JP3888777B2 - Polycarbonate resin composition having transparency and slidability - Google Patents

Polycarbonate resin composition having transparency and slidability Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポリカーボネート樹脂組成物に関する。更に詳しくは高い剛性を付与しつつ、透明性に優れ、及び摺動性にも優れたポリカーボネート樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネート樹脂は優れた機械的特性を有し、エンジニアリングプラスチックとして広く用いられており、ガラス繊維やカーボン繊維等の無機充填剤を配合して寸法精度や剛性等が要求される分野にも広く用いられている。しかしながら、近年の家電や情報機器等は軽薄短小化の傾向に加えて、意匠的な面から材料の透明性が重視される場合が増加している。かかる場合に通常上記の無機充填剤を配合したポリカーボネート樹脂組成物は不透明となるため、透明性の要求を満足できない。
【0003】
一方で、近年は材料に摺動性が要求される場合も増加している。例えば光ディスクのトレイ及びオートチェンジャータイプのトレイ等に代表される可動する部材が増加しており、その場合部材同士が摩耗しない必要があるからである。特にかかるトレイの用途では機構的な面だけでなく、トレイとディスクの間の微少なずれ等により、ディスクの表面を傷つけない等も要求されることから摺動性は更に重要なものとなる。他にも機器のカバー類などでは開閉時の摺動性が必要であり、また可動のない部材においても、表面硬度が低いポリカーボネート系の材料を表面に滑り性を付与することにより傷つきにくくするといった利用法から摺動性が要求される場合もある。
【0004】
従来から透明性を維持するためにポリカーボネート樹脂との屈折率差が0.015以下であるガラスフィラーを用い、更にポリカプロラクトンを添加することにより透明性の高いポリカーボネート樹脂組成物が得られることが知られている(特開平6−228424号)。しかしながら、かかる公報において具体的に例示された特定屈折率のガラス繊維を配合した樹脂組成物は、意匠面の重視から要求されるより高い透明性には未だ十分とはいえず、更に摺動性は不十分であった。すなわち剛性を付与しつつ透明性に優れ、及び摺動性にも優れたポリカーボネート樹脂組成物はこれまで得られていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は高い剛性を付与しつつ、高い透明性と摺動性をもつポリカーボネート樹脂組成物を提供せんとすることにある。
本発明者は上記課題を達成せんとして鋭意研究を重ねた結果、驚くべきことにポリカーボネート樹脂に特定量のガラスフレーク、及びポリカプロラクトン及び/またはリン酸エステル化合物からなるポリカーボネート樹脂組成物において、ポリカーボネート樹脂との屈折率(nd)の差が0.015以下であるガラスフレークを用い、更には、屈折率(nd)が1.42〜1.60であるフェニル基含有シリコーンオイルを併用すると、ポリカーボネート樹脂の高い透明性を損なうことなく摺動性が改良された樹脂組成物を提供し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリカーボネート樹脂(A成分)96〜60重量%と該A成分との屈折率(nd)の差が0.015以下であるガラスフレーク(B成分)3〜30重量%、ポリカプロラクトン及び/またはリン酸エステル化合物(C成分)1〜10重量%からなりA成分、B成分及びC成分の合計が100重量%である樹脂組成物100重量部に、屈折率(nd)が1.42〜1.60であるフェニル基含有シリコーンオイル(D成分)0.1〜5.0重量部を添加してなるポリカーボネート樹脂組成物に関わるものである。
【0007】
本発明で用いるA成分であるポリカーボネート樹脂は、二価フェノールとカーボネート前駆体を反応させて得られる芳香族ポリカーボネート樹脂である。ここで使用する二価フェノールの代表例としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[通称ビスフェノールA]、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4―ヒドロキシフェニル)エーテル、4,4−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等が挙げられる。好ましい二価フェノールはビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンであり、なかでもビスフェノールAが特に好ましい。カーボネート前駆体としては例えばカルボニルハライド、カーボネートエステル、ハロホルメート等が挙げられ、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネート、二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。上記二価フェノールとカーボネート前駆体を反応させてポリカーボネート樹脂を製造するに当たり、二価フェノールは単独で用いても、2種以上を併用してもよく、必要に応じて触媒、分子量調節剤、酸化防止剤等を用いてもよい。また、ポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂であっても、2種以上のポリカーボネート樹脂の混合物であってもよいが、かかるポリカーボネート樹脂中の全二価フェノールを100モル%とした時、70モル%以上の二価フェノールがビスフェノールAであることが好ましい。
【0008】
かかるポリカーボネート樹脂の分子量は、粘度平均分子量で10,000〜30,000であり、特により透明感を強調できる薄肉用途での使用において強度及び成形性のバランスが取れる点で、12,000〜20,000が好ましい。粘度平均分子量が10,000未満のポリカーボネート樹脂では強度が十分でなく好ましくない。粘度平均分子量が30,000を超えるポリカーボネート樹脂では溶融流動性に劣り、成形のために高い温度が必要となり透明性に悪影響を与えるので好ましくない。本発明でいう粘度平均分子量(M)は、ポリカーボネート樹脂0.7gを100mlの塩化メチレンに20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηSP)を下記式に挿入して求めたものである。
ηSP/c=[η]+0.45×[η]2c (但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10-40.83
c=0.7(cはポリマー濃度)
【0009】
以下にポリカーボネート樹脂を製造する基本的な手段を簡単に説明する。カーボネート前駆体としてホスゲンを用いる溶液法では、通常酸結合剤及び有機溶媒の存在下に反応を行う。酸結合剤としては、例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、またはピリジン等のアミン化合物が用いられる。有機溶媒としては例えば塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が使用される。また反応促進のため、例えば第三級アミンや第四級アンモニウム塩等の触媒を使用することができ、分子量調節剤として例えばフェノールやp−tert−ブチルフェノールのようなアルキル置換フェノール及び4−(2−フェニルイソプロピル)フェノールのようなアルアルキル置換フェノール等の末端停止剤を使用することが望ましい。反応温度は通常0〜40℃、反応温度は数分〜5時間、反応中のpHは10以上に保つのが好ましい。尚、結果として得られた分子鎖末端の全てが末端停止剤に由来の構造を有する必要はない。
【0010】
カーボネート前駆体として炭酸ジエステルを使用するエステル交換反応(溶融法)では、不活性ガスの存在下に所定割合の二価フェノール及び分岐剤を炭酸ジエステルと加熱しながら撹拌し、生成するアルコールまたはフェノール類を留出させる方法により行う。反応温度は生成するアルコールまたはフェノール類の沸点等により異なるが、通常120〜300℃の範囲である。反応はその初期から減圧にして生成するアルコールまたはフェノール類を留出させながら反応を完結させる。また反応を促進するために、アルカリ金属化合物や含窒素塩基性化合物等の現在公知のエステル交換反応に使用される触媒を使用することもできる。このエステル交換反応に使用する炭酸ジエステルとしては、例えばジフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート等が挙げられる。これらのうち特にジフェニルカーボネートが好ましい。また末端停止剤としてジフェニルカーボネートやメチル(2−フェニルオキシカルボニルオキシ)ベンゼンカルボキシレート等を、反応の初期段階でまたは反応の途中段階で添加すること、及び反応終了直前に従来公知の各種触媒失活剤を添加することも好ましく行われる。
【0011】
かかるA成分の割合は、A成分、B成分及びC成分からなる樹脂組成物100重量%あたり、96〜60重量%であり、好ましくは93〜67重量%である。96重量%を越えると剛性が不十分となり、60重量%未満の場合は透明性が低下するとともに、強度が不十分となるため好ましくない。
【0012】
本発明の組成物において、B成分として用いるガラスフレークとしては、A成分であるポリカーボネート樹脂との屈折率(nd)の差が0.015以下であり、平均粒径が10〜1,000μmのものが好ましく、より好ましくは5〜500μmのものであり、6〜450μmのものが特に好ましい。
【0013】
更に本発明においてB成分として使用するガラスフレークは、平均粒径を(a)及び厚さを(b)とした時、(a)/(b)比が5〜500のものが好ましい。また厚さ(b)としては0.5〜10μmが好ましく、より好ましくは1〜6μmである。
【0014】
尚ここにいう平均粒径とは、標準ふるい法により求められる粒度の重量分布のメジアン径として算出されるものである。平均粒径が10μm以上かまたは(a)/(b)比が5以上であると剛性が確保されやすくなり、平均粒径が1,000μm以下または(a)/(b)比が500以下の場合は外観が悪化することがなく、表面の乱反射を防止することにより透明性をより高められ好ましい。
【0015】
ポリカーボネート樹脂との屈折率(nd)の差が0.015以下であるガラスフレークは慣用のガラスとはガラスの組成が異なり、ガラスの融剤である酸化ホウ素及びフッ素を含まず、酸化チタン及び酸化ジルコニウムを含有してガラスの屈折率を上げ、更には耐蝕性の向上を図ったガラスである。
【0016】
かかるガラスフレークは各種ガラス原料を炉内で溶融した後、風船状に中空成形したガラスを粉砕し、篩い分けし顆粒状に処理して製造される。かかる方法は一般に円筒ブロー法と呼ばれる。また厚みが2μm以下の特に薄肉のガラスフレークを得る場合には、ゾル−ゲル法により得られた薄膜ガラス、及びそれらを更に粉砕したものが好ましく使用可能である。更にかかるガラスフレークはシランカップリング剤等で表面処理されているものが好ましい。この表面処理によりポリカーボネート樹脂の分解の抑制や密着性の向上が図れる。ここでいうシランカップリング剤とは下記一般式[4]で表されるものをいう。
【0017】
【化4】

Figure 0003888777
【0018】
[式中Yはアミノ基、エポキシ基、カルボン酸基、ビニル基、メルカプト基、ハロゲン原子などの樹脂マトリックスと反応性または親和性を有する基、R1〜R4は各々単結合または炭素数1〜7のアルキレン基を表し、そのアルキレン分子鎖の中にアミド結合エステル結合、エーテル結合またはイミノ結合が介在してもよい。X1〜X3は各々水素原子、ハロゲン原子またはアルコキシ基であり、アルコキシ基としては炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましい。]かかるシラン化合物は具体的にはビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ―メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル―γ―アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランおよびγ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。更にガラスフレークはアクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の結合剤により造粒または集束されているものが好ましく使用できる。またかかる場合に得られる顆粒状物または集束物に対しては、上述したガラスフレーク平均粒径範囲や厚さ範囲は適用されない。かかるB成分の配合量は、A成分のポリカーボネート樹脂、C成分のポリカプロラクトン及び/またはリン酸エステル化合物及びB成分からなる樹脂組成物100重量%中3〜30重量%であり、好ましくは5〜25重量%である。3重量%未満の場合は剛性向上の効果が不十分であり、30重量%を超えると成形性が悪くなるともに、透明性も低下するようになる。また表面状態が悪化するため摺動性の点においても不十分となりやすく好ましくない。
【0019】
本発明において、C成分として使用するポリカプロラクトンは、カプロラクトン、特にε−カプロラクトンの重合体、即ち繰返単位が下記式[5]で示されるものが好ましい。
【0020】
【化5】
Figure 0003888777
【0021】
ポリカプロラクトンはポリカーボネート樹脂の流動改質剤等として現在一般に知られているものが用いられ、製造法や末端封鎖の構造等を特に限定するものではない。分子量としては数平均分子量で5,000〜30,000が好ましい。5,000以上においては熱安定性が良好であり、30,000以下の場合には流動性によい影響を与えるため、薄肉成形品に対応しやすいとの利点を有する。配合量は、A成分のポリカーボネート樹脂、B成分のガラスフレーク及びかかるC成分からなる樹脂組成物100重量%中の1〜10重量%である。1重量%より少ないと透明性向上効果が十分でなく、10重量%より多い場合は耐熱性や強度に悪影響を及ぼすようになる。
【0022】
本発明においてC成分として使用するリン酸エステル化合物とは、下記一般式[6]で示されるものである。
【0023】
【化6】
Figure 0003888777
【0024】
(但し上記式中のXは、ハイドロキノン、レゾルシノール、ビス(4−ヒドロキシジフェニル)メタン、ビスフェノールA、ジヒドロキシジフェニル、ジヒドロキシナフタレン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイドから誘導されるものが挙げられ、j、k、l、mはそれぞれ独立して0または1であり、nは0〜5の整数であり、またはn数の異なるリン酸エステルのブレンドの場合は0〜5の平均値であり、R1、R2、R3、及びR4はそれぞれ独立してフェノール、クレゾール、キシレノール、イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、p−クミルフェノールから誘導されるものである。)
【0025】
この中で好ましくは、上記式中のXは、ハイドロキノン、レゾルシノール、ビスフェノールAから誘導されるものが挙げられ、j、k、l、mはそれぞれ1であり、nは0〜3の整数であり、またはn数の異なるリン酸エステルのブレンドの場合は0〜3の平均値であり、R1、R2、R3、及びR4はそれぞれ独立してフェノール、クレゾール、キシレノールから誘導されるものである。
【0026】
更に、特に好ましくは、Xはレゾルシノールから誘導されるものであり、j、k、l、mはそれぞれ1であり、nは0または1であり、R1、R2、R3、及びR4はそれぞれ独立してフェノールまたはキシレノールから誘導されるものである。
【0027】
かかるリン酸エステル化合物の中でも、モノホスフェート化合物としてはトリフェニルホスフェート、縮合リン酸エステルとしてはレゾルシノールビス(ジキシレニルホスフェート)が好ましく使用できる。
【0028】
かかるC成分であるリン酸エステル化合物の配合量は、A成分のポリカーボネート樹脂、B成分のガラスフレーク及びかかるC成分からなる樹脂組成物100重量%中の1〜10重量%である。1重量%より少ないと透明性向上効果が十分でなく、10重量%より多い場合は耐熱性や強度に悪影響を及ぼすようになる。
【0029】
尚、C成分としては、透明性の点でポリカプロラクトンがより好ましく、ポリカプロラクトンとリン酸エステル化合物を混合して使用する場合も、カプロラクトンの配合量がC成分全体において50重量%以上となるのが好ましい。
【0030】
本発明において、D成分として使用するシリコーンオイルは、フェニル基含有シリコーンオイルである。本発明で用いるフェニル基含有シリコーンオイルは、屈折率(nd)が1.42〜1.60のものである。ポリカーボネート樹脂にフェニル基含有シリコーンオイルを添加した場合、屈折率(nd)が1.42未満であると得られた組成物は不透明になり、屈折率(nd)が1.60を超えた場合もまた、組成物は不透明になり、本発明の特徴である透明性が改善されなくなる。通常シリコーンオイルで代表的なものにジメチルシリコーンオイルがある。ジメチルシリコーンオイルは温度による粘度変化が小さく、化学的にも安定であり、耐熱性、耐候性が高い等の性質を有しているために表面潤滑剤や離型剤等として幅広く用いられている。しかしながら、ポリカーボネート樹脂とジメチルシリコーンオイルとの屈折率(nd)の差が大きいため、ポリカーボネート樹脂にジメチルシリコーンオイルを配合すると、得られる組成物は不透明になる。
【0031】
本発明のD成分として好ましいフェニル基含有シリコーンオイルとしては、下記式[1]及び[2]で示される化合物単位から選ばれる少なくとも1種の化合物単位、及び下記式[3]で示される化合物単位を主成分としてなるフェニル基含有シリコーンオイルである。
【0032】
【化7】
Figure 0003888777
【0033】
(ここで、式中R1は炭素数1〜4のアルキル基を表わし、xは0、1、または2である。)
【0034】
【化8】
Figure 0003888777
【0035】
(ここで、式中R2は炭素数1〜6のアルキル基、またはシクロアルキル基を表わす。)
【0036】
【化9】
Figure 0003888777
【0037】
(ここで、式中R3は炭素数1〜4のアルキル基を表わす。)
【0038】
更に好ましくは芳香族水素に対する脂肪族水素の割合が2.4〜5.0であるか、またはかかる割合が2.4未満である場合には屈折率(nd)が1.52〜1.60であり、かつ共に25℃における粘度が1〜2000cStであるフェニル基含有シリコーンオイルである。ここにいう「芳香族水素に対する脂肪族水素の割合」は、1H核磁気共鳴測定装置によって容易に測定することができる。「芳香族水素に対する脂肪族水素の割合」とは、本発明のD成分全体あるいはD成分の混合化合物全体において、「芳香族炭化水素基における水素原子の数」に対する「脂肪族炭化水素基における水素原子の数」の比率であり、例えば、メチル基一つとフェニル基一つを持つ単位、すなわちメチルフェニルシロキサン単位であれば3/5、すなわち0.6ということになる。該割合は、該割合が異なる特定単位の混合により調節が可能である。
【0039】
更に本発明のD成分として特に好ましくは、芳香族水素に対する脂肪族水素の割合が2.5〜3.4であるか、または該割合が2.4未満の場合は屈折率(nd)が1.52〜1.60であり、かつ25℃における粘度が5〜1000cStであるフェニル基含有シリコーンオイルである。
【0040】
上記の条件を満足するフェニル基含有シリコーンオイルの代表的なものとして、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)よりSH−710(製品名)、SH−556(製品名)として市販されているものを挙げることができる。
【0041】
本発明におけるD成分であるフェニル基含有シリコーンオイルの配合量は、A成分、B成分及びC成分からなる樹脂組成物100重量部に対して0.01〜5.0重量部であり、好ましくは、0.1〜3.0重量部である。配合量が0.01重量部未満であると摺動性が十分発現されず、5.0重量部を超えると、組成物成形品に関して透明性が低下する問題が生じる。更に、該フェニル基含有シリコーンオイルは内部離型剤としての作用も有するが、該フェニル基含有シリコーンオイルの配合量が0.01重量部より少なくなるとその内部離型剤としての作用も不十分となる。
【0042】
本発明の樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲でハロゲン系難燃剤、難燃助剤、ドリップ防止剤、熱安定剤、光安定剤、離型剤、滑剤、発泡剤、着色剤、蓄光顔料等を必要に応じてその有効発現量配合することができる。特に着色剤、畜光顔料等の添加は本発明の組成物が有する高い透明性を十分に生かせるものとして極めて有効である。ハロゲン系難燃剤としてはブロム化ビスフェノール系カーボネートオリゴマー、ブロム化ビスフェノール系エポキシ樹脂、ブロム化ビスフェノール系フェノキシ樹脂、ブロム化ポリスチレン等が挙げられ、難燃助剤としては三酸化アンチモンやアンチモン酸ナトリウム等が挙げられる。更に、ドリップ防止剤としてはフィブリル化形成能を有するポリテトラフルオロエチレンが挙げられ、熱安定性としてはリン酸エステル、亜リン酸エステル、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げられ、光安定剤としてはヒンダードアミン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体及びベンゾフェノン誘導体等が挙げられる。離型剤としては脂肪酸エステル化合物等が挙げられる。この中で光安定剤、熱安定剤等は、本発明の用途等からみて、好ましく添加されるものである。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下に実施例を挙げて本発明を説明する。なお、評価は下記の方法によった。
【0044】
(1)曲げ弾性率(kgf/cm2);曲げ試験片を成形後23℃、50%RH雰囲気下で48時間放置した後、ASTM D−790に従って測定した。
【0045】
(2)全光線透過率及びヘーズ(曇価);測定器に村上色彩技術研究所製反射・透過率計(HR−100型)を使用し、ASTM D−1003に準拠して測定した。試験片は45mm×50mm×2mmの成形品を使用した。
【0046】
(3)摺動性;評価機器として(株)オリエンテック製往復動摩擦磨耗試験機(AFT−15M)を使用した。2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとカーボネート前駆体から実質的になるポリカーボネート(帝人化成(株)パンライトL−1225(粘度平均分子量22,500))より、直径5mmφの半球と直径5mmφ、長さ30mmφの円柱とを円断面部分で結合した先端に球面を有するピン状試験片を射出成形による作成し、固定側試験片ホルダーに装着した。一方、表1及び表2に示す各サンプルについて長さ90mm×幅50mm×厚さ2mmの平板状試験片を射出成形により作成し、往復動作する台座状に固定した。かかる平板状試験片は摺動性評価前に(株)東京精密製表面粗さ計(サーフコム3BE−MD−S10A)を使用し、測定前の平板状試験片の表面粗さ(Ra値)が1.5μm以下であることを確認した。かかるピン状試験片の円柱軸方向と平板状試験平面法線方向がほぼ平行となる状態で500gの荷重を状態で接触させ、23℃、相対湿度50%RHの雰囲気中で平面内の一直線上を1往復2秒の割合で片道25mmの距離を2000回往復動作させた。さらにピン状試験片側に接続した容量2kgfのロードセルにより摩擦力の測定を行った。かかる試験後のピン状試験片の摩耗断面を顕微鏡により観察し、摩耗により生じた断面の長径(摩耗断面径)を測定し摩耗量の指標とした。また、平板状試験片においては(株)東京精密製表面粗さ計(サーフコム3BE−MD−S10A)を使用し、摩耗により表面に生じた溝深さを測定した。かかる表面の溝深さが5μm以下の場合にはNDと表記した。また、この溝深さが5μmを超えた場合には実質的な摩耗が起こったと判定した。尚、今回のサンプルにおいては、基本的にピン状試験片が充填剤を含まないものであり、対する平板状試験片が全て充填剤を含むものであるため、板状試験片側の実質的な摩耗は認められなかった(評価結果は、平板状試験片の側にも摩耗が生じていないことを明確とするため記載した)。例えば充填剤を含有しない平板状試験片で摺動性が不足するものでは、今回の試験においても通常5μm以上の摩耗が認められる。
【0047】
[実施例1〜4及び比較例1〜8]
表1及び表2記載の成分を表記載の量ドライブレンドした後、スクリュー径30mmのベント付き単軸押出機[ナカタニ機械(株)製VSK−30]に供給し、シリンダー温度300℃で溶融混練し、全体の組成物を均一に混練した後、ストランドカットによりペレットを得た。このペレットを110℃で6時間熱風循環乾燥機により乾燥した後、射出成形機[住友重機械工業(株)製SG150U]によりシリンダー温度300℃、金型温度100℃で曲げ試験片を成形し、評価した。
【0048】
評価結果を表1及び表2に示した。なお、表1及び表2における使用成分の記号は下記のものを示す。
PC−1;粘度平均分子量19,500のポリカーボネート樹脂[帝人化成(株)製パンライトL−1225L]
GFL−1;ガラスフレーク[日本板硝子(株)製、厚さ5μm、平均粒径200μm、平均粒径/厚さ=40、屈折率(nd)=1.590]
GFL−2;ガラスフレーク[日本板硝子(株)製REFG−101、厚さ5μm、平均粒径600μm、平均粒径/厚さ=120、屈折率(nd)=1.545]
CS;ガラス繊維[旭ファイバーガラス(株)製、繊維径=16μm、屈折率(nd)=1.580]
PCL;数平均分子量10,000のポリカプロラクトン[ダイセル化学工業(株)製プラクセルH1P]
FP−1;トリフェニルホスフェート[大八化学工業(株)製 TPP]
FP−2;レゾルシノールビス(ジキシレニルホスフェート)[旭電化工業(株)製 アデカスタブ FP−500]
オイル−1;屈折率(nd)が1.533のメチルフェニルシリコーンオイル[東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製SH710]
オイル−2;屈折率(nd)が1.460のフェニル基含有シリコーンオイル[東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製SH556]
オイル−3;屈折率(nd)が1.403のジメチルシリコーンオイル[東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製SH200、粘度1000cSt]
安定剤;トリメチルホスフェート[大八化学(株)製TMP]
【0049】
【表1】
Figure 0003888777
【0050】
【表2】
Figure 0003888777
【0051】
上記表より、実施例1及び2と比較例1及び2の比較から、フェニル基を有するシリコーンオイルの添加によりポリカーボネート製ピンの摩耗量が減少している上に、摩擦係数が大幅に低下していることがわかる。さらには、シリコーンオイルの添加でもヘーズは低下しないことがわかる。実施例1及び2と比較例3と4の比較では、ポリカーボネート樹脂(PC−1、2)との屈折率の差が0.015以下であるガラスフレーク(GFL−1)の使用により、ガラスフレーク(GFL−2)の使用と比較してヘーズ(曇価)が大幅に低下していることがわかる。実施例1及び2と比較例7及び8の比較では、ともにポリカーボネート樹脂(PC−1、2)との屈折率の差が0.015以下であるガラスフィラーが同一量配合されており、さらにはポリカーボネート樹脂との屈折率差も同等である。注目すべきことに、実施例1及び実施例2のほうのヘーズが大幅に小さいことがわかる。目視された場合の透明感はヘーズの値に大きな影響を受けるため、かかる場合の透明感の向上は極めて大きなものである。更に加えて驚くべきことに、ピン成形品の摩耗量はガラスフレークを使用したサンプルの方が減少しているだけでなく、摩擦係数も小さくなっていることがわかる。尚、比較例1、2及び比較例5、6との比較から、シリコンオイルを添加しない場合は、摺動性に関してガラスフレークに顕著な効果はないことが分かる。また、いずれの実施例も溝深さが5μm以下(ND)であり、本発明における成形品を提供するポリカーボネート樹脂組成物の摩耗量が少ないことがわかる。
【0052】
【発明の効果】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は剛性に優れ、高い透明性を維持しつつ摺動性をもつ成形品として、機能性のみならず意匠性に優れたCDトレイ、CDチェンジャー用トレイ、ディスクカートリッジ等を製造する材料としてのみのならず、他の電子・電気機器の筐体、内部機構部品、及び看板、集光機器、屋根部材などの屋外使用のパネル部材等に好適であり、その奏する工業的効果は格別なものである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a polycarbonate resin composition. More particularly, the present invention relates to a polycarbonate resin composition that is excellent in transparency and slidability while imparting high rigidity.
[0002]
[Prior art]
Polycarbonate resins have excellent mechanical properties and are widely used as engineering plastics. They are also widely used in fields where dimensional accuracy and rigidity are required by blending inorganic fillers such as glass fibers and carbon fibers. ing. However, in recent years, home appliances, information devices, and the like are increasing in importance in terms of design transparency in addition to the tendency to be light and thin. In such a case, the polycarbonate resin composition containing the above-mentioned inorganic filler usually becomes opaque, so that the transparency requirement cannot be satisfied.
[0003]
On the other hand, in recent years, there has been an increase in cases in which slidability is required for materials. This is because, for example, movable members such as optical disc trays and autochanger type trays are increasing, and in this case, the members need not be worn. In particular, in the use of such a tray, not only the mechanical aspect but also the slidability is further important because it is required not to damage the surface of the disk due to a slight deviation between the tray and the disk. Other equipment covers need to be slidable when opening and closing, and even non-movable members are made hard to be damaged by imparting slidability to the surface of polycarbonate materials with low surface hardness. Sliding properties may be required depending on usage.
[0004]
Conventionally, in order to maintain transparency, it is known that a polycarbonate resin composition having high transparency can be obtained by using a glass filler having a refractive index difference of 0.015 or less from polycarbonate resin and further adding polycaprolactone. (JP-A-6-228424). However, a resin composition containing glass fibers having a specific refractive index specifically exemplified in such a gazette is not yet sufficient for the higher transparency required from the emphasis on the design surface, and is further slidable. Was insufficient. That is, a polycarbonate resin composition excellent in transparency and slidability while imparting rigidity has not been obtained so far.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a polycarbonate resin composition having high transparency and slidability while imparting high rigidity.
As a result of intensive research aimed at achieving the above-mentioned problems, the present inventors have surprisingly found that a polycarbonate resin composition comprising a polycarbonate resin and a specific amount of glass flakes and polycaprolactone and / or a phosphate ester compound. When glass flakes having a refractive index (nd) difference of 0.015 or less and a phenyl group-containing silicone oil having a refractive index (nd) of 1.42 to 1.60 are used in combination, a polycarbonate resin The present inventors have found that a resin composition with improved slidability can be provided without impairing the high transparency of the present invention, and have completed the present invention.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The present invention relates to glass flakes (component B) 3 to 30% by weight, polycaprolactone having a difference in refractive index (nd) of 0.015 or less between 96 to 60% by weight of polycarbonate resin (component A) and the component A. The refractive index (nd) is 1.42 in 100 parts by weight of a resin composition comprising 1 to 10% by weight of a phosphate ester compound (C component) and the total of the A component, B component and C component is 100% by weight. It relates to a polycarbonate resin composition obtained by adding 0.1 to 5.0 parts by weight of a phenyl group-containing silicone oil (component D) of ˜1.60.
[0007]
The polycarbonate resin as component A used in the present invention is an aromatic polycarbonate resin obtained by reacting a dihydric phenol and a carbonate precursor. Representative examples of the dihydric phenol used here include 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane [commonly known as bisphenol A], bis (4-hydroxyphenyl) methane, and 1,1-bis (4-hydroxyphenyl). ) Ethane, 1,1-bis (4-hydroxyphenyl) cyclohexane, 2,2-bis (4-hydroxy-3,5-dimethylphenyl) propane, 2,2-bis (4-hydroxy-3-methylphenyl) Examples include propane, bis (4-hydroxyphenyl) ether, 4,4-dihydroxydiphenyl, bis (4-hydroxyphenyl) sulfide, and bis (4-hydroxyphenyl) sulfone. A preferred dihydric phenol is bis (4-hydroxyphenyl) alkane, and bisphenol A is particularly preferred. Examples of the carbonate precursor include carbonyl halide, carbonate ester, haloformate, and the like, and specifically include phosgene, diphenyl carbonate, dihaloformate of dihydric phenol, and the like. In producing a polycarbonate resin by reacting the above dihydric phenol with a carbonate precursor, the dihydric phenol may be used alone or in combination of two or more, and if necessary, a catalyst, a molecular weight regulator, an oxidation An inhibitor or the like may be used. Further, the polycarbonate resin may be a branched polycarbonate resin copolymerized with a trifunctional or higher polyfunctional aromatic compound, or may be a mixture of two or more kinds of polycarbonate resins. It is preferable that 70 mol% or more of the dihydric phenol is bisphenol A when the phenol is 100 mol%.
[0008]
The molecular weight of such a polycarbonate resin is 10,000 to 30,000 in terms of viscosity average molecular weight, and 12,000 to 20 in that the balance between strength and moldability can be obtained particularly in use in thin-walled applications that can enhance the transparency. 1,000 is preferred. A polycarbonate resin having a viscosity average molecular weight of less than 10,000 is not preferable because of insufficient strength. A polycarbonate resin having a viscosity average molecular weight exceeding 30,000 is not preferable because it is inferior in melt fluidity, requires a high temperature for molding, and adversely affects transparency. The viscosity average molecular weight (M) in the present invention is a specific viscosity (η obtained from a solution obtained by dissolving 0.7 g of a polycarbonate resin in 100 ml of methylene chloride at 20 ° C.SP) Is inserted into the following formula.
ηSP/C=[η]+0.45×[η]2c (where [η] is the intrinsic viscosity)
[Η] = 1.23 × 10-FourM0.83
c = 0.7 (c is the polymer concentration)
[0009]
The basic means for producing the polycarbonate resin will be briefly described below. In the solution method using phosgene as a carbonate precursor, the reaction is usually performed in the presence of an acid binder and an organic solvent. Examples of the acid binder include alkali metal hydroxides such as sodium hydroxide and potassium hydroxide, or amine compounds such as pyridine. As the organic solvent, for example, halogenated hydrocarbons such as methylene chloride and chlorobenzene are used. In order to accelerate the reaction, for example, a catalyst such as a tertiary amine or a quaternary ammonium salt can be used. For example, alkyl-substituted phenols such as phenol and p-tert-butylphenol and 4- (2 It is desirable to use a terminal terminator such as an aralkyl-substituted phenol such as -phenylisopropyl) phenol. The reaction temperature is usually 0 to 40 ° C., the reaction temperature is several minutes to 5 hours, and the pH during the reaction is preferably maintained at 10 or more. In addition, it is not necessary that all of the resulting molecular chain ends have a structure derived from a terminal terminator.
[0010]
In a transesterification reaction (melting method) using a carbonic acid diester as a carbonate precursor, a predetermined proportion of a dihydric phenol and a branching agent are stirred with the carbonic acid diester in the presence of an inert gas, and the alcohol or phenol produced Is carried out by distilling off. The reaction temperature varies depending on the boiling point of the alcohol or phenol produced, but is usually in the range of 120 to 300 ° C. The reaction is completed while distilling off the alcohol or phenol produced under reduced pressure from the beginning. Moreover, in order to accelerate | stimulate reaction, the catalyst used for now well-known transesterification reactions, such as an alkali metal compound and a nitrogen-containing basic compound, can also be used. Examples of the carbonic acid diester used in the transesterification include diphenyl carbonate, dinaphthyl carbonate, dimethyl carbonate, diethyl carbonate, and dibutyl carbonate. Of these, diphenyl carbonate is particularly preferred. In addition, diphenyl carbonate, methyl (2-phenyloxycarbonyloxy) benzenecarboxylate or the like is added as an end terminator in the initial stage of the reaction or in the middle of the reaction, and various conventionally known catalyst deactivations immediately before the end of the reaction. It is also preferable to add an agent.
[0011]
The proportion of the A component is 96 to 60% by weight, preferably 93 to 67% by weight, per 100% by weight of the resin composition composed of the A component, the B component, and the C component. If it exceeds 96% by weight, the rigidity becomes insufficient, and if it is less than 60% by weight, the transparency is lowered and the strength becomes insufficient.
[0012]
In the composition of the present invention, the glass flake used as the B component has a refractive index (nd) difference of 0.015 or less from the polycarbonate resin as the A component, and an average particle size of 10 to 1,000 μm. Is preferable, more preferably 5 to 500 μm, and particularly preferably 6 to 450 μm.
[0013]
Furthermore, the glass flakes used as the component B in the present invention preferably have an (a) / (b) ratio of 5 to 500, where (a) is the average particle size and (b) is the thickness. Moreover, as thickness (b), 0.5-10 micrometers is preferable, More preferably, it is 1-6 micrometers.
[0014]
Here, the average particle diameter is calculated as the median diameter of the weight distribution of the particle size obtained by the standard sieving method. If the average particle size is 10 μm or more or the (a) / (b) ratio is 5 or more, the rigidity is easily secured, and the average particle size is 1,000 μm or less or the (a) / (b) ratio is 500 or less. In this case, the appearance is not deteriorated, and it is preferable that transparency can be further improved by preventing irregular reflection of the surface.
[0015]
Glass flakes having a refractive index (nd) difference of 0.015 or less from polycarbonate resin are different from conventional glass in glass composition, and do not contain boron oxide and fluorine, which are glass fluxes. This glass contains zirconium to increase the refractive index of the glass and further improve the corrosion resistance.
[0016]
Such glass flakes are produced by melting various glass raw materials in a furnace, pulverizing glass hollow-formed into a balloon shape, sieving and processing into granules. Such a method is generally called a cylindrical blow method. Further, in the case of obtaining a particularly thin glass flake having a thickness of 2 μm or less, a thin film glass obtained by a sol-gel method and those obtained by further pulverizing them can be preferably used. Further, such glass flakes are preferably surface-treated with a silane coupling agent or the like. By this surface treatment, decomposition of the polycarbonate resin can be suppressed and adhesion can be improved. A silane coupling agent here means what is represented by the following general formula [4].
[0017]
[Formula 4]
Figure 0003888777
[0018]
[Wherein Y is a group having reactivity or affinity with a resin matrix such as amino group, epoxy group, carboxylic acid group, vinyl group, mercapto group, halogen atom, etc., R1~ RFourEach represents a single bond or an alkylene group having 1 to 7 carbon atoms, and an amide bond ester bond, an ether bond or an imino bond may be interposed in the alkylene molecular chain. X1~ XThreeAre each a hydrogen atom, a halogen atom or an alkoxy group, and the alkoxy group is preferably an alkoxy group having 1 to 4 carbon atoms. Specific examples of such silane compounds include vinyltrichlorosilane, vinyltriethoxysilane, vinyltrimethoxysilane, γ-methacryloxypropyltrimethoxysilane, β- (3,4-epoxycyclohexyl) ethyltrimethoxysilane, and γ-glycol. Sidoxypropyltrimethoxysilane, N-β (aminoethyl) γ-aminopropyltrimethyldiethoxysilane, γ-aminopropyltriethoxysilane, N-phenyl-γ-aminopropyltrimethoxysilane, γ-mercaptopropyltrimethoxysilane And γ-chloropropyltrimethoxysilane. Further, glass flakes that are granulated or focused by a binder such as acrylic resin, urethane resin, epoxy resin, unsaturated polyester resin, etc. can be preferably used. In addition, the glass flake average particle diameter range and the thickness range described above are not applied to the granular material or the aggregated product obtained in such a case. The blending amount of the B component is 3 to 30% by weight, preferably 5 to 5% in 100% by weight of the resin composition comprising the polycarbonate resin of the A component, the polycaprolactone and / or phosphate ester compound of the C component and the B component. 25% by weight. When the amount is less than 3% by weight, the effect of improving the rigidity is insufficient, and when it exceeds 30% by weight, the moldability is deteriorated and the transparency is also lowered. In addition, since the surface condition is deteriorated, it is not preferable in terms of slidability.
[0019]
In the present invention, the polycaprolactone used as the component C is preferably a polymer of caprolactone, particularly ε-caprolactone, that is, a repeating unit represented by the following formula [5].
[0020]
[Chemical formula 5]
Figure 0003888777
[0021]
As polycaprolactone, what is generally known as a flow modifier for polycarbonate resin is used, and the production method, end-capping structure and the like are not particularly limited. The molecular weight is preferably 5,000 to 30,000 in terms of number average molecular weight. When it is 5,000 or more, the thermal stability is good, and when it is 30,000 or less, the fluidity is favorably affected. A compounding quantity is 1 to 10 weight% in 100 weight% of resin compositions which consist of polycarbonate resin of A component, glass flake of B component, and this C component. If it is less than 1% by weight, the effect of improving the transparency is not sufficient, and if it is more than 10% by weight, the heat resistance and strength are adversely affected.
[0022]
The phosphate ester compound used as the component C in the present invention is represented by the following general formula [6].
[0023]
[Chemical 6]
Figure 0003888777
[0024]
(However, X in the above formula is hydroquinone, resorcinol, bis (4-hydroxydiphenyl) methane, bisphenol A, dihydroxydiphenyl, dihydroxynaphthalene, bis (4-hydroxyphenyl) sulfone, bis (4-hydroxyphenyl) ketone, bis And those derived from (4-hydroxyphenyl) sulfide, wherein j, k, l and m are each independently 0 or 1, n is an integer of 0 to 5, or n different phosphorus In the case of a blend of acid esters, it is an average value of 0-5, R1, R2, RThreeAnd RFourAre each independently derived from phenol, cresol, xylenol, isopropylphenol, butylphenol, p-cumylphenol. )
[0025]
Among these, preferably, X in the above formula includes those derived from hydroquinone, resorcinol and bisphenol A, j, k, l and m are each 1, and n is an integer of 0 to 3. Or an average value of 0 to 3 in the case of blends of phosphate esters having different numbers of n, and R1, R2, RThreeAnd RFourAre independently derived from phenol, cresol, and xylenol.
[0026]
More particularly preferably, X is derived from resorcinol, j, k, l, m are each 1, n is 0 or 1, R1, R2, RThreeAnd RFourAre each independently derived from phenol or xylenol.
[0027]
Among such phosphate ester compounds, triphenyl phosphate is preferably used as the monophosphate compound, and resorcinol bis (dixylenyl phosphate) is preferably used as the condensed phosphate ester.
[0028]
The amount of the phosphoric acid ester compound as the component C is 1 to 10% by weight in 100% by weight of the resin composition comprising the polycarbonate resin of the component A, the glass flakes of the component B and the component C. If it is less than 1% by weight, the effect of improving the transparency is not sufficient, and if it is more than 10% by weight, the heat resistance and strength are adversely affected.
[0029]
As the component C, polycaprolactone is more preferable in terms of transparency, and even when polycaprolactone and a phosphoric ester compound are mixed and used, the compounding amount of caprolactone is 50% by weight or more in the entire component C. Is preferred.
[0030]
In the present invention, the silicone oil used as component D is a phenyl group-containing silicone oil. The phenyl group-containing silicone oil used in the present invention has a refractive index (nd) of 1.42 to 1.60. When the phenyl group-containing silicone oil is added to the polycarbonate resin, the obtained composition becomes opaque when the refractive index (nd) is less than 1.42, and the refractive index (nd) exceeds 1.60. In addition, the composition becomes opaque and the transparency characteristic of the present invention is not improved. A typical silicone oil is dimethyl silicone oil. Dimethylsilicone oil is widely used as a surface lubricant and mold release agent because it has low viscosity change with temperature, is chemically stable, and has high heat resistance and weather resistance. . However, since the difference in refractive index (nd) between the polycarbonate resin and dimethyl silicone oil is large, the composition obtained becomes opaque when dimethyl silicone oil is blended with the polycarbonate resin.
[0031]
Preferred phenyl group-containing silicone oils as component D of the present invention include at least one compound unit selected from compound units represented by the following formulas [1] and [2], and a compound unit represented by the following formula [3]. Is a phenyl group-containing silicone oil.
[0032]
[Chemical 7]
Figure 0003888777
[0033]
(Where R in the formula1Represents an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms, and x is 0, 1, or 2. )
[0034]
[Chemical 8]
Figure 0003888777
[0035]
(Where R in the formula2Represents an alkyl group having 1 to 6 carbon atoms or a cycloalkyl group. )
[0036]
[Chemical 9]
Figure 0003888777
[0037]
(Where R in the formulaThreeRepresents an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms. )
[0038]
More preferably, the ratio of aliphatic hydrogen to aromatic hydrogen is 2.4 to 5.0, or when the ratio is less than 2.4, the refractive index (nd) is 1.52 to 1.60. And a phenyl group-containing silicone oil having a viscosity at 25 ° C. of 1 to 2000 cSt. "Ratio of aliphatic hydrogen to aromatic hydrogen" here is1It can be easily measured by an H nuclear magnetic resonance measuring apparatus. “Ratio of aliphatic hydrogen to aromatic hydrogen” means “hydrogen in an aliphatic hydrocarbon group” relative to “number of hydrogen atoms in an aromatic hydrocarbon group” in the entire D component or the mixed compound of the D component of the present invention. For example, a unit having one methyl group and one phenyl group, that is, a methylphenylsiloxane unit is 3/5, that is, 0.6. The ratio can be adjusted by mixing specific units having different ratios.
[0039]
Further, particularly preferably as the component D of the present invention, the ratio of aliphatic hydrogen to aromatic hydrogen is 2.5 to 3.4, or the refractive index (nd) is 1 when the ratio is less than 2.4. It is a phenyl group-containing silicone oil having a viscosity of 0.52 to 1.60 and a viscosity at 25 ° C. of 5 to 1000 cSt.
[0040]
Representative phenyl group-containing silicone oils satisfying the above conditions are those commercially available as SH-710 (product name) and SH-556 (product name) from Toray Dow Corning Silicone Co., Ltd. Can be mentioned.
[0041]
The blending amount of the phenyl group-containing silicone oil as component D in the present invention is 0.01 to 5.0 parts by weight, preferably 100 parts by weight of the resin composition comprising component A, component B and component C, preferably 0.1 to 3.0 parts by weight. If the blending amount is less than 0.01 parts by weight, the slidability is not sufficiently exhibited, and if it exceeds 5.0 parts by weight, there arises a problem that the transparency of the composition molded product is lowered. Further, the phenyl group-containing silicone oil also has an action as an internal mold release agent. However, when the amount of the phenyl group-containing silicone oil is less than 0.01 parts by weight, the action as the internal mold release agent is insufficient. Become.
[0042]
In the resin composition of the present invention, a halogen flame retardant, a flame retardant aid, an anti-drip agent, a heat stabilizer, a light stabilizer, a mold release agent, a lubricant, a foaming agent, and a coloring are within the range not impairing the object of the present invention. An effective expression amount of an agent, a phosphorescent pigment, and the like can be blended as necessary. In particular, the addition of a colorant, animal light pigment and the like is extremely effective as a material that can sufficiently utilize the high transparency of the composition of the present invention. Examples of halogen flame retardants include brominated bisphenol carbonate oligomers, brominated bisphenol epoxy resins, brominated bisphenol phenoxy resins, and brominated polystyrene. Flame retardant aids include antimony trioxide and sodium antimonate. Can be mentioned. Furthermore, as the anti-drip agent, polytetrafluoroethylene having a fibrillation ability can be mentioned, and as the thermal stability, phosphate ester, phosphite ester, hindered phenol-based antioxidant can be mentioned, and as light stabilizer Includes hindered amine derivatives, benzotriazole derivatives, benzophenone derivatives, and the like. Examples of the mold release agent include fatty acid ester compounds. Among these, a light stabilizer, a heat stabilizer and the like are preferably added in view of the use of the present invention.
[0043]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described with reference to examples. The evaluation was based on the following method.
[0044]
(1) Flexural modulus (kgf / cm2); After bending, the bending test piece was allowed to stand in an atmosphere of 23 ° C. and 50% RH for 48 hours, and then measured according to ASTM D-790.
[0045]
(2) Total light transmittance and haze (cloudiness value): A Murakami Color Research Laboratory reflection / transmittance meter (HR-100 type) was used as a measuring instrument, and measurement was performed according to ASTM D-1003. The test piece used was a molded product of 45 mm × 50 mm × 2 mm.
[0046]
(3) Sliding property: A reciprocating friction wear tester (AFT-15M) manufactured by Orientec Co., Ltd. was used as an evaluation device. From a polycarbonate substantially composed of 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane and a carbonate precursor (Teijin Chemicals Ltd. Panlite L-1225 (viscosity average molecular weight 22,500)), a hemisphere with a diameter of 5 mmφ and a diameter A pin-shaped test piece having a spherical surface at the tip of a 5 mmφ and 30 mmφ length cylinder joined at a circular cross section was prepared by injection molding and mounted on a fixed-side test piece holder. On the other hand, for each sample shown in Table 1 and Table 2, a flat test piece having a length of 90 mm, a width of 50 mm, and a thickness of 2 mm was prepared by injection molding and fixed to a pedestal that reciprocates. Such a flat test piece uses a surface roughness meter (Surfcom 3BE-MD-S10A) manufactured by Tokyo Seimitsu before evaluating the slidability, and the surface roughness (Ra value) of the flat test piece before measurement is It confirmed that it was 1.5 micrometers or less. A 500 g load is brought into contact in a state where the cylindrical axis direction of the pin-shaped test piece is substantially parallel to the normal direction of the flat plate-shaped test plane, and is aligned on a straight line in the plane in an atmosphere of 23 ° C. and a relative humidity of 50% RH. Was reciprocated 2000 times over a distance of 25 mm each way at a rate of 1 reciprocation of 2 seconds. Further, the friction force was measured with a load cell having a capacity of 2 kgf connected to the pin-shaped test piece side. The wear cross section of the pin-shaped test piece after such a test was observed with a microscope, and the long diameter (wear cross section diameter) of the cross section caused by the wear was measured and used as an index of the wear amount. Moreover, in the flat test piece, the surface roughness meter (Surfcom 3BE-MD-S10A) made from Tokyo Seimitsu Co., Ltd. was used, and the groove depth produced on the surface by abrasion was measured. When the groove depth on the surface was 5 μm or less, it was expressed as ND. When the groove depth exceeded 5 μm, it was determined that substantial wear occurred. In this sample, the pin-shaped test piece basically does not contain a filler, and all the flat plate-like test pieces contain a filler. Therefore, substantial wear on the plate-like test piece side is recognized. (Evaluation results are shown for the sake of clarity that there is no wear on the flat test piece side). For example, in the case of a flat test piece that does not contain a filler and has insufficient slidability, wear of 5 μm or more is usually observed in this test.
[0047]
[Examples 1-4 and Comparative Examples 1-8]
After the components shown in Tables 1 and 2 were dry blended in the amounts shown in the table, they were supplied to a single screw extruder with a screw diameter of 30 mm [VSK-30 manufactured by Nakatani Machinery Co., Ltd.] and melt kneaded at a cylinder temperature of 300 ° C. The whole composition was kneaded uniformly, and then pellets were obtained by strand cutting. After drying this pellet at 110 ° C. for 6 hours with a hot air circulating dryer, a bending test piece was formed at an injection molding machine [SG150U manufactured by Sumitomo Heavy Industries, Ltd.] at a cylinder temperature of 300 ° C. and a mold temperature of 100 ° C. evaluated.
[0048]
The evaluation results are shown in Tables 1 and 2. In addition, the symbol of the use component in Table 1 and Table 2 shows the following.
PC-1; polycarbonate resin having a viscosity average molecular weight of 19,500 [Panlite L-1225L manufactured by Teijin Chemicals Ltd.]
GFL-1; glass flake [manufactured by Nippon Sheet Glass Co., Ltd., thickness 5 μm, average particle size 200 μm, average particle size / thickness = 40, refractive index (nd) = 1.590]
GFL-2; glass flakes [REFG-101 manufactured by Nippon Sheet Glass Co., Ltd., thickness 5 μm, average particle size 600 μm, average particle size / thickness = 120, refractive index (nd) = 1.545]
CS: Glass fiber [Asahi Fiber Glass Co., Ltd., fiber diameter = 16 μm, refractive index (nd) = 1.580]
PCL: Polycaprolactone having a number average molecular weight of 10,000 [Placcel H1P manufactured by Daicel Chemical Industries, Ltd.]
FP-1: Triphenyl phosphate [TPP manufactured by Daihachi Chemical Industry Co., Ltd.]
FP-2; resorcinol bis (dixylenyl phosphate) [Adeka Stub manufactured by Asahi Denka Kogyo Co., Ltd.  FP-500]
Oil-1: methylphenyl silicone oil having a refractive index (nd) of 1.533 [SH710 manufactured by Toray Dow Corning Silicone Co., Ltd.]
Oil-2; phenyl group-containing silicone oil having a refractive index (nd) of 1.460 [SH556 manufactured by Toray Dow Corning Silicone Co., Ltd.]
Oil-3: Dimethyl silicone oil having a refractive index (nd) of 1.403 [SH200 manufactured by Toray Dow Corning Silicone Co., Ltd., viscosity 1000 cSt]
Stabilizer; trimethyl phosphate [TMP manufactured by Daihachi Chemical Co., Ltd.]
[0049]
[Table 1]
Figure 0003888777
[0050]
[Table 2]
Figure 0003888777
[0051]
From the above table, the comparison between Examples 1 and 2 and Comparative Examples 1 and 2 shows that the addition of silicone oil having a phenyl group reduces the amount of wear on the polycarbonate pin, and the friction coefficient significantly decreases. I understand that. Further, it can be seen that haze does not decrease even when silicone oil is added. In the comparison between Examples 1 and 2 and Comparative Examples 3 and 4, glass flakes were used by using glass flakes (GFL-1) having a refractive index difference of 0.015 or less from polycarbonate resins (PC-1 and 2). It can be seen that the haze (cloudiness value) is significantly reduced as compared with the use of (GFL-2). In the comparison between Examples 1 and 2 and Comparative Examples 7 and 8, the same amount of glass filler having a refractive index difference of 0.015 or less with respect to the polycarbonate resin (PC-1, 2) is blended. The difference in refractive index from polycarbonate resin is also equivalent. It should be noted that the haze of Example 1 and Example 2 is significantly smaller. Since the transparency when visually observed is greatly affected by the haze value, the improvement of the transparency in such a case is extremely large. In addition, surprisingly, it can be seen that the amount of wear of the pin molded product is not only reduced in the sample using glass flakes, but also the friction coefficient is reduced. From the comparison with Comparative Examples 1 and 2 and Comparative Examples 5 and 6, it can be seen that when no silicon oil is added, there is no significant effect on the glass flakes with respect to sliding properties. Further, in any of the examples, the groove depth is 5 μm or less (ND), and it is understood that the amount of wear of the polycarbonate resin composition that provides the molded article in the present invention is small.
[0052]
【The invention's effect】
The polycarbonate resin composition of the present invention is excellent in rigidity, and as a molded product having slidability while maintaining high transparency, a CD tray, a CD changer tray, a disk cartridge, etc. excellent not only in functionality but also in design. It is suitable not only as a material to be manufactured, but also for other electronic and electrical equipment casings, internal mechanism parts, and panel members for outdoor use such as signboards, light collecting equipment, roof members, etc. Is exceptional.

Claims (5)

ポリカーボネート樹脂(A成分)96〜60重量%と該A成分との屈折率(nd)の差が0.015以下であるガラスフレーク(B成分)3〜30重量%、ポリカプロラクトン及び/またはリン酸エステル化合物(C成分)1〜10重量%からなりA成分、B成分及びC成分の合計が100重量%である樹脂組成物100重量部に、屈折率(nd)が1.42〜1.60であるフェニル基含有シリコーンオイル(D成分)0.01〜5.0重量部を添加してなるポリカーボネート樹脂組成物。Glass flake (component B) 3 to 30% by weight, polycaprolactone and / or phosphoric acid having a difference in refractive index (nd) of 0.015 or less between 96 to 60% by weight of polycarbonate resin (component A) 100 parts by weight of a resin composition comprising 1 to 10% by weight of an ester compound (C component) and the total of the A, B and C components is 100% by weight, and the refractive index (nd) is 1.42 to 1.60. A polycarbonate resin composition obtained by adding 0.01 to 5.0 parts by weight of a phenyl group-containing silicone oil (component D). A成分のポリカーボネート樹脂の分子量が、粘度平均分子量で表して12,000〜20,000である請求項1記載のポリカーボネート樹脂組成物。2. The polycarbonate resin composition according to claim 1, wherein the molecular weight of the polycarbonate resin of component A is 12,000 to 20,000 in terms of viscosity average molecular weight. B成分のガラスフレークの平均粒径が10〜1,000μmであり、且つその平均粒径を(a)、厚さを(b)としたとき、(a)/(b)比が5〜500のガラスフレークである請求項1または2のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。When the average particle size of the glass flakes of component B is 10 to 1,000 μm, the average particle size is (a), and the thickness is (b), the ratio (a) / (b) is 5 to 500. The polycarbonate resin composition according to claim 1, wherein the polycarbonate resin composition is a glass flake. C成分のポリカプロラクトンの数平均分子量が5,000〜30,000である請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。The polycarbonate resin composition according to any one of claims 1 to 3, wherein the number average molecular weight of the component C polycaprolactone is 5,000 to 30,000. D成分のフェニル基含有シリコーンオイルが下記式[1]及び[2]で示される化合物単位から選ばれる少なくとも1種の化合物単位、及び下記式[3]で示される化合物単位を主成分としてなるフェニル基含有シリコーンオイルである請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
Figure 0003888777
(ここで、式中R1は炭素数1〜4のアルキル基を表わし、xは0、1、または2である。)
Figure 0003888777
(ここで、式中R2は炭素数1〜6のアルキル基、またはシクロアルキル基を表わす。)
Figure 0003888777
(ここで、式中R3は炭素数1〜4のアルキル基を表わす。)
The phenyl component-containing silicone oil of component D is composed mainly of at least one compound unit selected from compound units represented by the following formulas [1] and [2], and a compound unit represented by the following formula [3]. The polycarbonate resin composition according to any one of claims 1 to 4, which is a group-containing silicone oil.
Figure 0003888777
(Here, R 1 represents an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms, and x is 0, 1, or 2.)
Figure 0003888777
(Here, R 2 represents an alkyl group having 1 to 6 carbon atoms or a cycloalkyl group.)
Figure 0003888777
(Here, R 3 represents an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms.)
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