JP3887592B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半透過反射板を備えた半透過型と称される液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半透過型タイプの液晶表示装置は、表示画面の背面側にバックライトを備えており、周囲が明るい場合には該バックライトを使用せず周囲の光を反射させて画像を視認し、夜間など明るさが画像の視認に十分でない場合は背面のバックライトを機能させ画像を視認する。このため半透過型の液晶表示装置は液晶表示パネルの背面側の下偏光板とバックライトとの間に光の透過性と反射性の双方の性質を備えた半透過反射板を備えている。
【0003】
半透過反射板は光の透過性と反射性を持たせるために、初期のものでは透明なポリエチレンフタレート(PET)フィルムにアルミ金属を0.06〜0.1μm程度の厚さに蒸着した、ハーフミラー方式のものが使用された。しかし前記ハーフミラー方式の半透過反射板は、光の反射率がおよそ30%位で、光の透過率も20%程度と、光利用効率の面では芳しいものではなかった。
【0004】
別の方式として、反射性を有する金属膜に多数の貫通孔が形成された、いわゆるスルーホール式の半透過反射板が開示されている。(例えば特許文献1 参照)
【0005】
従来技術における半透過型の液晶表示装置の一つの例を図14、図15、図16に示す。図14は半透過反射板を備えた液晶表示装置を示す断面図、図15は金属膜に多数の貫通孔を形成した半透過反射板の平面図、図16は、図15におけるA−A断面を示す部分拡大断面図である。以下図面を用いて説明する。
【0006】
図14に示すように液晶表示装置10は、枠体2の上部に液晶表示パネル4が配置されている。液晶表示パネル4は液晶層を挟持した一対の透明基板からなる液晶セル4aとこの液晶セル4aに対して観察者の反対側(裏側)に下偏光板4bとを有している。この液晶表示パネル4の下偏光板4b側にはスルーホール式の半透過反射板6及び導光板8が重ねられて枠体2内に収められている。導光板8は液晶表示パネル4の図中右側に延びた延長部8bを有しており、その延長部8bの上面は斜めにカットされ傾斜面8aが形成されている。また、多くの液晶表示装置の場合液晶セル4aと下偏光板4bとの間に光拡散板4cが配設されており、導光板8より液晶セル4aへ照射される透過光の輝度ムラを低減している。
【0007】
また、前記導光板8の下面8cと傾斜面8aとの表面には照射された光を反射する下面反射シート1と、傾斜面反射シート3が接着固定されている。前記下面反射シート1における導光板8の延長部8bの下に当たる部分には後述するLED光源5からの光を導光板8に入射するための開口部1aが設けられている。また、液晶表示パネル4の真下に当たる導光板8の下には、枠体2の底部2aが設けられており、半透過反射板6と導光板8を保持している。この底部2aにおける導光板8の延長部8bの下に当たる部分には穴2cが設けられている。
【0008】
前記枠体2の底部2aの下には、実装部品9等の丈以上の問隔をあけてLED光源用の基板7が配置されている。この基板7における導光板8の延長部8bに対面する位置には、光源としてのLED光源5が実装されている。この基板7は、枠体2の下端に設けられている一対のフック部2d、2eにより掛止されている。
【0009】
また、前記LED光源5から照射される光の大部分は導光板8の延長部8bに入り、その斜めにカットされた傾斜面8aにより反射され、更に導光板8の下面8cにより反射される。前記導光板8の下面8cではあらゆる方向に光が反射され、導光板8の出射面8dでは臨界角を越えた光が出射され、臨界角以下の光は反射して再び下面8cの方向に進行する。これを繰り返すことにより、導光板8に入射した光が臨界角を越えて出射面8dから出射され、これによって導光板8が一様に発光するようになっている。
【0010】
図15に示すように半透過反射板6は厚さが10〜50μm程度の金属板にマトリックス状に一定のピッチ間隔に多数の貫通孔12が形成されている。この貫通孔12の内径aは通常肉眼で確認できない程度の30μm程度に設定される。
また、図16に示すように、バックライトを機能させている状態では導光板8から出射した光は半透過反射板6に形成された多数の貫通孔12を通して矢印Aで示すように液晶表示パネル4の方向へ照射される。また、半透過反射板6の上面6a、すなわち液晶表示パネル4側には金、銀、アルミ等の反射性の高い被膜がメッキ、蒸着、スパッタ法等により形成されており、周囲が明るく、バックライトを機能させない状態では半透過反射板6の上面6aで矢印Cで示すように外光を反射させ、画像を視認する。この半透過反射板6に形成する貫通孔12の総面積が多い場合はバックライト光源5からの光の透過率は向上するが、上面6aでの反射率は低下する。貫通孔の総面積が少ない場合は逆の状態になる。従って、液晶表示装置の種類や用途に応じて、貫通孔12の総面積を半透過反射板6の全面積の20〜50%の範囲に調整している。
【0011】
さらに図14ではLED光源5を導光板8の下側に配置した構成を紹介したが、光源を導光板サイド側に配置するサイドライト方式やEL(エレクトロルミネッセンス)のような面光源の構成の場合にも半透過反射板の機能は同様である。携帯電話、電子手帳及び腕時計のような小型機器の表示部は、機器のサイズ一杯にビューエリアを確保する目的で図14のような導光板8の下面に光源5を配置した構成が多い。
【0012】
【特許文献1】
特開平11−311780号公報(第4−5頁、第1、2図)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術の半透過反射板6は図16より明らかなように厚みが大きいと半透過反射板6の裏面6bにほぼ垂直方向(矢印Aの方向)の光のみ貫通孔12を通過させ、多くの光は矢印Bの軌跡に示すように裏面6bで反射されてしまい、透過効率が低下する。この問題を改善する目的で特許文献1に開示されているように周知のフォトエッチング法等により貫通孔12の形成された半透過反射板6の厚さを10〜50μm程度に極限まで薄くする方法がとられるが、バックライトの光源がLEDのような点光源の場合で、表示面の輝度ムラが発生し易い場合、前述のように図14の導光板8と半透過反射板6の間に拡散板4cを配設する必要があり、これらの部品を順次積層させて液晶表示装置を組み立てる際には、半透過反射板6の厚みが上述の様な薄い箔状であると変形が生じたり、取り扱いが厄介となる問題があった。
【0014】
また、従来技術の半透過反射板はハーフミラー式においてもスルーホール式においても反射率または透過率の何れか一方を向上させようとすれば他の片方の効率は減少させざるを得ない、との原理的問題を抱えていた。
【0015】
(発明の目的)
本発明の目的はスルーホール式半透過反射板の光利用効率の改善に関するものであり、上記問題点を解決し、光透過率及び光反射率の双方を大幅に向上させ、かつ液晶表示装置の組立も容易に行うことが可能な液晶表示装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明のうちで請求項1の発明に係わる液晶表示装置は、対向面に透明電極を有する一対の透明基板と該透明基板の間に液晶層を狭持した液晶表示セルに対して観察者の反対側(裏側)に下偏光板を積層した液晶表示パネルと、該液晶表示パネルの下偏光板側にバックライトとを備え、前記液晶表示パネルに設ける下偏光板とバックライトとの間に複数の貫通孔を有する半透過反射板が形成されている液晶表示装置において、前記半透過反射板の貫通孔の縦断面における内形形状が前記下偏光板側から前記バックライト側に向かって漸次拡大するテーパ形状又は曲線形状に形成され、且つ、前記半透過反射板のバックライト側の面(裏面)における貫通孔の開口部全内周が、該貫通孔に隣接する他の貫通孔の開口部内周の一部と重畳する位置に配列されていることを特徴とする。
【0017】
また、本発明のうちで請求項2の発明に係わる液晶表示装置は、請求項1記載の液晶表示装置において、前記半透過反射板は少なくとも2種類の内形形状の異なる貫通孔が配置されていることを特徴とする。
【0018】
また、本発明のうちで請求項3の発明に係わる液晶表示装置は、請求項2記載の液晶表示装置において、前記半透過反射板の貫通孔の内形形状が曲線で形成されていることを特 徴とする。
【0019】
また、本発明のうちで請求項4の発明に係わる液晶表示装置は、請求項1又は請求項2に記載の液晶表示装置において、前記半透過反射板の貫通孔の内形形状が多角形であることを特徴とする。
【0020】
また、本発明のうちで請求項5の発明に係わる液晶表示装置は、対向面に透明電極を有する一対の透明基板と該透明基板の間に液晶層を狭持した液晶表示セルに対して観察者の反対側(裏側)に下偏光板を積層した液晶表示パネルと、該液晶表示パネルの下偏光板側にバックライトとを備え、前記液晶表示パネルに設ける下偏光板とバックライトとの間に複数の貫通孔を有する半透過反射板が形成されている液晶表示装置において、前記半透過反射板の貫通孔の縦断面における内壁形状が前記下偏光板側から前記バックライト側に向かって漸次拡大するテーパ形状又は曲線形状に形成され、且つ、前記半透過反射板のバックライト側の面(裏面)における貫通孔の開口部内周の一部が、該貫通孔に隣接する他の貫通孔の開口部内周の一部と重畳する位置に配列されていることを特徴とする
【0021】
また、本発明のうちで請求項6の発明に係わる液晶表示装置は、請求項記載の液晶表示装置において、前記半透過反射板は少なくとも2種類の内形形状の異なる貫通孔が配置されていることを特徴とする。
【0022】
また、本発明のうちで請求項7の発明に係わる液晶表示装置は、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の液晶表示装置において、前記半透過反射板の下偏光板側の平面部に梨地状の微小凹凸である光拡散手段が形成されていることを特徴とする。
【0023】
(作用)
以上のように本発明の半透過反射板を備えた液晶表示装置は半透過反射板に形成された貫通孔の縦断面における内形形状を液晶表示パネルの下偏光板側からバックライト側に向け漸次拡大するテーパ形状又は曲線形状に形成、且つ、前記半透過反射板のバックライト側の面(裏面)における貫通孔の開口部全内周が、該貫通孔に隣接する他の貫通孔の開口部内周の一部と重畳する位置に配列されているように形成することにより、半透過反射板のバックライト側における貫通孔の開口部の総面積が、下偏光板側における貫通孔の小孔開口部の総面積に比較し大幅に増加するため、半透過反射板の光の透過率及び半透過反射板の下偏光板側の面での光の反射率の双方が向上する。更に、前記半透過反射板のバックライト側の面(裏面)における貫通孔の開口部全内周を該貫通孔に隣接する他の貫通孔の開口部内周の一部と重畳する位置に配列することにより、半透過反射板の裏面側における導光板8の下面8cと平行な平面部をなくすことが出来る。これによって、バックライトから導光板内に照射された光は貫通孔の内面と導光板の反射面との間で反射を繰り返し、最終的には限りなく100%に近い光が液晶表示パネル側に透過される。また、十分な厚みを有する半透過反射板を形成することが可能なため、作業性の良好な液晶表示装置の提供を可能にする。以下実施形態に基づいて詳述する。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施形態を図1、図2を用いて説明する。図1は、本実施形態における半透過反射板及びバックライトを含む液晶表示装置の要部を示す断面図である。図2は、図1における半透過反射板のA部を示す部分拡大図を示し、図2(a)は、部分拡大断面図、図2(b)は、図2(a)における矢印Yの方向(半透過反射板の裏面側)から見た平面図である。本実施形態における液晶表示装置は、半透過反射板の貫通孔の形状に特徴があり、且つ、前記貫通孔の内面、及び半透過反射板の表面と裏面とに光反射性の高い高反射部材を設けたことを特徴としている。従って、その他の基本的な構成は従来技術に類似しているため、前記半透過反射板以外の構成要素は従来技術と同様であるため同一番号を付与し説明を省略する。
【0025】
図1に示すように本実施形態における液晶表示装置20においては、半透過反射板16が導光板8の光の出射面8d上に設けられており、前記半透過反射板16の裏面16bが導光板8側となるように配設されている。この半透過反射板16の貫通孔14は前記導光板8の出射面8dからバックライトとしてのLED光源5の出射光を液晶表示パネル4の下偏光板4b側に透過し液晶表示パネル4を照射するようになっている。又、前記半透過反射板16の液晶表示パネル4の下偏光板4b側の表面16aは、前記液晶表示パネル4を透過した光を反射させ液晶表示パネル4を照射するための反射面になっている。又、前記半透過反射板16の導光板8側の裏面16bはLED光源5から出射された光を導光板8の内部に反射するための反射面となっている。
【0026】
前記半透過反射板16は図2に示すように厚さtが0.1〜0.3mmの銅、黄銅、鉄、アルミニウム等の金属板からなり、複数の貫通孔14が所定のピッチpで配設されている。前記貫通孔14は、内形形状が円形で、前記下偏光板4b側から前記バックライト側に向かって漸次拡大する形状、即ち、前記半透過反射板16の表面16a側から裏面16b側に向かって内径が漸次拡大する形状となっており、縦断面における内壁形状がテ−パ形状に形成されている所謂円錐台形の形状をなしている。更に、前記半透過反射板16の表面16a、裏面16b、貫通孔14の内面14aには光反射性の高い高反射部材15としての金または銀メッキ層が形成されており、それぞれの部分に照射された光を効率よく反射させるようになっている。
【0027】
前記半透過反射板16に形成する貫通孔14をバックライトの導光板8側に漸次拡大するテーパ形状に形成する目的は、第一に半透過反射板16の導光板8側である裏面16bにおける平面部18を減らす、すなわち半透過反射板16の裏面16bにおける導光板の下面8cと平行な平面部の総面積を極力少なくすることにある。半透過反射板16の裏面16b側の平面部18はバックライトから液晶表示パネル4側に照射する光を導光板8側に反射してしまう。この反射光を少なくして液晶表示パネル4側の表面16a側に透過させる光の透過量を増やすためには裏面16bの平面部18の総面積を極力少なくすることが効果的であり、この目的のためには貫通孔14のテーパ開口角θは大きい程良い。一方貫通孔14をテーパ形状に形成する第二の目的は図2(a)の矢印Gの軌跡で示すように貫通孔14の内面14a(内径テーパ部)に当たった光を内面14aで反射させて液晶表示パネル4側に導くことであり、この目的を効果的に果たす場合、開口角θが例えば120゜あるいは150゜といった大きな角度に設定すれば光は再び導光板8側に反射して戻されて逆効果となる。実験的には開口角θは60゜程度が透過効率がもっとも良好であることが確認されているが、30゜から90゜の範囲ならば透過率向上の効果が期待できる。更に貫通孔14の内面14aは金または銀メッキ層などの高反射被膜15を形成することにより斜面部14aでの反射はより効率的になる。
【0028】
半透過反射板16の表面16a側の貫通孔14の小孔開口部14bの内径dは小さい程、すなわち液晶表示パネル4側での小孔開口部14bの総面積が少ない程、表面16a側で外光を反射する反射率は大きくなるが、後述するバックライトからの照射光を効率的かつ集中的に液晶表示パネル4側に透過させるためには小孔開口部14bの内径dの大きさを例えば1μmといった極小の貫通孔ではその役割に支障が生ずる。更に貫通孔14の加工方法をも考慮すれば小孔開口部14bの内径dの大きさは、10μmから30μmが実用的である。貫通孔14を配置する間隔(ピッチ)pは、半透過反射板16のバックライトの導光板8側である裏面16bの平面部18が限りなくゼロに近づく配置にすれば、バックライトからの照射光の透過率は最も良好となる。一方、平面部18を極小にする配置を実現するために半透過反射板16の板厚t及び貫通孔14の開口角θの大きさを決めると貫通孔14を配置するピッチpは自ずと決定されることになる。ピッチpを変えるには、板厚tまたは開口角θの設定を変える必要がある。
【0029】
次に、半透過反射板16の貫通孔14の製造方法について説明する。貫通孔14のテーパ形状を形成する方法としては、精密電鋳加工法が適当である。
図3に電鋳加工による半透過反射板16の貫通孔14の製造方法の一例を示す。
まず、図3(a)に示すように金属板31の表面に鏡面仕上を施す。
次に、図3(b)に示すように金属板31の表面にフォトレジスト32を形成する。
次に、図3(c)に示すようにフォトレジスト32の上にフォトマスク33を形成する。
次に、図3(d)に示すようにUV光の露光量を少なくし、フォトレジスト32の感光範囲を狭くしてテーパ露光を行いテーパ状のレジスト露光部34を形成する。
次に、図3(e)に示すように現像処理を施し、上記レジスト露光部34に対応するテーパ状のパターンからなるテーパ状のレジスト35を形成する。
次に、図3(f)に示すようにメッキ(電鋳)層36を析出形成する。
次に、図3(g)に示すように、メッキ(電鋳)層36からレジスト35を剥離除去することにより、テーパ状の微細孔36aが形成される。
その後、図3(h)に示すように、メッキ(電鋳)層36から前記金属板31を剥離除去することにより微細孔36aの小孔開口部側の面36bが鏡面仕上げされたメッキ(電鋳)層36からなる半透過反射板が得られる。
尚、電鋳法による半透過反射板の形成において半透過反射板の厚みを大きくしたい場合はコスト高になるため、実用上の厚みは0.1mm以内が適当である。
【0030】
更に厚い板厚の半透過反射板の製造方法としては、パンチプレス加工により金属板にテーパ状の貫通孔を形成した後、平面研削等の切削手段により表面仕上げを行う方法が適当である。図4にその製造方法を示す。図4では多数形成する貫通孔のうちの1個の部分を取り出して説明する。
図4(a)で、上型41は後述するパンチ43を保持するスライド穴41aを有している。下型42は板材44のはみ出し部の逃げ穴42aが形成されている。パンチ43は、先端に所望の角度に形成された円錐状部43aを有している。板材44は一例として0.25mm厚とする。この時、板厚全面にわたってテーパ形状を形成するにはパンチ43の円錐状部43a(テーパ部)の長さを板厚より僅かに長い0.3mm程度にすれば良い。円錐状部43aの角度を60度とすればパンチ43のストレート部の外径は計算上0.3×tan30(度)=0.1732mm、つまり径として約0.35mmあれば良いことになり、複数のパンチ43を並べた上型41を製作する場合にも貫通孔のピッチは0.4mmから0.5mm程度のかなり接近した寸法設定が可能である。
【0031】
次に、図4により製造工程を説明する。
まず、図4(a)に示すように、上型41のスライド穴41aにパンチ43を保持する。そして、上型41と下型42との間に被加工物である板材44を挟み込む。一般的には板材44の供給時には、上型41と下型42とは板材44を供給するのに充分な間隔だけ離れた構成を有している。
【0032】
次に図4(b)に示すように上型41と下型42とで板材44を侠時し、パンチ43を上型41のスライド穴41aの中を下方に滑り下ろす。そして板材44に接触した時点から更に一定の力を加えて、パンチ43の円錐形状部43aの先端43bが板材44を圧しながら徐々に下ろされる。これにより板材44に円錐形状部43aの形を転写しながらテーパ状の貫通孔44aが形成される。これを円錐形状部43aの先端43bが板材44の下面44bよりはみ出す位置に達するまで行うが、この時、板材44は下型42の逃げ穴42aの中にパンチ43で圧せられた材料がはみ出し、はみ出し部44cが形成される。
【0033】
次に、図4(c)に示すようにパンチ43を含む上型41と下型42とが離れ、テーパ状の貫通孔44aが形成される。その後、カッター45を矢印46方向に移動させ、前記板材44より、はみ出し部44cを除去し、図4(d)に示すようなテーパ状の貫通孔44aが形成された板材44を得ることができる。
【0034】
このようにパンチ43を圧入させながらテーパ状の貫通孔44aを形成する方法ではテーパ状の貫通孔44aの板材44の上面44d側の開口部の内径Dの入り口が所謂ダレ状態になり易いため、本発明の半透過反射板16の形状を得るためには、はみ出し部44cを削り取る方法として、プレス後の板材44の両面を平面研削で仕上げる方法が適当である。両面を0.05mmずつ研削することにより0.15mm厚の、ダレもはみ出しもない、平坦度に優れた半透過反射板を得ることが可能となる。平面研削には周知のマグネット吸着利用の板材のクランプが容易な鉄板が簡便であるが、適当なクランプを行うことにより銅、黄銅、アルミニウムその他の材料が自由に使用できる。テーパ状の貫通孔44aの板材44の下面44b側の小孔開口部内径dの寸法が10μm程度の微細孔の形成も可能であるが、その場合、小孔開口部内径d側である下面44bに所望の研削代を設定し、はみ出し部44cがほとんど必要ないプレスも可能であり、パンチ43の圧入量、仕上げの研削量を計算して設定することで、必要な小孔開口部内径dの寸法が得られる。
【0035】
パンチプレスによる貫通孔14の形成方法の利点は正確に管理されたテーパ形状を得ることが可能であること、小孔開口部内径dの寸法が0.01mm程度の微細孔形成も可能であること、量産が容易であること、貫通孔の内形形状が四角形、六角形などの異形形状の孔の形成も可能であること、0.2〜0.5mm程度の厚みの大きい半透過反射板の製作が容易であることなどである。但し、機械加工にて製作するため板厚が0.1mm未満の薄い半透過反射板の製作には適当とは言えない。
【0036】
その他、貫通孔の形成方法としては、レーザー加工、エッチング法なども利用できるがコスト問題を考慮すればレーザー加工は量産向きとは言い難い。また、エッチング法は所望の寸法形状の孔形状が得られにくい等の問題がある。
【0037】
以上の製造方法によって得られた半透過反射板16の反射面側となる表面16a、裏面16bをバフ研磨等により面粗度を微細に仕上げることにより、より良好な光反射性が得られる。酸化防止と光反射効率を更に向上させるために、加工後、光反射の高い高反射部材15としての金、銀、クロム等の反射金属を無電解メッキ等の方法で半透過反射板の表面16a、裏面16b及び貫通孔14aの内面に形成する。高反射部材15の形成方法として、蒸着法、スパッタ法等でも勿論可能であるが、一般的な設備で安価にかつ均一な膜厚を形成できる点では無電解メッキが優れている。
【0038】
以上のように本実施形態における半透過反射板16は複数の貫通孔14を有し、この貫通孔14の内径が前記半透過反射板16の表面16a側から裏面16b側に向かって漸次拡大するテーパ形状に形成されており、半透過反射板16の裏面16b側の貫通孔14の開口部14cの総面積を除いた反射部面積が、表面16aのそれより少ないため、バックライトより液晶表示パネル4側に照射される光の内、裏面16bで反射される量が従来のストレートなスルーホールタイプに比べ減少し、従来ならば貫通孔を透過しない角度の光が、図2(a)の矢印Gに示す軌跡のように前記貫通孔14の内面14aで反射されて透過し、液晶表示パネル4を照射する光が増加し照射輝度が向上する。
【0039】
更に、前記半透過射板16の表面16a、裏面16b、貫通孔14の内面14aに光反射性の高い高反部材15としての金、銀等のメッキ層が形成されているため光利用効率が改善され、前記半透過反射板16の表面16aでの反射光、前記貫通孔14を透過する光が効率よく増加する。従って、前記半透過反射板16を用いた半透過タイプの液晶表示装置は、バックライト非点灯時の照明輝度およびバックライト点灯時の照明輝度の双方を向上させることが可能となる。このように本実形態によれば、光の利用効率が改善され液晶表示パネルの輝度を向上させることが出来る。更に半透過反射板の製造方法を適宜選択することにより板厚が0.2〜0.3mm程度までの適当な厚みを有する半透過反射板を提供することができるので液晶示装置の組立が容易となる。
【0040】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施形態における半透過反射板を図5に示す。図5(a)は本実施形態における半透過反射板を示す部分拡大断面図であり、図5(b)は図5(a)における矢印Yの方向(半透過反射板の裏面側)から見た平面図である。本実施形態における液晶表示装置は、前記半透過反射板のバックライト側の面(裏面)における貫通孔の開口部内周の一部が、前記貫通孔に隣接する他の貫通孔の開口部内周の一部と重畳する位置に配列されていることを特徴としており、この点が第1の実施形態と相違している。尚、その他は第1の実施形態と同様であり説明を省略する。以下図面に基づいて説明する。
【0041】
図5に示すように本実施形態における半透過反射板26は、第1の実施形態と同じく厚さが0.1〜0.3mmの銅、黄銅、鉄その他の金属板からなり、前記半透過反射板26の表面26a側から裏面26b側に向かって内径が漸次拡大するテーパ形状である点および貫通孔24が円錐台形状をなす点は第1の実施形態と同様であるが、本実施形態は前記半透過反射板26のバックライト側である裏面26bにおける貫通孔24の開口部24cの内周25の一部が、隣接する他の貫通孔の開口部の内周の一部と互いに重畳する位置に配列されている。これは、第1の実施形態における図2(a)の裏面16bの平面部18の寸法Hをゼロに設定した場合の例である。但し、この場合、図5(b)に示すように裏面26bには平面部の残部Kが残り、この平面部Kで導光板8の下面との反射が発生する。
【0042】
本実施形態では半透過反射板26の裏面26bにおける貫通孔の開口部24cの内周25の一部が互いに重畳する配置としたので、例えば半透過反射板26の表面26a側の貫通孔の小孔開口部24bの内径hの値を10〜30μm、開口角θを60゜、厚みtを0.2mmとした場合は、貫通孔24の配列ピッチpはおよそ0.2mmと、一義的に定まる。ピッチpをより大きくしたい場合は板厚tまたは開口角θのいずれか、または双方を大きく設定する必要がある。
【0043】
本実施形態では半透過反射板26の裏面26bの平面部Kの面積が、貫通孔24の形状が円形の場合の最少となるので第1の実施の形態より光透過効率は高い。一方半透過反射板26の板厚tが同一の場合、貫通孔24のピッチpは第1の実施形態より小さくなり、貫通孔の数は増加するが、表面26a側の貫通孔の小孔開口部24bの内径hを10〜20μm程度に小さく設定することにより、光透過率、光反射率とも従来の技術による半透過反射板より大幅に、また第1の実施形態のものと比較しても上回った半透過反射板を提供することができる。
【0044】
本実施形態における製造方法は第1の実施の形態と同様な方法が適用可能である。また半透過反射板の表面26a、裏面26b及び貫通孔24の内面24aに金、銀メッキなどの高反射部材15を形成し、反射効率を高める点についても第1の実施の形態と同じである。
【0045】
尚、第1、2の実施形態においては、貫通孔の内径形状を円形を例として説明したが、この他に楕円等の曲線で形成されている場合、或いは、後述する多角形の場合であっても同様の効果が得られるが、曲線で形成されている場合は、製造コスト等を考慮すると本実施形態で説明した円形が好ましい。
【0046】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施形態における液晶表示装置の半透過反射板を図6に示す。図6(a)は本実施形態における半透過反射板36を示す部分拡大断面図であり、図6(b)は図6(a)における矢印Yの方向(半透過反射板の裏面側)から見た平面図である。本実施形態における液晶表示装置は、前記半透過反射板のバックライト側の面(裏面)における貫通孔の開口部の全内周が、前記貫通孔に隣接する他の貫通孔の開口部内周の一部と重畳する位置に配列されていることを特徴としている。また、半透過反射板の貫通孔の内形形状が四角形である点が第2の実施形態と相違している。従って、その他、第1および第2の実施形態と共通内容は説明を省略する。以下図面に基づいて説明する。
【0047】
本実施形態における半透過反射板38は、厚さが0.1〜0.3mmの銅、黄銅、鉄その他の金属板からなり、前記半透過反射板38に設ける貫通孔37は半透過反射板38の表面38a側から裏面38b側に向かって内形形状が漸次拡大するテーパ形状である点は、第1および第2の実施形態と同様である。又、第1の実施形態における図2(a)の裏面16bの平面部18の寸法Hをゼロとした点は第2の実施形態と同趣旨であるが、本実施形態における半透過反射板38は、図6(b)に示すように貫通孔37の内形形状が四角形で形成されており、貫通孔37の形状が四角錐台に形成されている。更に、前記半透過反射板38のバックライト側である裏面38bにおける貫通孔37の開口部37cの内周39の全周が、隣接する他の貫通孔の開口部内周の一部と互いに重畳する位置に配列されている。これは前記半透過反射板38の裏面38b側に平面部が存在しない構造とする事により、半透過反射板38の光反射率及び光透過率が限りなく100%に近づくような大幅な効率向上効果をねらったものである。
【0048】
ここで本実施形態の半透過反射板38が外光の反射率およびバックライト光源からの液晶表示パネル側への光透過率の双方を大幅に向上させることが可能な理由を説明する。図6(b)は、第1実施形態における図2に示す貫通孔14が形成された半透過反射板16の裏面16bの平面部18がゼロ、すなわち裏面16bに平面部が存在しない場合を図示したものであるが、第2の実施形態で説明したように、半透過反射板26の貫通孔24の内形形状が円形の場合は、裏面26bにおける貫通孔24の開口部24cの内周25の一部を隣接する他の貫通孔の開口部内周の一部と互いに重畳する位置に配列しても図5(b)に示すように、必ず隙間状の平面部Kが存在するため平面部をゼロにすることは不可能である。 しかしながら本実施形態のように、各貫通孔の内形形状を同一の形状寸法からなる四角形に形成する事で半透過反射板38の裏面38bより平面部を無くすることが可能となる。
【0049】
半透過反射板38の面積を例えば30mm平方のサイズとし、板厚tが0.2mm、貫通孔37の開口角θを90゜、表面38a側の貫通孔37の小孔開口部37bの面積を10μm平方(h=10μm)とした場合、裏面38b側の貫通孔37の開口部37cの内周を形成する稜線間隔Sは板厚tのおよそ2倍である0.4mmとなる。表面38a側の1個の貫通孔の小孔開口部37bの面積は0.01×0.01=0.0001(mm)となり、前記貫通孔37の配列ピッチpは、0.4mmで30mm平方の面には計算上5625個の貫通孔が形成されることになり、表面38a側の貫通孔37の小孔開口部37bの総面積は0.0001×5625=0.5625(mm)で、30mm平方の面積である900mmの0.0625%でしかない。表面38a側の貫通孔37の小孔開口部37bの面積を20μm平方としても稜線間隔Sはおよそ0.4mmでほとんど変化がないため、表面26a側の貫通孔37の小孔開口部37bの面積は0.02×0.02=0.0004(mm)となり、上記同様表面38a側の貫通孔37の小孔開口部37bの総面積は0.0004×5625=2.25(mm)となり、30mm平方の全面積900(mm)の0.25%である。同様に30μm平方の場合は約0.56%、50μm平方の場合でも約1.56%であり、従来のストレートなスルーホール式の半透過反射板が光透過率を確保するため、貫通孔の総面積を20〜50%に形成していた場合に比較し、外光の反射率が格段に向上する。
【0050】
一方バックライト光の透過率は半透過反射板の裏面38bに導光板8の下面8cと平行な反射平面部が存在しないため、導光板8内の光は貫通孔37の内面37aと導光板8の反射面との間で反射を繰り返し、最終的には限りなく100%に近い光が液晶表示パネル4側に透過される。
【0051】
以上述べたように本実施形態における半透過反射板38は、外光の反射率およびバックライト光の透過率共に限りなく100%に近付けることが可能な究極の半透過反射板となるものである。また、第3の実施形態に於ける貫通孔37の形成方法も第1および第2の実施の形態で紹介した方法がそのまま適用可能である。
【0052】
尚、本実施形態においては、貫通孔の内形形状を正方形形状を例として説明しているが、対向する辺の長さのみが同一である長方形でも良い。又、第1の実施形態の図2のように裏面16bに平面部18が存在するような構成としても第1の実施形態とほぼ同様な効果が得られる。
【0053】
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施形態における液晶表示装置の半透過反射板を図7に示す。図7(a)は本実施形態における半透過反射板86を示す部分拡大断面図であり、図7(b)は図7(a)の半透過反射板86の裏面86b(矢印Y方向)から見た平面図である。本実施形態における液晶表示装置は、半透過反射板86の貫通孔84の内形形状が第3の実施形態と相違しているが、その他は第3の実施形態と同様であり説明を省略する。以下図面に基づいて説明する。
【0054】
本実施形態における半透過反射板86に設ける貫通孔84は半透過反射板86の表面86a側から裏面86b側に向かって内形形状が漸次拡大するテーパ形状である点、および前記半透過反射板86の裏面86bにおける貫通孔84の開口部84cの内周85の全周が、隣接する他の貫通孔の開口部内周の一部と互いに重畳する位置に配列することにより、半透過反射板86の裏面86b側に平面部が存在しないようにした点は第4の実施形態と同様であるが、図7(b)に示すように貫通孔84の内形形状が正三角形で形成されており、貫通孔84の形状が三角錐台に形成されている。本実施形態においても第1の実施形態の図2のように裏面16bに平面部18が存在するような構成としても第1の実施形態とほぼ同様な効果が得られるが、本実施形態の図7(b)に示すように裏面86b側に平面部が存在しない構造とする方が有効な効果が得られ好ましい。
【0055】
以上述べたように本実施形態における半透過反射板86においても、第3実施形態と同様に、外光の反射率およびバックライト光の透過率共に限りなく100%に近づけることができる。また、本実施形態に於ける貫通孔84の形成方法も第1の実施の形態で説明した方法がそのまま適用可能である。
尚、本実施形態においては、貫通孔の内形形状を正三角形形状を例として説明しているが、二等辺三角形でも同様の効果が得られる。
【0056】
(第5の実施の形態)
本発明の第5の実施形態における液晶表示装置の半透過反射板を図8に示す。図8(a)は本実施形態における半透過反射板48を示す部分拡大断面図であり、図8(b)は図8(a)の半透過反射板48の裏面48b(矢印Y方向)から見た平面図である。本実施形態における液晶表示装置は、半透過反射板の貫通孔の内形形状が第3の実施形態と相違しているが、その他は第3の実施形態と同様であり説明を省略する。以下図面に基づいて説明する。
【0057】
本実施形態における半透過反射板48に設ける貫通孔47は半透過反射板48の表面48a側から裏面48b側に向かって内形形状が漸次拡大するテーパ形状である点、および前記半透過反射板48の裏面48bにおける貫通孔47の開口部47cの内周49の全周が、隣接する他の貫通孔の開口部内周の一部と互いに重畳する位置に配列することにより、裏面48b側に平面部が存在しないようにした点は第3の実施形態と同様であるが、図8(b)に示すように貫通孔47の内形形状が正六角形で形成されており、貫通孔47の形状が六角錐台に形成されている、いわゆるハニカム構造と呼ばれる形状である。本実施形態においても第1の実施形態の図2のように裏面16bに平面部18が存在するような構成としても第1の実施形態とほぼ同様な効果が得られるが、本実施形態の図8(b)に示すように裏面48b側に平面部が存在しない構造とする方が有効な効果が得られ好ましい。また、本実施形態も半透過反射板48の光反射率及び光透過率が限りなく100%に近づくような大幅な効率向上効果をねらったものである。
【0058】
図2を用いて第1実施形態で前述したように、半透過反射板16の下面16b側に導光板8の下面8cと平行な光反射性を有する平面部18が存在する場合、バックライトより液晶表示パネル4の下偏光板4b側に放射される光の内、ある範囲の光は導光板8の下面8cに貼られた反射シート1の作用により、半透過反射板16の下面16bと反射シート1との間で反射を繰り返し、液晶表示パネル4側に照射されない損失分が必ず存在する。しかしながら本実施形態のように半透過反射板48の下面48b側の反射平面部をなくすことで、前述のように導光板8を介してのバックライトからの照射光は導光板8の下面8cと貫通孔47の内面47aとの間で反射を繰り返し、最終的には100%に限りなく近い光が液晶表示パネル4側へ照射される。すなわちバックライトの照射光の透過率は限りなく100%に近くなる。
【0059】
一方本実施形態においてはバックライトの照射光の透過率が極めて良好なので、段落「0049」で説明したように半透過反射板48の表面48aに形成する貫通孔47の小孔開口部47bの面積を例えば5〜10μm平方(h=5〜10μm)程度に極めて小さな寸法に形成可能である。しかしながら従来技術のスルーホ−ルの半透過反射板では、前述のように半透過反射板に形成する貫通孔の総面積を多くすればバックライト光源からの光の透過率は向上するが、表面での反射率は低下し、貫通孔の総面積を少なくすれば逆の状態になる問題があり、液晶表示装置の種類や用途に応じて、必要なバックライト光の透過率を確保するためには貫通孔の総面積を半透過反射板の反射面である表面の全面積の20〜50%の範囲に調整していた。これに対して、本実施形態の半透過反射板48では透過率の飛躍的向上により周囲の外光を反射する表面48a(反射面)に形成する貫通孔47の小孔開口部47bの総面積は数%以内で十分であるため、反射率も100%に近い性能が得られる。
【0060】
本実施形態における半透過反射板48の裏面48bの反射性を有する平面を除去して透過光を増やす作用は、導光板下面の反射面と貫通孔47の内面47aとのランダム反射を有効に利用したものであり、このランダム性が効率良く発生するという作用の点では貫通孔の形状が三角錐台や四角錐台のものよりは、正六角推台の方がより効率的と考えられる。また、貫通孔の内形形状が正六角形以上の多角形である半透過反射板においても、半透過反射板の裏面側の貫通孔の開口部内周が互いに重畳する位置に配置され、半透過反射板の裏面に平面が存在しない場合には、当然同様な効果が得られるが、実際に半透過反射板を製作する技術や方法を考慮すれば三角錐台、四角推台あるいは正六角推台が好ましい。尚、本実施形態においても第1の実施の形態の製造方法が適用可能である。
【0061】
(第6の実施の形態)
本発明の第6の実施形態における半透過反射板を図9、図10に示す。図9(a)は本実施形態における半透過反射板を示す部分拡大断面図であり、図9(b)は図9(a)の半透過反射板の裏面(矢印Y方向)から見た平面図である。第1の実施形態から第5の実施形態においては、半透過反射板に配列されている貫通孔は、全て同一形状であったが、本実施形態の半透過反射板は内形形状の異なる2種類の貫通孔が配置されている点が異なっており、その他は第5の実施形態と同様であり説明を省略する。尚、図10は、本実施形態おける他の例を示したもので、貫通孔の内形形状が円形等の曲線で構成されている2種類の貫通孔が配置されている例を示したものである。以下図面に基づいて説明する。
【0062】
本実施形態における半透過反射板76は、第1の貫通孔72と、内形形状が異なる第2の貫通孔74とが組み合わされて交互に配置されている。前記第1、第2の貫通孔72、74は、半透過反射板76の表面76a側から裏面76b側に向かって内形形状が漸次拡大するテーパ形状である点は、第5の実施形態と同様である。又、本実施形態における半透過反射板76は、図9(b)に示すように第1の貫通孔72の内形形状は正四角形で形成されており、貫通孔72の形状が正四角錐台に形成されている。また、第2の貫通孔74の内形形状は正八角形で形成されており、貫通孔74の形状が正八角錐台に形成されている。更に、前記半透過反射板76の裏面76bにおける第1の貫通孔72の開口部72cの内周73の全周が、隣接する第2の貫通孔76の開口部76cの内周の一部と互いに重畳する位置に配列されている。この時、第1の貫通孔72の内形形状である正四角形の一辺の長さと第2の貫通孔74の内形形状である正八角形の一辺の長さとは等しく設定されている。これによって前記半透過反射板76の裏面76b側に平面部が存在しない構造とする事ができ、半透過反射板76の光反射率及び光透過率が限りなく100%に近づくような大幅な光の利用効率向上効果を実現することができる。
【0063】
前述したように、第1の実施形態から第5の実施形態においては、半透過反射板に配列されている貫通孔は、全て同一形状である。この場合、第2の実施形態で説明したように、半透過反射板26の貫通孔24の内形形状が円形の場合は、裏面26bにおける貫通孔24の開口部内周25の一部を隣接する他の貫通孔の開口部内周の一部と互いに重畳する位置に配列しても図5(b)に示すように、必ず隙間状の平面部Kが存在するため平面部をゼロにすることは不可能である。また、第3から第5の実施形態のように貫通孔の内形形状が多角形の場合において、半透過反射板の裏面における貫通孔の開口部内周を互いに重畳する位置に配列しても、隙間状の平面部が存在し半透過反射板の裏面側の平面部をゼロにすることが不可能な場合がある。例えば、貫通孔の内形形状が正五角形や、正八角形の場合等がこれに相当する。これに対して本実施形態における半透過反射板76のように、内形形状が異なる第1の貫通孔72と第2の貫通孔74とを組み合わせて交互に配置することにより半透過反射板の裏面より平面部を無くすることができ、より多くの貫通孔の内形形状に対応が可能となる。
【0064】
尚、本実施形態における液晶表示装置の半透過反射板76の各部の寸法の一例を以下に示す。例えば、半透過反射板76の板厚tが0.1mm、第1の貫通孔72の開口角Rを30゜、半透過反射板76の表面76a側の第1の貫通孔72の小孔開口部72bの開口寸法cを10μmとした場合、裏面76b側の第1の貫通孔72の開口部72cの内周を形成する稜線間隔wはおよそ70μmとなる。また、第2の貫通孔74の開口角θを60゜とした場合、半透過反射板76の表面76a側の第2の貫通孔74の小孔開口部74b開口寸法hは30μm程度で、裏面76b側の第2の貫通孔74の開口部74cの内周を形成する稜線間隔Sは、150μm程度となる。従って、本実施形態のように、内形形状が異なる2種類の貫通孔を組み合わせて配置する場合においても、半透過反射板76の表面76a側の第1、第2の貫通孔の小孔開口部72b、74bの総面積は、半透過反射板76の表面76a側の総面積の3.5%程度と非常に少なく、外光の反射率が格段に向上する。
【0065】
図10は、本実施形態おける他の例として、貫通孔の内形形状が円形等の曲線で構成されている2種類の貫通孔が配置されている例を示したものである。図10(a)は半透過反射板を示す部分拡大断面図であり、図10(b)は図10(a)の半透過反射板の裏面(矢印Y方向)から見た平面図である。図10に示すように、半透過反射板96の第1の貫通孔92の内形形状は円形で形成されており、第2の貫通孔94の内形形状が四つの凹状の円弧で囲まれた形状をなしている点が図9に示した半透過反射板76と異なっており、その他は同様である。図10に示すように、第1、第2の貫通孔92、94の内形形状が円形等の曲線で形成されている場合においても、本実施形態のように、形状の異なる2種類の貫通孔を組み合わせて配置することにより、半透過反射板の裏面の平面部を無くすることが可能となる。
【0066】
以上述べたように、半透過反射板に配列されている同一形状の貫通孔を半透過反射板の裏面における貫通孔の開口部内周を互いに重畳する位置に配列しても平面部をなくすことが不可能である場合の貫通孔の内形形状においても、本実施形態のように、内形形状の異なる2種類の貫通孔を組み合わせて配置することにより、半透過反射板の裏面の平面部を無くすることが可能となる。また、本実施形態における半透過反射板76、96においても、第5の実施形態と同様に、外光の反射率およびバックライト光の透過率共に限りなく100%に近づけることができる。また、本実施形態における貫通孔72、74、92、94の製造方法も第1の実施の形態で説明した方法がそのまま適用可能である。
尚、本実施形態においては、半透過反射板に内形形状が異なる2種類の貫通孔が配置されている例で説明したが、3種類以上の貫通孔が配置されていても同様の効果が得られるが、貫通孔の製造コストを考慮すると、2種類程度が好ましい。
【0067】
(第7の実施の形態)
本発明の第7の実施形態における半透過反射板を図11に示す。図11は本実施形態における半透過反射板56を示す部分拡大断面図である。第1の実施形態から第6の実施形態においては、半透過反射板の貫通孔の縦断面における内壁形状がテーバ状に形成されている例で説明したが、本実施形態においては、半透過反射板56に形成されている貫通孔54の縦断面における内壁形状が凹曲線状に形成されていることに特徴があり、半透過反射板56の表面56a側から裏面56b側に漸次拡大する形状となっている点は第1の実施形態と同様である。尚、前記貫通孔54の内形形状は第1から第6の実施の形態で説明した全ての形状が適用可能であるので内形形状を示す図は省略する。
【0068】
本実施形態においても前記半透過反射板56の裏面56bにおける貫通孔54の開口部54cの内周の全周が、隣接する他の貫通孔の開口部内周の一部と互いに重畳する位置に配列することにより、半透過反射板56の裏面56b側の反射性を有する平面部を除去すれば光透過率、光反射率共に良好な結果となることは第2から第6の実施形態と同様であるが、第1の実施形態と同様に半透過反射板56の厚みt、その他の制約により、裏面56b側に平面部が存在する形状となっても従来のストレートなスルーホールに比較すれば良好な光利用効率が得られる。
【0069】
本実施形態では貫通孔54の縦断面形状が図11に示すように凹曲線状の形状をなしており、貫通孔54の凹曲線状の内面54aに照射された光線は、矢印L、Mで示すように光線が当たった凹曲線上の点の法線に対し入射角と同一角度で反射される。従って第1の実施形態から第6の実施形態に示したストレートなテーパ形状を有する貫通孔の内面に比較し、より多くの入射角の光を反射するため、バックライト光の透過効率は第1から第6の各実施形態のストレートなテーパ形状に形成された貫通孔よりもより良好となる。また、外光の反射効率は反射面仕上げが同一な場合、半透過反射板56の表面56aにおける貫通孔の小孔開口部54bの総面積により決定されるので、本実施形態では無関係のように思われるが、透過率が効率的となる分、表面56aにおける貫通孔の小孔開口部54bの開口寸法hを小さくすることも可能なので、透過率とのバランスを考慮しながら反射率を向上させることも可能である。
【0070】
本実施形態での半透過反射板56の製造方法も第1の実施の形態と同様な方法が適用可能であるが、プレスなどの機械加工の場合、塑性変形しにくい材料では曲面を形成しにくいので銅、黄銅、アルミニウムなどが好ましい。金、銀等の高反射部材15を表面56aや貫通孔54内径部にメッキ、蒸着等の手段により形成したり、これらの表面状態を良好に仕上げることにより反射効率をより高めることが可能である点は第1より第6の実施形態と同様である。
【0071】
(第8の実施の形態)
本発明の第8の実施形態における半透過反射板を図12に示す。図12は本実施形態における半透過反射板66を示す部分拡大断面図である。本実施の形態は半透過反射板66に形成された貫通孔64の縦断面形状が第7の実施形態とは逆に凸曲線状に形成されている。その他の点については、第7の実施形態と同様であり説明を省略する。尚、貫通孔64の内形形状は第7の実施形態と同じく第1から第6の実施の形態で説明した全ての形状が適用可能であるので内形形状の図は省略する。
【0072】
本実施形態においても第7の実施形態同様に半透過反射板66の裏面66b側の反射平面部を無くすれば透過率、反射率共に良好な結果となることは第3から第6の実施形態と同様であるが、第7の実施形態と同様な制約等により、裏面66b側に平面部が僅かに存在しても従来のストレートなスルーホールに比較すれば良好な光効率が得られる点は第7の実施形態と同様である。
【0073】
本実施形態では貫通孔64の内面64aの縦断面形状は図12に示すように凸曲線状をなしている。第2の実施形態で説明したように、半透過反射板26の裏面26bに反射平面部が発生しないように、かつ貫通孔24の断面形状をストレートなテーパ形状で形成する場合、貫通孔24の開口角を60゜、表面26a側の貫通孔径hを10〜30μm、半透過反射板26の厚みtを0.2mmに設定すると貫通孔24の配置間隔はおよそ0.2mmと、かなり微細なピッチ間隔とせざるを得ない。板厚および開口角のいずれかに制約がある場合、裏面の反射平面部を除去することが困難になるが、本実施形態によれば図12に示すように貫通孔64の凸曲線状の縦断面形状を利用して、半透過反射板66の裏面66bに反射平面部を形成することなく、板厚tを必要以上に薄くさせることなく貫通孔64のピッチ間隔pを拡げることが可能で、半透過反射板66の表面66aにおける貫通孔の小孔開口部64bの総面積が増加して反射率が低下することを防止することが可能である。
【0074】
尚、本実施形態での半透過反射板66の製作方法、制約および注意項目についても第5の実施の形態とほぼ同様である。
【0075】
(第9の実施の形態)
本発明の第9の実施の形態について図13を中心に説明する。第1から第8までの実施の形態は半透過反射板の表面側、すなわち液晶表示装置側は高反射が形成された鏡面に近い反射面であった。本実施の形態では半透過反射板の表面に光拡散層を形成したものであり、半透過型液晶表示装置を反射光にて視認する際に表示の輝度ムラを低減させる目的で、液晶表示装置の下偏光板と半透過反射板との間に配設する光拡散板或いは光拡散シートを省略することを目的としている。従って本実施の形態は第1から第8までの全ての実施の形態に応用することができる。半透過反射板の製作方法は第1から第8の実施の形態のいずれにも適用できるので、本実施の形態の説明は光拡散層の形成について説明する。
【0076】
前記光拡散層の形成には幾つかの方法があるがここでは本願発明者が実験した特殊な設備、装置を必要としない簡便な方法について説明する。図13(a)ないし(c)は本実施の形態をあらわす断面図である。(a)では半透過反射板106の表(おもて)面に粘性が低く流動性に富む透明の接着剤、例えば2液混合タイプのエポキシ系接着剤であるセメダイン社のセメダイン1565(R)を塗布後、簡便には塗装用の刷毛等を用いて接着剤層を入念に拭き取る。粘性の低い接着剤を充分に拭き取っても実際には数μm、或いはそれ未満の被膜として半透過反射板の表(おもて)面に接着剤層101aが残る。この面に例えば直径が5μmのガラス、シリカ(SiO )などの透明なボール100を100μm平方内に20〜30個の目安で分散配置する。
【0077】
前記分散配置の手段としては例えば周知のフォトエッチング法によりボールの径より大きい小孔を上記ピッチ配分に形成した1種の金属膜のふるいを製作し、これを周知のスクリーン印刷法のスクリーンとして用い、この膜面上から前記ボール100をスキージにて膜全面を摺動させることにより容易に上記選択的分散配置が可能となる。このまま自然乾燥にて接着剤を硬化させ、ボールを固定しても良いが、80〜100℃の温度にて乾燥させると一旦接着剤層101aの粘性が更に低くなり、ボール100が半透過反射板76の表面により密着し、硬化速度も速まるなどの効果がが得られる。
【0078】
ボール100の役割は反射光を適度に撹乱反射することであり、ボール100の配置はピッチ方向にも高さ方向にも必ずしも正確に行われる必要はなく、適度にばらつくことで光拡散効果が高まる場合もある。ボール100が部分的に密着していても差し支えなく、二重、三重に重なっていても実用上は差し支えない。また、図13(a)の方法では接着剤硬化後、軽い衝撃を加えてふるい落とすことによって接着剤の付着していないボールは脱落するので上記問題は殆ど発生しない。
【0079】
半透過反射板は液晶表示装置に組み込まれた後は、摺動力などは加わらないので、図13(a)の方法でボール100の固着力は実用上十分であるが、衝撃や振動が常時加わる液晶表示機器に組み込む場合は、図13(b)に示すように、(a)の工程後、透明アクリル樹脂等からなるクリアラッカーを塗布し、保持膜101bを形成することが有効である。図13(b)のままでも十分光拡散孔かが得られるが、メッシュ600からメッシュ800程度のサンドペーパ等にて保持膜101bの表面を削り取り、図13(c)のような状態にすることで、光の反射、拡散効率が共に優れ、ボール100の固着力も優れた半透過反射板を提供できる。
【0080】
尚、本実施の形態では半透過反射板に形成された光透過光を光拡散部材が塞いでしまうとの問題が考えられるが、光拡散部材が原則的に透明のボール、透明の接着剤を使うために、透過光の量にはほとんど影響を及ぼさないことが実験により確認されている。
【0081】
次ぎに本実施の形態の他の一つの形態について説明する。半透過反射板の表(おもて)面に形成する光拡散層の一つの形成方法であり、同じく第1から第8の実施の形態の半透過反射板の全てに応用可能であるため、特に図面にての説明は省略する。第1の実施の形態に応用するとすれば図2(a)の半透過反射板16の表面16aに、高反射部材15を形成する前にサンドブラスト、ホーニング、エッチング等の手段によってメッシュ300からメッシュ600程度の微細な凹凸、いわゆる梨地状態とした後に高反射部材15を形成する。この高反射部材が形成された梨地面により光拡散効果が生じる。高反射部材15は前述のように金または銀メッキ層である。半透過反射板16が金属で形成されている場合、前記梨地の凹凸の粒度を容易に管理する面からはサンドブラスト法が適当であり、光の反射及び拡散の効率はガラスボール等を接着する方法に比して若干劣るが、光拡散層の形成方法としては簡便であり、経済的である。
【0082】
(第10の実施の形態)
本発明の第10の実施の形態について説明する。第1から第9までの実施の形態による半透過反射板は主として金属材料により製作する実施例として説明したが、本実施の形態では第1から第9までの実施の形態と同様な形状及び寸法のものを樹脂成形によって成形するものである。形状及び寸法はこれまでの実施の形態と同じであるので図による説明は省略する。厚みが0.3mm以上の半透過反射板ならば樹脂による成形が可能である。樹脂の種類としてはABS、エポキシなどのうちで無電解メッキが可能なグレードの材料が特に制限なく使用できる。但し、第9の実施の形態の、光拡散層を微細なボール状(ビーズ状)に形成する場合は透明樹脂により半透過反射板を成形し、ビーズ状の表面のみメッキなどの高反射部材を形成しない方が光拡散効率が優れる場合もある。
【0083】
本実施の形態による半透過反射板の製作方法によれば第1から第8の実施の形態の裏面が複雑な形状のものも射出成形により極めて安価に製作できる。また、高反射部材の表面への形成方法としては無電解メッキ法により銅、ニッケルなどの金属膜を0.5μm程度に形成した後に金属材料と同様に金、銀などのメッキ処理を0.1〜0.2μmに施すことが可能である。おもて面と裏面のメッキを異なるものにしたい場合はレジスト法によるマスキングメッキを行う事で可能である。さらに第9の実施の形態で説明した、おもて面への光拡散層の形成も同時に可能となるので、本実施の形態によれば諸特性の面で理想的な半透過反射板が極めて安価に生産可能である。
【0084】
また、各実施形態において、半透過反射板を導光板の上面に設ける例で説明したが、液晶表示パネルに設ける偏光板に積層する等、導光板から離して配置しても同様の効果を得ることができることは言うまでもない。。
【0085】
【発明の効果】
以上述べたように本発明の半透過反射板を用いた液晶表示装置は、半透過反射板に形成された複数の貫通孔を液晶表示パネルの下偏光板側からバックライト側に向け漸次拡大するテーパ状又は曲線形状に形成、且つ、前記半透過反射板のバックライト側の面(裏面)における貫通孔の開口部全内周が、該貫通孔に隣接する他の貫通孔の開口部内周の一部と重畳する位置に配列されているように形成することにより、半透過反射板のバックライト側の面(裏面)における貫通孔の開口部の総面積が液晶表示パネルの下偏光板側の貫通孔の総面積に比較し大幅に増加するため、半透過反射板の光の透過率、及び半透過反射板の下偏光板側の面(表面)での光の反射率の双方を向上させることに加え、半透過反射板の裏面側における導光板8の下面8cと平行な平面部をなくすことが出来る。これによって、バックライトから導光板内に照射された全ての光が貫通孔の内面と導光板の反射面との間でランダムに反射を繰り返し、最終的には限りなく100%に近い光が液晶表示パネル側に透過される。この結果、光透過率が向上し、半透過反射板の外光を反射する表面側に形成する貫通孔の小孔開口部の総面積を従来のストレートタイプのスルーホールと比べ10分の1以下に減らすことが可能となり、外光反射率も大幅に向上させることが出来る。更に本発明の半透過反射板では輝度ムラの拡散が促進されるため、光拡散板或いは光拡散シートが多くの場合不要となる。
【0086】
また、前記半透過反射板において同一形状の貫通孔を配置した場合に、裏面側の平面部をなくすことが出来ない内形形状の場合でも、半透過反射板に少なくとも2種類の内形形状の異なる貫通孔を交互に配列し、半透過反射板の裏面側におけるそれぞれの貫通孔の開口部の内周を互いに重畳する位置に配置することにより、半透過反射板の裏面側の平面部をなくすことが可能となり、より多くの内径形状の貫通孔に対応が可能となる。これによって用途の異なる様々の液晶表示装置に対して適応が可能となる。
また、前記半透過反射板の貫通孔の縦断面における内壁形状を曲線状に形成することにより、貫通孔を透過する光の透過率が一段と向上し、光の利用効率を更に向上させる事が出来る。
更に、前記半透過反射板の表面、裏面、貫通孔の内面に光反射性の高い高反射部材が形成されているため光利用効率が改善される。
【0087】
更に前記半透過反射板の液晶表示側の表面に光拡散層を形成することにより更に輝度ムラが改善され、従来別部品として組み込んでいた光拡散板或いは光拡散シートを省くことが可能となり組立効率が大幅に改善される。
更に、前記半透過反射板が0.3mm以上の場合は樹脂により射出成形が可能となり、諸特性に優れた半透過反射板を安価に提供することができる
【0088】
以上のように、本発明おける半透過反射板を用いた半透過タイプの液晶表示装置は、バックライト非点灯時およびバックライト点灯時の双方の照明輝度を向上させることが可能となる。特に携帯電話、時計などの小型で蓄電池電源により動作する液晶表示装置においては、光の利用効率が大きく改善され輝度を向上させることが出来ため、より大きい効果を得ることが出来る。
また、本発明の半透過反射板は光拡散シートの機能を併せ持たせることにより従来別部品であった光拡散シートを省略することができ、作業性の良好な液晶表示装置の提供を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態における半透過拡散板を組み込んだ液晶表示装置の断面図である。
【図2】 本発明の第1の実施形態における半透過反射板を示す部分拡大断面図で、図2(a)は、図1における半透過反射板のA部を示す部分拡大断面図であり、図2(b)は図2(a)における矢印Yの方向(半透過反射板の裏面側)から見た平面図である。
【図3】 本発明の第1の実施形態における半透過反射板の製造工程を示す断面図である。
【図4】 本発明の第1の実施形態における半透過反射板の他の製造工程を示す断面図である。
【図5】 本発明の第2の実施形態における半透過反射板を示し、図5(a)は半透過反射板を示す部分拡大断面図であり、図5(b)は図5(a)における矢印Yの方向(半透過反射板の裏面側)から見た平面図である。
【図6】 本発明の第3の実施形態における半透過反射板を示し、図6(a)は半透過反射板を示す部分拡大断面図であり、図6(b)は図6(a)における矢印Yの方向(半透過反射板の裏面側)から見た平面図である。
【図7】 本発明の第4の実施形態における半透過反射板を示し、図7(a)は半透過反射板を示す部分拡大断面図であり、図7(b)は図7(a)における矢印Yの方向(半透過反射板の裏面側)から見た平面図である。
【図8】 本発明の第5の実施形態における半透過反射板を示し、図8(a)は半透過反射板を示す部分拡大断面図であり、図8(b)は図8(a)における矢印Yの方向(半透過反射板の裏面側)から見た平面図である。
【図9】 本発明の第6の実施形態における半透過反射板を示し、図9(a)は半透過反射板を示す部分拡大断面図であり、図9(b)は図9(a)における矢印Yの方向(半透過反射板の裏面側)から見た平面図である。
【図10】 本発明の第6の実施形態における半透過反射板の他の例を示し、図10(a)は半透過反射板を示す部分拡大断面図であり、図10(b)は図10(a)における矢印Yの方向(半透過反射板の裏面側)から見た平面図である。
【図11】 本発明の第7の実施形態における半透過反射板を示す部分拡大断面図である。
【図12】 本発明の第8の実施形態における半透過反射板を示す部分拡大断面図である。
【図13】 本発明の第9の実施形態における半透過反射板を示す部分拡大断面図である。
【図14】 従来技術における半透過反射板を用いた液晶表示装置を示す断面図である。
【図15】 従来技術における半透過反射板を液晶表示パネルの下偏光板側から見た平面図である。
【図16】 図15におけるA−A断面の一部を示す半透過反射板の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1 下面反射シート
1a 開口部
2 枠体
2a 底部
2c 穴
2d、2e フック部
3 傾斜面反射シート
4 液晶表示パネル
4a 一対の透明基板
4b 下偏光板
4c 光拡散板
5 LED光源
6 半透過反射板
6a 半透過反射板の表面
6b 半透過反射板の裏面
7 基板
8 導光板
8a 傾斜面
8b 延長部
8c 下面
8d 上面
9 実装部品
10、20 液晶表示装置
12 貫通孔
12a 貫通孔の内面
14、24、37、47、54、64、84 貫通孔
14a、24a、37a、47a、54a、64a 貫通孔の内面
14b、24b、37b、47b、54b、64b 小孔開口部
14c、24c、37c、47c、54c 開口部
15 高反射部材
16、26、38、48、56、66、76、86、96、106 半透過反射板
16a、26a、38a、48a 56a、66a、76a、86a 表面
16b、26b、38b、48b 56b、66b、76b、86b 裏面
18 半透過反射板の裏面側の平面部
31 金属板
32 フォットレジスト
33 フォットマスク
34 レジスト露光部
35 レジスト
36 メッキ(電鋳)層
36a 微細孔
36b メッキ(電鋳)層の小径側の面
41 上型
41a スライド穴
42 下型
42a 下型の逃げ穴
43 パンチ
43a パンチの円錐形状部
43b パンチの先端
44 板材
44a テーパ形状
44b 下端部
44c はみ出し部
44d
45 カッター
46 矢印
72、92 第1の貫通孔
72b 第1の貫通孔の小孔開口部
72c 第1の貫通孔の開口部
74,94 第2の貫通孔
74b 第2の貫通孔の小孔開口部
74c 第2の貫通孔の開口部
100 微小ボール
101b、101c 保持膜

Claims (7)

  1. 対向面に透明電極を有する一対の透明基板と該透明基板の間に液晶層を狭持した液晶表示セルに対して観察者の反対側(裏側)に下偏光板を積層した液晶表示パネルと、該液晶表示パネルの下偏光板側にバックライトとを備え、前記液晶表示パネルに設ける下偏光板とバックライトとの間に複数の貫通孔を有する半透過反射板が形成されている液晶表示装置において、前記半透過反射板の貫通孔の縦断面における内壁形状が前記下偏光板側から前記バックライト側に向かって漸次拡大するテーパ形状又は曲線形状に形成され、且つ、前記半透過反射板のバックライト側の面(裏面)における貫通孔の開口部全内周が、該貫通孔に隣接する他の貫通孔の開口部内周の一部と重畳する位置に配列されていることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記半透過反射板は少なくとも2種類の内形形状の異なる貫通孔が配置されていることを特徴とする請求項記載の液晶表示装置。
  3. 前記半透過反射板の貫通孔の内形形状が曲線で形成されていることを特徴とする請求項に記載の液晶表示装置。
  4. 前記半透過反射板の貫通孔の内形形状が多角形であることを特徴とする請求項又は請求項に記載の液晶表示装置。
  5. 対向面に透明電極を有する一対の透明基板と該透明基板の間に液晶層を狭持した液晶表示セルに対して観察者の反対側(裏側)に下偏光板を積層した液晶表示パネルと、該液晶表示パネルの下偏光板側にバックライトとを備え、前記液晶表示パネルに設ける下偏光板とバックライトとの間に複数の貫通孔を有する半透過反射板が形成されている液晶表示装置において、前記半透過反射板の貫通孔の縦断面における内壁形状が前記下偏光板側から前記バックライト側に向かって漸次拡大するテーパ形状又は曲線形状に形成され、且つ、前記半透過反射板のバックライト側の面(裏面)における貫通孔の開口部内周の一部が、該貫通孔に隣接する他の貫通孔の開口部内周の一部と重畳する位置に配列されていることを特徴とする液晶表示装置。
  6. 前記半透過反射板は少なくとも2種類の内形形状の異なる貫通孔が配置されていることを特徴とする請求項5記載の液晶表示装置。
  7. 前記半透過反射板の下偏光板側の平面部に梨地状の微小凹凸である光拡散手段が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
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