JP3883168B2 - 音響機器用スタンド、およびそれを使用したスピーカースタンド - Google Patents

音響機器用スタンド、およびそれを使用したスピーカースタンド Download PDF

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Description

【0001】
【発明の目的】
この発明は、主としてコンポーネント・ステレオのエンクロージュア、アンプ、チューナー、各種プレーヤー等を快適な環境下に安定支持し得るようにするスタンドに関するものであって、特に、不要な振動を抑える上、良好な音響の発生に貢献できる新規な構造からなる音響機器用スタンド、およびそれを使用した新規な構造のスピーカースタンドを提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
最近の音響機器は、CD、DAT、MD等の音声圧縮技術による、ディジタル・オーディオ録音および再生技術が相次いで開発され、更に各種地上波利用のTV、FMラジオ放送、衛星を利用するBS、CS放送等によるステレオ放送が盛んに行われるようになり、良質な音を一般家庭で比較的簡単に楽しむことができるようになっており、また、6チャンネルを駆使し、聴者を取り巻く複数のエンクロージュアによって映画館のような、あるいはそれ以上の臨場感を再生することができるホームシアター・システムまで販売されるようになっており、多彩な楽しみ方を提供できるものとなってきている。
【0003】
このようなオーディオ機器のセッティングは、それを設置する部屋の形状や構造等の影響を受け易く、特に畳敷きの部屋を有する我が国の住宅事情も相俟って、一筋縄では良質な音を得ることができず、設計者の本来意図する音を正確に再生するには、スピーカーを内蔵してスピーカーシステムを構成する筐体状に形成されたエンクロージュアが発生する振動を、床面との間で効果的に防振する工夫が必要となり、さらに、チューナー、プレーヤーおよびアンプ等の機器も含めて、堅牢な家具やスピーカースタンドの上に設置し、一切の外部振動や内部からの振動を制振するのが望ましいものとされてきた。
【0004】
このように振動に大きな影響を受けるエンクロージュアを安定して支持するものとして、実開平3−103686号公報に示されるような、エンクロージュアを載置する載置台をサンドイッチ状に形成し、その中央部に制振鋼板を挟み込むことにより、エンクロージュアが発生する振動を制振するスピーカースタンドが考案されているが、エンクロージュアからの音声が載置台面に反射してしまい、音質を変えてしまうという欠点を解消できるものではなかった。また、実開平6−23394号公報に示されるエンクロージュアのように、スピーカースタンドとの接触面積を極めて小さく設定し、エンクロージュアとスピーカースタンドとの間で振動が容易に伝播しないように構成したものが開発されている。
【0005】
この発明は、以上のような情況に鑑み、エンクロージュア、チューナー、プレーヤーまたはアンプ等の音響機器が発生する不快な振動や音声を抑制し、更に減衰しきれないエンクロージュアの振動を活かして良質な音響の再生に貢献させることはできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の音響機器用スタンド、およびそれを使用した新規な構造のスピーカースタンドを実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
【0006】
【発明の構成】
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明に包含される音響機器用スタンドは、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、硬質または比較的硬質で、所定の肉厚および上下巾寸法を有し、上側面がエンクロージュア等音響装置底面に密着状に当接可能となる略直線状の平滑支持面部とされた木質板から硬質芯材を形成すると共に、その表裏両面には、該硬質芯材材質よりも軟質で、同硬質芯材と同じ上下巾寸法を有し、所定肉厚とした木質板からなる抱合材を積層、一体化して支持板部とした上、該支持板部における表裏抱合材の各露出面下端には、同支持板部を起立状に支持する脚部を突設、一体化したものとして基本台座となし、該基本台座の2個を一組とし、少なくともその一組の基本台座の中の一方が他方に対して直交状配置となるよう組み合わされた上、各基本台座の支持板部上側面の少なくとも硬質芯材平滑支持面部が、音響装置底面に密着状に当接、支持し得る如く構成されたものである。
【0007】
この発明の上記した基本的構成の音響機器用スタンドは、表現を変えて示すと、硬質または比較的硬質で、所定の肉厚および上下巾寸法を有し、上側面がエンクロージュア等音響装置底面に密着状に当接可能となる略直線状の平滑支持面部とされた木質板から硬質芯材を形成すると共に、その表裏両面には、該硬質芯材材質よりも軟質で、同硬質芯材と同じ上下巾寸法を有し、所定肉厚とした木質板からなる抱合材を積層、一体化して支持板部とした上、該支持板部における表裏抱合材の各露出面下端には、同支持板部を起立状に支持する脚部を突設、一体化したものとして基本台座となし、該基本台座の2個を一組とし、少なくともその一組の基本台座の中の一方が他方に対して直交状配置となるよう組み合わされた上、各基本台座の支持板部上側面の少なくとも硬質芯材平滑支持面部が、音響装置底面に密着状に当接、支持して同底面からの振動を受けると共に、支持板部がその肉厚方向に振動する振動面を形成し得るように構成されたものであるということができる。
【0008】
また、より具体的な構成のものとして示すと、この発明の音響機器用スタンドは、硬質または比較的硬質で、所定の肉厚および上下巾寸法を有し、上側面がエンクロージュア等音響装置底面に密着状に当接可能となる略直線状の平滑支持面部とされた木質板から硬質芯材を形成すると共に、その表裏両面には、該硬質芯材材質よりも軟質で、同硬質芯材と同じ上下巾寸法を有し、所定肉厚とした木質板からなる抱合材を積層、一体化して支持板部とした上、該支持板部における表裏抱合材の各露出面下端には、同支持板部の積層構造と同じか、それを整数倍した積層構造で、上下巾寸法が当該支持板部を起立状に支持する上で必要最小限のものに形成されてなる脚部を添設、一体化したものとして基本台座となし、該基本台座の2個を一組とし、少なくともその一組の基本台座の中の一方が他方に対して直交状配置となるよう組み合わされた上、各基本台座の支持板部上側面の少なくとも硬質芯材平滑支持面部が、音響装置底面に密着状に当接、支持し得るようにした構成を要旨とするものということができる。
【0009】
【関連する発明】
上記した音響機器用スタンドに関連して、この発明にはエンクロージュアに使用するスピーカースタンドも包含しており、その構成の要旨は、基本的に次のとおりのものである。
即ち、硬質または比較的硬質で、所定の肉厚および上下巾寸法を有し、上側面がエンクロージュア底面に密着状に当接可能となる略直線状の平滑支持面部とされた木質板から硬質芯材を形成すると共に、その表裏両面には、該硬質芯材材質よりも軟質で、同硬質芯材と同じ上下巾寸法を有し、所定肉厚とした木質板からなる抱合材を積層、一体化して支持板部とした上、該支持板部における表裏抱合材の各露出面下端には、同支持板部を起立状に支持する脚部を突設、一体化したものとして基本台座となし、該基本台座の2個を一組とし、少なくともその一組の基本台座の中の一方が、エンクロージュア底面奥部側において、その支持板部をエンクロージュア前面に平行するように配され、他方が、エンクロージュア底面手前側において、先の一方の基本台座に対して直交状配置となるよう組み合わされた上、各基本台座の支持板部上側面の少なくとも硬質芯材平滑支持面部が、エンクロージュア底面に密着状に当接、支持し得るよう構成したものである。
【0010】
また、表現を変えて示せば、硬質または比較的硬質で、所定の肉厚および上下巾寸法を有し、上側面がエンクロージュア底面に密着状に当接可能となる略直線状の平滑支持面部とされた木質板から硬質芯材を形成すると共に、その表裏両面には、該硬質芯材材質よりも軟質で、同硬質芯材と同じ上下巾寸法を有し、所定肉厚とした木質板からなる抱合材を積層、一体化して支持板部とした上、該支持板部における表裏抱合材の各露出面下端には、同支持板部を起立状に支持する脚部を突設、一体化したものとして基本台座となし、該基本台座の2個を一組とし、少なくともその一組の基本台座の中の一方が、エンクロージュア手前側において、その支持板部をエンクロージュア前面に平行するように配され、他方が、エンクロージュア底面奥部側において、先の一方の基本台座に対して直交状配置となるよう組み合わされた上、各基本台座の支持板部上側面の少なくとも硬質芯材平滑支持面部が、エンクロージュア底面に密着状に当接、支持し得るようにした構成を要旨とするスピーカースタンドとなる。
【0011】
基本台座は、2個を一組として音響機器用スタンド、またはそれを使用したスピーカースタンドを構成する機能を果たすものであり、夫々の支持板部を起立状に自立させたものとし、各上側面がエンクロージュア、CDプレーヤー、MDプレーヤー、アンプまたはチューナー等の音響装置の底面に密着状に当接可能な平滑支持面部を有するものとしなければならず、音響装置の大きさに応じて、2個の一組あるいは二組以上を配するものとすることが可能であり、例えば、2個を一組とした中の一方を、エンクロージュア底面奥部側において、その支持板部を同エンクロージュア前面に略平行となるように配し、他方を、エンクロージュア底面手前側において、先の一方の基本台座に対して略直交状の平面配置となるよう組合せることができる外、2個が一組の基本台座の中の一方が、エンクロージュア手前側において、その支持板部をエンクロージュア前面に平行するように配され、他方が、エンクロージュア底面奥部側において、先の一方の基本台座に対して直交状配置となるよう組み合わせることが可能である。
【0012】
支持板部は、音響装置を好ましい条件で支持する機能を果たすものであり、硬質または比較的硬質な木質素材であって、所定肉厚および上下巾寸法に設定し、上側面が音響装置底面に密着状に当接可能となる略直線状の平滑支持面部を有する硬質芯材の表裏両面に、該硬質芯材よりも軟質で、同硬質芯材と同じ上下巾寸法および所定肉厚を有する木質素材からなる抱合材を積層、一体化したものとすべきであり、支持板部上側面から硬質芯材の平滑支持面部だけが適宜上方に突出している構造とし、その硬質芯材部分だけで振動を受け、その下の三層構造部分で振動を緩和するようにすることが可能である外、同じ上下巾寸法に設定された硬質芯材および抱合材の、双方の上面全体を面一状に加工し、三層に渡って連続する平滑支持面部を形成したものとすることも可能である。
【0013】
硬質芯材は、音響装置の重量を支持する強度を確保する上、エンクロージュアを支持する際には、エンクロージュア底面からの振動を周囲へ伝播する機能を果たすものとなり、また、抱合材は、硬質芯材の振動を適度に減衰する機能を果たすものであり、それらに使用する素材としては、硬質芯材と抱合材の硬軟に充分な差があると共に、充分な強度で音響装置を支持可能なものであれば、何れの材料も使用可能であって、例えば硬質芯材には楓材を、抱合材には米松材を用いるのが望ましいものであるということができる。
【0014】
平滑支持面部は、音響装置底面に密着状に当接し、支持する機能を果たすものであって、不要な凹凸が無い略直線状の面とし、音響装置の底面をガタツキなく支持できるよう構成しなければならず、音響装置の底面を水平状に支持するよう構成すべきであって、必要に応じてブチルゴムやソルボセイン等の吸振素材を貼着することも可能である。振動面は、支持板部に伝わるエンクロージュアからの振動を受けて周囲空間を振動させ、音声を発する機能を果たすものであり、抱合材の外側面に形成されるものであって、周囲空間に効率的に音声を伝達できるよう、比較的音声の吸収が少ない木材から形成すべきであり、吸湿によって膨脹し、振動を必要以上に減衰してしまうことを防止できる素材を選択したり、防湿用の表面処理を施す等するのが望ましいものである。
【0015】
脚部は、支持板部を起立状に支持する機能を果たすものであり、支持板部の下部に一体形成され、支持に必要な底面積を確保するものとしなければならず、支持板部を起立状に支持する上で必要最小限の形状、寸法に形成するのが望ましく、その構成に不要な制限を受けるものではなく、例えば、支持板部の全長に渡って飛び飛びに突設されたものとすることが可能である外、硬質または比較的硬質で、所定の肉厚に設定された木質板の表裏面両側に、該硬質または比較的硬質な木質板よりも軟質で、所定の肉厚に設定された木質板を積層したものとするか、同構造のものを整数倍した積層構造とし、支持板部下部の全長に渡って一体に結合されたものとすることができる。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
【0016】
【実施例1】
図1の音響機器用スタンドを示す斜視図に示される事例は、木質板からなる硬質芯材の表裏両面の夫々に、軟質な木質板からなる同一形状に形成された二枚の抱合材を積層、一体化して形成した支持板部の下部に、表裏面側に二股状となる一対の脚部を設けて基本台座を形成した基本的構成からなるこの発明の音響機器用スタンドにおける代表的な一実施例を示すものである。
【0017】
当該基本台座1は、二種類の硬さの異なる木質板を積層して形成した支持板部2の下端に、同支持板部2を起立状に支持する脚部3,3が一体に設けられたものとなっており、該支持板部2は、厚さ寸法が10mm程度、上下巾寸法が100mm程度、奥行巾寸法が120mm程度に設定された矩形平板状の楓材からなる硬質芯材21を有し、同硬質芯材21の表裏両面に、硬質芯材21と略同形状に形成された楓材よりも軟質な米松材からなる二枚の抱合材22,22を積層状態とし、接着剤を用いて強固に一体化したものとなっている。
【0018】
支持板部2の上側面は、水平状の平滑面に仕上げられ、奥行方向に渡って直線状の平滑支持面部23を形成するものとなっており、同支持板部2の平滑支持面部23下部から下端付近までの、抱合材22,22の露出状となる表裏面が、振動面24,24を形成する一方、支持板部2下端に夫々露出状となる抱合材22,22には、厚さ寸法10mm、上下巾寸法が30mm、奥行寸法が120mm程度に設定された楓材からなる木質板の表裏に、同形状に形成した米松材からなる木質板を積層状に貼着してなる脚部3,3を、夫々接着剤を用いて一体に結合し、支持板部2を表裏両側から起立状に支持するよう構成されている。
【0019】
【実施例2】
図2のスピーカースタンドの使用状態の斜視図に示される事例は、この発明の音響機器用スタンドをスピーカースタンドとして利用した一実施例を示すものであり、コンポーネントステレオ用のエンクロージュア底面における前後部分の夫々を、平面T型状となるように配置され、各々が自立する、前後一対の基本台座で支持するよう構成したものである。
【0020】
該スピーカースタンドは、2個の基本台座1,1の中の一方を、エンクロージュア4底面の奥部側に配し、同エンクロージュア4の後部付近の左右に渡り、該エンクロージュア4前面と略平行状の平面配置となるよう設置し、また他方の基本台座1が、該エンクロージュア4底面の手前側に配され、該一方の基本台座1に対して、略直交状となる平面配置とするよう組み合わせ、各基本台座1,1の夫々の平滑支持面部23,23で、エンクロージュア4底面を密着状に当接、支持するものとなっている。
【0021】
また、図3のスピーカースタンドの他の使用状態の斜視図に示されるように、2個の基本台座1,1の中の一方を、エンクロージュア4底面の手前側に配し、同エンクロージュア4の前面に略平行状の平面配置となるよう設置し、また他方の基本台座1が、該エンクロージュア4底面の奥部側に配され、先の一方の基本台座1に対して、直交状となる平面配置とするよう組み合わされ、各基本台座1,1の夫々の平滑支持面部23,23が、エンクロージュア4底面に密着状に当接し、支持する配置構成とすることも可能である。
【0022】
【作用】
以上のとおりの構成からなるこの発明の音響機器用スタンドは、楓材からなる硬質芯材21の表裏両面に、硬質芯材21の材質よりも軟質な米松材からなる抱合材22,22が積層状に結合、一体化かされており、硬質芯材21が、エンクロージュア4等の音響機器を支持するに充分な強度を確保すると共に、抱合材22,22が、表裏面側から補強して不要な振動を減衰して、音響機器が発生する振動を床面に伝えることを阻止し、また、床面からの外部振動が音響機器に伝達してしまうことを阻止するものとなる。また、平滑支持面部23が、エンクロージュア4等の音響機器底面に密着状となり、同音響機器底面からの振動を支持板部2に伝達し、該支持板部2を板厚方向に振動させるものとなり、振動面24,24が周囲空間を振動して良好な響き音を発生するものとなる。
【0023】
また、図2中に示したように、エンクロージュア4底面の奥部側にあって、同エンクロージュア4の前面に平行状に配置された基本台座1は、エンクロージュア4底面の奥部側を左右に転倒せぬよう支持すると共に、平滑支持面部23を通じて伝達される振動により、振動面24が前後方向に振動し、良質の音響を主として前後方向に向けて発生する一方、エンクロージュア4底面の手前側で、前記基本台座1に略直交状の平面配置となるよう配置された基本台座1が、エンクロージュア4底面の手前側を前後に転倒せぬよう支持すると共に、平滑支持面部23を伝わる振動が、振動面24を左右方向に振動させ、良質の音響を左右方向に向けて発生させるものとなる。
【0024】
更にまた、図3に示すように、エンクロージュア4底面の手前側にあって、同エンクロージュア4の前面に平行状に配置された基本台座1は、エンクロージュア4底面の前側を左右に転倒させないように支持すると共に、平滑支持面部23を通じて伝達される振動により、振動面24が前後方向に振動し、良質の音響を主として前後方向に向けて発生する上、エンクロージュア4のスピーカーが前面に向けて発する音声を、前方に向けて反射する壁面を形成するものとなる。また、エンクロージュア4底面の奥部側で、前記基本台座1に略直交状の平面配置となるよう配置された基本台座1が、エンクロージュア4底面の奥部側を前後に転倒せぬよう支持すると共に、平滑支持面部23を伝わる振動が、振動面24を左右方向に振動させ、良質の音響を主として左右方向に向けて発生させるものとなる。
【0025】
【効果】
以上のとおり、この発明の音響機器用スタンドによれば、支持板部上側面に形成された平滑支持面部が、音響機器の底面に密着状に当接して、確りと支持するものとなり、硬質芯材が音響機器の荷重を支え、しかも、エンクロージュア等音響機器からの振動を、その木質材繊維方向に伝えることができるようにして安易な共振を阻止し、言わば鉛材の上に支持したような状態を実現した上、同硬質芯材の表裏両面に積層された抱合材が、硬質芯材に伝播した振動を減衰させる構造となって、単に鉛材等の重量物だけで支持したときのような重低音域を極端に減衰させ過ぎたり、高音域の歪み解消に役立たないといったこともなく、録音/再生等の精度を安定に維持できるものとすることができる上、音響機器を支える基本台座を、少なくとも2個一組とし、同基本台座の中の一方を他方に対して直交状配置となるよう組み合わせることにより、音響機器の不用意な転倒を確実に阻止することができるという極めて秀れた特徴が得られるものである。
【0026】
また、この発明に包含されるスピーカースタンドによれば、上側面に形成された平滑支持面部が、エンクロージュア底面に密接状に当接して充分な摩擦を確保し、硬質芯材が主な荷重を受け留めることのできる強度を確保するものとなり、支持板部の表裏両面に積層状に設けられた抱合材が、エンクロージュア底面から伝わる激しい振動を和らげるよう減衰する上、同抱合材の外側面に形成された振動面が、制しきれずに残った振動を受けて肉厚方向に振動し、周囲空間に残響音や余韻あるは良好な響き音として放射し、エンクロージュアから発せられる音に、深みや奥行感を与えることができるという秀れた効果を発揮する。
【0027】
特に、実施例に説明した音響機器用スタンドは、図1に示されるように、支持板部2の表裏抱合材22,22の各露出面下端に、楓材からなる硬質芯材の表裏両面に、楓材よりも軟質な米松材からなる抱合材を積層、一体化してなるものとされ、その上下巾寸法が支持板部を起立状に支持する上で必要最小限のものに設定された脚部3,3を有するものとされているので、硬質な楓材が支持板部を表裏両側から確りと保持して強い剛性を確保することができると共に、楓材よりも軟質な米松材が、激しい振動成分を減衰して床面との接合部分を防振することができ、重低音や大音響を再生する際にも不快な振動を効果的に抑制することができる。
【0028】
また、図2に示したスピーカースタンドは、2個の基本台座1,1を一組とし、一方の基本台座1をエンクロージュア4底部奥部側に配置し、同エンクロージュア4前面に平行状の配置とすることにより、エンクロージュア4の後方からも音声が発せられ、奥行のある音響を得ることが可能となり、他方の基本台座1がエンクロージュア4底部の手前側に、先の基本台座1に直交状の配置とされたことにより、エンクロージュア4の左右側に向けて音声を発生するものとなり、左右を回り込むようにして聴者に到達する音響が、残響音や余韻を生み出し臨場感を格段に高めるものとなる。
【0029】
更にまた、図3に示すスピーカースタンドによれば、基本台座1,1の2個を一組とし、その中の一方をエンクロージュア4底部手前側に配置し、同エンクロージュア4前面に平行状の配置としたことにより、エンクロージュア4前面から発せられる音声を前方に反射させると共に、同エンクロージュア4底面から伝わる振動を前後方向に向かう音声に変え、聴者に達する音圧を高めると共に、後方に向かった音が、背後の壁等に反射して、深みや奥行のある音響を発するものとなり、更に、他方の基本台座1がエンクロージュア4底部の奥部側に、先の基本台座1に直交状の配置とされたことにより、エンクロージュア4の左右側に向けて音声を発生し、後方を左右に回り込み、僅かに遅れて聴者に到達するものとし、これによって残響音や余韻を楽しむことができるものとなる上、楓材と米松材という無垢材同士を貼り合わせた構造により、各素材の振動および減衰能が統一され、明快な音質を得ることができる。
【0030】
叙述の如く、この発明の音響機器用スタンド、およびそれを使用したスピーカースタンドは、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、構造も至って簡素である上、製造も容易であって従前からのスピーカースタンドに比較して単価を経済的なものに抑えることができる上、設置する部屋の形、床や壁の材質等に応じ、必要な箇所に、好ましい個数を自由に設置して利用することができ、デザインもシンプルであることから、多様化した住宅の和室や洋室等にも馴染み易いものであり、常に高性能が求められる音響機器業界において高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものと予想される。
【図面の簡単な説明】
図面は、この発明の音響機器用スタンド、およびそれを使用したスピーカースタンドの技術的思想を具現化した幾つかの実施例を示すものである。
【図1】音響機器用スタンドを示す斜視図である。
【図2】スピーカースタンドの利用例を示す斜視図である。
【図3】スピーカースタンドの他の利用例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 基本台座
2 支持板部
21 同 硬質芯材
22 同 抱合材
23 同 平滑支持面部
24 同 振動面
3 脚部
4 エンクロージュア

Claims (6)

  1. 硬質または比較的硬質で、所定の肉厚および上下巾寸法を有し、上側面がエンクロージュア等音響装置底面に密着状に当接可能となる略直線状の平滑支持面部とされた木質板から硬質芯材を形成すると共に、その表裏両面には、該硬質芯材材質よりも軟質で、同硬質芯材と同じ上下巾寸法を有し、所定肉厚とした木質板からなる抱合材を積層、一体化して支持板部とした上、該支持板部における表裏抱合材の各露出面下端には、同支持板部を起立状に支持する脚部を突設、一体化したものとして基本台座となし、該基本台座の2個を一組とし、少なくともその一組の基本台座の中の一方が他方に対して直交状配置となるよう組み合わされた上、各基本台座の支持板部上側面の少なくとも硬質芯材平滑支持面部が、音響装置底面に密着状に当接、支持し得るようにしたことを特徴とする音響機器用スタンド。
  2. 硬質または比較的硬質で、所定の肉厚および上下巾寸法を有し、上側面がエンクロージュア等音響装置底面に密着状に当接可能となる略直線状の平滑支持面部とされた木質板から硬質芯材を形成すると共に、その表裏両面には、該硬質芯材材質よりも軟質で、同硬質芯材と同じ上下巾寸法を有し、所定肉厚とした木質板からなる抱合材を積層、一体化して支持板部とした上、該支持板部における表裏抱合材の各露出面下端には、同支持板部を起立状に支持する脚部を突設、一体化したものとして基本台座となし、該基本台座の2個を一組とし、少なくともその一組の基本台座の中の一方が他方に対して直交状配置となるよう組み合わされた上、各基本台座の支持板部上側面の少なくとも硬質芯材平滑支持面部が、音響装置底面に密着状に当接、支持して同底面からの振動を受けると共に、支持板部がその肉厚方向に振動する振動面を形成し得るようにしたことを特徴とする音響機器用スタンド。
  3. 硬質または比較的硬質で、所定の肉厚および上下巾寸法を有し、上側面がエンクロージュア等音響装置底面に密着状に当接可能となる略直線状の平滑支持面部とされた木質板から硬質芯材を形成すると共に、その表裏両面には、該硬質芯材材質よりも軟質で、同硬質芯材と同じ上下巾寸法を有し、所定肉厚とした木質板からなる抱合材を積層、一体化して支持板部とした上、該支持板部における表裏抱合材の各露出面下端には、同支持板部の積層構造と同じか、それを整数倍した積層構造で、上下巾寸法が当該支持板部を起立状に支持する上で必要最小限のものに形成されてなる脚部を添設、一体化したものとして基本台座となし、該基本台座の2個を一組とし、少なくともその一組の基本台座の中の一方が他方に対して直交状配置となるよう組み合わされた上、各基本台座の支持板部上側面の少なくとも硬質芯材平滑支持面部が、音響装置底面に密着状に当接、支持し得るようにしたことを特徴とする音響機器用スタンド。
  4. 硬質または比較的硬質で、所定の肉厚および上下巾寸法を有し、上側面がエンクロージュア底面に密着状に当接可能となる略直線状の平滑支持面部とされた木質板から硬質芯材を形成すると共に、その表裏両面には、該硬質芯材材質よりも軟質で、同硬質芯材と同じ上下巾寸法を有し、所定肉厚とした木質板からなる抱合材を積層、一体化して支持板部とした上、該支持板部における表裏抱合材の各露出面下端には、同支持板部を起立状に支持する脚部を突設、一体化したものとして基本台座となし、該基本台座の2個を一組とし、少なくともその一組の基本台座の中の一方が、エンクロージュア底面奥部側において、その支持板部をエンクロージュア前面に平行するように配され、他方が、エンクロージュア底面手前側において、先の一方の基本台座に対して直交状配置となるよう組み合わされた上、各基本台座の支持板部上側面の少なくとも硬質芯材平滑支持面部が、エンクロージュア底面に密着状に当接、支持し得るようにしたことを特徴とするスピーカースタンド。
  5. 硬質または比較的硬質で、所定の肉厚および上下巾寸法を有し、上側面がエンクロージュア底面に密着状に当接可能となる略直線状の平滑支持面部とされた木質板から硬質芯材を形成すると共に、その表裏両面には、該硬質芯材材質よりも軟質で、同硬質芯材と同じ上下巾寸法を有し、所定肉厚とした木質板からなる抱合材を積層、一体化して支持板部とした上、該支持板部における表裏抱合材の各露出面下端には、同支持板部を起立状に支持する脚部を突設、一体化したものとして基本台座となし、該基本台座の2個を一組とし、少なくともその一組の基本台座の中の一方が、エンクロージュア手前側において、その支持板部をエンクロージュア前面に平行するように配され、他方が、エンクロージュア底面奥部側において、先の一方の基本台座に対して直交状配置となるよう組み合わされた上、各基本台座の支持板部上側面の少なくとも硬質芯材平滑支持面部が、エンクロージュア底面に密着状に当接、支持し得るようにしたことを特徴とするスピーカースタンド。
  6. 支持板部は、その硬質芯材が楓材から形成され、抱合材が松材から形成されてなるものとした、請求項1ないし5何れか記載の音響機器用スタンド、またはそれを使用したスピーカースタンド。
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