JP3883436B2 - 耳飾り - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、イヤリングやピアス等の耳飾りに関し、詳しくは、使用者の耳にソフトな装着感を与えることができるクリップ型の耳飾りの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、耳飾りの一例として、装飾を施したイヤリング本体と板状の押圧部材とからなるイヤリングがあり、このイヤリングは、本体に対して押圧部材を蝶着可能に設けて本体と押圧部材とを開閉可能とし、イヤリングを耳朶に取付ける場合には、先ず蝶着部分を開いた状態にしてイヤリング本体との間に耳朶を挟み込み、続いて押圧部材を閉じるようにしてイヤリング本体と押圧部材との間に耳朶を挟着するようにしている。
【0003】
このクリップ型のイヤリングは、ワンタッチで装着可能であり、また、イヤリング本体と押圧部材によって耳を挟む方向に弾発付勢する弾発手段を設け、この弾発手段によって装着後に耳朶を挟着した状態を自然に維持することができ、比較的外れ難いようにしたものであるため、使用しやすいイヤリングとして広く一般に普及している。
【0004】
この耳飾りの装着性を向上させるために、各種の手段が提案されており、例えば、公昭50−21598号公報記載のイヤリングカバーは、耳朶に当接する部位をスポンジゴムからなる保護体としたものであり、このイヤリングカバーを取付けたイヤリングで耳朶を挟むと、保護体の有する弾性力及び柔軟性によって挟着力を吸収することができるようにしたものである。
【0005】
また、図13に示すイヤリングは、板状部材4をシリコンゴム5で被覆して押圧部材3とし、この押圧部材3と止着板2とで耳朶を挟むようにしたイヤリングである。
【0006】
一方、図14に示したイヤリングは、耳朶への接触部位となる耳当て皿9を押圧部材8とは別に設け、この耳当て皿9を押圧部材8の先端側に軸着して耳当て皿9が耳朶に当接したときに耳当て皿9が回転可能になるようにしたイヤリングである。
【0007】
装着時には、耳当て皿9が回転することで耳朶の挟着位置に対して垂直方向の自由度を有することができ、止着板7と耳当て皿9で耳朶を挟圧したときに面接触可能となるため、スポンジゴムやシリコンゴムで被覆して挟圧力を吸収しようとした場合と比較すると圧迫感や苦痛を和らげることが可能となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、公昭50−21598号公報及び図13に示すイヤリングは、装着時において、装着する耳朶の厚みには個人毎のバラツキがあるため、止着板2と押圧部材3によって耳朶を挟んだときに形成される挟み込みの角度によっては押圧部材3の面全体で耳朶を押さえつけることができないことがあり、挟圧時の接触面積が小さくなることがあった。このため、押圧力が耳朶の一部分に集中して加わり、装着する者にとっては圧迫感や苦痛が生じるという問題があった。
【0009】
一方、図14に示したイヤリングは、耳当て皿9の水平方向の自由度が殆どないため、耳朶が有する傾斜によって装着時にフィットしないことがあり、この場合、耳朶に偏荷重がかかったりする等の問題が生じ、長時間装着していると痛くなることがあり、装着時の苦痛緩和という意味では不十分であった。
【0010】
また、押圧部材8に耳当て皿9を取付ける際に、押圧部材8の蝶着側との反対部分に対して耳当て皿9の略中央付近を軸着した構造としているため、蝶着部分から耳当て皿9までの長さが長くなり、装着したときに耳当て皿9が耳朶の本来の装着位置からずれることがあり、耳朶に違和感を感じることがあった。
【0011】
更には、耳当て皿9を押圧部材8に対して垂直方向に回転させるような軸着構造としているために構造が複雑となり、見栄えが良くないという問題が生じていた。
【0012】
本発明は、上述の課題点に鑑みて開発に至ったものであり、その目的とするところは、異なる形状の耳朶に対しても確実にフィットさせて長時間の装着に対しても圧迫感や苦痛を緩和させるようにした耳飾りであり、また、耳朶に対して最適な装着位置に装着することができ、装着時の違和感を感じることがなく、簡単な構造にして装飾性に優れた耳飾りを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に係る発明は、一方の装飾部材と、この装飾部材に軸着部材を介して装飾部材側に弾発付勢して耳朶を保持するようにした保持体と、この保持体を略Ω形状に形成して保持体の環状部位の略中央方向に延設片を設け、この延設片の先端側に設けた丸杆に、前記耳当て体の略中央付近に固着した環状部材の貫通孔を遊嵌状態に取付けて耳当て体を環状部材を中心に上下左右に傾斜可能に設けた耳飾りである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明をより詳細に設述するために、添付の図面によってこれを説明する。
図1から図11は、本発明における耳飾りを示したものである。図中において、10は、各種の材料によって装飾性を有する形状に形成した飾体11を取付け可能に設けた一方側の装飾部材であり、また、12は、この装飾部材10に一体に形成し、一端側を軸着可能に形成した軸着部材であり、孔状の軸着部12a、12aを設けている。軸着部材12は、本例においては、ろう付け等の手段によって装飾部材10に固着しているが、保持体13の自由端部13a、13aが軸着可能であればその形態に拘ることはない。
【0015】
保持体13は、軸着部材12を介して装飾部材10側に弾発付勢するように装飾部材10に設け、耳朶1をこの保持体13と装飾部材10との間に挟着するようにしている。保持体13は、略Ω形状に成形し、軸着部12aへの取付け時には、自由端部13a、13aを軸着部12aの内側から外側にそれぞれ弾発付勢させるように嵌合軸着するようにしている。
また、軸着部12aには、装飾部材10の方向に向くに従って幅広となるテーパ状の切欠き部13bを形成し、軸着部12aを中心として耳朶1を挟着する方向に保持体13を回転させたときに、切欠き部13bによって保持体13が装飾部材10側に弾発付勢する力が働くようにしている。
【0016】
14は耳当て体であり、この耳当て体14を保持体13に対して上下左右の方向に傾斜可能に設けている。耳当て体14は、略球面状に設け、この球面状部位には図8に示すような適宜の数の穴部14aを適宜の個所に穿孔して設けている。
【0017】
耳当て体14は、保持体13を構成している環状部位の略中央方向に延設するように固着して設けた延設片15に対して取付けるようにし、保持体13の環状部位の略中央付近に位置するようにするのが望ましいが、延設片15を保持体13の環状部位の外側方向に延設させ、この延設位置の先端側に配設するようにしてもよい。
【0018】
本例における耳当て体14は、延設片15の先端側に設けた丸杆15aに対して耳当て体14の略中央付近に固着した環状部材16の貫通孔17を挿通させるように遊嵌した状態で取付けているので、耳当て体14は、図5もしくは図6の二点鎖線に示すようにこの遊嵌部分を中心としてX,Y軸方向に沿って上下左右方向に傾斜可能となる。
【0019】
15bは固着部であり、この固着部15bは、延設片15を保持体13に固着可能に形成している。固着部15bは、図7に示すように両端付近に切欠溝15c、15cを切欠いて設け、保持体13に固着したときには、切欠溝15c、15cを保持体13の環状部位に係止させるように挿嵌させることによって取付け後に延設片15が円周方向に回転することを防いでいる。
【0020】
図9は、本発明における耳飾りの他例を示した斜視図である。本例においては、延設片19に対して耳当て体18の取付け構造を異なるように形成したものであり、延設片19の耳当て体18の取付け位置に対して挿通孔19aを穿孔し、一方、耳当て体18の略中央部位に棒状の棒状部20を突設して設け、挿通孔19aに棒状部20を挿入した状態で挿通孔19aの径より大であり、球状に形成した膨頭部20aを固着することによって耳当て体18が延設片19に対して遊嵌し、耳当て体18は図示しない保持体の弾発方向を軸として上下左右方向に傾斜可能となる。
【0021】
図10は、本発明における耳飾りの更に他例を示した斜視図であり、本例においては丸杆15aを有する延設片15に対して突状のピン21aを有する耳当て体21を遊嵌して取付け、耳飾り本体がピアス形態となるようにしたものである。
本例によると、耳飾り本体をイヤリング形態としたときの延設片15を利用してイヤリング形態とは趣向の異なる耳飾りを設けることができ、また、更には、ピン21aを折畳み可能に設けるようにすればピアス形態にもイヤリング形態にも利用できる兼用型とすることができる。
【0022】
図11は、本発明における耳飾りの更に異なる例を示した斜視図であり、本例においては、耳当て体22をねじ式の押し付けタイプのイヤリングとしている。
23は、耳当て体22の略中央付近に設けた略アーチ形状を呈する突状部であり、この突状部23の突状位置には貫通孔23aを設けている。
一方、24は、耳当て体22を装飾部材25側に押圧するために回転可能に設けた把持部であり、この把持部24の耳当て体22側におねじ部24aを形成している。26は装飾部材25と一体に形成した保持体であり、この保持体26に設けためねじ部26aにおねじ部24aを螺入し、おねじ部24aの先端側を突状部23の貫通孔23aに貫通させた状態で膨頭部27を固着することによって耳当て体22によって耳朶を挟着可能に設けている。
【0023】
把持部24を回転させ、耳朶を挟着する方向に耳当て体22を移動させた場合には、耳当て体22は、おねじ部24aの螺入方向を軸として上下左右方向に傾斜可能となる。
【0024】
図12は、他の発明における耳飾りの一例を示した斜視図である。この耳飾りは、金、銀等の金属で形成された装飾材31及び可動装飾材32の一対からなる装飾体30としたものであり、耳朶に装着したときに略環形状を呈するようにしている。装飾体30本体は、装飾材31と可動装飾材32を軸着部33において軸着するように形成し、軸着部33を中心に装飾材31と可動装飾材32が開閉して各自由端部34、35で耳朶を挟圧する構造としている。この耳飾りにおいては、自由端部34、35のうち、何れか一方、又は双方に耳朶の形状に合わせて挟着方向に対して上下左右の方向に傾斜可能な耳当て体36を設けている。
【0025】
耳当て体36は、図9の場合と同様に膨頭部37を設けることで装飾材31に対して耳当て体36が傾斜可能になるようにしているが、耳当て体36の取付構造としてはこの構造に限ることなく、他の取付け構造によって取り付けるようにしてもよい。また、本例においては、装飾材31の自由端部34に対して耳当て体36を設けているが、自由端部35、或は、自由端部34、35の双方にこの耳当て体36を設けるようにしてもよく、自由端部34、35の双方に耳当て体36を設けた場合には、耳朶に対して装飾体30本体をよりフィットさせた状態で装着することができる。
【0026】
なお、上記実施例のように、耳当て体の取付け構造が異なった場合にも装着後の装着感が大きく異なることはなく、何れの実施例においても優れた装着感が得られ、更には、各耳当て体にゴム等の弾性部材を設けるようにすれば、挟圧力をより吸収することができる。
また、軸着部の構造としては、上記の構造以外であってもよく、各種の軸着部構造を有する耳飾りに適用することができる。
【0027】
次に本発明における作用を説明する。
本発明の耳飾りは、装飾部材10に設けた軸着部材12に保持体13を軸着して耳朶1方向に弾発付勢させ、この保持体13には、保持体13の弾発方向を軸として上下左右方向に傾斜可能な耳当て体14を設けているので、この耳当て体14は、耳朶1の傾斜に合わせて上下左右に遊動して傾斜可能となり、挟着面である耳当て体14の接触面全体で耳朶1を挟着して挟着面全体に対して均一に押圧力を分散させることができる。
【0028】
しかも、延設片15に対して耳当て体14の略中央付近を遊嵌させるようにして取付けているので、耳当て体14全体に押圧力を分散させるようにして挟着することができる。
従って、本発明の耳飾りを装着したときには圧迫感を感じることがなく、長時間装着した場合にも挟持部分が痛くなることがない。
【0029】
また、延設片15の耳当て体14の取付け部分は、保持体13の環状部位の略中央付近になるようにしているので、耳朶1に対して装着時の違和感がなく、バランスのとれた位置に装着できる耳飾りを提供できる。しかも、耳朶1への取付位置は、製造段階において延設片15の長さなどの形状を調節することで容易に調節のできる構造であり、また、部品点数の少ない単純な構造であるため、製造容易であり、装飾性に優れた装美な耳飾りである。
【0030】
なお、延設片15を取付ける際には、固着部15bに設けた切欠溝15c、15cを保持体13の環状部位に挿嵌させるようにして係止しているので、装着中に延設片15の取付位置が緩んだりすることがなく、また、耳当て体14に耳朶から加わる力を固着部15bの保持体13との接触面全体で接触して緩和させることができる。
【0031】
【発明の効果】
以上のことから明らかなように、本発明における耳飾りは、使用する者ごとに異なる耳朶の形状に合わせて装着することができ、耳朶に対して確実にフィットさせることによって長時間装着した場合でも圧迫感や苦痛を和らげることができる。
【0032】
また、耳飾りの製造時において、耳朶への装着部分の寸法変更を容易に寛容することができるため、同じ構成部品からなる耳飾りであっても、耳朶への装着位置を変えることによって耳朶に対してより最適な装着位置に設けることができる。
【0033】
更には、装着時の違和感を感じることがなく、簡単な構造にして装飾性に優れている
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における耳飾りの要部を示した斜視図である。
【図2】 本発明における耳飾りを示した斜視図である。
【図3】 図1における耳当て体の中央縦断面図である。
【図4】 耳当て体を耳朶に装着した状態を示した中央縦断面図である。
【図5】 図1の耳当て体付近を示した一部拡大縦断面図である。
【図6】 図1の耳当て体付近を示した一部拡大横断面図である。
【図7】 図2の延設片付近を示した一部切欠き横断面図である
【図8】 耳当て体の斜視図である。
【図9】 本発明における耳飾りの他例を示した斜視図である。
【図10】 本発明における耳飾りの更に他例を示した斜視図である。
【図11】 本発明における耳飾りの更に異なる例を示した斜視図である。
【図12】 他の発明における耳飾りの一例を示した斜視図である。
【図13】 従来の耳飾りの一例を示した斜視図である。
【図14】 従来の耳飾りの他例を示した斜視図である。
【符号の説明】
1 耳朶
10 装飾部材
12 軸着部材
13 保持体
14 耳当て体
15 延設片
15a 丸杆
16 環状部材
17 貫通孔
10 装飾部
12 軸着部材

Claims (1)

  1. 方の装飾部材と、この装飾部材に軸着部材を介して装飾部材側に弾発付勢して耳朶を保持するようにした保持体と、この保持体を略Ω形状に形成して保持体の環状部位の略中央方向に延設片を設け、この延設片の先端側に設けた丸杆に、前記耳当て体の略中央付近に固着した環状部材の貫通孔を遊嵌状態に取付けて耳当て体を環状部材を中心に上下左右に傾斜可能に設けたことを特徴とする耳飾り。
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