JP3887219B2 - 燃料電池用イオン交換膜の成形方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、イオン交換膜の両側に配置した正・負極に含む燃料電池用電解質膜の成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図11は従来の燃料電池を示す説明図である。この燃料電池100は、負極(水素極)101と正極(酸素極)102との間にイオン交換膜103を配置し、負極101に含む触媒に水素分子(H2)を接触させるとともに、正極102に含む触媒に酸素分子(O2)を接触させることにより、電子e-を矢印の如く流すことにより、電流を発生させるものである。電流を発生させる際に、水素分子(H2)と酸素分子(O2)とから生成水(H2O)を得る。
この燃料電池の正・負極のなかには、用途に応じて多角形(一例として、8角形)のものを採用したものがある。
【0003】
図12(a),(b)は従来の燃料電池を構成するイオン交換膜の成形方法を示す説明図であり、負極101にイオン交換膜103を塗布する例を説明する。
(a)において、カーボンペーパーで多角形(8角形)の負極101を形成し、この負極101を載置台105に載せる。次に、スクリーン印刷機106を載置台105の一端105a側から他端105b側に向けて矢印の如く移動する。
【0004】
このスクリーン印刷機106は、両端に脚部106a,106aを備え、それぞれの脚部106a,106aに渡って吐出部106bを備え、スクリーン印刷機106の吐出部106bが負極101の上方に到達した際に吐出部106bからイオン交換膜用の樹脂溶液を吐出するものである。
【0005】
(b)において、スクリーン印刷機106を位置E1〜位置E2間で移動する際に、スクリーン印刷機106の吐出部106bから負極101にイオン交換膜用のスラリー(樹脂溶液)108を塗布する。次に、この負極の外側に塗布したスラリー108を除去した後、負極101表面上の樹脂溶液を乾燥してイオン交換膜103(図11に示す)を得る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、スクリーン印刷機106でスラリー108を塗布する際には、図12(a)に示すように吐出部106bを矢印の如く移動させながら、吐出部106bからスラリー108を吐出させるので、スラリー108の塗布エリア109は、図12(b)に示すように矩形になる。
【0007】
このため、負極101の外側の余分なエリア109a・・・(すなわち、矩形のコーナ部)にもスラリー108を塗布することになり、これらの余分なエリア109a・・・に塗布したスラリー108を回収する必要がある。この回収作業に時間がかかり、そのことが生産性を上げる妨げになっていた。
【0008】
一方、燃料電池の性能を確保するために、イオン交換膜103(図11に示す)の表面を平坦に成形する必要がある。そのため、スクリーン印刷機106でスラリー108を塗布する際には、吐出部108の全域からスラリー108を均一に吐出する必要がある。
【0009】
しかし、吐出部106bのように比較的幅が広い部位から、全域に渡ってスラリー108を均一に吐出するためには、スクリーン印刷機106の吐出精度をより一層高める必要がある。このため、スクリーン印刷機106の設備費が嵩み、そのことが燃料電池のコストを下げる妨げになっていた。
【0010】
そこで、本発明の目的は、スラリーを余分なエリアに塗布することを防ぐことができ、かつイオン交換膜を比較的簡単に平坦に成形することができる燃料電池用イオン交換膜の成形方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の請求項1は、燃料電池を構成する正・負極のいずれか一方の電極を基台に載置するとともに、この電極にプラスの電荷を付与させる工程と、前記イオン交換膜用のスラリーにマイナスの電荷を付与させた状態で、スラリーノズルからスラリーを噴霧させるとともに、このスラリーノズルを前記電極に沿って移動させ、噴霧したスラリーを電極に塗布する工程と、この塗布したスラリーを乾燥させる工程と、からなる燃料電池用イオン交換膜の成形方法を特徴とする。
【0012】
電極にプラスの電荷を付与させるとともに、イオン交換膜用のスラリーにマイナスの電荷を付与させた状態でスラリーノズルから噴霧することで、スラリーの塗布ムラを防ぐことができる。これにより、スラリーを負極に好適に塗布することができ、イオン交換膜を平坦に成形することができる。
【0013】
請求項2は、電極を5角形以上の多角形に形成した場合、この電極の幅が狭い部位においてスラリーノズルを電極に近づけるとともに、スラリーの噴霧量を減少させ、電極の幅が広い部位においてスラリーノズルを電極から離すとともに、スラリーの噴霧量を増加させることを特徴とする。
【0014】
電極の幅が狭い部位においてスラリーノズルを電極に近づけることで、スラリーノズルから噴霧するスラリーの幅を狭くして、電極の狭い部位からスラリーをはみ出さないようにすることができる。
一方、電極の幅が広い部位においてスラリーノズルを電極から離すことで、スラリーノズルから噴霧するスラリーの幅を広くして、電極の広い部位をスラリーで塗布することができる。
このように、スラリーノズルの高さを電極の幅に合せて調整することで、例えば電極の狭い部位において、スラリーを電極からはみ出さないようにでき、余分なエリアにスラリーを塗布することを防ぐことができる。
さらに、スラリーノズルを電極に近づけるとともに、スラリーの噴霧量を減少させることで、スラリーを均一に塗布することができる。
加えて、スラリーノズルを電極から離すとともに、スラリーの噴霧量を増加させることで、スラリーを均一に塗布することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1は本発明に係る燃料電池用イオン交換膜の成形方法(第1実施形態)で成形したイオン交換膜を備えた燃料電池を示す分解斜視図である。
燃料電池ユニット10は複数(2個)の燃料電池11,11で構成したものである。燃料電池11は、負極(電極)12に燃料電池用イオン交換膜(イオン交換膜)14を設け、このイオン交換膜14に正極(電極)16を重ね、負極12の外側に負極側流路基板21を配置し、正極16の外側に正極側流路基板24を配置したものである。
この燃料電池11をセパレータ26を介して複数個(2個)備えることで、燃料電池ユニット10を構成する。
【0016】
負極12に負極側流路基板21を積層することで、負極側流路基板21の流路溝21aを負極12で覆うことにより、水素ガス流路22を形成する。また、正極16に正極側流路基板24を積層することで、正極側流路基板24の流路溝24aを正極16で覆うことにより、酸素ガス流路25を形成する。
【0017】
水素ガス流路22に水素ガスを供給することで、負極12に含む触媒に水素分子(H2)を吸着させるとともに、酸素ガス流路25に酸素ガスを供給することで、正極16に含む触媒に酸素分子(O2)を吸着させる。これにより、電子(e-)を矢印の如く流して電流を発生させることができる。
なお、電流を発生させる際に、水素分子(H2)と酸素分子(O2)とから生成水(H2O)を得る。
【0018】
図2は本発明に係る燃料電池用イオン交換膜の成形方法(第1実施形態)で成形したイオン交換膜を示す断面図であり、負極12をイオン交換膜14で覆った状態を示す。
負極12は、カーボンペーパーから多角形(一例として、8角形)に形成したシート材であり(図1も参照)、内部に触媒を含み、この触媒に水素分子(H2)を吸着させる。
ここで、カーボンペーパーとは、炭素繊維からなる紙をいう。
なお、図1に示す正極16は、負極12と同様にカーボンで形成したシート材であり、内部に触媒を含み、この触媒に酸素分子(O2)を吸着させる。
【0019】
イオン交換膜14は、負極12の表面12aに樹脂溶液(以下、「スラリー」という)を塗布し、塗布後、乾燥することで得た多角形(一例として、8角形)の樹脂膜である。樹脂溶液は、例えばHC系ポリマー溶液が該当する。
なお、スラリーとは、樹脂と液体を混合して形成した溶液をいう。
【0020】
図3は本発明に係る燃料電池用イオン交換膜の成形方法(第1実施形態)を実施するイオン交換膜の成形装置を示す斜視図である。
イオン交換膜の成形装置30は、8角形の負極12(図2に示す)を載せる基台31と、この基台31にセットすることで負極12を囲うガイド枠部材33と、このガイド枠部材33の上方に噴霧手段40とを備える。
【0021】
基台31は、負極12にプラスの電荷を付与するためのプラス電荷付与手段32を備える。
ガイド枠部材33は、負極12の外周12b(図2に示す)に沿った8角形の内周面34を形成し、この内周面34に沿った回収溝35を形成し、この回収溝35に連通する回収孔36を形成し、内周面34にコーティング剤(図示しない)を塗布したものである。
【0022】
噴霧手段40は、スラリーノズル41を備え、このスラリーノズル41を矢印の如く移動可能に支持し、スラリーノズル41にマイナス電荷付与手段42を備える。このスラリーノズル41の先端部41aから噴霧状スラリーを噴霧することができる。
スラリーノズル41は、先端部41aの噴霧口の形状を、噴霧口から噴霧した噴霧状スラリーが楕円形になるように形成するしたものである。
マイナス電荷付与手段42は、スラリーノズル41から噴霧した噴霧状スラリーにマイナスの電荷を付与するものである。
【0023】
また、噴霧手段40は、スラリーノズル41を位置P1から位置P4まで移動する際に、位置P1〜位置2の第1範囲(電極の幅が狭い部位)E1で矢印の如く湾曲状に上り勾配で上昇させ、位置P2〜位置P3の第2範囲(電極の幅が広い部位)E2で矢印の如く水平に移動させ、位置P3〜位置4の第3範囲(電極の幅が狭い部位)E3で矢印の如く湾曲状に下り勾配で下降させることができる。
なお、スラリーノズル41の移動はこれに限らないで、負極12に対応させて任意に設定することができる。
【0024】
図4は本発明に係る第1実施形態を実施するイオン交換膜の成形装置を示す断面図であり、スラリーノズル41から噴霧状スラリー51を噴霧しながら、位置P1〜位置2の第1範囲E1でスラリーノズル41を矢印の如く湾曲状に上り勾配で上昇し、位置P2〜位置P3の第2範囲E2でスラリーノズル41を矢印の如く水平に移動し、位置P3〜位置4の第3範囲E3でスラリーノズル41を矢印の如く湾曲状に下り勾配で下降する状態を示す。
【0025】
位置P1〜位置2の第1範囲E1においては、負極12の幅は最小幅W1から最大幅W2まで徐々に大きくなる。このため、スラリーノズル41を位置P1〜位置2の第1範囲E1で移動する際には、スラリーノズル41を高さH1の位置から矢印の如く湾曲状に上り勾配で上昇させる。
【0026】
これにより、スラリーノズル41から噴霧する噴霧状スラリーの幅を負極12の幅に対応させて変化させて、負極12からスラリーをはみ出さないようにすることができる。
なお、スラリーノズル41から噴霧する噴霧状スラリー51の噴霧量をスラリーノズル41の上昇に合せて増加させる。これにより、噴霧状スラリー51を負極12に均一に塗布することができる。
【0027】
また、位置P2〜位置3の第2範囲E2においては、負極12の幅は最大幅W2で一定である。このため、スラリーノズル41を位置P2〜位置3の第2範囲E2で移動する際には、スラリーノズル41を最大高さH3に保ちながら水平に移動させる。
【0028】
これにより、スラリーノズル41から噴霧する噴霧状スラリーの幅を負極12の最大幅W2に対応させて広げて、負極12の最大幅W2を噴霧状スラリーで塗布することができる。
なお、第2範囲E2において、スラリーノズル41から噴霧する噴霧状スラリー51の噴霧量を最大に設定する。これにより、噴霧状スラリー51を、第1範囲E1のスラリーに合せて均一に塗布することができる。
【0029】
さらに、位置P3〜位置4の第3範囲E3においては、図3に示すように負極12の幅は最大幅W2から最小幅W1まで徐々に小さくなる。このため、スラリーノズル41を位置P3〜位置4の第3範囲E3で移動する際には、スラリーノズル41を最大高さH2から最小高さH1の位置まで矢印の如く湾曲状に下り勾配で下降させる。
【0030】
これにより、スラリーノズル41から噴霧する噴霧状スラリー51の幅を負極12の幅に対応させて変化させて、負極12から噴霧状スラリー51を必要以上にはみ出さないようにすることができる。
なお、スラリーノズル41から噴霧する噴霧状スラリー51の噴霧量をスラリーノズル41の下降に合せて減少させる。これにより、噴霧状スラリー51を、第1範囲E1及び第2範囲E2のスラリーに合せて均一に塗布することができる。
【0031】
このように、スラリーノズル41の高さを負極12の幅に合せて調整することで、例えば負極12の狭い部位において、噴霧状スラリー51を負極12からはみ出さないようにでき、余分なエリアに噴霧状スラリー51を塗布することを防ぐことができる。
加えて、スラリーノズル41の高さの変動に合せて、噴霧状スラリー51の噴霧量を変化させることにより、負極12の表面12aにスラリー52を均一の厚さに塗布することができる。これにより、イオン交換膜14(図2に示す)の表面を平坦に成形することができ、燃料電池の品質を安定させることができる。
【0032】
ところで、スラリーノズル41を位置P1又は位置P4に配置した際に、噴霧状スラリー51の外周部位51aがガイド枠部材33の内周壁34の外側にはみ出してしまうが、はみ出した噴霧状スラリーの外周部位51aを回収溝35で回収することができる。
【0033】
次に、燃料電池用イオン交換膜の成形方法を図5〜図9に基づいて説明する。図5(a),(b)は本発明に係る燃料電池用イオン交換膜の成形方法(第1実施形態)を説明する第1工程説明図である。
(a)において、カーボンペーパーから多角形状の負極(電極)12を形成し、負極12を基台31に載置する。次に、プラス電荷付与手段32を調整して負極12にプラスの電荷を付与するようにする。
【0034】
(b)において、負極12を囲うようにガイド枠部材33を配置する。次に、マイナス電荷付与手段42を調整して、スラリーノズル41から噴霧する噴霧状スラリー51・・・(図4に示す)にマイナスの電荷を付与するようにする。
【0035】
図6(a),(b)は本発明に係る燃料電池用イオン交換膜の成形方法(第1実施形態)を説明する第2工程説明図である。
(a)において、スラリーノズル41が待機位置P0から矢印▲1▼の如く水平移動して第1噴霧位置P1に到達したとき、スラリーノズル41から噴霧状スラリー51((b)に示す)を噴霧する。
【0036】
(b)において、スラリーノズル41を、先端部41aが負極12の表面12aから高さH1になるように低く配置することで、(a)に示すように噴霧状スラリー51の幅W3を負極12の一端幅(最小幅)W1より僅かに大きくなるように設定することができる。これにより、噴霧状スラリー51を負極12から必要以上にはみ出さないようにすることができる。
なお、ガイド枠部材33の内周壁34の外側にはみ出した噴霧状スラリー51の外周部位を回収溝35で回収する。
【0037】
図7(a),(b)は本発明に係る燃料電池用イオン交換膜の成形方法(第1実施形態)を説明する第3工程説明図である。
(a)において、スラリーノズル41から噴霧状スラリー51を噴霧した状態で、スラリーノズル41を位置P1から位置P2まで矢印▲2▼の如く移動する。
【0038】
(b)において、スラリーノズル41は位置P1〜位置2の第1範囲E1でスラリーノズル41を湾曲状に上り勾配で上昇するので、スラリーノズル41の先端部41aの高さH3はスラリーノズル41の移動に従って徐々に上昇する。
よって、(a)に示すように、スラリーノズル41から噴霧した噴霧状スラリー51の幅W5を、負極12の傾斜部の幅W4に合せて徐々に大きくすることができる。これにより、噴霧状スラリー51を負極12から必要以上にはみ出さないようにすることができる。
なお、ガイド枠部材33の内周壁34の外側にはみ出した噴霧状スラリー51の外周部位を回収溝35で回収する。
【0039】
加えて、スラリーノズル41の上昇に従って噴霧状スラリー51の噴霧量を徐々に増やすように制御する。よって、(b)に示すように負極12の表面12aにスラリー52を均一の厚さで塗布することができる。
【0040】
図8(a),(b)は本発明に係る燃料電池用イオン交換膜の成形方法(第1実施形態)を説明する第4工程説明図である。
(a)において、スラリーノズル41から噴霧状スラリー51を噴霧した状態で、スラリーノズル41を位置P2から位置P3まで矢印▲3▼の如く移動する。
【0041】
(b)において、スラリーノズルは位置P2〜位置3の第2範囲E2でスラリーノズル41を最大高さH2に設定した状態で水平移動する。
よって、(a)に示すように、スラリーノズル41から噴霧した噴霧状スラリー51の幅W6を、負極12の最大幅W2より僅かに大きくした状態に保つことができる。これにより、噴霧状スラリー51で負極12の最大幅全体を塗布することができる。
なお、ガイド枠部材33の内周壁34の外側にはみ出した噴霧状スラリー51を回収溝35で回収する。
【0042】
加えて、最上位H3のスラリーノズル41から噴霧状スラリー51を噴霧するために、噴霧状スラリー51の噴霧量を最大まで増加するように制御する。よって、(b)に示すように負極12の表面12aにスラリー52を均一の厚さで塗布することができる。
【0043】
図9(a),(b)は本発明に係る燃料電池用イオン交換膜の成形方法(第1実施形態)を説明する第5工程説明図である。
(a)において、スラリーノズル41から噴霧状スラリー51を噴霧した状態で、スラリーノズル41を位置P3から位置P4まで矢印▲4▼の如く移動する。
【0044】
(b)において、スラリーノズル41は位置P3〜位置4の第3範囲E3でスラリーノズル41を矢印▲4▼の如く湾曲状に下り勾配で下降するので、スラリーノズル41の先端部41aの最大高さH2から最小高さH1までスラリーノズル41の移動に従って徐々に下降する。
【0045】
よって、(a)に示すように、スラリーノズル41から噴霧した噴霧状スラリー51の幅W3を、負極12の他端幅(最小幅)W1に合せて徐々に小さくすることができる。これにより、噴霧状スラリー51を負極12から必要以上にはみ出さないようにすることができる。
なお、ガイド枠部材33の内周壁34の外側にはみ出した噴霧状スラリー51を回収溝35で回収する。
【0046】
加えて、スラリーノズル41の下降に従って噴霧状スラリー51の噴霧量を徐々に減らすように制御する。よって、(b)に示すように負極12の表面12aにスラリー52を均一の厚さで塗布することができる。
このように、スラリーノズル41が位置P4に到達することで、スラリー52の塗布工程は完了する。塗布工程の完了後、負極12に塗布したスラリー52を乾燥させることにより、イオン交換膜14(図2に示す)を成形する。
【0047】
第1実施形態によれば、負極12にプラスの電荷を付与するとともに、スラリーノズル41から噴霧するスラリーにマイナスの電荷を付与することで、スラリー52の塗布ムラを防ぐことができる。これにより、図2に示すイオン交換膜14を均一の厚さに成形することができる。
【0048】
加えて、ガイド枠部材33でスラリー52の塗布領域を規制することで、スラリー52を所望の形状に簡単に成形することができる。このため、イオン交換膜14の周縁14aを手間をかけないで好適に形成することができる。
このように、イオン交換膜14の厚さを均一に成形するとともに、イオン交換膜14の周縁14aを好適に成形することができる。
【0049】
次に、第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同一部材については同一符号を付して説明を省略する。
図10は本発明に係る燃料電池用イオン交換膜の成形方法(第2実施形態)を実施するイオン交換膜の成形装置を示す断面図である。
イオン交換膜の成形装置60は、負極12を載せる基台31を備え、この基台31にセットすることで負極12を囲うガイド枠部材63を備え、このガイド枠部材63の上方に噴霧手段40を備える。
【0050】
ガイド枠部材63は、負極12の外周12bに沿った内周面64を形成し、この内周面64に沿った回収溝65を形成し、この回収溝65に連通する回収路66を形成し、この吸込流路66を介して回収溝65に吸込手段(図示しない)を連通し、内周面64にコーティング剤を塗布したものである。
回収溝65に吸込手段を連通することで、回収溝65に溜まったスラリーを吸引することができるので、スラリーをより一層簡単に回収することができる。このため、燃料電池の生産性をより一層高めることができる。
【0051】
なお、前記実施形態では、負極12にスラリー52を塗布する例について説明したが、これに限らないで、正極16にスラリー52を塗布しても同様の効果を得ることができる。
また、前記実施形態では、ガイド壁部材33,73の内周壁34,74にそれぞれコーティング剤を塗布した例について説明したが、コーティング剤を塗布しなくてもよい。
さらに、ガイド壁部材33,73を分割することで、着脱の容易化を図ることも可能である。
【0052】
また、負極12にプラスの電荷を付与するとともに、噴霧状スラリーノズル51・・・にマイナスの電荷を付与する例について説明したが、これに限らないで、負極12にマイナスの電荷を付与するとともに、噴霧状スラリーノズル51・・・にプラスの電荷を付与してもよく、負極12や噴霧状スラリー51・・・に電荷を付与しなくてもよい。
さらに、前記実施形態では、多角形の負極にスラリー52を塗布する例について説明したが、負極の形状は8角形に限らないで、5角形以上の多角形に適用することができる。
【0053】
また、前記実施形態では、スラリーノズル41を位置P1から位置P4まで湾曲状の上り勾配で上昇させ、位置P3〜位置4まで湾曲状の下り勾配で下降させた例について説明したが、これに限らないで、スラリーノズル41を位置P1から位置P4まで直線状の上り勾配で上昇させ、位置P3〜位置4まで直線状の下り勾配で下降させることも可能である。
要は、負極12の幅が狭い部位においてスラリーノズル41を負極12に近づけ、負極12の幅が広い部位においてスラリーノズル41を負極12から離すように、スラリーノズル41を移動すればよい。
【0054】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、電極にプラスの電荷を付与させるとともに、イオン交換膜用のスラリーにマイナスの電荷を付与させた状態でスラリーノズルから噴霧することで、スラリーの塗布ムラを防ぐことができる。
これにより、スラリーを負極に好適に塗布することができ、イオン交換膜を平坦に成形することができるので、品質の安定を図ることができる。
【0055】
請求項2は、電極の幅が狭い部位においてスラリーノズルを電極に近づけることで、スラリーノズルから噴霧するスラリーの幅を狭くして、電極の狭い部位からスラリーをはみ出さないようにすることができる。
一方、電極の幅が広い部位においてスラリーノズルを電極から離すことで、スラリーノズルから噴霧するスラリーの幅を広くして、電極の広い部位をスラリーで塗布することができる。
【0056】
このように、スラリーノズルの高さを電極の幅に合せて調整することで、例えば電極の狭い部位において、スラリーを電極からはみ出さないようにでき、余分なエリアにスラリーを塗布することを防ぐことができる。従って、余分なエリアに塗布したスラリーを回収する手間を省くことができるので、生産性の向上を図ることができる。
さらに、スラリーノズルを電極に近づけるとともに、スラリーの噴霧量を減少させることで、スラリーを均一に塗布することができる。
加えて、スラリーノズルを電極から離すとともに、スラリーの噴霧量を増加させることで、スラリーを均一に塗布することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料電池用イオン交換膜の成形方法(第1実施形態)で成形したイオン交換膜を備えた燃料電池を示す分解斜視図
【図2】本発明に係る燃料電池用イオン交換膜の成形方法(第1実施形態)で成形したイオン交換膜を示す断面図
【図3】本発明に係る燃料電池用イオン交換膜の成形方法(第1実施形態)を実施するイオン交換膜の成形装置を示す斜視図
【図4】本発明に係る第1実施形態を実施するイオン交換膜の成形装置を示す断面図
【図5】本発明に係る燃料電池用イオン交換膜の成形方法(第1実施形態)を説明する第1工程説明図
【図6】本発明に係る燃料電池用イオン交換膜の成形方法(第1実施形態)を説明する第2工程説明図
【図7】本発明に係る燃料電池用イオン交換膜の成形方法(第1実施形態)を説明する第3工程説明図
【図8】本発明に係る燃料電池用イオン交換膜の成形方法(第1実施形態)を説明する第4工程説明図
【図9】本発明に係る燃料電池用イオン交換膜の成形方法(第1実施形態)を説明する第5工程説明図
【図10】本発明に係る燃料電池用イオン交換膜の成形方法(第2実施形態)を実施するイオン交換膜の成形装置を示す断面図
【図11】従来の燃料電池を示す説明図
【図12】従来の燃料電池を構成するイオン交換膜の成形方法を示す説明図
【符号の説明】
11…燃料電池、12…負極(電極)、14…イオン交換膜、16…正極(電極)、31…基台、32…プラス電荷付与手段、33,63…ガイド枠部材、41…スラリーノズル、42…マイナス電荷付与手段、51…噴霧状スラリー、52…スラリー、E2…(電極の幅が広い部位)、E1,E3…(電極の幅が狭い部位)。
Claims (2)
- 燃料電池を構成する正・負極のいずれか一方の電極を基台に載置するとともに、この電極にプラスの電荷を付与させる工程と、
前記イオン交換膜用のスラリーにマイナスの電荷を付与させた状態で、スラリーノズルからスラリーを噴霧させるとともに、このスラリーノズルを前記電極に沿って移動させ、噴霧したスラリーを電極に塗布する工程と、
この塗布したスラリーを乾燥させる工程と、からなる燃料電池用イオン交換膜の成形方法。 - 前記電極を5角形以上の多角形に形成した場合、
この電極の幅が狭い部位においてスラリーノズルを電極に近づけるとともに、スラリーの噴霧量を減少させ、
電極の幅が広い部位においてスラリーノズルを電極から離すとともに、スラリーの噴霧量を増加させることを特徴とする請求項1記載の燃料電池用イオン交換膜の成形方法。
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