JP3882759B2 - Polishing method for watch gear - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、時計用歯車を研磨加工する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
時計用歯車は、ムーブメントの小型化・薄型化を図るために極めて微細に構成されている。また、時計用歯車は、計時精度を高めるため、或いは、省エネルギー化を図るために、噛み合い効率の向上や防錆上の観点から、極めて滑らかな歯面を備えていることが要求される。このため、従来から、時計用歯車を研磨加工することが一般的に行われている。この研磨方法のうち従来から行われていた典型的な方法として、木材または特殊な紙で作られた超太径のねじまたはウォーム状の歯溝を備えた研磨材(加工回転体)にラップ剤を塗布して研磨加工を行う方法が知られている(たとえば、以下の非特許文献1参照)。
【0003】
【非特許文献1】
「世界の腕時計 60 ワールド・ムック395 通巻395号 平成14年12月20日発行」(P.119、本文3)歯ミガキ工程、及び、図15参照)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の研磨方法においては、上記研磨材を回転させながら手作業でレバーを押し下げることにより歯車に当てるといった方法で研磨を行っていた。このため、高度な職人技が必要であり、熟練者でなければ、歯形精度の維持と、歯形表面の表面粗さの低減とをバランスさせることが困難であるという問題点があった。たとえば、作業者の感を頼りに研磨度合を把握していたために、研磨時間の不足によって表面粗さの向上が不十分であったり、研磨時間の過剰により歯形精度の劣化が著しくなったりするという問題点がある。また、研磨時間をタイマーなどによって正確に設定しても、作業中において一定の研磨圧を維持することは難しく、また、作業者毎に研磨圧が異なるため、歯車の仕上げ状態に大きなばらつきが生ずるという問題点もある。
【0005】
そこで本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、歯車の研磨方法及び研磨装置において、作業の自動化及び制御を行うことにより、従来よりも歯形精度と表面粗さのバランスを向上させることができ、歯形精度及び表面粗さの向上並びにこれらの再現性の向上を図ることの可能な技術を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、時計用歯車を軸線回りに回転自在に保持し、前記時計用歯車の外周部に対して歯溝付きの木製の加工回転体を回転させながら研磨剤を介して当接させ、前記時計用歯車を回転させながら研磨を行う時計用歯車の研磨方法において、前記時計用歯車が跳ね飛ばされたり損傷しないような移動速度で前記加工回転体と前記時計用歯車を接触させるときに発生する応力を応力センサによって検出し、前記応力の値が予め定めた第1応力値に到達したときの前記時計用歯車と前記加工回転体の相対的位置関係を求めるキャリブレーション工程と、前記相対的位置関係を基準として研磨加工を開始し、研磨加工に最適な移動速度で前記加工回転体と前記時計用歯車を接触させながら前記応力の値が前記第1応力値より大きな第2応力値になるまで研磨加工を実施する研磨加工工程とを備え、研磨加工の準備作業として、前記加工回転体の外周部にドレッシング工具で切削を行って前記外周部の振れを除去した後、前記加工回転体を前記時計用歯車に当接させて前記外周部に前記歯溝を形成させる倣い加工を行うことを特徴とする。
そして、本発明では、前記加工回転体が木製であることにより、取り扱い性もよく、歯溝の転写性が良好であるとともに研磨特性も良好である。たとえば、セラミックスを用いた場合には、割れやすい上に歯溝の転写が事実上不可能である。また、プラスチックでは倣い加工や研磨時の発熱によって軟化したり変質したりしやすい。金属では歯溝の転写が不可能である。加工回転体としては、ブナ、樫、楢、栗、桜などを用いることができるが、特にブナが望ましい。また、十分に乾燥したものを用いることが望ましい。さらに、材木の軸線方向に沿って切り出した板材を用いることによって均質性を確保できる。
そして、研磨加工の準備作業において、前記加工回転体の外周部にドレッシング工具で切削を行って前記外周部の振れを除去した後、前記加工回転体を前記歯車に当接させて前記加工回転体の外周部に前記歯溝を形成する倣い加工を行うので、研磨対象である歯車の歯形に対応する歯溝を確実に形成することができる。ここで、倣い加工をキャリブレーション工程に連続して行うことによって、研磨加工前の段取りを迅速に行うことが可能になる。
【0007】
この発明によれば、キャリブレーション工程において、応力を検出して当該応力の値が第1応力値に到達したときの歯車と加工回転体の相対的位置関係を求め、研磨加工工程においては、上記の相対的位置関係を基準とした研磨条件により研磨加工を実施するようにしたことにより、歯車と加工回転体の相対的位置関係を定量的かつ客観的に把握することができるため、この相対的位置関係に基づいた研磨条件で研磨加工することにより、ばらつきの少ない安定した研磨加工を実現できる。また、上記の相対的位置関係を基準として研磨加工を施すことによって、歯車の歯形精度と表面粗さとのバランスを確保することも可能になる。特に、歯溝付きの加工回転体を木製や紙製とする場合には、研磨加工時における加工回転体の損耗が激しくなるため、上記相対的位置関係を把握することによって加工回転体外周を常に一定の損耗状況に保ちながら研磨加工を施すことが可能になる。
【0008】
ここで、相対的位置関係を基準とした研磨条件とは、研磨条件の中に相対的位置関係を基準とする所定位置に依存する条件が存在することを言い、たとえば、相対的位置関係を基準とした所定位置において研磨加工を行ったり、相対的位置関係を基準とした所定位置から所定範囲内を移動しながら研磨加工を行ったり、相対的位置関係を基準とした所定位置に到達してから所定の時間経過後に研磨加工を終了させたりすることが含まれる。また、歯車と加工回転体とを相互に接近させる方法としては、歯車を固定し、加工回転体のみを歯車に接近させる方法、加工回転体を固定し、歯車が加工回転体に接近移動していく方法、歯車と加工回転体の両者が移動しながら接近していく方法のいずれであってもよい。
【0009】
本発明において、前記研磨加工工程の研磨加工開始前に前記歯車と前記加工回転体を相互に接近させる過程において、前記相対的位置関係よりも所定距離離間した位置関係に到達した時点で前記歯車と前記加工回転体の接近速度を低下させることが好ましい。通常、研磨加工工程では、歯車と加工回転体とを接近させて相互に当接させることによって研磨を開始するが、研磨加工前において歯車と加工回転体とを相互に接近させる過程においては、研磨加工工程のサイクルタイムを短縮するために高速で接近させると歯車を跳ね飛ばしてしまったり歯車に損傷を与えてしまったりすることがあり、また、低速で接近させると上記サイクルタイムの短縮が難しくなる。したがって、当初は高速で歯車と加工回転体とを急接近させ、途中から減速して低速でゆっくりと接近させるようにすることにより、サイクルタイムの短縮と、歯車の跳ね飛ばしや損傷の防止とを両立させることができる。そして、速度を変えるタイミングの最適値は上記相対的位置関係に依存するため、この相対的位置関係を基準として、相対的位置関係よりも所定距離離間した位置関係に到達した時点を上記タイミングに設定することによって、常に確実な効果を得ることができる。ここで、上記の接近過程において上記タイミングの前後の速度が一定である必要はなく、所定の減速態様で徐々に速度を低下させていっても構わない。この場合における上記時点に対応する位置に何ら限定はなく、減速開始位置に対応するものであってもよく、減速終了位置に対応するものであってもよく、減速過程の中間位置に対応するものであってもよい。
【0010】
本発明において、前記研磨加工工程では、前記歯車と前記加工回転体とを接近させていく過程において前記応力の値が前記第1応力値よりも大きい第2応力値に到達した時点から一定時間経過後に研磨加工を終了させることが好ましい。これによって、研磨圧をほぼ一定の値にした状態で一定時間研磨を行うことができるため、研磨状態の再現性を高めることができる。
【0011】
本発明において、前記応力の値が前記第1応力値よりも大きな第2応力値に到達した時点において前記歯車と前記加工回転体との接近動作を停止して研磨加工を行うことが望ましい。これによれば、研磨圧が所定の応力値に到達した状態で歯車と加工回転体の位置関係が固定されるので、研磨圧の変化も生じにくくなり、より再現性の高い研磨加工を行うことが可能になる。
【0012】
本発明において前記研磨加工工程では、前記歯車と前記加工回転体とを接近させながら研磨加工を行い、前記応力の値が前記第1応力値よりも大きな第2応力値に到達した時点で研磨加工を終了させることが好ましい。この方法によれば、研磨加工の終了時点での研磨圧がほぼ一定になるため、研磨状態の再現性を高めることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して本発明に係る歯車の研磨方法及び研磨装置、歯車、機器並びに時計の実施形態について詳細に説明する。
【0025】
図1は、本実施形態の歯車の研磨装置の主要部分の構成を示す概略構成図であり、図2は、研磨装置の全体構成を示す概略構成図である。図2に示すように、本実施形態の研磨装置100は、研磨機構100Aと、この研磨機構100Aを制御する制御部100Bとを有する。
【0026】
図1に示すように、研磨機構100Aには、加工回転体111を備えた加工部110と、加工対象である歯車Gを保持するための保持部120とが設けられている。加工部110においては、加工回転体111を回転駆動するための電動モータ等で構成される駆動源112を有する。また、加工回転体111及び駆動源112を図示上下に移動させるための移動機構113を備えている。この移動機構113としては、例えば、図示例のように、電動モータ(ステッピングモータ)等で構成される駆動源113aと、ナット113b及びネジ軸113cを含む送りねじ機構(或いはボールネジ機構)と、被ガイド体113d及びガイド軸113eを含むガイド機構とを有する構成を採ることができる。
【0027】
保持部120には、基台101上に設置された位置決め台(XYθテーブル)121を有する。この位置決め台121上には、応力センサ(ロードセル)122が設置されている。応力センサ122には応力を受ける検出部122aが設けられている。この検出部122aには、支持台123が固定され、この支持台123上に一対の位置決め台(XYテーブル)124L,124Rが設置されている。位置決め台124L上にはL字状等の支持具127Lが固定されている。また、位置決め台124R上には取付具125を介して位置決め具(昇降軸ガイド)126が取り付けられ、この位置決め具126に支持具127Rが固定されている。
【0028】
支持具127L,127Rには、それぞれ保持部材128L,128Rが取り付けられ、これらの保持部材128L,128Rは相互に所定の間隔をもって対向配置されている。保持部材128L,128Rは支持具127L,127Rに対して回転可能かつ軸線方向に移動可能な状態で取り付けられている。保持部材128L,128Rはそれぞれ略円盤形状を有する。また、保持部材の外周部には、図7に示すように、凹溝128aが形成されている。この凹溝128aを図示例のようにV溝とすることによって、後述する歯車Gの軸部或いは歯車Gを貫通するシャフトの外周面が円筒面に形成されている場合、軸部又はシャフトの支持接触部を線接触状とすることにより、歯車Gの回転抵抗を低減することができる。
【0029】
保持部材128L,128Rの外周部には複数の凹溝128aが分散形成されている。これらの複数の凹溝128aには、異なる深さ又は幅を有する異なる寸法の凹溝が含まれる。また、外周部の内側の板面には、位置決め孔128b,128c,128d(貫通孔でも止め穴でもよい。)がそれぞれ軸線回りに複数形成されている。位置決め孔128b,128c,128dは相互に異なる半径位置に形成されていて、それぞれの軸線回りの角度位置が上記凹溝128aのいずれか一つの角度位置に対応するように構成されている。そして、一組の位置決め孔128b,128c,128dの角度位置に対応してそれぞれ同じ寸法を有する凹溝(すなわち図示例では3つの凹溝)128aが形成されている。軸線回りSに隣接する位置決め穴128b、128c、128dは相互に軸線回りSにずれた位置に形成され、これによって位置決め孔の径を大きくしても相互に干渉しないように構成されている。なお、位置決め孔の径を大きくすることによって保持部材に対する回転方向の位置決め精度を高めることができる。
【0030】
再び図1に戻って説明すると、支持具127L,127Rには、上記位置決め孔128b,128c,128dに対応する半径位置にそれぞれ貫通孔(図示せず)が設けられ、これらの複数の貫通孔のいずれか一つに位置決めピン129L,129Rが挿通され、その先端は上記位置決め孔128b,128c,128dのいずれか一つに嵌合している。このように構成されていることにより、上記の位置決めピン129L,129Rによって左右の保持部材128L,128Rの軸線回りの角度位置を支持具127L,127Rに対して固定できるように構成されている。
【0031】
研磨機構100Aには、基台101に立設された支柱102上に支持台103が固定され、この支持台103上に、送りガイド131、固定台132、位置決め台133などを介して、ドレッシング工具134が固定されている。ドレッシング工具134は、先端に形成された切り刃134aによって加工回転体111の外周部を切削加工可能に構成された、例えばバイトなどの、切削工具となっている。このドレッシング工具134を所定位置に位置決めし、加工回転体111を回転駆動した状態でドレッシング工具134を加工回転体111の外周部に当接させることによって当該外周部を切削加工することができる。
【0032】
図2に示すように、制御部100Bの外面上には、電源オン操作部(スイッチ)104A、電源オフ操作部(スイッチ)104B、応力表示部(ロードセル表示部)105、パネル操作部(タッチパネル)106、報音部(ブザー用スピーカ)107、安全装置(漏電ブレーカ)108が配置されている。制御部100Bには、図4に示すように、装置全体の制御・演算を行う制御装置100Pと、この制御装置100Pに接続された、入力部100I(電源オン操作部104A、電源オフ操作部104B、パネル操作部106)と、表示部100D(応力表示部105、報音部107)とを有する。制御装置100Pとしては、MPU(マイクロプロセッサユニット)やプログラマブルコントローラなどを用いることができる。また、制御装置100Pには、研磨機構100B内に設置された複数の位置センサ100Sが接続されている。これらの位置センサ100Sとしては、各動作部のリミットセンサ(たとえば移動機構113の上下限センサなど)、変速位置センサ(たとえば移動機構113の変速位置を決定するセンサなど)、安全装置用センサなどが挙げられる。さらに、制御装置100Pには、上記応力センサ122の出力が接続されている。この応力センサ122の出力は、制御装置100Pにて制御データとして用いられる他に、上記応力表示部105に表示される。また、応力表示部105にて適宜に設定した比較データ(応力の閾値その他の基準値)と比較されて所定の出力を得るために用いられる場合もある。
【0033】
制御部100Bには、メモリ、ハードディスク、磁気テープなどの各種ストレージなどで構成される記憶装置100Tが設けられ、制御装置100Pに接続されている。制御装置100Pは、上記入力部100Iにおける操作内容や予め組み込まれたプログラムに従って各種データを記憶装置100Tに書き込み、或いは、記憶装置100Tに記録された各種データを読み出すようになっている。
【0034】
制御装置100Pは駆動源112に接続され、駆動源112を制御・駆動して、適宜の回転速度で加工回転体111を回転でき、また、適宜のタイミングで停止できるように構成されている。また、加工回転体111の回転方向を制御できるように構成されていてもよい。さらに、制御装置100Pは駆動源113aにも接続され、駆動源113aを制御・駆動して、移動機構113により適宜の移動速度で加工回転体111を上下に移動させることができ、また、適宜の位置にて停止させることができるように構成されている。
【0035】
以上説明した研磨装置100においては、加工回転体111を木材で形成することが好ましい。また、木材としては、ブナ、樫、楢、栗、桜などが好ましいが、特にブナが望ましい。また、木材で加工回転体111を構成する場合、硬度の均一性を高め、反りなどの影響を低減するために、木材の軸線方向に沿って切り出した板材を用いることが好ましい。これは、木材の軸線と直交する方向に切り出した板材を用いた場合における、年輪による硬度のばらつきや、南側部分と北側部分とで年輪の粗密があることによる硬度のばらつきなどを回避することができ、場所による特性のばらつき幅を低減できるからである。これにより、加工回転体外周の研磨工程における摩耗を均一にすることができ、倣い加工による溝も均一に自生される。
【0036】
加工回転体111は、全体として略円盤状に構成されている。特に、図3に示すように、板面外周寄りが外縁に向かうほど肉薄になるようにテーパ状に構成されている。加工回転体111の外周部111aは基本的に小さな幅の円筒面となっている。このような外周部111aの形状は、図1に示すドレッシング工具134によって成形される。
【0037】
歯車Gは、図1に示すように、保持部材128L,128Rの上記凹溝128a(図7参照)に対してその軸部(ホゾ)或いは歯車Gに挿通したシャフトを嵌合支持させた状態で配置される。歯車Gと保持部材128L,128Rとの位置関係は、歯車Gの形状に応じて適宜に変更される。たとえば、歯車Gの軸部或いは歯車Gを貫通したシャフトの径が左右で異なる場合には左右の保持部材128L,128Rにおいて異なる寸法の凹溝128aを選定したり、或いは、位置決め部126を上下方向に移動させて支持具127Lと127Rの高さを変えたりする。凹溝128aの寸法と支持部の左右の高さはいずれか一方のみを変えてもよく、また、両者を共に変えてもよい。
【0038】
図10には、歯車G1〜G3と、保持部材128L,128Rとの保持状態のバリエーションを示す。図10(a)に示す歯車G1は携帯時計の五番カナであり、左右の保持部材128L,128Rの凹溝128aの深さを変え、或いは、支持具127L,127Rの左右の高さを変えることによって、歯車G1の軸線が水平となるように保持した状態を示す。ここで、歯車G1(五番カナ)には左右に飛び出したホゾがあるが、このホゾの最も小径の先端部分は軸支される部分であるため、当該先端部分に傷を付けないように非接触状態とし、その代わりに、歯車部分に近い、より大径の根元部分を凹溝128aで支持した状態としてある。
【0039】
図10(b)に示す歯車G2は携帯時計の三番カナであり、上記と同様に左右の支持高さを変えてある。また、この歯車G2の場合には歯車部分が軸線方向に長いため、左右の保持部材128L,128Rの間隔を大きくしてある。保持部材128L,128Rの間隔は、支持具127L,127Rに対する保持部材128L,128Rの取付位置を変更することによって容易に調整できるように構成されている。
【0040】
図10(c)に示す歯車G3は、携帯時計の二番カナであり、その中心に軸孔が形成されたものである。この場合には、歯車G3の軸孔にシャフトSTを挿通させ、このシャフトSTを左右の保持部材128L,128Rにて保持する。これによって歯車G3を支障なく回転自在な状態に保持することができる。
【0041】
図3(a)は加工回転体111と歯車Gとを示す正面図、図3(b)は加工回転体111と歯車Gとの関係を示す平面図である。加工回転体111は、歯車Gの歯車部分の軸線に対して傾斜角度θにて僅かに傾斜した板面を有する姿勢とされる。この傾斜角度θは、加工回転体111の外径(直径)をD、歯車Gの歯の標準ピッチをP、加工回転体111の1回転分で送られる歯車Gの歯数をZとすると、
πDsinθ=ZP…(1)
の関係があるので、
θ=sin−1(ZP/πD)…(2)
によって傾斜角度θを設定すればよい。この傾斜角度θの設定は、通常、位置決め台121(図1参照)のθ軸の調整によって行われる。傾斜角度θを大きくするほど、加工回転体111の1回転分で送られる歯数Zは大きくなるが、歯形精度は低下する。したがって、傾斜角度θとしては、通常、0.5〜3[deg]の範囲内で設定することが好ましい。特に、1.0〜2.0[deg]の範囲内とすることがより望ましい。
【0042】
図3(c)は、加工回転体111の外周部111a近傍の断面形状を示すものである。加工回転体111を回転駆動しながら、その外周部111aを歯車Gに対して上記式(2)を満たす傾斜角度θで接触させると、加工回転体111の外周部111aは、歯車Gを回転駆動しながら、歯車Gの歯によって削られ、歯溝111bが形成される。この歯溝111bは、加工回転体111の回転方向に対して傾斜角度θだけ傾斜した方向に伸びるように形成される。このような倣い加工を行うことによって、加工回転体111の外周部111aは、当該歯車Gの研磨加工に適した形状になる。すなわち、歯溝111bは、ねじ又はウォーム状のものである。このように一旦歯車Gによって倣い加工された加工回転体111は、同形の歯車Gに対してはそのまま用いることができる。ただし、歯形精度及び研磨効果を高めるためには、同形の歯車であっても加工される歯車G毎に上記倣い加工を行ってから研磨加工を行うようにしてもよい。
【0043】
歯溝111bは、加工回転体111の外周部111aにおいて常に2条〜3条程度形成されていることが好ましい。1条だけでは歯車Gの研磨効率が低下するとともに歯車Gの回転駆動能力も劣ることになり、また、4条以上になると歯車Gの歯形を劣化させる可能性があるからである。
【0044】
なお、図1に示すように、歯車Gの保持位置に視野が設定された撮像手段(たとえばCCDカメラ)141が設けられている。撮像手段141は好ましくはテレセントリック光学系などの拡大光学系142を介して歯車Gの保持姿勢を撮影する。そして、その撮影画像はパネル操作部106などに表示されるようになっている。したがって、作業者は、保持部120に保持された歯車Gの姿勢を拡大画像によって確認することができる。このようにすると、歯車Gが小さい場合(たとえば本実施形態の装置では直径0.5mm〜数mm、長さ1mm〜十数mm程度の小型歯車を対象としている。)には、歯車Gの保持姿勢の良否を肉眼で判定することが困難であるからである。
【0045】
次に、図5及び図6を参照して、以上説明した研磨装置100の動作及びこれを用いて研磨する方法について説明する。この研磨装置100では、最初に、研磨加工の準備工程として以下のような作業(加工回転体の準備加工、保持部の調整・設定、加工回転体の成形)を行う。まず、上記のように加工回転体111を回転させながらドレッシング工具134によって加工回転体111の切削を行う。この作業においては、加工回転体111の振れを除去するとともに、形状出しを行う。次に、歯車Gを保持部材128L,128Rにセットする。このとき、歯車Gの軸線が水平になるように、保持部材の高さや回転方向の角度位置を設定し、位置決め台121や位置決め具126の調整も行う。また、上記傾斜角度θも位置決め台121により調整・設定する。その後、加工回転体111を歯車Gに当接させ、歯車Gの歯形を外周部111aに転写するようにして倣い加工を行う。これによって上述のように加工回転体111の歯溝111bが形成される。
【0046】
次に、加工回転体111を研磨するときの研磨装置100の動作及び方法について順次に説明する。上記のように加工回転体111が既に倣い加工を受けている場合には、研磨装置100の電源オン操作部104Aを操作(押圧)して、電源を投入し、図2に示すパネル操作部106の原点復帰ボタンを押すと、図5(a)に示す移動位置設定が自動的に行われる。この移動位置設定では、最初に移動機構113によって加工回転体111が原点位置まで移動し、図示しない原点位置センサの原点信号を読み込んだときの位置座標を記憶し、その後、待機位置に移動して停止する。
【0047】
上記のように移動機構113の移動位置の設定が完了すると、次に、図5(b)に示すキャリブレーション動作を行う。このキャリブレーション工程においては、まず、加工回転体111が待機位置以外の位置にあるときには待機位置に移動させる。そして、この待機位置から高速下降移動を行う。そして、移動経路の途中位置に設定されたセンサ(上記の変速位置センサ)が移動機構113の移動部分を検出すると、下降移動の速度を低下させ、低速下降移動に移行する。そして、このようにゆっくりと下降しているときに、応力センサ122の出力が変化すると、その位置(以下、単に「接触位置」という。)からさらに下降して予め設定されたオフセット量だけ高い閾値(第1応力値)を検出したときに、その位置(以下、単に「第1応力値検出位置」という。)を記憶する。その後、待機位置まで上昇する。
【0048】
上記のキャリブレーション動作によって得られた研磨開始位置は、研磨時の基準位置として用いられる。そして、この研磨開始位置を基準として、所定距離だけ戻った、加工回転体111が歯車Gに接触しない位置(以下、単に「近接位置」という。)を設定する。また、研磨開始位置を基準として所定距離だけ下降し第2応力値を検出する位置(以下、単に「第2応力値検出位置」)を設定することもできる。なお、各種パラメータの設定操作は上記パネル操作部106にて行われる。
【0049】
上記研磨装置100では、移動機構113の位置(図示例では上下位置)に応じて移動機構113の移動速度を設定できるように構成されている。すなわち、▲1▼移動速度V1:待機位置〜近接位置
▲2▼移動速度V2:近接位置〜第1応力値検出位置
▲3▼移動速度V3:第1応力値検出位置〜第2応力値検出位置
▲4▼移動速度V4:第2応力値検出位置〜待機位置
【0050】
ここで、上記移動速度V1は高速であって、研磨領域まで短時間に到達することを目的として設定される。また、移動速度V2はV1よりも低速であって、加工回転体111が歯車Gに高速で当接したときに歯車Gが跳ね飛ばされたり、損傷を受けたりすることを防止することを目的として設定される。この移動速度V2は、応力センサの出力が第1応力値より低い値に維持されるフィードバック制御によって決定されるように構成してもよい。さらに、移動速度V3は研磨に最適な移動速度を適宜に設定入力できるように構成されている。なお、この移動速度V3についても、一定の研磨圧が得られるように速度制御の対象としても構わない。移動速度V4は、研磨終了時から待機位置まで戻るときの速度であり、通常は高速に設定される。
【0051】
上記のキャリブレーション工程は、新たな歯車Gがセットされる毎に、下記の研磨加工工程の前に行われることが好ましいが、所定数(任意の自然数)の歯車Gが研磨加工される毎に行ってもよい。これは、歯車Gの研磨加工を行うことによって、加工回転体111の外周部111aが削られるため、加工回転体111の外径Dが変化し、それによって上記研磨開始位置もまた変化するからである。
【0052】
図6は、自動的に行われる研磨加工動作(自動運転)の手順を示すものである。この研磨加工工程では、予め、加工回転体111の外周部111aにアルミナなどの砥粒を含む研磨材を塗布しておく。研磨材に含まれる砥粒は、研磨精度によって適宜に設定できるが、時計用の小型歯車に対しては平均粒径が1μm程度(メッシュ8000番程度)であることが好ましい。また、砥粒をオイルなどの液体媒質に分散させたスラリー液を調製し、上記研磨材として用いることが好ましい。
【0053】
この研磨加工工程では、最初に研磨加工時に用いる各種パラメータを入力部100Iにおいて設定する。この各種パラメータとしては、加工回転体111の回転方向及び回転速度、上記移動速度V1〜V4、研磨時の応力値、研磨時間などがある。次に、駆動源113aを稼動させて加工回転体111を回転させる。そして、歯車Gが保持部120にセットされると、スタートボタンを押すことにより高速下降移動が開始される。そして、上記近接位置において低速下降移動に移行し、応力センサの検出する応力値(以下、「研磨圧」とも言う。)を読み込み、指定研磨圧に達したときに加工回転体111の下降を停止させる。そして、研磨時間タイマーを稼動させ、指定研磨時間が経過すると、研磨が終了し、中速上昇移動を行って加工回転体111を歯車Gから離間させ、その後、近接位置を通過すると高速上昇移動に移行する。その後、歯車Gが保持部120から除去されると、研磨加工工程は終了する。上記工程において、研磨時間としては0.5〜3.5秒の範囲内であることが好ましい。特に、1.5〜2.5秒程度であることが望ましい。なお、研磨時の加工回転体111の回転数は300〜1000rpm程度であることが好ましい。
【0054】
なお、図6に示す研磨加工工程では、指定の研磨圧(第2応力値)が検出されると加工回転体111の下降移動を停止し、研磨を実施し、予め設定された指定の研磨時間(たとえば2秒)が経過すると研磨を終了させるようにしている。しかしながら、このような方法ではなく、予め設定された上記の研磨終了位置まで強制的に既定の移動速度V3にて移動しながら研磨を継続し、研磨終了位置に到達した時点で研磨を終了させてもよい。また、研磨開始位置から研磨終了位置までを予め設定された指定の研磨圧になるように制御された移動速度V3で移動させてもよい。
【0055】
以上のようにして研磨した歯車Gは適宜の洗浄液により洗浄され、表面に付着した砥粒などが十分に除去される。図8は、上記図6に示す方法で研磨加工を行ったときの上記指定研磨圧と、研磨後の歯車Gの歯表面の表面粗さRa[μm]及び歯表面に残存した(埋め込まれた)砥粒(メディア)の個数との関係を示すものである。これを見ると、指定研磨圧が25〜60[kPa](0.25〜0.60[kg・f])の範囲内にあるときに表面粗さRaが最も小さくなるとともに残存したメディア個数が最小となった。さらに、27〜40[kPa]の範囲内であるときに非常に高い効果が得られる。特に、表面粗さRaについては、歯切り後(研磨前)の歯車Gの歯表面の粗さがRa=0.20[μm]程度であったものが、Ra=0.01[μm]程度まで劇的に低下した。研磨前後の歯車Gの歯の拡大写真を図9に示す。これらの図に示すように、きわめて滑らかな歯表面が得られている。また、歯形精度についても全く支障がなく、歯形精度の再現性も十分に高いものであった。
【0056】
[時計用歯車及び時計]
図11は、本発明に係る機器或いは時計としての携帯時計1の内部構造を模式的に示す概略構成図、図12及び図13は携帯時計1の内部構造を示す部分断面図である。図11に示すように、携帯時計1には、発電ユニット20と、時計駆動部30とが含まれている。発電ユニット20は、発電用ロータ21、発電用ステータ22、コイル23及び磁心24を有する小型発電機を備えている。上記の発電用ロータ21には、図13に示すように、ロータカナ21aが取り付けられている。ロータカナ21aは伝え車25に噛合し、伝え車25は錘車26に噛合している。錘車26は、回転錘27に固定されている。コイル23は図示しない蓄電回路を介して2次電池や大容量キャパシタなどに接続されている。
【0057】
また、時計駆動部30には、ロータ31、ステータ32、コイル33及び磁心34を有するステッピングモータが設けられている。ここで、図12にも示すように、ロータ31にはロータカナ31aが取り付けられている。ロータカナ31aは三番車35に噛合し、三番車35は二番車36に噛合している。二番車36は日の裏車37を介して筒車38を回転駆動するようになっている。分針41は二番車36に取り付けられ、時針42は筒車38に取り付けられている。なお、上記ステッピングモータのコイル33は図示しない時計駆動回路に接続されている。この時計駆動回路は、上記2次電池又は大容量キャパシタから電力供給を受けるようになっている。
【0058】
なお、図12及び図13において、2は地板、3は輪列受けであり、これらによって上記各歯車が回転自在に軸支される。また、4は文字盤である。
【0059】
この携帯時計1の上記駆動部30においてステッピングモータのロータ31に取り付けられたロータカナ31aを上記方法で研磨し、このロータカナ31aを用いて上記輪列を構成したところ、従来品(Ra=0.2μm程度であったもの。)よりも駆動用輪列における回転駆動力の伝達効率が30%向上した。これにより、分針41、時針42の針を大きくすることができ、視認性が向上された。また、上記携帯時計1の発電ユニット20のロータ21に取り付けられたロータカナ21aについても上記方法で研磨したところ、発電効率が30%向上し、歯車の音も滑らかに聞こえるようになった。
【0060】
また、本実施形態の歯車を各種機器に用いることによって、歯車の噛合部における静電気の発生が抑制され、歯車の磨耗の低減、歯車表面の酸化や腐食の防止それに伴う美観向上、静電気のスパークに起因するIC(時計回路など)その他の回路部の不良の抑制を図ることができる。これらの効果は、特に各種機器(電子機器)の歩留まり向上、故障の低減、耐久性の向上に大きく寄与する。
【0061】
尚、本発明の歯車の研磨方法及び研磨装置、歯車、機器並びに時計は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る研磨装置の研磨機構の構成を示す概略構成図。
【図2】 研磨装置の全体構成を示す概略構成図。
【図3】 歯車と加工回転体の位置関係を示す正面図(a)、平面図(b)及び加工回転体の外周部の拡大断面図(c)。
【図4】 研磨装置の制御部の構成を示す概略構成ブロック図。
【図5】 移動位置設定の手順を示す概略フローチャート(a)及びキャリブレーションの手順を示す概略フローチャート(b)。
【図6】 研磨加工工程(自動運転)の手順を示す概略フローチャート。
【図7】 保持部材の形状を示す拡大側面図。
【図8】 研磨圧と、歯車の表面粗さ及びメディア残数との関係を示すグラフ。
【図9】 研磨前と研磨後の歯車の歯表面を示す写真(a)及び(b)。
【図10】 歯車G1〜G3の保持部材による保持状態を示す説明図(a)〜(c)。
【図11】 携帯時計の主要部の概略構成斜視図。
【図12】 携帯時計の部分断面図。
【図13】 携帯時計の異なる部分を示す部分断面図。
【符号の説明】
100…研磨装置、100A…研磨機構、100B…制御部、110…加工部、111…加工回転体、112…駆動源、113…移動機構、113a…駆動源、121…位置決め台、122…応力センサ、128L,128R…保持部材、134…ドレッシング工具、100P…制御装置、100I…入力部、100S…位置センサ、100T…記憶装置、1…携帯時計、21a,31a…ロータカナ
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a technique for polishing a timepiece gear.
[0002]
[Prior art]
The timepiece gear is extremely finely configured to reduce the size and thickness of the movement. Further, the timepiece gear is required to have an extremely smooth tooth surface from the viewpoint of improving the meshing efficiency and preventing rusting in order to increase the timing accuracy or to save energy. For this reason, conventionally, grinding of a timepiece gear is generally performed. As a typical method of polishing, a lapping agent is applied to a polishing material (processing rotating body) having an ultra-large diameter screw or worm-like tooth gap made of wood or special paper. There is known a method of applying polishing to perform polishing (for example, see Non-Patent Document 1 below).
[0003]
[Non-Patent Document 1]
“World Watch 60 World Mook 395, Volume 395, Issued on December 20, 2002” (P.119, text 3) Toothbrushing process, and see FIG. 15)
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the conventional polishing method, the polishing is performed by a method in which the abrasive is rotated and applied to the gear by manually pushing down the lever. For this reason, a high level of craftsmanship is required, and there is a problem that it is difficult to balance maintaining the tooth profile accuracy and reducing the surface roughness of the tooth profile surface unless it is an expert. For example, because the degree of polishing was grasped by relying on the operator's feeling, the improvement in surface roughness was insufficient due to lack of polishing time, or the tooth profile accuracy was significantly deteriorated due to excessive polishing time. There is a problem. Even if the polishing time is accurately set by a timer or the like, it is difficult to maintain a constant polishing pressure during the work, and the polishing pressure varies from worker to worker, resulting in large variations in the finished state of the gears. There is also a problem.
[0005]
Accordingly, the present invention solves the above-mentioned problems, and the problem is that the balance between the tooth profile accuracy and the surface roughness is improved as compared with the prior art by performing automation and control of operations in the gear polishing method and polishing apparatus. It is an object of the present invention to provide a technique capable of improving tooth profile accuracy and surface roughness and improving the reproducibility thereof.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-described problems, in the present invention, the timepiece gear is held so as to be rotatable about the axis, and the polishing agent is rotated while rotating the wooden processing rotating body with the tooth groove with respect to the outer peripheral portion of the timepiece gear. In the polishing method of the timepiece gear for polishing while rotating the timepiece gear, the processing rotating body and the timepiece are moved at a moving speed such that the timepiece gear is not splashed or damaged. Calibration that detects the stress generated when the gear is brought into contact with a stress sensor, and obtains the relative positional relationship between the timepiece gear and the processing rotor when the stress value reaches a predetermined first stress value. Polishing process with reference to the relative positional relationship, and the stress value is the first stress while contacting the processing rotary body and the timepiece gear at a moving speed optimum for the polishing process. A polishing process for performing polishing until a larger second stress value is obtained, and as a preparatory work for polishing, the outer periphery of the processing rotating body is cut with a dressing tool to remove the runout of the outer periphery. After that, the machining rotating body is contacted with the timepiece gear to perform a copying process in which the tooth groove is formed in the outer peripheral portion.
And in this invention, since the said process rotary body is wooden, handling property is good, and the transcription | transfer property of a tooth gap is good, and its grinding | polishing characteristic is also favorable. For example, when ceramics are used, it is easy to break and transfer of tooth spaces is virtually impossible. In addition, plastic is easily softened or altered by heat generated during copying or polishing. The tooth gap cannot be transferred with metal. As the processing rotating body, beech, cocoon, salmon, chestnut, cherry and the like can be used, but beech is particularly desirable. Further, it is desirable to use a sufficiently dried one. Furthermore, homogeneity can be secured by using a plate material cut out along the axial direction of the timber.
In the preparatory work for polishing, the outer periphery of the processing rotor is cut with a dressing tool to remove runout of the outer periphery, and then the processing rotor is brought into contact with the gear so that the processing rotor Since the copying process for forming the tooth groove on the outer peripheral portion of the gear is performed, the tooth groove corresponding to the tooth profile of the gear to be polished can be reliably formed. Here, by performing the copying process continuously with the calibration process, it is possible to quickly perform the setup before the polishing process.
[0007]
According to the present invention, in the calibration process, the stress is detected and the relative positional relationship between the gear and the processing rotating body when the value of the stress reaches the first stress value is obtained. By carrying out the polishing process under the polishing conditions based on the relative positional relationship of the relative position of the gear, the relative positional relationship between the gear and the processing rotating body can be grasped quantitatively and objectively. By performing polishing under the polishing conditions based on the positional relationship, stable polishing with little variation can be realized. In addition, by performing the polishing process based on the above relative positional relationship, it is possible to secure a balance between the tooth profile accuracy and the surface roughness of the gear. In particular, when the processing rotator with tooth gaps is made of wood or paper, since the wear of the processing rotator during polishing is severe, the outer periphery of the processing rotator is always maintained by grasping the relative positional relationship. It is possible to perform polishing while maintaining a constant wear state.
[0008]
Here, the polishing condition based on the relative positional relationship means that there is a condition depending on a predetermined position based on the relative positional relationship among the polishing conditions. After performing a polishing process at a predetermined position, performing a polishing process while moving within a predetermined range from a predetermined position based on a relative positional relationship, or after reaching a predetermined position based on a relative positional relationship For example, the polishing process may be terminated after a predetermined time has elapsed. In addition, as a method of bringing the gear and the machining rotator close to each other, the gear is fixed and only the machining rotator approaches the gear, the machining rotator is fixed, and the gear moves close to the machining rotator. Any method may be used, or a method in which both the gear and the processing rotating body move and approach each other.
[0009]
In the present invention, in the process of bringing the gear and the processing rotating body closer to each other before the start of polishing in the polishing step, the gear and the gear are reached when a positional relationship that is a predetermined distance away from the relative positional relationship is reached. It is preferable to reduce the approach speed of the processing rotating body. Normally, in the polishing process, polishing is started by bringing the gear and the processing rotating body close to each other and bringing them into contact with each other. However, in the process of bringing the gear and the processing rotating body close to each other before polishing, When approaching at a high speed to shorten the cycle time of the machining process, the gear may jump off or damage the gear, and when approaching at a low speed, it becomes difficult to shorten the cycle time. . Therefore, initially shortening the cycle time and preventing gear spatter and damage by making the gear and the processing rotating body suddenly approach at high speed, decelerate from the middle, and approach slowly at low speed. Both can be achieved. Since the optimum value of the timing for changing the speed depends on the relative positional relationship, the timing at which the positional relationship separated by a predetermined distance from the relative positional relationship is reached is set as the timing based on the relative positional relationship. By doing so, a reliable effect can be always obtained. Here, the speed before and after the timing does not need to be constant in the approaching process, and the speed may be gradually decreased in a predetermined deceleration mode. In this case, there is no limitation on the position corresponding to the above time point, and it may correspond to the deceleration start position, may correspond to the deceleration end position, or corresponds to the intermediate position in the deceleration process. It may be.
[0010]
In the present invention, in the polishing step, a predetermined time has elapsed from the time when the stress value has reached a second stress value larger than the first stress value in the process of bringing the gear and the processing rotor close together. It is preferable to finish the polishing process later. As a result, the polishing can be performed for a certain period of time with the polishing pressure set to a substantially constant value, so that the reproducibility of the polishing state can be improved.
[0011]
In the present invention, it is desirable to perform the polishing process by stopping the approaching operation between the gear and the processing rotating body when the stress value reaches a second stress value larger than the first stress value. According to this, since the positional relationship between the gear and the processing rotating body is fixed in a state in which the polishing pressure reaches a predetermined stress value, it is difficult for the polishing pressure to change, and polishing processing with higher reproducibility can be performed. Is possible.
[0012]
In the polishing process according to the present invention, the polishing process is performed while bringing the gear and the processing rotating body close to each other, and the polishing process is performed when the stress value reaches a second stress value larger than the first stress value. Is preferably terminated. According to this method, since the polishing pressure at the end of the polishing process becomes substantially constant, the reproducibility of the polishing state can be improved.
[0024]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, embodiments of a gear polishing method and polishing apparatus, gears, equipment, and timepiece according to the present invention will be described in detail with reference to the accompanying drawings.
[0025]
FIG. 1 is a schematic configuration diagram illustrating a configuration of a main part of a gear polishing apparatus according to the present embodiment, and FIG. 2 is a schematic configuration diagram illustrating an overall configuration of the polishing apparatus. As shown in FIG. 2, the polishing apparatus 100 of this embodiment includes a polishing mechanism 100A and a control unit 100B that controls the polishing mechanism 100A.
[0026]
As shown in FIG. 1, the polishing mechanism 100 </ b> A is provided with a processing unit 110 including a processing rotating body 111 and a holding unit 120 for holding a gear G to be processed. The processing unit 110 includes a drive source 112 configured by an electric motor or the like for rotationally driving the processing rotator 111. Moreover, the moving mechanism 113 for moving the process rotary body 111 and the drive source 112 up and down in the figure is provided. As the moving mechanism 113, for example, as shown in the figure, a drive source 113a constituted by an electric motor (stepping motor), a feed screw mechanism (or a ball screw mechanism) including a nut 113b and a screw shaft 113c, A configuration having a guide mechanism including a guide body 113d and a guide shaft 113e can be employed.
[0027]
The holding unit 120 has a positioning table (XYθ table) 121 installed on the base 101. On the positioning table 121, a stress sensor (load cell) 122 is installed. The stress sensor 122 is provided with a detector 122a that receives stress. A support base 123 is fixed to the detection unit 122a, and a pair of positioning bases (XY tables) 124L and 124R are installed on the support base 123. An L-shaped support tool 127L is fixed on the positioning table 124L. A positioning tool (elevating shaft guide) 126 is mounted on the positioning table 124R via a mounting tool 125, and a support tool 127R is fixed to the positioning tool 126.
[0028]
Holding members 128L and 128R are attached to the supports 127L and 127R, respectively, and these holding members 128L and 128R are arranged to face each other with a predetermined interval. The holding members 128L and 128R are attached to the supports 127L and 127R so as to be rotatable and movable in the axial direction. Each of the holding members 128L and 128R has a substantially disk shape. Further, as shown in FIG. 7, a concave groove 128a is formed in the outer peripheral portion of the holding member. By forming the concave groove 128a as a V-groove as shown in the figure, the shaft portion of the gear G, which will be described later, or the outer peripheral surface of the shaft passing through the gear G is formed on a cylindrical surface, the shaft portion or the shaft is supported. The rotational resistance of the gear G can be reduced by making the contact portion a line contact.
[0029]
A plurality of concave grooves 128a are formed in a distributed manner on the outer peripheral portions of the holding members 128L and 128R. The plurality of concave grooves 128a include different sized concave grooves having different depths or widths. In addition, a plurality of positioning holes 128b, 128c, and 128d (which may be through holes or stop holes) are formed around the axis on the inner plate surface of the outer peripheral portion. The positioning holes 128b, 128c, and 128d are formed at mutually different radial positions, and the angular positions around the respective axes correspond to any one angular position of the concave groove 128a. Then, concave grooves (that is, three concave grooves in the illustrated example) 128a having the same dimensions are formed corresponding to the angular positions of the pair of positioning holes 128b, 128c, and 128d. The positioning holes 128b, 128c, and 128d adjacent to the axis line S are formed at positions shifted from each other around the axis line S so that they do not interfere with each other even if the diameter of the positioning hole is increased. Note that the positioning accuracy in the rotational direction with respect to the holding member can be increased by increasing the diameter of the positioning hole.
[0030]
Referring back to FIG. 1 again, the support tools 127L and 127R are provided with through holes (not shown) at radial positions corresponding to the positioning holes 128b, 128c and 128d, respectively. The positioning pins 129L and 129R are inserted into one of them, and the tips thereof are fitted in any one of the positioning holes 128b, 128c and 128d. With such a configuration, the positioning pins 129L and 129R are configured so that the angular positions of the left and right holding members 128L and 128R around the axis can be fixed to the support tools 127L and 127R.
[0031]
In the polishing mechanism 100A, a support base 103 is fixed on a support column 102 erected on the base 101, and a dressing tool is provided on the support base 103 via a feed guide 131, a fixing base 132, a positioning base 133, and the like. 134 is fixed. The dressing tool 134 is a cutting tool such as a cutting tool configured to be capable of cutting the outer peripheral portion of the processing rotating body 111 with a cutting blade 134a formed at the tip. By positioning the dressing tool 134 at a predetermined position and bringing the dressing tool 134 into contact with the outer periphery of the processing rotator 111 in a state where the processing rotator 111 is rotationally driven, the outer periphery can be cut.
[0032]
As shown in FIG. 2, on the outer surface of the control unit 100B, a power-on operation unit (switch) 104A, a power-off operation unit (switch) 104B, a stress display unit (load cell display unit) 105, a panel operation unit (touch panel). 106, a sound report section (speaker for buzzer) 107, and a safety device (earth leakage breaker) 108 are arranged. As shown in FIG. 4, the control unit 100B includes a control device 100P that performs control and calculation of the entire device, and an input unit 100I (a power-on operation unit 104A and a power-off operation unit 104B) connected to the control device 100P. Panel operation unit 106) and display unit 100D (stress display unit 105, sound report unit 107). As the control device 100P, an MPU (microprocessor unit), a programmable controller, or the like can be used. In addition, a plurality of position sensors 100S installed in the polishing mechanism 100B are connected to the control device 100P. These position sensors 100S include limit sensors (for example, upper and lower limit sensors of the moving mechanism 113), shift position sensors (for example, sensors that determine the shift position of the moving mechanism 113), sensors for safety devices, and the like. Can be mentioned. Further, the output of the stress sensor 122 is connected to the control device 100P. The output of the stress sensor 122 is displayed on the stress display unit 105 in addition to being used as control data by the control device 100P. In some cases, the stress display unit 105 is used to obtain a predetermined output by being compared with comparison data (stress threshold or other reference value) set appropriately.
[0033]
The control unit 100B is provided with a storage device 100T including various storages such as a memory, a hard disk, and a magnetic tape, and is connected to the control device 100P. The control device 100P writes various data to the storage device 100T or reads various data recorded in the storage device 100T in accordance with the operation content in the input unit 100I and a preinstalled program.
[0034]
The control device 100P is connected to the drive source 112, and is configured to control and drive the drive source 112 so that the processing rotating body 111 can be rotated at an appropriate rotation speed and can be stopped at an appropriate timing. Moreover, you may be comprised so that the rotation direction of the process rotary body 111 can be controlled. Further, the control device 100P is also connected to the drive source 113a, and can control and drive the drive source 113a to move the processing rotating body 111 up and down at an appropriate moving speed by the moving mechanism 113. It is comprised so that it can be stopped at a position.
[0035]
In the polishing apparatus 100 described above, it is preferable that the processing rotating body 111 is made of wood. The wood is preferably beech, straw, cocoon, chestnut, cherry or the like, but beech is particularly desirable. Further, when the processing rotating body 111 is made of wood, it is preferable to use a plate material cut out along the axial direction of the wood in order to increase the uniformity of hardness and reduce the influence of warpage or the like. This is to avoid variations in hardness due to annual rings and hardness variations due to the density of annual rings between the south and north sides when using a plate cut out in a direction perpendicular to the axis of the wood. This is because the variation width of the characteristics depending on the location can be reduced. As a result, the wear in the polishing process on the outer periphery of the processing rotating body can be made uniform, and the grooves due to the profiling are also uniformly generated.
[0036]
The processing rotating body 111 is configured in a substantially disc shape as a whole. In particular, as shown in FIG. 3, the outer periphery of the plate surface is tapered so as to become thinner toward the outer edge. The outer peripheral portion 111a of the processing rotating body 111 is basically a cylindrical surface with a small width. Such a shape of the outer peripheral portion 111a is formed by the dressing tool 134 shown in FIG.
[0037]
As shown in FIG. 1, the gear G is in a state in which the shaft (hozo) or the shaft inserted through the gear G is fitted and supported to the concave groove 128a (see FIG. 7) of the holding members 128L and 128R. Be placed. The positional relationship between the gear G and the holding members 128L and 128R is appropriately changed according to the shape of the gear G. For example, when the diameter of the shaft portion of the gear G or the shaft passing through the gear G is different on the left and right, the left and right holding members 128L and 128R can select the concave grooves 128a having different dimensions, or the positioning portion 126 can be moved in the vertical direction. To change the height of the support tools 127L and 127R. Only one of the dimension of the concave groove 128a and the left and right heights of the support portion may be changed, or both may be changed together.
[0038]
FIG. 10 shows variations of the holding state of the gears G1 to G3 and the holding members 128L and 128R. A gear G1 shown in FIG. 10 (a) is a fifth watch of a portable timepiece, and changes the depth of the concave grooves 128a of the left and right holding members 128L and 128R, or changes the left and right heights of the support tools 127L and 127R. This shows a state where the axis of the gear G1 is held so as to be horizontal. Here, the gear G1 (fifth pinion) has a tenon that protrudes to the left and right. However, since the tip portion of the smallest diameter of this hozo is a portion that is pivotally supported, the tip portion is not damaged so as not to be damaged. Instead, it is in a state in which a larger diameter base portion close to the gear portion is supported by the concave groove 128a.
[0039]
The gear G2 shown in FIG. 10 (b) is a third watch of the portable timepiece, and the left and right support heights are changed as described above. In the case of the gear G2, since the gear portion is long in the axial direction, the interval between the left and right holding members 128L and 128R is increased. The distance between the holding members 128L and 128R can be easily adjusted by changing the mounting positions of the holding members 128L and 128R with respect to the supports 127L and 127R.
[0040]
A gear G3 shown in FIG. 10 (c) is the second pinion of the portable timepiece, and has a shaft hole formed at the center thereof. In this case, the shaft ST is inserted into the shaft hole of the gear G3, and the shaft ST is held by the left and right holding members 128L and 128R. Thus, the gear G3 can be held in a freely rotatable state without any trouble.
[0041]
3A is a front view showing the processing rotator 111 and the gear G, and FIG. 3B is a plan view showing the relationship between the processing rotator 111 and the gear G. FIG. The machining rotator 111 has a plate surface slightly inclined at an inclination angle θ with respect to the axis of the gear portion of the gear G. This inclination angle θ is defined such that the outer diameter (diameter) of the processing rotator 111 is D, the standard pitch of the teeth of the gear G is P, and the number of teeth of the gear G sent by one rotation of the processing rotator 111 is Z.
πDsinθ = ZP (1)
Because there is a relationship
θ = sin -1 (ZP / πD) (2)
May be used to set the inclination angle θ. The inclination angle θ is normally set by adjusting the θ axis of the positioning table 121 (see FIG. 1). As the inclination angle θ is increased, the number of teeth Z sent by one rotation of the processing rotating body 111 is increased, but the tooth profile accuracy is lowered. Therefore, it is usually preferable to set the inclination angle θ within a range of 0.5 to 3 [deg]. In particular, it is more desirable to set it within the range of 1.0 to 2.0 [deg].
[0042]
FIG. 3C shows a cross-sectional shape in the vicinity of the outer peripheral portion 111 a of the processing rotating body 111. When the outer peripheral portion 111a is brought into contact with the gear G at the inclination angle θ satisfying the above expression (2) while the processing rotary body 111 is rotationally driven, the outer peripheral portion 111a of the processing rotary body 111 rotates the gear G. However, it is scraped by the teeth of the gear G to form a tooth groove 111b. The tooth groove 111b is formed to extend in a direction inclined by an inclination angle θ with respect to the rotation direction of the processing rotating body 111. By performing such copying, the outer peripheral portion 111a of the processing rotating body 111 has a shape suitable for polishing the gear G. That is, the tooth gap 111b is a screw or worm-shaped one. Thus, the processing rotating body 111 once copied by the gear G can be used as it is for the gear G having the same shape. However, in order to increase the tooth profile accuracy and the polishing effect, even if the gear has the same shape, the above-described copying process may be performed for each gear G to be processed, and then the polishing process may be performed.
[0043]
It is preferable that the tooth groove 111b is always formed on the outer peripheral portion 111a of the processing rotating body 111 by about 2 to 3 threads. This is because if only one strip is used, the grinding efficiency of the gear G is lowered and the rotational drive capability of the gear G is also poor, and if it is four strips or more, the tooth profile of the gear G may be deteriorated.
[0044]
As shown in FIG. 1, an imaging means (for example, a CCD camera) 141 having a field of view set at the holding position of the gear G is provided. The imaging means 141 preferably images the holding posture of the gear G via the magnifying optical system 142 such as a telecentric optical system. The photographed image is displayed on the panel operation unit 106 or the like. Therefore, the operator can confirm the posture of the gear G held by the holding unit 120 with the enlarged image. In this way, when the gear G is small (for example, in the apparatus of the present embodiment, a small gear having a diameter of 0.5 mm to several mm and a length of about 1 mm to several tens of mm is targeted), the gear G is held. This is because it is difficult to determine the quality of the posture with the naked eye.
[0045]
Next, the operation of the polishing apparatus 100 described above and a method of polishing using the same will be described with reference to FIGS. In this polishing apparatus 100, first, the following operations (preparation processing of a processing rotating body, adjustment / setting of a holding portion, molding of a processing rotating body) are performed as a preparation step for polishing processing. First, the processing rotator 111 is cut by the dressing tool 134 while rotating the processing rotator 111 as described above. In this operation, the processing rotor 111 is not shaken and shaped. Next, the gear G is set on the holding members 128L and 128R. At this time, the height of the holding member and the angular position in the rotation direction are set so that the axis of the gear G is horizontal, and the positioning table 121 and the positioning tool 126 are adjusted. The tilt angle θ is also adjusted / set by the positioning table 121. Thereafter, the machining rotator 111 is brought into contact with the gear G, and the copying is performed so that the tooth profile of the gear G is transferred to the outer peripheral portion 111a. As a result, the tooth groove 111b of the processing rotating body 111 is formed as described above.
[0046]
Next, the operation and method of the polishing apparatus 100 when polishing the processing rotating body 111 will be sequentially described. As described above, when the machining rotator 111 has already undergone copying, the power-on operation unit 104A of the polishing apparatus 100 is operated (pressed) to turn on the power, and the panel operation unit 106 shown in FIG. When the origin return button is pressed, the movement position setting shown in FIG. 5A is automatically performed. In this movement position setting, the processing rotating body 111 is first moved to the origin position by the movement mechanism 113, the position coordinates when the origin signal of the origin position sensor (not shown) is read are memorized, and then moved to the standby position. Stop.
[0047]
When the setting of the movement position of the movement mechanism 113 is completed as described above, the calibration operation shown in FIG. In this calibration step, first, when the processing rotator 111 is at a position other than the standby position, it is moved to the standby position. Then, a high-speed downward movement is performed from this standby position. Then, when a sensor (the above-described shift position sensor) set in the middle position of the movement path detects a moving portion of the movement mechanism 113, the speed of the downward movement is reduced and the movement proceeds to the low-speed downward movement. When the output of the stress sensor 122 changes while slowly descending in this way, the threshold value is further lowered from the position (hereinafter simply referred to as “contact position”) and is higher by a preset offset amount. When (first stress value) is detected, the position (hereinafter simply referred to as “first stress value detection position”) is stored. Then, it rises to the standby position.
[0048]
The polishing start position obtained by the calibration operation is used as a reference position for polishing. Then, with this polishing start position as a reference, a position (hereinafter simply referred to as “proximity position”) where the processing rotating body 111 has returned by a predetermined distance and does not contact the gear G is set. It is also possible to set a position (hereinafter simply referred to as “second stress value detection position”) where the second stress value is detected by lowering by a predetermined distance with respect to the polishing start position. Various parameter setting operations are performed by the panel operation unit 106.
[0049]
The polishing apparatus 100 is configured such that the moving speed of the moving mechanism 113 can be set in accordance with the position of the moving mechanism 113 (the vertical position in the illustrated example). (1) Movement speed V1: Standby position to proximity position
(2) Movement speed V2: proximity position to first stress value detection position
(3) Movement speed V3: first stress value detection position to second stress value detection position
(4) Movement speed V4: second stress value detection position to standby position
[0050]
Here, the moving speed V1 is high and is set for the purpose of reaching the polishing region in a short time. Further, the moving speed V2 is lower than V1, and it is intended to prevent the gear G from jumping off or being damaged when the processing rotating body 111 contacts the gear G at a high speed. Is set. The moving speed V2 may be configured to be determined by feedback control in which the output of the stress sensor is maintained at a value lower than the first stress value. Further, the moving speed V3 is configured so that an optimum moving speed for polishing can be set and input as appropriate. Note that the moving speed V3 may be subject to speed control so that a constant polishing pressure can be obtained. The moving speed V4 is a speed when returning from the end of polishing to the standby position, and is normally set at a high speed.
[0051]
The calibration process is preferably performed before the following polishing process every time a new gear G is set, but every time a predetermined number (any natural number) of gears G is polished. You may go. This is because when the gear G is polished, the outer peripheral portion 111a of the processing rotator 111 is scraped, so the outer diameter D of the processing rotator 111 changes, and the polishing start position also changes accordingly. is there.
[0052]
FIG. 6 shows a procedure of a polishing operation (automatic operation) that is automatically performed. In this polishing process, a polishing material containing abrasive grains such as alumina is applied to the outer peripheral portion 111a of the processing rotating body 111 in advance. Abrasive grains contained in the abrasive can be appropriately set depending on the polishing accuracy, but for a small gear for a watch, the average particle diameter is preferably about 1 μm (about mesh 8000). Moreover, it is preferable to prepare a slurry liquid in which abrasive grains are dispersed in a liquid medium such as oil and to use it as the abrasive.
[0053]
In this polishing process, first, various parameters used in the polishing process are set in the input unit 100I. The various parameters include the rotation direction and rotation speed of the processing rotating body 111, the moving speeds V1 to V4, the stress value during polishing, and the polishing time. Next, the driving source 113a is operated to rotate the processing rotating body 111. Then, when the gear G is set in the holding unit 120, a high-speed descending movement is started by pressing the start button. Then, the movement proceeds to a low-speed downward movement at the above-mentioned proximity position, reads a stress value (hereinafter also referred to as “polishing pressure”) detected by the stress sensor, and stops the lowering of the processing rotating body 111 when the specified polishing pressure is reached. Let Then, when the polishing time timer is activated and the specified polishing time has elapsed, the polishing is completed, the medium speed ascending movement is performed to move the processing rotating body 111 away from the gear G, and then the high speed ascending movement is performed after passing the proximity position. Transition. Thereafter, when the gear G is removed from the holding unit 120, the polishing process is completed. In the above step, the polishing time is preferably in the range of 0.5 to 3.5 seconds. In particular, it is desirable to be about 1.5 to 2.5 seconds. In addition, it is preferable that the rotation speed of the process rotary body 111 at the time of grinding | polishing is about 300-1000 rpm.
[0054]
In the polishing process shown in FIG. 6, when the specified polishing pressure (second stress value) is detected, the processing rotary body 111 stops moving downward, and polishing is performed. The specified polishing time is set in advance. Polishing is terminated when (for example, 2 seconds) elapses. However, instead of such a method, the polishing is continued while forcibly moving to the above-described predetermined polishing end position at the predetermined moving speed V3, and the polishing is ended when the polishing end position is reached. Also good. Further, the movement from the polishing start position to the polishing end position may be moved at a movement speed V3 controlled so as to be a preset specified polishing pressure.
[0055]
The gear G polished as described above is cleaned with an appropriate cleaning liquid, and the abrasive grains adhering to the surface are sufficiently removed. FIG. 8 shows the specified polishing pressure when the polishing process is performed by the method shown in FIG. 6, the surface roughness Ra [μm] of the tooth surface of the gear G after polishing, and the tooth surface remaining (embedded). ) Shows the relationship with the number of abrasive grains (media). As can be seen, when the specified polishing pressure is in the range of 25 to 60 [kPa] (0.25 to 0.60 [kg · f]), the surface roughness Ra is minimized and the number of remaining media is small. It became the minimum. Furthermore, a very high effect is acquired when it is in the range of 27 to 40 [kPa]. In particular, as for the surface roughness Ra, the tooth surface roughness of the gear G after gear cutting (before polishing) is about Ra = 0.20 [μm], but Ra = 0.01 [μm]. It dropped dramatically until. An enlarged photograph of the teeth of the gear G before and after polishing is shown in FIG. As shown in these figures, a very smooth tooth surface is obtained. In addition, there was no problem with the tooth profile accuracy, and the reproducibility of the tooth profile accuracy was sufficiently high.
[0056]
[Clocks and clocks for watches]
FIG. 11 is a schematic configuration diagram schematically showing the internal structure of the portable timepiece 1 as a device or watch according to the present invention, and FIGS. 12 and 13 are partial sectional views showing the internal structure of the portable timepiece 1. As shown in FIG. 11, the portable timepiece 1 includes a power generation unit 20 and a timepiece driving unit 30. The power generation unit 20 includes a small generator having a power generation rotor 21, a power generation stator 22, a coil 23, and a magnetic core 24. As shown in FIG. 13, a rotor kana 21 a is attached to the power generating rotor 21. The rotor kana 21 a meshes with the transmission wheel 25, and the transmission wheel 25 meshes with the spindle wheel 26. The spindle 26 is fixed to the rotary spindle 27. The coil 23 is connected to a secondary battery, a large-capacity capacitor, or the like via a storage circuit (not shown).
[0057]
Further, the timepiece drive unit 30 is provided with a stepping motor having a rotor 31, a stator 32, a coil 33 and a magnetic core 34. Here, as shown in FIG. 12, a rotor kana 31 a is attached to the rotor 31. The rotor kana 31 a meshes with the third wheel 35, and the third wheel 35 meshes with the second wheel 36. The center wheel & pinion 36 is configured to rotationally drive an hour wheel 38 via a minute wheel 37. The minute hand 41 is attached to the center wheel & pinion 36, and the hour hand 42 is attached to the hour wheel 38. The coil 33 of the stepping motor is connected to a timepiece driving circuit (not shown). The timepiece driving circuit is supplied with power from the secondary battery or the large capacity capacitor.
[0058]
In FIGS. 12 and 13, reference numeral 2 denotes a ground plane, and 3 denotes a train wheel bridge. These gears are rotatably supported by these gears. Reference numeral 4 denotes a dial.
[0059]
When the rotor 30a attached to the rotor 31 of the stepping motor in the driving unit 30 of the portable timepiece 1 is polished by the above-described method, and the train wheel is configured using the rotor cana 31a, the conventional product (Ra = 0.2 μm) is obtained. The transmission efficiency of the rotational driving force in the driving wheel train was improved by 30%. Thereby, the hands of the minute hand 41 and the hour hand 42 can be enlarged, and the visibility is improved. Further, when the rotor kana 21a attached to the rotor 21 of the power generation unit 20 of the portable timepiece 1 was also polished by the above method, the power generation efficiency was improved by 30%, and the gear sound was heard smoothly.
[0060]
In addition, by using the gear of this embodiment in various devices, generation of static electricity in the meshing portion of the gear is suppressed, reduction of gear wear, prevention of gear surface oxidation and corrosion, and accompanying aesthetic enhancement, electrostatic sparking. It is possible to suppress the defect of the IC (timepiece circuit or the like) and other circuit portions that are caused. These effects particularly contribute greatly to improving the yield of various devices (electronic devices), reducing failure, and improving durability.
[0061]
It should be noted that the gear polishing method and polishing apparatus, gears, equipment, and timepiece of the present invention are not limited to the above illustrated examples, and various modifications can be made without departing from the scope of the present invention. Of course.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic configuration diagram showing a configuration of a polishing mechanism of a polishing apparatus according to the present invention.
FIG. 2 is a schematic configuration diagram showing an overall configuration of a polishing apparatus.
FIG. 3 is a front view (a), a plan view (b), and an enlarged cross-sectional view (c) of an outer peripheral portion of the processing rotating body, showing a positional relationship between the gear and the processing rotating body.
FIG. 4 is a schematic block diagram showing a configuration of a control unit of the polishing apparatus.
FIG. 5 is a schematic flowchart (a) showing a procedure for setting a movement position and a schematic flowchart (b) showing a procedure for calibration.
FIG. 6 is a schematic flowchart showing a procedure of a polishing process (automatic operation).
FIG. 7 is an enlarged side view showing the shape of the holding member.
FIG. 8 is a graph showing the relationship between the polishing pressure, the surface roughness of the gear, and the remaining number of media.
FIGS. 9A and 9B are photographs (a) and (b) showing tooth surfaces of a gear before and after polishing.
FIG. 10 is an explanatory diagram (a) to (c) showing a holding state of the gears G1 to G3 by a holding member.
FIG. 11 is a schematic configuration perspective view of a main part of the portable timepiece.
FIG. 12 is a partial cross-sectional view of a portable timepiece.
FIG. 13 is a partial cross-sectional view showing different parts of the portable timepiece.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 100 ... Polishing apparatus, 100A ... Polishing mechanism, 100B ... Control part, 110 ... Processing part, 111 ... Processing rotary body, 112 ... Driving source, 113 ... Moving mechanism, 113a ... Driving source, 121 ... Positioning stand, 122 ... Stress sensor , 128L, 128R ... holding member, 134 ... dressing tool, 100P ... control device, 100I ... input unit, 100S ... position sensor, 100T ... storage device, 1 ... portable watch, 21a, 31a ... rotor kana

Claims (4)

時計用歯車を軸線回りに回転自在に保持し、前記時計用歯車の外周部に対して歯溝付きの木製の加工回転体を回転させながら研磨剤を介して当接させ、前記時計用歯車を回転させながら研磨を行う時計用歯車の研磨方法において、
前記時計用歯車が跳ね飛ばされたり損傷しないような移動速度で前記加工回転体と前記時計用歯車を接触させるときに発生する応力を応力センサによって検出し、前記応力の値が予め定めた第1応力値に到達したときの前記時計用歯車と前記加工回転体の相対的位置関係を求めるキャリブレーション工程と、
前記相対的位置関係を基準として研磨加工を開始し、研磨加工に最適な移動速度で前記加工回転体と前記時計用歯車を接触させながら前記応力の値が前記第1応力値より大きな第2応力値になるまで研磨加工を実施する研磨加工工程とを備え、
研磨加工の準備作業として、前記加工回転体の外周部にドレッシング工具で切削を行って前記外周部の振れを除去した後、前記加工回転体を前記時計用歯車に当接させて前記外周部に前記歯溝を形成させる倣い加工を行うことを特徴とする時計用歯車の研磨方法。
A timepiece gear is held rotatably about an axis, and a wooden processing rotating body with a tooth groove is brought into contact with an outer peripheral portion of the timepiece gear through an abrasive while rotating, and the timepiece gear is In the grinding method of the clock gear for grinding while rotating,
The stress generated when the processing rotating body and the timepiece gear are brought into contact with each other at a moving speed at which the timepiece gear is not jumped off or damaged is detected by a stress sensor, and the value of the stress is determined in advance. A calibration step for obtaining a relative positional relationship between the timepiece gear and the processing rotating body when the stress value is reached;
A polishing process is started on the basis of the relative positional relationship, and a second stress whose stress value is larger than the first stress value while the processing rotating body and the timepiece gear are in contact with each other at a moving speed optimum for the polishing process. And a polishing process for performing polishing until the value is reached,
As a preparatory work for polishing, the outer periphery of the processing rotating body is cut with a dressing tool to remove runout of the outer peripheral portion, and then the processing rotating body is brought into contact with the timepiece gear to form the outer peripheral portion. A method for polishing a timepiece gear, wherein a copying process for forming the tooth gap is performed.
前記研磨加工工程の研磨加工開始前に前記時計用歯車と前記加工回転体を相互に接触させる過程において、前記相対的位置関係よりも所定距離離間した位置関係に到達した時点で前記時計用歯車と前記加工回転体の接触速度を低下させることを特徴とする請求項1に記載の時計用歯車の研磨方法。  In the process of bringing the timepiece gear and the processing rotary body into contact with each other before the start of polishing in the polishing step, the timepiece gear and the timepiece gear when reaching a positional relationship separated by a predetermined distance from the relative positional relationship. The method for polishing a timepiece gear according to claim 1, wherein a contact speed of the processing rotating body is reduced. 前記研磨加工工程では、前記時計用歯車と前記加工回転体とを接触させていく過程において前記応力の値が前記第1応力値よりも大きい第2応力値に到達した時点から一定時間経過後に研磨加工を終了させることを特徴とする請求項1又は2に記載の時計用歯車の研磨方法。  In the polishing process, the polishing is performed after a lapse of a certain time from the time when the stress value reaches the second stress value larger than the first stress value in the process of contacting the timepiece gear and the processing rotating body. The method for polishing a timepiece gear according to claim 1 or 2, wherein the processing is terminated. 前記研磨加工工程では、前記時計用歯車と前記加工回転体とを接触させながら研磨加工を行い、前記応力の値が前記第1応力値より大きな第2応力値に到達した時点で研磨加工を終了させることを特徴とする請求項1又は2に記載の時計用歯車の研磨方法。  In the polishing process, polishing is performed while contacting the timepiece gear and the processing rotating body, and the polishing process is terminated when the stress value reaches a second stress value larger than the first stress value. The method for polishing a timepiece gear according to claim 1 or 2, wherein:
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