JP3881171B2 - 非ストレート状リブパターンの形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は基板上に、低融点ガラス等のリブ材層を研削加工して非ストレート状の隔壁パターンを形成する方法に関する。特にPDP(プラズマディスプレイパネル)においてガラス等の基板上にブラスト性を有する低融点ガラス層を形成し、耐ブラスト性を有する保護マスク層を設けて、これを例えば光、UV、EB等の硬化法やケミカルエッチング法を用いてパターン化し、このパターンの表面側からブラスト加工を行い非ストレート状の隔壁パターンを形成する際に、被加工物底部のガラス等からなる基板、あるいはこの基板上にあらかじめ設置された電極材(電極又は電極とその保護層)の表面性状を損なうことなく効率よく研磨し得る非ストレート状リブパターンの形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、PDPの背面基板における隔壁製造工程ではサンドブラスト法が広く採用されている。この方法は、通常、電極が設けられたガラス等の基板上にブラスト性を有する厚さ1mm以下の低融点ガラス層を形成し、ストライプタイプ等のストレート状のパターンに一定の深さまで研削する。この場合、耐ブラスト性を有するマスク材を該低融点ガラス層上面に形成し、マスキングされた下部の低融点ガラス層にそのマスキング側から研磨材を噴射してブラスト加工することにより、残された部分が隔壁として形成される。
【0003】
研磨材粒子としては、通常、カーボランダム、ガラスビーズ、アランダム、コランダム等が使用されている。これらの硬度は、被加工物より同等かそれ以上である。また、粒子形状としては、球形もしくは球形に近い物が使用されている。
【0004】
研磨材粒子形状として球形もしくは球形に近い物が使用される利点としては、流動性が良く、研磨材の摩損が少ないことにある。
【0005】
一方、研磨材粒子形状が、球形あるいは球形に近い形状であることによる欠点としては、粒子1個あたりに存在する凸部が少ないため加工速度が遅いこと、及び球の曲率相当分までしか研磨出来ないため、溝や溝の隅部の加工が精度良く効率的にできないことである。この欠点を改善するため、球形あるいは球形に近い形状の研磨材で通常使用の研磨剤より粒径の小さなものを使用すると、研磨材粒子の曲率は小さくなるので微細な部分まで加工が可能となる。しかし、個々の研磨材粒子の質量が小さいため、該粒子が研磨面に衝突したときに発生する衝撃力が小さくなるので研磨力そのものが減少し効率が低下する。
また、粒子形状が球形もしくはそれに近い物であることから、ある程度研磨が進み溝が掘成された状態の際に研磨材粒子が被研磨物の溝底部ではねかえって溝壁面に衝突したりするため隔壁形状が一定になりにくいという問題もある。さらに研磨材粒子自身が破損すると不規則な形状の突起部が発生し、この突起部が該被研磨面に大きな傷をつけるといった弊害がある。これは、研磨材のモース硬度が被研磨面である底部の基板部より大きいためである。
【0006】
これを解決する試みとして、通常使用の研磨材とより微細な粒径の研磨材とを組み合わせて粒度調整した研磨材が提案されているが、研磨中には微細な粒子径の研磨材の混合比率が一定とならないために、溝やその溝底部で十分に研磨されていない部分が残ったり、また、逆に過度に研磨されたりし、いわゆる研磨むらが生じやすいという問題がある。
【0007】
また、研磨材を繰り返し使用することにより生じる偏析も、微細な粒子径の研磨材の混合比率の変動が大きくなるので、研磨加工精度のバラツキの原因となる。さらには、微細な粒径の研磨材は、前術した如く、個々の粒子の質量が小さいため研削力が小さく効率が悪くなる。
【0008】
また、最近では、発光効率の改善を考えた、様々な隔壁パターンが考案され、ストレート状の前記ストライプタイプの他に、デルタ構造である蛇行型リブ(ミアンダリブ)、ワッフル状リブ、またストライプ状であっても蛍光体の輝度の低い青色はその他の色に比べ溝幅が広くなるような非ストレート状のパターンも提案されている。特に隔壁パターンがデルタ構造のミアンダリブにおいては表示面積がストレート状のストライプタイプより大きくとれるという利点があるが、隔壁が六角形のセルを囲む部分と、各々のセルを連結する狭いチャネル部分との連続繰り返し構造という複雑な形状となるので、該ストライプ状の隔壁形成に比べて加工するのが難しい。サンドブラスト法においてこれら複雑な隔壁パターンを効率よく形成することが求められている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、その課題は上記問題点を解消し、特に非ストレート状の様々な形状の隔壁パターンを有するPDPの隔壁形成加工において好適に使用され、被加工物底部表面の性状を損なうことなく、効率良く、精度良く隔壁を形成しうる非ストレート状リブパターンの形成方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討した結果、複雑な隔壁成形パターンを形成する際には、加工しようとする隔壁間の最小研削溝幅と被加工物の材質に応じて、研磨材の形状、モース硬度、最大粒子径、平均粒子径、比重、粒度分布構成のシャープネス、更には、安息角等を制御することにより、上記目的を達成し得ることを見出し、本発明に到達した。
【0011】
すなわち、本発明は、プラズマディスプレイパネルに研削部の溝幅が場所によって異なるような非ストレート状のリブパターンをブラスト加工により形成するに際し、下記式(1)〜(6)を共に満足する無機粒子粉体からなる研磨材を用いることを特徴とする非ストレート状リブパターンの形成方法を内容とする(請求項1)。
10≦A≦0.9C (1)
0.03C≦B≦0.6C (2)
1≦D≦25 但し、D=d90/d10 (3)
E2−3.5≦E1≦E2−0.5 (4)
1≦F≦6 (5)
30≦G≦95 (6)
但し、
A:研磨材の最大粒子径(μm)
B:研磨材の平均粒子径(μm)
C:隔壁間の最小溝幅(μm)
D:研磨材のシャープネス係数
d90:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計により測定した粒子の篩通過側累積90%径(μm)
d10:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布径により測定した粒子の篩通過側累積10%径(μm)
E1:研磨材のモース硬度
E2:基板又は電極のいずれか低い方のモース硬度
F:比重
G:粒子の不定形を示す指数(%)で、粒子投影面積の外接円に対する面積率を示す。
【0012】
好ましい態様として、注入法による安息角が60度以下である研磨材を用いる請求項1記載の非ストレート状リブパターンの形成方法である(請求項2)。
【0013】
好ましい態様として、無機粒子粉体に0.01〜5重量%の疎水性を付与する物質で表面処理した研磨材を用いる請求項1又は2記載の非ストレート状リブパターンの形成方法である(請求項3)。
【0014】
好ましい態様として、流動性助剤を無機粒子粉体に対し0.01〜5重量%添加した研磨材を用いる請求項1〜3のいずれか1項に記載の非ストレート状リブパターンの形成方法である(請求項4)。
【0015】
好ましい態様として、背面基板の隔壁構造がハニカム形状である隔壁の研削加工に用いる請求項1〜4のいずれか1項に記載の非ストレート状リブパターンの形成方法である(請求項5)。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において、非ストレート状のリブパターンとは、研削部の溝幅が一様ではなく、場所によって異なるようなリブパターンを指称し、例えば、蛇行型リブ(ミアングリブ)、ワッフル状リブ、溝幅の異なるストライプ状リブ等が含まれる。
サンドブラスト法を用いてPDPの背面基板上に、例えばミアンダリブのような蛇行形状の隔壁パターンを形成するには、該隔壁間の最小溝幅Cに応じて、好ましい最大粒子径が存在する。すなわち、本発明の非ストレート状リブパターンの形成方法は、最大粒子径A(μm)が隔壁間最小溝幅C(μm)との関係において下記式(1)、好ましくは下記式(7)、更に好ましくは下記式(8)を満足するように無機粒子粉体からなる研磨材を選定することが必要である。
【0017】
10≦A≦0.9C (1)
11≦A≦0.8C (7)
12≦A≦0.7C (8)
【0018】
すなわち、研磨材である無機粒子粉体中の最大粒子径が0.9Cを越えると研削する溝幅より大きな粒子が存在する確率が高くなり、ある程度研削された溝に、大きな研磨材粒子が挟まり、その結果、粒子が挟まった下部の研削を妨げ、場合によっては隔壁の破損を生じさせ、加工精度および生産効率の低下を引き起こす。また、研磨材である無機粒子粉体の最大粒子径が10μmより小さくなると、無機粒子粉体の平均粒子径も極端に小さくなり、研磨材である無機粒子1個の研削能力が低下し、研削効率のよい研磨材が得られない。すなわち、上記構成とすることにより、隔壁の破損が防止され、隔壁の精度が著しく向上する。
【0019】
また、ブラスト加工における加工速度や研磨材の分散性には、当該研磨材の平均粒子径が関係する。この関係に加えて、ミアンダリブのような蛇行形状隔壁パターンの隔壁形成においては、隔壁間の最小溝幅に応じて好ましい平均粒子径が存在する。本発明では、研磨材の平均粒子径B(μm)は、隔壁間の最小溝幅(C)(μm)との関係において下記式(2)、好ましくは下記式(9)、更に好ましくは下記式(10)を満足するように選定する必要がある。
【0020】
0.03C≦B≦0.6C (2)
0.04C≦B≦0.5C (9)
0.05C≦B≦0.4C (10)
【0021】
すなわち、PDPのサンドブラスト法を用いた隔壁形成においては、隔壁間の最小溝幅に応じて、好ましい平均粒子径が存在するのである。平均粒子径が、0.6Cを越えた場合は、研磨材である無機粒子粉体の1個あたりの質量が増大し、粒子の1回の衝突における研削力も増大するが、その結果、被加工物底部であるガラス等からなる基板上に設けられた電極及び基板表面に損傷を与える危険率も大きくなる。さらには、最小溝幅部分より広い部分の研磨において研磨材及び研磨により粉砕されたリブ材の一部が最小溝幅部分を通って排出されるため最小溝幅部分の隔壁を側面から研磨してしまうという問題も発生する。また、平均粒子径が、0.03Cより小さいと研磨材である無機粒子粉体の1個当たりの質量小さくなり、粒子の1回の衝突における研削力も減少する。その結果、被加工物底部であるガラス等からなる基板上に設けられた電極及び基板表面に損傷を与える危険性は回避出来るが、研磨効率は著しく低下する。すなわち、上記の構成とすることにより、隔壁間の最小溝幅が小さくなっても、研磨効率を良好に保持することが出来る。
【0022】
PDPのサンドブラスト法を用いたミアンダリブのような蛇行形状である隔壁パターンにおける隔壁形成について、隔壁間の最小溝幅Cは、通常、主に50〜1000μmの範囲でブラスト加工されており、本発明でもこの範囲が好適である。
【0023】
本発明の非ストレート状リブパターンの形成方法においては、研磨材である無機粒子粉体のシャープネス係数Dは、特に加工精度に影響を及ぼす。研磨材である無機粒子粉体のDが1に近づくほど加工精度は向上する。
本発明でいう無機粒子粉体のシャープネス係数とは、下記式(3)で定義され、好ましくは下記式(11)、更に好ましくは下記式(12)を満足するように選定する必要がある。
1≦D≦25 但し、D=d90/d10 (3)
1≦D≦20 (11)
1≦D≦15 (12)
【0024】
すなわち、研磨材である無機粒子粉体のシャープネス係数Dが25を超えると研磨材である無機粒子粉体の粒度分布がブロードになり、例えば、最大粒子径が一定の場合は平均粒子径が小さくなり、平均粒子径が一定の場合は最大粒子径が大きくなるので、加工効率、加工精度の何れかが極端に低下する。すなわち上記構成とすることにより、加工精度、加工効率にすぐれた研磨材が得られる。
【0025】
また、本発明の非ストレート状リブパターンの形成方法には、被加工物の底部を構成しているガラス等の基板のモース硬度(あるいはモース相当硬度)よりも低く、特定の範囲の硬度を有する研磨材を用いる。これにより、該基板上に設けられた被加工物である低融点ガラス層を効率良く、且つ精度良く研削でき、研削加工が底部に達しても、基板上に設けられた電極および基板自体の表面性状を損なうことのない研磨材が提供できるのである。本発明では研磨材である無機粒子のモース硬度(E1)は、下記式(5)、好ましくは下記式(13)、より好ましくは下記式(14)を満足するように選定する必要がある。但し、E2は基板又は電極いずれかの低い方のモース硬度(あるいはモース相当硬度)である。尚、本発明において、モース硬度は新モース硬度を意味する。
【0026】
E2−3.5≦E1≦E2−0.5 (5)
E2−3≦E1≦E2−1 (13)
E2−2.5≦E1≦E2−1.5 (14)
【0027】
すなわち、研磨材である無機粒子粉体のモース硬度がE2−0.5を越えると、該被加工物底部のガラス等からなる基板に、粒子の大きさに関わらず、損傷を与える。また、研磨材である無機粒子粉体のモース硬度がE2−3.5より小さいと、該被加工物底部のガラス等からなる基板を損なう危険性は少ないが、研磨材である無機粒子粉体の研削力が著しく低下する。すなわち上記構成とすることにより、研磨材の破砕が進行しても、該被加工物底部の基板上に設けられた電極および基板の表面性状を損なわずに加工速度の高い研磨財が得られる。
通常、該被加工物底部のガラス等からなる基板のモース硬度は5以上で、電極保護層として一般的に用いられる酸化マグネシウムのモース硬度は6〜7である。従って、この場合は、E2は5となるので、無機粒子のモース硬度(E1)は1.5≦E1≦4.5、好ましくは2≦E1≦4.5、より好ましくは2.5≦E1≦4.5となる。
【0028】
本発明の非ストレート状リブパターンの形成方法に用いる研磨材無機粒子は、その比重(F)が、下記式(5)、好ましくは下記式(15)を満足するように選定する。
【0029】
1≦F≦6 (5)
2≦F≦5 (15)
【0030】
すなわち、研磨材である無機粒子粉体の比重が6を超えると粒子1個のもつ運動エネルギーが増大し、該被加工物底部のガラス等からなる基板や電極に損傷を与えたり研磨材もしくは研磨材の破片が強く付着して除去困難になる可能性がある。また、研磨材である無機粒子粉体の比重が1より小さいと粒子一個の運動エネルギーが減少し、該被加工物底部のガラス等からなる基板や電極を損なう危険性は少なくなるが、研磨材である無機粒子粉体の研削力が著しく低下する。すなわち、上記構成とすることにより、該被加工物底部のガラス等からなる基板や電極の表面性状を損なうことなく、加工速度の高い研磨材が得られる。
【0031】
本発明の非ストレート状リブパターンの形成方法に用いる研磨材は、その個別粒子の不定形を示す指数Gが、ある範囲内にある場合にブラスト加工の加工速度及び加工精度が好適となる。本発明でいう不定形を示す指数とは、下記式(16)で定義されるように、粒子投影面積の外接円に対する面積率をいう。本発明ではGは、下記式(6)、好ましくは下記式(17)、より好ましくは下記式(18)を満足するように選定する必要がある。
【0032】
外接円に対する面積率(%)=
粒子の投影面積
─────────────×100 (16)
粒子投影面積の外接円の面積
30≦G≦95 (6)
35≦G≦90 (17)
40≦G≦85 (18)
【0033】
上記構成とすることにより、被研磨物の溝や、その隅部の加工が十分に且つ精度良くできる。
すなわち、不定形である研磨材粒子が被研磨面に衝突する際にある程度の塑性変形や破砕が起こり弾性反発が抑えられるため、研磨材粒子の被加工面からのはねかえりが球状の研磨材粒子に比べ低く抑えられ、溝の形状を精度良く安定して加工できるものと考えられる。
【0034】
また、上記構成とすることにより、研磨効率が高められる。この機構については必ずしも明らかではないが、本発明者は、不定形状の研磨材粒子の突起部が被研磨面に衝突する時には、球状の研磨材粒子の球面が被研磨面に衝突するときよりもはるかに大きな衝撃力が発生し、研磨が進行するのではないかと推測している。すなわち、不定形状の研磨材粒子の突起部は、その粒子径に比べて、1桁以上曲率は小さいが、球状の研磨材粒子のような球面の曲率は、粒子径と同じオーダーであるので、衝突部分の面積では2桁以上の差が生じる。質量がほぼ同じとすれば、被研磨面に及ぼす圧力も不定形状である研磨材粒子の突起部の方が2桁以上大きくなる。そして、研磨力も圧力に応じて大きくなることが実験により確認されているので、他の条件が同じなら不定形状の粒子のほうが球状の粒子より研磨力が強くあらわれるものと考えられる。
よって、不定形を示す指数Gが95%を越えると球状粒子に近く研磨効率が低下する。逆にGが30%未満となると、研磨効率が低下する。これは、その粒子形状が針状又は鱗片状をとり、粒子1個当たりの突起部分が減ることになり、研磨効率が低下するものと考えられる。
【0035】
本発明の非ストレート状リブパターンの形成方法では、粒子の注入法における安息角が60度以下となるように研磨材を選定することが好ましい。研磨材粒子の安息角が60度より大きくなると粉体としての流動性が悪くなり、研磨材供給タンク等からの抜き出しが悪くなる。また、サンドブラストマシン内での濃度むらを引き起こしやすくなる。これらは、研削精度に影響し、隔壁形成後の被加工物上への残留量も増加してくる。
【0036】
本発明において研磨材は、天然、合成のいずれの無機粒子粉体でもよく、また混合されたものでも何ら差し支えない。天然の無機粒子粉体としては、石灰石、重晶石、石膏、硬石膏、カリ明礬、明礬石、ストロンチアナイト、チタン鉄鉱物、硫酸礬土、天青石、石 墨、氷晶石、蛍石、ギブサイト、苦灰石、菱苦土鉱、ブルーサイト等が挙げられ、これらは単独で又は2種類以上組み合わせて用いられるが、中でもブラスト加工による電極へのダメージの低さ、研削効率の点で石灰石、重晶石、石膏が好ましい。また、合成の無機粒子粉体としては、カルシウムの炭酸塩、硫酸塩、フッ化物;バリウムの硫酸塩、塩化物;アルミニウムの硫酸塩、水酸化物;ストロンチウムの炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、塩化物、チタンの酸化物、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて用いられるが、中でもブラスト加工による電極へのダメージの低さ、研削効率の点で炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム等が特に好ましい。
【0037】
また、上記無機粒子粉体を研磨材として使用した場合、研磨材粒子が該被加工物へ付着する場合がある。付着の原因は、水分、静電気、ファンデルワールス力などあるが、一般的には水分の影響が大きい。水分による付着現象は、無機粒子粉体に疎水性を付与する物質により、0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜4重量%表面処理することにより改善することができるばかりでなく、さらには、副効果として研磨材自身の流動性の改善にも寄与する。
【0038】
表面処理に使用する物質としては、疎水性を付与するものであれば特に限定されることなく用いることができるが、具体的に例示すると、オレイン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリスチン酸イソトリデシル、パルミチン酸、ベヘニン酸、 ステアリン酸、イソステアリン酸等の脂肪酸;前記脂肪酸のアマイドおよびビスアマイド;ステアリルアルコール等の高級アルコールまたは分岐高級アルコール;一価アルコールの高級脂肪酸エステル、多価アルコールの高級脂肪酸エステル、モンタンワックスタイプの非常に長鎖のエステルまたはその部分加水分解物等の脂肪酸エステル系滑剤;ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムまたはその複合体等の金属石鹸系滑剤;C16 以上の流動パラフィン、マイクロクリスタンワックス、天然パラフィン、合成パラフィン、ポリオレフィンワックスおよびこれらの部分酸化物、フッ化物、塩化物などの脂肪族炭化水素系滑剤;シリコンオイル、大豆油、ヤシ油、パーム核油、アマニ油、ナタネ油、綿実油、キリ油、ヒマシ油、牛脂、スクワラン、ラノリン、硬化油等の油剤;HLBが9以下の界面活性剤、例えばN−アシルアミノ酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド等のカルボン酸塩;アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンおよびアルキルナフタレンスルホン酸塩、スルホンコハク酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルスルホン酸塩等のスルホン酸塩;硫酸化油、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアリルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩等の硫酸エステル塩;アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩等のリン酸エステル塩等の陰イオン界面活性剤;脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等の陽イオン界面活性剤;カルボキシベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン、レシチン等の両性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、アルキルフェノールホルマリン縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油および硬化ひまし油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルアミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキサイド等の非イオン界面活性剤;フッ素系界面活性剤;ポリオキシエチレンアリルグリシジルノニルフェニルエーテル等の反応系界面活性剤等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。中でも安価なステアリン酸が好ましい。
【0039】
さらに、研磨材である無機粒子粉体に、流動性助剤として、無機粒子粉体の平均粒子径の1/10以下の平均粒子径からなり、BET比表面積が10〜800m2 /gの微粒子粉体を添加混合することにより、ブラストマシン内における流動性、ブラスト加工時における無機粒子粉体の分散性を向上させ、加えて、ブラスト加工終了時における該被加工物上への無機粒子粉体の残留性を低減せしめることができる。流動性助剤の添加量は、無機粒子粉体に対して0.01〜5重量%の範囲が好ましく、特に0.1〜4%がより好ましい。
流動性助剤を具体的に例示すると、タルク、無水珪酸、ベントナイト、カオリン、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、珪酸マグネシウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、コロイダルシリカ、珪藻土、ステアリン酸マグネシウム、溶融シリカ粉、ヒュームドシリカ、シリカ、コンスターチ、でん粉、珪酸カルシウム等の超微粉末が挙げられ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。中でも改善効果の高い点で無水珪酸とコロイダルシリカが好ましい。
【0040】
以上のように、本発明の特徴は、例えば、PDPパネルの隔壁形成工程におけるブラスト加工に際し、研磨材である無機粒子粉体の材質として該被加工物底部のガラス等から成る基板表面及び基板上に設けられた電極材よりモース硬度の低いものを選定し、目的とする加工ピッチに応じて最大粒子径、平均粒子径、粒子形状、比重を制御することにより、研磨効率および加工精度の高い非ストレート状リブパターンの形成方法を提供することにある。
【0041】
本発明の非ストレート状リブパターンの形成方法を用いてPDPの背面基板部に隔壁を形成する方法について説明すると、ガラス等の基板上に、多くの場合は電極及び電極保護層を設置し、その上に、厚み10〜1000μmからなるブラスト性を有する低融点ガラス層を形成し、更に低融点ガラス層の上に耐ブラスト性を持つ保護層を形成しする。さらには、この上部の保護層を光硬化法や化学的エッチング法等を組み合わせて加工し、非ストレート形状、例えば蛇行形状にマスクパターンを形成し、そのパターンの上から研磨材を噴射し、保護層の無い部分の低融点ガラス層を研削する。保護層の下で研削されずに残された部分が隔壁であるが、隔壁間の最小溝幅50〜1000μm、深さ10〜1000μm程度の範囲で微細な溝を該被加工物底部の電極およびガラス等からなる基板の表面に達するまで研削し隔壁を形成する。形成された溝部には蛍光体が塗布されるが、それに先だって電極及び電極保護層を形成しても良い。
【0042】
PDPは今後さらに高精細表示、高発光効率、高コントラスト等の特性が求められると予想され、それにともなって、隔壁パターンも精細にかつ複雑になると考えられる。本発明の非ストレート状リブパターンの形成方法を使用することによって、このような複雑な形状の隔壁パターンを、該被加工物底部のガラス等からなる基板あるいは基板上に設けられた電極材の表面性状を損なうことなく、精度良く安定的に形成できる。
【0043】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例を挙げて更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例、比較例により何ら制限を受ける物ではない。
尚、被研磨物として、下記の隔壁形成方法に従い、実験用のPDP背面パネルを使用し、研磨材の噴射圧力、時間当たりの噴射重量を一定に調節して隔壁形成試験を行い、被加工物底部のガラス基盤の表面性状および隔壁形状を観察した。
【0044】
隔壁形成方法:
(A)実験用PDP背面パネルの製造:
ソーダライムガラス基板上に、電極を形成(電極表面は酸化マグネシウム層で保護)し、その上に低融点ガラスペーストをコーターで塗布し乾燥後、その表面に耐ブラスト性を有するマスク材で隔壁間最小溝幅が70μmである蛇行形状いわゆるミアンダリブの隔壁パターンを形成した。
【0045】
(B)ブラスト加工:
上記の如く製造した実験用PDP背面パネルを使用し、下記の実施例1〜8、 比較例1〜7の各種研磨材による研削実験を行った。加工条件を下記の通りに設定し、各種研磨材の隔壁形成時間を測定し、研磨精度および効率を測定した。 噴射ノズル口径:10mm
研磨材噴射圧力:3.0kg/cm2 (290KPa)
研磨材噴射量:100g/min
パネルまでの距離:10cm
電極保護層とした酸化マグネシウム(MgO)のモース硬度:6〜7
ソーダガラスのモース硬度:5
【0046】
表1に研磨材である無機粒子粉体の組成及び隔壁形成試験の結果を示す。
尚、表1中の研磨材粒子の特性の測定方法及び評価は下記の方法で行った。
【0047】
研磨材である無機粒子粉体の最大粒子径、平均粒子径は、日機装株式会社マイクロトラックFRAを使用して測定した。
【0048】
不定形を示す指数は、電子顕微鏡写真に写った粒子をランダムに20点選択して測定した値の平均値を算出した。
【0049】
研磨効率の評価としては、同噴射圧力による各研磨材の切削速度(秒)を計測した。
【0050】
表面性状の観察は、電子顕微鏡を用いて、研磨後のPDP背面パネルの溝底部の傷、溝やその隅部の加工形状について目視観察を行い、下記基準により評価した。
良好:傷がなく、溝の隅部の加工形状が少しも丸みを帯びていない。
やや不良:少し傷がある、及び/又は、溝の隅部の加工形状が少し丸みを帯びている。
不良:多くの傷がある、及び/又は、溝の隅部の加工形状が丸みを帯びている。
不能:加工による隔壁形成ができない。
【0051】
実施例1
白色糖晶質石灰石を粉砕、分級し、モース硬度3、比重2.7、最大粒子径62.2μm、平均粒子径19μm、シャープネス係数2.9、不定形を示す指数61%の重質炭酸カルシウムを製造し、これに疎水性付与物質としてステアリン酸(TST:ミヨシ油脂株式会社製)を重質炭酸カルシウム粒子粉体100重量部に対して0.4重量%添加し、さらに流動性助剤として、平均粒子径が0.03μmのホワイトカーボン(スターシル−S;神島化学株式会社)を重質炭酸カルシウム粒子粉体100重量部に対して0.6重量%添加し、ヘンシェルミキサーで加熱混合し、表面処理を行った。
【0052】
実施例2
白色糖晶質石灰石を粉砕、分級し、モース硬度3、比重2.7、最大粒子径52.3μm、平均粒子径14.33μm、シャープネス係数2.6、不定形を示す指数57%の重質炭酸カルシウムを製造し、これに疎水性付与物質としてステアリン酸(TST:ミヨシ油脂株式会社製)を重質炭酸カルシウム粒子粉体100重量部に対して0.3重量%添加し、さらに流動性助剤として、平均粒子径が0.03μmのホワイトカーボン(スターシル−S;神島化学株式会社)を重質炭酸カルシウム粒子粉体100重量部に対して0.7重量%添加し、ヘンシェルミキサーで加熱混合し、表面処理を行った。
【0053】
実施例3
白色糖晶質石灰石を粉砕、分級し、モース硬度3、比重2.7、最大粒子径44μm、平均粒子径10.6μm、シャープネス係数2、不定形を示す指数59%の重質炭酸カルシウムを製造し、これに疎水性付与物質としてステアリン酸(TST:ミヨシ油脂株式会社製)を重質炭酸カルシウム粒子粉体100重量部に対して0.8重量%添加し、さらに流動性助剤として、平均粒子径が0.03μmのホワイトカーボン(スターシル−S;神島化学株式会社)を重質炭酸カルシウム粒子粉体100重量部に対して0.2重量%添加し、ヘンシェルミキサーで加熱混合し、表面処理を行った。
【0054】
実施例4
緻密質石灰石を焙焼、消化、炭酸化し、不定形を示す指数95%のバテライト状炭酸カルシウムを製造し、これを実施例1で使用した不定形を示す指数61%の炭酸カルシウムと混合して、モース硬度3、比重2.7、最大粒子径62.2μm、平均粒子径25μm、シャープネス係数2.3、不定形を示す指数89%の炭酸カルシウを製造し、これに疎水性付与物質としてステアリン酸(TST;ミヨシ油脂製)を研磨材である炭酸カルシウム粒子粉体100重量部に対して0.6重量%添加し、さらに粒子径が0.03μmのホワイトカーボン(スターシル−S;神島化学株式会社製)を流動性助剤とし、炭酸カルシウム粒子粉体100重量部に対して1重量%添加し、ヘンシェルミキサーで加熱混合し、表面処理を行った。
【0055】
実施例5
大崎工業株式会社製重晶石を分級し、モース硬度3.5、比重4.3、最大粒子径37μm、平均粒子径8μm、シャープネス係数11.6、不定形を示す指数63%の重晶石を製造し、これに疎水性付与物質としてステアリン酸(TST;ミヨシ油脂製)を研磨材である硫酸バリウム粒子粉体100重量部に対して1重量%添加し、これに流動性助剤として、粒子径が0.03μmのホワイトカーボン(スターシル−S;神島化学株式会社製)を重晶石粒子粉体100重量部に対して2重量%添加し、ヘンシェルミキサーで加熱混合を行った。
【0056】
実施例6
大崎工業株式会社製重晶石を分級し、モース硬度3.5、比重4.3、最大粒子径26μm、平均粒子径5.8μm、シャープネス係数4.2、不定形を示す指数61%の重晶石を製造し、これに疎水性付与物質としてステアリン酸(TST;ミヨシ油脂株式会社製)を研磨材である硫酸バリウム粒子粉体100重量部に対して3重量%添加し、これに流動性助剤として、粒子径が0.03μmのホワイトカーボン(スターシル−S;神島化学株式会社製)を重晶石粒子粉体100重量部に対して5重量%添加し、ヘンシェルミキサーで加熱混合を行った。
【0057】
実施例7
ノリタケカンパニー(株)製石膏を分級し、モース硬度2、比重2.3、最大粒子径52.3μm、平均粒子径36μm、シャープネス係数2.1、不定形を示す指数52%の石膏を製造し、これに疎水性付与物質としてステアリン酸(TST:ミヨシ油脂株式会社製)を石膏粒子粉体100重量部に対して0.1重量%添加し、さらに流動性助剤として、粒子径が0.03μmのホワイトカーボン(スターシル−S;神島化学株式会社製)を石膏粒子粉体100重量部に対して0.5重量%添加し、ヘンシェルミキサーで加熱混合し、表面処理を行った。
【0058】
実施例8
ステラケミファ(株)製フッ化カルシウムを粉砕、分級し、モース硬度4、比重3.2、最大粒子径15.6μm、平均粒子径10.7μm、シャープネス係数1.5、不定形を示す指数62%のフッ化カルシウムを製造し、これに疎水性付与物質としてステアリン酸(TST:ミヨシ油脂株式会社製)を石膏粒子粉体100重量部に対して0.2重量%添加し、さらに流動性助剤として、粒子径が0.03μmのホワイトカーボン(スターシル−S;神島化学株式会社製)をフッ化カルシウム粒子粉体100重量部に対して0.1重量%添加し、ヘンシェルミキサーで加熱混合し、表面処理を行った。
【0059】
実施例9
ステラケミファ(株)製フッ化カルシウムを粉砕、分級し、モース硬度4、比重3.2、最大粒子径26μm、平均粒子径21μm、シャープネス係数1.3、不定形を示す指数66%のフッ化カルシウムを製造した。
【0060】
比較例1
白色糖晶質石灰石を粉砕、分級し、モース硬度3、比重2.7、最大粒子径52.3μm、平均粒子径2μm、シャープネス係数51、不定形を示す指数66%の重質炭酸カルシウムを製造した。
【0061】
比較例2
白色糖晶質石灰石を粉砕、分級し、モース硬度3、比重2.7、最大粒子径352μm、平均粒子径41μm、シャープネス係数13、不定形を示す指数54%の重質炭酸カルシウムを製造した。
【0062】
比較例3
緻密質石灰石を焙焼、消化、炭酸化し、モース硬度3、比重2.7、最大粒子径62.2μm、平均粒子径16.2μm、シャープネス係数23.1、不定形を示す指数22%のウイスカー状炭酸カルシウムを製造し、流動性助剤として、粒子径が0.03μmのホワイトカーボン(スターシル−S;神島化学株式会社製)をウイスカー状炭酸カルシウム粒子粉体100重量部に対して0.3重量%添加し、ヘンシェルミキサーで混合を行った。
【0063】
比較例4
タルク(SP−50A;富士タルク工業株式会社製)を分級し、モース硬度1、比重2.7、最大粒子径62.2μm、平均粒子径25.3μm、シャープネス係数6.6、不定形を示す指数33%のタルクを製造し、これに疎水性付与物質としてステアリン酸(TST:ミヨシ油脂株式会社製)を研磨材であるタルク粒子粉体100重量部に対して1重量%添加し、ヘンシェルミキサーで加熱混合し、表面処理を行った。
【0064】
比較例5
タルク(SP−50A;富士タルク工業株式会社製)を分級し、モース硬度1、比重2.7、最大粒子径26.2μm、平均粒子径1.8μm、シャープネス係数4.4、不定形を示す指数45%のタルクを製造し、これに流動性助剤として粒子径が0.03μmのホワイトカーボン(スターシル−S;神島化学株式会社製)を流動性助剤として研磨材であるタルク粒子粉体100重量部に対して1重量%添加し、ヘンシェルミキサーで混合を行った。
【0065】
比較例6
モース硬度6.5、比重2.5、最大粒子径62.2μm、平均粒子径33μm、シャープネス係数3、不定形を示す指数98%の株式会社ユニオン製ガラスビーズを使用し、これに疎水性付与物質としてステアリン酸(TST:ミヨシ油脂株式会社製)を研磨材であるガラスビーズ粒子100重量部に対して0.6重量%添加し、ヘンシェルミキサーで加熱混合し、表面処理を行った。
【0066】
比較例7
モース硬度9、比重3.2、最大粒子径37μm、平均粒子径25μm、シャープネス係数2.2、不定形を示す指数94%の昭和電工株式会社製の球状アルミナを使用した。
【0067】
【表1】
【0068】
(註)実施例の条件から計算された本発明での請求項1中の各条件式の値。
10≦A≦0.9C 即ち(10≦A≦63)
0.04C≦B≦0.6C 即ち(2.8≦B≦42)
50≦C≦800
30≦D≦95
E2−3.5≦E1≦E2−0.5 即ち(1.5≦E1≦4.5)
【0069】
表1の結果から明らかなように、実施例に代表される本発明の非ストレート状リブパタ ーンの形成方法は、被加工物の溝底部に傷の発生がなく、溝の隅部の加工性状が丸みを帯びず良好で、かつ、研削速度も速く短時間で研削できる。
【0070】
【発明の効果】
叙上のとおり、本発明の非ストレート状リブパターンの形成方法は、被加工物の表面性状を損なうことがなく、加工効率及び加工精度に優れ、PDPの背面基板に非ストレート状の複雑な形状、例えばミアンダリブのような隔壁パターンを形成するのに有用である。
Claims (5)
- プラズマディスプレイパネルに研削部の溝幅が場所によって異なるような非ストレート状のリブパターンをブラスト加工により形成するに際し、下記式(1)〜(6)を共に満足する無機粒子粉体からなる研磨材を用いることを特徴とする非ストレート状リブパターンの形成方法。
10≦A≦0.9C (1)
0.03C≦B≦0.6C (2)
1≦D≦25 但し、D=d90/d10 (3)
E2−3.5≦E1≦E2−0.5 (4)
1≦F≦6 (5)
30≦G≦95 (6)
但し、
A:研磨材の最大粒子径(μm)
B:研磨材の平均粒子径(μm)
C:隔壁間の最小溝幅(μm)
D:研磨材のシャープネス係数
d90:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計により測定した粒子の篩通過側累積90%径(μm)
d10:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布径により測定した粒子の篩通過側累積10%径(μm)
E1:研磨材のモース硬度
E2:基板又は基板表面に設けられた電極保護層(保護層が無い場合は電極)のいずれか低い方のモース硬度
F:比重
G:粒子の不定形を示す指数(%)で、粒子投影面積の外接円に対する面積率を示す。 - 注入法による安息角が60度以下である研磨材を用いる請求項1記載の非ストレート状リブパターンの形成方法。
- 無機粒子粉体に0.01〜5重量%の疎水性を付与する物質で表面処理した研磨材を用いる請求項1又は2記載の非ストレート状リブパターンの形成方法。
- 流動性助剤を無機粒子粉体に対し0.01〜5重量%添加した研磨材を用いる請求項1〜3のいずれか1項に記載の非ストレート状リブパターンの形成方法。
- 背面基板の隔壁構造がハニカム形状である隔壁の研削加工に用いる請求項1〜4のいずれか1項に記載の非ストレート状リブパターンの形成方法。
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