JP3886845B2 - 温湿度交換器用多孔質膜およびその製造方法 - Google Patents

温湿度交換器用多孔質膜およびその製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、温湿度交換器用多孔質膜およびその製造方法に関するものであり、詳しくは、透気性を十分に低くしたまま良好な温湿度交換が可能であり、しかも耐加水分解性に優れた温湿度交換器用多孔質膜、およびこれを低コストで製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
2種の気体流間で熱交換および湿度交換を行う温湿度交換器は、例えば、空調標準テキスト((株)オーム社、p157、1980年2月発行)に記載されているように当業界においてよく知られている。図7は、従来の空調用の固定式温湿度交換器の内部構造を説明するための図である。
図7の温湿度交換器は、熱と湿度を透過する透湿膜14と特殊クラフト紙の間隔板13が積層されてなり、これらの間を供給ガスおよび被加湿ガスがそれぞれ直交する方向でかつ両者が接触しないように通過し、その際、高温湿潤の供給ガスに含まれる熱と水分が、透湿膜14を介して被加湿ガスに移動する。
【0003】
ここで、燃料電池は、一般的によく知られているように、電解質膜を介して一対の電極を接触させ、この一方の電極に燃料を、他方の電極に酸化剤を供給し、燃料の酸化を電池内で電気化学的に反応させることにより化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する装置である。このような燃料電池には、電解質によりいくつかの型があるが、近来比較的高性能な燃料電池として、電解質に固体高分子膜を用いた、いわゆる固体高分子型燃料電池が注目されている。例えば、プロトン導電性の固体高分子膜を電解質に用いた燃料電池においては、アノード電極に燃料ガス(例えば水素ガス)を、カソード電極に酸化剤(例えば空気または酸素ガス)をそれぞれ供給し、外部回路より電流を取り出す。このとき、下記のような反応が生じる。
陰極反応:H→ 2H + 2e (1)
陽極反応:2H + 2e + 1/2O→HO (2)
【0004】
このように陰極反応で水素はプロトンとなり、水を伴って固体高分子膜を通過する。続いてプロトンは陽極に移動し、ここ酸素と反応して水を生ずる。このとき、水素イオンを伝導する交替高分子膜の伝導性は水分を含むことにより発現するので、前記反応を円滑に生じさせるためには固体高分子膜を湿潤に保つ必要がある。したがって、前記のような燃料電池の運転では、燃料ガスを加湿する必要がある。
【0005】
なお、ガスの加湿には水分の確保と熱の供給が必要なため、燃料電池の排ガス中の水分を温湿度交換により回収して使用する方法が例えば、特公昭63―18304号に開示されている。この技術によれば、高温湿潤をいまだ保っている燃料電池の排ガスを温湿度交換器において燃料ガスと接触させ、燃料ガスに熱および水分を移動させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
固体高分子型燃料電池は、70℃から80℃の比較的高温で運転されることが多く、供給ガスの露点も70℃前後の高露点にまで加湿する必要がある。しかし、例えば前記のクラフト紙を用いた従来の温湿度交換器では、高温多湿条件下でクラフト紙のような紙が加水分解により強度が低下し、数日でクラフト紙が崩壊し、実用に供することはできないという問題点があった。
【0007】
また、温湿度交換器における温湿度交換膜として多孔質膜を使用すると、一般的に多孔質膜の透気性が高く、供給ガスと被加湿ガスと間でガスの漏れが発生し、被加湿ガスの供給量が減少する欠点があった。
このような問題点を解決する方法として、特開平7−133994号公報には、高分子樹脂多孔質膜上に高分子透湿性樹脂を含浸する方法が提案されている。しかしながらこの方法は、高分子透湿性樹脂が多孔質膜の孔部を塞ぐため、透気性は低くなるが、その反面透湿性能が低下するという欠点がある。特に高露点にまで燃料ガスの加湿の必要性がある燃料電池においては、透湿性能の低下は好ましくない。また、ガス温度80℃、露点70℃と高温多湿の燃料ガスの供給が求められる燃料電池の運転においては、温湿度交換器の多孔質膜に高分子樹脂などの有機体を使用した場合、加水分解による基材の劣化は避けられない。
【0008】
したがって本発明の目的は、透気性を十分に低くしたまま良好な温湿度交換が可能であり、しかも耐加水分解性に優れた温湿度交換器用多孔質膜を提供することにある。
また本発明の別の目的は、前記温湿度交換器用多孔質膜を低コストで生産することのできる方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、2種の気体流間で熱交換および湿度交換を行う温湿度交換器における前記2種の気体流の流路間に配設される温湿度交換器用多孔質膜であって、前記多孔質膜が、50〜80%の空孔率を有する繊維材料からなるとともに、前記繊維材料の表面が親水性の金属酸化物で前記繊維材料1cm 当たり1.5〜2.2mgコーティングされていることを特徴とする温湿度交換器用多孔質膜である。
請求項2の発明は、金属酸化物が酸化チタンであることを特徴とする請求項1に記載の温湿度交換器用多孔質膜である。
請求項3の発明は、金属フッ化物含有水溶液に50〜80%の空孔率を有する繊維材料を浸漬し、前記繊維材料の表面を前記金属フッ化物含有水溶液から析出する金属酸化物で前記繊維材料1cm 当たり1.5〜2.2mgコーティングし、前記繊維材料の表面を親水性に改質する工程を有することを特徴とする請求項1に記載の温湿度交換器用多孔質膜を製造する方法である。
請求項4の発明は、金属酸化物が酸化チタンであることを特徴とする請求項3に記載の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
本発明の温湿度交換器は、従来と同様に、2種の気体流間で熱交換および湿度交換を行うことを目的として使用することができ、2種の気体流の流路間には、多孔質膜が配設される。多孔質膜を構成する繊維材料としては、とくに制限されないが、耐熱性の高いものが好ましく、例えばポリフェニレンサルファイド、ポリエステル、ビニロン、ポリプロピレン、アクリル、レーヨン、セロハン、ポリビニルアルコール、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリカーボネート等が挙げられる。また本発明では繊維材料が親水性の金属酸化物で前記繊維材料1cm 当たり1.5〜2.2mgコーティングされ、耐腐食性が高まるので、耐久性の面で問題があった紙(セルロース)を使用することができる。多孔質膜1は、繊維間の距離が水の表面張力と釣り合う、すなわち繊維間の距離は、繊維間の空隙が水によってふさがれたいわゆるウエットシールが形成されるような距離であるのが好ましい。また繊維材料の空孔率は、50〜80%である。
【0011】
繊維材料を親水性の金属酸化物でコーティングする方法は、金属フッ化物水溶液から酸化物薄膜を析出させる、いわゆる液相析出法(LPD: Liquid Phase Deposition法)が好ましい。金属酸化物としては、酸化チタン(TiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、二酸化珪素(SiO2)等が挙げられるが、中でも酸化チタン(TiO2)が好ましい。なお、本発明でいう親水性とは、固体表面に対して接触角が例えば0〜5度が例示される。液相析出法は、公知の方法であり、例えば特開昭59−141441号公報、特開平1−93443号公報、特開平3−285821号公報、特開平3−285822号公報、特開平4−26516号公報、特公平7−35268号公報等に開示されている。具体的には、液相析出法は、金属フッ化物含有水溶液、例えばチタンフッ化アンモニウムあるいはチタンフッ化水素酸水溶液にほう酸あるいはアルミニウムを添加して調製した水溶液に、繊維材料を浸漬し、繊維材料の表面を金属フッ化物含有水溶液から析出する金属酸化物でコーティングし、繊維材料の表面を親水性に改質するという方法である。液相析出法は、大量の繊維材料を一度に処理することができること;複雑な形状の繊維材料であってもその内部まで均一な被覆が可能であること;密着性が比較的良好であること;CVD法やPVD法に比べ、高価な装置を用いる必要がなく、さらにsol−gel法によるディップコーティング法やスピンコーティング法に比べ、繊維材料を処理液に浸積させるだけであるため、処理コストが低いこと;常温に近い温度で被覆が可能であるため、処理エネルギーが少なくてすむこと;等に優位点がある。なお、液相析出法を採用する場合、繊維材料としては、金属フッ化物水溶液と反応しにくい材料を選択するのが好ましい。
【0012】
さらなる具体例として、本実施の形態における液相析出法について説明する。(NHTiF(六フッ化チタン酸アンモニウム)0.1mol/l、ホウ酸0.2mol/lを含む水溶液を、適当な容器に入れ混合し処理液とした。縦、横20cm角、厚さ50μm、空孔率50%のPPS(ポリフェニレンサルファイド)メルトブロウ不織布を該処理液に浸漬し、脱泡した後に、30℃に保持して20時間処理した。処理終了後、純水で洗浄し、60℃で乾燥し、多孔質膜を作製した。図1は、このような液相析出法で処理した後のPPSメルトブロウ不織布の繊維の顕微鏡拡大写真図である。図1によれば、繊維表面10は酸化チタン薄膜でコーティングされ、酸化チタン層による干渉色を呈していた。
また、処理前後の重量差からPPSメルトブロウ不織布は、その1cm当たり、1.5mgの酸化チタンが被覆されたことがわかった。酸化チタンの比重から体積換算すると約0.38×10-3cm3となり、コーティングによってPPSメルトブロウ不織布の空孔体積が狭くなることはなかった。
次に、未処理のPPSメルトブロウ不織布と液相析出法で処理した後のPPSメルトブロウ不織布を10秒間純水に浸漬し重量法にて吸水量を比較した。処理後のPPSメルトブロウ不織布は、未処理のものに比較して単位面積あたり約10倍の水を保持しており、処理後のPPSメルトブロウ不織布の表面は一様に水によるウエットシールが形成されていた。
【0013】
図2は、本実施の形態で作製された多孔質膜を用いた、温湿度交換器の内部構造の一例を説明するための図である。図2において、1は前記のように作製された繊維材料からなる多孔質膜であり、縦、横20cm角、厚さ50μm、空孔率50%のPPS(ポリフェニレンサルファイド)メルトブロウ不織布である。2は上下の多孔質膜1を支えるセパレータであり、厚さ250μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)のフィルムを波状にしたものである。本実施の形態では、9枚の多孔質膜1の間にセパレータ2を10個設け、多孔質膜1およびセパレータ2からなる積層体を構成し(なお、図2ではすべての層を示してはいない)、温湿度交換器とした。
なお該積層体において、ガスの流れが矢印21の方向になるようなガス流路4と、ガスの流れが矢印22の方向になるようなガス流路3とを交互に形成し、それぞれ積層した。
次に、そして湿潤ガスの流れを矢印22の方向になるように、乾燥ガスの流れを矢印21の方向になるように設定し、湿度交換の度合について調べた。図3は、温湿度交換器のガス出口部における供給ガス(湿潤ガス)の露点と被加湿ガス(乾燥ガス)の露点との関係を示すグラフである。図3のグラフにおいて実線が本実施の形態の温湿度交換器の結果を示している。なお、破線は酸化チタンで被覆されていないPPSメルトブロウ不織布を多孔質膜として用いた例(比較例)である。本実施の形態の温湿度交換器のほうが比較例よりも被加湿ガスの到達露点が高く、湿度交換の効率が高まっていることが分かる。したがって本発明の多孔質膜は、特に被加湿ガスの高い到達露点を要求される燃料電池の排ガス水分回収にも用いることができる。
【0014】
続いて、温湿度交換器の被加湿ガスの出口部に正圧として0〜40kPaをかけ、供給ガスの出口部から流れ出るガス量を計測し、温湿度交換器におけるガスの漏れ率(供給ガスの出口部から流れ出るガス量の増加の割合)を計測した。図4は、前記圧力と漏れ率との関係を示すグラフである。比較例の温湿度交換器は、10kPa程で漏れ率が100%になるのに比べ、本実施の形態の温湿度交換器は、漏れ率の増加が鈍いことが分かる。また本発明者らのさらなる実験によれば、本実施の形態の温湿度交換器は、200mmAq程度の正圧が内部にかかった場合でも供給ガスと被加湿ガスとの間での漏れが起こらないことが分かった。その理由は、供給ガス中の水分が多孔質膜に捕獲され、多孔質膜を構成する繊維材料の繊維間の空隙が水によってふさがれたいわゆるウエットシールが形成されるためであると考えられる。
【0015】
図5は、本実施の形態および比較例の温湿度交換器における多孔質膜の繊維材料と供給ガス中の液滴との関係を示す図である。図5(a)の比較例の温湿度交換器の多孔質膜は、繊維材料表面上が親水性ではないため、液滴5が繊維6に捕獲されず、液滴5とガスが触れる表面積が小さくなっている。また、繊維6間に多くの空隙が存在しガスの漏れ率を上げている。逆に図5(b)の本実施の形態の温湿度交換器の多孔質膜は、繊維材料表面が親水性であるため、液滴が繊維6に捕獲され、液滴とガスが触れる表面積が大きくなっている。また、繊維に捕獲された液滴が繊維の空隙を埋めウエットシール7を形成するため、漏れ率が小さくなる。
【0016】
実施の形態2.
実施の形態1で作製した多孔質膜と、比較例の多孔質膜を適当な容器に入れ、90℃の温水に1ヶ月間浸積し、耐加水分解性を比較した。浸漬後のサンプルを20×100mmの短冊状に切り試験片とし、引っ張り試験を行った。図6は、試験片の引っ張り試験における荷重曲線を示すグラフである。図6において、本実施の形態の試験片のほうが比較例のそれに比べて試験片長の変位量が大きくなっても荷重に耐えることができ、耐加水分解性に優れていることが分かる。逆に比較例は、多孔質膜の繊維が脆く変質していることが認められた。
本実施の形態によれば、本発明に使用される多孔質膜の耐加水分解性が著しく改善されたことから、寿命が長い温湿度交換器が得られることが分かる。
【0017】
実施の形態3.
(NHTiF(六フッ化チタン酸アンモニウム)0.1mol/l、ホウ酸0.2mol/lを含む水溶液を適当な容器に入れ混合し処理液とした。厚さ50μm、空孔率50%のPPSメルトブロウ不織布と厚さ50μm空孔率50%の和紙(セルロース)と厚さ40μm、空孔率50%のビニロンフィルムとをそれぞれ該処理液に浸漬し、脱泡した後に、30℃に保持して20時間処理した。処理終了後、純水で洗浄し、60℃で乾燥した。処理後のサンプルはいずれも酸化チタン薄膜でコーティングされ、酸化チタン層による干渉色を呈していた。処理前後の重量差からPPSメルトブロウ不織布1cm当たり、1.5mgの酸化チタンが、和紙1cm2当たり、1.55mgの酸化チタンが、ビニロンフィルム1cm当たり1.53mgの酸化チタンがコーティングされたことが分かった。したがって、コーティングによってサンプルの空孔体積が狭くなることはなかった。
また、PPSメルトブロウ不織布を該処理液に10時間または30時間浸積処理したものを作製し、前記の20時間処理したものと比較した。処理前後の重量差からPPSメルトブロウ不織布1cm当たり、10時間処理したものには0.8mgの酸化チタンが、20時間処理したものには1.5mgの酸化チタンが、30時間処理したものには2.2mgの酸化チタンが被覆されたことが分かり、時間に比例してコーティング量が増加することが分かった。
このことにより、種々の多孔質膜に金属酸化物薄膜を形成することができ、任意の厚さのコーティングが可能であるため、多孔質膜の材料選定において幅広い選択が可能となり、安価で長寿命の温湿度交換器が得られるようになった。
【0018】
【発明の効果】
請求項1の発明は、2種の気体流間で熱交換および湿度交換を行う温湿度交換器における前記2種の気体流の流路間に配設される温湿度交換器用多孔質膜であって、前記多孔質膜が、50〜80%の空孔率を有する繊維材料からなるとともに、前記繊維材料の表面が親水性の金属酸化物で前記繊維材料1cm 当たり1.5〜2.2mgコーティングされていることを特徴とする温湿度交換器用多孔質膜であるので、供給ガス中の水分が繊維材料の空隙に捕獲されて水によるウエットシールを形成し、このことにより、例えば撥水された繊維材料と比べても、水の表面積が大きいため蒸発速度が高く、透気性を低くかつ透湿性を高くすることが可能となる。したがって、請求項1の発明によれば、透気性を十分に低くしたまま良好な温湿度交換が可能であり、しかも耐加水分解性に優れた温湿度交換器用多孔質膜を提供することができる。このような多孔質膜を備えた温湿度交換器は、例えば燃料電池に供給される燃料ガスの加湿に好適に用いることができる。
【0019】
請求項2の発明は、金属酸化物が酸化チタンであることを特徴とする請求項1に記載の温湿度交換器用多孔質膜であるので、多孔質膜の化学的安定性が非常に高くなり、耐加水分解性が一層高まる。したがって、このような多孔質膜を備えた温湿度交換器は、長寿命化が達成される。
【0020】
請求項3の発明は、金属フッ化物含有水溶液に50〜80%の空孔率を有する繊維材料を浸漬し、前記繊維材料の表面を前記金属フッ化物含有水溶液から析出する金属酸化物で前記繊維材料1cm 当たり1.5〜2.2mgコーティングし、前記繊維材料の表面を親水性に改質する工程を有することを特徴とする請求項1に記載の温湿度交換器用多孔質膜を製造する方法であるので、多孔質膜を形成する繊維材料の特性によらずに金属酸化物薄膜を形成することが可能であり、また任意の厚さの薄膜を形成できるため、多孔質膜材料選定において、安価な材料を選定することが可能となる。したがって、透気性を十分に低くしたまま良好な温湿度交換が可能であり、しかも耐加水分解性に優れた温湿度交換器用多孔質膜を低コストで製造することができる。
【0021】
請求項4の発明は、金属酸化物が酸化チタンであることを特徴とする請求項3に記載の製造方法であるので、多孔質膜の化学的安定性が非常に高くなり、耐加水分解性が一層高まる。したがって、長寿命の温湿度交換器を安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 液相析出法で処理した後のPPSメルトブロウ不織布の繊維の顕微鏡拡大写真図である。
【図2】 実施の形態1で作製された多孔質膜を用いた、温湿度交換器の内部構造の一例を説明するための図である。
【図3】 温湿度交換器のガス出口部における供給ガス(湿潤ガス)の露点と被加湿ガス(乾燥ガス)の露点との関係を示すグラフである。
【図4】 供給ガス圧力と漏れ率との関係を示すグラフである。
【図5】 実施の形態1および比較例の温湿度交換器における多孔質膜の繊維材料と供給ガス中の液滴との関係を示す図である。
【図6】 実施の形態2における試験片の引っ張り試験における荷重曲線を示すグラフである。
【図7】 従来の空調用の固定式温湿度交換器の内部構造を説明するための図である。
【符号の説明】
1 多孔質膜、2 セパレータ、3,4 ガス流路、5 液滴、6 繊維、
7 ウエットシール、10 繊維表面。

Claims (4)

  1. 2種の気体流間で熱交換および湿度交換を行う温湿度交換器における前記2種の気体流の流路間に配設される温湿度交換器用多孔質膜であって、前記多孔質膜が、50〜80%の空孔率を有する繊維材料からなるとともに、前記繊維材料の表面が親水性の金属酸化物で前記繊維材料1cm 当たり1.5〜2.2mgコーティングされることを特徴とする温湿度交換器用多孔質膜。
  2. 金属酸化物が酸化チタンであることを特徴とする請求項1に記載の温湿度交換器用多孔質膜。
  3. 金属フッ化物含有水溶液に50〜80%の空孔率を有する繊維材料を浸漬し、前記繊維材料の表面を前記金属フッ化物含有水溶液から析出する金属酸化物で前記繊維材料1cm 当たり1.5〜2.2mgコーティングし、前記繊維材料の表面を親水性に改質する工程を有することを特徴とする請求項1に記載の温湿度交換器用多孔質膜を製造する方法。
  4. 金属酸化物が酸化チタンであることを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
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