JP3886915B2 - Peptide milk - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、育児用ミルク等に好適に用いられるペプチドミルクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、乳児栄養学や乳業技術の進歩により、育児用ミルクの改良が大幅に進んできた。例えば、栄養効果については、乳児の発育に必要な各種の栄養素が育児用ミルクに配合され、母乳と同様の栄養効果を示すに至っている。
【0003】
しかしながら、乳児の感染防御に対して重大な影響を与えるとされる腸内菌叢におけるビフィズス菌占有率は、母乳を哺乳した母乳栄養児のほうが、育児用ミルクを哺乳した人工栄養児よりも高いことが知られている。
この原因としては、以下のことが考えられている。すなわち、母乳中には、病原菌などの増殖を抑制したり細菌を死滅させる、いわゆる感染防御因子が豊富に含まれており、乳児の腸管において種々の感染に対する抵抗力を高めている。これらの感染防御因子には、ラクトフェリン、sIgA、リゾチームなどの抗菌性因子と、腸内のビフィズス菌の増殖を促進させるビフィズス菌増殖因子があることが多くの研究から明らかにされている。ビフィズス菌増殖因子としては、ラクトNテトラオース(ペンタオース)やそのフコシルオリゴ糖など乳糖合成や蛋白合成時の副産物と考えられている難消化性の糖質が100種類以上、含量にして0.4%程度含まれている。ビフィズス菌は、これらのオリゴ糖を特異的に利用することにより腸管において選択的に増殖し、抗菌性因子と相互に作用しながら有害菌の増殖を抑制している。その結果、母乳栄養児では、占有率80%以上の圧倒的なビフィズス菌優性の腸内細菌叢が形成されていると考えられる。
【0004】
このビフィズス菌占有率についても、人工栄養児と母乳栄養児間の差を少なくしようとする試みがなされている。例えば、非特許文献1には、オリゴ糖、核酸、ラクトフェリン、シアル酸などのビフィズス菌増殖活性を有する微量成分を育児用ミルクに配合することにより、人工栄養児の全腸内菌叢中に占めるビフィズス菌の占有率が70%程度にまで達し、母乳栄養児の全腸内菌叢中に占めるビフィズス菌の占有率に近づけることが可能であることが記載されている。
【0005】
【非特許文献1】
難波和美ら、“腸内フローラのマニピュレーション”、日本臨床栄養学会雑誌、21巻、27〜32頁、2000年
【0006】
このように乳児に使用される育児用ミルクの改良が進む中で、最近、乳児のアレルギーに配慮した蛋白質分解乳(ペプチドミルク)が注目されている。
ペプチドミルクにおいては、蛋白質が酵素等によりペプチドやアミノ酸まで分解されている。そのため、ペプチドミルクの抗原性は、未分解の蛋白質を含む通常の育児用ミルクの1000分の1以下程度にまで低減されており、アレルギーの治療あるいは予防等に好ましく使用されている。このようなペプチドミルクは、特に、アレルギー素因を有する乳児に摂取させると、アレルギー発症率を低下させることができるので、その社会的な意義は大きい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、乳児にペプチドミルクを哺乳した場合、特に低月齢の乳児において、腸内細菌叢におけるビフィズス菌占有率が低い傾向にある。実際、臨床的な報告では、ペプチドミルクを哺乳した乳児(ペプチドミルク哺乳児)の1ヶ月齢におけるビフィズス菌占有率は、オリゴ糖や核酸やラクトフェリンなどのビフィズス菌増殖因子を配合した場合でも50%程度までしか増加しないことが確認されている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ビフィズス菌占有率を高め、腸内細菌叢を改善することができるペプチドミルクを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述のような、母乳栄養児に比べて、人工栄養児、特に、ペプチドミルク哺乳児の腸内細菌叢におけるビフィズス菌占有率が低い原因についての検討は現在まで殆どなされていなかったが、本発明者らは、鋭意検討を行った結果、ペプチドミルクの調乳液の緩衝能が、通常の未分解蛋白質を原料とした育児用ミルクの調乳液の緩衝能よりも高いことが、ペプチドミルク哺乳児の腸内菌叢においてビフィズス菌占有率が低い原因の一つであると考えられることを見出した。そして、さらに研究を重ねた結果、調乳液として哺乳する際に、全リン含量を低減することなく、可溶性リン含量のみを低下させて特定の濃度範囲内としたペプチドミルクを哺乳させた乳児の腸内細菌叢において、ビフィズス菌占有率が高まっていることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、前記課題を解決する本発明は、水ないし湯で溶解又は希釈して標準調乳濃度11〜16質量%の調乳液として使用される粉末状又は液状のペプチドミルクであって、前記標準調乳濃度の調乳液中の可溶性リン含量が2〜22mg/100mlであるペプチドミルクである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において、百分率(%)の表示は、特に断りのない限り質量による値である。
【0011】
本発明において、ペプチドミルクとは、窒素源として、主に、蛋白質を分解して得られる蛋白質分解物を含有するものであり、必要に応じて脂肪、糖類、ビタミン等の成分を加えたもので、水、湯等を加えて調乳液にするものをいう。
本発明のペプチドミルクに含まれる蛋白質分解物としては、カゼインや乳清蛋白質などの乳蛋白質の分解物、大豆蛋白質分解物やその他の食用蛋白質の分解物、あるいは、これらの蛋白質分解物にアミノ酸を添加した混合物が使用できるが、好ましくは乳蛋白質の分解物が用いられる。
乳蛋白質のうち、カゼインとしては、乳酸カゼイン、塩酸カゼイン等の酸カゼイン、カゼインナトリウム、カゼインカリウム、カゼインカルシウム等のカゼイン塩等の、食品として許容されるカゼインであれば如何なるカゼインであってもよい。また、乳清蛋白質としては、ホエー、脱塩ホエー、乳清蛋白濃縮物(WPC)、乳清蛋白分離物(WPI)等の、食品として許容される乳清蛋白質であれば如何なる乳清蛋白質であってもよい。
蛋白質分解物は、市販のものを用いてもよいし、蛋白質を定法により、例えば酸、アルカリ、酵素等により加水分解することによって製造したものを用いてもよい。
【0012】
本発明において、可溶性リン含量を低下させて特定の濃度範囲内としたペプチドミルクを哺乳した場合に、腸内細菌叢のビフィズス菌占有率が高まる機構としては以下の機構が考えられる。
ペプチドミルク中に含まれるリンは、通常、ペプチドに結合したリン、リン酸イオンの形態のリン、及び、カルシウム等と結合したリンに分類される。これらのリンの中で、3000rpmで遠心分離した際に、上清に含まれるのが、ペプチドに結合したリン、リン酸イオンの形態のリン等の可溶性リンであり、沈殿するのが、カルシウム等と結合したリン等の不溶性リンである。本発明者らが市販のペプチドミルクを遠心分離し、その上清中に含まれる可溶性リンを測定したところでは、その量はミルクに含まれる全リン含量の90%以上と非常に高い値を示した。つまり、不溶性リンは全リンの10%以下に過ぎなかった。
【0013】
ペプチドミルクに含まれる可溶性リンは、乳児の腸内で容易にイオン化し、その緩衝作用により腸管内pHの低下を抑制する。その結果、ビフィズス菌の増殖に適した環境である低pHの環境にならず、大腸菌などが増殖し易い高pHの環境が維持されるので、ビフィズス菌の占有率が低下するものと推測される。
さらに、ペプチドミルクは、蛋白質が分解されているので、より多くの可溶性リンを含み、緩衝作用が強いと考えられる。そのため、腸管内pHが更に低下しにくくなり、ビフィズス菌の占有率が低くなる傾向が強まっていたと考えられる。
本発明においては、哺乳する際の調乳液中に含まれる可溶性リン含量を低減しているので、腸内を、ビフィズス菌の増殖に適した低pHの環境にすることができると考えられる。
【0014】
本発明において、ペプチドミルク中の可溶性リン含量を低減するためには、まず、可溶性リンを含む原料(第三リン酸カルシウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム等のリン酸塩等)の添加を控えることが考えられる。
しかし、カゼイン分解物等の蛋白質分解物に含まれるペプチドに結合したリンが通常可溶性であるため、ペプチドミルクは、窒素源としてペプチドを含有する限り、その必要量から、ある程度の可溶性リンを含むことになる。
ペプチドミルクを例えば育児用ミルクとして使用する場合、育児用ミルクは一般的に、全窒素含量が少なくとも250mg/100ml程度の調乳液として使用されているので、調乳液100ml当たりの可溶性リン含量を2mg/100ml未満にすることは、育児用ミルクに使用されるカゼイン及び分離大豆蛋白質がそれぞれ蛋白質1g当たり1.5mg及び10mgのリンを含んでいることから、実際的には不可能である。
一方、調乳液中の可溶性リン含量が2〜22mg/100mlとすることは、原料中に含まれる可溶性リン(蛋白質加水分解物、リン酸塩等)の量を調整することにより行うことができる。
しかし、調乳液中の可溶性リン含量が22mg/100mlを越える量の蛋白質加水分解物を含有する必要がある場合は、ペプチドミルク中の可溶性リンを除去する必要がある。可溶性リンの除去は、例えば、イオン化カルシウムを添加して不溶性のリン酸カルシウムを生じさせ沈殿除去する方法により行うことができる。
【0015】
一方、ペプチドミルク中の可溶性リン含量を低減するために、上述のように蛋白質加水分解物の添加量を調整するほか、可溶性リン及び不溶性リンを合わせた全リン含量を低減することが考えられる。
しかしながら、一般に、育児用ミルクには一定量のカルシウムとリン(全リン)が含まれている必要があるとされている上、育児用ミルク中の全リン含量に対するカルシウム含量の比率(質量比)も、Ca/P=1.2〜2.0の範囲とすることが望ましいとされている。そのため、全リン含量を、現在、市販されているミルク中の全リン含量(およそ26〜36mg/調乳液100ml)の範囲から大きく変更することは難しく、全リン含量を低減するのには制限がある。
【0016】
そこで、可溶性リン含量が2〜22mg/100mlの調乳液としても、全リン含量が上記範囲内に維持されるように、ペプチドミルク中の不溶性リン含量を増加させて全リン含量を増加させることが考えられる。この場合、調乳液は、育児用ミルクとして必要な量の全リン含量を有すると同時に、可溶性リン含量が低減されている。
【0017】
ペプチドミルク中の不溶性リン含量を増加させるためには、不溶性リン化合物を添加するのが直接的な方法である。
不溶性のリン化合物としては、一般的に育児用ミルクに使用されているものであれば特に制限はないが、例えば、リン酸三カルシウム、第二リン酸カルシウム、あるいはリン酸三マグネシウムなどを挙げることができる。
また、ペプチドミルクの製造工程において不溶性のリン化合物を生成することができる原料あるいは工程をとることによっても、不溶性リン含量を増加させることが可能である。
不溶性のリン化合物を生成することができる工程としては、pHを7.3〜7.4程度まで高めること等を例示することができる。
【0018】
本発明のペプチドミルクには、上述した蛋白質分解物及び不溶性のリン化合物の他、脂肪、乳化剤、糖質、食物繊維、核酸、ビタミン、ミネラル等の、一般的に育児用ミルクに使用されている任意の成分を添加することができる。
【0019】
脂肪としては、食品に許容されるものであれば如何なる脂肪であってもよく、具体的には、大豆油、とうもろこし油、ナタネ油、ココヤシ油、サフラワー油、ヒマワリ油、オリーブ油等の植物性油脂、ラード、牛脂、乳脂肪、魚油等の動物性脂肪、MCT、高度不飽和脂肪酸(エイコサペンタエン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸、γ−リノレン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、リノール酸等)、これらの加工油等を例示することができるが、簡便には、市販の調整脂肪(例えば、太陽油脂社製等。)を使用することができる。
【0020】
乳化剤としては、食品に許容されるものであれば如何なる乳化剤であってもよく、具体的には、大豆レシチン、タピオカ澱粉、コハク酸モノグリセリド等を例示することができる。
【0021】
糖質としては、デキストリン、ラクトース、シュークロース、グルコース、フルクトース、マルトース、ラクチュロース、ラフィノース等の1種又は2種以上の組合せを例示することができるが、好ましくはラクトース及びラフィノースの混合物が用いられる。
【0022】
食物繊維としては、セルロース、難消化デキストリン、アラビヤガム等の1種又は2種以上の組合せを例示することができる。
【0023】
核酸としては、ヌクレオチド、ヌクレオシド、DNA、RNA、塩基等の1種又は2種以上の組合せを例示することができる。
【0024】
ビタミンとしては、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2 、ビタミンB6、ビタミン12、ビタミンC、ビタミンD3、ビタミンE、ビタミンK、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、β−カロチン等の1種又は2種以上の組合せを例示することができるが、簡便には、市販のビタミン混合物(例えば、田辺製薬社製等。)を使用することができる。
【0025】
また、ミネラルとしては、ナトリウム、カリウム、塩素、カルシウム、マグネシウム、鉄、銅、亜鉛、マンガン等の塩類の1種又は2種以上の組合せを例示することができるが、簡便には、市販のミネラル混合物(例えば、富田製薬社製等。)を使用することができる。
【0026】
更に、必要に応じて、果汁、フレーバー類、乳酸菌末、ビフィズス菌末等を使用することができる。
【0027】
上記成分の好ましい配合割合は、通常、ペプチドミルクの総固形分当たり、蛋白質分解物は10〜20%、脂肪は10〜30%、糖質は50〜70%程度である。微量成分であるビタミン及びミネラルは栄養上必要な量を適宜添加される。
【0028】
本発明のペプチドミルクの調製方法は、一般的な育児用ミルクの調製方法によって、例えば以下のようにして調製することができる。
上述した蛋白質分解物を精製水に溶解し、これに乳化剤、脂肪等の各種成分を添加し、均質化し、常法により殺菌し、濃縮し、液状のペプチドミルクを得る。得られたペプチドミルクは、さらに噴霧乾燥して粉末状のペプチドミルクとしてもよく、また、粉末状のペプチドミルクを精製水に溶解させて液状のペプチドミルクとしてもよい。
【0029】
このようにして調製されたペプチドミルクは、可溶性リン含量が2〜22mg/100mlとなるように、水ないし湯で溶解又は希釈して標準調乳濃度11〜16質量%の調乳液として使用する。
調乳液中の全リン含量は、特に制限はないが、上述したように、市販されている育児用ミルク中の全リン含量(およそ26〜36mg/100ml)程度であることが好ましい。
また、調乳液中の総固形分濃度(標準調乳濃度)は、11〜16質量%であり、12.5〜15質量%であることが好ましい。
【0030】
本発明のペプチドミルクは、下記試験例からも明らかなとおり、従来の育児用ミルクに比べ、母乳栄養児の腸内細菌叢のビフィズス菌占有率に近いビフィズス菌占有率を達成することが可能である。
【0031】
【実施例】
次に試験例及び実施例を示して本発明のペプチドミルク及びその効果をより詳細に説明する。
試験例1
可溶性リン含量の異なる7種類の調乳液のいずれかを、1ヶ月齢(約30日齢)に達するまでの期間に全哺乳量の80%以上摂取した児、各10名を対象として、それら乳児の1ヶ月齢における腸内菌叢を調べ、腸内菌叢におけるビフィズス菌の占有率を求めた。
(1)試料
使用した試料(調乳液)中に含まれる全リン含量、可溶性リン含量、蛋白質分解物の原料蛋白質及びオリゴ糖を表1に示す。
表1において、試料1は、本発明品であり、実施例1により調製したペプチドミルクの調乳液である。試料2は、本発明品であり、実施例2により調製したペプチドミルクの調乳液である。試料3、試料4、試料5、試料7はそれぞれ、森永乳業(株)製の市販ペプチドミルクである。試料6は乳清蛋白質分解物のみを蛋白質源とした市販のペプチドミルクである。
【0032】
【表1】

Figure 0003886915
【0033】
(2)試験方法
育児用ミルク中のリン含量は一定量の粉乳を濃硫酸で分解し、この分解液をBRAN+LUBBE GmbH 製 TYPE TRACCS 800のオートアナライザー装置により測定することにより求めた。また、育児用ミルク中の可溶性リンは、標準的な調乳濃度に溶解したミルクを3000回転で15分間遠心分離した際の上清のリン含量を同様な方法で分析した。
腸内菌叢の測定は、乳児の新鮮な糞便を光岡らの方法(光岡知足著、腸内菌叢の分類と生態、24〜25頁、1986年、(財)食生活研究所発行)に従い、14種類の培地を使用し、全細菌数とビフィズス菌数を求めビフィズス菌の占有率を測定した。
(3)試験結果
本試験の結果を表2に示す。その結果、調乳液中の全リン含量に関わらず、可溶性リン含量が低い方がビフィズス菌の占有率が高くなり、可溶性リン含量を22mg/100mlにした試料1、及び、可溶性リン含量を18mg/100mlにした試料2の場合、そのビフィズス菌占有率は、調乳液中の可溶性リン含量が22mg/100mlを越える試料3〜7の場合よりも顕著に高いものであった。
【0034】
【表2】
Figure 0003886915
【0035】
実施例1
乳清蛋白質分解物乾燥粉末(蛋白質含量が83%の乳清蛋白質濃縮物WPCをパンクレアチンで酵素分解し、その抗原性を未分解の蛋白質の約3,000分の1とした分解物:森永乳業製)8.6kg、カゼイン分解物乾燥粉末(蛋白質含量が85%の食用カゼインをパンクレアチンで酵素分解し、その抗原性を未分解の蛋白質の約10,000分の1とした分解物:森永乳業製)5.8kgを水200kgに溶解し、植物油脂26.7kg(太陽油脂製)、大豆レシチン(味の素製)0.3kg、リン酸三カルシウム(関東化学)128g、リン酸マグネシウム(関東化学)127g、乳糖45kg、マルトデキストリン9.2kg、ラクチュロース0.5kg、ラフィノース0.5kg、その他のミネラル成分(ナトリウム、カリウム、塩素、カルシウム、鉄、亜鉛、銅)、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、イノシトール)を加えて調乳原液を作った。
この調乳原液を噴霧乾燥して、粉末状のペプチドミルクを製造した。このペプチドミルク100g中の成分組成は、蛋白質12.3g、脂質27.0g、炭水化物55.4g、ナトリウム 160mg、カリウム 540mg、カルシウム380mg、リン210mg、塩素330mgマグネシウム45mg、鉄6mg、亜鉛2.7mg、銅0.3mg、ビタミンA 0.55mg、ビタミンB 0.4mg、ビタミンB0.7mg、ビタミンB 0.3mg、ビタミンB12 2μg、ビタミンC 50mg、ビタミンD 10μg、ビタミンE 6.7mg、ビタミンK 25μg、ナイアシン70mg、パントテン酸35mg、葉酸0.1mg、イノシトール35mgであった。
得られたペプチドミルクを水に溶解して、標準調乳濃度である総固形分濃度13%(w/V)の調乳液としたとき、調乳液中の可溶性リン含量は22mg/100mlであった。
【0036】
実施例2
乳清蛋白質分解物乾燥粉末(蛋白質含量が90%の乳清蛋白質分離物WPIをトリプシンとパパインで酵素分解し、その抗原性を未分解の蛋白質の約1,000分の1とした分解物:森永乳業製)13.9kgを水200kgに溶解し、植物油脂20.8g(日本油脂製)、大豆レシチン(味の素製)0.2kg、リン酸三カルシウム(関東化学)256g、乳糖50kg、マルトデキストリン10.2kg、ラクチュロース0.5kg、ラフィノース0.5kg、その他のミネラル成分(ナトリウム、カリウム、塩素、カルシウム、鉄、亜鉛、銅)、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、イノシトール)を加えて調乳原液を作った。
この調乳原液を噴霧乾燥して粉末状のペプチドミルクを製造した。このペプチドミルク100g中の成分組成は、蛋白質12.5g、脂質21.0g、炭水化物61.2g、ナトリウム 140mg、カリウム 480mg、カルシウム360mg、リン200mg、塩素300mgマグネシウム45mg、鉄6mg、亜鉛2.7mg、銅0.3mg、ビタミンA 0.55mg、ビタミンB 0.4mg、ビタミンB0.7mg、ビタミンB 0.3mg、ビタミンB12 2μg、ビタミンC 50mg、ビタミンD 10μg、ビタミンE 6.7mg、ビタミンK 25μg、ナイアシン70mg、パントテン酸35mg、葉酸0.1mg、イノシトール35mgであった。
このペプチドミルクを水に溶解して、標準調乳濃度である総固形分濃度13%(w/V)の調乳液としたとき、調乳液中の可溶性リン含量は18mg/100mlであった。
【0037】
実施例3
カゼイン分解物乾燥粉末(蛋白質含量が85%の食用カゼインをパンクレアチン、アマノA、乳酸菌酵素で酵素分解し、その抗原性を未分解の蛋白質の約1,000,000分の1とした分解物:森永乳業製)24.4kgを水850kgに溶解し、植物油脂27.0kg(太陽油脂製)、タピオカ澱粉(松谷化学製)16.5kg、リン酸三カルシウム(関東化学社製)384g、リン酸マグネシウム(関東化学)278g、マルトデキストリン85.0kg、ラフィノース1.35kg、その他のミネラル成分(ナトリウム、カリウム、塩素、カルシウム、鉄、亜鉛、銅)、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、イノシトール)を添加し、水を加えて1040kg(比重1.04)の調乳原液を作った。この調乳原液1040kgを均質機により乳化した後、120℃、5秒の殺菌し、1リットル容のアセプティック容器に充填し985本の液状ペプチドミルクを得た。この液状ペプチドミルク1000ml中の成分組成は、蛋白質19.5g、脂質27.0g、炭水化物95.3g、ナトリウム 240mg、カリウム 810mg、カルシウム600mg、リン360mg、塩素540mgマグネシウム68mg、鉄9mg、亜鉛4.8mg、銅0.5mg、ビタミンA 0.9mg、ビタミンB 0.6mg、ビタミンB1.1mg、ビタミンB 0.5mg、ビタミンB12 3μg、ビタミンC 75mg、ビタミンD 15μg、ビタミンE 10mg、ビタミンK 38μg、ナイアシン105mg、パントテン酸50mg、葉酸0.2mg、イノシトール50mgであった。この液状ペプチドミルク中の可溶性リン含量は19mg/100mlであった。
【0038】
【発明の効果】
以上詳記したとおり、本発明のペプチドミルクは、全リン含量を低減させることなく、可溶性リン含量を特定の濃度範囲内に低減した調乳液として使用できるようになっているので、腸内菌叢のビフィズス菌占有率を改善する効果を有し、育児用ミルクとして好適に使用することができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to peptide milk suitably used for milk for childcare and the like.
[0002]
[Prior art]
Recent improvements in infant nutrition and dairy technology have led to significant improvements in child-rearing milk. For example, regarding the nutritional effect, various nutrients necessary for the growth of infants are blended in the milk for childcare, and the nutritional effect similar to that of breast milk has been shown.
[0003]
However, the bifidobacteria occupancy rate in the intestinal flora, which is said to have a significant impact on the infant's infection protection, is higher in breast-fed infants than breast-fed infants It is known.
As the cause of this, the following is considered. That is, breast milk contains abundant so-called infection-protecting factors that suppress the growth of pathogenic bacteria and kill bacteria, increasing the resistance to various infections in the intestinal tract of infants. Many studies have shown that these protective factors include antibacterial factors such as lactoferrin, sIgA, and lysozyme, and bifidobacterial growth factors that promote the growth of bifidobacteria in the intestine. Bifidobacteria growth factors include over 100 types of non-digestible carbohydrates, which are considered to be a by-product during lactose synthesis and protein synthesis, such as lacto N tetraose (pentaose) and its fucosyl oligosaccharides, with a content of 0.4% Degree included. Bifidobacteria selectively grow in the intestinal tract by specifically using these oligosaccharides, and suppress the growth of harmful bacteria while interacting with antibacterial factors. As a result, it is considered that an overwhelming Bifidobacteria-dominated intestinal flora with an occupation ratio of 80% or more is formed in breastfeeding infants.
[0004]
With respect to the bifidobacteria occupancy rate, attempts have been made to reduce the difference between artificially fed infants and breastfeeding infants. For example, Non-Patent Document 1 occupies the whole intestinal flora of artificially fed infants by blending in milk for childcare with a trace component having bifidobacteria growth activity such as oligosaccharides, nucleic acids, lactoferrin, sialic acid and the like. It is described that the occupancy rate of bifidobacteria reaches about 70%, and it can be brought close to the occupancy rate of bifidobacteria in the whole intestinal flora of breastfeeding infants.
[0005]
[Non-Patent Document 1]
Namba Kazumi et al., “Manipulation of intestinal flora”, Journal of Japanese Society of Clinical Nutrition, 21, 27-32, 2000 [0006]
As the child-care milk used for infants is improved in this way, recently, protein-degraded milk (peptide milk) in consideration of infant allergies has attracted attention.
In peptide milk, proteins are decomposed into peptides and amino acids by enzymes and the like. Therefore, the antigenicity of peptide milk has been reduced to about 1/1000 or less of normal milk for infants containing undegraded protein, and is preferably used for treatment or prevention of allergies. Such peptide milk is of great social significance because it can reduce the incidence of allergies, particularly when taken by an infant with an allergic predisposition.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, when a baby is fed with peptide milk, the bifidobacteria occupancy rate in the intestinal flora tends to be low, particularly in young infants. In fact, according to clinical reports, the bifidobacteria occupancy rate at 1 month of age for infants with peptide milk (peptide milk infants) is 50% even when bifidobacterial growth factors such as oligosaccharides, nucleic acids and lactoferrin are added. It has been confirmed that it increases only to the extent.
This invention is made | formed in view of the said subject, and it aims at providing the peptide milk which can improve a bifidobacterium occupation rate and can improve an intestinal microflora.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
As described above, there has been almost no examination about the cause of the low bifidobacteria occupancy rate in the intestinal microflora of artificially fed infants, particularly, infants with peptide milk compared to breastfeeding infants. As a result of intensive studies, the peptide milk formula's buffering capacity is higher than that of ordinary milk formula for infant formula made from undegraded protein. We found that it is considered to be one of the causes of low bifidobacteria occupancy in the intestinal flora. As a result of further research, when suckling as a milk preparation, the intestine of an infant fed a peptide milk with a specific concentration range reduced only in the soluble phosphorus content without reducing the total phosphorus content. In the internal flora, it was found that the occupancy rate of bifidobacteria was increasing, and the present invention was completed.
[0009]
That is, the present invention for solving the above-mentioned problems is a powdered or liquid peptide milk used as a milk preparation with a standard milk concentration of 11 to 16% by dissolution or dilution with water or hot water. This is a peptide milk having a soluble phosphorus content of 2 to 22 mg / 100 ml in a milk-concentrated formula .
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail. In addition, in this specification, the display of a percentage (%) is the value by mass unless there is particular notice.
[0011]
In the present invention, peptide milk mainly contains a protein degradation product obtained by degrading protein as a nitrogen source, and is added with components such as fat, saccharides and vitamins as necessary. , Water, hot water, etc. added to make milk preparation.
The protein degradation product contained in the peptide milk of the present invention includes a degradation product of milk proteins such as casein and whey protein, a degradation product of soybean protein and other edible proteins, or an amino acid in these protein degradation products. The added mixture can be used, but preferably a degradation product of milk protein is used.
Among the milk proteins, the casein may be any casein that is acceptable for food, such as acid casein such as lactate casein and casein hydrochloride, casein salts such as sodium caseinate, potassium casein, and calcium casein. . The whey protein may be any whey protein that is acceptable for food, such as whey, desalted whey, whey protein concentrate (WPC), and whey protein isolate (WPI). There may be.
As the protein degradation product, a commercially available product may be used, or a protein produced by hydrolyzing the protein with an ordinary method, for example, an acid, an alkali, an enzyme, or the like may be used.
[0012]
In the present invention, the following mechanism can be considered as a mechanism for increasing the bifidobacteria occupancy rate of the intestinal flora when sucking peptide milk having a reduced soluble phosphorus content within a specific concentration range.
Phosphorus contained in peptide milk is generally classified into phosphorus bound to peptides, phosphorus in the form of phosphate ions, and phosphorus bound to calcium and the like. Among these phosphorus, when centrifuged at 3000 rpm, the supernatant contains soluble phosphorus such as phosphorus bound to the peptide and phosphate ion form, and precipitates calcium and the like. Insoluble phosphorus such as phosphorus bound to When the present inventors centrifuged commercially available peptide milk and measured the soluble phosphorus contained in the supernatant, the amount showed a very high value of 90% or more of the total phosphorus content contained in the milk. It was. That is, insoluble phosphorus was only 10% or less of the total phosphorus.
[0013]
Soluble phosphorus contained in peptide milk is easily ionized in the intestine of an infant and suppresses the decrease in intestinal pH due to its buffering action. As a result, a low pH environment, which is an environment suitable for the growth of bifidobacteria, is not maintained, and a high pH environment in which Escherichia coli and the like are easy to grow is maintained, so that the occupation ratio of bifidobacteria is estimated to decrease. .
Furthermore, peptide milk is thought to have a strong buffering effect because it contains more soluble phosphorus since the protein is degraded. For this reason, it is considered that the pH in the intestinal tract is less likely to be lowered, and the tendency of the occupancy rate of bifidobacteria is becoming stronger.
In the present invention, since the soluble phosphorus content contained in the formula when suckling is reduced, it is considered that the intestine can be made into a low pH environment suitable for the growth of bifidobacteria.
[0014]
In the present invention, in order to reduce the soluble phosphorus content in peptide milk, first, addition of a raw material containing soluble phosphorus (phosphate salts such as tricalcium phosphate, dipotassium hydrogen phosphate, disodium hydrogen phosphate, etc.) It is possible to refrain from.
However, since phosphorus bound to peptides contained in protein degradation products such as casein degradation products is usually soluble, peptide milk must contain a certain amount of soluble phosphorus as long as it contains peptides as a nitrogen source. become.
When peptide milk is used as, for example, infant milk, the infant milk is generally used as a milk preparation having a total nitrogen content of at least about 250 mg / 100 ml, so that the soluble phosphorus content per 100 ml of milk is 2 mg / 100 ml. Making it less than 100 ml is practically impossible because casein and separated soy protein used in baby milk contain 1.5 mg and 10 mg phosphorus per gram of protein, respectively.
On the other hand, the soluble phosphorus content in the milk preparation can be adjusted to 2 to 22 mg / 100 ml by adjusting the amount of soluble phosphorus (protein hydrolyzate, phosphate, etc.) contained in the raw material.
However, when it is necessary to contain a protein hydrolyzate in an amount exceeding 22 mg / 100 ml, the soluble phosphorus in the peptide milk needs to be removed. Soluble phosphorus can be removed, for example, by a method in which ionized calcium is added to form insoluble calcium phosphate and precipitate is removed.
[0015]
On the other hand, in order to reduce the soluble phosphorus content in peptide milk, in addition to adjusting the amount of protein hydrolyzate added as described above, it is conceivable to reduce the total phosphorus content combining soluble phosphorus and insoluble phosphorus.
However, it is generally said that child-rearing milk needs to contain a certain amount of calcium and phosphorus (total phosphorus), and the ratio (mass ratio) of calcium content to total phosphorus content in child-rearing milk Also, it is desirable that Ca / P = 1.2 to 2.0. Therefore, it is difficult to largely change the total phosphorus content from the range of the total phosphorus content in milk currently available on the market (approximately 26 to 36 mg / 100 ml of milk preparation), and there are restrictions on reducing the total phosphorus content. is there.
[0016]
Therefore, even in a milk preparation having a soluble phosphorus content of 2 to 22 mg / 100 ml, it is possible to increase the total phosphorus content by increasing the insoluble phosphorus content in the peptide milk so that the total phosphorus content is maintained within the above range. Conceivable. In this case, the milk preparation has the total phosphorus content of the amount required for childcare milk and at the same time the soluble phosphorus content is reduced.
[0017]
In order to increase the insoluble phosphorus content in the peptide milk, it is a direct method to add insoluble phosphorus compounds.
The insoluble phosphorus compound is not particularly limited as long as it is generally used in baby milk, and examples thereof include tricalcium phosphate, dicalcium phosphate, and trimagnesium phosphate. .
It is also possible to increase the insoluble phosphorus content by taking a raw material or process capable of producing an insoluble phosphorus compound in the peptide milk production process.
Examples of the step capable of producing an insoluble phosphorus compound include raising the pH to about 7.3 to 7.4.
[0018]
The peptide milk of the present invention is generally used in milk for childcare, such as fats, emulsifiers, sugars, dietary fibers, nucleic acids, vitamins, minerals, etc. in addition to the above-mentioned protein degradation products and insoluble phosphorus compounds. Optional ingredients can be added.
[0019]
The fat may be any fat as long as it is acceptable for food. Specifically, vegetable oil such as soybean oil, corn oil, rapeseed oil, coconut oil, safflower oil, sunflower oil, olive oil, etc. Fats and oils, lard, beef tallow, milk fat, animal fats such as fish oil, MCT, highly unsaturated fatty acids (eicosapentaenoic acid, arachidonic acid, docosahexaenoic acid, γ-linolenic acid, dihomo-γ-linolenic acid, linoleic acid, etc.), These processing oils can be exemplified, but for convenience, commercially available adjusted fats (for example, manufactured by Taiyo Oil & Fat Co., Ltd.) can be used.
[0020]
The emulsifier may be any emulsifier that is acceptable for food, and specific examples include soy lecithin, tapioca starch, succinic monoglyceride and the like.
[0021]
Examples of the saccharide include one or a combination of two or more of dextrin, lactose, sucrose, glucose, fructose, maltose, lactulose, raffinose and the like, and preferably a mixture of lactose and raffinose is used.
[0022]
Examples of dietary fiber include one or a combination of two or more of cellulose, indigestible dextrin, arabic gum and the like.
[0023]
Examples of the nucleic acid include one or a combination of two or more of nucleotides, nucleosides, DNA, RNA, bases and the like.
[0024]
As vitamins, vitamin A, vitamin B 1 , vitamin B 2 , vitamin B 6 , vitamin 12 , vitamin C, vitamin D 3 , vitamin E, vitamin K, niacin, pantothenic acid, folic acid, β-carotene, etc. Two or more types of combinations can be exemplified, but for convenience, commercially available vitamin mixtures (for example, manufactured by Tanabe Seiyaku Co., Ltd.) can be used.
[0025]
Examples of minerals include one or a combination of two or more salts such as sodium, potassium, chlorine, calcium, magnesium, iron, copper, zinc, manganese, etc. Mixtures (for example, manufactured by Tomita Pharmaceutical Co., Ltd.) can be used.
[0026]
Furthermore, fruit juice, flavors, lactic acid bacteria powder, bifidobacteria powder, etc. can be used as needed.
[0027]
The preferable blending ratio of the above components is usually about 10 to 20% for protein degradation product, 10 to 30% for fat, and about 50 to 70% for sugar per total solid content of peptide milk. Vitamin and mineral, which are trace components, are appropriately added in amounts necessary for nutrition.
[0028]
The method for preparing the peptide milk of the present invention can be prepared, for example, as follows by a general method for preparing baby milk.
The above-mentioned proteolytic product is dissolved in purified water, and various components such as emulsifier and fat are added thereto, homogenized, sterilized by a conventional method, and concentrated to obtain liquid peptide milk. The obtained peptide milk may be further spray-dried to obtain a powdered peptide milk, or the powdered peptide milk may be dissolved in purified water to obtain a liquid peptide milk.
[0029]
The peptide milk thus prepared is dissolved or diluted with water or hot water so that the soluble phosphorus content is 2 to 22 mg / 100 ml, and used as a milk preparation with a standard milk concentration of 11 to 16% by mass .
The total phosphorus content in the milk preparation is not particularly limited, but as described above, it is preferably about the total phosphorus content (approximately 26 to 36 mg / 100 ml) in the commercially available milk for childcare.
Also, adjusting the total solid content concentration in the latex (standard milk formula concentration) is 1 to 16 wt%, is preferably 1 2.5 to 15 wt%.
[0030]
As is clear from the following test examples, the peptide milk of the present invention can achieve a bifidobacteria occupancy rate that is close to the bifidobacteria occupancy rate of the gut microbiota of breastfeeding infants as compared to conventional milk for childcare. is there.
[0031]
【Example】
Next, test examples and examples will be shown to explain the peptide milk of the present invention and its effects in more detail.
Test example 1
Infants of 10 infants who took 80% or more of the total amount of milk in the period until they reach 1 month of age (about 30 days old) The intestinal flora at 1 month of age was examined, and the occupancy rate of bifidobacteria in the intestinal flora was determined.
(1) Sample Table 1 shows the total phosphorus content, soluble phosphorus content, raw protein of the proteolysate and oligosaccharide contained in the used sample (milky formula).
In Table 1, Sample 1 is a product of the present invention and is a milk solution of peptide milk prepared according to Example 1. Sample 2 is a product of the present invention and is a milk solution of peptide milk prepared according to Example 2. Sample 3, Sample 4, Sample 5, and Sample 7 are commercially available peptide milks manufactured by Morinaga Milk Industry Co., Ltd. Sample 6 is a commercially available peptide milk using only whey protein degradation product as a protein source.
[0032]
[Table 1]
Figure 0003886915
[0033]
(2) Test method The phosphorus content in the infant milk was determined by decomposing a certain amount of powdered milk with concentrated sulfuric acid, and measuring this decomposition solution with an autoanalyzer device of TYPE TRACS 800 manufactured by BRAN + LUBBE GmbH. The soluble phosphorus in the milk for childcare was analyzed by the same method for the phosphorus content of the supernatant when the milk dissolved in the standard formula concentration was centrifuged at 3000 rpm for 15 minutes.
Intestinal flora is measured according to the method of Mitsuoka et al. (By Tomohiko Mitsuoka, classification and ecology of intestinal flora, pp. 24-25, 1986, published by Food Research Institute). Using 14 types of media, the total number of bacteria and the number of bifidobacteria were determined, and the occupancy of bifidobacteria was measured.
(3) Test results Table 2 shows the results of this test. As a result, regardless of the total phosphorus content in the milk preparation, the lower the soluble phosphorus content, the higher the occupancy rate of bifidobacteria, the sample 1 having a soluble phosphorus content of 22 mg / 100 ml, and a soluble phosphorus content of 18 mg / In the case of sample 2 made to 100 ml, the bifidobacteria occupancy was significantly higher than in the case of samples 3 to 7 in which the soluble phosphorus content in the milk preparation exceeded 22 mg / 100 ml .
[0034]
[Table 2]
Figure 0003886915
[0035]
Example 1
Whey protein degradation product dry powder (degradation product obtained by enzymatically degrading whey protein concentrate WPC having a protein content of 83% with pancreatin and reducing its antigenicity to about 1 / 3,000 that of undegraded protein: Morinaga Dairy industry) 8.6 kg, casein degradation product dry powder (enzymatic degradation of edible casein with a protein content of 85% with pancreatin to make its antigenicity about 1 / 10,000 of the undegraded protein: 5.8 kg of Morinaga Milk Industry) is dissolved in 200 kg of water, 26.7 kg of vegetable oil (made by Taiyo Yushi), 0.3 kg of soybean lecithin (made by Ajinomoto), 128 g of tricalcium phosphate (Kanto Chemical), magnesium phosphate (Kanto) Chemistry) 127 g, lactose 45 kg, maltodextrin 9.2 kg, lactulose 0.5 kg, raffinose 0.5 kg, other mineral components (sodium, potassium, Elemental, calcium, iron, zinc, copper), vitamins (vitamin A, vitamin B1, vitamin B2, vitamin B6, vitamin B12, vitamin C, vitamin D, vitamin E, vitamin K, niacin, pantothenic acid, folic acid, inositol) To make a milk concentrate.
This milk concentrate solution was spray-dried to produce a powdered peptide milk. The component composition in 100 g of this peptide milk is as follows: protein 12.3 g, lipid 27.0 g, carbohydrate 55.4 g, sodium 160 mg, potassium 540 mg, calcium 380 mg, phosphorus 210 mg, chlorine 330 mg magnesium 45 mg, iron 6 mg, zinc 2.7 mg, Copper 0.3 mg, Vitamin A 0.55 mg, Vitamin B 1 0.4 mg, Vitamin B 2 0.7 mg, Vitamin B 6 0.3 mg, Vitamin B 12 2 μg, Vitamin C 50 mg, Vitamin D 10 μg, Vitamin E 6.7 mg Vitamin K 25 μg, niacin 70 mg, pantothenic acid 35 mg, folic acid 0.1 mg, and inositol 35 mg.
When the obtained peptide milk was dissolved in water to prepare a formula having a total solid concentration of 13% (w / V) as a standard formula, the soluble phosphorus content in the formula was 22 mg / 100 ml. .
[0036]
Example 2
Whey protein degradation product dry powder (degradation product in which whey protein isolate WPI with a protein content of 90% is enzymatically degraded with trypsin and papain, and its antigenicity is about 1/1000 of undegraded protein: Morinaga Milk Industry Co., Ltd.) 13.9 kg dissolved in water 200 kg, vegetable oil 20.8 g (manufactured by Nippon Oil & Fats), soybean lecithin (manufactured by Ajinomoto) 0.2 kg, tricalcium phosphate (Kanto Chemical) 256 g, lactose 50 kg, maltodextrin 10.2 kg, lactulose 0.5 kg, raffinose 0.5 kg, other mineral components (sodium, potassium, chlorine, calcium, iron, zinc, copper), vitamins (vitamin A, vitamin B1, vitamin B2, vitamin B6, vitamin B12, Vitamin C, Vitamin D, Vitamin E, Vitamin K, Niacin, Pantothenic acid, Folic acid, Inosito Made milk formula stock added Le).
This milk preparation stock was spray-dried to produce a powdered peptide milk. The component composition in 100 g of this peptide milk is as follows: protein 12.5 g, lipid 21.0 g, carbohydrate 61.2 g, sodium 140 mg, potassium 480 mg, calcium 360 mg, phosphorus 200 mg, chlorine 300 mg magnesium 45 mg, iron 6 mg, zinc 2.7 mg, Copper 0.3 mg, Vitamin A 0.55 mg, Vitamin B 1 0.4 mg, Vitamin B 2 0.7 mg, Vitamin B 6 0.3 mg, Vitamin B 12 2 μg, Vitamin C 50 mg, Vitamin D 10 μg, Vitamin E 6.7 mg Vitamin K 25 μg, niacin 70 mg, pantothenic acid 35 mg, folic acid 0.1 mg, and inositol 35 mg.
When this peptide milk was dissolved in water to prepare a milk preparation with a standard milk concentration of 13% (w / V), the soluble phosphorus content in the milk preparation was 18 mg / 100 ml.
[0037]
Example 3
Casein degradation product dry powder (degradation product of edible casein with 85% protein content enzymatically decomposed with pancreatin, Amano A, and lactic acid bacteria enzyme to make its antigenicity about 1 / 1,000,000 of undegraded protein : Morinaga Milk Industry Co., Ltd.) 24.4 kg dissolved in 850 kg of water, 27.0 kg of vegetable oil (made by Taiyo Yushi), 16.5 kg of tapioca starch (made by Matsutani Chemical), 384 g of tricalcium phosphate (made by Kanto Chemical Co.), phosphorus 278 g of magnesium acid (Kanto Chemical), 85.0 kg of maltodextrin, 1.35 kg of raffinose, other mineral components (sodium, potassium, chlorine, calcium, iron, zinc, copper), vitamins (vitamin A, vitamin B1, vitamin B2) , Vitamin B6, vitamin B12, vitamin C, vitamin D, vitamin E, vitamin K, niacin, bread Was added Ten acid, folic acid, inositol), made the milk formula stock solution of 1040kg (specific gravity 1.04) was added to the water. After emulsifying 1040 kg of this milk preparation stock with a homogenizer, it was sterilized at 120 ° C. for 5 seconds and filled into a 1 liter aseptic container to obtain 985 liquid peptide milks. The component composition in 1000 ml of this liquid peptide milk is as follows: protein 19.5 g, lipid 27.0 g, carbohydrate 95.3 g, sodium 240 mg, potassium 810 mg, calcium 600 mg, phosphorus 360 mg, chlorine 540 mg magnesium 68 mg, iron 9 mg, zinc 4.8 mg. , Copper 0.5 mg, vitamin A 0.9 mg, vitamin B 1 0.6 mg, vitamin B 2 1.1 mg, vitamin B 6 0.5 mg, vitamin B 12 3 μg, vitamin C 75 mg, vitamin D 15 μg, vitamin E 10 mg, Vitamin K 38 μg, niacin 105 mg, pantothenic acid 50 mg, folic acid 0.2 mg, and inositol 50 mg. The soluble phosphorus content in this liquid peptide milk was 19 mg / 100 ml.
[0038]
【The invention's effect】
As described in detail above, the peptide milk of the present invention can be used as a milk preparation having a soluble phosphorus content reduced within a specific concentration range without reducing the total phosphorus content. It has the effect of improving the occupancy rate of bifidobacteria and can be suitably used as a milk for childcare.

Claims (1)

水ないし湯で溶解又は希釈して標準調乳濃度11〜16質量%の調乳液として使用される粉末状又は液状のペプチドミルクであって、前記標準調乳濃度の調乳液中の可溶性リン含量が2〜22mg/100mlであるペプチドミルク。 It is a powdered or liquid peptide milk used as a milk preparation with a standard milk concentration of 11 to 16% by dissolving or diluting with water or hot water, and the soluble phosphorus content in the milk with the standard milk concentration is Peptide milk that is 2-22 mg / 100 ml .
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