JP3885343B2 - 真空コンデンサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、大電力送信機の発振回路、半導体製造装置用の高周波電源、あるいは誘導加熱装置のタンク回路等に用いられる真空コンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
真空コンデンサの耐電圧、静電容量特性を安定させ、かつ全長の小形化を図ったものとして、特願平6−233912号で提案したようなコンデンサがある。図1はこのような真空コンデンサの縦断面図、図2はその一部拡大図を示し、1はセラミック等の絶縁円筒であり、その両端に銅製の円筒2a,2bを接合して円筒部を形成し、この円筒部の両端を固定側端板3と可動側端板4により閉塞して真空容器5を形成する。固定側端板3の内面側には、径が異なる複数の円筒状電極板F1〜Fnを同心状の一定間隔で立設し、固定電極6を形成する。
【0003】
7は真空容器5内において固定側端板3に対向して配置された可動電極取付導体であり、その固定側端板3側には径が異なる複数の円筒状電極板M1〜Mnを固定電極6の各円筒状電極板F1〜Fn間に等間隔で挿出入でき、かつ同心状の等間隔で立設して可動電極8を形成する。9は固定側端板3の内面側中心に一端が取り付けられたガイドピン、10は可動電極取付導体7の中心に貫通して取り付けられた可動リード兼用の筒状のガイド部であり、ガイドピン9が摺動自在に挿入される。
【0004】
15は真空状態を保持するための円筒状で伸縮自在のベローズであり、その一端は可動側端板4に取り付けられ、他端はガイド部10に取り付けられている。11はベローズ取付部より内側において可動側端板4に設けられた開口部4aの内面側周縁部に立設されたナット受け部であり、内端に鍔部11aが形成されている。12は一端がガイド部10に連結されたねじ軸であり、他端は鍔部11aを挿通してナット受け部11内に突出している。13は調整ナットであり、その一端は軸受16を介して鍔部11aに回転自在に支持されるとともに、この一端側にはねじ孔13aを有し、ねじ軸12の他端と螺合している。又、ねじ軸12の他端側には同軸状にねじ穴12aが設けられ、このねじ穴12aには頭部14aを有する調整ねじ14が螺合される。又、調整ナット13にはねじ孔13aと連続してより大径の大径孔13bが設けられ、ねじ孔13aと大径孔13bとの間には段部13cが形成される。
【0005】
上記構成の真空コンデンサにおいて、最大静電容量値を調整する場合は、まず調整ナット13を若干右に回し(右ねじの場合)、ガイドピン9の下端とねじ軸12の上端とが当接する最大静電容量位置より若干ねじ軸12を下方へ移動させ、定義した最大静電容量値に調節する。この若干の調節量は真空コンデンサの静電容量のばらつきの程度で決まる。次に、この状態で調整ねじ14をその頭部14aが段部13cに当接するまでねじ穴12aに螺入し、接着剤等でねじ軸12に固定する。これによって、調整ナット13はこの最大静電容量位置で左回転しようとしても頭部14aが段部13cに当接して回転できなくなり、ねじ軸12はこの位置以上に上昇できなくなり、最大静電容量値は固定され、その調整は容易となる。
【0006】
又、真空コンデンサの静電容量の調整は、調整ナット13を回転させると、ガイド部10を介して可動電極8が上下動し、固定電極6との対向総面積が可変されることにより行われる。又、ナット受け部11を内向きに設けたので、小形化が可能となる。もちろん、ガイドピン9とガイド部10を設けたことにより可動電極8の移動が安定し、耐電圧特性及び静電容量特性が安定する。
【0007】
なお、真空容器5の円筒部を全体的に絶縁材により形成してもよく、要は固定側と可動側が絶縁されればよい。又、ガイド部10は可動リードを兼用しているが、別々に設けてもよい、又、ガイドピン9とガイド部10は電気的に絶縁する必要があり、例えばガイドピン9をアルミナセラミック、ガイド部10をリン青銅で形成すればよく、あるいはガイドピン9を金属製にしてナイロン樹脂をコーティングしてもよい。さらに、ガイドピン9とガイド部10の摺動面にキーとキー溝を設けることにより、ガイド部10の回転を防ぐことができる。又、ベローズ15の一端をガイド部10に取り付けたが、可動電極取付導体7に取り付けてもよく、またガイドピン9を可動電極取付導体7側に、ガイド部10を固定側端板3側に取り付けてもよい。ただし、この場合は可動リードを別体にして可動電極取付導体7に取り付ける。また、固定電極6及び可動電極8を構成する各円筒状電極板F1〜Fn,M1〜Mnとしては、加工性がよく、高周波回路に使用しても発熱しない非磁性材である銅が使用される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図3に簡略化して示したように、円筒状電極板F3,M3,F2,M2,F1,M1の半径をa〜f、ギャップをG、交差距離をLとすると、G=f−e=e−d=d−c=b−aとなる。また、静電容量C及び耐電圧Vは(1),(2)式で示される。
【0009】
【数1】
【0010】
ただし、kは円筒状電極板F1〜F3,M1〜M3の材質によって決まる定数である。ここで、真空コンデンサの耐電圧を大きくするには(2)式よりギャップGを大きくすればよいが、Gを大きくすると(1)式より静電容量Cが小さくなる。このため、高耐電圧で大静電容量の真空コンデンサを作るには、円筒状電極板F1〜Fn,M1〜Mnの数を多くするかあるいは交差距離Lを大きくすることで考えられるが、真空コンデンサが大形化するという課題があった。近年、半導体製造装置の分野では高周波電源の大容量化が要求されており、これに伴って真空コンデンサの高耐電圧化も要求され、かつ装置の省スペース化のために小形化も要求されている。
【0011】
この発明は上記のような課題を解決するために成されたものであり、高耐電圧、大容量で小形の真空コンデンサを得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る真空コンデンサは、固定電極及び可動電極を構成する各円筒状電極板を銅により形成するとともに、その表面をニッケルまたはクロムによりコーティングしたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施形態1
以下、この発明の実施の形態を図面とともに説明する。実施形態1においては、固定電極6及び可動電極8を構成する各円筒状電極板F1〜Fn,M1〜Mnを厚さ0.25mmの銅(Cu)により形成するとともに、その表面をニッケル(Ni)によりコーティングする。コーティングはメッキまたは蒸着により行い、コーティング厚みは1μm以上とした。その他の構成は図1及び図2と同様である。真空中の耐電圧は使用される金属材料の硬度、融点と関係し、一般に高硬度、高融点の金属材料ほど高い耐電圧特性を示すため、銅により形成した各円筒状電極板F1〜Fn,M1〜Mnの表面を銅より高硬度、高融点のニッケルによりコーティングしたものである。又、各円筒状電極板F1〜Fn,M1〜Mnの母材を銅としたのは、従来同様に加工性が良く、非磁性材であるために高周波回路に使用しても発熱が抑制されるためであるが、銅は熱伝導率が高く、一般的に電流通電に対して発熱を抑制できるためでもある。
【0014】
図4は各円筒状電極板F1〜Fn,M1〜Mnの電極板間ギャップG(mm)と耐電圧(比)との関係を示し、従来のように単に銅を用いた場合にはイに示すようになり、銅にニッケルをコーティングした場合にはロに示すようになり、耐電圧が上昇したことがわかる。
【0015】
実施形態1においては、円筒状電極板F1〜Fn,M1〜Mnを銅により形成するとともに、その表面をニッケルによりコーティングすることにより耐電圧を高くしており、電極板間ギャップGを小さくすることができ、静電容量を大きくすることができる。又、円筒状電極板F1〜Fn,M1〜Mnの数を少なく、交差距離Lを小さくすることができ、真空コンデンサを小形化、低コスト化することができる。また、真空コンデンサを搭載するマッチングボックスの小形化、省スペース化も可能となる。
【0016】
実施形態2
実施形態2においては、各円筒状電極板F1〜Fn,M1〜Mnを銅により形成するとともに、その表面を銅より高硬度、高融点のクロム(Cr)によりコーティングした。銅の厚さは0.25mm、コーティング厚さは1μm以上とし、コーティングはメッキまたは蒸着により行った。この場合の電極板間ギャップGと耐電圧(比)の関係は図4のハに示すようになり、実施形態1と同様の理由により耐電圧が高まって実施形態1と同様な効果を奏する。
【0017】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、各電極を構成する各円筒状電極板を銅により形成するとともに、その表面をニッケルまたはクロムによりコーティングしたので、高硬度、高融点となり、真空コンデンサの耐電圧を高くすることができる。又、これにより電極板間ギャップを小さくすることができ、静電容量を大きくすることができる。このため、円筒状電極板の数を少なく、交差距離Lを小さくすることができ、真空コンデンサの小形化、低コスト化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来及びこの発明による真空コンデンサの縦断面図である。
【図2】図1の一部拡大図である。
【図3】従来及びこの発明による真空コンデンサの電極部分の簡略断面図である。
【図4】従来及びこの発明による真空コンデンサの円筒状電極板間ギャップGと耐電圧(比)の関係図である。
【符号の説明】
1…絶縁円筒
2a,2b…円筒
3…固定側端板
4…可動側端板
4a…開口部
5…真空容器
6…固定電極
7…可動電極取付導体
8…可動電極
10…可動リード兼用ガイド部
12…ねじ軸
13…調整ナット
15…ベローズ
F1〜Fn,M1〜Mn…円筒状電極板
Claims (1)
- 一端側と他端側が絶縁された円筒部の両端に固定側端板及び可動側端板を取り付けた真空容器と、固定側端板の内面側に径が異なる複数の円筒状電極板を等間隔の同心状に立設して形成した固定電極と、真空容器内において固定側端板に対向して配置された可動電極取付導体と、可動電極取付導体に一体的に取り付けられた可動リードと、可動電極取付導体の固定側端板側に径が異なる複数の円筒状電極板を等間隔の同心状でかつ固定電極の各円筒状電極板間に等間隔で挿出入できるように立設して形成した可動電極と、一端が可動側端板に取り付けられるとともに、他端が可動リードまたは可動電極取付導体に取り付けられ、真空状態を保持する円筒状のベローズと、ベローズ取付部より内側において可動側端板に設けられた開口部を介して可動リードと接続され、可動リードを軸方向に移動させて静電容量を調整する静電容量調整部を備えた真空コンデンサにおいて、固定電極及び可動電極を構成する各円筒状電極板を銅により形成するとともに、その表面をニッケルまたはクロムによりコーティングしたことを特徴とする真空コンデンサ。
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- 1998-03-24 JP JP07475698A patent/JP3885343B2/ja not_active Expired - Fee Related
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