JP3882731B2 - 光ディスク欠陥処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光ディスクに記録されているデータを再生する光ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
書き換え型の光ディスクを扱う光ディスク装置において、光ディスク上に読み書き不可能な領域、つまり欠陥セクタが存在し、光ディスク上にその欠陥セクタが登録されている時には、その欠陥セクタを読み飛ばし、正常なセクタに対して読み書きしなければならない。その欠陥セクタのうち、代替先(欠陥セクタの代わりにデータを読み書きする領域)がその欠陥セクタの直後にあるものを初期欠陥(PDL:Primary Defect List)と呼ぶ。ただし、その直後も欠陥セクタのときは次に現れる正常セクタに読み書きが行われる。また、この初期欠陥以外にも、欠陥セクタ発見時に所定の交替セクタに読み書きを行う2次欠陥(SDL:Secondary Defect List)や、その交替領域や光ディスクがゾーニングされている光ディスクにおいてはゾーン境界の未使用領域についても読み飛ばす必要がある。
【0003】
しかし、コンピュータなどのホストから読み書きする際には、光ディスク装置に対して、アクセスしたいデータを論理セクタアドレス(LBA:Logical Block Address)で指定してくるため、光ディスク装置は、欠陥セクタを考慮し、要求されたLBAを実際の光ディスク上の物理アドレス(PBA:Physical Block Address)に変換する必要がある。
【0004】
この欠陥セクタを読み書きする方法として、従来の方法は、ホストから指定された要求LBAをPDL、SDL、交替領域、ゾーン境界をそれぞれ考慮してPBAを算出している。
【0005】
詳しく説明すると、光ディスク上に登録された各ゾーンの先頭LBA(これはこの光ディスクの所定の領域に欠陥情報として記録されている)から、要求LBAがどのゾーンに存在するかを調査する。次に、要求データの存在するゾーンの先頭LBAと、要求LBAとのオフセット値を算出する。次に、ゾーンニングされている各ゾーンの先頭PBA(これは光ディスクの規格に依存する)に、先程算出したオフセット値を加算し、そのゾーンにおいてPDLとSDLを考慮していない要求LBAに相当するPBAの期待値が算出できる。
【0006】
しかし、これではPDL、SDLが考慮されていないので、まず、要求LBAの存在するゾーンの先頭PBAと、PBAの期待値までのPDLのセクタ数を調べ、そのセクタ数分PBAの期待値を加算する。次に加算前のPBA期待値と、加算後のPBA期待値のまでのPDLセクタ数を調べ更にPBAの期待値に加算し、PDLの加算値が0になるまで繰り返す。加算値が0になったときのPBAの期待値がSDLにエントリされていなければそのPBAが、SDLにエントリされていれば、その代替先PBAが求めるべきPBAとしている。
【0007】
これでは、毎回1セクタずつPDLエントリの欠陥処理を行う必要がある。しかし、ホストは一度に複数セクタ、または、連続した論理アドレスで要求してくることが多いため、PDLの欠陥処理を行うときは、欠陥処理後のPDLのエントリNOと、PDLを考慮した後の物理アドレスを保持しておいて、次の論理アドレスにおいては、PDLを考慮した物理アドレスをインクリメントした値と、PDLエントリそのエントリNOの指す欠陥アドレスとを見て、一致していたら、更に次のセクタを調査するといったように、欠陥セクタが連続している時は、期待される物理アドレスと、PDLエントリNOを一つずつインクリメントして、期待される物理アドレスと、PDLエントリNOの指す物理アドレスとを比較し、一致しなくなるところまで続け、一致しなくなった時の物理アドレスが、PDLを考慮した物理アドレスとなる(図9参照)。
【0008】
しかし、このような方法では、PDLに、連続した物理アドレスが登録されていた時、PDLの欠陥処理において、多大な時間を有してしまう。
【0009】
また、これらの欠陥セクタはそれぞれテーブルとして用意されているため、それらを一まとめにし、物理アドレスの昇順に並べ、その物理アドレスごとに識別情報と、その同一欠陥の係数を保存した、新しいテーブルを用意して、それを用いて、LBAをPBAに変換するものもある(特許文献1参照)。
【0010】
このように、LBAをPBAに変換する上で、従来の方法では、PDLのエントリがあまりに連続している場合に、PBAの変換に多大な時間を要するため、エントリテーブルの参照に時間を要するシステムにおいては、PDLの欠陥処理が処理時間のボトルネックとなり、処理が破綻してしまうことにもなりかねない。
【0011】
【特許文献1】
特開平11−126336号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、ホストコンピューター等から指定された要求LBAを実際のPBAに変換する際にPDLのエントリが連続している時の欠陥処理に多大な時間を要していた。
【0013】
本発明は、上記従来の課題を解決しようとするもので、欠陥が連続している時のLBAからPBAへの変換処理時間を、あらゆる状態でも最適に短縮することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
光ディスクの所定の領域に記録されている欠陥情報を読み出す読み出し手段と、
前記読み出し手段により読み出された欠陥情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段により記憶された欠陥情報を用いて、指定された論理アドレスを物理アドレスに変換する制御を行う制御手段とを備え、
前記制御手段が、前記欠陥情報の欠陥物理アドレスと、ホストにより指定された論理アドレスを物理アドレスに変換した時の期待値とを比較し、一致しない時はその物理アドレスの期待値を返して終了し、一致した時はその物理アドレスの期待値をインクリメントした値と、一致した欠陥情報のアドレスの次にエントリされている欠陥アドレスと比較し、一致しなければその物理アドレスを返して終了し、一致した時はその物理アドレスの期待値を更にインクリメントした値と、欠陥情報のアドレスの更に次にエントリされている欠陥アドレスとを比較する処理を所定の数まで繰り返し、その後、登録されている欠陥情報から2分岐検索で欠陥エントリがとぎれるところ、すなわちホストから指定された論理アドレスの欠陥セクタを読み飛ばし、指定された論理アドレスから前記欠陥情報を考慮した物理アドレスを返すことで、欠陥セクタが連続して存在している時でも、欠陥セクタテーブルへのアクセスを最小限にし、高速にLBAをPBAに変換することができる。
【0015】
ここで言う欠陥セクタは一般的に初期欠陥セクタ(PDL:Primary Defect List)と呼ばれ、交替先はその欠陥セクタの直後の有効なセクタとなっている。また、ホストからは連続した論理アドレスを指定することが多いため、欠陥セクタテーブルの何処を見れば、その要求されたLBAの間近のエントリ番号を知ることができる。さらに、欠陥セクタテーブルに一致した時は、所定の回数まで物理アドレスの期待値をインクリメントして、欠陥セクタが連続しているかどうかを調査するため、一つだけ欠陥セクタがあるときは、欠陥セクタテーブルの参照が1回となり、例えば、1000個以上欠陥セクタが続き、その後更に1000個の欠陥セクタが存在する時でも、所定の回数だけ欠陥セクタが連続しているかどうかをインクリメントして調査し、その後はその一致している欠陥セクタエントリ番号から欠陥セクタエントリの最後までで2分岐で欠陥セクタが途切れるところを調べるため、(所定の回数)+11回となり(2の11乗は2048)、インクリメントで行う場合の1000かいよりも、はるかに欠陥セクタテーブルへのアクセスは減り、処理時間も大幅に軽減できる。
【0016】
また、光ディスクの所定の領域に記録されている欠陥情報を読み出す読み出し手段と、
前記読み出し手段により読み出された欠陥情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段により記憶された欠陥情報を用いて、指定された論理アドレスを物理アドレスに変換する制御を行う制御手段とを備え、
前記記憶手段が、前記欠陥情報の欠陥物理アドレスの連続情報、すなわち、それぞれの欠陥物理アドレスから連続して続く欠陥物理アドレスの数を付加することと、
前記制御手段が、前記欠陥情報の欠陥物理アドレスと指定された論理アドレスから欠陥セクタを考慮せずに物理アドレスに変換した時の期待値と一致しない時はその物理アドレスを返して終了し、一致した時は前記連続情報を用いて、連続した数分加算した物理アドレスを返すことで、欠陥セクタが連続して存在している時でも、欠陥セクタテーブルへのアクセスを軽減し、高速にLBAをPBAに変換することができる。
【0017】
また、光ディスクの所定の領域に記録されている欠陥情報を読み出す読み出し手段と、
前記読み出し手段により読み出された欠陥情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段により記憶された欠陥情報を用いて、指定された論理アドレスを物理アドレスに変換する制御を行う制御手段とを備え、
前記記憶手段が、前記欠陥情報の欠陥物理アドレスの連続数情報、すなわち、それぞれの欠陥物理アドレスから連続して続く欠陥物理アドレスの数が、所定のサイズを超えた時は最大サイズを連続数情報として付加し、
前記制御手段が前記欠陥情報の欠陥物理アドレスと指定された論理アドレスから物理アドレスに変換した時の期待値と一致しない時は、その物理アドレスの期待値を返して終了し、一致した時は前記連続数情報を用いて、連続数情報分加算した物理アドレスの期待値と、連続数情報分先の前記欠陥情報の欠陥物理アドレスとの比較を連続数情報が0になるまで繰り返し、一致しなくなったときの物理アドレスの期待値を返すことで、欠陥セクタが連続して存在している時でも、欠陥セクタテーブルへのアクセスを軽減し、高速にLBAをPBAに変換することができる。
【0018】
また、この方法は欠陥セクタの連続数情報を制限しているため、連続数情報を保存する領域が小さくてすみ、例えば、欠陥セクタテーブルの内の空いている領域でも実現可能である。また、前記記憶手段の欠陥セクタエントリの連続数情報の準備は、光ディスク装置において、事前にしておくべき処理であるが、たとえ途中の状態であっても、前記制御手段が参照する段階で欠陥セクタエントリの連続数情報が初期値の時は従来のように1つずつインクリメントして調査するようにしておけば、従来のように1つずつインクリメントして連続数を調査するだけなので、光ディスク装置は時間的に余裕のあるときに、欠陥セクタエントリの連続数情報の準備をすることができ、光ディスクの初期読み書き読み出し時のアクセス開始までの時間の短縮にも貢献できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0020】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1、2,3に係わる光ディスク装置のブロック図である。
【0021】
100は光ディスク装置であり、ホスト120からのデータ要求を受け、光ディスク101からデータを読み出し、ホスト120へ転送する。101は光ディスクであり、例えばガラスあるいはプラスティック等で形成された基板の表面に、金属被膜層がドーナツ型にコーティングされて構成され、スパイラル状のグルーブ及びランドの両方を用いてデータの記録されている。102はスピンドルモータであり、上記光ディスクを同心円方向に回転させる。103は光ピックアップモジュールであり、光ディスク101からデータをリード/ライトする。104はアクセス制御部であり、フォーカス制御、トラッキング制御及びスピンドル制御により光ピックアップモジュール103の動作を制御する。105は復調部であり、光ピックアップモジュール103からの信号を2値化し、有効データへ復調する。106はバッファメモリであり、例えば半導体メモリ等で構成され、復調部105により変換されたデータを格納している。107はエラー訂正部であり、バッファメモリ106のデータのエラー訂正処理を行う。108はECCエンコーディング部であり、ホスト120から送られてきたデータのECC部をエンコードする。109は変調部であり、ECCエンコード部108によりエンコードされたデータを変調する。110は記録/再生/消去波形生成部であり、変調部109により変調されたデータから光ディスク101に記録/再生/消去するための信号を生成する。111はホストIF部であり、ホスト120からの要求を受信し制御部に伝え、制御部の指示により光ディスク101から読み出されたデータをバッファメモリ106からホスト120へ転送、及び、ホストからのデータをバッファメモリ106へ転送する。112は制御部であり、光ディスク装置、すなわち上記のブロック全体を制御する。113は制御メモリであり、制御部112が120はホストであり、ドライブ装置100へ光ディスク101のデータリード/ライト要求を行う。
【0022】
ホストが光ディスク装置に対してデータリード要求をした時、まずその内容をホストIF部受信し、制御部に伝える。制御部は、アクセス制御部を使ってスピンドルモータと光ピックアップモジュールを制御し、光ディスクから、ホストの要求しているデータを読み出す。復調部で読み出された信号を復調し、バッファメモリに格納する。エラー訂正部によりデータのエラー訂正処理を行い、ホストIF部でホストへ要求データを転送する。
【0023】
次に、図2と図3を用いて、初期欠陥セクタと、データを読み書きしてはいけない領域であるガードエリアの例について説明する。図2に示すように物理アドレスPBAと論理アドレスは一般的に一致していない。まず、PDLと呼ばれる初期フォーマット時に読み書き不可能と判定されたものはPDLにその物理アドレスがエントリされる。そしてその次に読み書き可能となるセクタに論理アドレスが割り当てられる。さらに、例えばDVD−RAMのように、ゾーンニングされた光ディスクにはガードエリアと呼ばれる、論理アドレスが振り分けられない領域がある。図2を例にとると、PBA2、4、5、100〜149、152〜248がデータを読み書きできない領域として、論理アドレスを振り分けられない。
【0024】
ガードエリア領域のPBAは事前にメディア種別によって知ることができるため、各ゾーンの先頭物理アドレスは事前にることができ、さらに、各ゾーンの先頭論理アドレス、つまり、ゾーン0の場合LBAが0、ゾーン1の場合はLBAが9という情報もDDS(Disc Definiton Structure)と呼ばれる領域として、PDLと同様に光ディスクに記録されている。
【0025】
次に、このような構成において、本実施例における論理アドレスから物理アドレスへの変換に係る初期欠陥処理のフローを図4、5を用いて、詳細に説明する。ホストからリードライト要求を論理アドレスで指定してくる。これを要求LBAとする。
【0026】
ステップ401は、ターゲットの論理アドレスが、ホストがリード/ライトの要求してきたデータの先頭LBAかどうかを判定するステップである。ステップ40は、ステップ401によりターゲットのLBAがホストの要求してきたデータの先頭LBAと一致した時に、図5のフローにしたがって、ターゲットLBAの期待値PBAを求め、さらに、その期待値PBAに最も近く、期待値PBA以上のPDLエントリのエントリNOを「PDLエントリポインタ」に代入するステップである。ステップ40は、前回の初期欠陥処理により求められた期待値PBAをインクリメントするステップである。ステップ404は、X,Yという変数にそれぞれPDLエントリポインタ、期待値PBAを代入し、カウンタという変数に0を代入するステップである。ステップ405は、X、つまりPDLのエントリNOが指す欠陥セクタのPBAが、Y、つまりそのPBAが欠陥セクタでないときに期待される期待値PBAと一致しているかどうか調べるステップである。ステップ406は、X、Y、カウンタと呼ばれる各種変数をそれぞれインクリメントするステップである。ステップ407は、カウンタが、事前に決めることができる所定の数より大きかどうかを調べるステップである。ステップ408は、所定の数の回数だけ、ステップ405,406,407を実行した後、それでもXの指す欠陥セクタPBAと一致しつづけたとき、図6のフローに従って、残り何処まで欠陥セクタが連続しているかを調査し、欠陥セクタの連続数分、期待値PBAであるYの値を進め、欠陥セクタの連続が途切れた直後のPDLエントリNOを、PDLエントリポインタであるXに代入するステップである。ステップ409は、ステップ405によりXの指す欠陥セクタPBAとYが一致しなかった時と、ステップ408により、XとYを更新された後とに、XとYをそれぞれ、期待値PBAとPDLエントリポインタに代入するステップである。ステップ410は、ターゲットとなっているLBAを初期欠陥セクタを考慮したPBAとして、期待値PBAを設定するステップである。また、ステップ40について、図5のフローを用いて詳細に説明する。ステップ501は、ターゲットとなるホストからの要求LBAが、光ディスク上のどのゾーンに存在するかを調査するステップである。ステップ502は、ステップ501により求めたゾーンの、先頭LBAとPBAを取得し、変数TOPLBA、TOPPBAに代入するステップである。ステップ503は、ターゲットLBAである要求LBAからTOPLBAを引いて、その差を変数OFFSETに代入するステップである。ステップ504は、TOPPBAにOFFSETを足して、変数BTMPBAに代入するステップである。ステップ505は、事前に光ディスクから取得したPDLを参照して、BTMPBAからTOPPBA間の欠陥セクタ数を数えて、変数COUNTに代入するステップである。ステップ506は、ステップ505で算出した変数COUNTが0かどうか調査するステップである。ステップ507は、TOPLBAにBTMLBAを代入し、BTMPBAにCOUNTを足すステップである。ステップ508は、ステップ507によりCOUNTが0になったときに、期待値PBAにBTMPBAを代入するステップである。ステップ509は、ステップ508から算出した期待値PBAから、期待値PBAに最も近く、かつ、期待値PBA以上のPDLエントリアドレスであるPDLエントリNOをPDLエントリポインタに代入するステップである。ステップ510は、ステップ508,509により求めた、期待値PBAとPDLエントリポインタを返すステップである。
【0027】
また、ステップ408について、図6のフローを用いて詳細に説明する。ステップ601は、変数TOPにXを代入し、事前に光ディスクから取得したDDSからPDLエントリの最終エントリNOを取得し、変数BTMに代入するステップである。ステップ602は、TOPとBTMを足したものを2で割った値の整数部分を、変数MIDに代入するステップである。ステップ603は、TOPとMIDが一致したかどうか調査するステップである。ステップ604は、MIDが指す欠陥PBAと、TOPが指す欠陥PBAの差が、MIDとTOPの差と一致しているか調べるステップである。ステップ605は、TOPにMIDを代入するステップである。ステップ606は、BTMにMIDを代入するステップである。ステップ607は、ステップ604によりTOPとMIDが一致しなかった時に、YにTOPの指す欠陥PBA+1を代入し、XにBTMを代入するステップである。
【0028】
以上のように、本発明においては、ホストにより指定された論理アドレスを物理アドレスに変換した時の期待値と、PDLのうちまさにその可能性のある欠陥物理アドレスと、を比較し、一致しない時はその物理アドレスの期待値を返して終了し、一致した時はその物理アドレスの期待値をインクリメントした値と、一致した欠陥情報のアドレスの次にエントリされている欠陥アドレスと比較し、一致しなければその物理アドレスを返して終了し、一致した時はその物理アドレスの期待値を更にインクリメントした値と、欠陥情報のアドレスの更に次にエントリされている欠陥アドレスとを比較する処理を所定の数まで繰り返し、その後、登録されている欠陥情報から2分岐検索で欠陥エントリがとぎれるところ、すなわちホストから指定された論理アドレスの欠陥セクタを読み飛ばし、指定された論理アドレスから前記欠陥情報を考慮した物理アドレスを返すことで、欠陥セクタが連続して存在している時でも、欠陥セクタテーブルへのアクセスを最小限にし、高速にLBAをPBAに変換することができる(図10参照)。
【0029】
(実施の形態2)
実施の形態1と同様のブロック構成において、制御部がもつ光ディスクから欠陥情報読み出し手段により初期欠陥情報であるPDLを取得し、制御メモリにPDLを記憶する。光ディスクの状態が図2の場合を例にとり説明する。制御メモリに記憶されたばかりのPDLを図3に示す。PDLにある欠陥アドレスを元に連続数を調査し、その連続数情報を制御メモリに追記する。追記され状態を図7に示す。
【0030】
次に、ターゲットとなる論理アドレスを物理アドレスに変換する際に、期待される物理アドレスが制御メモリ内のPDLにエントリされているか調査し、エントリされていた場合、そのエントリの連続情報を、期待される物理アドレスに追加したものが、ターゲット論理アドレスを欠陥処理後の物理アドレスに変換したものとなる。
【0031】
以上のように、本発明においては、制御メモリに欠陥情報を記憶する時に、欠陥アドレスの連続数情報を事前に求めておくため、ホストにより指定された論理アドレスを物理アドレスに変換した時の期待値と、PDLのうちまさにその可能性のある欠陥物理アドレスと、を比較し、一致しない時はその物理アドレスの期待値を返して終了し、一致した時はその物理アドレスの期待値に、その欠陥セクタの連続数情報を足せば、これが欠陥情報を考慮した物理アドレスとなるため、欠陥セクタが連続して存在している時でも、欠陥セクタテーブルへのアクセスを大きく軽減し、高速にLBAをPBAに変換することができる。
【0032】
(実施の形態3)
実施の形態1と同様のブロック構成において、制御部がもつ光ディスクから欠陥情報読み出し手段により初期欠陥情報であるPDLを取得し、制御メモリにPDLを記憶する。実施の形態2と同様に、光ディスクの状態が図2の場合を例にとり説明する。制御メモリに記憶されたばかりのPDLを図3に示す。PDLにある欠陥アドレスを元に連続数を調査し、その連続数情報を制御メモリに追記する。ただし、連続数情報が所定の連続数情報最大値を超えた場合、連続数情報最大値を追記する。追記され状態を図8に示す。
【0033】
次に、ターゲットとなる論理アドレスを物理アドレスに変換する際に、期待される物理アドレスが制御メモリ内のPDLにエントリされているか調査し、エントリされていた場合、そのエントリの連続情報を、期待される物理アドレスに追加したものが、新しく期待される物理アドレスとなる。再びその期待される物理アドレスが制御メモリ内のPDLにエントリされているか調査し、エントリされていた場合、そのエントリの連続情報を、期待される物理アドレスに追加したものが、更に新しく期待される物理アドレスとなる。この処理を、連続数情報が0となるまで繰り返し、0となったときの期待される物理アドレスが、ターゲット論理アドレスを欠陥処理後の物理アドレスに変換したものとなる。
【0034】
以上のように、本発明においては、制御メモリに欠陥情報を記憶する時に、欠陥アドレスの連続数情報を事前に求めておくため、ホストにより指定された論理アドレスを物理アドレスに変換した時の期待値と、PDLのうちまさにその可能性のある欠陥物理アドレスと、を比較し、一致しない時はその物理アドレスの期待値を返して終了し、一致した時はその物理アドレスの期待値に、その欠陥セクタの連続数情報を足せば、これが欠陥情報を考慮した物理アドレスとなるため、欠陥セクタが連続して存在している時でも、欠陥セクタテーブルへのアクセスを大きく軽減し、高速にLBAをPBAに変換することができる。
【0035】
また、前記記憶手段の欠陥セクタエントリの連続数情報の準備は、光ディスク装置において、事前にしておくべき処理であるが、たとえ途中の状態であっても、前記制御手段が参照する段階で欠陥セクタエントリの連続数情報が初期値の時は従来のように1つずつインクリメントして調査するようにしておけば、従来のように1つずつインクリメントして連続数を調査するだけなので、光ディスク装置は時間的に余裕のあるときに、欠陥セクタエントリの連続数情報の準備をすることができ、光ディスクの初期読み書き読み出し時のアクセス開始までの時間の短縮にも貢献できる。
【0036】
【発明の効果】
以上のように本発明により、光ディスクの所定の領域に記録されている欠陥情報を読み出す読み出し手段と、前記読み出し手段により読み出された欠陥情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段により記憶された欠陥情報を用いて、指定された論理アドレスを物理アドレスに変換する制御を行う制御手段とを備えた光ディスク装置において、初期欠陥処理が、欠陥情報の欠陥物理アドレスと、ホストにより指定された論理アドレスを物理アドレスに変換した時の期待値とを比較し、一致しない時はその物理アドレスの期待値を返して終了し、一致した時はその物理アドレスの期待値をインクリメントした値と、一致した欠陥情報のアドレスの次にエントリされている欠陥アドレスと比較し、一致しなければその物理アドレスを返して終了し、一致した時はその物理アドレスの期待値を更にインクリメントした値と、欠陥情報のアドレスの更に次にエントリされている欠陥アドレスとを比較する処理を所定の数まで繰り返し、その後、登録されている欠陥情報から2分岐検索で欠陥エントリがとぎれるところ、すなわちホストから指定された論理アドレスの欠陥セクタを読み飛ばし、指定された論理アドレスから前記欠陥情報を考慮した物理アドレスを返すことで、欠陥セクタが連続して存在している時でも、欠陥セクタテーブルへのアクセスを最小限にし、高速にLBAをPBAに変換することができる。
【0037】
また、欠陥情報の欠陥物理アドレスの連続情報を付加することと、前記制御手段が、前記欠陥情報の欠陥物理アドレスと指定された論理アドレスを、欠陥セクタを考慮せずに物理アドレスに変換した時の期待値と一致しない時はその物理アドレスを返して終了し、一致した時は前記連続情報を用いて、連続した数分加算した物理アドレスを返すことで、欠陥セクタが連続して存在している時でも、欠陥セクタテーブルへのアクセスを軽減し、高速にLBAをPBAに変換することができる。また、前記記憶手段の欠陥セクタエントリの連続数情報の準備は、光ディスク装置において、事前にしておくべき処理であるが、たとえ途中の状態であっても、前記制御手段が参照する段階で欠陥セクタエントリの連続数情報が初期値の時は従来のように1つずつインクリメントして調査するようにしておけば、従来のように1つずつインクリメントして連続数を調査するだけなので、光ディスク装置は時間的に余裕のあるときに、欠陥セクタエントリの連続数情報の準備をすることができ、光ディスクの初期読み書き読み出し時のアクセス開始までの時間の短縮にも貢献できる。
【0038】
さらに、前記記憶手段が、前記欠陥情報の欠陥物理アドレスの連続数情報が、所定のサイズを超えた時は最大サイズを連続数情報として付加し、前記制御手段が前記欠陥情報の欠陥物理アドレスと指定された論理アドレスを物理アドレスに変換した時の期待値と一致しない時は、その物理アドレスの期待値を返して終了し、一致した時は前記連続数情報を用いて、連続数情報分加算した物理アドレスの期待値と、連続数情報分先の欠陥情報を比較することを所定の数まで繰り返し、一致しなくなったときの物理アドレスの期待値を返すことで、欠陥セクタが連続して存在している時でも、欠陥セクタテーブルへのアクセスを軽減し、高速にLBAをPBAに変換することができる。
【0039】
また、この方法は欠陥セクタの連続数情報を制限しているため、連続数情報を保存する領域が小さくてすみ、例えば、欠陥セクタテーブルの内の空いている領域でも実現可能である。
【0040】
また、欠陥セクタエントリの連続数情報の準備は、光ディスク装置の都合のいい時に、設定することができ、光ディスクの初期読み書き読み出し時のアクセス開始までの時間の短縮にも貢献できる。
【0041】
このように、欠陥セクタが連続していないことが多く、かつ、連続する時はその連続数が大きいことが多い初期欠陥における欠陥処理において、もっとも最適な処理を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における光ディスク装置の構成ブロック図
【図2】ゾーンニングされた光ディスクのPBAとLBAの対比図
【図3】図2の光ディスクにおけるPDLを示す図
【図4】図1の光ディスク装置における欠陥処理プログラムのフローチャート
【図5】図4フローチャートにおける、PDLエントリポインタと期待値PBAの算出するプログラムのフローチャート
【図6】図4フローチャートにおける、2分岐検索処理プログラムのフローチャート
【図7】本発明の実施の形態2における、PDLエントリが図3であるときの連続数情報を示す図
【図8】本発明の実施の形態3における、PDLエントリが図3であるときの連続数情報を示す図
【図9】従来の欠陥処理を示す図
【図10】本発明の実施の形態における欠陥処理を示す図
【符号の説明】
100 光ディスク装置
101 光ディスク
102 スピンドルモータ
103 光ピックモジュール
104 アクセス制御部
105 復調部
106 バッファメモリ
107 エラー訂正部
108 ECCエンコード部
109 変調部
110 記録/再生/消去波形生成部
111 ホストIF
112 制御部
113 制御メモリ

Claims (3)

  1. 光ディスクの所定の領域に記録されている欠陥情報を読み出す読み出し手段と、
    前記読み出し手段により読み出された欠陥情報を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段により記憶された欠陥情報を用いて、指定された論理アドレスを物理アドレスに変換する制御を行う制御手段と
    を備え、
    前記制御手段が、前記欠陥情報の欠陥物理アドレスと、ホストにより指定された論理アドレスを物理アドレスに変換した時の期待値とを比較し、一致しない時はその物理アドレスの期待値を返して終了し、一致した時はその物理アドレスの期待値をインクリメントした値と、一致した欠陥情報のアドレスの次にエントリされている欠陥アドレスと比較し、一致しなければその物理アドレスを返して終了し、一致した時はその物理アドレスの期待値を更にインクリメントした値と、欠陥情報のアドレスの更に次にエントリされている欠陥アドレスとを比較する処理を所定の数まで繰り返し、その後、登録されている欠陥情報から2分岐検索で欠陥エントリがとぎれるところ、すなわちホストから指定された論理アドレスの欠陥セクタを読み飛ばし、指定された論理アドレスから前記欠陥情報を考慮した
    る物理アドレスを返すことを特徴とした光ディスク装置。
  2. 光ディスクの所定の領域に記録されている欠陥情報を読み出す読み出し手段と、
    前記読み出し手段により読み出された欠陥情報を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段により記憶された欠陥情報を用いて、指定された論理アドレスを物理アドレスに変換する制御を行う制御手段とを備え、
    前記記憶手段が、前記欠陥情報の欠陥物理アドレスの連続情報、すなわち、それぞれの欠陥物理アドレスから連続して続く欠陥物理アドレスの数を付加することと、
    前記制御手段が、前記欠陥情報の欠陥物理アドレスと指定された論理アドレスから欠陥セクタを考慮せずに物理アドレスに変換した時の期待値と一致しない時はその物理アドレスを返して終了し、一致した時は前記連続情報を用いて、連続した数分加算した物理アドレスを返すことを特徴とした光ディスク装置。
  3. 光ディスクの所定の領域に記録されている欠陥情報を読み出す読み出し手段と、
    前記読み出し手段により読み出された欠陥情報を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段により記憶された欠陥情報を用いて、指定された論理アドレスを物理アドレスに変換する制御を行う制御手段とを備え、
    前記記憶手段が、前記欠陥情報の欠陥物理アドレスの連続数情報、すなわち、それぞれの欠陥物理アドレスから連続して続く欠陥物理アドレスの数が、所定のサイズを超えた時は最大サイズを連続数情報として付加し、
    前記制御手段が前記欠陥情報の欠陥物理アドレスと指定された論理アドレスから物理アドレスに変換した時の期待値と一致しない時は、その物理アドレスの期待値を返して終了し、一致した時は前記連続数情報を用いて、連続数情報分加算した物理アドレスの期待値と、連続数情報分先の前記欠陥情報の欠陥物理アドレスとの比較を連続数情報が0になるまで繰り返し、一致しなくなったときの物理アドレスの期待値を返すことを特徴とした光ディスク装置。
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