JP3886392B2 - クロック再生回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クロック再生回路に関し、特に伝送装置の位相同期信号である基準クロックを高精度で再生して再生クロックを発生するクロック再生回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
リングネットワーク等に使用されるデータ多重化伝送装置等では、安定した位相同期信号を得るためには、受信したデータに対する位相同期信号(基準クロック)にジッタやドリフトがあっても、基準クロックに同期した高精度のクロックを再生するクロック再生回路を備える必要がある。クロック再生回路は、基準クロックに障害が発生したときに、それまでの再生クロックを継続して発生するために、クロックホールドオーバ回路を備えることもある。
【0003】
この種の従来技術の例として、特許第2808967号「クロックホールドオーバ回路」を挙げることができる。このクロックホールドオーバ回路は、基準クロックが正常である間は、基準クロックを分周した信号と、再生クロックを分周した信号とを位相比較する。比較による誤差信号は、積分器(ローパス・フィルタ)で高周波成分が除去されとともに、別途設けられる基準発信器が発生するクロックでカウントしてデジタル数値化される。D/A変換器はディジタル値をD/A変換し、この結果により得られたアナログ信号を制御電圧として、VCO(Voltage Controlled Oscillator)のクロック周波数をフィードバック制御する。再生クロックはVCOから得られるので、これにより、再生クロックは基準クロックに位相が一致し、基準クロックに同期したクロックを再生できる。
【0004】
基準クロックが途絶えた異常時には、異常発生直前のVCOの発振周波数を固定し、その発振周波数を表すカウンタの計数値をメモリに記憶する。そして、別途受けられる設けられるコンパレータは、メモリに記憶した計数値と、カウンタが計数するVCOの発振周波数とを比較し、これによってVCOの発振周波数を監視し、監視結果に基づいてVCOの発振周波数を制御する。このように、電源変動や温度変化によってVCOの発振周波数が変動しても、その変動に応答してVCOの発振周波数を補正するため、周波数保持精度が向上するので、常に安定したクロックを再生することができるようになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来技術では、カウンタは基準発信器が出力するクロックを計数することによってVCOの発振周波数を計数するため、VCOの周波数制御の精度は、基準発信器から出力されるクロックの1周期の大きさに依存する。すなわち、位相比較誤差信号は基準発信器の1クロックの精度で量子化されるので、その量子化誤差を伴い、その大きさは、平均すれば基準発信器が出力するクロックの1周期の半分と見なせる。基準クロックを1/Mに分周した周期(基準クロックの1周期×M)で位相比較を行うとすると、この方式による周波数制御の精度は高々、(「基準発信器のクロックの1周期」/2M「基準クロックの1周期」)となる。
【0006】
通常は、位相比較誤差がランダムに発生して積分器で平均化されるので、量子化雑音も十分平滑化されて小さくなるため位相比較の精度は高くなる。しかし、位相比較誤差がランダムではなくて平均化の周期より長い周期でゆっくりと変動する場合、あるいは基準クロックが途絶えてクロックホールドオーバーの動作状態となり積分器出力がホールド状態になった時は、量子化雑音が局部的にそのまま現れ、再生されたクロックは、量子化雑音が発生した近傍が局部的に粗い精度となってしまうという問題がある。
【0007】
この問題を解消する一つの方法として、分周比Mの値を大きくすることが考えられるが、Mの値を大きくすると、位相比較器において位相比較を行う制御周期が長くなり、基準クロックが変動した時にその変動に追従する過渡特性が悪くなる。また、Mの値を大きくしても、PLL(Phase Locked Loop)回路のLPF特性が十分低くなければ、量子化雑音が局部的に発生するため、再生されたクロックは、量子化雑音が発生した近傍が局部的に粗い精度となってしまうが、LPF特性が低いと積分機能が劣化するので、位相比較誤差の高周波成分除去が不充分になり、位相比較誤差のデジタル数値化に誤差が生じることになる。
【0008】
そこで、本発明の目的は、受信データに同期した高精度のクロックを再生するのに、過途応答特性がよくて引き込みが早く、かつ高精度・高安定のクロックを再生することができるクロック再生回路を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のクロック再生回路は、入力クロックを再生して再生クロックを得るクロック再生回路において、位相の比較に適するように入力クロックを分周した第1基準位相信号について基本クロックをカウントして定まる時刻値の複数周期にわたる平均時刻値を求める手段と、再生クロックを基本クロックに近似した周波数に分周した分周再生クロックと基本クロックとの位相関係を示す位相角信号を求める手段と、再生クロックを第1基準位相信号の周波数と同一に分周した第2基準位相信号について位相角信号を用い前記基本クロックをカウントして定まる時刻値を求める手段と、該時刻値を平均時刻値と比較し、その差分信号によって再生クロックの発生を制御する手段とを有することを特徴とするものである。
【0010】
より詳しくは、本発明のクロック再生回路は、入力クロックを再生して再生クロックを得るクロック再生回路であって、入力クロックを位相比較に適した分周比で分周して第1基準位相信号を求める第1分周器(図1の101)と、安定した基本クロックを発生する基本クロック発生回路(図1の107)と、基本クロックを連続カウントすることにより定まる時刻値を第1基準位相信号の周期毎に標本化して分周時刻値を求める計時回路(図1の102)と、分周時刻値の傾きを複数周期にわたって平均化して平均分周時刻値を求める平滑化回路(図1の103)と、再生クロックを分周して基本クロックの周波数に近似した分周再生クロック、および該分周再生クロックを分周して第1基準位相信号と同一周波数の第2基準位相信号を求める第2分周器(図1の109)と、分周再生クロックと基本クロックの位相関係を示す位相角信号を求める位相検出回路(図1の111)と、第2基準位相信号の周期毎の分周時刻値を位相角信号を用い基本クロックのカウント数で計測して求める精密計時回路(図1の108)と、分周時刻値と平均分周時刻値との差分をとり差分信号を求める比較差分回路(図1の104)と、差分信号を積分する積分回路(図1の105)と、積分値をアナログの制御電圧に変換するD/A変換器(図1の106)と、制御電圧に応答して再生クロックを発生する電圧制御発信器(図1の110)とを備えたことを特徴とする。
【0011】
この発明では、入力クロックの分周周期の位相を基本クロックのクロック数で計測し平滑化するので、分周周期のカウント値を平均化した高い精度の計測値が得られる。位相の値は平均化により高い精度(小数点以下の精度)で求めることができる。整数値でカウントしても、100回の測定を行って平均化すれば、小数点以下2桁の精度で位相の値が得られる。そして、再生クロックの分周周期の位相は、位相検出手段の助けを借りて高い精度で得ることができるため、従来技術におけるように分周周期を特に長くしなくても、高い精度で位相比較が行えるため、高精度で安定した再生クロックは得ることができる。
【0012】
また、パケット伝送では、再生するデータとクロックはバースト的になり、このバーストクロックから安定したデータ用クロクを発生するのはなかなか困難であるが、本発明では、バーストクロックを分周した分周周期を十分に平滑化して平均した分周周期を求めて、ジッタのほとんどない安定した平均分周周期を用いて再生クロックの周波数制御を行うため、バーストジッタを十分取り除いたクロックを再生できる。
【0013】
また、本発明のクロック再生回路における平滑化回路は、分周時刻値を平滑化した分周周期を積分し、この積分値と現時点の分周時刻値とのずれを補正することにより平均分周時刻値を求めるように構成してもよい。
【0014】
このような構成を採用することにより、分周時刻値を積分して求める平均分周時刻値が演算における量子化誤差の影響により、分周時刻値と次第にずれてくるのを補正することができるので、高精度の再生クロックを得ることができるようになる。
【0015】
また、本発明のクロック再生回路における平滑化回路は、分周時刻値を平滑化した分周周期を積分し、この積分値と現時点の分周時刻値とのずれを比較し、両者の差が予め定めた値より大きいときには平滑化した分周時刻値でなく、現時点の分周時刻値をそのまま出力するように構成してもよい。
【0016】
このような構成を採用することにより、入力クロックの周期が急に変化して分周時刻が大きく変わった場合、平均分周時刻値がその変化に追従するのには平均化の時間幅だけの時間がかかるが、平均分周時刻値と分周時刻値とのずれがある閾値を超える間は、分周時刻値をそのまま出力することにより、一時的にはクロックの安定度は落ちるが、過渡応答特性の良いクロックを再生できる。
【0017】
また、本発明のクロック再生回路における平滑化回路は、入力クロックが断となったときには、直前までに得られた分周時刻値の平均の傾きを用いて平均分周時刻値を発生し、該平均分周時刻値を出力するクロックホールドオーバ機能を備えるようにしてもよい。
【0018】
このような構成を採用することにより、小数点以下の精度で位相角信号を保持するため、入力クロックが断となっても、ホールド機能により継続して再生されたクロックは高い精度のものとなる。この場合、再生クロックの安定度は、VCOに依存するのではなく、基本クロックの安定度に依存することになる。VCOの周波数が変わっても基本クロックの周波数は特に限定されないので、1つの高安定度の高い基本クロックを準備しておけば、精度の低いVCOを取り替えることによって、異なる周波数の場合でも、高精度で安定したクロック再生が可能となる。
【0019】
また、本発明の本発明のクロック再生回路における基本クロック発生回路は、分周再生クロックの周波数に対する比がおおよそ整数比(n/m)となる周波数の基本クロックを発生し、また位相検出回路は、分周再生クロックと基本クロックの立上りが一致する時を判定し、立上りが一致した時からの分周再生クロックの数およびと基本クロックの周波数対分周再生クロックの周波数の比がn/mの関係であることを用いて分周再生クロックの周期毎の分周再生クロックの立上りと基本クロックとの位相関係を計算するようにしてもよい。
【0020】
位相検出回路は、時々刻々、基本クロック(この説明ではクロックAと記す)と分周再生クロック(この説明ではクロックBと記す)の位相関係をディジタル処理によりで簡単に求めることが可能である。いま、2つのクロックA,Bの周波数の比は整数の比で近似でき、大略たとえばn/mで表されるとする。クロックAの1周期をTa、クロックBの1周期をTbとすると、n×Taはm×Tbにほぼ等しくなる(n×Ta≒m×Tb)。すなわち、クロックAの立上りと、クロックBの立上りが一致したとき、クロックAのnクロック後の立上りと、クロックBのmクロック後の立上りはほぼ一致する。従って、立上りが一致する同期(立上り一致周期)はおおよそn×Taまたはm×Tbで表せる。
【0021】
2つのクロックの立上りが一致した後、クロックAのiクロック後の立上りの時間とクロックBの位相関係は、iクロック後の立上の時間はi×Ta≒i×m/n×Tbとなるので、整数を示すINT関数と、余りを示すMOD関数を用いると、i×m/nの値は、整数値X=INT(i×m/n)と小数点以下の値Y=MOD(i×m、n)/nの合計値として表される。すなわち、i×m/nの値の整数部分XがTbのクロック数を、i×m/nの値の小数点以下の値YがクロックBの1周期の中でのクロックAの立上りに対応する位相(時点)を示す。
【0022】
同様に、立上りが一致した後、クロックBのjクロック後の立上りとクロックAの位相関係は、jクロック後の立上の時間はj×Tb≒j×n/m×Taとなるので、j×n/mの値が整数値X=INT(j×n/m)と小数点以下の値Y=MOD(j×n、m)/mの合計値として表されるとき、j×n/mの値の整数部分xがTbのクロック数を、j×n/mの値の小数点以下の値YがクロックAの1周期の中でのクロックBの立上りに対応する位相(時点)を示す。
【0023】
すなわち、2つのクロックの立上りが一致した後のクロックAまたはクロックBのクロック数(i又はj)が分かれば、クロックAの立上りはクロックBのどの位相(MOD(i×m、n)/n×Tb)にあるか、またクロックBの立上りはクロックAのどの位相(MOD(j×n、m)/m×Ta)にあるかは、計算により簡単に高い精度(クロック周期の1/n又は1/m)で求めることができる。
【0024】
クロックの立上りの一致は次のようにして求める。クロックAをクロックBで標本化して2値の値にする。立上り一致周期の間では、n×Ta=m×Tbの関係が成り立つと見なせる。クロックAとクロックBの位相がαずれているとすると、クロックBの立上りでクロックAを標本化した時の標本点の位相(時点)は、ほぼα+j×n/m×Taと表せる。
【0025】
ここで、jの値が0〜(m−1)間であるとき、クロックBの立上りはクロックAの立上りと一致した後はmクロック後に再びクロックAの立上りと一致することから、j×n/m×Taの小数点以下の部分の値(MOD(j×n、m)/m×Ta)は、mクロックの間は一致することはなく、0/m×Taから(m−1)/m×Taのいずれかの値をとることになる。言い換えると、mクロックの間は(MOD(j×n、m)の値は一致することはない。これは、mクロックに初めてほぼ一致と見なせるnとmの関係を選択しているためであり、もしmクロック以前に一致する時点が有れば、そのmの値より小さい値で立上りが一致するnとmの値の関係があることになり、mの選定が誤りであったことになる。
【0026】
従って、クロックBの立上りで標本化されたクロックAの値は、Taの周期をm等分したいずれかの位相(位置)における標本値を示す。j×n/m×Taの小数点以下の位相値を並び替えれば、0/m×Taから(m−1)/m×Taのいずれかの位相となり、その各位相に対応するクロックAの標本値は、j番目のクロックBでクロックAを標本化した標本値である。
【0027】
クロックAをクロックBで標本化して2値の値にする。2値に標本化して、その標本値を順にm個のメモリアドレスに蓄えられる。このm個の標本点(i=0〜(m−1))は、クロック周期Taを基準として、整数値x=INT(j×n/m)と小数点以下の値y=MOD(j×n、m)/mの合計値として表されるが、その小数点値Yが小さい順番の並び替順で標本値を読み出す。
【0028】
すなわち,標本点はこのm個の標本点の並びを決められた順番で並び替えて読み出すと、入力クロックの一周期を基準クロックでm等分したm個の標本値を順に読み出すこととほぼ等化になる。正確には,ある整数倍X(INT(j×n/m))のクロック周期だけ先の標本点であるが、クロック周期は判定を行う短い時間の間は一定と見なすことができ、整数倍周期先の位相角位置でも、1周期内とほぼ同じ位相角位置となると見なせる。1周期で並んだ標本値を読み出したとき、標本値が0から1に変化するところがクロックの立ち上がり点と判定できる。
【0029】
この方法により、クロックAとクロックBの周波数の比がほぼn/mの場合とすると、クロックBの立上りとクロックAの位相はクロックAの1周期(Ta)のm等分の精度で位相を検出できる。ディジタル処理であるので、安定に位相角を求めることが可能である。
【0030】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0031】
[適用される通信システム]
図2は、本発明が適用される通信システムの構成を示すブロック図である。
【0032】
この通信システムは、同軸ケーブルで伝送されるDS3系のデータ(周波数は44.736Mbps)を、光ケーブルによるSONET(STM−0)系の伝送路(周波数は51.84Mbps)を介してSONET系信号で送信し、受信側では送信側のDS3のクロックに高精度で周波数同期したクロックを再生して再生クロックを発生し、再生クロックに同期したDS3系信号を出力するものである。DS3系のクロックとSTM系のクロックは通常同期していないので、SONET系とDS3系との間でクロックを乗り換えるクロック再生回路が必要となる。
【0033】
図2において、バイポーラのDS3系信号がインタフェース回路121で2値のデータに変換され、多重化回路122へ供給される。多重化回路122ではDS3系のデータ列をSONET(STM−0)系のデータ列に多重化する。STMでは信号はオーバヘッド(OH)+ペイロードのフレーム構成をしており、STM0の場合、90バイトの区間中3バイトがOH、87バイトがペイロードとなる。制御信号が伝送されるオーバヘッドの部分は、伝送データを多重化することはできないので、データの伝送は均一の速度では送れない。
【0034】
多重化回路122は、オーバヘッド期間にDS3系のデータをバッファメモリに一旦蓄え、ペイロード部分でDS3系のデータを多重化するが、DS3系のデータが空いている所は、あらかじめ定めたフォーマットでダミーデータをつけて、DS3系のデータ列がSONET系のデータ列のデータ速度になるように多重化する。そして、フレーム構成したSONET系のデータ列の信号を光信号に変換し、伝送クロック発生回路125が発生する伝送路クロック(51.84Mhz)に同期して送出する。
【0035】
受信側の伝送クロック再生回路126は、受信した光信号から伝送路クロック(51.84Mhz)を再生し、分離回路123へ供給する。分離回路123は、伝送路から光信号を受けて、ペイロードの中でDS3の有効データだけをインタフェース回路124へ供給するとともに、有効なデータタイミングの伝送路クロックをDS3クロック再生回路127へ供給する。DS3クロック再生回路127は、バースト的な有効データの伝送路クロックを受けて、均一化した安定したDS3のクロックを再生し、インタフェース回路124へ供給する。インタフェース回路124は、51.84Mhzの伝送路クロックにより光ケーブルで伝送されてきたSTM系のデータ列を、再生された44.736MhzのDS3系クロックでDS3系信号に変換して出力する。
【0036】
[DS3クロック再生回路127]
図1は、本発明の第1実施例の構成を示すブロックであり、図2におけるDS3クロック再生回路127の詳細を示す。
【0037】
このDS3クロック再生回路127は、前述のように、バースト的な有効データの伝送路クロックを受けて、均一化した安定したDS3のクロックを再生し、インタフェース回路124へ供給する。そのために、DS3クロック再生回路127は、分周器101,計時回路102,平滑化回路103,比較差分回路104,積分回路105,D/A変換器106,基本クロック発生回路107,精密計時回路108,分周器109,電圧制御発信器(VCO)110および位相検出回路111で構成されている。
【0038】
分周器101には、受信したDS3の有効データに対応した有効バーストクロック(平均周波数は44.736Mhz)であるSONET系クロックが分離回路123から供給される。STM−0のフレームは、前述のように、90バイトの区間中、3バイトがオーバヘッドの区間でデータの区間は残り87バイトの区間であるため、3バイトの区間はデータが伝送されず、有効データを示すバーストクロックは3バイトの期間止まることになる。
【0039】
また、DS3とSTMとは同期していないので、3バイトの期間はDS3のクロックに対してずれていくことになる。位相比較のため、分周器101は有効バーストクロックを位相比較に適した分周比で分周して基準位相信号を求める。例えば、44.736Mhzの有効バーストクロックを5592分周すると、周波数8Khzの基準位相信号が求まり、この基準位相信号を計時回路102へ供給する。
【0040】
計時回路102は、基本クロック発生回路107が発生している基本クロックを連続カウントすることにより定まる時刻値を基準位相信号(8Khz)の周期毎に標本化して、周期毎の時刻値(以下「分周時刻値」と記す)を求め平滑化回路103へ供給する。基準位相信号の1分周周期の範囲で位相引き込み制御ができればよいので、分周時刻値を表すカウント値のためには、高々数周期が区別できるビット数があればよい。
【0041】
いま、基本クロックの周波数を1.871281Mhzとすると、基準位相信号の周期毎の時刻値は約234だけ増加するので、1周期を区別するためのカウンタのビット数は9ビットということになる。この場合、カウンタは基本クロックについて0から511までのカウントを繰り返しており、計時回路102は基準位相信号の立上がり時のカウント値(0〜511のいずれか)を分周時刻値として平滑化回路103へ出力する。
【0042】
但し、平滑化回路103では下記のように分周周期の平均化を行うが、平均化の対象となる周期の数周期前の分周時刻値を用いる場合には、平均化周期幅の数倍の時刻値が区別できるビット数が必要となる。例えば、1024周期にわたって平均化する場合には、計算上ではカウンタには更に10ビットを必要とし、そのビット数は合計で19ビットとなる。しかし、計時回路102の通常の構成では、基準位相周期信号の最大変位、従ってカウンタ値の最大変動幅は推定できるため、10ビットも必要とせず、その変動を区別できるだけのビット数で足りる。
【0043】
平滑化回路103は、分周時刻値の傾き、すなわち基準位相信号の1周期である1/8ミリ秒当りのカウンタ値増分を複数周期にわたって平均化した平均分周時刻値を求め、比較差分回路104へ供給する。例えば、1024周期にわたって平均化するのであれば0.128秒間、1024回測定した分周時刻値の合計を1024で除算し、小数点以下10ビットの精度で平均分周時刻値を求める。また、128周期にわたって平均化するのであれば0.016秒間、128回測定した分周時刻値の合計を128で除算し、小数点以下8ビットの精度で平均分周時刻値を求める。なお、ジッタの他にワンダーが問題になる場合は平均化の周期を長くする。
【0044】
比較差分回路104は、平準化回路103から供給された平均分周時刻値と、精密計時回路108から入力する再生クロックの精密な分周時刻値との差分を小数点以下の精度で比較し、その差分信号を積分回路105へ供給する。
【0045】
積分回路105は比較誤差の差分信号を積分して制御信号を得てD/A変換機106に出力する。積分は、予め定めた係数を差分信号に乗算して結果を加算して、基準位相信号の周期で動作するレジスタに累積していくことにより行う。係数は、差分信号が小さいときはPLLのループ応答を良くするために大きく、差分信号が大きいときはあまり急激な変化が起きないように小さく設定される。
【0046】
D/A変換器106は、制御信号をアナログ信号に変換し、VCO回路110へ供給し、VCO110はこのアナログ信号によって電圧制御されて発振し、44.736Mhzの再生クロックを発生する。電圧制御は、比較差分回路104において、平準化回路103から供給された平均分周時刻値と精密計時回路108から入力する再生クロックの精密な分周時刻値とが一致するように行われる。
【0047】
分周回路109はVCO110からの再生クロックを1/24に分周して1.864Mhzの分周再生クロックを得て位相検出回路111へ供給し、また分周再生クロックを1/233に分周して8Khzの基準位相信号を得て精密計時回路108へ供給する。VCO110からの再生クロックのままでは、44.736Mhzと周波数が高いが、2Mhz程度のクロック速度にすると、それ以降の処理はプロセッサを用いてソフトウェアで容易に実現することが可能になる。また、位相検出回路111の構成上の負担も軽減できる。
【0048】
位相検出回路111は、分周再生クロックの立上り点が基本クロックの1周期(360度)のどの位置にあるか、言い換えるといくらの位相角の所にあるかを検出し、360を1として小数点以下で示す信号、例えば8ビットによる0/256〜255/256の位相角信号として精密計時回路108へ供給する。
【0049】
精密計時回路108は、分周器109から供給される8Khzの基準位相信号と、位相検出回路111から供給される分周再生クロックの位相角信号と、基本クロックで連続カウントしている時刻値とから、基準位相信号毎の再生クロックの精密な分周時刻値を小数点以下の精度で求めて比較差分回路104へ供給する。
【0050】
基本クロック発生回路107は、分周再生クロックの周波数1.864Mhzのn/m=257/256倍に当る周波数1.871281Mhzの基本クロックを発生する発振器である。したがって、VCO110に比べて高安定の基本クロックを発生し各部へ供給できる。Mの値は小数点以下の値が表現しやすいように2のべき乗に設定している。
【0051】
[位相検出回路111の詳細]
図3は位相検出回路111の詳細な構成例を示す。
【0052】
クロックの立上がり位相一致を検出するのに、基本クロックで分周再生クロックを標本化する構成と、分周再生クロックで基本クロックを標本化する方法が考えられるが、ここでは、後者を採用している。このてに、位相検出回路111は、レジスタ131,メモリ132,立上り判定回路133,m分周器134,アドレス回路135、m分周器136,n乗算器137,余り計算器138および1/m乗算器139から構成される。
【0053】
基本クロックはレジスタ131へ、分周再生クロックはレジスタ131,2つのm分周器134,136およびアドレス回路135へ供給される。レジスタ131は1.871281Mhzの基本クロックを1.864Mhzの分周再生クロックで標本化し、クロックのロウ/ハイに対応した2値(0/1)に変換した標本値を出力し、メモリ132および立上り判定回路133へ供給する。
【0054】
m分周器134は分周再生クロックをm分周して0〜(m-1)のカウント値jを出力し、メモリ132およびアドレス回路135へ供給する。メモリ132はm分周器134からのカウント値jに対応した書込みアドレス(「アドレスj」と記す)に標本値を書き込む。アドレス回路135は、アドレス変換テーブルを備えており、分周再生クロックがロウの時はアドレスjの標本値Djと位相が前のアドレスjb、分周再生クロックがハイの時はアドレスjの標本値Djと位相が後ろのアドレスjaを時分割で出力する。
【0055】
アドレス変換テーブルには、アドレスjの値に対してMOD(j×n,m)=Yの時、MOD(jb×n,m)=Y−1およびMOD(ja×n,m)=Y+1を満たすアドレスjbおよびアドレスjaの値を予め計算して設定しておく。分割で出力されたアドレスjbおよびアドレスjaはメモリ132へ供給される。ちなみに、n=257、m=256の場合、j=1ならjb=0、ja=1となる。
【0056】
メモリ132は、アドレスjb,アドレスjaから標本値Djb,Djaを出力し、立上り判定回路133へ供給する。立上り判定回路133は、3つの標本値Djb,DjおいよびDjaが「0,1,1」となる時を基本クロックが立ち上る時と見なして、分周再生クロックと基本クロックの立上りが一致する位相と判定する。そして、通常は“1”の値をとっているが一致したときには“0”となる一致信号を出力してm分周器136へ供給する。
【0057】
m分周器136は、分周再生クロックをm分周して0〜(m-1)のカウント値jを出力してn乗算器137へ供給するカウンタであるが、一致信号が“0”となるときはカウンタ値が“0”にリセットされて再びカウントを始める。n乗算器137は、入力されたカウント値jをn倍してj×nの値を求めて出力し、余り計算器138へ供給する。
【0058】
余り計算器138はMOD(j×n,m)の計算を行って余りを出力し、1/m乗算器139へ供給する。n=257、m=256の場合には、MOD(j×n,m)=MOD(j×256+j,256)=MOD(j,256)であるので、j=1ならMOD(j×n,m)=1となる。1/m乗算器139は、上述の余りを1/m倍してMOD(j×n,m)/mで示される位相差の値を求め、これを位相角信号として精密計時回路108に出力する。
【0059】
なお、PLL制御はある程度時間がかかってもよいので、分周再生クロックと基本クロックの立上り一致検出は、即時に判定する必要はなく、また一旦一致する時点が分かれば、定常状態では次に一致する時点がほぼ分かることから、一致する時点近傍の標本点の標本値のみをメモリ132に記憶してクロック立上り一致判定を行う構成にすれば回路が簡単にできる。予定していた一致時点近傍の標本点の範囲では、立上り一致点が見つからなかった時は、予定する一致時間近傍の位相を逐次ずらして一致点検出を行い、一致点が見つかるまで逐次位相をずらして一致点検出を行う。
【0060】
また、精密計時回路108では分周周期毎の精密周期時刻を計算すればよいので、位相検出回路111は、基本クロック毎に連続して位相角信号を出力する必要はなく、分周周期毎の再生分周クロックと基本クロックの位相関係が分かる機能で足りる。
【0061】
[位相検出回路111の簡単な例]
図4は位相検出回路111の簡単な構成を示すブロック図であり、シフトレジスタ140,立上り判定回路141およびm分周器142から成る。
【0062】
この例では、基本クロック回路107の構成が簡単になるようにn/mの値が設定されている。すなわち、n/m=257/256倍となっているので、分周再生クロックの周期は基本クロックの周期の257/256倍であり、従って分周再生クロックの立上り点、言い換えると分周再生クロックによる基本クロックの値の標本化は、基本クロックに対して257/256づつずれた時点で標本化することになる。1周期の中でみると、1/256づつずれた位相で基本クロックの標本化が行われる。従って、シフトレジスタ140は基本クロックの値を分周再生クロックで標本化するが、出力には1/m(1/256)ずつ異なる連続した位相の標本値が得られる。
【0063】
立上り判定回路141は、連続する3つの標本値Djb,Dj,Djaが「011」の値をとるとき基本クロックが立ち上がったと見なし、分周再生クロックと基本クロックの立上りが一致する位相と判定して、通常は“1”の値をとっているが一致したときには“0”となる一致信号を出力してm分周器142へ供給する。m分周器142は通常は0〜(m-1)の値を繰り返すm分周のカウンタであるが、一致信号が“0”となるときはカウンタ値がリセットされて再びカウントを始め、そのカウント値jを出力する。
【0064】
一致が判定されるのはDjaの標本値が求められた時であり、1クロック進んだ時であるので、リセットの値は“0”ではなく“1”にリセットされる。N=257、m=256と設定してあるため、MOD(j×n,m)の処理は、MOD(j×257,256)=jとなりそのまま求まる。また1/mの乗算の計算は、1/256となり,これは信号を8ビットシフトすれば求まる。従って、m分周器142のカウント値jは8ビット下にシフトして、基本クロックの周期を1として分周再生クロックと基本クロックの位相差を小数点以下の信号で表した信号として出力される。
【0065】
n=255、m=256となる基本クロック周波数を選べば、標本点が1/mずつ前にシフトする構成となり、位相検出回路は上述と同様に簡単に構成できる。
【0066】
また、基本クロックには伝送路クロックを用いることもできる。DS3系クロック(44.736Mbps)と伝送路クロック(51.84Mbps)の場合の周波数比は、n/m=233/237で与えられる。
【0067】
また、基本クロックはn/mの値に一致させる必要はなく、許容できる誤差の範囲の周波数であればクロックの有効桁数を少なくできる。許容できる誤差の範囲とは、周波数のずれによる1検出周期で発生する誤差が、クロック周期の1/mに比べて許容できる程度(数分の1)に小さい範囲である。
【0068】
図5は、基本クロックと分周再生クロックの相関関係を説明する図である。
基本クロックの周期をTa、分周再生ロックの周期をTbとする。基本クロックと分周再生クロックの立上りが一致してから、k番目(k=0〜(m-1))の分周再生クロックの立上りと基本クロックとの位相関係は次のようである。基本クロックの周期Taで正規化すると(Ta=1とすると)、立上り一致時点からk番目までの時間はk×n/mで表され、基本クロックの数XはX=INT(k×n/m)、位相差YはY=MOD(k×n,m)/mとして求めることができる。k×n/m=X+Yの関係があり、k番目の分周再生クロックの立上り時点は、立上り一致時点から、基本クロックでX番目プラスYの位相差である。位相差Yは基本クロックと分周再生クロックの位相のずれを示す。
【0069】
基本クロックの標本値を順にm個のメモリアドレスに蓄えるとき、Yの値はmの周期の間ではすべて異なる。その小数点値Yが小さい順番の並びになるようにして並び替えて読み出すと、すなわち標本点はこのm個の標本点の並びを決められた順番で並び替えて読み出すと、基本クロックの一周期を分周再生クロックでm等分したm個の標本値を順に読み出すこととほぼ等価になる。正確には、ある整数倍Xの周期だけ先の同じ位相となる時点の標本点であるが、クロック周期は判定を行う短い時間の間は一定と見なすことができるので、整数倍の周期先の位相角時点でも、最初の1周期内とほぼ同じ位相角時点となると見なせる。1周期で並んだ標本値を読み出したとき、標本値が“0”から“1”に変化するところがクロックの立上り点と判定できる。
【0070】
[平滑化回路103]
図1に示した平滑化回路103は、周期毎に変動する分周時刻値から、直線近似を行って分周時刻値の平均の傾きとオフセット値を求め、これを基に次の周期の平均分周時刻値を算出する。図6はその第1の具体的な回路例を示し、遅延回路160,2つの減算器161,166,2つの係数回路162,167,2つの加算器163,165,積分器164およびレジスタ168から構成される。
【0071】
図1に示した計時回路102から平滑化回路103に入力された分周時刻値は、遅延回路160および2つの減算器161,166へ供給される。遅延回路160は、128の分周周期だけ分周時刻値を遅延させる回路であり、現時点の分周時刻値より128分周周期前の分周時刻値を出力し減算器161へ供給する。減算器161は、現時点の分周時刻値から128周期前の分周時刻値を減算し、128周期の間の時間値(基本クロック周期を基準時間としてカウントされた時間値)を求める。係数回路162はこれを1/128倍(7ビット下にシフト)して平均化された分周時刻値を求めて加算器163へ供給する。
【0072】
加算器163は平均された分周時刻値とレジスタ168から供給される1周期前の補正値を加算して積分器164へ供給する。積分器164はこれを積分して平均分周時刻値を求め加算器165へ供給し、加算器165は、係数回路167から供給される現周期の補正値を加算して、平滑化されたた平均分周時刻値として比較差分回路104に出力する。
【0073】
減算器166は、計時回路102から入力する現時点の分周時刻値と、積分器164が出力する平均分周時刻値とのずれ(差分)を求め、係数回路167で予め定めた係数を乗算、例えば1/128倍(7ビット下にシフト)して、ずれの補正値としてレジスタ168および加算器165へ供給する。レジスタ168は分周周期のクロックで動作し、1クロック遅延して次の周期の補正値を出力する。
【0074】
図7は平滑化回路103の第2の具体的な回路例を示す。この回路例は、入力された分周時刻値と平均周期時刻値とのずれ(差分)が予め定めた値より大きいときは、入力された分周時刻値をそのまま出力する機能を図6の例に追加した構成となっている。そのために、図6の例にスイッチ169および判定回路170が追加されている。
【0075】
判定回路170は、減算器166が求めた分周時刻値と平均周期時刻値とのずれ(差分)の大きさが予め定めた閾値より大きいか否かを判定し、その結果により切替信号をスイッチ169へ供給する。スイッチ169は、切替信号に従って、入力された分周時刻値または加算器165が出力する平均分周時刻値を選択して比較差分回路104に出力する。
【0076】
判定回路170は複数の閾値を持たせて、判定の結果により係数回路167における係数の大きさ(例えば1/128,1/16,1)を変更する構成とすれば、係数が1の時は、加算器165には入力された分周時刻値が供給されるので、スイッチ169は不要となる。
【0077】
図8は平滑化回路103の第3の具体的な回路例を示す。この回路例は、図7の構成に、ホールドオーバー機能を追加した構成であり、図7における遅延回路160の代わりに遅延回路171が設けられている。
【0078】
遅延回路171は、平均化する周期分のアドレスより十分大きなアドレスのメモリ容量(例えば256のアドレス)を有し、通常は分周時刻値を順次に書き込み、読み出しは、最新に書き込んだアドレスとそれから128前のアドレスの分周時刻値を時分割に読み出し、減算器161へ供給する。入力断の異常信号を受けた時は、上述の書込みを止め、読出しは、止めた時の書込みアドレスより一定値前、例えば96のアドレスとそれから更に128前のアドレスの分周時刻値を時分割で読み出して減算器161へ供給する。
【0079】
この結果、分周時刻値の入力が途絶えるという異常発生時においても、平均化のために必要な分周時刻値を確保できるため、支障無く平均分周時刻値を求めることができるのである。
【0080】
図9は、本発明を適用したAdd Drop Mux(ADM)装置を使ったリングネットワークシステムの構成を示し、クロック供給(DCS)装置190と、6つのADM装置191,192,193,194,195,196から構成される。ADM装置191等は、SDH(Synchronous Digital Hierarchy)等の基幹系から信号を得てリング内に伝送する、またはリング内から基幹回線に送るデータを幹線系に送出する。クロック供給装置190はSDH網に同期したクロックをADM装置190にクロックを供給する。その他のADM装置192〜196は、受信した信号からクロックを再生する。
【0081】
ADM装置が多段に接続されると、従来のクロック再生回路では、再生したクロックにジッタが残り、接続段数が増加すると再生クロックのジッタが増加する欠点があった。しかし、本発明のクロック再生装置を採用すると、多段に接続しても、安定したクロックを得ることができるができ、入力信号が断になった時でも、それまでと同じ周波数のクロクを安定して再生できる。
【0082】
また、SDH網に接続した系であることが分かっており、クロックは十分安定していると考えられるので、各ADM装置191〜196に適用される本クロック再生回路の平滑化回路において分周時刻値を平均化する時間は十分大きくしておけば、充分に安定した平均分周時刻値が求められ、安定した再生クロックが得られる。バッファメモリがオーバフローする等の虞がある時は、平均分周時刻値ではなく、そのままの分周時刻値を用いて位相比較制御を行うことにより、入力クロックの急変等にも追従することが可能である。
【0083】
【発明の効果】
本発明よれば、十分平滑化した分周時刻値を用いることにより細かい精度で安定した入力クロックの位相情報を得、一方、分周再生クロックの位相検出手段により分周再生クロックの細かい位相情報を得ることができため、位相比較を細かい精度で行なってPLL回路を制御することにより、基本クロックによるカウントの量子化雑音の影響をなくすことができ、安定した再生クロックを得ることができるようになる。
【0084】
送信側の送信速度は一定でも、ATM伝送やパケット伝送で伝送した信号を受信したとき、データとデータクロックがバースト的に発生するが、本発明によれば、安定した基本クロックを基に計時した分周時刻値を平滑化した平均分周時刻値は十分安定した一定値にできるので、送信側のクロックと同等に安定した再生クロックを得ることができるのである。
【0085】
また、分周再生クロックの位相検出手段を用いているので、分周周期は特に長くする必要はなく、従ってPLL回路のLPF特性も特に低くする必要はないので、過渡応答特性が劣化することはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクロック再生回路の一実施例の構成を示すブロック図
【図2】本発明を適用した通信システムの構成を示すブロック図
【図3】図1における位相検出回路の第1の詳細例を示すブロック図
【図4】図1における位相検出回路の第2の詳細例を示すブロック図
【図5】本発明における基本クロックと分周再生クロックの相関関係を示す図
【図6】図1における平滑化回路の第1の詳細例を示すブロック図
【図7】図1における平滑化回路の第2の詳細例を示すブロック図
【図8】図1における平滑化回路の第3の詳細例を示すブロック図
【図9】本発明を適用したADM装置を使ったリングネットワークシステムの構成を図
【符号の説明】
101,109 分周器
102 計時回路
103 平滑化回路
104 比較差分回路
105 積分回路
106 D/A変換器
107 基本クロック発生回路
108 精密計時回路
110 VCO
111 位相検出回路
121,124 インタフェース回路
122 多重化回路
123 分離回路
125 伝送クロック発生回路
126 伝送クロック再生回路
127 DS3クロック再生回路
131,168 レジスタ
132 メモリ
133,141 立上り判定回路
134,136,142 m分周器
135 アドレス回路
137 n乗算器
138 余り計算器
139 1/m乗算器、
140 シフトレジスタ
160,171 遅延回路
161,166 減算器
162,167 係数回路
163,165 加算器
164 積分器
169 スイッチ
170 判定回路
190 DCS装置、
191〜196 ADM装置

Claims (8)

  1. 入力クロックを再生して再生クロックを得るクロック再生回路において、
    位相の比較に適するように前記入力クロックを分周した第1基準位相信号について基本クロックをカウントして定まる時刻値の複数周期にわたる平均時刻値を求める手段と、
    前記再生クロックを前記基本クロックに近似した周波数に分周した分周再生クロックと前記基本クロックとの位相関係を示す位相角信号を求める手段と、
    前記再生クロックを第1基準位相信号の周波数と同一に分周した第2基準位相信号について前記位相角信号を用い前記基本クロックをカウントして定まる時刻値を求める手段と、
    該時刻値を前記平均時刻値と比較し、その差分信号によって前記再生クロックの発生を制御する手段とを有することを特徴とするクロック再生回路。
  2. 入力クロックを再生して再生クロックを得るクロック再生回路において、
    前記入力クロックを位相比較に適した分周比で分周して第1基準位相信号を求める第1分周器と、
    安定した基本クロックを発生する基本クロック発生回路と、
    前記基本クロックを連続カウントすることにより定まる時刻値を前記第1基準位相信号の周期毎に標本化して分周時刻値を求める計時回路と、
    分周時刻値の傾きを複数周期にわたって平均化して平均分周時刻値を求める平滑化回路と、
    前記再生クロックを分周して前記基本クロックの周波数に近似した分周再生クロック、および該分周再生クロックを分周して前記第1基準位相信号と同一周波数の第2基準位相信号を求める第2分周器と、
    前記分周再生クロックと前記基本クロックの位相関係を示す位相角信号を求める位相検出回路と、
    前記第2基準位相信号の周期毎の分周時刻値を前記位相角信号を用い前記基本クロックのカウント数で計測して求める精密計時回路と、
    分周時刻値と前記平均分周時刻値との差分をとり差分信号を求める比較差分回路と、
    前記差分信号を積分する積分回路と、
    前記積分値をアナログの制御電圧に変換するD/A変換器と、
    前記制御電圧に応答して前記再生クロックを発生する電圧制御発信器とを備えたことを特徴とするクロック再生回路。
  3. 前記平滑化回路は、前記分周時刻値を平滑化した分周周期を積分し、この積分値と現時点の分周時刻値とのずれを補正することにより前記平均分周時刻値を求めることを特徴とする請求項2に記載のクロック再生回路
  4. 前記平滑化回路は、前記分周時刻値を平滑化した分周周期を積分し、この積分値と現時点の分周時刻値とのずれを比較し、両者の差が予め定めた値より大きいときには平滑化した分周時刻値でなく、現時点の分周時刻値をそのまま出力することを特徴とする請求項2に記載のクロック再生回路。
  5. 前記平滑化回路は、入力クロックが断となったときには、直前までに得られた分周時刻値の平均の傾きを用いて平均分周時刻値を発生し、該平均分周時刻値を出力するクロックホールドオーバ機能を備えたことを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載のクロック再生回路。
  6. 前記基本クロック発生回路は、前記分周再生クロックの周波数に対する比がおおよそ整数比(n/m)となる周波数の基本クロックを発生し、また前記位相検出回路は、前記分周再生クロックと前記基本クロックの立上りが一致する時を判定し、立上りが一致した時からの分周再生クロックの数および分周再生クロックと基本クロックの周波数比がn/mの関係であることを用いて前記分周再生クロックの周期毎の分周再生クロックの立上りと基本クロックとの位相関係を計算することを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれかに記載のクロック再生回路。
  7. 前記整数比n/mがn=m−1またはn=m+1の値になるように構成した請求項6に記載のクロック再生回路。
  8. nまたはmの値が2の指数乗となるようにことを特徴とするした請求6に記載のクロック再生回路。
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