JP3883722B2 - 冷凍装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、動力の発生に用いるスターリングエンジンや、低温の発生に用いるスターリング冷凍機などの冷凍装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、バイオテクノロジーの分野や電子デバイスの分野等の先端技術分野において、各種試料や各種材料の極低温の保存技術の開発が急務になっている。特に、スターリング冷凍機などの冷凍装置は、上記極低温を実現する手段として注目され各種赤外線センサー、超電導デバイス等の冷却用やバイオメディカル用のフリーザ、冷凍庫等に広く利用されようとしている。
【0003】
ここで、図2を参照して、従来のディスプレーサタイプのスターリング冷凍機の構造について説明する。
【0004】
本体ハウジング1には膨張シリンダ2と圧縮シリンダ3とが90度の角度差で取り付けられ、膨張シリンダ2に内蔵されたディスプレーサ6と、圧縮シリンダ3に内蔵されたピストン7は、共通のクランク機構5に連結されて、互いに90度位相がずれた状態で往復駆動される。
【0005】
ディスプレーサ6は、両端が開口した筒体17の内部に、例えば焼結金属からなる蓄冷材14が充填されており、筒体17の一方の開口から流入した作動ガスは蓄冷材14の内部を通過し、他方の開口から流出するまでの過程で、蓄冷材14との熱交換が行なわれる。
【0006】
ディスプレーサ6は再生熱交換器としての機能を兼ね備えたものであって、その熱交換性能はスターリング冷凍機の成績係数を大きく左右することになる。
【0007】
又、膨張シリンダ2及び圧縮シリンダ3は夫々オイルシール8、9によってクランク室12と仕切られており、膨張シリンダ2の基端部と圧縮シリンダ3の先端部とは、連通路4によって互いに連通されている。クランク室12にはオイル10が注入されている。
【0008】
図3は、横軸に時間T、縦軸にストロークSをとって、上記スターリング冷凍機の動作を表わしたものである。
【0009】
スターリング冷凍機に於いては、ディスプレーサ6が図3の曲線B、Cの如く往復移動すると同時に、ピストン7が図3の曲線Dの如く往復移動することによって、膨張シリンダ2の膨張空間11は、図3の直線Aと曲線Bに挟まれた幅領域で容積変化し、圧縮シリンダ3の圧縮空間13は、図3の曲線Cと曲線Dに挟まれた幅領域で容積変化する。
【0010】
この結果、図3の▲1▼の行程では、ピストン7の上昇に伴って圧縮空間13内のガスが圧縮され、連絡管4を経て膨張シリンダ2内へ流入する(理想的には等温圧縮)。このガスは図3の▲2▼の行程で、ディスプレーサ6内の蓄冷材14を通過し、蓄冷材14と熱交換を行なって、温度低下する(定積冷却)。蓄冷材14を通過したガスは図3の▲3▼の行程で、膨張シリンダ2の膨張空間11へ流入し、その後、ピストン7の降下に伴って膨張する(理想的には等温膨張)。次に、図3の▲4▼の行程では、ディスプレーサ6の上昇に伴って、膨張空間11内のガスが蓄冷材14を通過し、蓄冷材14と熱交換を行なって、温度上昇した後、連通部4を経て再び圧縮空間13へ流入する(定積加熱)。
【0011】
この結果、膨張シリンダ2頭部に設けたコールドヘッド15が冷却される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
そして、上記構造よりなるスターリング冷凍機においては、製造及び組立時に混入する水分等を完全に除去することができず、特にクランク室12内に水分等の不純物質が最も多く混入している。このため、クランク室12内の作動ガス及びオイル中に混入している水分等の不純物質がオイルシール8、9を通過してピストン7又はディスプレーサ6の背面空間に侵入し、装置効率の低下を招くという問題があった。
【0013】
本発明は斯かる点に鑑みて為されたものであって、駆動室内に存在する水分等の不純物質が蒸気となって作動ガスに混在し、駆動室から作動室に侵入するのを防止した冷凍装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決する為の手段】
本発明は、ロッドの一端に接続されたピストン又はディスプレーサを膨張シリンダ内で往復動可能に収容する作動室と、前記ロッドの他端が接続され、前記ピストンまたはディスプレーサを往復動させるピストン駆動機構を収容する駆動室と、前記ロッドが貫通し、前記駆動室内の潤滑油が前記作動室に侵入するのを防ぐロッドシール部と、を備え、前記ピストン又はディスプレーサを膨張シリンダ内で往復動させ、該膨張シリンダ内に形成される前記作動室内部での作動ガスの膨張行程により冷熱を発生させる冷凍装置であって、前記作動空間内部で発生した冷熱を利用して冷却されるコールドトラップと、該コールドトラップと前記駆動室とを連通させる連通手段と、を有していることを特徴とする。
【0015】
この構成を用いることにより、駆動室内の作動ガス中に混在する水分蒸気等の不純物質を、作動空間内部で発生した冷熱を利用したコールドトラップで霜として付着させて除去するので、簡単な構成でこれら不純物質が作動室内に侵入して装置効率を低下させるのを防止することができる。
【0016】
そして具体的には、前記連通手段の途中に設けられた開閉手段と、該開閉手段を、前記コールドトラップの温度又は冷凍装置の運転状態に基づいてその開閉を制御する制御手段と、を有した構成としても良い。
【0017】
この構成を用いることによって、コールドトラップに霜として付着した不純物質が、コールドトラップが温度上昇する冷凍装置の停止中などに不純物質が溶けて駆動室内に戻ってしまうのを防止することができる。
【0018】
また、前記コールドトラップを、前記膨張シリンダの外周側面に当接配置させた構成としても良い。この構成を用いることにより、膨張シリンダからの冷熱を利用して冷却されるコールドトラップが簡単な構造で実現できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係る実施の形態を、図面を参照しながら説明する。尚、前述の従来例と同じ構成については同一符号を付しておりこれらの部分の詳細な説明は省略する。
【0020】
図1は、本発明を適用させた一実施の形態例であるスターリング冷凍機の構成を示す概略断面図である。このスターリング冷凍機では、冷熱を発生させる膨張機21と、その膨張機21において膨張させた作動ガスを受け取り圧縮して戻す圧縮機22とが鉛直方向に並列させた状態に設けられている。また、ディスプレーサ6とピストン7とを駆動する駆動源としての駆動モータ20が、クランク機構5を含むクランク室12(駆動室)内に設けられている。
【0021】
膨張シリンダ2及び圧縮シリンダ3とクランク室12とを仕切るロッドシール部としてのシール部材8、9は、クランク室12から膨張シリンダ2及び圧縮シリンダ3内の作動空間(作動室)へ向かう方向の流れに対してのシール性がその逆の流れに対するシール性より高いリップ型のシール部材を用いている。
【0022】
そして、膨張シリンダ2の外周側面には、その外周側面に当接配置されて膨張シリンダ2からの冷熱を利用して冷却されるコールドトラップ24が設けられており、このコールドトラップ24とクランク室12とは連通管25(連通手段)によって連通されている。コールドトラップ24は、膨張シリンダ2の外周側面に当接するように配設された低熱伝導率の材料(ガラス、ステンレス鋼など)24aと、その外周部を囲繞するように配設された断熱容器24bから構成されている。
【0023】
これにより、駆動モータ20の発熱等によって高温となっているクランク室12内の作動ガスが連通管25を通ってコールドトラップ24へ移動して、作動ガス中に混在する水分蒸気、その他の不純物質がコールドトラップ24表面に霜として付着すると共に、コールドトラップ24において冷却され低温となった作動ガスが連通管25を通ってクランク室12に移動する。この様にして、クランク室12とコールドトラップ24との間において作動ガスが自然循環して、クランク室12内の作動ガス中に混在する水分蒸気等の不純物質が、コールドトラップ24で霜として付着させて除去され、これら不純物質が作動室23内に侵入して装置効率を低下させるのを防止することができる。
【0024】
また、コールドトラップ24近傍の連通管25途中には、開閉手段26としての制御弁が設けられており、制御手段27からの制御信号に基づいて開閉制御されている。
【0025】
制御手段27は、駆動モータ20の駆動を制御しており、駆動モータ20を停止中には制御弁26を閉じ、駆動モータ20を起動した後、予め定められた所定時間経過後に制御弁26を開くように、制御弁26へ制御信号を送出している。
【0026】
これは、駆動モータ20の停止中にコールドトラップ24が温度上昇して、そこに付着している不純物質が溶けてクランク室12内に戻ってしまうのを防止するためである。ここで、駆動モータ20の起動後に上記所定時間経過した後に制御弁を開放しているのは、コールドトラップ24が不純物質を霜として付着させるのに十分な温度まで低下させるためである。本実施例では、−70度以下となるのに必要な運転時間が経過した後に、制御弁26が開放されるように上記所定時間を設定してある。
【0027】
尚、本実施例では上述したように、装置本体の運転状態に基づいて制御弁26の開閉を制御する場合について説明したが、コールドトラップ24の温度に基づいてその開閉を制御するように構成としても構わない。但し、この場合にはコールドトラップ24の温度を検出する検出手段が別途必要となる。
【0028】
以上のように、コールドトラップ24で水分蒸気等の不純物質を除去するための低温発生機構として新たな装置を必要とせず、膨張シリンダ2からの冷熱を利用することにより簡単な構造で実現でき、製造コストを低減することができる。
【0029】
上記実施の形態の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
【0030】
例えば、上記実施形態の説明では、コールドトラップ24を膨張シリンダ2の外周側面二と右折させる構成について説明したが、これに限らず、例えばコールドヘッド15とコールドトラップ24間に、銅などからなる熱伝導性部材を配設してコールドヘッド15で発生した極低温の冷熱の一部をコールドトラップ24まで熱伝導する構成としても構わない。この場合には、装置本体の発生冷熱の損失に若干なるが、かなり低温までコールドトラップ24を冷却することが可能となる。
【0031】
また、上記したコールドトラップ24の低熱伝導率材料24aの表面を凹凸形状にしても構わない。これにより、表面積を大きくすることができ、コールドトラップ24表面に付着させることができる不純物資量を多くすることができる。
【0032】
【発明の効果】
以上述べたとおり本発明によれば、駆動室内の作動ガス中に混在する水分蒸気等の不純物質を、作動空間内部で発生した冷熱を利用したコールドトラップで霜として付着させて除去するので、これら不純物質が作動室内に侵入するのを簡単な構成で防止することができ、この結果、装置効率の低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるスターリング冷凍機の概略断面図である。
【図2】従来のスターリング冷凍機の概略断面図である。
【図3】スターリング冷凍サイクルの行程を説明する図である。
【符号の説明】
1 本体ハウジング
2 膨張シリンダ
3 圧縮シリンダ
5 クランク機構(駆動機構)
6 ディスプレーサ
7 ピストン
8,9 オイルシール
12 クランク室(駆動室)
14 蓄冷材
15 コールドヘッド
20 駆動モータ
21 膨張機
22 圧縮機
23 作動室
24 コールドトラップ
25 連通管(連通手段)
26 制御弁(開閉手段)
27 制御手段
Claims (3)
- ロッドの一端に接続されたピストン又はディスプレーサを膨張シリンダ内で往復動可能に収容する作動室と、前記ロッドの他端が接続され、前記ピストンまたはディスプレーサを往復動させるピストン駆動機構を収容する駆動室と、前記ロッドが貫通し、前記駆動室内の潤滑油が前記作動室に侵入するのを防ぐロッドシール部と、を備え、前記ピストン又はディスプレーサを膨張シリンダ内で往復動させ、該膨張シリンダ内に形成される前記作動室内部での作動ガスの膨張行程により冷熱を発生させる冷凍装置であって、
前記作動空間内部で発生した冷熱を利用して冷却されるコールドトラップと、該コールドトラップと前記駆動室とを連通させる連通手段と、を有していることを特徴とする冷凍装置。 - 前記連通手段の途中に設けられた開閉手段と、
該開閉手段を、前記コールドトラップの温度又は冷凍装置の運転状態に基づいてその開閉を制御する制御手段と、を有していることを特徴とする請求項1記載の冷凍装置。 - 前記コールドトラップは、前記膨張シリンダの外周側面に当接配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の冷凍装置。
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1998
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