JP3887517B2 - 画像入力装置のシミュレーション装置およびシミュレーション方法 - Google Patents

画像入力装置のシミュレーション装置およびシミュレーション方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像入力装置のシミュレーション装置およびシミュレーション方法ならびにシミュレーション方法のプログラムを格納した記憶媒体に関し、特にフラットベットスキャナの開発設計評価に有効な画像入力装置のシミュレーション装置およびシミュレーション方法ならびにシミュレーション方法のプログラムを格納した記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像入力装置であるフラットベットスキャナの開発設計時において、通常、フラットベットスキャナの各構成要素(光学、機械、電気、ソフトウェア)ごとに専門の開発設計部門が存在し、各構成要素ごとに設計仕様が作成される。これらに基づきフラットベットスキャナが開発設計される。
そうして、試作機が製作された段階で、はじめて実際に任意原稿に対する画像を取得し、画像入力の総合評価を行う。特に、画像処理を担当するソフトウェア設計者は、この段階で初めて試作機に最適な画像処理パラメータを設定することが多い。
【0003】
従来、予め光学系や電気回路の評価をし得るものとして、光学系では光学設計支援ツール等としての市販のソフトウェアがある。また、電気系では回路設計支援ツール等が市販されており、これらは、それぞれの開発部門で単独に使用されている。しかし、画像入力装置の光学、機械、電気、ソフトウェアの各構成要素を統合的にシミュレーションして出力画像を予測するツールは、一般には存在しない。そのため、実際には、フラットベットスキャナの光学、機械、電気、ソフトウェアの各構成要素に対する設計仕様は、各々の過去の事例などから設定する場合が多い。
【0004】
以上のように、従来は、画像入力装置の開発設計において、光学系単独、機械系単独、電気系単独及びソフトウェア単独の性能や特性をシミュレートできても、実際の製品の最終的な画像を精度良くシミュレーションすることは困難であった。むしろ、過去の設計事例や経験に頼ることの方が多かった。したがって、実際に設計の評価を行うためには、どうしても、画像入力装置の試作機を製作する必要があった。
【0005】
このように、例えば、フラットベットスキャナの画像処理ソフトウェア開発においては、製品が試作されない限り、開発対象の取得画像を事前に入手する方法はない。そのため、ソフトウェアの評価やパラメータの設定ができないので、開発期間の短縮や最適化が難しいという問題があった。
また、試作機を対象に取得画像を得る場合、任意の原稿に対して固有のバラツキを意図的に発生させるのは困難であるため、画像品質に直結するバラツキの除去を目的とした画像処理の効果を確認できないという問題があった。
【0006】
より高画質に画像を取得できるスキャナを意図した設計を行う場合、このように、任意の原稿画像に対して予め目標とする取得画像を決定し、前記取得画像を達成するためにスキャナを構成する各要素に対して設計仕様を算出することができないので、試作機で各構成要素の評価をするしかない。しかも設計値がクリアされていても画像品質が目標に達していなければ、試作が繰り返されることになり、このため、多くの開発時間とコストが費やされることになる。
一方、試作回数を削減することは、開発期間の短縮やコスト低減に大きく貢献できるが、設計変更を行った部分の効果の確認を、十分実施できないという問題が生じる。
【0007】
このような問題を解決するシミュレーション装置として、特願平7−151548のオリンパス光学工業:「電子撮像装置のシミュレーション方法及び装置」が既に提案されている。
この発明は、撮像素子と光学系と処理回路を有する電子撮像装置を対象にシミュレーションする方法および装置に関するもので、任意の被写体に対する取得画像の算出を行うことができる。
しかしながら、この発明でも原稿保持手段が走査することで2次元の画像を取得する機械動作を含んだ画像入力装置、例えば、フラットベットスキャナに対して、機械要素の影響まで含めて統合的にシミュレーションすることはできないという問題があった。また、任意の原稿に対して取込み画像のバラツキを意図的に発生させることはできないという問題もあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述のごとく、従来の画像入力装置のシミュレーション装置では、機械動作を含んだ画像入力装置に対して、機械要素の影響まで含めて統合的にシミュレーションすることは不可能であり、また、任意の原稿に対して取込み画像にバラツキを意図的に発生させて評価するということもできないという問題があった。
本発明は、このような問題点を鑑みてなされたものであり、画像入力装置の試作機を製作する以前に、光学系、機械系、電気系及び信号処理系を統合的に模擬実験を行い、精度良く製品の出力画像の品質予測をすることで、製品開発の試作回数を少なくし、製品化における開発期間及びコストを有効に削減できるとともに、画像入力装置の画像品質をより高画質にできるシミュレーション装置の実現を課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本発明は、被写体である原稿を保持する原稿保持手段と、この原稿保持手段に保持された前記被写体を1次元に撮像する光学系と、この光学系からの前記被写体像を受光する撮像素子と、前記原稿保持手段を1方向に走査して前記撮像素子上に前記被写体の2次元画像を形成させる走査手段とを有する画像入力手段と、前記画像入力手段の出力である前記撮像素子から出力される出力信号から画像信号を生成する信号処理手段とを有する画像入力装置を模擬するシミュレーション装置であって、前記画像入力手段を想定して前記光学系の特性および前記撮像素子の特性ならびに前記原稿保持手段の走査条件を任意の条件に設定する画像入力条件設定手段と、前記信号処理手段を想定して信号処理条件を任意の条件に設定する信号処理条件設定手段と、前記原稿保持手段に設置された前記被写体の光学特性を示す2次元配列データである理想画像を設定する理想画像設定手段と、前記光学系を介して前記理想画像設定手段が設定した理想画像から得られる前記撮像素子の直前の画像データを算出する撮像素子直前画像算出手段と、前記原稿保持手段を1方向に走査することによって、この撮像素子直前画像から前記撮像素子に取り込まれる入力画像を算出する入力画像算出手段と、この入力画像算出手段が算出した入力画像を、前記信号処理条件設定手段で信号処理条件が設定された信号処理手段によって信号処理した結果として生れる画像信号を生成する画像信号処理手段とを具備することを特徴とする。
【0010】
また、被写体である原稿を保持する原稿保持手段と、走行可能に設けられ、この原稿保持手段に保持された前記被写体を1次元に撮像する光学系と、この光学系からの前記被写体像を受光する撮像素子と、前記光学系を1方向に走査して前記撮像素子上に前記被写体の2次元画像を形成させる走査手段とを有する画像入力手段と、前記画像入力手段の出力である前記撮像素子から出力される出力信号から画像信号を生成する信号処理手段とを有する画像入力装置を模擬するシミュレーション装置であって、前記画像入力手段を想定して前記光学系の特性および前記撮像素子の特性ならびに前記光学系の走査条件を任意の条件に設定する画像入力条件設定手段と、前記信号処理手段を想定して信号処理条件を任意の条件に設定する信号処理条件設定手段と、前記原稿保持手段に設置された前記被写体の光学特性を示す2次元配列データである理想画像を設定する理想画像設定手段と、前記光学系を介して前記理想画像設定手段が設定した理想画像から得られる前記撮像素子の直前の画像データを算出する撮像素子直前画像算出手段と、前記光学系を1方向に走査することによって、この撮像素子直前画像から前記撮像素子に取り込まれる入力画像を算出する入力画像算出手段と、この入力画像算出手段が算出した入力画像を、前記信号処理条件設定手段で信号処理条件が設定された信号処理手段によって信号処理した結果として生れる画像信号を生成する画像信号処理手段とを具備することを特徴とする。
【0011】
さらに、被写体である原稿を保持する原稿保持手段と、この原稿保持手段に保持された前記被写体を1次元に撮像する光学系と、この光学系からの前記被写体像を受光する撮像素子と、前記光学系および前記撮像素子を含む走行体を1方向に走査して前記撮像素子上に前記被写体の2次元画像を形成させる走査手段とを有する画像入力手段と、前記画像入力手段の出力である前記撮像素子から出力される出力信号から画像信号を生成する信号処理手段とを有する画像入力装置を模擬するシミュレーション装置であって、前記画像入力手段を想定して前記光学系の特性および前記撮像素子の特性ならびに前記走行体の走査条件を任意の条件に設定する画像入力条件設定手段と、前記信号処理手段を想定して信号処理条件を任意の条件に設定する信号処理条件設定手段と、前記原稿保持手段に設置された前記被写体の光学特性を示す2次元配列データである理想画像を設定する理想画像設定手段と、前記光学系を介して前記理想画像設定手段が設定した理想画像から得られる前記撮像素子の直前の画像データを算出する撮像素子直前画像算出手段と、前記走行体を1方向に走査することによって、この撮像素子直前画像から前記撮像素子に取り込まれる入力画像を算出する入力画像算出手段と、この入力画像算出手段が算出した入力画像を、前記信号処理条件設定手段で信号処理条件が設定された信号処理手段によって信号処理した結果として生れる画像信号を生成する画像信号処理手段とを具備することを特徴とする。
【0012】
これらにより、とくに画像入力装置の実物を試作することなく、任意の被写体に対する画像入力装置から得られる画像信号を入手することができ、例えば、画像入力装置の画像処理のソフトウェア部分を事前に開発し、模擬実験した上でチューニングすることなどができるので、開発期間の短縮、ソフトウェア部分の品質向上を図ることができる画像入力装置のシミュレーション装置を実現することができる。
【0013】
また、被写体である原稿を保持する原稿保持手段と、この原稿保持手段に保持された前記被写体を1次元に撮像する光学系と、この光学系からの前記被写体像を受光する撮像素子と、前記原稿保持手段を1方向に走査して前記撮像素子上に前記被写体の2次元画像を形成させる走査手段とを有する画像入力手段と、前記画像入力手段の出力である前記撮像素子から出力される出力信号から画像信号を生成する信号処理手段とを有する画像入力装置の動作を模擬するシミュレーション方法であって、前記画像入力手段を想定して前記光学系の特性および前記撮像素子の特性ならびに前記原稿保持手段の走査条件を任意の条件に設定する画像入力条件設定工程と、前記信号処理手段を想定して信号処理条件を任意の条件に設定する信号処理条件設定工程と、前記原稿保持手段に設置された前記被写体の光学特性を示す2次元配列データである理想画像を設定する理想画像設定工程と、前記光学系を介して前記理想画像設定手段が設定した理想画像から得られる前記撮像素子の直前の画像データを算出する撮像素子直前画像算出工程と、前記原稿保持手段を1方向に走査することによって、この撮像素子直前画像から前記撮像素子に取り込まれる入力画像を算出する入力画像算出工程と、この入力画像算出工程が算出した入力画像を、前記信号処理条件設定工程で設定された信号処理条件によって信号処理した結果として生れる画像信号を生成する画像信号処理工程とを具備することを特徴とする。
【0014】
さらにまた、被写体である原稿を保持する原稿保持手段と、走行可能に設けられ、この原稿保持手段に保持された前記被写体を1次元に撮像する光学系と、この光学系からの前記被写体像を受光する撮像素子と、前記光学系を1方向に走査して前記撮像素子上に前記被写体の2次元画像を形成させる走査手段とを有する画像入力手段と、前記画像入力手段の出力である前記撮像素子から出力される出力信号から画像信号を生成する信号処理手段とを有する画像入力装置の動作を模擬するシミュレーション方法であって、前記画像入力手段を想定して前記光学系の特性および前記撮像素子の特性ならびに前記光学系の走査条件を任意の条件に設定する画像入力条件設定工程と、前記信号処理手段を想定して信号処理条件を任意の条件に設定する信号処理条件設定工程と、前記原稿保持手段に設置された前記被写体の光学特性を示す2次元配列データである理想画像を設定する理想画像設定工程と、前記光学系を介して前記理想画像設定手段が設定した理想画像から得られる前記撮像素子の直前の画像データを算出する撮像素子直前画像算出工程と、前記光学系を1方向に走査することによって、この撮像素子直前画像から前記撮像素子に取り込まれる入力画像を算出する入力画像算出工程と、この入力画像算出工程が算出した入力画像を、前記信号処理条件設定工程で設定された信号処理条件によって信号処理した結果として生れる画像信号を生成する画像信号処理工程とを具備することを特徴とする。
【0015】
さらにまた、被写体である原稿を保持する原稿保持手段と、この原稿保持手段に保持された前記被写体を1次元に撮像する光学系と、この光学系からの前記被写体像を受光する撮像素子と、前記光学系および前記撮像素子を含む走行体を1方向に走査して前記撮像素子上に前記被写体の2次元画像を形成させる走査手段とを有する画像入力手段と、前記画像入力手段の出力である前記撮像素子から出力される出力信号から画像信号を生成する信号処理手段とを有する画像入力装置の動作を模擬するシミュレーション方法であって、前記画像入力手段を想定して前記光学系の特性および前記撮像素子の特性ならびに前記走行体の走査条件を任意の条件に設定する画像入力条件設定工程と、前記信号処理手段を想定して信号処理条件を任意の条件に設定する信号処理条件設定工程と、前記原稿保持手段に設置された前記被写体の光学特性を示す2次元配列データである理想画像を設定する理想画像設定工程と、前記光学系を介して前記理想画像設定手段が設定した理想画像から得られる前記撮像素子の直前の画像データを算出する撮像素子直前画像算出工程と、前記走行体を1方向に走査することによって、この撮像素子直前画像から前記撮像素子に取り込まれる入力画像を算出する入力画像算出工程と、この入力画像算出工程が算出した入力画像を、前記信号処理条件設定工程で設定された信号処理条件によって信号処理した結果として生れる画像信号を生成する画像信号処理工程とを具備することを特徴とする。
【0016】
これらにより、とくに画像入力装置の実物を試作することなく、任意の被写体に対する画像入力装置から得られる画像信号を入手することができ、例えば、画像入力装置の画像処理のソフトウェア部分を事前に開発し、模擬実験した上でチューニングすることなどができるので、開発期間の短縮、ソフトウェア部分の品質向上などの効果が期待できる画像入力装置のシミュレーション方法を実現することができる。
【0017】
また、被写体である原稿を保持する原稿保持手段と、この原稿保持手段に保持された前記被写体を1次元に撮像する光学系と、この光学系からの前記被写体像を受光する撮像素子と、前記原稿保持手段を1方向に走査して前記撮像素子上に前記被写体の2次元画像を形成させる走査手段とを有する画像入力手段と、前記画像入力手段の出力である前記撮像素子から出力される出力信号から画像信号を生成する信号処理手段とを有する画像入力装置の動作のシミュレーションを実行するプログラムを格納した記憶媒体であって、前記画像入力手段を想定して前記光学系の特性および前記撮像素子の特性ならびに前記原稿保持手段の走査条件を任意の条件に設定する画像入力条件設定機能と、前記信号処理手段を想定して信号処理条件を任意の条件に設定する信号処理条件設定機能と、前記原稿保持手段に設置された前記被写体の光学特性を示す2次元配列データである理想画像を設定する理想画像設定機能と、前記光学系を介して前記理想画像設定手段が設定した理想画像から得られる前記撮像素子の直前の画像データを算出する撮像素子直前画像算出機能と、前記原稿保持手段を1方向に走査することによって、この撮像素子直前画像から前記撮像素子に取り込まれる入力画像を算出する入力画像算出機能と、この入力画像算出機能が算出した入力画像を、前記信号処理条件設定機能で設定された信号処理条件によって信号処理した結果として生れる画像信号を生成する画像信号処理機能とを具備するプログラムを格納することを特徴とする。
【0018】
また、被写体である原稿を保持する原稿保持手段と、走行可能に設けられ、この原稿保持手段に保持された前記被写体を1次元に撮像する光学系と、この光学系からの前記被写体像を受光する撮像素子と、前記光学系を1方向に走査して前記撮像素子上に前記被写体の2次元画像を形成させる走査手段とを有する画像入力手段と、前記画像入力手段の出力である前記撮像素子から出力される出力信号から画像信号を生成する信号処理手段とを有する画像入力装置の動作のシミュレーションを実行するプログラムを格納した記憶媒体であって、前記画像入力手段を想定して前記光学系の特性および前記撮像素子の特性ならびに前記光学系の走査条件を任意の条件に設定する画像入力条件設定機能と、前記信号処理手段を想定して信号処理条件を任意の条件に設定する信号処理条件設定機能と、前記原稿保持手段に設置された前記被写体の光学特性を示す2次元配列データである理想画像を設定する理想画像設定機能と、前記光学系を介して前記理想画像設定手段が設定した理想画像から得られる前記撮像素子の直前の画像データを算出する撮像素子直前画像算出機能と、前記光学系を1方向に走査することによって、この撮像素子直前画像から前記撮像素子に取り込まれる入力画像を算出する入力画像算出機能と、この入力画像算出機能が算出した入力画像を、前記信号処理条件設定機能で設定された信号処理条件によって信号処理した結果として生れる画像信号を生成する画像信号処理機能のプログラムを格納したことを特徴とする。
【0019】
さらにまた、被写体である原稿を保持する原稿保持手段と、この原稿保持手段に保持された前記被写体を1次元に撮像する光学系と、この光学系からの前記被写体像を受光する撮像素子と、前記光学系および前記撮像素子を含む走行体を1方向に走査して前記撮像素子上に前記被写体の2次元画像を形成させる走査手段とを有する画像入力手段と、前記画像入力手段の出力である前記撮像素子から出力される出力信号から画像信号を生成する信号処理手段とを有する画像入力装置の動作のシミュレーションを実行するプログラムを格納した記憶媒体であって、前記画像入力手段を想定して前記光学系の特性および前記撮像素子の特性ならびに前記走行体の走査条件を任意の条件に設定する画像入力条件設定機能と、前記信号処理手段を想定して信号処理条件を任意の条件に設定する信号処理条件設定機能と、前記原稿保持手段に設置された前記被写体の光学特性を示す2次元配列データである理想画像を設定する理想画像設定機能と、前記光学系を介して前記理想画像設定手段が設定した理想画像から得られる前記撮像素子の直前の画像データを算出する撮像素子直前画像算出機能と、前記走行体を1方向に走査することによって、この撮像素子直前画像から前記撮像素子に取り込まれる入力画像を算出する入力画像算出機能と、この入力画像算出機能が算出した入力画像を、前記信号処理条件設定機能で設定された信号処理条件によって信号処理した結果として生れる画像信号を生成する画像信号処理機能とを具備するプログラムを格納することを特徴とする。
【0020】
これらにより、とくに画像入力装置の実物を試作することなく、任意の被写体に対する画像入力装置から得られる画像信号を入手することができ、例えば、画像入力装置の画像処理のソフトウェア部分を事前に開発し、模擬実験した上でチューニングすることなどができるので、開発期間の短縮、ソフトウェア部分の品質向上などの効果が期待できる画像入力装置のシミュレーションプログラムを格納した記憶媒体を実現することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるシミュレーション装置、シミュレーション方法、シミュレーションプログラムを添付図面を参照にして詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明のシミュレーション装置の第1の実施の形態について、そのシミュレーション対象となる画像入力装置であるフラットベットスキャナの一例の概略構成図であり、図2は、このフラットベットスキャナの側面から見た断面構成図である。
【0023】
原稿6はコンタクトガラス7上に設置され、ランプ8の光、及び、ランプ8の光を受けたリフレクター9の光が、レンズ2を介して原稿6の撮像領域10に照射され、その反射光が、折り返しミラー11を介してレンズ2によって1次元撮像素子1の表面に結像され、これにより、1次元撮像素子1は撮像領域10の画像を1次元的に取得する。
走行体3は、モータ4による駆動を伝達手段5を通じて受け、コンタクトガラス7面において撮像領域10への光の入射方向とは垂直の方向に走行する。コンタクトガラス7面に対するレンズ2の結像位置が1次元撮像素子1の表面になる状態を保ちながら走行することで、コンタクトガラス7上にある原稿6の画像を1次元撮像素子1にて2次元的に取得することができる。
【0024】
通常、撮像素子1として1次元CCDが用いられ、レンズ2はコンタクトガラス7面の画像を縮小して1次元撮像素子1上に結像し、光学系は縮小光学系を形成している。つまりCCDの画像解像度と、フラットベットスキャナ自身の持つ画像解像度は一致しない。
通常フラットベットスキャナの画像解像度はDPI(ドット/inch)で表され、300〜800DPI程度が大半である。
【0025】
次に、シミュレーション装置の動作を説明する。図4はシミュレーション装置の基本的な処理動作のイメージ図であり、図5は処理動作のフローチャートである。また、図3は後で述べる理想画像の例である。
最初に理想画像とする被写体を選定する。これ以降の説明は基本的に被写体が2次元画像であると想定して説明する。被写体と、被写体が写真原稿であれば例えば高解像度スキャナなどで読み取ったデータなどである2次元データ配列を理想画像とする。また印刷原稿であれば高解像度スキャナで読み取っても良いし、印刷時のデジタル信号でも良い。また、特定パターンによる画像であればソフトウェア上で作成しても良い。図3に示すように光学特性を表すデジタルデータは、例えば反射率などである。この分光波長特性は被写体がモノクロ画像であればフラットである。
【0026】
最初に基本的な処理の流れを図4のイメージ図と、図5のフローチャートで説明する。
最初にシミュレーション条件設定工程として、光学系、撮像素子及び原稿保持手段走査条件設定工程(ステップ101)および信号処理条件設定工程(ステップ102)をそれぞれ単独で実行する。これらは一連のシミュレーション処理動作の中で実施しても良いが、特に複数回シミュレーションを連続して実施する場合などでは、特に条件を変えなければ毎回実施しなくても良い構成とする。
次にシミュレーション工程として、理想画像21を入力として、理想画像設定工程(ステップ103)と、光学系、撮像素子及び原稿保持手段走査条件設定工程(ステップ101)にて設定された条件に従って光学系22によって撮像素子直前画像23を出力する撮像素子直前画像算出工程(ステップ104)と、さらに光学系、撮像素子及び原稿保持手段走査条件設定工程(ステップ101)にて設定された条件に従って1次元撮像素子24によって入力画像25を出力する撮像素子入射画像算出工程(ステップ105)と、信号処理条件設定工程(ステップ102)にて設定された条件に従って画像信号26を生成する信号処理工程(ステップ107)を実行する。
ここで、撮像素子直前画像算出工程(ステップ104)と、撮像素子入射画像算出工程(ステップ105)とを合わせて入力画像算出工程(ステップ105)とする。
【0027】
次に、図6の処理イメージ図に沿って、理想画像21から撮像素子直前画像23を算出する方法について説明する。
本実施の形態のシミュレーション装置が対象としている画像入力装置は原稿保持手段が走査することで2次元の画像を取得している。
したがって、単純に理想画像21から光学系22を介した撮像素子直前画像23をPSF(Point Spread Function )等を利用して算出するわけではない。
撮像素子直前画像23内で1次元撮像素子と同一方向の注目画像列1を算出する場合、その時点で原稿保持手段で走査中の理想画像21を想定する。光学系22の構成要素である光源32から照射された1次光33が理想画像21の各画素に到達して、ここで反射してきた2次光34が、撮像素子直前画像23上に到達する。ここで、撮像素子直前画像23の各画素ごとにPSFを算出し、これに対して畳み込み積分を実行することで、注目画像列31内の各画素データを順次算出して行く。
【0028】
注目画像列31を算出する場合、特に理想画像21全域からPSF等によって算出するのではなく、注目画像列31に対応する理想画像21内の中心画像列35と、その近辺の画像から簡易的に算出しても良い。中心画像列35を決定するのには注目画像列31を起点とするRay Trace(光線追跡)手法などを用いる。つまり任意の光学系において任意の位置から発射してある位置に到達した光線は、その逆も成り立つことから、注目画像列31から出射した主光線が、理想画像21のどの座標に到達したかを計算すれば良い。少なくとも到達した位置に該当する画素データが、注目画素31の画像データを決定する最重要データであると考えて良いからである。さらにその範囲は注目画素31のデータに与える影響度を指標として決定する。
【0029】
本発明におけるシミュレーション対象の画像入力装置内の光学系に対して理想画像解像度が十分小さく、理想画像サイズも小さければ、前記の範囲を撮像素子直前画像23内の各注目画素31ごとに算出するのではなく、例えば撮像素子直前画像23中央で、その範囲を計算して、その値を全画像に適応しても良い。このような処理により、毎回各画素ごとに範囲を算出する計算処理を省くことができる。
【0030】
理想画像21の原稿保持手段による走査に関する条件設定項目は、走査速度等である。[1]
光学系22に関する条件設定項目は、以上の計算において必要な項目であり、例えば、レンズ面曲率半径やレンズ位置、レンズ間隔、レンズ屈折率、理想画像位置、撮像素子位置、光学系構成部材の分光透過率、光源の分光強度、撮像素子の分光感度等である。途中に設置するミラー等の光学特性を加えても良い。
撮像素子直前画像23の画像解像度は、理想画像21の画像解像度と本シミュレーションが対象としている画像入力装置固有の画像解像度とで成す比と、撮像素子直前画像23の画像解像度と撮像素子24の画像解像度とで成す比が一致する程度にする。[2]
【0031】
撮像素子直前画像23内の注目画像列31を算出した後、隣の列を算出するのに、[1]のデータと[2]の条件を用いて、となりの列までの経過時間を算出して、その経過時間分、原稿保持手段が走査した状態での計算を順次行うことで、2次元の撮像素子直前画像23を算出することができる。
計算例を以下に示す。
【0032】
Figure 0003887517
【0033】
次に、図7の処理イメージ図と、図8の取り込み範囲の説明図に沿って、撮像素子直前画像23から入力画像25を算出する方法について説明する。
撮像素子直前画像23を対象に1次元撮像素子24が1次元撮像素子24自身の長さ方向に垂直の方向に走査して、1次元撮像素子24内の各画素に入射する撮像素子直線画像データを累積することで、入力画像25を算出する。
撮像素子画素取り込み範囲41に入射する撮像素子直前画像23のデータは、走査方向44に走査している一瞬のデータではなく、1次元撮像素子24が画像入力する際に設定されているシャッター開放時間分に入射したデータの累積であり、1次元撮像素子方向ピッチ42と走査方向ピッチ43とが一致したとしても、撮像素子画素取り込み範囲41における各方向の長さの比は一定ではない。また、1次元撮像素子24における有効画素サイズによっても変わる。
撮像素子画素取り込み範囲41によって定義される入力画像25のデータはその範囲に相当する撮像素子直線画像23データの平均値で算出される。
1次元撮像素子24に関する条件設定項目は、画素サイズ、画素ピッチ、シャッター開放時間等である。
【0034】
次に、図9の処理イメージ図と、図10の処理フローチャートに沿って、入力画像25から画像信号26を生成する方法について説明する。
入力画像25と画像信号26は1対1の関係であり、その生成方法は基本的には1画素から1画素を算出することで成り立つ。ただし、本シミュレーションで想定している1次元撮像素子特性において、各画素ごとに溜まった電荷を転送する際に発生する転送効率を起因とする高周波成分の劣化や、撮像素子からの電気信号を受けて処理する回路における周波数特性などがシミュレーション上誤差となりうるレベルである場合、1次元の画素列単位で画像信号を算出する必要がある。
【0035】
次に、画像信号26の生成例を以下に示す。
注目する1画素の算出51を想定した場合、入射光量・電荷量変換テーブル52によって計算される入射光量→電荷量変換工程(ステップ201)を経てその画素の電荷量を算出し、本実施の形態で想定している1次元撮像素子24の画素1列分、もしくは注目画素両側周辺の各画素ごとの電荷量が算出された時点で、想定1次元撮像素子電荷転送特性53等を考慮して計算される注目画素列電荷量→出力画素列電荷量工程(ステップ202)を経て、出力電荷量を算出する。
ここで、想定1次元撮像素子電荷転送特性53は、例えば擬似的に表される平滑フィルターの方法であったり、特に注目画素列1列を取得した段階ではFFT処理を行い、想定1次元撮像素子電荷転送特性53である高周波成分の除去等を行った後、逆FFTを行って画素列を算出する方法なであったりする。
次に、A/D変換特性テーブル54によって計算される出力電荷量→デジタル値変換工程(ステップ203)を経て、その注目画素のデジタル値を算出し、これを入力画像26の全域に実施することで、画像信号27を生成することができる。
【0036】
次に、本発明の第2の実施の形態について述べる。
図11は、本発明のシミュレーション装置の第2の実施の形態について、そのシミュレーション対象となる画像入力装置であるフラットベットスキャナの一例の概略構成図であり、図12は、このフラットベットスキャナの側面から見た断面構成図である。
【0037】
原稿6はコンタクトガラス7上に設置され、ランプ8の光、及び、ランプ8の光を受けたリフレクター9の光がレンズ2を介して、原稿6の撮像領域10に照射され、その反射光が、走行体3−1および走行体3−2内に設けられた折り返しミラー11を介して折り返されて、さらにレンズ2によって1次元撮像素子1の表面に結像され、これにより、1次元撮像素子1は撮像領域10の画像を1次元的に取得する。
走行体3−1と走行体3−2は、モータ4による駆動を伝達手段5を通じて受け、コンタクトガラス7面において撮像領域10への光の入射方向と垂直の方向に走行する。コンタクトガラス7面に対するレンズ2の結像位置が、1次元撮像素子1の表面になる状態を保ちながら走行することで、コンタクトガラス7上にある原稿6の画像を1次元撮像素子1にて2次元的に取得することができる。
【0038】
本実施の形態の基本的な処理の流れは、第1の実施の形態について図4および図5で説明したものとほぼ同じである。ただし、本実施の形態では、光学系が走査を受け持っているので、図5に対応して図13に示したように、図5のステップ101の光学系、撮像素子及び原稿保持手段走査条件設定工程が光学系、撮像素子及び光学系走査条件設定工程(ステップ101−1)に置き換っている。
また、第1の実施の形態で原稿保持手段の走査に当たる記述を光学系の走査に置き換えれば、第1の実施の形態に対する説明が本実施の形態にそのまま当てはまる。
図3の光学系22の走査に関する条件には光学系22のある走査位置における光学特性なども含むことができる。走査位置に関するデータは光学系22の走査速度と経過時間で算出することができる。
【0039】
光学系22のある走査位置における光学特性について例を図14に示す。
これは、光学系22の走査位置ごとでのレンズ2と被写体間の距離を表しており、本シミュレーションが対象としている画像入力装置であるフラットベットスキャナなどにおいては、本来走査位置が変化しても距離は変わらないように設計されているが、これが微妙に変化している様子をもシミュレーションすることになる。
【0040】
次に、本発明の第3の実施の形態について述べる。
図15は、本発明のシミュレーション装置の第3の実施の形態について、そのシミュレーション対象となる画像入力装置であるフラットベットスキャナの一例の概略構成図であり、図16は、このフラットベットスキャナの側面から見た断面構成図である。
【0041】
原稿6はコンタクトガラス7上に設置され、ランプ8の光、及び、ランプ8の光を受けたリフレクター9の光が、レンズ2を介して原稿6の撮像領域10に照射され、その反射光が、走行体3内に設けられたレンズ2によって1次元撮像素子1の表面に結像され、これにより、1次元撮像素子1は撮像領域10の画像を1次元的に取得する。
走行体3は、モータ4による駆動を伝達手段5を通じて受け、コンタクトガラス7面において撮像領域10への光の入射方向とは垂直の方向に走行する。コンタクトガラス7面に対するレンズ2の結像位置が、1次元撮像素子1の表面になる状態を保ちながら走行することで、コンタクトガラス7上にある原稿6の画像を1次元撮像素子1にて2次元的に取得することができる。
【0042】
本実施の形態の基本的な処理の流れは、第1の実施の形態について、図4および図5で説明したものとほぼ同じである。ただし、本実施の形態では、レンズ2からなる光学系と1次元撮像素子1が収納された走行体3が走査を受け持っているので、図5に対応して図17に示したように、図5のステップ101の光学系、撮像素子及び原稿保持手段走査条件設定工程が光学系、撮像素子及び走行体走査条件設定工程(ステップ101−2)に置き換っている。
また、第1の実施の形態で原稿保持手段の走査に当たる記述を走行体の走査に置き換えれば、第1の実施の形態に対する説明が本実施の形態にそのまま当てはまる。
【0043】
次に、本発明の請求項10のシミュレーション装置の説明を図18に沿って説明する。請求項10のシミュレーション装置は一般にいわれるコンピュータであり、通常、パーソナルコンピュータ61を用いる。
パーソナルコンピュータ61は、内部にデータ記憶部とデータ演算部を持ち、画像やデータを表示するモニター62を有する。そうして、請求項1、請求項2および請求項3のシミュレーション装置内で扱う画像データをモニター62に表示する機能を有し、さらに各画像データをパーソナルコンピュータ61内のデータ記憶部に格納する機能を有している。一般に各画像データは汎用的な画像データ形式で、例えばTIFF形式などであり、本シミュレーション以外のアプリケーションプログラムを用いても観察や画像処理、操作が可能である。
【0044】
次に、本発明の請求項11のシミュレーション装置の説明を図19に沿って説明する。
請求項10に述べたシミュレーション装置に加えて画像入力部63を設けており、評価対象である画像入力装置64から出力される画像出力信号を受け取り、パーソナルコンピュータ61のデータ記憶部に格納する。
評価対象である画像入力装置64が単独で稼動するフラットベットスキャナの場合、その出力信号はSCSIやパラレルポートが一般的である。さらに評価対象である画像入力装直64が画像形成装置内の1ユニット、例えばデジタルPPCの画像入力部などである場合、専用の画像信号形式となる。
【0045】
次に、本発明の請求項12のシミュレーション装置の説明を図20に沿って説明する。
請求項12のシミュレーション装置においては、請求項10のシミュレーション装置にて説明した、データ記憶部65に格納された各画像データを用いて、シミュレーションを形成する各工程のうちの1つもしくは全部でない連続した複数の工程に対してシミュレーションを実行することが出来る。
理想画像設定工程(ステップ103)にて作成された理想画像21はデータ記憶部65に格納される。この理想画像21を対象に撮像素子直前画像算出工程(ステップ104)にて算出された撮像素子直前画像23は、同じくデータ記憶部65に格納される。また、撮像素子直前画像23を対象に撮像素子入射画像算出工程(ステップ105)にて算出された入力画像25は同じくデータ記憶部65に格納される。さらに、入力画像25を対象に信号処理工程(ステップ107)にて算出された画像信号26は同じくデータ記憶部65に格納される。
【0046】
第1の実施の形態では、光学系、撮像素子及び原稿保持手段走査条件設定工程(ステップ101)、第2の実施の形態では、光学系、撮像素子及び光学系走査条件設定工程(ステップ101−1)、第3の実施の形態では、光学系、撮像素子及び走行体走査条件設定工程(ステップ101−2)で、撮像素子直前画像算出工程(ステップ104)及び撮像素子入射画像算出工程(ステップ105)に必要な条件を設定する。
また、信号処理条件設定工程(ステップ102)で、信号処理工程(ステップ107)に必要な条件を設定する。
請求項12のシミュレーション装置においては、上記した各工程を任意に組み合わせてシミュレーションすることができる。したがって、例えば、光学系、撮像素子及び、原稿保持手段走査条件設定工程(ステップ101)で撮像素子入射画像算出工程(ステップ105)の条件を単独で変えながら、同一の撮像素子直前画像データ23を用いて、それぞれの条件での撮像素子入射画像算出工程(ステップ105)を経てそれぞれの条件における入力画像25を連続して算出することが可能である。
【0047】
次に、本発明の請求項13のシミュレーション装置の説明を図21および図22に沿って説明する。
特に、シミュレーション対象の画像入力装置が照明装置を持っていて、理想画像21を照明した状態を想定したシミュレーションを行う場合、特に照明の分光強度を特定できることから、請求項1、請求項2および請求項3の理想画像における光学特性値の算出において、以下の方法を用いることが出来る。
理想画像各画素の位置に相当する被写体の分光反射率71と、照明装置の分光強度72と、撮像素子の分光感度73と、光学系の分光透過率74から算出される総合分光感度75におけるピークを主波長76として、理想画像の光学特性値とする。
場合によっては、主波長76からある程度離れていて、ある程度の感度特性が得られる周辺波長77を選定して、これも合わせて理想画像の光学特性値とすることもできる。
【0048】
撮像素子直前画像算出工程(図5および図20のステップ104)においては、主波長76と周辺波長77の光強度データを用いてPSF計算を行い、さらに各波長の最終的に撮像素子に入射される光の相対強度を、撮像素子直前画像内各画素ごとで加算することで撮像素子直前画像を得る。
特に,照明装置内光源として、輝線成分の多い蛍光燈やキセノンランプなどが想定された場合、主波長76を単純に撮像素子の分光感度73などで決定すると、これが輝線波長を含まなかったとしたら、光学シミュレーション結果が実際の結果と異なってしまう可能性がある。さらに通常の分光データすべてを用いてPSF計算を実施した場合、計算量が膨大になる。
3波長タイプの蛍光燈を想定した蛍光燈の分光強度例81と、これに伴う上記操作を行つた結果の総合分光感度例82と、主波長例83と、周辺波長例84とを図22に示す。
【0049】
次に、本発明の請求項14のシミュレーション装置の説明を図23に沿って説明する。
請求項14のシミュレーション装置においては、被写体が特定の画像解像度を有し、本解像度による画像特性を本シミュレーションにて評価する場合などではその解像度の整数倍である画像解像度で理想画像を作成するようにする。
例えば、図23(a)の万線パターンは白黒の2値パターンであり、本シミュレーションの対象であるフラットベットスキャナの画像解像力評価などに用いる物である。本パターン解像度と前記フラットベットスキャナの画像解像度が整数比である場合、モアレが発生しやすくなり、MTFなどの光学特性を正しく評価できなくなるため、両者の画像解像度比は整数比ではない場合が多い。
【0050】
例えば、前記フラットベットスキャナが400DPIであれば評価に用いる万線パターン原稿の万線ピッチが400/√2などのものを用いる。
シミュレーション対象であるフラットベットスキャナの画像解像度の整数倍で理想画像を形成する場合、図23(b)の理想画像1のように、本来2値で表現される画像が多値になってしまい、正確に万線パターンを再現できない。
本発明における理想原稿は、対象とするフラットベットスキャナの画像解像度に関係なく、被写体の画像解像度の整数倍で理想画像を形成するため、図23(c)の理想画像2のように2値で画像が表現でき、正確に万線パターンを再現できる。
【0051】
次に、本発明の請求項15のシミュレーション装置について、図23に沿って説明する。
請求項15のシミュレーション装置においては、図23(a)の万線パターンのように、1方向に対してのみ固有の画像解像度を有している場合、その方向の画像解像度と別方向の画像解像度を一致させないようにする。シミュレーションにおいて特にその方向の画像解像度の評価を必要としない場合などにおいては、その方向の画像解像度を小さくする。
例えば万線パターン方向でない方向の画像解像度を相対的に落とした理想画像を図23(d)の理想画像3に示す。
【0052】
次に、本発明の請求項16のシミュレーション装置について、図24および図25に沿って説明する。
本発明のシミュレーション装置において、シミュレーション対象の画像入力装置における走査方向と異なる方向に2値の画像パターンがある、例えば、図24(a)の斜線パターンのような被写体の画像を想定した理想画像を作成する場合、走査方向と一致した状態で理想画像を作成すると、図24(b)の理想画像4のようになってしまい、本来、2値で表現できる画像を多値で表現したり、それを防ぐためには必要以上に理想画像の解像度を上げる必要が生まれる。
請求項16のシミュレーション装置では、斜線パターン領域91を内包し、斜線方向と同一方向に座標系を持つ、例えば図24(c)のような理想画像5(92)を作成する。
【0053】
そうして、走査方向に一致する座標系を(x、y)とすると、理想画像5(92)を被写体の画像の斜線方向と一致する方向である(u、v)座標基準に設置する。両者の成す角度は分かっていることから
【0054】
関数:(u、v)=f(x、y) (1)
を作成することができる。
【0055】
撮像素子直前画像23内の注目画素データを算出する場合、注目画素93を起点とする光線追跡94を行い、理想画像5(92)上に到達した点の(x、y)座標値を算出し、式1を使って(u、v)座標値を算出することで、注目画素93に対応する理想画像上の中心画像群95を求めることが出来る。
本シミュレーション装置においては、理想画像5(92)が撮像素子直前画像23に対して斜めになる座標系を許していることから、この場合、理想画像5(92)は撮像素子直前画像23に対して相対的に十分な画素数(サイズ)を有していなければならない。
【0056】
次に、本発明の請求項17のシミュレーション装置について、図26および図27に沿って説明する。
シミュレーション対象である画像入力装置において、走査に速度むらがある場合、一定の撮像素子の画像取り込みタイミングで実際に取り込まれる被写体の位置がそれぞれ等間隔にならなくなり、取得された画像信号品質の劣化となる。
特に定常的な速度むらがある場合、これをシミュレーション条件に入れていないと、実機とシミュレーション結果が一致しなくなる。
【0057】
請求項17のシミュレーション装置の画像入力条件設定機能にて走査速度の変動条件について条件設定する場合を説明する。
図26(a)の走査条件グラフIは、横軸を時間、縦軸を原稿保持手段の走査位置とする走査速度条件を表している。撮像素子直前画像23における、走査方向と直交する注目画素列101は、ある瞬間の理想画像21の位置におけるデータで算出され、撮像素子直前画像23はその注目画像列101を時間的に等間隔で連続して取得することで算出されるため、各時間における理想画像21の位置を図26(a)の走査条件グラフIを用いて定義することで、走査に速度むらがある状態の撮像素子直前画像23を算出することが出来る。
図26(a)の走査条件グラフIの縦軸を走査速度に置き換えて、図26(b)の走査条件グラフIIのように表しても良い。
以上の作業において、特に注目画像列101が変わるたびに走行体や理想画像21の位置を定義し直し、注目画像列101のデータを算出することで撮像素子直前画像23を作成するため、特にPSFなどの光学計算に大きな負担がかかり、長い演算時間がかかってしまう。これを解決するために、特に理想画像21の走査速度を固定した方法を以下に説明する。
【0058】
図27で、理想画像21が一定速度のもとで走査されていると仮定して、撮像素子直前画像23を算出し、これを読み取る撮像素子24の走査に対して走査速度の条件を加える。つまり、撮像素子24が読み取るタイミングを走査速度の条件によって変えるということである。ただし、この場合、理想画像や走行体基準で表されている走査条件を、撮像素子24の読取りタイミングに変更する必要がある。撮像素子直前画像23に対する走査方向44における撮像素子画素取り込み範囲41において、読取りタイミングは、走査方向画素ピッチ43の変化として表現され、各画素が取り込む画像範囲は走査速度が相対的に速い場合は、例1(102)のように、遅い場合は、例2(103)のように示される。
【0059】
各画素に入射する撮像素子直前画像23からの光の総量は、この画像範囲で囲った撮像素子直前画像23の該当の画素データすべての和の平均値となり、そのまま入力画像データ該当画素のデータとなる。ここで平均値なのは、あくまで各画素のシャッター速度は一定であり、そのシャッターが開いている間に該当する画像サイズが広いか狭いかの違いだからである。
以上の方法により、厳密には理想画像や走行体は、速度変動を含んだ走査をしていないが、それに近い状態を設定でき、かつ理想画像走査速度を固定して計算することで高速な演算処理を期待することができる。
【0060】
次に、本発明の請求項18のシミュレーション装置について、図28および図29に沿って説明する。
本シミュレーション装置が対象としている画像入力装置であるフラットベットスキャナでは、一般的に1次元CCDが撮像素子として使われており、その信号処理形式や素子特性から、その出力は入射光強度に対して各種ノイズ成分を含んだ形での信号出力であることが知られている。
例えば、CCD素子を奇数、偶数列で分けて信号出力する形式の場合、各列ごとのレベル差があったり、CCD素子そのもののノイズがあったりする。さらにこれらは、例えば、本シミュレーション装置が対象としているフラットベットスキャナの照明レベル等の因子で決定される信号GAINの設定により、そのノイズレベルが強弱することも知られている。図28(a)のノイズ−GAINグラフがその一例である。
【0061】
これを想定してシミュレーションする場合、固定されたノイズを画像信号に付加すると、シミュレーションとしては偏った結果しか算出できないことになる。すなわち、いつも同じ場所に同じレベルのノイズが乗った画像となってしまい、その影響度は常に一定になる。もちろん、実際の画像入力装置では、画像を入力するたびにノイズレベルやパターンは変化する。
そこで信号処理条件設定機能において、あるノイズ特性に対してノイズ量を設定でき、例えば、これを標準偏差値として正規分布状に乱数を発生させ、各画像信号にこれを付加することで、実機におけるノイズ発生を正確に再現できる。
【0062】
より詳しく信号処理手段を想定したシミュレーション方法を以下に示す。
図28(b)の1次元撮像素子1の注目画素93の感度特性は、例えば、図29の感度グラフで表される。
これが1画素ごとに異なるノイズをシミュレーションにおいて表現する場合、標準的な感度特性105を基本に、例えば、図29の感度グラフの入力側である入射光量で等間隔に、かつ全域をカバーする複数の制御点106を、スプライン曲線などの数学計算によって結ぶことで感度特性を決定するものとし、制御点106の出力側データに標準的な感度特性105を起点に、任意の標準偏差によって範囲を制限された乱数を付加して、これを画素ごとに設定することで、個々の画素の感度特性バラツキを表現することができる。
乱数発生結果を表すグラフを図28(c)の正規分布グラフに表す。基本的には0を中心とし、発生した結果が正規分布を示す乱数である。
例えば、CCD画素の奇数列と偶数列の感度差を表現する場合、その感度差を乱数で決定して、特に奇数偶数列感度差に影響ある感度域に該当する制御点106のデータのオフセット量としてこれを付加し、全画素に実施すれば良い。
【0063】
以上のシミュレーション結果から、乱数を発生させる請求項18のシミュレーション装置では、シミュレーション結果が毎回異なることになるため、シミュレーション方法としては請求項12のシミュレーション装置の機能を利用して、入力画像を信号処理機能毎に信号処理することで、画像信号を算出する工程を統計上十分な回数繰り返し実施することで、より現実的なシミュレーションを実行することが出来る。これにより、たまたま強いノイズが、画像品質に対して影響の大きい箇所に発生したり、またそうでない逆の場合などによる評価の失敗を無くすことができる。
【0064】
以上では、主として本発明のシミュレーション装置について説明を行ってきたが、これらのシミュレーション装置に用いられたシミュレーション方法、およびこのシミュレーション方法を実現するプログラムを格納した記憶媒体をも、本発明の対象とする物である。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明は、被写体である原稿を保持する原稿保持手段と、この原稿保持手段に保持された被写体を1次元に撮像する光学系と、この光学系からの被写体像を受光する撮像素子と、原稿保持手段を1方向に走査して撮像素子上に被写体の2次元画像を形成させる走査手段とを有する画像入力手段と、画像入力手段の出力である撮像素子から出力される出力信号から画像信号を生成する信号処理手段とを有する画像入力装置を模擬するシミュレーション装置であって、画像入力手段を想定して光学系の特性および撮像素子の特性ならびに原稿保持手段の走査条件を任意の条件に設定する画像入力条件設定手段と、信号処理手段を想定して信号処理条件を任意の条件に設定する信号処理条件設定手段と、原稿保持手段に設置された被写体の光学特性を示す2次元配列データである理想画像を設定する理想画像設定手段と、光学系を介して理想画像設定手段が設定した理想画像から得られる撮像素子の直前の画像データを算出する撮像素子直前画像算出手段と、原稿保持手段を1方向に走査することによって、この撮像素子直前画像から撮像素子に取り込まれる入力画像を算出する入力画像算出手段と、この入力画像算出手段が算出した入力画像を、信号処理条件設定手段で信号処理条件が設定された信号処理手段によって信号処理した結果として生れる画像信号を生成する画像信号処理手段とを設けたことを特徴とする。
【0066】
請求項2の発明は、被写体である原稿を保持する原稿保持手段と、走行可能に設けられ、この原稿保持手段に保持された被写体を1次元に撮像する光学系と、この光学系からの被写体像を受光する撮像素子と、光学系を1方向に走査して撮像素子上に被写体の2次元画像を形成させる走査手段とを有する画像入力手段と、画像入力手段の出力である撮像素子から出力される出力信号から画像信号を生成する信号処理手段とを有する画像入力装置を模擬するシミュレーション装置であって、画像入力手段を想定して光学系の特性および撮像素子の特性ならびに光学系の走査条件を任意の条件に設定する画像入力条件設定手段と、信号処理手段を想定して信号処理条件を任意の条件に設定する信号処理条件設定手段と、原稿保持手段に設置された被写体の光学特性を示す2次元配列データである理想画像を設定する理想画像設定手段と、光学系を介して理想画像設定手段が設定した理想画像から得られる撮像素子の直前の画像データを算出する撮像素子直前画像算出手段と、光学系を1方向に走査することによって、この撮像素子直前画像から撮像素子に取り込まれる入力画像を算出する入力画像算出手段と、この入力画像算出手段が算出した入力画像を、信号処理条件設定手段で信号処理条件が設定された信号処理手段によって信号処理した結果として生れる画像信号を生成する画像信号処理手段とを設けたことを特徴とする。
【0067】
請求項3の発明は、被写体である原稿を保持する原稿保持手段と、この原稿保持手段に保持された被写体を1次元に撮像する光学系と、この光学系からの被写体像を受光する撮像素子と、光学系および撮像素子を含む走行体を1方向に走査して撮像素子上に被写体の2次元画像を形成させる走査手段とを有する画像入力手段と、画像入力手段の出力である撮像素子から出力される出力信号から画像信号を生成する信号処理手段とを有する画像入力装置を模擬するシミュレーション装置であって、画像入力手段を想定して光学系の特性および撮像素子の特性ならびに走行体の走査条件を任意の条件に設定する画像入力条件設定手段と、信号処理手段を想定して信号処理条件を任意の条件に設定する信号処理条件設定手段と、原稿保持手段に設置された被写体の光学特性を示す2次元配列データである理想画像を設定する理想画像設定手段と、光学系を介して理想画像設定手段が設定した理想画像から得られる撮像素子の直前の画像データを算出する撮像素子直前画像算出手段と、走行体を1方向に走査することによって、この撮像素子直前画像から撮像素子に取り込まれる入力画像を算出する入力画像算出手段と、この入力画像算出手段が算出した入力画像を、信号処理条件設定手段で信号処理条件が設定された信号処理手段によって信号処理した結果として生れる画像信号を生成する画像信号処理手段とを設けたことを特徴とする。
【0068】
これらにより、特に画像入力装置の実物を製作することなく任意の被写体に対する画像信号を入手することができ、例えば、画像入力装置の画像処理ソフトウェア部分を事前に開発することができ、模擬実験を行ってチューニングできるので、開発期間の短縮、ソフトウェア部分の品質向上ができるという効果を有するシミュレーション装置を実現することができる。
【0069】
請求項4の発明は、被写体である原稿を保持する原稿保持手段と、この原稿保持手段に保持された被写体を1次元に撮像する光学系と、この光学系からの被写体像を受光する撮像素子と、原稿保持手段を1方向に走査して撮像素子上に被写体の2次元画像を形成させる走査手段とを有する画像入力手段と、画像入力手段の出力である撮像素子から出力される出力信号から画像信号を生成する信号処理手段とを有する画像入力装置の動作を模擬するシミュレーション方法であって、画像入力手段を想定して光学系の特性および撮像素子の特性ならびに原稿保持手段の走査条件を任意の条件に設定する画像入力条件設定工程と、信号処理手段を想定して信号処理条件を任意の条件に設定する信号処理条件設定工程と、原稿保持手段に設置された被写体の光学特性を示す2次元配列データである理想画像を設定する理想画像設定工程と、光学系を介して理想画像設定手段が設定した理想画像から得られる撮像素子の直前の画像データを算出する撮像素子直前画像算出工程と、原稿保持手段を1方向に走査することによって、この撮像素子直前画像から撮像素子に取り込まれる入力画像を算出する入力画像算出工程と、この入力画像算出工程が算出した入力画像を、信号処理条件設定工程で設定された信号処理条件によって信号処理した結果として生れる画像信号を生成する画像信号処理工程とを設けたことを特徴とする。
【0070】
請求項5の発明は、被写体である原稿を保持する原稿保持手段と、走行可能に設けられ、この原稿保持手段に保持された被写体を1次元に撮像する光学系と、この光学系からの被写体像を受光する撮像素子と、光学系を1方向に走査して撮像素子上に被写体の2次元画像を形成させる走査手段とを有する画像入力手段と、画像入力手段の出力である撮像素子から出力される出力信号から画像信号を生成する信号処理手段とを有する画像入力装置の動作を模擬するシミュレーション方法であって、画像入力手段を想定して光学系の特性および撮像素子の特性ならびに光学系の走査条件を任意の条件に設定する画像入力条件設定工程と、信号処理手段を想定して信号処理条件を任意の条件に設定する信号処理条件設定工程と、原稿保持手段に設置された被写体の光学特性を示す2次元配列データである理想画像を設定する理想画像設定工程と、光学系を介して理想画像設定手段が設定した理想画像から得られる撮像素子の直前の画像データを算出する撮像素子直前画像算出工程と、光学系を1方向に走査することによって、この撮像素子直前画像から撮像素子に取り込まれる入力画像を算出する入力画像算出工程と、この入力画像算出工程が算出した入力画像を、信号処理条件設定工程で設定された信号処理条件によって信号処理した結果として生れる画像信号を生成する画像信号処理工程とを設けたことを特徴とする。
【0071】
請求項6の発明は、被写体である原稿を保持する原稿保持手段と、この原稿保持手段に保持された被写体を1次元に撮像する光学系と、この光学系からの被写体像を受光する撮像素子と、光学系および撮像素子を含む走行体を1方向に走査して撮像素子上に被写体の2次元画像を形成させる走査手段とを有する画像入力手段と、画像入力手段の出力である撮像素子から出力される出力信号から画像信号を生成する信号処理手段とを有する画像入力装置の動作を模擬するシミュレーション方法であって、画像入力手段を想定して光学系の特性および撮像素子の特性ならびに走行体の走査条件を任意の条件に設定する画像入力条件設定工程と、信号処理手段を想定して信号処理条件を任意の条件に設定する信号処理条件設定工程と、原稿保持手段に設置された被写体の光学特性を示す2次元配列データである理想画像を設定する理想画像設定工程と、光学系を介して理想画像設定手段が設定した理想画像から得られる撮像素子の直前の画像データを算出する撮像素子直前画像算出工程と、走行体を1方向に走査することによって、この撮像素子直前画像から撮像素子に取り込まれる入力画像を算出する入力画像算出工程と、この入力画像算出工程が算出した入力画像を、信号処理条件設定工程で設定された信号処理条件によって信号処理した結果として生れる画像信号を生成する画像信号処理工程とを設けたことを特徴とする。
【0072】
これらにより、特に画像入力装置の実物を製作することなく任意の被写体に対する画像信号を入手することができ、例えば、画像入力装置の画像処理ソフトウェア部分を事前に開発することができ、模擬実験を行ってチューニングできるので、開発期間の短縮、当該ソフトウェア部分の品質向上などの効果が期待できるシミュレーション方法を実現することができる。
【0073】
請求項7の発明は、被写体である原稿を保持する原稿保持手段と、この原稿保持手段に保持された被写体を1次元に撮像する光学系と、この光学系からの被写体像を受光する撮像素子と、原稿保持手段を1方向に走査して撮像素子上に被写体の2次元画像を形成させる走査手段とを有する画像入力手段と、画像入力手段の出力である撮像素子から出力される出力信号から画像信号を生成する信号処理手段とを有する画像入力装置の動作のシミュレーションを実行するプログラムを格納した記憶媒体であって、画像入力手段を想定して光学系の特性および撮像素子の特性ならびに原稿保持手段の走査条件を任意の条件に設定する画像入力条件設定機能と、信号処理手段を想定して信号処理条件を任意の条件に設定する信号処理条件設定機能と、原稿保持手段に設置された被写体の光学特性を示す2次元配列データである理想画像を設定する理想画像設定機能と、光学系を介して理想画像設定手段が設定した理想画像から得られる撮像素子の直前の画像データを算出する撮像素子直前画像算出機能と、原稿保持手段を1方向に走査することによって、この撮像素子直前画像から撮像素子に取り込まれる入力画像を算出する入力画像算出機能と、この入力画像算出機能が算出した入力画像を、信号処理条件設定機能で設定された信号処理条件によって信号処理した結果として生れる画像信号を生成する画像信号処理機能とを具備するプログラムを格納することを特徴とする。
【0074】
請求項8の発明は、被写体である原稿を保持する原稿保持手段と、この原稿保持手段に保持された被写体を1次元に撮像する光学系と、この光学系からの被写体像を受光する撮像素子と、光学系を1方向に走査して撮像素子上に被写体の2次元画像を形成させる走査手段とを有する画像入力手段と、画像入力手段の出力である撮像素子から出力される出力信号から画像信号を生成する信号処理手段とを有する画像入力装置の動作のシミュレーションを実行するプログラムを格納した記憶媒体であって、画像入力手段を想定して光学系の特性および撮像素子の特性ならびに光学系の走査条件を任意の条件に設定する画像入力条件設定機能と、信号処理手段を想定して信号処理条件を任意の条件に設定する信号処理条件設定機能と、原稿保持手段に設置された被写体の光学特性を示す2次元配列データである理想画像を設定する理想画像設定機能と、光学系を介して理想画像設定手段が設定した理想画像から得られる撮像素子の直前の画像データを算出する撮像素子直前画像算出機能と、光学系を1方向に走査することによって、この撮像素子直前画像から撮像素子に取り込まれる入力画像を算出する入力画像算出機能と、この入力画像算出機能が算出した入力画像を、信号処理条件設定機能で設定された信号処理条件によって信号処理した結果として生れる画像信号を生成する画像信号処理機能とを具備するプログラムを格納することを特徴とする。
【0075】
請求項9の発明は、被写体である原稿を保持する原稿保持手段と、この原稿保持手段に保持された被写体を1次元に撮像する光学系と、この光学系からの被写体像を受光する撮像素子と、光学系および撮像素子を含む走行体を1方向に走査して撮像素子上に被写体の2次元画像を形成させる走査手段とを有する画像入力手段と、画像入力手段の出力である撮像素子から出力される出力信号から画像信号を生成する信号処理手段とを有する画像入力装置の動作のシミュレーションを実行するプログラムを格納した記憶媒体であって、画像入力手段を想定して光学系の特性および撮像素子の特性ならびに走行体の走査条件を任意の条件に設定する画像入力条件設定機能と、信号処理手段を想定して信号処理条件を任意の条件に設定する信号処理条件設定機能と、原稿保持手段に設置された被写体の光学特性を示す2次元配列データである理想画像を設定する理想画像設定機能と、光学系を介して理想画像設定手段が設定した理想画像から得られる撮像素子の直前の画像データを算出する撮像素子直前画像算出機能と、走行体を1方向に走査することによって、この撮像素子直前画像から撮像素子に取り込まれる入力画像を算出する入力画像算出機能と、この入力画像算出機能が算出した入力画像を、信号処理条件設定機能で設定された信号処理条件によって信号処理した結果として生れる画像信号を生成する画像信号処理機能とを具備するプログラムを格納することを特徴とする。
【0076】
これらにより、特に画像入力装置の実物を製作することなく任意の被写体に対する画像信号を入手することができ、例えば、画像入力装置の画像処理ソフトウェア部分を事前に開発することができ、模擬実験をおこなってチューニングできるので、開発期間の短縮、ソフトウェア部分の品質向上などの効果が期待できるプログラムを格納した記録媒体を実現することができる。
【0077】
請求項10の発明は、理想画像と、撮像素子直前画像と、入力画像と、画像信号との各画像信号をモニタ手段上に表示する画像表示手段と、各画像信号を記憶する画像信号記憶手段とを設けたことを特徴とする。
これにより、シミュレーション対象の画像入力装置内の各工程ごとの結果を表す画像データをそれぞれモニター上に表示し、さらにシミュレーション装置内に記憶することができるので、各工程ごとの画像品質における状態を目視して評価することができ、各工程ごとにおける画像品質に対する影響度を容易に判断することができるので、チューニングを迅速に行い、画像入力装置の品質向上が図れるという効果を有する。
【0078】
請求項11の発明は、シミュレーション対象である実際の画像入力装置から出力される、各画像信号に相当する実機画像信号を入力する実機画像信号入力手段と、この実機画像信号入力手段が入力する実機画像信号データを記憶する実機画像信号記憶手段とを具備し、画像表示手段は実機画像信号をモニター上に表示する機能を有することを特徴とする。
これにより、シミュレーション対象の画像入力装置から任意の被写体を対象として取得された画像信号を入力してモニター上に表示できるので、被写体に対応した理想画像と、画像入力装置に対応した条件に設定された画像入力手段と信号処理手段にて画像信号を生成して、これをモニター上に同時に表示して比較することで、本シミュレーション装置そのものの精度を容易に判断し、設定条件を最適化することにより、画像入力装置の品質向上ができるという効果を有する。
【0079】
請求項12の発明は、実機画像信号記憶手段に記憶された実機画像信号データを対象に、画像入力条件設定手段、信号処理条件設定手段、理想画像設定手段、撮像素子直前画像算出手段、入力画像算出手段、画像信号処理手段の各手段の内のいずれか、もしくは各手段中の連続した複数の手段を選択し、選択した各手段の動作をシミュレーションする選択シミュレーション手段を具備することを特徴とする。
これにより、記憶された理想画像、もしくは撮像素子直前の画像、もしくは入力画像を用いて、任意の1工程のみ、もしくは全部でない連続した複数の工程のみ、シミュレーションを行うことが出来るので、例えば、設定条件を変更した部分だけシミュレーションを実行することで、他の工程における演算時間を省くことが出来、短時間でのシミュレーションを実現することにより、画像入力装置の開発期間の短縮ができるという効果を有する。
【0080】
請求項13の発明は、模擬対象の画像入力装置が被写体を照明する照明手段を有する場合を想定して、画像入力手段の光学系の分光透過率と、画像入力手段の撮像素子の分光感度と、照明手段の分光特性と、理想画像想定の被写体の分光反射率とを設定し、理想画像の光学特性値を算出する光学特性値算出手段を具備することを特徴とする。
これにより、シミュレーション対象の画像入力装置において照明手段が含まれている場合、画像入力装置の光学系の分光透過率と、照明手段の分光特性と、画像入力装置の撮像素子の分光感度と、理想画像想定の被写体の分光反射率から、最も影響度が大きく、かつ限定した理想画像の光学特性値を算出することで、必要な精度を確保しつつ理想画像のデータ数を制限し、高精度かつ高速にシミュレーションすることにより、画像入力装置の品質向上、開発期間の短縮ができるという効果を有する。
【0081】
請求項14の発明は、被写体が固有の画像解像度を有している場合、理想画像設定手段は理想画像に被写体の整数倍の画像解像度を設定することを特徴とする。
これにより、対象とする被写体に固有の画像解像度がある場合、この解像度の整数倍で理想画像を生成するので、正確に被写体の画像を数値化することができ、高精度にシミュレーションすることができて、画像入力装置の品質向上を図ることができるという効果を有する。
【0082】
請求項15の発明は、理想画像設定手段は、理想画像を構成する直交する2方向の画像解像度を異ならせて設定することを特徴とする。
これにより、対象とする被写体に画像において特定方向に固有の画像解像度がある場合、この方向の解像度を整数倍とし、そうでない方向の画像解像度を任意に設定して理想画像を生成するので、必要な精度を確保しつつ理想画像のデータ数を制限でき、高精度かつ高速にシミュレーションすることにより、画像入力装置の品質向上ができるという効果を有する。
【0083】
請求項16の発明は、理想画像設定手段が設定する前記理想画像を構成する直交する2方向が、前記原稿保持手段の走査方向とは一致しないことを特徴とする。
これにより、理想画像の形成する座標系に対して、シミュレーション対象である原稿の走査方向と一致しなくても、座標変換機能を用いて両者の位置関係を算出することでシミュレーションすることができるので、例えば理想画像が対象とする被写体の画像が斜線である場合、特に理想画像の画像解像度を上げることで高精細にすることなく、斜線方向と座標系を一致させることで高精度に被写体の画像を理想画像に置き換えつつ理想画像のデータ数を制限でき、高精度かつ高速にシミュレーションすることにより、画像入力装置の品質向上ができるという効果を有する。
【0084】
請求項17の発明は、画像入力条件設定手段の走査条件に走査速度の変動成分を含めた条件を設定することを特徴とする。
これにより、シミュレーション対象である原稿の走査速度の変動を任意に設定してシミュレーションすることができるので、特に走査系の機械要素(例えば駆動モータや、伝達手段、構成部品の振動など)に対する画像品質への影響を予測することにより、画像入力装置の品質向上ができるという効果を有する。
【0085】
請求項18の発明は、信号処理条件設定手段は信号処理における雑音量を処理条件の1つとして設定し、信号処理手段は、乱数発生に基づく雑音成分を信号処理条件設定手段が設定した雑音量に応じて画像信号に付加することを特徴とする。
これにより、シミュレーション対象である画像入力装置の撮像素子、及び信号処理において発生するノイズ成分を、乱数を発生させてシミュレーションしているので、より実機に近い画像信号が得られ、同一条件で複数回シミュレーションを実行しても同一結果とはならないので、より統計的な発生確率として画像品質を評価することにより、ロバスト性が高まり、画像入力装置の品質向上ができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシミュレーション装置の一実施の形態のシミュレーション対象の画像入力装置の一例の構成図。
【図2】図1のシミュレーション対象の画像入力装置の断面図。
【図3】画像入力装置の入力対象である原稿の光学特性を示すディジタルデータを表す「理想画像」の一例を示す図。
【図4】本実施の形態における基本的な処理動作を示すイメージ図。
【図5】本実施の形態における基本的な処理動作のフローチャート。
【図6】本実施の形態における理想画像から撮像素子直前画像までの処理動作を示すイメージ図。
【図7】本実施の形態における撮像素子直前画像から入力画像までの処理動作を示すイメージ図。
【図8】本実施の形態における撮像素子直前画像からの撮像素子の取り込み範囲を示す図。
【図9】本実施の形態のシミュレーション装置における入力画像から画像信号までの処理動作を示すイメージ図。
【図10】本実施の形態における入力画像から画像信号までの処理動作のフローチャート。
【図11】本発明のシミュレーション装置の他の実施の形態のシミュレーション対象の画像入力装置の一例の構成図。
【図12】図11のシミュレーション対象の画像入力装置の断面図。
【図13】本実施の形態における基本的な処理動作のフローチャート。
【図14】本実施の形態の光学系の走査位置と光学特性の関係を示す図。
【図15】本発明のシミュレーション装置のさらに他の実施の形態のシミュレーション対象の画像入力装置の一例の構成図。
【図16】図15のシミュレーション対象の画像入力装置の断面図。
【図17】本実施の形態における基本的な処理動作のフローチャート。
【図18】請求項10に示す本発明のシミュレーション装置のさらに他の実施の形態の外観図。
【図19】請求項11に示す本発明のシミュレーション装置のさらに他の実施の形態の外観図。
【図20】請求項12に示す本発明のシミュレーション装置のさらに他の実施の形態のフローチャート。
【図21】請求項13に示す本発明のシミュレーション装置のさらに他の実施の形態での「理想画像」作成にかかわる光学特性のグラフ。
【図22】請求項13に示す実施の形態での「理想画像」作成にかかわる光学特性のグラフ。
【図23】請求項14および請求項15に示す本発明のシミュレーション装置のさらに他の実施の形態での「理想画像」の説明図。
【図24】請求項16に示す本発明のシミュレーション装置のさらに他の実施の形態での「理想画像」の説明図。
【図25】請求項16に示す実施の形態での理想画像から撮像素子直前画像までの処理動作を示すイメージ図。
【図26】請求項17に示す本発明のシミュレーション装置のさらに他の実施の形態での理想画像から入力画像までの処理動作を示すイメージ図。
【図27】請求項17に示す実施の形態での入力画像算出機能の説明図。
【図28】請求項18に示す本発明のシミュレーション装置のさらに他の実施の形態での信号ノイズ成分処理機能に関するイメージ図。
【図29】請求項18に示す実施の形態での信号ノイズ成分を含む感度特性の算出法を示す説明図。
【符号の説明】
1 1次元撮像素子
2 レンズ
3 走行体
3−1 走行体1
3−2 走行体2
4 モータ
5 伝達手段
6 原稿
7 コンタクトガラス
8 ランプ
9 リフレクター
10 撮像領域
11 折り返しミラー
21 理想画像
22 光学系
23 撮像素子直前画像
24 1次元撮像素子
25 入力画像
26 画像信号
31 注目画像列
32 光源
33 1次光
34 2次光
35 中心画像列
61 パーソナルコンピュータ
62 モニター
63 画像入力部
64 画像入力装置
65 データ記憶部
93 注目画素
95 中心画素群
101 注目画素列

Claims (18)

  1. 被写体である原稿を保持する原稿保持手段と、この原稿保持手段に保持された前記被写体を1次元に撮像する光学系と、この光学系からの前記被写体像を受光する撮像素子と、前記原稿保持手段を1方向に走査して前記撮像素子上に前記被写体の2次元画像を形成させる走査手段とを有する画像入力手段と、
    前記画像入力手段の出力である前記撮像素子から出力される出力信号から画像信号を生成する信号処理手段と、
    を有する画像入力装置を模擬するシミュレーション装置であって、
    前記画像入力手段を想定して前記光学系の特性および前記撮像素子の特性ならびに前記原稿保持手段の走査条件を任意の条件に設定する画像入力条件設定手段と、
    前記信号処理手段を想定して信号処理条件を任意の条件に設定する信号処理条件設定手段と、
    前記原稿保持手段に設置された前記被写体の光学特性を示す2次元配列データである理想画像を設定する理想画像設定手段と、
    前記光学系を介して前記理想画像設定手段が設定した理想画像から得られる前記撮像素子の直前の画像データを算出する撮像素子直前画像算出手段と、
    前記原稿保持手段を1方向に走査することによって、この撮像素子直前画像から前記撮像素子に取り込まれる入力画像を算出する入力画像算出手段と、
    この入力画像算出手段が算出した入力画像を、前記信号処理条件設定手段で信号処理条件が設定された信号処理手段によって信号処理した結果として生れる画像信号を生成する画像信号処理手段と、
    を具備することを特徴とする画像入力装置のシミュレーション装置。
  2. 被写体である原稿を保持する原稿保持手段と、走行可能に設けられ、この原稿保持手段に保持された前記被写体を1次元に撮像する光学系と、この光学系からの前記被写体像を受光する撮像素子と、前記光学系を1方向に走査して前記撮像素子上に前記被写体の2次元画像を形成させる走査手段とを有する画像入力手段と、
    前記画像入力手段の出力である前記撮像素子から出力される出力信号から画像信号を生成する信号処理手段と、
    を有する画像入力装置を模擬するシミュレーション装置であって、
    前記画像入力手段を想定して前記光学系の特性および前記撮像素子の特性ならびに前記光学系の走査条件を任意の条件に設定する画像入力条件設定手段と、
    前記信号処理手段を想定して信号処理条件を任意の条件に設定する信号処理条件設定手段と、
    前記原稿保持手段に設置された前記被写体の光学特性を示す2次元配列データである理想画像を設定する理想画像設定手段と、
    前記光学系を介して前記理想画像設定手段が設定した理想画像から得られる前記撮像素子の直前の画像データを算出する撮像素子直前画像算出手段と、
    前記光学系を1方向に走査することによって、この撮像素子直前画像から前記撮像素子に取り込まれる入力画像を算出する入力画像算出手段と、
    この入力画像算出手段が算出した入力画像を、前記信号処理条件設定手段で信号処理条件が設定された信号処理手段によって信号処理した結果として生れる画像信号を生成する画像信号処理手段と、
    を具備することを特徴とする画像入力装置のシミュレーション装置。
  3. 被写体である原稿を保持する原稿保持手段と、この原稿保持手段に保持された前記被写体を1次元に撮像する光学系と、この光学系からの前記被写体像を受光する撮像素子と、前記光学系および前記撮像素子を含む走行体を1方向に走査して前記撮像素子上に前記被写体の2次元画像を形成させる走査手段とを有する画像入力手段と、
    前記画像入力手段の出力である前記撮像素子から出力される出力信号から画像信号を生成する信号処理手段と、
    を有する画像入力装置を模擬するシミュレーション装置であって、
    前記画像入力手段を想定して前記光学系の特性および前記撮像素子の特性ならびに前記走行体の走査条件を任意の条件に設定する画像入力条件設定手段と、
    前記信号処理手段を想定して信号処理条件を任意の条件に設定する信号処理条件設定手段と、
    前記原稿保持手段に設置された前記被写体の光学特性を示す2次元配列データである理想画像を設定する理想画像設定手段と、
    前記光学系を介して前記理想画像設定手段が設定した理想画像から得られる前記撮像素子の直前の画像データを算出する撮像素子直前画像算出手段と、
    前記走行体を1方向に走査することによって、この撮像素子直前画像から前記撮像素子に取り込まれる入力画像を算出する入力画像算出手段と、
    この入力画像算出手段が算出した入力画像を、前記信号処理条件設定手段で信号処理条件が設定された信号処理手段によって信号処理した結果として生れる画像信号を生成する画像信号処理手段と、
    を具備することを特徴とする画像入力装置のシミュレーション装置。
  4. 被写体である原稿を保持する原稿保持手段と、この原稿保持手段に保持された前記被写体を1次元に撮像する光学系と、この光学系からの前記被写体像を受光する撮像素子と、前記原稿保持手段を1方向に走査して前記撮像素子上に前記被写体の2次元画像を形成させる走査手段とを有する画像入力手段と、
    前記画像入力手段の出力である前記撮像素子から出力される出力信号から画像信号を生成する信号処理手段と、
    を有する画像入力装置の動作を模擬するシミュレーション方法であって、
    前記画像入力手段を想定して前記光学系の特性および前記撮像素子の特性ならびに前記原稿保持手段の走査条件を任意の条件に設定する画像入力条件設定工程と、
    前記信号処理手段を想定して信号処理条件を任意の条件に設定する信号処理条件設定工程と、
    前記原稿保持手段に設置された前記被写体の光学特性を示す2次元配列データである理想画像を設定する理想画像設定工程と、
    前記光学系を介して前記理想画像設定手段が設定した理想画像から得られる前記撮像素子の直前の画像データを算出する撮像素子直前画像算出工程と、
    前記原稿保持手段を1方向に走査することによって、この撮像素子直前画像から前記撮像素子に取り込まれる入力画像を算出する入力画像算出工程と、
    この入力画像算出工程が算出した入力画像を、前記信号処理条件設定工程で設定された信号処理条件によって信号処理した結果として生れる画像信号を生成する画像信号処理工程と
    を具備することを特徴とする画像入力装置のシミュレーション方法。
  5. 被写体である原稿を保持する原稿保持手段と、走行可能に設けられ、この原稿保持手段に保持された前記被写体を1次元に撮像する光学系と、この光学系からの前記被写体像を受光する撮像素子と、前記光学系を1方向に走査して前記撮像素子上に前記被写体の2次元画像を形成させる走査手段とを有する画像入力手段と、
    前記画像入力手段の出力である前記撮像素子から出力される出力信号から画像信号を生成する信号処理手段と、
    を有する画像入力装置の動作を模擬するシミュレーション方法であって、
    前記画像入力手段を想定して前記光学系の特性および前記撮像素子の特性ならびに前記光学系の走査条件を任意の条件に設定する画像入力条件設定工程と、
    前記信号処理手段を想定して信号処理条件を任意の条件に設定する信号処理条件設定工程と、
    前記原稿保持手段に設置された前記被写体の光学特性を示す2次元配列データである理想画像を設定する理想画像設定工程と、
    前記光学系を介して前記理想画像設定手段が設定した理想画像から得られる前記撮像素子の直前の画像データを算出する撮像素子直前画像算出工程と、
    前記光学系を1方向に走査することによって、この撮像素子直前画像から前記撮像素子に取り込まれる入力画像を算出する入力画像算出工程と、
    この入力画像算出工程が算出した入力画像を、前記信号処理条件設定工程で設定された信号処理条件によって信号処理した結果として生れる画像信号を生成する画像信号処理工程と、
    を具備することを特徴とする画像入力装置のシミュレーション方法。
  6. 被写体である原稿を保持する原稿保持手段と、この原稿保持手段に保持された前記被写体を1次元に撮像する光学系と、この光学系からの前記被写体像を受光する撮像素子と、前記光学系および前記撮像素子を含む走行体を1方向に走査して前記撮像素子上に前記被写体の2次元画像を形成させる走査手段とを有する画像入力手段と、
    前記画像入力手段の出力である前記撮像素子から出力される出力信号から画像信号を生成する信号処理手段と、
    を有する画像入力装置の動作を模擬するシミュレーション方法であって、
    前記画像入力手段を想定して前記光学系の特性および前記撮像素子の特性ならびに前記走行体の走査条件を任意の条件に設定する画像入力条件設定工程と、
    前記信号処理手段を想定して信号処理条件を任意の条件に設定する信号処理条件設定工程と、
    前記原稿保持手段に設置された前記被写体の光学特性を示す2次元配列データである理想画像を設定する理想画像設定工程と、
    前記光学系を介して前記理想画像設定手段が設定した理想画像から得られる前記撮像素子の直前の画像データを算出する撮像素子直前画像算出工程と、
    前記走行体を1方向に走査することによって、この撮像素子直前画像から前記撮像素子に取り込まれる入力画像を算出する入力画像算出工程と、
    この入力画像算出工程が算出した入力画像を、前記信号処理条件設定工程で設定された信号処理条件によって信号処理した結果として生れる画像信号を生成する画像信号処理工程と、
    を具備することを特徴とする画像入力装置のシミュレーション方法。
  7. 被写体である原稿を保持する原稿保持手段と、この原稿保持手段に保持された前記被写体を1次元に撮像する光学系と、この光学系からの前記被写体像を受光する撮像素子と、前記原稿保持手段を1方向に走査して前記撮像素子上に前記被写体の2次元画像を形成させる走査手段とを有する画像入力手段と、
    前記画像入力手段の出力である前記撮像素子から出力される出力信号から画像信号を生成する信号処理手段と、
    を有する画像入力装置の動作のシミュレーションを実行するプログラムを格納した記憶媒体であって、
    前記画像入力手段を想定して前記光学系の特性および前記撮像素子の特性ならびに前記原稿保持手段の走査条件を任意の条件に設定する画像入力条件設定機能と、
    前記信号処理手段を想定して信号処理条件を任意の条件に設定する信号処理条件設定機能と、
    前記原稿保持手段に設置された前記被写体の光学特性を示す2次元配列データである理想画像を設定する理想画像設定機能と、
    前記光学系を介して前記理想画像設定手段が設定した理想画像から得られる前記撮像素子の直前の画像データを算出する撮像素子直前画像算出機能と、
    前記原稿保持手段を1方向に走査することによって、この撮像素子直前画像から前記撮像素子に取り込まれる入力画像を算出する入力画像算出機能と、
    この入力画像算出機能が算出した入力画像を、前記信号処理条件設定機能で設定された信号処理条件によって信号処理した結果として生れる画像信号を生成する画像信号処理機能と、
    を具備するプログラムを格納することを特徴とする記憶媒体。
  8. 被写体である原稿を保持する原稿保持手段と、走行可能に設けられ、この原稿保持手段に保持された前記被写体を1次元に撮像する光学系と、この光学系からの前記被写体像を受光する撮像素子と、前記光学系を1方向に走査して前記撮像素子上に前記被写体の2次元画像を形成させる走査手段とを有する画像入力手段と、
    前記画像入力手段の出力である前記撮像素子から出力される出力信号から画像信号を生成する信号処理手段と、
    を有する画像入力装置の動作のシミュレーションを実行するプログラムを格納した記憶媒体であって、
    前記画像入力手段を想定して前記光学系の特性および前記撮像素子の特性ならびに前記光学系の走査条件を任意の条件に設定する画像入力条件設定機能と、
    前記信号処理手段を想定して信号処理条件を任意の条件に設定する信号処理条件設定機能と、
    前記原稿保持手段に設置された前記被写体の光学特性を示す2次元配列データである理想画像を設定する理想画像設定機能と、
    前記光学系を介して前記理想画像設定手段が設定した理想画像から得られる前記撮像素子の直前の画像データを算出する撮像素子直前画像算出機能と、
    前記光学系を1方向に走査することによって、この撮像素子直前画像から前記撮像素子に取り込まれる入力画像を算出する入力画像算出機能と、
    この入力画像算出機能が算出した入力画像を、前記信号処理条件設定機能で設定された信号処理条件によって信号処理した結果として生れる画像信号を生成する画像信号処理機能と、
    を具備するプログラムを格納することを特徴とする記憶媒体。
  9. 被写体である原稿を保持する原稿保持手段と、この原稿保持手段に保持された前記被写体を1次元に撮像する光学系と、この光学系からの前記被写体像を受光する撮像素子と、前記光学系および前記撮像素子を含む走行体を1方向に走査して前記撮像素子上に前記被写体の2次元画像を形成させる走査手段とを有する画像入力手段と、
    前記画像入力手段の出力である前記撮像素子から出力される出力信号から画像信号を生成する信号処理手段と、
    を有する画像入力装置の動作のシミュレーションを実行するプログラムを格納した記憶媒体であって、
    前記画像入力手段を想定して前記光学系の特性および前記撮像素子の特性ならびに前記走行体の走査条件を任意の条件に設定する画像入力条件設定機能と、
    前記信号処理手段を想定して信号処理条件を任意の条件に設定する信号処理条件設定機能と、
    前記原稿保持手段に設置された前記被写体の光学特性を示す2次元配列データである理想画像を設定する理想画像設定機能と、
    前記光学系を介して前記理想画像設定手段が設定した理想画像から得られる前記撮像素子の直前の画像データを算出する撮像素子直前画像算出機能と、
    前記走行体を1方向に走査することによって、この撮像素子直前画像から前記撮像素子に取り込まれる入力画像を算出する入力画像算出機能と、
    この入力画像算出機能が算出した入力画像を、前記信号処理条件設定機能で設定された信号処理条件によって信号処理した結果として生れる画像信号を生成する画像信号処理機能と、
    を具備するプログラムを格納することを特徴とする記憶媒体。
  10. 前記理想画像と、前記撮像素子直前画像と、前記入力画像と、前記画像信号との各画像信号をモニタ手段上に表示する画像表示手段と、
    前記各画像信号を記憶する画像信号記憶手段と、を具備することを請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の画像入力装置のシミュレーション装置。
  11. シミュレーション対象である実際の画像入力装置から出力される、前記各画像信号に相当する実機画像信号を入力する実機画像信号入力手段と、
    この実機画像信号入力手段が入力する前記実機画像信号データを記憶する実機画像信号記憶手段と、を具備し、
    前記画像表示手段は前記実機画像信号をモニター上に表示する機能を有することを特徴とする請求項10に記載の画像入力装置のシミュレーション装置。
  12. 前記実機画像信号記憶手段に記憶された前記実機画像信号データを対象に、
    前記画像入力条件設定手段、前記信号処理条件設定手段、前記理想画像設定手段、前記撮像素子直前画像算出手段、前記入力画像算出手段、前記画像信号処理手段の各手段の内のいずれか、もしくは前記各手段中の連続した複数の手段を選択し、選択した各手段の動作をシミュレーションする選択シミュレーション手段を具備することを特徴とする請求項10に記載の画像入力装置のシミュレーション装置。
  13. 模擬対象の前記画像入力装置が前記被写体を照明する照明手段を有する場合を想定して、
    前記画像入力手段の前記光学系の分光透過率と、
    前記画像入力手段の前記撮像素子の分光感度と、
    前記照明手段の分光特性と、
    前記理想画像想定の前記被写体の分光反射率とを設定し、
    前記理想画像の光学特性値を算出する光学特性値算出手段を具備することを特徴とする請求項1ないし請求項3および請求項10ないし請求項12のいずれかに記載の画像入力装置のシミュレーション装置。
  14. 前記被写体が固有の画像解像度を有している場合、
    前記理想画像設定手段は前記理想画像に前記被写体の整数倍の画像解像度を設定することを特徴とする請求項1ないし請求項3および請求項10ないし請求項13のいずれかに記載の画像入力装置のシミュレーション装置。
  15. 前記理想画像設定手段は、前記理想画像を構成する直交する2方向の画像解像度を異ならせて設定することを特徴とする請求項1ないし請求項3および請求項14のいずれかに記載の画像入力装置のシミュレーション装置。
  16. 前記理想画像設定手段が設定する前記理想画像を構成する直交する2方向が、前記原稿保持手段の走査方向とは一致しないことを特徴とする請求項1ないし請求項3および請求項10ないし請求項15のいずれかに記載の画像入力装置のシミュレーション装置。
  17. 前記画像入力条件設定手段は前記原稿保持手段の走査条件に走査速度の変動成分を含めた条件を設定することを特徴とする請求項1ないし請求項3および請求項10ないし請求項13のいずれかに記載の画像入力装置のシミュレーション装置。
  18. 前記信号処理条件設定手段は信号処理における雑音量を処理条件の1つとして設定し、前記信号処理手段は、乱数発生に基づく雑音成分を前記信号処理条件設定手段が設定した雑音量に応じて前記画像信号に付加することを特徴とする請求項1ないし請求項3および請求項10ないし請求項13のいずれかに記載の画像入力装置のシミュレーション装置。
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