力モータに入力するモータ電流を経時的に増加させる制御を行う。S208において、設定値に達したらこのモータ電流値を保つ制御がなされ、設定した反力を維持する。このとき、反力は急に変化させるのではなく、運転者が急にハンドルが切りにくくなることを避けるために、経時的にゆっくりと変化するように制御する。
【0060】
S208の後、S210において、動作不良に基づく反力設定値の変更の解除を行う設定がなされたかどうかの確認がされる。解除が確認されなければ、S208を繰り返し、修理によって修理業者が解除設定を行った場合は、車両は通常の反力の大きさに基づくハンドル操作が行えるようになる。
【0061】
次に、上述の車速制御により車両走行に制限を設ける手段について説明を行う。この車速制御は、車両の車速又はエンジン回転数の少なくとも一方に上限値を設け、前記車速又はエンジン回転数を前記上限値以下になるまで経時的に下げるとともに、その後は前記上限値を超えないように制御することで、運転者は車両の走行状態に違和感を覚えることとなる。本実施形態では、この車速制御は、車速制御用ECUが、エンジンのインジェクタを制御することでなされるものとする。
【0062】
図7にエンジンの給排気系及び燃料系の構成を示す概略図を示す。エンジン60の吸気通路61には、その上流部で空気を浄化するエアクリーナ64、吸入空気量GAを検出するエアフローメータ65、吸気通路61の開口面積を変更して空気量を調整するスロットルバルブ66が設けられる。スロットルバルブ66の下流のインテークマニホールド67には、ガソリン燃料を噴射するインジェクタ70が設けられている。
【0063】
吸気通路61に吸入された空気は、エアクリーナ64で浄化され、インジェクタ70より噴射された燃料と混合されて、燃焼室62に供給されて燃焼される。燃焼室62において、燃焼により生じた排気ガスは、排気通路63を通じて排出される。排気通路63には、排気ガスの酸素分圧に応じた電圧を検出信号として出力する酸素センサ68が設けられている。
【0064】
またエンジン60には、ガソリン用燃料系が設けられている。燃料系は、燃料ポンプ73、デリバリパイプ71、及びプレッシャレギュレータ72を備えている。燃料ポンプ73は、ガソリンタンク74に貯蔵された燃料を汲み上げて、デリバリパイプ71に圧送する。各デリバリパイプ71内の燃圧は、プレッシャレギュレータ72によって一定に保持されている。そしてデリバリパイプ71から各気筒のインジェクタ70へと燃料が供給される。
【0065】
図8は、本発明を実行する各センサ類によりインジェクタ70を制御する車速制御用ECUを示す概略図である。通常、インジェクタ70は、電磁コイルへの通電によりプランジャが動作することによって、ノズルまで燃料が到達し、噴射される構造をとる。車速制御用ECU80に、エンジンへの吸入空気量やエンジンの負荷、水温、排気ガスの酸素分圧、吸気温度、加減速などの状態を検出するインジェクタ制御用センサ類81からの電気信号を入力されることで、車速制御用ECU80が、エンジンの特性に合わせて設定した空燃比になるように、燃料噴射を行うインジェクタ70の開弁時間を算出し、その開閉信号のデューティ比を決定する。これによって、その開閉信号が電磁コイルに通電され、燃料の噴射が行われる。
【0066】
本発明の車速制御を実現するためには、このインジェクタ70を制御するためのセンサ類81に、車速センサ82とエンジン回転数センサ83を加えて、これらの検出する電気信号をインジェクタ70の燃料噴射のバルブ幅を決定するパラメータに加えればよい。これによってインジェクタ70を制御するには、まず、操舵制御系の動作不良時に、操舵制御用ECU20から車速制御用ECU80に対して、車速、エンジン回転数の上限値を指定する信号を入力し、車速制御用ECU80にこれを記憶させる。この後、車速センサ82とエンジン回転数センサ83によって検出された車速、エンジン回転数がこの上限値を上回った場合に、燃料噴射を行うインジェクタ70の開弁時間を短くする、又は燃料自体を噴射しないように燃料カットを行う、といった制御を行わせるプログラムを車速制御用ECU80に記憶させ、車速、エンジン回転数がこの上限値を上回った場合に、これを実行するようにする。これにより、車速、エンジン回転数がこの上限値を上回った場合は、エンジンの回転数が強制的に落とされ、車速、エンジン回転数は上限値以下に下がる。
【0067】
このとき、エンジン回転数に上限値を設ける場合は、ギアの種類ごとによって設定されることが望ましい。これは、高速ギア時と低速ギア時では、同一回転数でも高速ギアのほうが車速が大きいため、操舵制御系の動作不良発生時にできるだけ低速の走行をさせるには、高速ギアでの回転数上限値は低くして車速を抑え、低速ギア時ではある程度高めに上限値を設定してある程度のスピードが出せるようにしておけばよい。
【0068】
この車速制御について、その制御方法は、車両の車速制御、エンジン回転数制御、又はその両者を同時に行う制御の3通りが考えられ、それぞれについてその具体的な制御方法を、図9、図10、図11のフローチャートに示す。
【0069】
まず、車速のみを制御する車速制御を実行する場合を、図9を用いて説明する。S300では、反力モータの動作確認を行う。反力モータの動作不良が確認されなかった場合は、S301において、ECUの動作確認を行う。さらに、ECUの動作不良も確認されなかった場合は、S302において、転舵モータの動作確認を行う。
【0070】
S302で、転舵モータに動作不良が確認されなかった場合は、S300の前まで戻り、再度反力モータの動作確認から行う。このように、動作不良が発生していない場合は、動作確認を繰り返し行い、常に制御系内の動作不良の確認を行う。
【0071】
S300,S301、S302のいずれかで動作不良が確認された場合は、S303において、操舵制御用ECU20から車速制御用ECU80に、車速上限値を指定する信号を入力して、車速制御用ECU80にこれを記憶させる。
【0072】
この後、S304において、S303で車速センサ82が検出した車速が、車速制御用ECU80に記憶された車速上限値を超えているかの判断を、車速制御用ECU80のCPU(図示せず)に実行させる。車速がその上限値を越えていると判断された場合は、S305に進み、車速を上限値以下になるまで経時的に車速を落とし続ける制御を実行し、車速が上限値以下になったらS306に進む。また、車速が上限値を越えていないと判断した場合は、S305を飛ばし、S306に進む。
【0073】
S306では、操舵制御系の動作不良に基づく制限つきの車速制御を解除する設定がなされたかどうかの確認がなされる。解除が確認されなければ、S304に戻り、車速の上限値に基づく車速制御を再度実行し、修理によって解除設定がなされるまで、これを繰り返す。修理によってこの解除設定がなされれば、車両は、操舵制御系の動作不良による車速制限のない通常の走行が可能となる。
【0074】
次に、エンジン回転数のみを制御する車速制御を実行する場合を、図10を用いて説明する。図9と同様に、まず、S310、S311、S312において、反力モータ、ECU、転舵モータの動作確認を行う。S312で、転舵モータに動作不良が確認できなかった場合は、S310の前まで戻り、再度反力モータの動作確認から行う。
【0075】
S310,S311、S312のいずれかで動作不良が確認された場合は、S313において、操舵制御用ECU20から車速制御用ECU80に、エンジン回転数上限値を指定する信号を入力し、車速制御用ECU80にこれを記憶させる。
【0076】
この後、S314において、S313でエンジン回転数センサ83が検出したエンジン回転数が、車速制御用ECU80に記憶されたエンジン回転数上限値を超えているかの判断を、車速制御用ECU80のCPU(図示せず)に実行させる。エンジン回転数がその上限値を越えていると判断された場合は、S315に進み、エンジン回転数が上限値以下になるまで経時的にエンジン回転数を落とし続ける制御を実行し、エンジン回転数が上限値以下になったらS316に進む。また、エンジン回転数が上限値を越えていないと判断した場合は、S315を飛ばし、S316に進む。
【0077】
S316では、操舵制御系の動作不良に基づく制限つきの車速制御を解除する設定がなされたかどうかの確認がなされる。解除が確認されなければ、S314に戻り、エンジン回転数の上限値に基づく車速制御を再度実行し、修理によって解除設定がなされるまで、これを繰り返す。修理によってこの解除設定がなされれば、車両は、操舵制御系の動作不良によるエンジン回転数制限のない通常の走行が可能となる。
【0078】
最後に、車速とエンジン回転数の両者を同時に制御する車速制御を実行する場合を、図11を用いて説明する。図9、10と同様に、まず、S320、S321、S322において、反力モータ、ECU、転舵モータの動作確認を行う。S322で、転舵モータに動作不良が確認できなかった場合は、S320の前まで戻り、再度反力モータの動作確認から行う。
【0079】
S320,S321、S322のいずれかで動作不良が確認された場合は、S323,S324において、操舵制御用ECU20から車速制御用ECU80に対して、車速の上限値とエンジン回転数の上限値を指定する信号を入力し、これらを車速制御用ECU80に記憶させる。
【0080】
この後、S325において、S323で車速センサ82が検出した車速が、車速制御用ECU80に記憶された車速上限値を超えているかの判断を、車速制御用ECU80のCPU(図示せず)に実行させる。車速がその上限値を越えていると判断された場合は、S326に進み、車速が上限値以下になるまで経時的に車速を落とし続ける制御を実行し、車速が上限値以下になったらS327に進む。また、車速が上限値を越えていないと判断した場合は、S326を飛ばし、S327に進む。
【0081】
S327では、S324でエンジン回転数センサ83が検出したエンジン回転数が、車速制御用ECU80に記憶されたエンジン回転数上限値を超えているかの判断を、車速制御用ECU80のCPU(図示せず)に実行させる。エンジン回転数がその上限値を越えていると判断された場合は、S328に進み、エンジン回転数が上限値以下になるまで経時的にエンジン回転数を落とし続ける制御を実行し、エンジン回転数が上限値以下になったらS329に進む。また、エンジン回転数が上限値を越えていないと判断した場合は、S328を飛ばし、S329に進む。
【0082】
S329では、操舵制御系の動作不良に基づく制限つきの車速制御を解除する設定がなされたか否かの確認がされる。解除が確認されなければ、S329に戻り、エンジン回転数の上限値に基づく車速制御を再度実行し、修理によって解除設定がなされるまで、これを繰り返す。修理によってこの解除設定がなされれば、車両は、操舵制御系の動作不良による車速制限、エンジン回転数制限のない通常の走行が可能となる。
【0083】
なお、本実施形態における反力制御において設定される反力の設定値と、車速制御において設定される車速、エンジン回転数の上限値は、反力モータ、転舵モータ、ECUの中で、複数の動作不良が存在する場合に、何が動作不良となっているか、いくつの動作不良があるかを集計し、その集計結果に合わせて決定してもよい。例えば、本実施形態において、ECUと転舵モータが1つずつ故障した場合に、車速制御よって設定される車速の上限値を、ECU又は転舵モータが1つ故障した場合に設定される車速の上限値よりも小さく設定するなど、動作不良の程度を考慮し、状況に応じた最適な対応手段を設定することが可能となる。
【0084】
ここで、上述のECU、反力モータ、転舵モータの動作確認プログラムを実行し、動作不良が確認された場合にそのバックアップ制御と反力制御・車速制御による対処手段を実行する対処手段実行プログラムについて、説明を行う。
【0085】
上述のプログラムは、ECU20のROM23に記憶された対処手段実行部43に格納されている。ここでは、ECU20b、反力モータ6a、又は転舵モータ14aの動作不良を確認した場合を例として、以下に、そのそれぞれの場合において実行される上記プログラムについて説明する。このとき、ECU20aは正常に動作しているものとする。
【0086】
図12は、ECUの動作不良を確認した場合に、対処手段実行プログラムが実行されたときの制御の流れを示すフローチャートである。ここでは、ECU20bの動作不良を確認した場合を例にして説明を行う。
【0087】
S400では、ECU20aは、上述のECU動作不良プログラム31aを実行し、S400〜S403までを行う。S404において、S403でRAMに記憶されたECU20bの動作状態を確認し、これが正常である場合はS400に戻り、再度ECU20bの動作確認を実行する。ECU20bが正常である場合はこれを繰り返し、常にECU20bの動作状態を把握しておく。
【0088】
S404において、ECU20bの動作不良を確認した場合は、まず、S405において全制御系の動作確認を行う。これにより、ECU20aは、制御系A,Bに存在するECU20a,b、反力モータ6a,b、転舵モータ14a,bの動作不良を集計し確認する。
【0089】
S405の結果を基に、S406では、ECU20aのROM23aに記憶された動作不良対応部40aのバックアップ制御部41aにより、ECU20bの動作不良以前の状態を維持するためのバックアップ制御がなされる。このバックアップ制御部41aは、制御系内の様々な動作不良に対応したバックアップ制御用プログラムを有しており、発生した動作不良に基づきプログラムを選択、実行する。この場合、ECU20bを含む制御系が正常に動作していない現在の状態を、ECU20bの動作不良前の2系統による制御状態と同じ状態にするために、制御系Bの反力モータ6bと転舵モータ14bを制御系AのECU20aが制御できる状態にする。
【0090】
S406のバックアップ制御の完了と同時にS407では、S405の結果を基に、ECU20aのROM23aに記憶された動作不良対応部40aの対処手段選択部42aにより、動作不良に対する対処手段を実行するプログラムが選択される。この対処手段選択部42aは、制御系内の様々な動作不良に対応する対処手段を有しており、発生した動作不良に基づき、その手段を実行するプログラムを選択、実行する。このときの対処手段は、上述で述べた反力制御と車速制御、又はその組み合わせによる制御のいずれかであり、S405の結果を基に、そのいずれかを選択し、実行する。
【0091】
図13は、反力モータの動作不良を確認した場合に、対処手段実行プログラムが実行されたときの制御の流れを示すフローチャートである。ここでは、反力モータ6aの動作不良を確認した場合に例にして説明を行う。
【0092】
S410では、ECU20aは、上述の反力モータ動作不良プログラム32aを実行し、S410〜S413までを行う。S414において、S413でRAMに記憶された反力モータ6aの動作状態を確認し、これが正常である場合はS410に戻り、再度ECU20bの動作確認を実行する。ECU20bが正常である場合はこれを繰り返し、常にECU20bの動作状態を把握しておく。
【0093】
S414において、反力モータ6aの動作不良を確認した場合は、まず、S415において全制御系の動作確認を行う。これにより、ECU20aは、制御系A,Bに存在するECU20a,b、反力モータ6a,b、転舵モータ14a,bの動作不良を集計し確認する。
【0094】
S415の結果を基に、S416では、ECU20aのROM23aに記憶された動作不良対応部40aのバックアップ制御部41aにより、反力モータ6aの動作不良以前の状態を維持するためのバックアップ制御がなされる。この場合、ECU20bに、反力モータ6bの出力トルクを2倍にする制御を行うプログラムを選択し実行する。
【0095】
S416のバックアップ制御の完了と同時にS417では、S415の結果を基に、ECU20aのROM23aに記憶された動作不良対応部40aの対処手段選択部42aにより、動作不良に対する対処手段を実行するプログラムが選択される。このときの対処手段は、上述で述べた反力制御と車速制御、又はその組み合わせによる制御のいずれかであり、S415の結果を基に、そのいずれかを選択し、実行する。
【0096】
図14は、転舵モータの動作不良を確認した場合に、対処手段実行プログラムが実行されたときの制御の流れを示すフローチャートである。ここでは、転舵モータ14aの動作不良を確認した場合を例にして説明を行う。
【0097】
S420では、ECU20aは、上述の転舵モータ動作不良プログラム33aを実行し、S420〜S423までを行う。S424において、S423でRAMに記憶された転舵モータ14aの動作状態を確認し、これが正常である場合はS420に戻り、再度ECU20bの動作確認を実行する。ECU20bが正常である場合はこれを繰り返し、常にECU20bの動作状態を把握しておく。
【0098】
S424において、転舵モータ14aの動作不良を確認した場合は、まず、S425において全制御系の動作確認を行う。これにより、ECU20aは、制御系A,Bに存在するECU20a,b、反力モータ6a,b、転舵モータ14a,bの動作不良を集計し確認する。
【0099】
S425の結果を基に、S426では、ECU20aのROM23aに記憶された動作不良対応部40aのバックアップ制御部41aにより、転舵モータ14aの動作不良以前の状態を維持するためのバックアップ制御がなされる。この場合、ECU20bに、転舵モータ14bの出力トルクを2倍にする制御を行うプログラムを選択し実行する。
【0100】
S426のバックアップ制御の完了と同時にS427では、S425の結果を基に、ECU20aのROM23aに記憶された動作不良対応部40aの対処手段選択部42aにより、動作不良に対する対処手段を実行するプログラムが選択される。このときの対処手段は、上述で述べた反力制御と車速制御、又はその組み合わせによる制御のいずれかであり、S425の結果を基に、そのいずれかを選択し、実行する。
【0101】
本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、多重補償系のシステムを有するステアバイワイヤ方式の車両用電動操舵装置において、制御系内に動作不良が発生した場合に、車両の走行又はハンドル操作に意図した制限を設けることにより、運転者に制御系内の動作不良の存在を体感として認識させることを特徴とする発明である。また、本発明は、ウォーニングランプ等の報知手段等と合わせて行うことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した2重補償系システムによるステアバイワイヤ方式の車両用電動操舵装置の概略図
【図2】同実施形態における制御系Aの構成を表す概略図
【図3】同実施形態のECU動作確認プログラムを示すフローチャート
【図4】同実施形態の反力モータ動作確認プログラムを示すフローチャート
【図5】同実施形態の転舵モータ動作確認プログラムを示すフローチャート
【図6】本発明を実行する反力モータによる反力制御の流れを示すフローチャート
【図7】エンジンの給排気系及び燃料系の構成を示す概略図
【図8】インジェクタを制御する車速制御用ECUを示す概略図
【図9】本発明を実行する車速を制御する車速制御の流れを示すフローチャート
【図10】本発明を実行するエンジン回転数を制御する車速制御の流れを示すフローチャート
【図11】本発明を実行する車速とエンジン回転数の両者を同時に制御する車速制御の流れを示すフローチャート
【図12】同実施形態のECU動作確認に基づく対処手段実行プログラムの実行例を示すフローチャート
【図13】同実施形態の反力モータ動作確認に基づく対処手段実行プログラムの実行例を示すフローチャート
【図14】同実施形態の転舵モータ動作確認に基づく対処手段実行プログラムの実行例を示すフローチャート
【符号の説明】
A,B (操舵)制御系
1 操舵ハンドル
2 ハンドル軸
3 ハンドル軸回転角センサ
4 トルクセンサ
5 減速機
6 反力モータ
10 車輪
11 車輪転舵軸
12 減速機
13 転舵回転角センサ
14 転舵モータ
20 制御部(ECU)
21 CPU
22 RAM
23 ROM
24 バスライン
25 入出力インターフェース
30 動作不良検出部
31 ECU動作確認プログラム
32 反力モータ動作確認プログラム
33 転舵モータ動作確認プログラム
40 動作不良対応部
41 バックアップ制御部
42 対処手段選択部
43 対処手段実行部
50 操舵制御部
60 エンジン
61 吸気通路
62 燃焼室
63 排気通路
64 エアクリーナ
65 エアフローメータ
66 スロットルバルブ
67 インテークマニホールド
68 酸素センサ
70 インジェクタ
71 デリバリパイプ
72 プレッシャレギュレータ
73 燃料ポンプ
74 ガソリンタンク
80 車速制御用ECU
81 インジェクタ制御用センサ類
82 車速センサ
83 エンジン回転数センサ

Claims (11)

  1. 操舵ハンドル軸の回転角を検出するハンドル軸回転角センサと、そのハンドル軸の回転角に対応して車輪転舵軸を回転させる転舵モータと、前記ハンドル軸に擬似的な操舵反力を生じさせる反力モータと、前記転舵モータ及び反力モータの駆動を制御する操舵制御部とを含み、前記センサ、モータ及び制御部の少なくとも1種が2系統以上の多重補償系システムを有して、その動作不良時にはその不良系統を他の系統で機能補償する多重補償系システムを備える車両用電動操舵装置において、
    前記反力モータ、前記転舵モータ、及び前記操舵制御部の動作不良を判定して少なくとも1つの前記動作不良を検出した場合に、前記判定した動作不良に応じて前記反力モータによる疑似操舵反力を経時的に変更させる反力制御を実行して、運転者に動作不良の存在を認識させることを特徴とする多重補償系システムを有する車両用電動操舵装置。
  2. 前記反力制御が、前記転舵モータ、前記操舵制御部、及び前記反力モータのうち少なくとも1つの動作不良を検出し且つ前記反力モータの少なくとも1つが正常動作している場合に、前記反力モータによる疑似操舵反力の設定値を正常動作時より大きい値に変更し、前記反力モータによる疑似操舵反力を変更した設定値まで経時的に変化させることを特徴とする請求項1に記載の多重補償系システムを有する車両用電動操舵装置。
  3. 前記反力制御が、前記転舵モータ又は前記操舵制御部のうち少なくとも1つの動作不良を検出した場合に実行されることを特徴とする請求項2に記載の多重補償系システムを有する車両用電動操舵装置。
  4. 前記反力制御が、前記転舵モータ、前記操舵制御部、及び前記反力モータのうち少なくとも1つの動作不良を検出し且つ前記反力モータの少なくとも1つが正常動作している場合に、前記反力モータによる疑似操舵反力の設定値を正常動作時より小さい値に変更し、前記反力モータによる疑似操舵反力を変更した設定値まで経時的に変化させることを特徴とする請求項1に記載の多重補償系システムを有する車両用電動操舵装置。
  5. 前記反力制御が、前記反力モータのうち少なくとも1つの動作不良を検出し且つ少なくとも1つが正常に稼動している場合に実行されることを特徴とする請求項4に記載の多重補償系システムを有する車両用電動操舵装置。
  6. 請求項3及び5を同時に備えることを特徴とする多重補償系システムを有する車両用電動操舵装置。
  7. 前記設定値が、前記転舵モータ、前記操舵制御部、及び前記反力モータから検出した各動作不良の数の集計結果に応じて決定されることを特徴とする請求項2,3,4,5又は6のいずれかに記載の多重補償系システムを有する車両用電動操舵装置。
  8. 前記反力制御と、車両の車速又はエンジン回転数の少なくとも一方に上限値を設け、前記車速又はエンジン回転数を前記上限値以下になるまで経時的に下げるとともに、その後は前記上限値を超えないように制御する車速制御との組み合わせによる制御パターンの制御を実行して、運転者に動作不良の存在を認識させることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6又は7のいずれかに記載の多重補償系システムを有する車両用電動操舵装置。
  9. 前記上限値が、前記転舵モータ、前記操舵制御部、及び前記反力モータから検出した各動作不良の数の集計結果に応じて決定されることを特徴とする請求項8に記載の多重補償系システムを有する車両用電動操舵装置。
  10. 前記多重補償系システムの動作不良を検出する動作不良検出手段と、前記組み合わせによる制御パターンの制御を実行させる動作不良対応制御部とを有することを特徴とする請求項8又は9のいずれかに記載の多重補償系システムを有する車両用電動操舵装置。
  11. 前記多重補償系システムが、2重補償系システムであることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9又は10のいずれかに記載の多重補償系システムを有する車両用電動操舵装置。
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