JP3880537B2 - 滑動及び擺動開閉する窓の構造 - Google Patents

滑動及び擺動開閉する窓の構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は滑動及び擺動開閉する窓の構造に係り、特に一側方が開放されたC型を呈する枠体からなる中枠の縦枠と横枠の結合個所に結合角度調整構造を設け、該C型中枠の縦枠と下横枠間が、本来であれば90度を呈して結合しているのに対し、本発明では使用前に90度よりやや大きな角度で外側に傾斜させて、使用時に該縦枠が内側に傾斜するトルクを打ち消すことにより、内窓がC型中枠内でスムーズに擺動開閉する窓の構造に関わる。
【0002】
【従来の技術】
公知における滑動及び擺動開閉する窓の構造においては、複数の内窓を含み、該内窓がそれぞれC型中枠上に枢設されており、C型中枠全部が更に外枠によって形成される軌道上に設置されていることで、窓全体が構成されている。
公知における技術では、該外枠内には二本の軌道が設けられており、該軌道上には左右それぞれに二枚ずつ対称を成して設けられた計四つの内窓と、それらを合わせた四つのC型中枠が設置されるタイプ、又は該外枠内には三本の軌道が設けられ、該軌道上には左右にそれぞれ三枚ずつ対称を成して設けられた計六つの内窓と、それに合わせた六つのC型中枠が設置されるタイプ、更には三本の軌道上に三枚のみのうち窓とそれに合わせた三つのC型中枠が設置されるタイプなどがある。
使用時には、各内窓を枢設したC型中枠が、軌道上を滑動して一定の位置で停止させ、該内窓を外側に擺動させて開け、該C型中枠が全て外枠の片側(三本の軌道の三枚式内窓の場合)或いは両側(二本の軌道の四枚式内窓の場合)に開けられた状態とし、更に各該C型中枠上の内窓をすべて外側に回転させ、窓全体を最も開いた状態とし、非常に広い視野が提供できるようになっている。
つまり該C型中枠の設計は、枢軸などによって擺動する内窓を載せて、外枠の軌道上で滑動するのであり、該C型中枠には四辺形の枠体からなる縦枠がその1辺が欠けたようにC型を呈していることより、全部のC型中枠を滑動させて外枠の片側或いは両側に開けると、各該C型中枠上の内窓が全部外側に擺動されることで開く構造となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上述のような公知の技術によると、実際の組み立て時に、該C型中枠にはC型の開口部を具有する、つまり縦枠が1本少ない構造を呈しているため、構造の強度がやや弱いことが弊害となり、C型中枠内に中窓を枢設した場合、中窓の枢軸はC型中枠の縦枠付近に位置し、内窓の重量により枢軸やC型中枠の縦枠に対し、相当なトルクが発生してしまう。よってC型中枠の縦枠が内側に傾き、内窓全体が傾くが、目下こういった欠点には素材の剛性によって対応するのみであり、内窓の枢軸から遠い縁(内窓における一般的な幅は80〜120cm)は、C型中枠の下横枠とぶつかって摩擦を起したり、ひどくなると窓が正常に開閉できないといった不具合も出てくる。
そこで上述の欠点に鑑み、C型中枠に設置された中窓の傾斜を防止し、スムーズに開閉が行えるよう、本発明の滑動及び擺動開閉する窓の構造を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
複数の内窓を、それぞれC型中枠上に枢設し、全部の該中枠を更に外枠の数本の軌道上に設置して窓全体を構成し、使用時には随時該C型中枠が該外枠の軌道上で滑動し、任意の位置で停止して内窓を外側に擺動し、全部の該C型中枠が該外枠の両側にまで開かれて各該C型中枠上の内窓が全部外側に擺動するべく、該C型中枠の縦枠と横枠の結合個所に角度調整構造を設け、該角度調整構造で該C型中枠の縦枠と下横枠間が、本来なら90度を呈しているところを、90度よりやや大きな斜度に傾斜している状態に調整し、該縦枠が該下横枠に対して外向きの斜度を提供し、使用時に該縦枠の外側への傾斜と、該内窓によって生ずるトルクとが平衡を保った状態にし、該C型中枠の縦枠と下横枠間が90度の結合状態となるようにする。
該角度調整構造においては、主に該C型中枠の縦枠を、内外二本の縦枠より構成し、該内縦枠を該外縦枠内に設置し、該内縦枠上には軌道方向に沿って平行な二本のタッピングねじ孔を設け、該タッピングねじ孔内にはそれぞれ止めねじを設け、止めねじの至端を該内縦枠の該ねじ孔内に螺設固定し、六角形の孔が設けられた各止めねじのもう片方の至端を、それぞれ該横枠上の穿孔に穿設し、これをナットで外から固定し、該横枠と内外立て枠とを固定してC型中枠とし、各止めねじの中間に設置された該ナットを該内縦枠と横枠との間にて定位し、該止めねじを回転させることで、該中間に設置されたナットの位置を移動させ、該ナットの移動により該下横枠が該立て枠に対して角度の変化をもたらし、角度を調整するものとする。
【0005】
【発明実施の形態】
図1に示すように、本発明の窓全体1は、主に二つの軌道と四枚の窓とに分けられる。更に詳細に説明すると、該窓全体1には複数の内窓10を含み、該各内窓10はそれぞれC型中枠20上に枢設されている。更にすべての該C型中枠20は、外枠30の上下軌道中に設置される。
【0006】
該外枠30内には、内外二本の軌道が設けられており、該内外軌道上にはそれぞれ左右に対称に開くように、該C型中枠20と内窓10とが設けられている。該対称に開くC型枠20aと20b、並びに内窓10aと10bにおいては、内側の軌道(室内側)に位置しており、もう二つの該C型中枠20cと20d、及び内窓10cと10dは外側の軌道(室外側)に位置している。
【0007】
また図2,3,4,5に示すように、該C型枠20aと20b、並びに内窓10aと10bの合さる部分には、防水装置40が設けられており、該防水装置40には、防水(風)片41と、防水シール42、或いは密閉ブロック43が設けられており、更に内側の軌道の該C型中枠20a,20bと、外側の軌道の該C型中枠20c,20dの接合個所には防水シール44が設けられており、こうして窓全体1が閉じられると、ある程度の気密さと水密さが提供される。
更に図6に示すように、該C型中枠20においては、上横枠21と下横枠22、並びに縦枠23より構成されるC型枠構造を呈しており、該C型の開口部には少なくとも支えが1本設けられている。よって該C型中枠20内に内窓10を枢設すると、該内窓10の重量が該縦枠23に掛かることでトルクが生じ、該縦枠23が内側(該C型の開口部側)に傾き、該縦枠23が内側に傾斜すると該内窓10は同時に傾斜し、該内窓10の外側(枢軸側)底部11が容易に該C型中枠20の下横枠22と接触し、スムーズに回転できないようになり、該C型中枠20が動かないようになる。
【0008】
該C型中枠20が使用中に内側に傾斜するといった問題を解決するには、図7,8,9に示すように、更に該C型中枠20の縦枠23の本来の設計を、内縦枠24と外縦枠25とに分けて構成し、該内縦枠24を該外縦枠25内に嵌設し、該内縦枠24上には軌道方向に沿って配列された第一ねじ孔241と第二ねじ孔242とを設ける。このとき、両該ねじ孔241,242は、タッピングねじ孔とし、該第一ねじ孔241が該内窓10に近い個所に設置されているものとする。また両該ねじ孔241,242の上下端内には、それぞれ止めねじ50,51が螺設固定されている。該止めねじ50,51の構成は、それぞれ至端501,502と至端511,512、並びにそれぞれの中間に設置されるナット503,513とより構成されており、該止めねじ50,51の至端501,511はそれぞれ該内縦枠24のねじ孔241,242内に螺設固定されており、該止めねじ50,51のもう一端の至端502,512には、六角孔52が設置されており、それぞれ両該横枠21,22の穿孔211,221を穿設しており、更にナット53,54で固定されて、両該横枠21,22と内外縦枠24,25を組み立てて、一般の90度で結合した状態のC型中枠20を構成している。こうして両該止めねじ50,51の中間に設けられたナット503,513は、該内縦枠24の上下横枠21,22の間にて定位されている。
【0009】
該内縦枠24の第一,第二ねじ孔241,242においては、該止めねじ50,51及びナット53,54により、C型中枠の角度調整構造を構成しており、該内窓10が上述の90度で結合するC型中枠20を一体にした後、該外枠30の上下軌道上に設置するが、角度調整構造により、該内外縦枠24,25と下横枠22間を結合させて角度の調整作業を行う。
該調整作業の操作は、該内窓10とC型中枠20を組み合わせたものを水平な台の上に置き、該下横枠20上の穿孔222から、ナット53,54を適度に緩め、六角ドライバーを利用して該止めねじ50の六角孔52で該止めねじ50を回転させ、止めねじ50の至端501を回転させることで該第一ねじ孔241から一定の距離を置くように離し、該中間に設置されるナット503を移動させ、該下横枠22を同方向に移動させる。
図11,12に示すように、該下横枠22に角度の変化が生じたら、結合が該縦枠24(25)と90度を呈していた状態から、90度よりやや大きい傾斜状態へと調整すると、外縦枠24(25)が該下横枠22に対して90度を超えた外向きの傾斜角度を呈する。調整後はナット53,54で固定する。
調整後の該C型中枠20は、該内窓10と一体となって直立した状態では、該下横枠22は水平な作業台(或いは該外枠30の軌道)上で水平状態を呈し、該縦枠24(25)は、調整後、外側に90度より大きい角度で傾斜するが、該内窓10によるトルクにより該縦枠24(25)が内側へ傾斜するため、この内側へ傾斜する斜度が、該調整後に外向きに傾斜した斜度と平衡関係を保ち、直立している該C型中枠20中、該立て枠24(25)と下横枠22間が再び本来の90度の直角を呈した結合状態に戻り、使用時は該内窓10が該C型中枠20内でスムーズに開閉することができるようになる。
【0010】
実際に組み立て及び調整を行う際、該止めねじ50は第一ねじ孔241より移動する距離が、該縦枠24(25)が該下横枠22の外向きの傾斜度を決定するのであり、予め該内窓10の重量やトルクの大きさを測っておく必要があり、これには目測、並びに該内窓10の外側(枢軸側)底部11と下横枠22間の隙間の計測、更に直立させた後の実際の隙間の比較などを行い、最も適切な外向きの傾斜度を算出することが含まれる。
【0011】
【発明の効果】
本発明によると、C型中枠の縦枠が内側に傾斜してしまうのを、簡単な角度調整構造を加えたことにより防止し、窓を枠内にてスムーズに開閉する目的が達成された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において、二本の軌道に四枚の窓を取り付けた状態を示す外観説明図である。
【図2】図1の断面図である。
【図3】図1中のC型中枠と内窓とが閉じた状態を示す説明図である。
【図4】図3のC型中枠と内窓とを分解した説明図である。
【図5】図4中の二つの内窓が、密閉された状態を示す図である。
【図6】本発明におけるC型中枠の外観説明図である。
【図7】本発明におけるC型中枠構造の分解説明図である。
【図8】図7中の内外縦枠が既に嵌設された状態における分解図である。
【図9】本発明におけるC型中枠調整前の正面局部断面図である。
【図10】図9におけるC型中枠調整後の局部断面図である。
【図11】図10の局部拡大説明図である。
【符号の説明】
1 窓全体
11 窓底部
10(10a,10b,10c,10d) 内窓
20(20a,20b,20c,20d) C型中枠
21 上横枠
211,221 穿孔
22 下横枠
222 穿孔
23 縦枠
24 内縦枠
241 第一ねじ孔
242 第二ねじ孔
25 外縦枠
30 外枠
40 防水装置
41 防水(風)片
42 防水シール
43 密閉ブロック
50 止めねじ
501,502 ねじ至端
503,513 ナット
51 止めねじ
511,512 ねじ至端
52 六角孔
53,54 ナット

Claims (1)

  1. 複数の内窓がそれぞれ枠体の1側が開放されてC型を呈するC型中枠のC型開口内に枢設され、これらの中枠が更に外枠によって構成される数本の軌道上に設置されて、
    使用時に各該内窓を枢設されたC型中枠が外枠の軌道上にて滑動し、且つ任意の位置で停止してこれらの内窓を外側に向かって押し開けられるよう、また全部の該C型中枠が滑動して該外枠の両側にまで開けられ、各該C型中枠上の内窓全部が外側に押し開けられ、窓全体が外枠以外の枠で視野を遮られず、幅の広い視野を提供するべく、窓全体が構成されている窓の構造において、
    該C型中枠を構成する縦枠と横枠の結合個所に結合角度調整構造を設け、
    該角度調整構造において、該 C 型中枠の縦枠を内外二本の中空構造の縦枠の入れ子構造として構成し、該内縦枠を該外縦枠内に嵌設し、該内縦枠端面には上記軌道方向に沿って配列させた、相互に平行な第一,第二タッピングねじ孔を設けると共にこれと結合する横枠にこれらと対応する穿孔を設け、
    中間位置にナットを嵌合した一対の止めねじの一端をそれぞれ該該第一,第二タッピングねじ孔内にねじ止めし、他端を横枠の穿孔に挿通して外側よりナット止めして縦枠と横枠を結合すると共に、該止めねじを回転させることにより中間位置のナットをストッパーとしてこれらの枠体に当接させることにより、一対の止めねじのねじ込む深さを変えて縦枠と横枠との結合する角度を調整し、
    該内窓と該 C 型中枠とを組み立てるとき、該C型中枠の縦枠と下の横枠との間では90度よりやや大きな角度で傾斜した状態に調整して、該縦枠が該下の横枠に対して外向きの斜度を生ずるようにし
    該縦枠が外向きの傾斜を呈した状態に予め調整することにより、該内窓が取り付けられていることによる縦枠に対するトルクと均衡させ、該縦枠が内側に傾斜することなく該内窓が該C型中枠内でスムーズに擺動可能としたことを特徴とする滑動及び擺動開閉する窓の構造。
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