JP3889468B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、摩耗が進行しても、排水性能、乗心地等の性能を高く維持することができる空気入りタイヤに関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
トレッド踏面部に、周方向に延びる複数本の主溝と、傾向的に幅方向に延びる複数本の横溝とを具える空気入りタイヤは従来から広く一般に使用に供されており、かかるタイヤでは、摩耗の進行につれて陸部剛性が次第に高くなり、また溝ボリュームが次第に減少することになる。
これがため従来は、タイヤの摩耗が、とくにそれの中期以降まで進行した場合に、排水性能、乗心地、外観その他が、新品時のそれらに比して相当低下しても、それを止むを得ないものとして受容することを余儀なくされていた。
【0003】
この発明は、従来技術の抱えるこのような問題点を有利に解決することを課題として検討した結果なされたものであり、この発明の目的は、タイヤの摩耗が進行しても、排水性能、乗心地等の各種性能の、新品時に対する低下を極力小さく抑えることができる空気入りタイヤ、なかでもトレッド構造を提供するにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明の空気入りタイヤは、トレッド踏面部に、直線状またはジグザグ状に周方向に延びる複数本の周溝と、陸部に形成されて傾向的にトレッド幅方向に延びる複数本の横溝とを具えるものにおいて、横溝の延在長さを、トレッド踏面幅の5〜15%の範囲とするとともに、その延在長さを、横溝の溝底に向けて次第に長くしたものである。
【0005】
空気入りタイヤにおいては一般に、摩耗の中期以降の各種の性能が、新品時の性能に対して明らかに低下することになり、なかでも、摩耗の進行に伴う溝ボリュームの減少が、排水性能の低下をもたらす他、陸部剛性の増大に起因する乗心地の低下をもたらすことになる。そこで、この発明のタイヤでは、横溝の延在長さを、それの溝底に向けて次第に長くすることで、摩耗が進行してもなお、溝ボリュームの減少を有効に防止し、これによって、摩耗の中期以降においてなお、すぐれた排水性能および乗心地等を確保する。
【0006】
なおこのタイヤにおいて、横溝の延在長さを、トレッド踏面幅の5%未満とした場合には、十分な排水性能および乗心地を確保することが困難になり、一方それが15%を越えると、陸部剛性が低くなりすぎ、この場合にもまた十分な乗心地を確保することが困難になる。
【0007】
このタイヤにおいて好ましくは、摩耗中期以降における横溝の延在長さを、新品時のそれの1.2 倍以上とするとともに、摩耗中期以降のネガティブ率を、新品時のそれの1.05倍以上とし、また好ましくは、横溝の一端を陸部の側方に開口させる。
【0008】
すなわち、横溝の延在長さが、新品時のそれの1.2 倍未満で、ネガティブ率が新品時のそれの1.05倍未満では、排水性能および乗心地のそれぞれについての改善効果を所期したほどに高めることが難しい。また、横溝の両端を陸部内で終了させた場合には、摩耗が進行しても、排水性能および乗心地のそれぞれを十分に改善することが難しく、この一方で、横溝の両端を陸部の側方に開口させた場合には、その横溝の延在長さを、溝底方向に向けて、所要に応じて増大させることが難しい。
【0009】
かかるタイヤにおいてより好ましくは、横溝の、延在方向に沿う断面形状をほぼ台形とし、これにより、横溝の延在長さ、溝ボリューム、ネガティブ率の漸次の変化をもたらして、各種性能の急激な変動を防止する。
【0010】
そしてまた好ましくは、横溝の深さを、周溝の深さより深くし、これによって、横溝の、各種性能への寄与度をより大ならしめる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明の実施の形態を図面に示すところに基づいて説明する。
図1は、この発明の一の実施形態を示す断面斜視図を半截したものである。なお、タイヤの内部補強構造は、既知の一般的なラジアルタイヤのそれと同様であるので、ここでは図示を省略する。
【0012】
図中1はトレッド踏面部を示す。このトレッド踏面部1には、トレッド周方向に、ジグザグ状もしくは直線状、図では直線状に連続して延びる複数本の周溝2を設けるとともに、傾向的にトレッド幅方向に延びる横溝3を、トレッド周方向に間隔をおいて複数本設ける。
ところで、図に示すところではこの横溝3を、周溝2で区画されるショルダー陸部4だけに設けることとしているも、これに代えてもしくは加えて、その横溝3を、トレッド踏面部1の中央部側に区画される陸部5に設けることもできる。
【0013】
ここで、図示の横溝3は、その一端をトレッド接地端側でショルダー陸部4の側方に開口させ、他端をショルダー陸部内で終了させているが、これとは逆に、横溝3の一端を、ショルダー陸部4の、周溝2側の側方に開口させ、他端をショルダー陸部内で終了させることもでき、また、これらの二種類の横溝3を、トレッド周方向に交互に設けることもできる。
そしてこれらのことは、横溝3を、踏面部中央部側の陸部5に設ける場合にもまた同様である。
【0014】
またここでは、陸部4にこのようにして形成される横溝3の延在長さを、トレッド踏面幅TWの5〜15%の範囲とするとともに、その横溝3の延在長さを、横溝3の溝底に向けて次第に長くする。ここで、横溝3の、溝底方向に向けてのこのような長さの増大は、通常は、それの溝底側部分を、横溝3の、陸部内で終了する端部側へ所要に応じて延ばすことによって実現することができ、これによれば、陸部4の摩耗につれて、露出する横溝3の長さが漸次増加することになる。
【0015】
なお、この図に示すところでは、ショルダー陸部4が、それの横断面内において、陸部表面と接地端側側面とのなす角αが鈍角となる、いわゆるテーパショルダー形状を呈していることから、横溝3の一側を、それの上端から下端に至るまで、ショルダー陸部4のトレッド接地端側に開口させることにより、図1(b)に示すところから明らかなように、横溝3の、溝底方向への延在長さの増大は、テーパショルダーの存在それ自体によってももたらされることになるも、一般的なテーパショルダーにおける横溝長さの増大量は、比較的小さいので、これのみにて、この発明が所期する作用効果を奏することは実質的に不可能である。
【0016】
従って、横溝3のそれぞれの端部を、陸部のそれぞれの側方に開口させた状態で、その横溝3の延在長さを所要に応じて増大させるためには、陸部の両側面を、それの横断面内で、半径方向内方側に向けて作為的に大きく拡開させることが必要となる。
【0017】
以上のように構成してなる横溝3において、好ましくは、摩耗の中期以降、すなわち、溝深さが半分以下になった時(以下「50%摩耗以降」という。)における横溝3の延在長さを、新品時における横溝3の露出幅の1.2 倍以上とし、また、50%摩耗以降におけるネガティブ率を、新品時のネガティブ率の1.05倍以上とすることで、従来技術に比して、排水性および乗心地の改善をより実効あるものとする。
また好ましくは、横溝3の、延在方向に沿う断面形状をほぼ台形として、各種性能の急激な変動を十分に防止し、より好ましくは、横溝3の深さを、周溝の深さより深くして、横溝3の、各種性能への寄与度をより大ならしめる。
【0018】
ところで、図示の横溝3は、その中心面を、ラジアル方向の平面内に位置させることとしているも、その中心面は、ラジアル方向平面に対して、トレッド周方向へ、たとえば±30゜程度の範囲内で傾けることも可能である。これをいいかえれば、横溝中心面を、30゜を越える角度で傾けた場合には、陸部剛性が低くなりすぎ、陸部が圧潰変形されることにより、排水性能および乗心地が低下するおそれがある。
【0019】
なお上述したところにおいて、トレッドパターンはリブパターンの他、ブロックパターン、リブ−ブロック複合パターン等とすることもできる。
【0020】
【実施例】
以下にこの発明の実施例について説明する。
図1に示すトレッドパターンを有し、図中の角度αを90゜とした、いわゆるスクエアショルダータイプの、サイズが175/70 R13のタイヤに、JIS D4202に規定される設計常用荷重に対応する内圧を充填し、そのタイヤを50%摩耗させた場合のネガティブ率の変化を表1に示す。
なお図中の周溝2は7.1 mmの溝幅と、8.0 mmの深さとを有するものとする。
ここで、従来タイヤは、図2に示す横溝構造を有し、表1に示す寸法諸元を有するものとした。
【0021】
【表1】
【0022】
表1によれば、発明タイヤでは、横溝3の延在長さを溝底方向に向けて次第に長くすることで、タイヤの、50%摩耗時におけるネガティブ率が、新品時のそれの1.125 倍に増加するのに対し、従来タイヤでは、横溝の延在長さが、それの深さ方向に一定であるため、ネガティブ率が増加しないことが明らかであり、それ故に、従来タイヤでは、摩耗の進行に伴う溝ボリームの減少、および陸部剛性の増加が不可避となって、排水性能および乗心地がともに低下することになるのに対し、発明タイヤでは、ネガティブ率の増加に基づき、それらの低下が有効に防止されることになる。
【0023】
そこで、上記発明タイヤおよび従来タイヤのそれぞれを、70%摩耗させた状態でライトトラックに装着し、専門のドライバーにより排水性能および乗心地についての試験を行った。その結果を表2に示す。
【0024】
ここで、排水性能試験は、水を撒いて湿潤路面としたテストコースを実車走行して、駆動、制動、ハンドル応答性、操舵時の路面グリップ特性および、スリップ限界を越えてからのコントロール性を総合評価することにより行った。なおここでの評価は、従来タイヤをコントロールとして指数値をもって行い、指数値は大きいほどすぐれた結果を示すものとした。
【0025】
また、乗心地試験は、ドライ路面としたテストコースを、実車をもって各種の走行を行い、従来タイヤをコントロールとして、10点法の相対評価をすることにより行った。ここでの相対評価は、従来タイヤの評点を5とし、±0を変わらない、+2をやや良いと思われる、−2をやや悪いと思われる、+4を良い、−4を悪いとして行った。
【0026】
【表2】
【0027】
表2によれば、中期以降の摩耗時における排水性能および乗心地ともに、発明タイヤにおいて従来タイヤよりすぐれたものとなることが解る。
【0028】
【発明の効果】
かくして、この発明によれば、タイヤの摩耗の進行につれて、横溝の露出長さが長くなり、これにより、摩耗が進行してなお、大きな溝ボリュームを確保するとともに、陸部剛性の増加を有効に阻止することができるので、タイヤの摩耗に伴う排水性能および乗心地等の性能の低下を効果的に防止して、それらの性能を従来技術に比して十分高く維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態を示す断面斜視図である。
【図2】 従来タイヤの横溝構造を示す断面斜視図である。
【符号の説明】
1 トレッド踏面部
2 周溝
3 横溝
4 ショルダー陸部
5 陸部
TW トレッド踏面幅
α,β 角度
a,b 横溝幅の延在長さ
Claims (5)
- トレッド踏面部に、周方向に延びる複数本の周溝と、陸部に形成されて、傾向的にトレッド幅方向に延びる複数本の横溝とを具える空気入りタイヤであって、
横溝の延在長さを、トレッド踏面幅の5〜15%の範囲とするとともに、その延在長さを、横溝の溝底に向けて次第に長くしてなる空気入りタイヤ。 - 摩擦中期以降における横溝の延在長さを、新品時の延在長さの1.2 倍以上とするとともに、摩耗中期以降のネガティブ率を、新品時のネガティブ率の1.05倍以上としてなる請求項1記載の空気入りタイヤ。
- 横溝の一端を陸部の側方に開口させてなる請求項1もしくは2記載の空気入りタイヤ。
- 横溝の、延在方向に沿う断面形状をほぼ台形としてなる請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 横溝の深さを、周溝の深さより深くしてなる請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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