JP3881768B2 - 焼結機冷却装置におけるダスト排出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、焼結機冷却装置における焼結クーラーの内部に設置されている空冷時に発生する焼結ダスト排出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図2は、一般的な焼結機の全体工程概略図である。この図2に示すように、焼結機1において、無端状に連結された焼結パレット2の左端から焼結用原料が焼結パレット2に装入され、点火炉(図示せず)で焼結用原料の表層に着火され、焼結機の下部から吸引され、1つのパレットは時間の経過と共に図の右側へ移動し、焼結機出側搬送装置3に搬送される間に焼成が完了し排鉱される。この排鉱時に篩上を通過し、この通過する時に微粒の焼結鉱は回収され、再び焼結用原料として利用される。この篩上を通過した成品焼結鉱は高温であるために、ベルトコンベアで搬送可能な温度となるように焼結クーラー4で空冷される。
【0003】
この場合に、焼結機出側搬送装置3での篩上を転がってきた成品焼結鉱は、焼結クーラーにおいて、トラフに装入され、3/4回転して焼結クーラー出口搬送装置7の位置に来た時に冷却が完了し成品焼結輸送コンベア8に移され、高炉へ搬送される。一方、前述したトラフの下には、装入や装入後クーラー内を冷却されながら搬送されている時に粉化した微粒の焼結ダストを回収しクーラー外へ排出するための焼結クーラーダスト搬送装置5が円形焼結クーラー全領域をカバーできるように設置され、焼結ダストは、焼結クーラーダスト出口6より排出されるように構成されている。
【0004】
図3は従来の焼結クーラーの排鉱部の詳細図であり、図4は同従来の焼結冷却装置の排鉱部の平面図、図4(A)はA−A断面図、図4(B)はB−B断面図である。図3及び図4に示すように、円形状に構築されたクーラー本体フレーム9の上部、トラフ台車駆動装置10を介して円形状のフレーム9に敷設されたガイドレール11に沿って円周上に走行するトラフ台車12を設置する。そして、このトラフ台車12には焼結鉱の供給手段から供給槽14を介して所定量の焼結鉱を順次供給し、トラフ台車12がフレーム9上を走行中に、送風機13からトラフ台車12の底部から冷却風を焼結鉱に吹き付けて冷却する。
【0005】
移動するトラフ台車12上で冷却された焼結鉱はガイドレール11に沿って1周する間に冷却されて供給槽13の側部に設置された排鉱槽15から排出される。この排鉱槽15の下部にはトラフ台車12の移動軌跡と同様に移動可能なパンコンベア17が設置されている。なお、符号16はトラフ台車昇降用軌条であり、18は風箱、19は煙突、20は二重箱式気密を有するクーラー下部ダスト排出弁である。
【0006】
図5は、従来一般に使用されている焼結鉱冷却装置の全体断面図である。焼結鉱21はフード22によって包囲された状態で、前述したように円形状に構築されたフレームの上部に駆動装置を介して円形状のフレームに敷設されたガイドレールに沿って円周上に走行するトラフ台車を設置されたトラフ台車上には焼結鉱を供給槽を介して所定量の焼結鉱を順次供給し、トラフ台車がフレーム上を走行中に送風機(図示せず)から冷却用空気の入口ダクト25を介して底部が桟状に構成されている風箱18の底部から冷却風を焼結鉱21に吹き付けて冷却する。
【0007】
この場合に、移動するトラフ台車上で冷却風により冷却された焼結鉱21のうち、小さい焼結鉱や粉状となった焼結鉱は前記トラフ台車の桟状に構成されている風箱18の底部から下方に落下するため、この小塊焼結鉱や粉状焼結鉱は冷却用空気の風箱18に堆積するクーラーダスト27としてクーラー下部ダスト排出弁20を介して風箱18より排出され、クーラーダスト運搬用トロッコ26上に排鉱されたクーラーダスト28として排出される。いわゆる、排出運搬手段がトロッコで、ダスト排出弁20直下に敷設された円形状の軌道敷上を移動可能となっており、複数個存在する風箱から順次クーラーダストを受け、円周上のある個所で排出されるように構成されている。なお、符号29はクーラートラフであり、23はクーラートラフの車輪、24はクーラートラフのレールである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述したトロッコ式のダスト回収・搬送装置では、ダストの受け皿であるトロッコが開放型であるために、クーラーダスト運搬用トロッコの下にダストが徐々に堆積し、トロッコの移動に支障を来たすという問題がある。さらに、トロッコの運搬は人力で行っており、ピット内という悪環境での重筋作業となっている。そこでこの問題を解消するため、図6のような改良型が提案されている。すなわち、図6は従来の改良型の焼結鉱冷却装置の全体断面図である。この図に示すように、焼結鉱冷却装置の全体は図5と同じであるが、図5の場合のトロッコ型のものに変えて、ベルトコンベアにした改良型焼結鉱冷却装置である。しかし、ベルトコンベア方式にしたものの、図5のトロッコ型のものと基本的には変わらない開放型であるために、クーラーダスト運搬用ベルト33の下にもれ出したダスト32が徐々に堆積し、クーラーダスト運搬用ベルトコンベアの作動不良が発生したりし、そのために図5に示すトロッコ式と同様にクーラーを停止させ、人力で清掃しなくてはならず、非常に非効率的であるという問題がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述したような問題を解消するために、発明者らは鋭意工夫を重ねた結果、従来のダストの受け皿であるクーラーダスト運搬用トロッコやクーラーダスト運搬用ベルトが開放型によって起因する問題であることから、これを密閉型のダスト排出装置にすることで解決した、焼結機冷却装置における焼結クーラーの内部に設置されている空冷時に発生する焼結ダスト排出装置を提供するものである。
【0010】
その発明の要旨とするところは、焼結機冷却装置におけるクーラー下部ダクト搬出弁とクーラーダスト運搬用トラフ型コンベア本体をクーラーダスト運搬用トラフ型コンベアカバーによって一体に構成し、該クーラーダスト運搬用トラフ型コンベア本体の下部のクーラーダスト運搬用トラフ型コンベア架台にクーラーダスト運搬用トラフ型コンベア振動装置を配設し、該クーラーダスト運搬用トラフ型コンベア架台の下部にはクーラーダスト運搬用トラフ型コンベアスプリングを設けると共に、振動装置による振動により偏心運動を起こさせ、クーラーダストを一方向に移動させながら、該クーラーダストをクーラーダスト排出口に移動させて、クーラー外に排出させることを特徴とする焼結機冷却装置におけるダスト排出装置にある。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について図面に従って詳細に説明する。
図1は本発明に係る焼結鉱冷却装置の全体断面図である。図1に示すように、移動するトラフ台車上で冷却風により冷却された焼結鉱は前述したように、小さい焼結鉱や粉状となった焼結鉱は前記トラフ台車の桟状に構成されている風箱18の底部から下方に落下するため、この小塊焼結鉱や粉状焼結鉱は冷却用空気の風箱18に堆積するクーラーダスト27としてクーラー下部ダスト排出弁20を介して風箱18より排出され、クーラーダスト運搬用トラフ型コンベアカバー36によって構成されたクーラーダスト運搬用トラフ型コンベア本体37の下部にクーラーダスト28として排出される。
【0012】
この場合に、クーラーダスト運搬用トラフ型コンベア本体37はクーラーダスト運搬用トラフ型コンベアカバー36によって、クーラー下部ダスト排出弁20と一体に構成されているために、クーラーダストは一切外部に漏れることがない。また、クーラーダスト運搬用トラフ型コンベア本体は、下部においてクーラーダスト運搬用トラフ型コンベア架台38に設置され、このクーラーダスト運搬用トラフ型コンベア架台38にはクーラーダスト運搬用トラフ型コンベア振動装置35を配設すると共に、このクーラーダスト運搬用トラフ型コンベア架台38の下部にはクーラーダスト運搬用トラフ型コンベアスプリング34を設けて、振動装置35による振動によりクーラーダスト運搬用トラフ型コンベア本体37に偏心運動を起こさせ、クーラーダスト運搬用トラフ型コンベア本体37の下部のクーラーダストを一方向に移動させながら、このクーラーダスト28をクーラーダスト排出口に移動させて、クーラー外に排出させるように構成されている。
【0013】
このように構成することにより、従来における開放型のクーラーダスト装置に比べて、コンベアカバーによって、クーラー下部ダスト排出弁からコンベア本体、コンベア架台、コンベアスプリング、およびコンベア振動装置からなるクーラーダスト排出装置を一体に構成した密封型のクーラーダスト装置によって、焼結ダスト貯留ホッパー内のダストが排出装置外には漏れることはなく、その漏れによるダスト堆積による、設備的なトラブル等の発生が無になった。
【0014】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明にような焼結クーラー下部のダスト排出構造にすることにより、焼結ダスト貯留ホッパー内のダストがクーラーダスト排出口外に溢れず、クーラーダスト運搬用ベルトコンベア等にダストが堆積し、クーラーダスト運搬用ベルトコンベアの作動不良が発生したり、そのためにクーラーを停止させるという設備トラブルが解消され、かつ作業環境の改善に大きく効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る焼結鉱冷却装置の全体断面図である。
【図2】一般的な焼結機の全体工程概略図である。
【図3】従来の焼結クーラーの排鉱部の詳細図である。
【図4】従来の焼結冷却装置の排鉱部の平面図である。
【図5】従来一般に使用されている焼結鉱冷却装置の全体断面図である。
【図6】従来の改良型の焼結鉱冷却装置の全体断面図である。
【符号の説明】
1 焼結機
2 焼結パレット
3 焼結機出側搬送装置
4 焼結クーラー
5 焼結クーラーダスト搬送装置
6 焼結クーラーダスト出口
7 焼結クーラー出口搬送装置
8 成品焼結輸送コンベア
9 クーラー本体フレーム
10 トラフ台車駆動装置
11 ガイドレール
12 トラフ台車
13 送風機
14 供給槽
15 排鉱槽
16 トラフ台車昇降用軌条
17 パンコンベア
18 風箱
19 煙突
20 クーラー下部ダスト排出弁
21 焼結鉱
22 フード
23 クーラートラフの車輪
24 クーラートラフのレール
25 冷却用空気の入口ダクト
26 クーラーダスト運搬用トロッコ
27 冷却用空気の風箱に堆積するクーラーダスト
28 運搬用トロッコに排鉱されたクーラーダスト
29 クーラートラフ
30 クーラーダスト運搬用コンベアプーリー
31 クーラーダスト運搬用コンベアプーリー受台
32 もれ出したダスト
33 クーラーダスト運搬用ベルト
34 クーラーダスト運搬用トラフ型コンベアスプリング
35 クーラーダスト運搬用トラフ型コンベア振動装置
36 クーラーダスト運搬用トラフ型コンベアカバー
37 クーラーダスト運搬用トラフ型コンベア本体
38 クーラーダスト運搬用トラフ型コンベア架台

Claims (1)

  1. 焼結機冷却装置におけるクーラー下部ダクト搬出弁とクーラーダスト運搬用トラフ型コンベア本体をクーラーダスト運搬用トラフ型コンベアカバーによって一体に構成し、該クーラーダスト運搬用トラフ型コンベア本体の下部のクーラーダスト運搬用トラフ型コンベア架台にクーラーダスト運搬用トラフ型コンベア振動装置を配設し、該クーラーダスト運搬用トラフ型コンベア架台の下部にはクーラーダスト運搬用トラフ型コンベアスプリングを設けると共に、振動装置による振動により偏心運動を起こさせ、クーラーダストを一方向に移動させながら、該クーラーダストをクーラーダスト排出口に移動させて、クーラー外に排出させることを特徴とする焼結機冷却装置におけるダスト排出装置。
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