JP3882863B2 - 2端子型非線形素子の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スイッチング素子に用いられる2端子型非線形素子および2端子型非線形素子の製造方法、前記2端子型非線形素子を用いた液晶表示パネルに関する。
【0002】
【背景技術】
アクティブマトリクス方式の液晶表示装置は、画素領域毎にスイッチング素子を設けてマトリクスアレイを形成したアクティブマトリクス基板と、たとえばカラーフィルタを設けた対向基板との間に液晶を充填しておき、各画素領域毎の液晶の配向状態を制御して、所定の画像情報を表示するものである。スイッチング素子としては、一般に、薄膜トランジスタ(TFT)などの3端子素子または金属−絶縁体−金属(MIM)型非線形素子などの2端子素子が用いられている。そして、2端子素子を用いたスイッチング素子は、3端子素子に比べ、クロスオーバ短絡の発生がなく、製造工程を簡略化できるという点で優れている。
【0003】
MIM型非線形素子の非線形特性を向上させるための技術として、例えば特開昭63−50081号が提案されている。この技術においては、タンタル薄膜を陽極酸化した後、窒素雰囲気中で400〜600℃で熱処理することにより、非線形特性、特に電圧−電流特性の急峻性が改善される。しかしながら、この技術によっても十分な非線形特性が得られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、特に、電圧−電流特性の急峻性が充分に大きく、かつ抵抗値特性に優れた2端子型非線形素子、およびこれを用いた、コントラストが高く、表示ムラや焼付きのない高画質の液晶表示パネルを提供することにある。
【0005】
さらに、本発明の他の目的は、上述した優れた特性を有する2端子型非線形素子の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る2端子型非線形素子(以下、「MIM型非線形素子」という)は、
基板上に積層された、第1の導電膜、絶縁膜および第2の導電膜を含むMIM型非線形素子において、前記絶縁膜に水が含まれ、かつ、前記水の含有量が前記第2の導電膜側から膜の深さ方向に減少することを特徴とする。
【0007】
なお、本発明に係るMIM型非線形素子は、第2の導電膜が金属に限定されず、ITO(Indium Tin Oxide)などの導電膜を含む。
【0008】
本発明に係るMIM型非線形素子においては、その絶縁膜中に水が含まれることにより、特に該絶縁膜の第2の導電膜の表面側に水が高い濃度で含まれることにより、電圧−電流特性の急峻性を表す非線形係数(β値)が著しく改善される。
【0009】
本発明において、前記絶縁膜に含まれる水のプロファイルをより具体的に述べると、セシウム1次イオンの照射による2次イオン質量分析法(SIMS)で得られる元素分析において、絶縁膜中の水に由来する水素のスペクトルは、前記絶縁膜の前記第2の導電膜側の表面近傍に、より好ましくは表面から30nmの範囲に、少なくともひとつのピークが存在することが好ましい。さらに、SIMSで得られる元素分析において、前記水に由来する水素のスペクトルの強度は、前記絶縁膜において1桁以上変化することが望ましい。また、前記絶縁膜は、熱脱離スペクトルにおいて、該絶縁膜中の水に由来するピークが220℃±5℃の範囲にあることが好ましい。
【0010】
前記第1の導電膜は、タンタルあるいはタンタル合金であることが好ましい。また、前記絶縁膜は、前記第1の導電膜の陽極酸化膜であることが好ましい。
【0011】
本発明に係るMIM型非線形素子の製造方法は、
(a)基板上に第1の導電膜を形成する工程、
(b)前記第1の導電膜上に絶縁膜を形成する工程、
(c)前記第1の導電膜および前記絶縁膜が形成された前記基板を、水蒸気を含む雰囲気中で第1の熱処理をすることによって、少なくとも前記絶縁膜中に水を含ませる工程、および
(d)前記絶縁膜上に第2の導電膜を形成する工程を含み、
前記第1の熱処理より後の工程は、前記絶縁膜中の水の脱離を抑制する条件下で行われることを特徴とする。
【0012】
この製造方法によれば、前述した本発明に係るMIM型非線形素子を、簡易な熱処理工程を施すことにより得ることができる。そして、この製造方法においては、前記絶縁膜中に水を含ませるための第1の熱処理を行った後の工程、例えば、その後に行われる第2の導電膜の形成工程、画素電極の形成工程、第2の導電膜や画素電極を加工するときに用いるレジストの熱処理工程、レジストの塗布前の熱処理工程、あるいは画素電極の焼成工程などの工程は、前記絶縁膜中の水の脱離をできるだけ少なくするために、200℃より低い温度で行われることが好ましい。これらの工程において、200℃以上で行われる工程がある場合には、前記基板の温度をできるだけ均一にすることにより、前記絶縁膜中の水の脱離ができるだけムラのない状態で行われることが望ましい。ここで「基板の温度をできるだけ均一にする」とは、たとえば、基板内の各点の温度を、好ましくは±10℃以内、より好ましくは±5℃以内にすることである。
【0013】
前記第1の熱処理においては、水蒸気の濃度は処理ガス全体に対し、好ましくは0.001モル%以上、より好ましくは0.014〜2モル%である。そして、この第1の熱処理は(アニール処理A)は、前記第1の導電膜および前記絶縁膜が形成された前記基板を不活性ガス中で熱処理する第2の熱処理(アニール処理B)の後に、連続的にかつ降温工程として行われることが望ましい。
【0014】
このように作製されたMIM型非線形素子は、前記絶縁膜が、伝導体のエネルギー準位が異なる絶縁体が接合された構成を有する。その結果、MIM型非線形素子に低電圧を印加したときの抵抗値が大きくなり、β値も大きくなる。以下に、この点をさらに詳細に説明する。
【0015】
前記アニール処理Aを含む工程で作製されたMIM型非線形素子では、前記絶縁膜は、水が含まれる表面側(第2の導電膜側)の第1の層と、水がほとんど含まれない第1の導電膜側の第2の層とに分かれる構造を有する。このことは、絶縁膜内で、伝導体のエネルギー準位が異なることを意味する。つまり、水が含まれる第1の層は、その伝導体のエネルギー準位が水を含まない第2の層のそれより低い。したがって、MIM型非線形素子に低電圧(たとえば5V以下)が印加されるときには、絶縁膜内の伝導体のエネルギー差を解消するために、素子の抵抗が大きくなる。一方、MIM型非線形素子に高電圧(たとえば10V以上)が印加されるときには、絶縁膜内のエネルギー差は電気伝導にほとんど関与しないため、素子の抵抗はあまり変化しない。そのため、MIM型非線形素子の電圧−電流特性の急峻性が大きくなる。このとき、素子の抵抗値Rは、以下の式によって表すことができる。
【0016】
R=1/αexp(βVi1/2−Eg/κT)+Vs/λexp(qVs/κT)
ここで、α;室温においてMIM型非線形素子に電圧が印加されないときの導電率
β;電圧−電流特性の急峻性
Vi;絶縁膜に印加される電圧
Eg;活性化エネルギー
κ;ボルツマン定数
T;絶対温度
Vs;絶縁膜の第1の層と第2の層との界面に印加される電圧
λ;定数
q;電子の電荷
上記式で、第1項は絶縁膜の伝導に関するプールフレンケル伝導に関する項であり、第2項は絶縁膜における伝導体のエネルギー準位の差に関する項である。つまり、第2項は、絶縁膜を定性的にみると、第1の層をn型半導体、第2の層をp型半導体としたときの、pn接合の順方向伝導に起因する項である。
【0017】
さらに、本発明の液晶表示パネルは、上述したMIM型非線形素子を備えたことを特徴とし、より具体的には、透明な基板、この基板上に所定のパターンで配設された一方の信号線、この信号線に接続された複数の本発明のMIM型非線形素子、およびこのMIM型非線形素子に接続された画素電極を備えた第1の基板と、前記画素電極に対向する位置に他方の信号線を備えた第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に封入された液晶層と、を含むことを特徴とする。
【0018】
この液晶表示パネルによれば、コントラストが高く、焼付きなどが発生しにくく、したがって高品質の画像表示が可能であり、幅広い用途に適用することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0020】
(MIM型非線形素子および液晶表示パネル)
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるMIM型非線形素子を用いた液晶駆動電極の1単位を模式的に示す平面図であり、図2は、図1におけるA−A線に沿った部分を模式的に示す断面図である。
【0021】
MIM型非線形素子20は、絶縁性ならびに透明性を有する基板、たとえばガラス,プラスチックなどからなる基板(第1の基板)30と、この基板30の表面に形成された絶縁膜31と、タンタルあるいはタンタル合金からなる第1の導電膜22と、この第1の導電膜22の表面に陽極酸化によって形成された絶縁膜24と、この絶縁膜24の表面に形成された第2の導電膜26とから構成されている。そして、前記MIM型非線形素子20の第1の導電膜22は信号線(走査線またはデータ線)12に接続され、第2の導電膜26は画素電極34に接続されている。
【0022】
前記絶縁膜31は、たとえば酸化タンタルから構成されている。前記絶縁膜31は、第2の導電膜26の堆積後に行われる熱処理よって第1の導電膜22の剥離が生じないこと、および基板30からの第1の導電膜22への不純物の拡散を防止することを目的として形成されているので、これらのことが問題にならない場合は必ずしも必要でない。
【0023】
前記第1の導電膜22は、タンタル単体、あるいはタンタルを主成分とし、これに周期律表で6,7および8族に属する元素を含ませた合金膜としてもよい。合金に添加される元素しては、たとえばタングステン,クロム,モリブデン,レニウム,イットリウム,ランタン,ディスプロリウムなどを好ましく例示することができる。特に、前記元素としてはタングステンが好ましく、その含有割合はたとえば0.1〜6原子%であることが好ましい。
【0024】
前記絶縁膜24は、後に詳述するように、化成液中で陽極酸化することによって形成されることが望ましい。
【0025】
そして、本発明において特徴的なことは、前記絶縁膜24に水が含まれ、かつ、前記水は前記第2の導電膜26側の表面から膜の深さ方向に減少する状態で含まれ、つまり絶縁膜24の表面側に高い濃度で含まれている。より具体的には、セシウム1次イオンの照射による2次イオン質量分析法(SIMS)で得られる元素分析において、前記絶縁膜24に含まれる水に由来する水素のスペクトルは、前記絶縁膜の前記第2の導電膜26側の表面近傍にピークを有する。このピークは、例えば、前記絶縁膜24の前記第2の導電膜26側の表面から30nmの範囲に存在することが望ましい。このように、絶縁膜24の表面側に水が含まれることにより、電圧−電流特性の急峻性を表す非線形係数を格段に向上させることができる。
【0026】
また、前記絶縁膜24は、熱脱離スペクトルにおいて、この絶縁膜24中に含まれる水に由来するピークが220℃±5℃の範囲にあることが望ましい。熱脱離スペクトルの測定方法ついては、後に詳述する。
【0027】
前記第2の導電膜26は特に限定されないが、通常クロムによって構成される。また、前記画素電極34は、ITO膜等の透明導電膜から構成される。
【0028】
また、図3に示すように、第2の導電膜および画素電極は、同一の透明導電膜36によって構成されてもよい。このように第2の導電膜および画素電極を単一の膜で形成することにより、膜形成に要する製造工程を少なくすることができる。
【0029】
次に、前記MIM型非線形素子20を用いた液晶表示パネルの一例について説明する。
【0030】
図4は、前記MIM型非線形素子20を用いたアクティブマトリクス方式の液晶表示パネルの等価回路の一例を示す。この液晶表示パネル10は、走査信号駆動回路100およびデータ信号駆動回路110を含む。液晶表示パネル10には、信号線、すなわち複数の走査線12および複数のデータ線14が設けられ、前記走査線12は前記走査信号駆動回路100により、前記データ線14は前記データ信号駆動回路110により駆動される。そして、各画素領域16において、走査線12とデータ線14との間にMIM型非線形素子20と液晶表示要素(液晶層)41とが直列に接続されている。なお、図4では、MIM型非線形素子20が走査線12側に接続され、液晶表示要素41がデータ線14側に接続されているが、これとは逆にMIM型非線形素子20をデータ線14側に、液晶表示要素41を走査線12側に設ける構成としてもよい。
【0031】
図5は、本実施の形態に係る液晶表示パネルの構造の一例を模式的に示す斜視図である。この液晶表示パネル10は、2枚の基板、すなわち第1の基板30と第2の基板32とが対向して設けられ、これらの基板30,32間に液晶が封入されている。前記第1の基板30上には、前述したように、絶縁膜31が形成されている。この絶縁膜31の表面には、信号線(走査線)12が複数設けられている。そして、第2の基板32には、前記走査線12に交差するようにデータ線14が短冊状に複数形成されている。さらに、画素電極34はMIM型非線形素子20を介して走査線12に接続されている。
【0032】
そして、走査線12とデータ線14とに印加された信号に基づいて、液晶表示要素41を表示状態,非表示状態またはその中間状態に切り替えて表示動作を制御する。表示動作の制御方法については、一般的に用いられる方法を適用できる。
【0033】
図6および図7は、MIM型非線形素子の第2の実施の形態を示す。図6は、本実施の形態のMIM型非線形素子を用いた液晶駆動電極の1単位を模式的に示す平面図であり、図7は、図6におけるB−B線に沿った部分を模式的に示す断面図である。
【0034】
このMIM型非線形素子40は、バック・ツー・バック(back−to−back)構造を有する点で前述したMIM型非線形素子20と異なる。つまり、MIM型非線形素子40は、第1のMIM型非線形素子40aと第2のMIM型非線形素子40bとを、極性を反対にして直列に接続した構造を有する。
【0035】
具体的には、絶縁性ならびに透明性を有する基板、たとえばガラス,プラスチックなどからなる基板(第1の基板)30と、この基板30の表面に形成された絶縁膜31と、タンタルあるいはタンタル合金からなる第1の導電膜42と、この第1の導電膜42の表面に陽極酸化によって形成された絶縁膜44と、この絶縁膜44の表面に形成され、相互に離間した2つの第2の導電膜46a,46bとから構成されている。そして、前記第1のMIM型非線形素子40aの第2の導電膜46aは信号線(走査線またはデータ線)48に接続され、前記第2のMIM型非線形素子40bの第2の導電膜46bは画素電極45に接続されている。なお、前記絶縁膜44は、図1および図2に示したクロス型のMIM型非線形素子20の絶縁膜24に比べて膜厚が小さく設定され、たとえば約半分程度に形成されている。
【0036】
また、第1の導電膜42、絶縁膜44および第2の導電膜46a,46bなどの各構成要素のその他の特性、構成などは、前記MIM型非線形素子20の場合と同様であるので、記載を省略する。
【0037】
このようなバック・ツー・バック構造のMIM型非線形素子は、電圧−電流特性の対称性が、前述した図1および図2に示すクロス型のMIM型非線形素子に比べて優れている。電圧−電流特性の対称性がよいとは、ある電圧において、データ線から画素電極に電流を流すときと、画素電極からデータ線に電流を流すときとの電流の絶対値の差が十分に小さいことである。
【0038】
(MIM型非線形素子の製造プロセス)
次に、たとえば図1および図2に示すMIM型非線形素子20の製造方法について説明する。
【0039】
MIM型非線形素子20は、たとえば以下のプロセスによって製造される。
【0040】
(a)まず、基板30上に酸化タンタルからなる絶縁膜31が形成される。絶縁膜31は、例えばスパッタリング法で堆積したタンタル膜を熱酸化する方法、あるいは酸化タンタルからなるターゲットを用いたスパッタリングやコスパッタリング法により形成することができる。この絶縁膜31は、第1の導電膜22の密着性を向上させ、さらに基板30からの不純物の拡散を防止するために設けられるものであるので、たとえば50〜200nm程度の膜厚で形成される。
【0041】
次いで、絶縁膜31上に、タンタルあるいはタンタル合金からなる第1の導電膜22が形成される。第1の導電膜の膜厚は、MIM型非線形素子の用途によって好適な値が選択され、通常100〜500nm程度とされる。第1の導電膜はスパッタリング法や電子ビーム蒸着法で形成することができる。タンタル合金からなる第1の導電膜を形成する方法としては、混合ターゲットを用いたスパッタリング法、コスパッタリング法あるいは電子ビーム蒸着法などを用いることができる。タンタル合金に含まれる元素としては、周期律表で6,7および8族の元素、好ましくはタングステン、クロム、モリブデン、レニウムなどの前述した元素を選択することができる。
【0042】
前記第1の導電膜22は、一般に用いられているフォトリソグラフィおよびエッチング技術によってパターニングされる。そして、第1の導電膜22の形成工程と同じ工程で信号線(走査線またはデータ線)12が形成される。
【0043】
(b)次いで、たとえば陽極酸化法を用いて前記第1の導電膜22の表面を酸化させて、絶縁膜24を形成する。このとき、信号線12の表面も同時に酸化され絶縁膜が形成される。前記絶縁膜24は、その用途によって好ましい膜厚が選択され、たとえば20〜70nm程度とされる。陽極酸化に用いられる化成液は、特に限定されないが、たとえば0.01〜0.1重量%のクエン酸水溶液を用いることができる。
【0044】
絶縁膜24は、陽極酸化法の他に、CVD法、スパッタリング法、ゾルゲル法、熱酸化法などによっても形成することができる。
【0045】
(c)次いで、絶縁膜24に水を導入するための熱処理を含むアニール工程について述べる。図8に、アニール工程の処理時間と温度との関係の一例を示す。この例のアニール工程は、主として一定の温度(T2)を保って行われるアニール処理Bと、降温工程からなるアニール処理Aとからなる。
【0046】
アニール処理Bにおいては、時間t1〜t2の昇温工程と、時間t2〜t3の定温工程とからなる。アニール処理Bは、不活性ガス、たとえばアルゴンなどの希ガスあるいは窒素ガスの雰囲気中において、温度T2が300℃以上、好ましくは300〜400℃の条件下で行われる。定温熱処理に要する時間(t2〜t3)は、第1の導電膜の膜厚、アニール炉の熱容量、ウエハーの処理枚数、ウエハーの基板ガラスの厚さ、設定温度などによって左右されるが、たとえば10〜120分程度である。
【0047】
アニール処理Aにおいては、水蒸気を含む雰囲気中において、温度T2から温度T1まで低下するように行われる。温度T1は、水蒸気が絶縁膜24に十分に取り込まれるために、好ましくは220℃以下、より好ましくは200℃以下に設定される。アニール処理Aの処理時間(t3〜t4)は、好ましくは、10秒以上、より好ましくは2分以上、さらに好ましくは5〜300分である。
【0048】
また、アニール処理Aの降温工程における降温速度は、0.1℃/分ないし60℃/分であることが好ましく、より好ましくは0.5℃/分ないし40℃/分であり、さらに好ましくは0.5℃/分ないし10℃/分である。なお、降温時には、降温の途中で温度を一定に保ってもよく、途中で若干温度を上げてもよく、上記降温速度はこのような場合も含めた平均的な降温速度である。
【0049】
アニール処理Aにおいて用いられる、水蒸気を含むガスとしては、空気、あるいはアルゴンなどの希ガスや窒素ガスなどの不活性ガスの少なくとも一種を用いることが好ましい。また、水蒸気の濃度は、水蒸気を含むガス全体に対して、好ましくは0.001モル%以上、より好ましくは0.014〜2モル%である。
【0050】
このようなアニール処理Aを含む熱処理を行うことにより、前記絶縁膜24の少なくとも表面近傍に水を取り込むことができる。
【0051】
また、アニール処理Aにおいて、酸化膜(絶縁膜)中に取り込まれる水分量を基板内で均一にするために、水蒸気を含むガスをある一定の方向に流すようにして、アニール炉内の温度分布を小さくすることが効果的である。
【0052】
(d)次いで、クロム,アルミニウム,チタン,モリブデンなどの金属膜を例えばスパッタリング法によって堆積させることにより、第2の導電膜26が形成される。第2の導電膜は、たとえば膜厚50〜300nmで形成され、その後通常使用されているフォトリソグラフィおよびエッチング技術を用いてパターニングされる。次いで、ITO膜をスパッタリング法などによって膜厚30〜200nmで堆積させ、通常用いられるフォトリソグラフィおよびエッチング技術を用いて所定のパターンの画素電極34が形成される。
【0053】
これらの工程、すなわち、第2の導電膜26および画素電極34を構成するITO膜のスパッタリング工程では、前記工程(c)で絶縁膜24に導入された水の脱離を防ぐために、200℃より低い温度で成膜が行われることが望ましい。あるいは、200℃以上でこのような成膜が行われる場合には、絶縁膜24中の水が同一深さの領域でできるだけ等しい濃度となるように、基板温度を均一にすることが望ましい。基板温度を均一にするためには、たとえば、基板に均一に輻射熱がかかるように、基板より大きなヒータを用いる。
【0054】
なお、図3に示すMIM型非線形素子20においては、第2の導電膜と画素電極とが同一のITO膜等の透明導電膜36によって形成される。この場合、第2の導電膜と画素電極とを同一工程において形成できるため、製造プロセスをより簡略化することができる。図6および図7に示すMIM型非線形素子の製造プロセスも、パターニングなどの形状が異なるものの基本的には図1および図2に示すMIM型非線形素子と同じである。
【0055】
【実施例】
以下に、本発明の具体的な実施例および比較例を挙げて、さらに詳細に説明する。
【0056】
(実施例1)
この実施例では、図1および図2に示したクロス構造のMIM型非線形素子を用いた。具体的には、ガラス基板上にスパッタリング法で膜厚150nmのタンタル膜(0.2原子%のタングステンを含む)を堆積し、さらにパターニングを行って第1の導電膜を形成した。次いで、0.05重量%のクエン酸水溶液を化成液として用い、電流密度0.04mA/cm2で電圧30Vに至るまで定電流電解を行い、前記タンタル膜の陽極酸化を行った。その結果、厚さ約55nmの酸化タンタル膜(絶縁膜)が形成された。
【0057】
さらに、窒素雰囲気下において、320℃で30分間にわたって熱処理(図8に示すアニール処理B)を実施した。その後、雰囲気を窒素から窒素および空気の混合ガス(窒素:空気=98.8:1.2(体積比))に水蒸気が0.014モル%含まれた雰囲気中で、1.0℃/分の降温速度で200℃になるまで120分間にわたって冷却し、熱処理(図8に示すアニール処理A)を行った。
【0058】
その後、絶縁膜上にスパッタリング法によりクロムを膜厚100nmで堆積させ、さらにパターニングを行って第2の導電膜を形成し、MIM型非線形素子を作製した。なお、アニール処理Aの条件を表1に示す。表1において、アニール条件の温度は、アニール処理Aの初期温度、すなわちアニール処理Bの定温工程の温度(図8におけるT2)を示す。
【0059】
(実施例2、比較例1,2)
実施例1における熱処理(アニール条件)を表1に示す条件で行った他は、実施例1と同様にしてMIM型非線形素子を作製した。すなわち、実施例2においては、アニールの雰囲気を空気とし、水蒸気の量を1.2モル%とした。比較例1においては、アニール処理を行わなかった。比較例2においては、窒素および空気の混合ガス(窒素:空気=80:20(体積比))とし、かつ水蒸気を含まない雰囲気を用いた。
【0060】
次に、実施例1,2および比較例1,2のMIM型非線形素子に関して行った実験例について述べる。実験結果を表1に示す。
【0061】
(a)熱脱離スペクトル
実施例1;
絶縁膜について行った熱脱離スペクトル(TDS)法による測定について述べる。この測定は、図9に示す熱脱離スペクトル測定装置500を使用して行った。
【0062】
この熱脱離スペクトル測定装置500は、真空チャンバー510内に四重極質量分析計502と赤外線ヒータ504とを備えており、サンプル520の裏側から赤外線ヒータ504でサンプル520を加熱していき、サンプル520から出てくるガスを四重極質量分析計502で計測して熱脱離スペクトルを得るものである。サンプル520の温度制御は、制御性の問題からサンプル520の裏面側の熱電対TC1を使用して行った。また、サンプル520の表面温度を測定するために、サンプル520の表面側にも熱電対TC2を設けた。サンプル520に使用した石英基板522は熱伝導が悪くしかもその厚さも1.1mmと厚いために、熱電対TC1とTC2との温度には差が生じた。しかし、実際のMIM型非線形素子作成プロセスでの温度は、熱電対TC2での温度とほぼ同じになる。TDSの測定には、基板として石英ガラスを用いている。これは、1000℃の高温まで測定を行うために、基板の耐熱温度を高くしたことによる。なお、基板を通常の無アルカリガラスに変えてもMIM型非線形素子の電圧−電流特性は同じであることを確認している。
【0063】
測定に使用したサンプル520は、図10に示すように、まず、厚さ1.1mmの石英基板522上にスパッタリング法により厚さ300nmのタンタル膜(0.2原子%のタングステンを含む)524を形成し、さらに、前述した条件で陽極酸化を行い、膜厚約250nmの絶縁膜526を形成した。さらに、前述した条件でアニール処理Bおよびアニール処理Aを行い、絶縁膜526に水を取り込む工程を行った。このようにして得られた積層体を熱処理炉から取り出して熱脱離スペクトル測定用のサンプル520とした。
【0064】
このサンプル520を用いて熱脱離スペクトルを測定した。その結果を図11に示す。図11において、横軸は温度であって制御用の熱電対TC1の温度を示し、縦軸は水に相当する質量18(H2O)におけるガスの計測値の強度を示す。図11に示すスペクトルにおいては、ピークP1およびP2が得られている。上述のように熱電対TC1とTC2の温度には差があるので、サンプル520の表面温度を求めると、ピークP1の熱電対TC2による温度は約100℃であり、およびピークP2の熱電対TC2による温度は約220℃であった。
【0065】
また、比較のために、アニール処理を行わなかった比較例1に相当するサンプルを作成し、その熱脱離スペクトルを測定した、その結果を図13に示す。図13のスペクトルにおいては、ピークP2が観察されなかった。図11および図13から、ピークP1は、サンプルの表面に物理吸着した水分に由来するものであると考えられる。
【0066】
次に、ピークP2の由来を特定するために、次のような実験を行った。すなわち、実施例1において行われるアニール処理Aの処理ガスにおいて、水の代わりに重水(D2O)を用いた雰囲気中でアニール処理Aを行った他は実施例1の場合と同様にしてサンプルを作成した。このサンプルをTDS法で重水のピークに相当する質量数20のスペクトルを測定すると、図12に示すスペクトルが観察された。図12のスペクトルのピークは、図11に示すピークP2と同じ温度領域に観察された。以上のことから、図11および図12のピークP2(TC2:220℃)は、水蒸気を含む雰囲気中におけるアニール処理Aによって絶縁膜に導入された水に由来することがわかる。また、図12より、ピークP2の熱電対TC2による下限温度は約200℃であることがわかる。
【0067】
さらに、図11のピークP2(斜線で表す部分)の領域における積分強度で水の分子数をもとめたところ、5.75×1014個/cm2であった。
【0068】
なお、絶縁膜の膜厚をかえた他は同様の方法で作成されたMIM型非線形素子について熱脱理スペクトルを測定しても、ピークP2の積分強度は同じであることを確認している。また、重水を含む雰囲気でアニール処理Aを行ったMIM型非線形素子と、水蒸気を含む雰囲気でアニール処理Aを行ったMIM型非線形素子とでは、それらの電圧−電流特性が同じになることを確認している。
【0069】
実施例2,比較例2;
実施例1と同様にして、実施例2および比較例2について同様の熱脱離スペクトルを求めた結果、実施例2においては、実施例1と同様にピークP2が現れ、水の分子数は1.4×1015個/cm2であった。比較例2においては、アニール処理Aにおいて水蒸気を含まないため、ピークP2が観察されなかった。
【0070】
(b)SIMS
実施例1;
絶縁膜および第1の導電膜に含まれる各種原子のプロファイルを求めるために行った、セシウムイオンエッチングによるSIMSの結果を図14に示す。図14において、横軸は、第1の導電膜および絶縁膜における絶縁膜表面からの深さを示し、縦軸は、2次イオンのカウント数を対数で示す。なお、図14において、符号aで示すラインは、水素のスペクトルのピークを通るラインであって、便宜的に、第1の導電膜と絶縁膜との境界を示している。なお、SIMSの測定で、絶縁膜中の重水素の挙動を確認しやすくするために、絶縁膜の膜厚は250nmとした。
【0071】
この測定において用いられるサンプルは、図12に示すTDSスペクトルを求めるためのサンプルと同様の構成を有するサンプルを用いている。つまり、アニール処理Aで用いられる雰囲気中の水蒸気の代わりに重水の蒸気を用いて熱処理を行ったものである。このようなサンプルを用いることにより、図14に示すスペクトルにおいて、水素(H)に由来するスペクトルと、重水(D2O)に由来する重水素(D)を区別して求めることができる。
【0072】
図14から、絶縁膜(TaOX膜)に重水(D2O)に由来する重水素Dが含まれ、かつ、そのスペクトルは絶縁膜の表面近傍(第2の導電膜側)にピークを有し、絶縁膜の深さ方向に徐々に2次イオンカウント数が減少していることがわかる。
【0073】
熱脱離(TDS)スペクトルおよびSIMSの結果より、以下のことがいえる。まず、TDSの結果より、ピークP2の積分強度の膜厚依存性がなかったことから、アニール処理Aによって、絶縁膜の一部に水が局在して取り込まれることがわかる。さらに、図14に示すSIMSのスペクトルにおいて、重水素のピーク位置は、絶縁膜の膜厚やアニール条件によらず、第の導電膜側の表面から30nm以内にあることが確認されている。たとえば、絶縁膜の膜厚が20〜70nmで、アニール処理Bの温度が300〜410℃では、前記ピーク位置は第2の導電膜側の表面から10〜20nmの深さにあった。このように、TDSおよびSIMSのデータより、アニール処理Aで絶縁膜内に水が取り込まれ、かつその水が絶縁膜の第2の導電膜側に局在していることがわかる。したがって、絶縁膜の膜厚が、水に由来する水素スペクトルのピーク位置より十分に厚い場合、たとえば絶縁膜の膜厚が20nmより大きければ、絶縁膜内に、水を含んだ領域(第1の層)と、水を含まない領域(第2の層)とができ、異なった性質の絶縁層が接合した状態となる。ここで、水を含まない領域とは、SIMSで、水に由来する水素スペクトルが、そのピーク値に対し2次イオンカウント数で1桁以上小さい領域として、定義することができる。
【0074】
(c)非線形係数(β値)
実施例1,2および比較例1,2のMIM型非線形素子の電圧−電流特性を求め、急峻性を表す非線形係数(β値)を算出した。その結果を、表1に示す。
【0075】
表1から、絶縁膜中に含まれる水分子数が多くなると、β値が大きくなることがわかる。これは、絶縁膜中の水の量が多くなると、絶縁膜中の水が含まれる第1の層と、水が含まれない第2の層とで、伝導体でのエネルギー差が大きくなり、MIM型非線形素子に低電圧を印加したときの抵抗値が大きくなり、結果的にβ値が大きくなったものと考えられる。
【0076】
(d)抵抗値特性
実施例1,2および比較例1,2のMIM型非線形素子の抵抗値特性を見るために、素子に10Vの電圧を印加したときの抵抗値を求めた。その結果を表1に示す。表1においては、「R10V」で示す。この抵抗値特性「R10V」は、特に液晶をオンするときの抵抗値に関連し、素子抵抗を小さくするためには、例えば「R10V」は好ましくは2×1010Ω以下、より好ましくは1×1010Ω以下である。
【0077】
表1から、本発明の実施例によれば、本発明のアニール処理Aを行い、絶縁膜に水を導入することにより、β値が著しく改善されていることがわかる。また、抵抗値特性も実用上問題ない良好な範囲であることがわかる。
【0078】
【表1】
Figure 0003882863
(実施例3)
この実施例では、図6および図7に示したバック・ツー・バック構造のMIM型非線形素子を用いた。具体的には、ガラス基板上にスパッタリング法で膜厚150nmのタンタル膜(0.2原子%のタングステンを含む)を堆積し、さらにパターニングを行って第1の導電膜を形成した。次いで、0.05重量%のクエン酸水溶液を化成液として用い、電流密度0.04mA/cm2で電圧15Vに至るまで定電流電解を行い、前記タンタル膜の陽極酸化を行った。その結果、厚さ約30nmの酸化タンタル膜(絶縁膜)が形成された。
【0079】
さらに、窒素雰囲気下において、320℃で30分間にわたって熱処理(図8に示すアニール処理B)を実施した。その後、表2に示す条件で熱処理(図8に示すアニール処理A)を行った。具体的には、空気中(水蒸気量;1.2モル%)において降温速度1℃/分で120分間にわたって冷却を行い、基板温度を200℃程度まで低下させた。次いで、絶縁膜上にスパッタリング法によりクロムを膜厚100nmで堆積させ、さらにパターニングを行って第2の導電膜を形成し、実施例3にかかるMIM型非線形素子を作成した。
【0080】
(実施例4〜7,比較例3)
アニール条件を表2のように変えた他は、実施例3と同様にしてMIM型非線形素子を作成した。
【0081】
次に、実施例および比較例について行った実験例について述べる。実験結果を表2に示す。
【0082】
実施例4,実施例7および比較例3については、前述した熱脱離スペクトルを求めた。その結果をそれぞれ図15,図16および図17に示す。図15および図16には、ピークP1およびピークP2が現れた。また、図17に示す比較例3のスペクトルには、ピークP1のみが現れ、アニール処理を行わなければ絶縁膜中に水が含まれないことがわかる。
【0083】
さらに、実施例4,実施例7および比較例3についてSIMSの測定を行った。その結果をそれぞれ図18,図19および図20に示す。アニール処理Aを行った実施例4および7においては、水素のスペクトルにおいて、絶縁膜の表面近傍にピークを有することがわかる。この水素のスペクトルは、水素原子に由来するものと、水の水素に由来するものとが合わされた状態で現れるため、厳密に絶縁膜中の水に由来する水素を表すものとは言えないが、図20に示す絶縁膜に水を含まない比較例3の水素のスペクトルと比較することにより、絶縁膜の表面近傍(第2の導電膜側)のピークが絶縁膜中の水に由来するものであることが間接的にわかる。なお、図15〜図20に示す測定では、熱脱離スペクトルおよびSIMSの測定結果をわかりやすくするために、サンプルの絶縁膜の膜厚を85nmとした。
【0084】
さらに、実施例3〜実施例7および比較例3について、β値および抵抗値特性(R10V)を求め、その結果を表2に示した。表2から、本発明の実施例は、アニール処理を行わない比較例3に比べてβ値が格段に大きくなり、かつ抵抗値特性も十分に優れていることがわかる。
【0085】
【表2】
Figure 0003882863
さらに、実施例1のMIM型非線形素子を用いて液晶表示パネルを作製したところ、0〜80℃の温度範囲において100以上のコントラストを得ることができ、かつ表示ムラも認められなかった。
【0086】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかるMIM型非線形素子を適用した液晶表示パネルの要部を示す平面図である。
【図2】図1におけるA−A線に沿った断面図である。
【図3】本発明のMIM型非線形素子の他の構成例を示す断面図である。
【図4】本発明の液晶表示パネルの等価回路を示す図である。
【図5】本発明の液晶表示パネルを示す斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るバック・ツー・バック構造のMIM型非線形素子を適用した液晶表示パネルの要部を示す平面図である。
【図7】図6におけるB−B線に沿った断面図である。
【図8】本発明の製造方法における熱処理工程を示すための、時間と温度との関係を示す図である。
【図9】熱脱離スペクトルを求めるための装置を概略的に示す図である。
【図10】熱脱離スペクトルを求めるためのサンプルを概略的に示す図である。
【図11】本発明の実施例1に係るMIM型非線形素子の絶縁膜について求めた、水の熱脱離スペクトルを示す図である。
【図12】図11に示す熱脱離スペクトルのピークP2の由来を求めるために求めた、絶縁膜の重水の熱脱離スペクトルを示す図である。
【図13】比較例1に係るMIM型非線形素子の絶縁膜について求めた、水の熱脱離スペクトルを示す図である。
【図14】本発明の実施例1に係るMIM型非線形素子の第1の導電膜および絶縁膜について求めた、SIMSのスペクトルを示す図である。
【図15】本発明の実施例4に係るMIM型非線形素子の絶縁膜について求めた、水の脱離スペクトルを示す図である。
【図16】本発明の実施例7に係るMIM型非線形素子の絶縁膜について求めた、水の脱離スペクトルを示す図である。
【図17】比較例3に係るMIM型非線形素子の絶縁膜について求めた、水の熱脱離スペクトルを示す図である。
【図18】本発明の実施例4に係るMIM型非線形素子について求めた、SIMSのスペクトルを示す図である。
【図19】本発明の実施例7に係るMIM型非線形素子について求めた、SIMSのスペクトルを示す図である。
【図20】比較例3に係るMIM型非線形素子について求めた、SIMSのスペクトルを示す図である。
【符号の説明】
10 液晶表示パネル
12 走査線
14 データ線
16 画素領域
20,40 MIM型非線形素子
22,42 第1の導電膜
24,44 絶縁膜
26,46a,46b 第2の導電膜
30 第1の基板
32 第2の基板
34 画素電極
41 液晶表示要素
100 走査信号駆動回路
110 データ信号駆動回路

Claims (8)

  1. (a)基板上に、タンタルまたはタンタル合金からなる第1の導電膜を形成する工程、
    (b)前記第1の導電膜を陽極酸化することによって前記第1の導電膜上に絶縁膜を形成する工程、
    (c)前記第1の導電膜および前記絶縁膜が形成された前記基板を熱処理する工程であって、該熱処理は、不活性ガスの雰囲気中において300℃〜410℃で行われる第1の熱処理と、前記第1の熱処理の後、水蒸気を0.014モル%〜1.2モル%含む雰囲気中で200℃以下に低下するまで行われる第2の熱処理を含む工程、および
    (d)前記絶縁膜上に第2の導電膜を形成する工程を含むことを特徴とする2端子型非線形素子の製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記第2の熱処理は、200℃にまで低下させる降温熱処理であることを特徴とする2端子型非線形素子の製造方法。
  3. 請求項1または2において、
    前記第2の熱処理は、降温速度が0.1℃/分ないし60℃/分となるように行われることを特徴とする2端子型非線形素子の製造方法。
  4. 請求項3において、
    前記第2の熱処理は、降温速度が1℃/分となるように行われることを特徴とする2端子型非線形素子の製造方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
    前記第2の熱処理より後の工程は、200℃より低い温度で行われることを特徴とする2端子型非線形素子の製造方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれかにおいて、
    前記第2の熱処理は、空気および不活性ガスの少なくとも1種を含む雰囲気中で行われることを特徴とする2端子型非線形素子の製造方法。
  7. 請求項1ないし6のいずれかにおいて、
    前記熱処理によって、前記絶縁膜中に水を導入することを特徴とする2端子型非線形素子の製造方法。
  8. 請求項7において、
    前記絶縁膜中に導入された水は、熱脱離スペクトルにおいて、該水に由来するピークが約220℃であることを特徴とする2端子型非線形素子の製造方法。
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