JP3884835B2 - 免振床装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、床をその下方のスラブに弾性支持させて、このスラブから床に入力される上下振動を免振するようにした免振床装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電算機器や計測制御機器等の精密機器類を設置する部屋の場合、それらの設置床は外部からの上下振動を遮断(免振)可能な免振床とするのが望ましく、この様な免振床装置として、床の支持フレームをその下方の支持基盤であるスラブに対して上下変位自在に配置し、当該支持フレームをコイルばねを用いた多数の免振ユニットを介してスラブ上に弾性支持するようにした構造のものがある。
【0003】
ここで、このような免振床装置にあっては、床の固有周期はコイルばねのばね定数と床荷重とによって定まるが、従来にあっては、上記コイルばねには支持荷重に拘わらずばね定数が一定な線形特性を有するものを用い、そのばね定数は床面上に設置される機器類などの重量を含んだ床荷重に合わせて定め、床の固有周期が免振に適した値となるようにしている。また、支持フレームと免振ユニットとの間には、床荷重に相応して縮むコイルばねの変位を吸収して床面を所定の高さに調整するためのレベル調整ボルトを介在させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の免振床装置では、免振ユニットのコイルばねには、ばね定数が一定な線形特性を有するものを使用しているので、室内に設置する機器類の入れ替えや増設、あるいはレイアウト変更などによって床荷重に変化が来されると、床の固有周期もこれに伴って変動してしまい、上記免振に適する固有周期を保持することができなくなって、免振機能が著しく低下されてしまうことがあった。このため、このような場合には、変化した床荷重に見合ったばね定数の免振ユニットに付け替えねばならず、極めて大がかりな作業が必要になってしまうといった課題があった。
【0005】
また、地震等の振動外力に対して床をより効果的に免振するには、当該床の固有周期Tを地震動の周期や建物の固有周期よりも大幅に長周期化して、その固有周期を約1.0〜1.3秒程度にすることが望ましいのであるが、このような長周期化を図るためには、その分ばね定数を小さく設定しなければならない。
【0006】
ところが、コイルばねのばね定数を小さくすると、床荷重によるコイルばねの縮み量(変位)が大きくなり、しかもこの大きく変位した状態でさらに地震等の外部振動を有効に吸収し得るようにコイルばねの伸縮ストロークを確保せねばならないので、線形特性のコイルばねを用いた従来の免振床装置では、当該コイルばねの長さが必然的に長大なものとなってしまう。したがって、これに伴いコイルばねを配置する床とスラブとの間のクリアランスも大きく設定する必要が生じ、よって長周期化を図って免振床を設置しようとすればその分階高が高くなり、建物全体の高さが必要以上に高くなってしまうという課題もあった。また、これは換言すれば、階高に十分な余裕のない既存建物には長周期化を図って従来の免振床は設置し難いということになる。
【0007】
一方、長周期化を図り易いばねとして、空気ばねを採用することが考えられるが、空気ばねを組み込んで免振床装置を構成するには、制御盤や各種エアー機器、配管、補助タンクなどの多数の周辺機器や部品が必要となり、このため装置のコストが高くなり、かつそれだけではなく定期点検整備や部品交換などによるランニングコストも嵩んでしまうことになる。
【0008】
本発明は以上のような従来の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、床荷重の大小に合わせて段階的にコイルばねのばね定数を容易に設定変更することができ、しかも床とスラブとの間のクリアランスを大きくとることなく設置可能で、長周期化も図りやすい免振床装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために本発明の免振床装置は、床をその下方のスラブに対して上下変位自在に配置し、該床の荷重をこれら床とスラブとの間に介設したばね要素で支持するとともに、スラブ側から床に伝達される振動を該ばね要素で免振するようにした免振床装置において、上記ばね要素を、並列配置された高さの異なる複数のコイルばねで構成し、床荷重の増大に合わせて該床とスラブとの間で作用するコイルばねの本数を順次に増加させて、ばね要素のばね定数を段階的に高めるように構成されており、前記床は、機器類が設置される床面材と、フレームと、該フレーム上に設けられ前記床面材を支持する支持脚とを有し、前記ばね要素の両側に配置されているフレームは、該ばね要素の上半分をU字状に跨ぐように相互に結合されていることを特徴とする。
【0010】
以上の構成でなる本発明の免振床装置では、床面上に載置される機器等の重量を含む床荷重が小さい時には、複数のコイルばねのうち、高さの最も高いコイルばねのみによって荷重が支持される。また、床荷重が大きくなって、設定荷重を超える毎に高さの低いばねが順次加わって当該床荷重を支持するようになる。従って、ばね要素の縮み量の増大に伴って床荷重を支持するコイルばねの数が増加するため、床荷重の変動に対するばね要素のばね定数を段階的に変化させることができる。このため、[荷重/ばね定数]の平方根に比例する床の固有周期を、床荷重の大小にかかわりなく略一定の範囲内に保たせて設定することができ、しかもばね要素の高さを低く抑えつつ長周期化を図るのが容易で、地震などの振動外力に対する免振効果を床荷重にかかわりなく可及的に向上させることができるようになる。また、前記床は、機器類が設置される床面材と、フレームと、該フレーム上に設けられ前記床面材を支持する支持脚とを有し、前記ばね要素の両側に配置されているフレームは、該ばね要素の上半分をU字状に跨ぐように相互に結合されているように構成したので、ばね要素を、床とスラブと間に効果的に設置できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しつつ詳細に説明する。図1から図4は本発明の免振床装置の一実施形態を示し、図1は免振床装置の拡大断面図、図2は免振床装置のばね要素として用いるコイルばねを概略的に示す説明図、図3はばね要素の変形量と荷重変動との関係を示す特性図、図4は床面荷重と床面の固有周期との関係を示す特性図である。
【0012】
図1に示すように本実施形態の免振床装置は、床12をその下方の支持基盤であるスラブ14に対して上下変位自在に配置し、これら床12とスラブ14との間に免振ユニット10を介在させて、この免振ユニット10に内蔵されたばね要素16によりスラブ14側から床12に伝達される振動を免振するようになっている。
【0013】
ここで、本実施形態における上記免振ユニット10の基本構成としては、上記ばね要素16を図2にも示すように、それぞれ高さと巻き径の異なる複数(本実施形態では大,中,小の3本)のコイルばね16a,16b,16cを並列配置して構成し、床12上に載置される機器の重量に応じた免振ユニット10の縮み量に合わせて当該免振ユニット10内で作用するコイルばね16a,16b,16cの数を順次段階的に変化させ、もって床荷重の変動に対するばね要素16、つまり免振ユニット10のばね定数を段階的に設定変更する構成となっている。
【0014】
即ち、上記免振ユニット10は、上記ばね要素16の下方に位置してスラブ14に設置されるベースプレート18と、ばね要素16の上方に配置される上方取付け板20とを備える。上記ベースプレート18の中心部からはガイド支柱22が立設されており、このガイド支柱22の上端は上方取付け板20の中央をその上下方向の変位を許容して貫通する。
【0015】
上記ばね要素16を構成する上記大コイルばね16a,中コイルばね16b,小コイルばね16cは、ガイド支柱22を中心として互いに同心状に並設配置される。大コイルばね16aは3本のばねのうち最も外側に配置され、その自由長は3本のうち最も長く設定される。中コイルばね16bは3本のばねの中間に配置され、その自由長は上記大コイルばね16aより短く設定される。小コイルばね16cは3本のばねのうち最も内側に配置され、その自由長は3本のうち最も短く設定される。
【0016】
上記大コイルばね16aと中コイルばね16bおよび小コイルばね16cの各上端には、それぞれガイド支柱22に挿通されるガイド部21a,32a,34aを有する第1スプリングシート21,第2スプリングシート32,第3スプリングシート34が取り付けられる。また、ベースプレート18と上方取付け板20とには、それぞればね要素16の外周側を覆う筒状部18a,20aが設けられている。
【0017】
上記上方取付け板20の上面には、図示する左右方向に延びる矩形の連結板25が一体的に溶接されて立設されており、かつこの連結板25はガイド支柱22を避けてこれを挟むようにして図示する紙面の直交方向両側に並設されている。また、この各連結板25の左右両側には、それぞれ側方から下方に向けて延びるL字状をした板材でなるフレーム連結部材24,24がボルトにより一体的に接合されており、この各フレーム連結部材24,24の下端は水平配置されるS造のフレーム28,28の一端に一体的に溶接接合されている。即ち、免振ユニット10の左右両側に配置されている各フレーム28,28はそれぞれフレーム連結部材24と連結板25とを介して、免振ユニット10の上方取付け板20に結合されていて、しかも両フレーム28,28は上記フレーム連結部材24,24と連結板25とにより、ばね要素16の上半部をU字状に跨ぐようにして相互に結合されている。また、各フレーム28,28の他端は隣設する図外の免振ユニットに同様にフレーム連結部材等を介して結合され、両端が各々免振ユニット10により支持されて水平配置されるようになっている。
【0018】
また、上記上方取付け板20には、これに螺合されてレベル調整ボルト26が設けられ、このレベル調整ボルト26の先端は上記大コイルばね16a上端の第1スプリングシート21に当接している。一方、上記フレーム28の上側には支持脚30を介して床面材13が支持されるようになっており、床面材13,支持脚30,フレーム28,フレーム連結部材24等からなる床12自身の荷重及び床面上に載置される機器類の荷重は、上記上部連結板25、上方取付け板20及びレベル調整ボルト26を介して免振ユニット10のスプリングシート21に伝達されるようになっている。
【0019】
尚、上記ガイド支柱22の上方に位置する床面材13には所定の面積をもって切り欠いた点検口12aが設けられ、この点検口12aは蓋12bによって着脱可能に閉止されている。
【0020】
ここで、上記ばね要素16は、上記床面上に載置される機器の重量などを含んだ床荷重Fに応じてスラブ14と第1スプリングシート21との間で作用する本数が段階的に変化する。即ち、床荷重Fが第1の設定荷重Waより軽く、大コイルばね16aの縮みに伴う第1スプリングシート21の変位がh1に満たない場合には、大コイルばね16aのみで床荷重Fが支持され、この床荷重Fが第1の設定荷重Waより重くなり、第1スプリングシート21の変位がh1を超えると、そのガイド部21a下端が中コイルばね16b上端の第2スプリングシート32に当接して、大コイルばね16aと中コイルばね16bとの2本によって床荷重Fが支持され、さらに床荷重Fが第2の設定荷重Wbよりも重くなって、大コイルばね16aと中コイルばね16bとの縮みに伴う第1スプリングシート21の変位がh1+h2よりも大きくなると、第2スプリングシート32のガイド部材32a下端が小コイルばね16c上端の第3スプリングシート34に当接して、床荷重Fが大コイルばね16a,中コイルばね16b,小コイルばね16cの3本で支持されるようになっている。
【0021】
また、上記床荷重Fによるばね要素16の縮みに相応させて、レベル調整ボルト26の操作により第1スプリングシート21と上方取付け板20との間隙を調整することで、床12の高さを所定値Sに設定保持する。この際、載置する機器等の重量が重く、床荷重Fが第1の設定荷重Waや第2の設定荷重Wbよりも大きくなってばね要素16の縮み量が大きくなる場合には、それに合わせてレベル調整ボルト26には予め十分長いものを取り付けておく。
【0022】
以上のように本実施形態の免振床装置10にあっては、それぞれ高さと巻き径の異なる3本のコイルばね16a,16b,16cで免振ユニット10のばね要素16を構成し、床面上に載置する機器等の重量が軽く、これらの重量を含めた床荷重Fが第1の設定荷重Waより小さくなっているF<Waの時には、複数のコイルばね16a,16b,16cのうち最も高さの高い大コイルばね16aのみによって床荷重Fを支持し、載置機器等の重量がより重く床荷重Fが第1の設定荷重Waより大きくかつ第2の設定荷重Wbよりも小さい範囲内にあるWa≦F<Wbの時には、当該床荷重Fを大コイルばね16aと中コイルばね16bとの2本で支持し、載置機器等の重量がさらに重く床荷重Fが第2の設定荷重Wbを超えるWb≦Fの時には、当該床荷重Fを大コイルばね16a,中コイルばね16b,小コイルばね16cとの3本で支持する。即ち、床面上に載置される機器等の重量に合わせて免振ユニット10内で機能するばねの本数を変え、設定荷重Wa,Wbを超える毎に中コイルばね16bと小コイルばね16cとを順次段階的に機能させて、これら中コイル16bおよび小コイルばね16cのばね定数を上記大コイルばね16aのばね定数に付加していく。
【0023】
ここで、図3は上記床荷重Fと3本のコイルばね16a,16b,16cからなるばね要素16の縮み(変形)量との関係を示すもので、ばね要素16全体としてのばね特性を表している。図示するように、ばね特性は3段の折れ線グラフとして得られる。即ち,このばね特性においてA点は第1スプリングシート21が中コイルばね16b上端の第2スプリングシートに当接した点、B点はさらに第1スプリングシート21が第2スプリングシートを介して小コイルばね16c上端の第3スプリングシートに当接した点を示し、O点からA点の間は大コイルばね16aのばね定数K1 の傾きをもった線形特性P1 となり,A点からB点の間はこれに中コイルばね16bのばね定数K2 が加わって(K1 +K2 )の傾きをもった線形特性P2 となり、また、B点からC点の間は更に小コイルばね16cのばね定数K3 が加わって(K1 +K2 +K3 )の傾きをもった線形特性P3 となる。このため、上記ばね要素16の全体としてのばね特性は、縮み量つまり床荷重に対してばね定数が段階的に増大する非線形ばね特性を呈することになる。
【0024】
ところで、上記床12の固有周期Tは一般に知られるように次の数式1によって得られる。なお、同式中Wは荷重、Kはばね定数、gは重力加速度である。
[数式1]
T=2π(W/K・g)1/2
【0025】
そして、数式1によって得られる固有周期Tと床荷重Fとの関係は、図4に示すような特性図となる。即ち、この周期特性図は上記図3に示した各変位点O,A,B,Cに対応した点o,a,b,cがプロットされており、床荷重FがWaより小さい範囲F<Waでは、ばね定数はK1で一定のため床荷重Fが大きいほど床12の固有周期Tは長くなる。そして、床荷重がWa(a点)を超えるとばね定数が(K1 +K2 )と高まり、これにより固有周期Tは一旦低下し、床荷重がWb(b点)に達するまでの範囲Wa≦F<Wbではやはり床荷重Fが大きいほど固有周期Tは長くなる。さらに、床荷重FがWbを超えると、ばね定数は(K1 +K2 +K3 )と更に高まって固有周期Tが再度低下し、このF≧Wbの範囲でも床荷重Fが大きいほど固有周期は長くなる。
【0026】
ここで、各コイルばね16a,16b,16cのばね定数K1 ,K2 ,K3 を例えばK1 =5.07kg/mm,K2 =1.58kg/mm,K3 =2.08kg/mmに設定するとともに、第1の設定荷重Wa=2200kg,第2の設定荷重Wb=3000kg程度に設定すれば、床荷重Fが1500〜3700kgの範囲で使用されると想定される床の固有周期Tを、若干上下はするものの略1.2秒前後の範囲で一定した値に自動的に収めることができる。
【0027】
このように、載置機器等の重量の増減範囲を考慮して予め想定した通常使用範囲の床荷重Fに合わせて、ばね定数K1 ,K2 ,K3 と設定荷重Wa,Wbとを適宜決定することで、当該通常使用範囲内で床荷重Fが如何様に変動されても、床12の固有周期Tを略1.2秒前後に長周期化させてこれをほぼ一定の範囲に自動的に維持することができ、地震等の振動外力に対して著しい免振効果を発揮させることができる。
【0028】
ここで、載置機器の増設や移設、並びにレイアウト変更等により床荷重Fが変動されると、当然に床12の沈みこみ量が変わってしまうが、床面の高さはレベル調整ボルト26によって容易に所定の高さSに再設定調節可能であるから、レベル調整ボルトを操作して高さ調整をおこなうだけの簡単な作業ですみ、免振ユニット10若しくはそのばね要素16の交換といった大がかりな作業を行う必要がない。
【0029】
また、上記ばね要素16は大きな床荷重Fを支持する際には、並設した大コイルばね16a,中コイルばね16b,小コイルばね16cの3本を合成して最終的なばね定数を大きくするようにしているから、ばね要素16全体としてのばね長は比較的短く形成し得る。よって免振ユニット10の高さを低く抑えて床面12とスラブ14との間隔Sを小さくでき、もって建物が不必要に高くなるのを防止することができ、階高に余裕の少ない既存建物に対しても長周期化を図った免振床の設置が可能となる。
【0030】
なお、本実施形態では、ばね要素16は大コイルばね16a,中コイルばね16b,小コイルばね16cの3本で構成した場合を開示したが、これに限ることなく2本または4本以上を用いて構成することもできる。
【0031】
また、本実施形態では水平振動の免振機能を具備していない免振床装置を例示しているが、本発明はこれに限られることはなく、水平振動の免振機能をも具備して3次元方向の免振が可能な免振床装置に対しても適用し得ることは勿論のことである。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の免振床装置では、床荷重を支持する免振ユニットのばね要素を、高さの異なる複数のコイルばねを並列配置して構成したので、床荷重によるバネ要素の縮み量が増大するとこれに伴って当該床荷重を支持するコイルばねの数が順次段階的に増加することになり、床荷重変動に対するばね定数をその床荷重の大小に合わせて段階的に変化させることができる。このため、床の固有周期を床荷重の大小にかかわりなく略一定の範囲に自動的に保たせることができるようになるだけでなく、長周期化を図るのが容易になり、延いては、地震などの振動外力に対する免振効果を床荷重にかかわりなく著しく向上させることができる。また、前記床は、機器類が設置される床面材と、フレームと、該フレーム上に設けられ前記床面材を支持する支持脚とを有し、前記ばね要素の両側に配置されているフレームは、該ばね要素の上半分をU字状に跨ぐように相互に結合されているように構成したので、ばね要素を、床とスラブと間に効果的に設置できる。
【0033】
また、載置機器増設や移設等に伴う床荷重の変動に応じてばね要素のばね定数は自動的に変更されるから、当該床荷重の変動に伴う床面高さをレベル調整ボルトで再調整するだけの簡単な作業ですみ、ばね要素の交換といった大がかりな作業を行う必要がない。
【0034】
更に、大きな床荷重を支持する際には、並設した複数のコイルばねが合成された高いばね定数で床を支持するため、ばね要素全体としてのばね長を可及的に短く形成し得、もって免振床装置の高さを低く構成することが可能となり、床面と支持基盤との間の間隔を小さくして、建物が不必要に高くなるのを防止することができ、階高にあまり余裕のない既存建物にも設置することが可能になるといった各種優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の免振床装置の一実施形態を示す拡大断面図である。
【図2】本発明の免振床装置に用いられるコイルばねの一実施形態を概略的に示す説明図である。
【図3】本発明の免振床装置の一実施形態に用いられるばね要素の変形量と荷重変動との関係を示す特性図である。
【図4】本発明の免振床装置の一実施形態における床面荷重と床面の固有周期との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
10 免振ユニット
12 床
14 支持基盤
16 ばね要素
16a 大コイルばね
16b 中コイルばね
16c 小コイルばね
Claims (1)
- 床をその下方のスラブに対して上下変位自在に配置し、該床の荷重をこれら床とスラブとの間に介設したばね要素で支持するとともに、スラブ側から床に伝達される振動を該ばね要素で免振するようにした免振床装置において、
上記ばね要素を、並列配置された高さの異なる複数のコイルばねで構成し、床荷重の増大に合わせて該床とスラブとの間で作用するコイルばねの本数を順次増加させて、ばね要素のばね定数を段階的に高めるように構成されており、
前記床は、機器類が設置される床面材と、フレームと、該フレーム上に設けられ前記床面材を支持する支持脚とを有し、
前記ばね要素の両側に配置されているフレームは、該ばね要素の上半分をU字状に跨ぐように相互に結合されていることを特徴とする免振床装置。
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