JP3884667B2 - 送電線故障アーク挙動測定装置及び送電線故障原因判別装置 - Google Patents

送電線故障アーク挙動測定装置及び送電線故障原因判別装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、送電線の地絡故障時におけるアーク挙動を検出する送電線故障アーク挙動測定装置、及びアーク挙動から送電線の故障原因を判別する送電線故障原因判別装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図18は、例えば中部電力技術開発ニュース70号、10月(1996)に記載の「送電線故障原因判別システムの開発」に示された従来の故障電流解析法を用いた送電線故障原因判別装置における故障原因判別のフローチャートである。図18において、雷については発変電所等の電気所に取り付けた非接触電圧センサにより雷サージ電圧を検出して、雷と原因を判定する(ステップS1)。その他の故障については、送電線の地絡故障時に電気所の接地変圧器の接地抵抗に流れる地絡電流を変流器(図示せず)で検出する(ステップS2)。次に地絡電流の電流波形を例えばデジタル記録オシロに記録する(ステップS3)。記録された電流波形から故障前後3サイクル部分を切り出す(ステップS4)。続いて、電流波形のピーク値を基準とした電流波形の正規化を行う(ステップS5)。そして、切り出した電流波形のスペクトル解析をする(ステップS6)。さらに、事故の内容を分析して事故種を判別して(ステップS7)、判定結果を出力する(ステップS8)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の送電線故障原因判別装置は以上のように構成されているので、地絡電流の電流波形をスペクトル解析して故障原因を判別する。したがって、電力系統の回路構成により決定される要素が大きい過渡現象時における振動波のスペクトルを観測しているので、地絡故障時のアーク現象の特徴を抽出するのが困難なため、故障原因の判別精度の向上を図るのが困難であるという問題点があった。
この発明は、以上のような問題点を解消するためになされたもので、地絡故障時のアーク現象の特徴を抽出することができる送電線故障アーク挙動測定装置を提供することを目的としたものである。
さらに、アーク現象の特徴を抽出することにより故障原因の判別を容易に行うことができる送電線故障原因判別装置を提供することを目的としたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明に係わる送電線故障アーク挙動測定装置は、送電線の零相電流を検出する零相電流検出手段と、零相電流を記憶する零相電流記憶手段と、零相電流の包絡線の近似値を演算する近似値演算手段と、故障直前の包絡線の近似値の傾きを検出する近似値変化抽出手段とを備えたものである。
また、送電線の相電圧を検出する相電圧検出手段と、相電圧を記憶する相電圧記憶手段と、送電線の零相電流を検出する零相電流検出手段と、零相電流を記憶する零相電流記憶手段と、相電圧と零相電流とから送電線の故障点で発生したアークを含む回路における零相電流が零点となるときの故障回路抵抗を演算する故障回路抵抗演算手段と、零相電流が零点となるときの故障回路抵抗の時系列的な推移を検出する故障回路抵抗抽出手段とを備えたものである。
また、この発明に係わる送電線故障原因判別装置は、送電線の零相電流を検出する零相電流検出手段と、零相電流を記憶する零相電流記憶手段と、零相電流の包絡線の近似値を演算する近似値演算手段と、故障直前の包絡線の近似値の傾きを検出する近似値変化抽出手段と、送電線の相電圧を検出する相電圧検出手段と、相電圧を記憶する相電圧記憶手段と、相電圧と零相電流から送電線の故障点で発生したアークを含む回路における零相電流が零での故障回路抵抗を演算する故障回路抵抗演算手段と、零相電流が零点となるときの故障回路抵抗の時系列的な推移を検出する故障回路抵抗抽出手段と、包絡線の近似値の傾きと故障回路抵抗の時間的な変化とから故障点における故障の原因を判別する故障原因判別手段とを備えたものである。
【0005】
また、この発明に係わる送電線故障アーク挙動測定装置は、送電線の零相電圧を検出する零相電圧検出手段と、送電線の零相電流を検出する零相電流検出手段と、零相電圧と零相電流とから零相インピーダンスを演算する零相インピーダンス電圧演算手段と、零相電流の挙動から期待される零相インピーダンス部分に発生する電圧と零相電圧との差電圧を演算する差電圧演算手段と、差電圧の時間的な変化を抽出する差電圧変化抽出手段とを備えたものである。
また、送電線の零相電圧を検出する零相電圧検出手段と、零相電圧を記憶する零相電圧記憶手段と、現時点より1サイクル前の零相電圧を標本電圧として、標本電圧と現時点の零相電圧とを順送りして、標本電圧と現時点の零相電圧との差である移動差電圧を各サイクル毎に演算する移動差電圧演算手段と、移動差電圧の時間的な変化を抽出する移動差電圧変化抽出手段とを備えたものである。
また、送電線の零相電圧を検出する零相電圧検出手段と、零相電圧を記憶する相電圧記憶手段と、故障前の定常時における零相電圧を標本電圧として設定し、標本電圧と現時点の零相電圧との差である移動差電圧を、標本電圧を固定して順次各サイクル毎に演算する移動差電圧演算手段と、移動差電圧の時間的な変化を検出する移動差電圧変化抽出手段とを備えたものである。
【0006】
また、この発明に係わる送電線故障原因判別装置は、送電線の零相電圧を検出する零相電圧検出手段と、送電線の零相電流を検出する零相電流検出手段と、零相電圧と零相電流とから零相インピーダンスを演算する零相インピーダンス電圧演算手段と、零相電流の挙動から期待される零相インピーダンス部分に発生するインピーダンス電圧と零相電圧との差電圧を演算する差電圧演算手段と、差電圧の時間的な変化を抽出する差電圧変化抽出手段と、現時点より1サイクル前の零相電圧を標本電圧として、標本電圧と現時点の零相電圧とを順送りして、標本電圧と現時点の零相電圧との差である移動差電圧を演算する移動差電圧演算手段と、上記移動差電圧の時間的な変化を抽出する移動差電圧変化抽出手段と、差電圧の時間的な変化と移動差電圧の時間的な変化とから故障の原因を判別する故障原因判別手段とを備えたものである。
【0007】
さらに、送電線の零相電圧を検出する零相電圧検出手段と、送電線の零相電流を検出する零相電流検出手段と、零相電圧と零相電流とから零相インピーダンスを演算する零相インピーダンス電圧演算手段と、零相電流の挙動から期待される零相インピーダンス部分に発生する電圧と零相電圧との差電圧を演算する差電圧演算手段と、差電圧の時間的な変化を抽出する差電圧変化抽出手段と、故障前の定常時における零相電圧を標本電圧として設定し、標本電圧と現時点の零相電圧との差である移動差電圧を、標本電圧を固定して順次各サイクル毎に演算する移動差電圧演算手段と、移動差電圧の時間的な変化を検出する移動差変化抽出手段と、差電圧の時間的な変化と移動差電圧の時間的な変化とから故障の原因を判別する故障原因判別手段とを備えたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は実施の形態1の構成図、及び図2は零相電流の包絡線の近似値を示す説明図である。図1において、1は発電所や変電所等に設置された母線、2は負荷側2aが母線1に接続された変圧器で、電源側2bが電源(図示せず)に接続されている。3は母線1に接続された送電線、4は母線1に接続された接地変圧器で、中性点が接地抵抗5を介して接地されている。6は零相電流検出手段で、接地変圧器4の中性点に流れる零相電流を検出する。7は零相電流記憶手段で、零相電流検出手段6で検出した零相電流を記憶する。8は近似値演算手段で、単一の周波数成分で振動しながら変化する零相電流iの瞬時値を式(1)で示す包絡線の近似値itで定義する。なお、式(1)において、ωは電源電圧角周波数である。例えば、測定された零相電流iが図2に示すような変化をしたとき、式(1)により計算した包絡線の近似値itは零相電流iの包絡線とほぼ一致する。9は近似値変化抽出手段で、包絡線の近似値itの傾きを検出する。
【0009】
【数1】
Figure 0003884667
【0010】
次に動作について説明する。図1及び図2において、送電線3で地絡事故が発生すると、接地変圧器4の中性点に零相電流iが流れる。零相電流iは零相電流検出器6で検出されて、零相電流記憶手段7に記憶される。次に、近似値演算手段8では故障が発生する直前部分における零相電流の包絡線の近似値itを式(1)により演算する。式(1)により演算した近似値itの計算結果の例を図3に示す。図3(a)(b)において、太線で示したのが包絡線の近似値itである。なお、図3(a)(b)は、トンビ等の鳥獣接触及び営巣材接触の実測例から数値計算したものである。図3(a)(b)において、定常時の領域a、故障の前兆である領域b、及びフラッシオーバー(故障)の領域cに分けることができる。即ち、領域cでは遮断器(図示せず)等を動作させて系統の保護が行われる。
図3(a)はトンビ等が接触した場合で、領域bの傾きが緩やかで継続時間が長い(例えば、0.5サイクル以上))場合は、沿面放電の進展による特徴的な挙動であり、領域bの傾きが急峻で継続時間が短い(例えば、0.5サイクル以下)場合は、一般的に観察されるギャップ放電の特徴的な挙動であることがわかる。そこで、近似値変化抽出手段9では、領域bの傾きの特徴を抽出する。
【0011】
以上のように、近似値演算手段8で零相電流iの包絡線の近似値itを演算し、近似値変化抽出手段9により故障直前である領域bの包絡線の傾きを検出することにより、領域bの包絡線の近似値itの傾きから故障の形態を推定することができる。例えば、領域bの傾きが緩やかで継続時間が長い(例えば、0.5サイクル以上))場合は、沿面放電の進展による特徴的な挙動であり、領域bの傾きが急峻で継続時間が短い(例えば、0.5サイクル以下)場合は、一般的に観察されるギャップ放電の特徴的な挙動であることがわかる。
実施の形態1において、零相電流の包絡線の近似値itを式(1)により演算するものについて説明したが、零相電流のピーク値間を直線で結んだものを包絡線の近似値としても同様の効果を期待することができる。
【0012】
実施の形態2.
図4は実施の形態2の構成図である。図4において、1〜7は実施の形態1のものと同様のものである。10は相電圧検出手段で、送電線3の相電圧を検出する。11は相電圧記憶手段で、相電圧検出手段10で検出した相電圧を記憶する。12は故障回路抵抗演算手段で、相電圧と零相電流とから零相電流iが零点でのアークを含む回路の故障回路抵抗Raを図5に示すように、横軸を時間tとして式(2)により演算する。
【0013】
【数2】
Figure 0003884667
【0014】
図5(a)はトンビ等が接触したものであり、図5(b)は営巣材が接触したものを示す。式(2)において、Vp0 は相電圧記憶手段11に記憶された相電圧のピーク値、ωは電源電圧角周波数である。13は故障回路抵抗抽出手段で、零相電流が零点となるときの故障回路抵抗の時系列的な推移を検出する。
次に動作について説明する。図4及び図5において、故障回路抵抗演算手段12で相電圧と零相電流iとから零相電流iが零点でのアークを含む回路の故障回路抵抗Raを演算する。次に、故障回路抵抗抽出手段13は零相電流が零点となるときの故障回路抵抗の時系列的な推移を検出する。図5(a)(b)ともに時間t1 で地絡故障によりアークが発生しており、図5(a)のトンビ等の接触の場合は、時間t2 で故障回路抵抗Raが急激に減少しているが、図5(b)に示す営巣材接触では故障回路抵抗Raの急激な変化は観測されない。即ち、故障回路抵抗抽出手段13は図5(a)のトンビ等の接触の場合は、故障回路抵抗Raが急激に減少してアークの状態が変化していることを検出し、図5(b)の営巣材接触の場合は、故障回路抵抗Raの急激な変化がなくアークが安定していることを検出する。
【0015】
以上のように、送電線3の故障点で発生したアークを含む回路の故障回路抵抗Raを故障回路抵抗演算手段12で演算し、故障回路抵抗抽出手段13で零相電流が零点となるときの故障回路抵抗Raの時系列的な推移を検出することにより、図5(a)に示すように故障回路抵抗Raが急激に減少してアークの状態が変化している場合は、トンビ等の接触であって沿面放電的なものと推定することができる。一方、図5(b)に示すように故障回路抵抗Raの変化が少なくてアークの状態が安定している場合は、営巣材接触であってギャップ放電的なものと推定することができる。このように、故障回路抵抗Raの時間的な変化を検出することにより、送電線3の故障時におけるアークの挙動を把握することができる。
【0016】
実施の形態3.
図6は実施の形態3の構成図である。図6において、1〜9は実施の形態1のものと同様のものであり、10〜13は実施の形態2のものと同様のものである。14は故障原因判別手段で、図3に示す包絡線の近似値itの傾きと図5に示す故障回路抵抗Raの時間的な変化とから、図7に示す故障原因の分布図により故障点における故障の原因を判別する。なお、図7の故障原因分布図は、表1に示すように故障原因となる金属、木、鳥獣及び鳥獣の糞に対応した故障の状態及びアークの挙動を分類して作成したものである。
【0017】
【表1】
Figure 0003884667
【0018】
図7において、縦軸は図3(a)(b)の領域bにおける包絡線の近似値itの変化の大、中、小を示しており、横軸は図5に示す故障回路抵抗Raの変化の大、中、小を示している。
次に動作について説明する。図6及び図7において、送電線3で地絡事故が発生すると、接地変圧器4の中性点に零相電流iが流れる。零相電流iは零相電流検出器6で検出されて、零相電流記憶手段7に記憶される。次に、近似値演算手段8では故障が発生する直前部分における零相電流の包絡線の近似値itを式(1)により演算する。式(1)により演算した近似値itの計算結果の例を図3に示す。図3(a)(b)において、太線で示したのが包絡線の近似値itである。なお、図3(a)(b)は、トンビ等の接触及び営巣材接触の実測例から数値計算したものである。図3(a)(b)において、定常時の領域a、故障の前兆である領域b、及びフラッシオーバ(故障)の領域cに分けることができる。
【0019】
図3(a)はトンビ等が接触した場合で、領域bの傾きが緩やかで継続時間が長い(例えば、0.5サイクル以上))場合は、沿面放電の進展による特徴的な挙動である。また、図3(b)は鳥獣の営巣材が接触した場合で、領域bの傾きが急峻で継続時間が短い(例えば、0.5サイクル以下)場合は、一般的に観察されるギャップ放電の特徴的な挙動であることがわかる。そこで、近似値変化抽出手段9では、領域bの傾きの特徴を抽出する。
一方、故障回路抵抗演算手段12で相電圧と零相電流iとから零相電流iが零点でのアークを含む回路の故障回路抵抗Raを演算する。次に、故障回路抵抗抽出手段13は零相電流が零点となるときの故障回路抵抗Raの時系列的な推移を検出する。図5(a)(b)ともに時間t1 で地絡故障により閃絡してアークが発生しており、図5(a)のトンビ等の鳥獣接触の場合は、時間t2 で故障回路抵抗Raが急激に減少しているが、図5(b)に示す営巣材接触では故障回路抵抗Raの急激な変化は観測されない。即ち、故障回路抵抗抽出手段13は図5(a)のトンビ等の鳥獣接触の場合は、故障回路抵抗Raが急激に減少してアークの状態が変化していることを検出し、図5(b)の営巣材接触の場合は、故障回路抵抗Raの急激な変化がなくアークが安定していることを検出する。
【0020】
そして、故障原因判別手段14は、図3に示す包絡線の近似値itの傾きと図5に示す故障回路抵抗Raの時間的な変化とから、図7に示す故障原因の分布図により故障点における故障の原因を次のように判別する。なお、故障前電流の「大」、「中」、「小」は図3の領域bの継続時間を示すもので、実測データにより決定されている。また、故障回路抵抗Ra変化の「大」、「中」、「小」は例えば図5(a)に示すように時間t2での変化であって、実測データに基づいて決定されている。
(1)近似値it及び故障回路抵抗Raの変化が共に「小」であれば、営巣材に使用された金属等の接触が故障原因であると推定する。
(2)近似値itの領域bの継続時間が「中」又は「小」で、故障回路抵抗Raの変化が「小」であれば、立木又は営巣材として使用された木片の接触が故障原因と推定する。
(3)近似値itの領域bの継続時間が「大」又は「中」で、故障回路抵抗Raの変化が「中」又は「小」であれば、鳥獣の糞の接触が故障原因と推定する。
(4)近似値itの領域bの継続時間が「大」「中」「小」のいずれかで、故障回路抵抗Raの変化が「大」又は「中」であれば、鳥獣の接触が故障原因と推定する。
【0021】
なお、図7において、例えば近似値itの領域bの継続時間が「小」で、故障回路抵抗Raの変化が「小」の領域のように故障原因が重なっている場合は、金属の接触か、木片の接触かのいずれかが故障原因であると推定する。
なお、図7においては故障の原因として鳥獣、鳥獣の糞、木片、及び金属について故障回路抵抗による分類及び故障前電流による分類を行っているが、プラスチック類、ゴム、その他の絶縁性物質が木片と類似の特性を示すこと、更に塩分による碍子汚損も糞による碍子汚損と類似の様相を示す等、原因の分類については、より広く考えられることは自明である。
以上のように、近似値演算手段8で零相電流iの包絡線の近似値itを演算して、近似値変化抽出手段9により故障直前である領域bの包絡線の傾きを検出し、送電線3の故障点で発生したアークを含む回路の故障回路抵抗Raを故障回路抵抗演算手段12で演算して、故障回路抵抗抽出手段13で零相電流が零点となるときの故障回路抵抗の時系列的な推移を検出することにより、包絡線の近似値itの傾きと故障回路抵抗Raの時系列的な推移とから、故障点における故障の原因を推定することができる。
【0022】
実施の形態4.
図8は実施の形態4の構成図である。図8において、15は非接地系統の電源、16は電源15と変電所17との間の送電線、18は変電所17から地絡故障点18aまでの送電線、19は地絡故障点以遠の送電線、20は変電所17に設置された零相電圧検出手段で、送電線18,19の地絡故障時の零相電圧を検出する。21は零相電圧記憶手段で、零相電圧を記憶する。22は変電所17に設置された接地変圧器で、接地抵抗23を介して接地されている。24は零相電流検出手段で、接地変圧器22の中性点を流れる零相電流を検出する。25は零相電流記憶手段で、零相電流を記憶する。26は零相インピーダンス電圧演算手段で、零相電圧と零相電流とから零相インピーダンスを演算する。27は差電圧演算手段で、零相電圧と零相電流の挙動から期待される零相インピーダンス部分に発生するインピーダンス電圧との差電圧ΔV0を演算する。28は差電圧変化抽出手段で、差電圧ΔV0の時間的な変化を抽出する。29〜31は各送電線16,18,19の対地間の抵抗及び浮遊容量である。
【0023】
次に動作について説明する。図8において、送電線18,19間で地絡事故が発生すると、接地変圧器22の中性点に零相電流iが流れる。零相電流iは零相電流検出手段24により検出されて、零相電流記憶手段25に記憶される。一方、零相電圧検出手段20により検出された零相電圧は零相電圧記憶手段21に記憶される。零相インピーダンス電圧演算手段26では、次のようにして零相インピーダンスZ0を演算する。
一線地絡故障時における交流回路の電圧、電流間の一般的な関係として、零相電流iと零相電圧V0とは式(3)で表すことができる。式(3)において、r0は零相インピーダンスの抵抗分、L0は零相インピーダンスのリアクトル分、ωは電源電圧角周波数である。
i=V0/(r0+jωL0)・・・(3)
図9は零相電圧V0を縦軸とし、零相電流iを横軸とした実データ軌跡図である。図9において、Vpは零相電圧V0の最大値、irは零相電圧最大値V0 のときの零相電流値、ipは零相電流の最大値、iL は零相電圧V0が零のときの零相電流値である。零相電流の最大値ipが式(4)、零相電圧最大値V0 のときの零相電流値irが式(5)、及び零相電圧V0のときの零相電流値iL が式(6)となる。
【0024】
【数3】
Figure 0003884667
【0025】
そして、式(5)から式(7)が得られる。また、式(4)及び式(7)から式(8)が得られる。さらに、式(5)及び式(6)から式(9)が得られる。この得られた式(8)(9)により、見かけの抵抗分r0及び見かけのインダクタンスL0が計算できる。
【0026】
【数4】
Figure 0003884667
【0027】
この結果、零相インピーダンスZ0を式(10)として求めることができる。
0=r0+jωL0 ・・・(10)
この様にして求められた零相インピーダンスZ0から、差電圧演算手段27において、零相電流の挙動から期待されるインピーダンス部分に発生するインピーダンス電圧iZ0の瞬時値を式(11)で演算し、式(12)により零相電流の挙動から期待される零相インピーダンス部分に発生するインピーダンス電圧と零相電圧V0との差電圧ΔV0を演算する。
【0028】
【数5】
Figure 0003884667
【0029】
式(12)による計算結果を図10に示す。図10において、差電圧ΔV0 は故障点のアークの特性を反映しているので、差電圧変化抽出手段28で時間的変化を抽出することによりアークの挙動が分かるので、故障原因の推定を行うことができる。
故障原因は、例えば差電圧ΔV0の二乗の平方根を計算して時間的な変化を抽出することにより推定することができる。
差電圧ΔV0の二乗の平方根の値が急激に減少している場合は、実施の形態2において故障回路抵抗Raの変化で判断したのと同様に、トンビ等の鳥獣接触であって沿面放電的なものと推定することができる。一方、ΔV0の二乗の平方根の時間的な変化が少ない場合は、営巣材接触であってギャップ放電的なものと推定することができる。このように、差電圧ΔV0の二乗の平方根の時間的な変化を抽出することにより、送電線18,19の故障時におけるアークの挙動を把握することができる。
従って、例えば図10に示す故障の場合は、差電圧の急激な変化がなくアークが安定している ので、営巣材接触であってギャップ放電的なものと推定することができる。
以上のように、零相電流の挙動から期待される零相インピーダンス部分に発生するインピーダンス電圧と零相電圧との差電圧を差電圧演算手段27で演算し、差電圧の時間的な変化を差電圧変化抽出手段28で抽出することにより、トンビ等の鳥獣接触であって沿面放電的なものか、又は営巣材接触であってギャップ放電的なものかを推定することができる。
【0030】
実施の形態5.
図11は実施の形態5の構成図である。図11において、15,16,18〜23,29〜31は実施の形態4のものと同様のものである。32は20〜23,33,34が設置された変電所である。33は移動差電圧演算手段で、現時点の1サイクル前の零相電圧を標本電圧として、標本電圧と現時点の零相電圧とを順次に順送りして、標本電圧と現時点の零相電圧との差である移動差電圧を各サイクル毎に演算する。34は移動差電圧変化抽出手段で、移動差電圧演算手段33で演算された移動差電圧から故障前の前駆現象及びフラッシオーバ現象(故障)を検出する。
次に動作について説明する。図12は故障前後の零相電圧の差である移動差電圧を示す説明図である。図11及び図12において、零相電圧検出手段20は常に零相電圧を検出している。検出された零相電圧は零相電圧記憶手段21に記憶される。そして移動差電圧演算手段33では零相電圧記憶手段21に記憶された零相電圧を用いて、現時点の1サイクル前の零相電圧を標本電圧として設定する。そして、標本電圧と現時点の零相電圧との差である移動差電圧ΔVを演算する。この場合、標本電圧の設定は1サイクル毎に順次に順送りして各サイクル毎に移動差電圧ΔVを演算する。この演算結果を図12に示す。図12において、移動差電圧でΔVがa点で立ち上がって前駆現象が表れて、b点でフラッシオーバーしていることが分かる。移動差電圧変化抽出手段34では、例えば移動差電圧ΔVの二乗の平方根を計算して時間的な変化を抽出することにより、地絡事故時のアークの挙動を検出することができる。
以上のように、現時点の1サイクル前の零相電圧を標本電圧として設定して、標本電圧と現時点の零相電圧との差である移動差電圧ΔVを演算し、標本電圧の設定を1サイクル毎に順次に順送りして各サイクル毎に移動差電圧ΔVを演算し、移動差電圧変化抽出手段34で、例えば移動差電圧ΔVの二乗の平方根を計算して時間的な変化を抽出することにより、地絡事故時のアークの挙動を検出することができる。
【0031】
実施の形態6.
図13は実施の形態6の構成図である。図13において、15,16,18〜23は実施の形態4のものと同様のものであり、29〜31は実施の形態5のものと同様のものである。35は20〜23,36,37が設置された変電所である。36は移動差電圧演算手段で、地絡故障前の定常時における零相電圧を標本電圧として設定し、標本電圧と現時点の零相電圧との差である移動差電圧を、標本電圧を固定してから順次各サイクル毎に演算する。37は移動差電圧変化抽出手段で、移動差電圧演算手段36で演算された移動差電圧から故障前の前駆現象及びフラッシオーバ現象を検出する。
【0032】
次に動作について説明する。図13において、零相電圧検出手段20は常に零相電圧を検出している。そして、検出された零相電圧は零相電圧記憶手段21に記憶される。移動差電圧演算手段36では零相電圧記憶手段21に記憶された零相電圧を用いて、地絡故障前の定常時における零相電圧を標本電圧として設定する。そして、移動差電圧演算手段36は標本電圧と現時点の零相電圧との差である移動差電圧を、標本電圧を固定してから順次各サイクル毎に演算する。この演算結果を図14に示す。零相電圧の変動が緩やかな場合は、実施の形態5の手法を用いると図15に示すように前駆現象の立ち上がりが顕著に表れないので、前駆現象を把握するの困難である。しかし、この実施の形態6のように標本電圧を固定することにより、前駆現象の泰上がりが顕著に表れるので、前駆現象を容易に把握することができる。移動差電圧変化抽出手段37では、例えば移動差電圧ΔVの二乗の平方根を計算して時間的な変化を抽出することにより、地絡事故時のアークの挙動を検出することができる。
以上のように、地絡故障前の定常時における零相電圧を標本電圧として設定し、標本電圧と現時点の零相電圧との移動差電圧ΔVを演算することにより、故障直前の前駆現象を零相電圧の変化として抽出することができるので、地絡事故時のアークの挙動を検出することができる。
【0033】
実施の形態7.
図16は実施の形態7の構成図である。図16において、15,16,18〜31は実施の形態4のものと同様のものであり、33,34は実施の形態5のものと同様のものである。38は20〜28,33,34,39が設置された変電所である。39は故障原因判別手段で、差電圧変化抽出演算手段28で抽出された差電圧ΔV0の時間的な変化と、移動差電圧変化抽出手段34で検出された故障前の前駆現象及びフラッシオーバ現象(故障)とから、故障原因の判別を行う。
次に動作について説明する。図16において、送電線18,19間で地絡事故が発生すると、接地変圧器22の中性点に零相電流iが流れる。零相電流iは零相電流検出手段24により検出されて、零相電流記憶手段25に記憶される。一方、零相電圧検出手段20により検出された零相電圧は零相電圧記憶手段21に記憶される。零相インピーダンス電圧演算手段26では、実施の形態4と同様にして式(10)に示す零相インピーダンスZ0を演算する。この様にして求められた零相インピーダンスZ0から、差電圧演算手段27において、零相電流の挙動から期待されるインピーダンス部分に発生するインピーダンス電圧iZ0 の瞬時値を式(11)で演算し、式(12)により零相電流の挙動から期待される零相インピーダンス部分に発生するインピーダンス電圧と零相電圧V0との差電圧ΔV0を演算する。
【0034】
式(12)による計算結果を図10に示す。図10において、差電圧ΔV0 は故障点のアークの特性を反映しているので、差電圧変化抽出手段28で時間的変化を抽出することによりアークの挙動が分かる。
一方、移動差電圧演算手段33では零相電圧記憶手段21に記憶された零相電圧を用いて、現時点の1サイクル前の零相電圧を標本電圧として設定する。そして、標本電圧と現時点の零相電圧との差である移動差電圧ΔVを演算する。この場合、標本電圧の設定は1サイクル毎に順次に順送りして各サイクル毎に移動差電圧ΔVを演算する。この演算結果を図12に示す。図12において、移動差電圧ΔVがa点で立ち上がって前駆現象が現れて、b点でフラッシオーバしていることが分かる。移動差電圧変化抽出手段34では、例えば移動差電圧ΔVの二乗の平方根を計算して時間的な変化を抽出する。故障原因判別手段39は差電圧変化抽出演算手段28で抽出された差電圧ΔV0の時間的な変化と、移動差電圧変化抽出手段34で検出された故障前の前駆現象及びフラッシオーバ現象(故障)とから、故障原因の判別を行う。例えば、差電圧ΔV0の二乗の平方根を計算して時間的な変化を抽出することにより、急激に減少している場合はトンビ等の鳥獣の接触であって沿面放電的なものと推定することができる。一方、ΔV0の二乗の平方根の時間的な変化が少ない場合は営巣材接触であってギャップ放電的なものと推定することができる。
以上のように、故障原因判別手段において差電圧変化抽出演算手段で抽出された差電圧の時間的な変化と、移動差電圧変化抽出手段で検出された故障前の前駆現象とから、故障原因の判別を行う。
【0035】
実施の形態8.
図17は実施の形態8の構成図である。図17において、15,16,18〜31は実施の形態4のものと同様のものであり、36,37は実施の形態6のものと同様のものである。40は20〜28,36,37,41が設置された変電所である。41は故障原因判別手段で、差電圧変化抽出演算手段28で抽出された差電圧ΔV0の時間的な変化と、移動差電圧変化抽出手段34で検出された故障前の前駆現象及びフラッシオーバ現象(故障)とから、故障原因の判別を行う。
次に動作について説明する。図17において、送電線18,19間で地絡事故が発生すると、接地変圧器22の中性点に零相電流iが流れる。零相電流iは零相電流検出手段24により検出されて、零相電流記憶手段25に記憶される。一方、零相電圧検出手段20により検出された零相電圧は零相電圧記憶手段21に記憶される。零相インピーダンス電圧演算手段26では、実施の形態4と同様にして式(10)に示す零相インピーダンスZ0を演算する。この様にして求められた零相インピーダンスZ0から、差電圧演算手段27において、零相電流の挙動から期待されるインピーダンス部分に発生する電圧iZ0の瞬時値を式(11)で演算し、式(12)により零相電流の挙動から期待される零相インピーダンス部分に発生するインピーダンス電圧と零相電圧V0との差電圧ΔV0を演算する。
【0036】
式(12)による計算結果を図10に示す。図10において、差電圧ΔV0 は故障点のアークの特性を反映しているので、差電圧変化抽出手段28で時間的変化を抽出することによりアークの挙動が分かる。
一方、移動差電圧演算手段36は定常時における標本電圧と現時点の零相電圧との差である移動差電圧を、標本電圧を固定してから順次各サイクル毎に演算する。移動差電圧変化抽出手段37では、例えば移動差電圧ΔVの二乗の平方根を計算して時間的な変化を抽出することにより、地絡事故時のアークの挙動を検出することができる。差電圧ΔVが急激に減少している場合はトンビ等の鳥獣の接触であって沿面放電的なものと推定することができる。一方、ΔVの二乗の平方根の時間的な変化が少ない場合は営巣材接触であってギャップ放電的なものと推定することができる。さらに、図14において、移動差電圧ΔVが立ち上がって前駆現象が現れて、a点でフラッシオーバしていることが分かる。
以上のように、故障原因判別手段41において差電圧の時間的な変化と移動差電圧の時間的な変化とから故障の原因を判別を行うことができる。
【0037】
【発明の効果】
この発明によれば、近似値演算手段で零相電流の包絡線の近似値を演算し、近似値変化抽出手段により故障直前である領域の包絡線の傾きを検出することにより、各領域の包絡線の近似値の傾きから故障の形態を推定することができる。
また、送電線の故障点で発生したアークを含む回路の故障回路抵抗を故障回路抵抗演算手段で演算し、故障回路抵抗抽出手段で零相電流が零点となるときの故障回路抵抗の時系列的な推移を検出することにより、送電線の故障時におけるアークの挙動を把握することができる。
また、近似値演算手段で零相電流の包絡線の近似値を演算して、近似値変化抽出手段により故障直前である領域の包絡線の傾きを検出し、送電線の故障点で発生したアークを含む回路の故障回路抵抗を故障回路抵抗演算手段で演算して、故障回路抵抗抽出手段で零相電流が零点となるときの故障回路抵抗の時系列的な推移を検出することにより、包絡線の近似値の傾きと故障回路抵抗の時系列的な推移とから、故障点における故障の原因を推定することができる。
【0038】
また、零相電流の挙動から期待される零相インピーダンス部分に発生するインピーダンス電圧と零相電圧との差電圧を差電圧演算手段で演算し、差電圧の時間的な変化を差電圧変化抽出手段で抽出することにより、トンビ等の鳥獣接触であって沿面放電的なものか、又は営巣材接触であってギャップ放電的なものかを推定することができる。
また、現時点の1サイクル前の零相電圧を標本電圧として設定して、標本電圧と現時点の零相電圧との差である移動差電圧を演算し、標本電圧の設定を1サイクル毎に順次に順送りして各サイクル毎に移動差電圧を演算し、移動差電圧変化抽出手段34で、例えば移動差電圧の二乗の平方根を計算して時間的な変化を抽出することにより、地絡事故時のアークの挙動を検出することができる。
また、地絡故障前の定常時における零相電圧を標本電圧として設定し、標本電圧と現時点の零相電圧との移動差電圧を演算することにより、故障直前の前駆現象を零相電圧の変化として抽出することができるので、地絡事故時のアークの挙動を検出することができる。
また、故障原因判別手段において差電圧変化抽出演算手段で抽出された差電圧の時間的な変化と、移動差電圧変化抽出手段で検出された故障前の前駆現象とから、故障原因の判別を行う。
さらに、故障原因判別手段41において差電圧の時間的な変化と移動差電圧の時間的な変化とから故障の原因を判別を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1の構成図である。
【図2】 図1の零相電流の包絡線の近似値を示す説明図である。
【図3】 図1の近似値itの計算結果を示す説明図である。
【図4】 この発明の実施の形態2の構成図である。
【図5】 図4の故障回路抵抗の計算結果を示す説明図である。
【図6】 この発明の実施の形態3の構成図である。
【図7】 図6の故障原因の分布図を示す説明図である。
【図8】 この発明の実施の形態4の構成図である。
【図9】 図8の零相電圧と零相電流との実データ軌跡を示す説明図である。
【図10】 図8の零相電流の挙動から期待される零相インピーダンス部分に発生する電圧と零相電圧との差電圧の計算結果を示す説明図である。
【図11】 この発明の実施の形態5の構成図である。
【図12】 図11の故障前後の零相電圧の差である移動差電圧を示す説明図である。
【図13】 この発明の実施の形態6の構成図である。
【図14】 図13の故障前後の零相電圧の差である移動差電圧を示す説明図である。
【図15】 図14の元の零相電圧を実施の形態5の手法を用いた場合の故障前後の零相電圧の差である移動差電圧を示す説明図である。
【図16】 この発明の実施の形態7の構成図である。
【図17】 この発明の実施の形態8の構成図である。
【図18】 従来の故障電流解析法を用いた送電線故障原因判別装置における故障原因判別のフローチャートである。
【符号の説明】
3,16,18,19 送電線、6,24 零相電流検出手段、7,25 零相電流記憶手段、8 近似値演算手段、 9 近似値変化抽出手段、10 相電圧検出手段、11 相電圧記憶手段、12 故障回路抵抗演算手段、13 故障回路抵抗変化抽出手段、14,39,41 故障原因判別手段、20 零相電圧検出手段、21 零相電圧記憶手段、26 零相インピーダンス電圧演算手段、27 差電圧演算手段、28 差電圧変化抽出手段、33,36 移動差電圧演算手段、34,37 移動差電圧変化抽出手段。

Claims (8)

  1. 送電線の零相電流を検出する零相電流検出手段と、上記零相電流を記憶する零相電流記憶手段と、上記零相電流の包絡線の近似値を演算する近似値演算手段と、故障直前の上記包絡線の近似値の傾きを検出する近似値変化抽出手段とを備えたことを特徴とする送電線故障アーク挙動測定装置。
  2. 送電線の相電圧を検出する相電圧検出手段と、上記相電圧を記憶する相電圧記憶手段と、上記送電線の零相電流を検出する零相電流検出手段と、上記零相電流を記憶する零相電流記憶手段と、上記相電圧と上記零相電流とから上記送電線の故障点で発生したアークを含む回路における上記零相電流が零点となるときの故障回路抵抗を演算する故障回路抵抗演算手段と、上記零相電流が零点となるときの上記故障回路抵抗の時系列的な推移を検出する故障回路抵抗抽出手段とを備えたことを特徴とする送電線故障アーク挙動測定装置。
  3. 送電線の零相電流を検出する零相電流検出手段と、上記零相電流を記憶する零相電流記憶手段と、上記零相電流の包絡線の近似値を演算する近似値演算手段と、故障直前の上記包絡線の近似値の傾きを検出する近似値変化抽出手段と、上記送電線の相電圧を検出する相電圧検出手段と、上記相電圧を記憶する相電圧記憶手段と、上記相電圧と上記零相電流から上記送電線の故障点で発生したアークを含む回路における上記零相電流が零での故障回路抵抗を演算する故障回路抵抗演算手段と、上記零相電流が零点となるときの上記故障回路抵抗の時系列的な推移を検出する故障回路抵抗抽出手段と、上記包絡線の近似値の傾きと上記故障回路抵抗の時間的な変化とから上記故障点における故障の原因を判別する故障原因判別手段とを備えたことを特徴とする送電線故障原因判別装置。
  4. 送電線の零相電圧を検出する零相電圧検出手段と、上記送電線の零相電流を検出する零相電流検出手段と、上記零相電圧と上記零相電流とから零相インピーダンスを演算する零相インピーダンス電圧演算手段と、上記零相電流の挙動から期待される上記零相インピーダンス部分に発生する電圧と上記零相電圧との差電圧を演算する差電圧演算手段と、上記差電圧の時間的な変化を抽出する差電圧変化抽出手段とを備えたことを特徴とする送電線故障アーク挙動測定装置。
  5. 送電線の零相電圧を検出する零相電圧検出手段と、上記零相電圧を記憶する零相電圧記憶手段と、現時点より1サイクル前の上記零相電圧を標本電圧として、上記標本電圧と現時点の上記零相電圧とを順送りして、上記標本電圧と現時点の上記零相電圧との差である移動差電圧を各サイクル毎に演算する移動差電圧演算手段と、上記移動差電圧の時間的な変化を抽出する移動差電圧変化抽出手段とを備えたことを特徴とする送電線故障アーク挙動測定装置。
  6. 送電線の零相電圧を検出する零相電圧検出手段と、上記零相電圧を記憶する相電圧記憶手段と、故障前の定常時における上記零相電圧を標本電圧として設定し、上記標本電圧と現時点の上記零相電圧との差である移動差電圧を、上記標本電圧を固定して順次各サイクル毎に演算する移動差電圧演算手段と、上記移動差電圧の時間的な変化を検出する移動差電圧変化抽出手段とを備えたことを特徴とする送電線故障アーク挙動測定装置。
  7. 送電線の零相電圧を検出する零相電圧検出手段と、上記送電線の零相電流を検出する零相電流検出手段と、上記零相電圧と上記零相電流とから零相インピーダンスを演算する零相インピーダンス電圧演算手段と、上記零相電流の挙動から期待される上記零相インピーダンス部分に発生する電圧と上記零相電圧との差電圧を演算する差電圧演算手段と、上記差電圧の時間的な変化を抽出する差電圧変化抽出手段と、現時点より1サイクル前の上記零相電圧を標本電圧として、上記標本電圧と現時点の上記零相電圧とを順送りして、上記標本電圧と現時点の上記零相電圧との差である移動差電圧を演算する移動差電圧演算手段と、上記標本電圧と現時点の上記零相電圧との差である移動差電圧を演算する移動差電圧演算手段と、上記移動差電圧の時間的な変化を抽出する移動差電圧変化抽出手段と、上記差電圧の時間的な変化と上記移動差電圧の時間的な変化とから故障の原因を判別する故障原因判別手段とを備えたことを特徴とする送電線故障原因判別装置。
  8. 送電線の零相電圧を検出する零相電圧検出手段と、上記送電線の零相電流を検出する零相電流検出手段と、上記零相電圧と上記零相電流とから零相インピーダンスを演算する零相インピーダンス電圧演算手段と、上記零相電流の挙動から期待される上記零相インピーダンス部分に発生する電圧と上記零相電圧との差電圧を演算する差電圧演算手段と、上記差電圧の時間的な変化を抽出する差電圧変化抽出手段と、故障前の定常時における上記零相電圧を標本電圧として設定し、上記標本電圧と現時点の上記零相電圧との差である移動差電圧を、上記標本電圧を固定して順次各サイクル毎に演算する移動差電圧演算手段と、上記移動差電圧の時間的な変化を検出する移動差変化抽出手段と、上記差電圧の時間的な変化と上記移動差電圧の時間的な変化とから故障の原因を判別する故障原因判別手段とを備えたことを特徴とする送電線故障原因判別装置。
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