JP3880304B2 - toner - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法、トナージェット方式などの画像形成方法において用いられるトナーに関し、形成された顕画像を記録材に加熱定着させる定着方式に供されるトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
トナーは、現像されるべき静電潜像の極性に応じて、正または負の電荷を有する必要がある。トナーに電荷を保有せしめるためには、トナー成分である樹脂の摩擦帯電性を利用することも出来るが、この方法ではトナーの帯電が安定しないので、濃度の立ち上がりが遅く、かぶり易い。そこで、所望の摩擦帯電性をトナーに付与するために帯電制御剤を添加することが行われている。
【0003】
今日、当該技術分野で知られている帯電制御剤としては、負摩擦帯電性帯電制御剤として、モノアゾ染料の金属錯塩、ヒドロキシカルボン酸、ジカルボン酸、芳香族ジオール等の金属錯塩、酸成分を含む樹脂等が知られている。正摩擦帯電性帯電制御剤として、ニグロシン染料、アジン染料、トリフェニルメタン系染顔料、4級アンモニウム塩、4級アンモニウム塩を側鎖に有するポリマー等が知られている。
【0004】
しかしながら、これらの帯電制御剤は、画像濃度とかぶりのバランスが取りにくい、高湿環境で、十分な画像濃度を得にくい、樹脂への分散性が悪い、保存安定性、定着性、耐オフセット性に悪影響を与えるという欠点を有しており、性能的に不十分なものが多い。
【0005】
従来、芳香族カルボン酸類の金属錯体・金属塩は、特開昭53−127726号公報、特開昭57−111541号公報、特開昭57−124357号公報、特開昭57−104940号公報、特開昭61−69073号公報、特開昭61−73963号公報、特開昭61−267058号公報、特開昭62−105156号公報、特開昭62−145255号公報、特開昭62−163061号公報、特開昭63−208865号公報、特開平3−276166号公報、特開平4−84141号公報、特開平8−160668号公報、特開平9−169919号公報を始めとして、いくつかの提案がなされている。しかしながら、これらの公報に提案されているのは、摩擦帯電付与という観点からはいずれも優れたものであるが、簡易な現像器構成で環境変動、経時、使用状況に関わらず、安定した現像性の得られるものは少ない。また、補給を繰り返し長期耐久時においても安定した現像性が得られるものも少ない。更に、他の原材料の影響があり、他の原材料への制約が発生するものも多い。
【0006】
また、特開平11−7164号公報に開示されているアモルファス状の金属錯塩は、トナー中での分散性、及び帯電性には優れたものであるが、比較的軟らかいために、トナーの長期の使用によって感光体にトナーが付着したりトナーの劣化が進んで現像性が徐々に低下する場合があった。
【0007】
以上のような全ての項目において満足するものは無いのが現状である。
【0008】
また、トナーに要求される性能のうち最も重要なものに、定着性能がある。定着工程に関しては、種々の方法や装置が開発されているが、現在最も一般的な方法は熱ローラーによる圧着加熱方式である。この加熱ローラーによる圧着加熱方式は、トナーに対し離型性を有する材料で表面を形成した熱ローラーの表面に被定着シートのトナー像面を加圧下で接触しながら通過せしめることにより定着を行うものである。この方法は熱ローラーの表面と被定着シートのトナー像とが加圧下で接触するため、トナー像を被定着シート上に融着する際の熱効率が極めて良好であり、迅速に定着を行うことができ、高速度電子写真複写機において非常に有効である。
【0009】
従来、定着ローラー表面にトナーを付着させない目的で、例えばローラー表面をトナーに対して離型性の優れた材料、シリコーンゴムやフッ素系樹脂などで形成し、さらにその表面にオフセット防止剤及びローラー表面の疲労を防止するためにシリコーンオイルの如き離型性の良い液体の薄膜でローラー表面を被覆することが行われている。しかしながら、この方法はトナーのオフセットを防止する点では有効であるが、オフセット防止用液体を供給するための装置が必要なため、定着装置が複雑になる等の問題点を有している。
【0010】
そこでシリコーンオイル供給装置などを用いないで、替わりにトナー中から加熱時にオフセット防止用液体を供給しようという考えから、トナー中に低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン等の離型剤を添加する方法が提案されている。充分な効果を出すために多量にこのような添加剤を加えると、感光体へのフィルミングやキャリアやスリーブなどのトナー担持体表面を汚染し、画像が劣化し実用上問題となる。そこで画像を劣化させない程度に少量の離型剤をトナー中に添加し、若干の離型性オイルの供給もしくはオフセットしたトナーを、巻き取り式の例えばウェッブの如き部材を用いた装置でクリーニングする装置を併用することが行われている。
【0011】
しかし最近の小型化、軽量化、高信頼性の要求を考慮するとこれらの補助的な装置すら除去することが好ましい。
【0012】
トナー中に離型剤としてワックスを含有させることは知られている。例えば、特開昭52−3304号公報、特開昭52−3305号公報、特開昭57−52574号公報等の技術が開示されている。
【0013】
これらのワックス類は、トナーの低温時や高温時の耐オフセット性の向上のために用いられている。しかしながら、これらの性能を向上させる反面、耐ブロッキング性を悪化させたり、現像性が悪化したりしていた。
【0014】
また、低温領域から高温領域にかけて、よりワックス添加の効果を発揮させるために2種類以上のワックスを含有するトナーとして、例えば特公昭52−3305号公報、特開昭58−215659号公報、特開昭62−100775号公報、特開平4−124676号公報、特開平4−299357号公報、特開平4一362953号公報、特開平5−197192号公報等の技術が開示されている。
【0015】
しかし、これらのトナーにおいても、すべての性能を満足しうるものはなく、何らかの問題点を生じていた。例えば、耐高温オフセット性や現像性は優れているが低温定着性が今一歩であったり、耐低温オフセット性や低温定着性には優れているが、耐ブロッキング性にやや劣り、現像性が低下するなどの弊害があったり、低温時と高温時の耐オフセット性が両立できなかったり、遊離ワックス成分によるトナーコート不均一の為にブロッチが発生し、画像欠陥を生じたり、画像上にカブリが生したりしていた。
【0016】
また、特開平8−278657号公報、特開平8−334919号公報、特開平8−334920号公報などには、低温定着性及び耐オフセット性に優れるトナーを得るために、2種類のワックス成分をトナーに含むことが提案されている。
【0017】
しかしながら、これらの離型剤を使ったトナーでは確かに低温定着性と高温オフセット性の幅は拡大するものの、各々のワックス成分をトナー中に均一に分散させることが困難であり、分散不良に伴うかぶりの増大や現像性の悪化を起こす場合があった。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、定着性及び非オフセット性のバランスに優れたトナーであり、かつ、いかなる環境下においてもかぶりの少ない高品質の画像を長期間に渡って得ることができるトナーを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討の結果、アゾ鉄化合物と、特定の性質を有するワックスとを用いることにより、トナーの帯電の立ち上がりの良さ、高帯電性、定着性、耐オフセット性を維持しつつ、高湿環境下で放置した場合にも高い帯電性をトナーに付与することができ、また、低湿環境下において帯電過剰となることのないトナーを得ることができることを見出した。
【0020】
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)重合体成分を有する結着樹脂とワックスと有機金属化合物とを少なくとも含有するトナーであって、前記有機金属化合物は、1以上のアルキル基と、鉄原子と結合可能な2個の水酸基を有するモノアゾ化合物より生成され得るアゾ鉄化合物であり、前記ワックスを前記結着樹脂100質量部に対して0.2〜20質量部含有し、且つ、前記ワックスは融点の異なる2種類のワックスを少なくとも含有することを特徴とするトナー。
(2)前記2種類のワックスの融点の差は10〜100℃であることを特徴とする(1)のトナー。
(3)重合体成分を有する結着樹脂とワックスと有機金属化合物とを少なくとも含有するトナーであって、前記有機金属化合物は、1以上のアルキル基と、鉄原子と結合可能な2個の水酸基を有するモノアゾ化合物より生成され得るアゾ鉄化合物であり、前記ワックスを前記結着樹脂100質量部に対して0.2〜20質量部含有し、且つ、前記ワックスは組成の異なる2種類のワックスを少なくとも含有することを特徴とするトナー。
(4)前記アゾ鉄化合物が結晶性であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかのトナー。
(5)前記モノアゾ化合物が下記一般式(a)、(b)、(c)のいずれかで表せることを特徴とする(1)〜(4)のトナー。
【外8】
【0021】
(式中R1〜R8はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基を表し、R1〜R8のうち少なくとも一つがアルキル基である。)
【外9】
【0022】
(式中R9〜R18はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基を表し、R9〜R18のうち少なくとも一つがアルキル基である。)
【外10】
【0023】
(式中R19〜R30はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基を表し、R19〜R30のうち少なくとも一つがアルキル基である。)
(6)前記モノアゾ化合物が炭素数4〜12のアルキル基を置換基として有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかのトナー。
(7)前記モノアゾ化合物が炭素数6〜10のアルキル基を置換基として有することを特徴とする(6)のトナー。
(8)前記モノアゾ化合物が炭素数4〜12の3級アルキル基を置換基として有することを特徴とする(6)のトナー。
(9)前記モノアゾ化合物が炭素数6〜10の3級アルキル基を置換基として有することを特徴とする(8)のトナー。
(10)前記アゾ鉄化合物は下記一般式(d)、(e)または(f)で表されることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかのトナー。
【外11】
【0024】
【外12】
【0025】
【外13】
【0026】
(式(d)、(e)、(f)中A、Bはそれぞれ独立してo−フェニレンまたは1,2−ナフチレンを表し、少なくともAまたはBのいずれかに1以上のアルキル基を有する。また、A、Bはそれぞれハロゲン原子を置換基としてさらに有していてもよい。Mはカチオンであり、水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、有機アンモニウムイオンを表す。)
(11)前記アゾ鉄化合物が前記結着樹脂100質量部に対し0.1〜10質量部含有されていることを特徴とする(1)〜(10)のいずれかのトナー。
(12)前記ワックスの25℃における針入度が10mm未満であることを特徴とする(1)〜(11)のいずれかのトナー。
(13)前記ワックスのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される数平均分子量がポリエチレン換算で、100乃至3000の範囲であることを特徴とする(1)〜(12)のいずれかのトナー。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、前記アゾ鉄化合物と、融点の相違している2種類のワックス、または、組成成分の相違している2種類のワックスを用いることにより、帯電の立ち上がりの良さ、高帯電性、定着性、耐オフセット性を保持しつつ、高湿環境の放置においても高い帯電性を有することができ、また、低湿環境においても帯電過剰となることのないトナーを得ることが出来ることを見出した。
【0028】
本発明で用いられるアゾ鉄化合物はトナー中での分散性が良好であり、トナーの帯電量分布を均一とすることができ、安定した帯電の立ち上がりや良好な現像性をトナーに付与することができる。本発明に使用するアゾ鉄化合物は、2種類以上の融点の異なるワックス、または、2種類以上の組成の異なるワックスと用いると、優れた効果が得られる。すなわち、上記のような2種類のワックスにより、トナーを可塑化する効果と離型作用を与える効果が程良く調整することが出来るようになり、可塑化されたトナー中にアゾ鉄化合物がよりよく分散されるようになるため、アゾ鉄化合物の帯電性に与える効果もより鮮明に発揮される様になるためである。
【0029】
また、本発明のアゾ鉄化合物は良好に分散されると、帯電能力が更に向上することができるが、しかしながら、一般にアゾ化合物は良好に分散されると離型性を低下させる様に作用させる場合があり、離型性を高度に保つためにはワックス成分により離型作用を補償することが好ましいためである。
【0030】
(1)アゾ鉄化合物
まず、本発明に用いられるアゾ鉄化合物について説明する。本発明に用いられるアゾ鉄化合物は、1以上のアルキル基と、鉄原子と結合可能な2個の水酸基を有するモノアゾ化合物より生成され得るアゾ鉄化合物である。このアゾ鉄化合物は上記モノアゾ化合物の各水酸基が鉄原子にそれぞれ配位した化合物であって、鉄錯体、鉄錯塩、あるいはこれらの混合物である。
【0031】
本発明で用いられるモノアゾ化合物は、上記式(a)、(b)、(c)で示される化合物であることが、帯電の立ち上がりや、画像濃度、カブリ、画質など現像性の安定を図るために好ましい。
【0032】
また、上記各モノアゾ化合物は、その分子中に少なくとも1つのアルキル基を置換基として有するものであれば、そのアルキル基の位置は特に限定されないが、上記式(b)においてR13〜R18の位置、更にはR15の位置にアルキル基を有することが、安定した帯電性をトナーに付与するという点から特に好ましい。
【0033】
上記モノアゾ化合物のうち、中でも炭素数4〜12のアルキル基を置換基として有するモノアゾ化合物が、高い帯電量を得、高画像濃度、忠実な潜像再現を得るために好ましい。炭素数4〜12のアルキル基を置換基として有するモノアゾ化合物は、アルキル基の作用によりトナー中の結着樹脂との相溶性がより向上し、トナーの帯電性が安定する。より好ましくは炭素数4〜12の3級炭素を有するアルキル基を置換基として有するモノアゾ化合物であり、更に好ましくは炭素数6〜10の3級炭素を有するアルキル基を置換基として有するモノアゾ化合物、最も好ましくは
【外14】
【0034】
を置換基として有するモノアゾ化合物であって、帯電保持能力が高まり、経時による変化がより小さくなり、また、トナー中でのより均一な分散が可能となり、トナーの帯電性がより均一なものとなる。また、アルキル基と共に、ハロゲン原子を置換基として1つ以上有していることも、化合物内の帯電分布を安定化させるという点において好ましい。
【0035】
このようなモノアゾ化合物は、ジアゾ化カップリング反応により得ることができる。
【0036】
また、本発明のアゾ鉄化合物は、結晶性であることが、トナーの長期の耐久使用時の現像性の低下を抑えられるという点において好ましい。アゾ鉄化合物が結晶性であることによって比較的硬くなり、長期の使用による劣化を抑えられる。また、硬いことによってトナー表面の摩擦帯電性も向上し、より高い現像性をトナーにもたらすことができる。従来、結晶性のアゾ鉄化合物をトナーに用いると、硬いために感光体を傷つけたりトナー粒子から脱落しやすい等の問題点があったが、本発明のアゾ鉄化合物はアルキル基を有しているのでトナー中で十分な分散性が得られ、アゾ鉄化合物のトナーからの脱落を抑制し、且つ、耐久使用時にトナー表面でのアゾ鉄化合物の露出度が増加することを抑えられるので、感光体に傷をつけることもない。
【0037】
また、上記のような2種類のワックスにより、トナーの可塑性と離型性をコントロールし、且つ、アゾ鉄化合物の脱落が抑制されているために、転写材定着後のトナー面接触部材、特に排紙部搬送コロ部材等への、CA剤起因のトナー汚染を防ぐことが可能となり、紙等の転写材への部材トナー跡等の画像弊害を防止することが可能となる。
【0038】
アゾ系鉄化合物が結晶性であることは、アゾ鉄化合物のX線回折スペクトルを分析することによって確認できる。X線回折スペクトルが結晶性であることを示すというのは、X線回折パターンが図1のように顕著な回折ピークを示すことと定義する。これは、2θ=5°乃至30°(θはブラッグ角)の範囲におけるアゾ鉄化合物のX線回折スペクトルについて複数のピークを有するものである。好ましくは、2θ=10°乃至25°(θはブラッグ角)の範囲におけるアゾ鉄化合物のX線回折スペクトルについて5°毎の範囲で1つ以上のピークを有するものである。複数の回折ピークが得られる場合、結晶化度が計算でき、多重ピーク分離法により算出した全体の強度の総計に対する結晶部分の強度の総計の比率(結晶化度)が50%を超えるものが好ましい。結晶性であることの効果は、結晶化度が大きいほど高く、より良い耐久性を得るためには、結晶化度が55%以上であることがより好ましく、更に60%以上が好ましい。
【0039】
アゾ鉄化合物が結晶性のものであるかどうかの確認は、例えば次の条件で測定することができる。
【0040】
例えば株式会社マックサイエンス社製のX線回折装置 MXP3システムにより、CuKα線によるX線回折スペクトルを測定する。そのX線回折スペクトルを2θ=5°乃至30°の範囲(θはブラッグ角)でスムージング処理したスペクトルを更に全体のスペクトルと結晶部分のスペクトルに分離する。その分離したチャートの各スペクトルについて2θ=5°乃至30°の範囲(θはブラッグ角)で結晶化度測定法により全体の強度の総計、及び結晶部分の強度の総計を求め、以下の式により結晶化度を算出する。
【0041】
結晶化度(%)=(結晶部分の強度の総計/全体の強度の総計)×100
以下に、本発明で好ましく用いられるモノアゾ化合物の具体例を挙げる。
【外15】
【0042】
【外16】
【0043】
【外17】
【0044】
【外18】
【0045】
【外19】
【0046】
【外20】
【0047】
【外21】
【0048】
【外22】
【0049】
【外23】
【0050】
【外24】
【0051】
【外25】
【0052】
【外26】
【0053】
【外27】
【0054】
【外28】
【0055】
【外29】
【0056】
【外30】
【0057】
【外31】
【0058】
【外32】
【0059】
【外33】
【0060】
【外34】
【0061】
【外35】
【0062】
【外36】
【0063】
【外37】
【0064】
【外38】
【0065】
【外39】
【0066】
【外40】
【0067】
【外41】
【0068】
【外42】
【0069】
【外43】
【0070】
【外44】
【0071】
【外45】
【0072】
【外46】
【0073】
【外47】
【0074】
【外48】
【0075】
【外49】
【0076】
【外50】
【0077】
【外51】
【0078】
本発明で用いられるアゾ鉄化合物は、鉄とモノアゾ化合物の反応生成物であって、上記モノアゾ化合物が鉄原子に配位したアゾ鉄化合物である。このアゾ鉄化合物は鉄錯体、鉄錯塩、あるいはこれらの混合物であり、上記一般式(d)、(e)、(f)等で表せるアゾ鉄化合物から選ばれるアゾ鉄化合物あるいはこれらの混合物である。
【0079】
本発明においては、アルキル基を有するモノアゾ化合物と鉄が反応していることによって、他の金属を用いた場合と比べて熱的、経時的により安定した化合物となり、トナーに良好な帯電性能を付与することができる。
【0080】
本発明で用いられるアゾ鉄化合物は、鉄原子と結合可能なモノアゾ化合物を、水および/または有機溶媒中(好ましくは有機溶媒中)で鉄化剤と反応させることにより得ることができる。
【0081】
一般に、有機溶媒中で得られた反応生成物は、濾過後水洗するか、適当量の水に分散させ析出物を濾取して水洗し、乾燥させることにより取り出すことができる。このような鉄化反応に用いる有機溶媒の例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル(モノグライム)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、エチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグライム)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(テトラグライム)、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系、エーテル系、及びグリコール系有機溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスホキシド等の非プロトン性極性溶媒などの水に可溶な有機溶媒を挙げることができる。上記有機溶媒として好ましいものは、イソプロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングリコールであり、結晶性のアゾ鉄化合物を合成するという点において好ましい。また、他の溶媒中で得られたアゾ鉄化合物を、上記有機溶媒中で再結晶させることも好ましい。
【0082】
この有機溶媒の使用量は特に限定されるものではないが、配位子として用いられる上記モノアゾ化合物に対して質量比で2〜5倍量である。
【0083】
前記鉄化剤として好適なものの例としては、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硝酸第二鉄等が挙げられる。鉄化剤は、一般に、配位子となるモノアゾ化合物1モルに対して、鉄原子当量で1/3〜2当量、好ましくは1/2〜2/3当量が用いられる。
【0084】
本発明におけるアゾ鉄化合物をトナーに含有させる方法としては、トナー内部に添加する(内添する)方法と外添する方法とがある。内添する場合のアゾ鉄化合物の好ましい添加量としては、結着樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部、より好ましくは0.5〜5質量部である。また、外添する場合のアゾ鉄化合物の添加量は0.01〜5質量部が好ましく、より好ましくは0.05〜3質量部である。上記アゾ鉄化合物をトナーに外添する場合には、このアゾ鉄化合物がメカノケミカル的にトナー表面に固着されていることが特に好ましい。
【0085】
また、本発明の化合物は従来技術の説明において述べたものを始めとして、従来よりトナーに一般に用いられる公知の荷電制御剤と組み合わせて使用してもよい。例えば、他の有機金属錯体、金属塩、キレート化合物などがあり、具体的にはアセチルアセトン金属錯体、ヒドロキシカルボン酸金属錯体、ポリカルボン酸金属錯体、ポリオール金属錯体などが挙げられる。その他、カルボン酸の金属塩、カルボン酸無水物、エステル類などのカルボン酸誘導体や芳香族系化合物の縮合体などもあげられる。またビスフェノール類、カリックスアレーンなどのフェノール誘導体なども用いられる。
【0086】
(2)ワックス
次に、本発明に用いられるワックス成分について説明する。
【0087】
本発明に使用するアゾ鉄化合物は、2種類以上の融点の異なるワックス、または、2種類以上の組成の異なるワックスと用いると、優れた効果が得られる。すなわち、上記のような2種類のワックスにより、トナーを可塑化する効果と離型作用を与える効果が程良く調整することが出来るようになり、可塑化されたトナー中にアゾ鉄化合物がよりよく分散されるようになるため、アゾ鉄化合物の帯電性に与える効果もより鮮明に発揮される様になるためである。
【0088】
また、本発明のアゾ鉄化合物は結晶性であることが過度の可塑化を抑えることができ、その結果、耐ブロッキング性の劣化を防止することができる点で好ましい。
【0089】
また、本発明のアゾ鉄化合物は良好に分散されると、帯電能力が更に向上することができるが、しかしながら、一般にアゾ化合物は良好に分散されると離型性を低下させる様に作用させる場合があり、離型性を高度に保つためにはワックス成分により離型作用を補うことが好ましい。
【0090】
本発明に用いるワックス成分のトナー中の含有量は、結着樹脂成分100質量部に対して、0.2〜20質量部であることが必要である。ワックスの含有量は好ましくは結着樹脂成分100質量部に対して0.5〜15質量部であり、より好ましくは、1.0〜15質量部である。ワックスの含有量が上記範囲よりも少なすぎる場合には、ワックスの離型効果を十分に発揮することができないため高温での耐オフセット性が得られず、また、被定着材へのトナーの定着性も悪化することがある。また、上記含有量が上記範囲よりも多すぎる場合には、トナー中にワックス成分を均一に分散させることが困難となるため、トナーの帯電性に影響を与え、よって好ましい画像濃度が得られなかったり、不良帯電によるかぶりも増加することがある。
【0091】
本発明に用いられるワックスには次のようなものがある。例えば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;または、それらのブロック共重合物;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろうの如き植物系ワックス;みつろう、ラノリン、鯨ろうの如き動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、ペトロラクタムの如き鉱物系ワックス;モンタン酸エステルワックス、カスターワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを一部または全部を脱酸化したものが挙げられる。さらに、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルカルボン酸類の如き飽和直鎖脂肪酸;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸;ステアリルアルコール、エイコシルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルアルコールの如き飽和アルコール;ソルビトールの如き多価アルコール;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N‘−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N‘−ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N‘−ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物が挙げられる。
【0092】
好ましく用いられるワックスとしては、オレフィンを高圧下でラジカル重合したポリオレフィン;高分子量ポリオレフィン重合時に得られる低分子量副生成物を精製したポリオレフィン;低圧下でチーグラー触媒、メタロセン触媒の如き触媒を用いて重合したポリオレフィン;放射線、電磁波または光を利用して重合したポリオレフィン;高分子量ポリオレフィンを熱分解して得られる低分子量ポリオレフィン;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス;ジントール法、ヒドロコール法、アーゲ法等により合成される合成炭化水素ワックス;炭素数1個の化合物をモノマーとする合成ワックス、水酸基またはカルボキシル基の如き官能基を有する炭化水素系ワックス;炭化水素系ワックスと官能基を有する炭化水素系ワックスとの混合物;これらのワックスを母体としてスチレン、マレイン酸エステル、アクリレート、メタクリレート、無水マレイン酸の如きビニルモノマーでグラフト変性したワックスが挙げられる。
【0093】
また、これらのワックスを、プレス発汗法、溶剤法、再結晶法、真空蒸留法、超臨界ガス抽出法または融液晶析法を用いて分子量分布をシャープにしたものや低分子量固形脂肪酸、低分子量固形アルコール、低分子量固形化合物、その他の不純物を除去したものも好ましく用いられる。
【0094】
本発明の第1の態様では、融点の異なる2種類以上のワックスを用いることを特徴とする。同様構造のワックスの場合、相対的に融点の低いワックスが可塑化作用を発揮し、融点の高いワックスが離型作用に対する効果を発揮する。すなわち、融点の低いワックスがトナーの低温定着性に寄与し、融点の高いワックスが耐高温オフセット性に寄与する。
【0095】
これら2種以上のワックスの融点の差が10℃〜100℃の場合に、上記機能分離を効果的に発現させることができる。この融点の差は、より好ましくは20〜80℃である。上記融点の差が上記範囲よりも小さすぎると機能分離効果が表れにくく、また融点の差が上記範囲よりも大きすぎると相互作用による機能の強調が行われにくい。
【0096】
また、融点の異なる2種以上のワックスのうち、相対的に低融点のワックスとしては、融点が60〜120℃のワックスを用いることが好ましい。また、相対的に高融点のワックスとしては、融点が100〜160℃のワックスを用いることが好ましい。
【0097】
このような融点の異なる2種以上のワックスは、例えば本発明で用いることができる上述の各ワックスのうち融点の異なるものを任意に組み合わせて用いることができる。
【0098】
また、本発明の第2の態様では、組成の異なる2種類以上のワックスを用いることを特徴とする。本発明において「組成の異なる」とは、ワックスを構成する元素およびその化合比、または分子構造が異なることである。このような組成の異なる2種以上のワックスの組み合わせとしては、例えば、直鎖構造を有するものと枝分かれ構造を有するもの;極性基を有するものと無極性のもの;ワックスを構成する主成分とは異なる成分で変性されたものと未変性のもの等が挙げられる。
【0099】
ワックスは、相対的に枝分かれ構造のもの、官能基等の極性基を有するもの、および主成分とは異なる成分で変性されたものが可塑作用を発揮し、トナーの低温定着性に寄与する。また、より直鎖構造のもの、官能基を有しない無極性のものや未変性のストレートなものが離型作用を発揮し、トナーの耐オフセット性に寄与する。
【0100】
組成の異なる2種のワックスは、例えば本発明で用いることができる上述の各ワックスのうち組成の異なるものを任意に組み合わせて用いることができ、特に限定されないが、好ましい組み合わせとしては以下のものが挙げられる。例えば、エチレンを主成分とするポリエチレンホモポリマーまたはコポリマーとエチレン以外のオレフィンを主成分とするポリオレフィンホモポリマーまたはコポリマーの組合せ;ポリオレフィンとグラフト変性ポリオレフィンの組合せ;アルコールワックス、脂肪酸ワックスまたはエステルワックスと炭化水素系ワックスの組合せ;フィッシャートロプシュワックスまたはポリオレフィンワックスとパラフィンワックスまたはマイクロクリスタリンワックスの組合せ;フィッシャートロプシュワックスとポリオレフィンワックスの組合せ;パラフィンワックスとマイクロクリスタリンワックスの組合せ;カルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックスまたはモンタンワックスと炭化水素系ワックスの組合せが挙げられる。
【0101】
以上のように、融点の異なる2種類以上のワックスまたは組成の異なる2種類以上のワックスを用いることにより、優れた現像特性、定着特性を高度に発揮することができる。
【0102】
本発明においてワックス成分の融点の測定は示差熱分析測定装置(DSC測定装置)、DSC−7(パーキンエルマー社製)を用い、下記の条件にて測定した。
【0103】
試料 :5〜20mg、好ましくは10mg
測定法:試料をアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用いる。
【0104】
昇温IIで測定される吸熱ピーク温度を融点とする。
【0105】
上記ワックスの25℃における針入度は10mm未満であることが好ましい。さらに好ましくは、8mm以下である。針入度が上記範囲より大きすぎる場合には、高温における耐オフセット性能を悪化させ、更にはトナーの粉体流動性や凝集性に悪影響を及ぼし、フェーディング現象やかぶり等が悪化し、好ましくない。
【0106】
なお、ワックスの針入度を上記範囲とするには、各種手法が考えられるが、ワックスの分子量、分子量分布、密度、組成成分等を調整する方法が例として挙げられる。上記各パラメーターを変化させたときのワックスの針入度をそれぞれ測定することにより、上記範囲の針入度を有するワックスを得ることができる。
【0107】
なお、本発明におけるワックスの針入度の測定は、JIS K-2207に準拠して測定することができる。具体的には、直径約1mmで頂角9°の円錐形先端を持つ針を一定荷重で貫入させたときの一定時間当りの貫入深さを0.1mmの単位で表した数値である。本発明における針入度の測定条件は、試料温度25℃、荷重100g、貫入時間5秒である。
【0108】
上記ワックスは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される数平均分子量(Mn)がポリエチレン換算で100〜3000であることが好ましく、300〜2000であることが更に好ましい。
【0109】
Mnが上記範囲よりも小さすぎる場合には、トナーに十分な離型効果を付与することが困難となり、また、トナー中にワックスを良好に分散させることも困難となる。また、Mnが上記範囲よりも大きすぎる場合には、トナーの定着性に悪影響を与えるため、好ましくない。
【0110】
本発明における分子量の測定は、以下の方法により行なうことができる。
【0111】
<ワックスのGPCによる数平均分子量の測定方法>
装置 :GPC−150C(ウォーターズ社製)
カラム:GMH−HT(東ソー社製)の2連
温度 :135℃
溶媒 :o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添加)
流速 :1.0ml/min.
試料 :濃度0.15重量%の試料を0.4ml注入
以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用する。使用する単分散ポリスチレンの標準試料として、東ソー製のTSKStandardPOLYSTYRENE A-500、A-1000、A-2500、A-5000、F-1、F-2、F-4、F-10、F-20、F-40、F-80、F-128、F-288、F-450、F-850を用いる。更に、ワックスの分子量は、Mark−Houwink粘度式から導き出される換算式で換算することによって算出される。
【0112】
(3)トナー
以下、上述したアゾ鉄化合物およびワックスを含有する本発明のトナーについて説明する。
【0113】
本発明のトナーは、さらに重合体成分を有する結着樹脂を含有する。本発明に使用される結着樹脂の種類としては、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレンスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体等のスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂等が使用できる。また、架橋されたスチレン系樹脂も好ましい結着樹脂である。
【0114】
スチレン系共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のような二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;例えば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチル、等のような二重結合を有するジカルボン酸及びその置換体;例えば、塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル等のようなビニルエステル類、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のようなエチレン系オレフィン類;例えば、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のようなビニルケトン類;例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のようなビニルエーテル類;等のビニル単量体が単独もしくは組み合わせて用いられる。ここで架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等のような芳香族ジビニル化合物;例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1、3−ブタンジオールジメタクリレート等のような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物、;及び3個以上のビニル基を有する化合物;が単独もしくは混合物として使用できる。
【0115】
本発明のトナーは、磁性材料を含有した磁性トナーとして用いられることが好ましい。使用できる磁性材料としては、鉄、コバルト、ニッケル、銅、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、ケイ素などの元素を含む金属酸化物などがある。これら磁性体は窒素吸着法によるBET比表面積が好ましくは1〜20m2/g、より好ましくは2.5〜12m2/gの粒子として用いられるのが好ましい。また、磁性体のモース硬度は5〜7であることが好ましい。上記磁性体の形状としては、8面体、6面体、球形、針状、燐片状などがあるが、8面体、6面体、球形等の異方性の少ないものが好ましい。等方性の形状を有するものは、結着樹脂・ワックスに対しても、良好な分散を達成することができるからである。
【0116】
磁性体の平均粒径としては0.05〜1.0μmであることが好ましく、0.1〜0.6μmであることがより好ましく、0.1〜0.4μmであることがさらに好ましい。
【0117】
上記磁性体は、トナー結着樹脂100質量部に対し60〜200質量部添加するのが好ましく、より好ましくは60〜150質量部である。上記磁性体の添加量が上記範囲より少なすぎると現像部位へのトナーの搬送性が不十分となり現像剤担持体上の現像剤層の厚さにむらが生じ、画像むらの原因となる傾向がある。さらに、現像剤の帯電の過剰な上昇に起因する画像濃度の低下が生じ易い傾向がある。また、磁性体の添加量が上記範囲よりも多すぎると、現像剤の帯電を充分に行なえなくなるために、画像濃度の低下が生じやすくなることがある。
【0118】
また、本発明のトナーには、環境安定性、帯電安定性、現像性、流動性、保存性向上のため、無機微粉体または疎水性無機微粉体が混合されていることが好ましい。例えば、シリカ微粉末、酸化チタン微粉末又はそれらの疎水化物が挙げられる。それらは、単独あるいは併用して用いることが好ましい。
【0119】
シリカ微粉体はケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法又はヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及び水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両者が使用可能であるが、表面及び内部にあるシラノール基が少なく、またNa2O、SO3 2-等の製造残渣の少ない乾式シリカの方が好ましい。また乾式シリカにおいては、製造工程において例えば、塩化アルミニウム、塩化チタン等、他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いる事によって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得る事も可能でありそれらも包含する。
【0120】
さらにシリカ微粉体は疎水化処理されているものが好ましい。疎水化処理するには、シリカ微粉体と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物等で化学的に処理することによって付与される。好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された乾式シリカ微粉体をシランカップリング剤で処理した後、あるいはシランカップリング剤で処理すると同時にシリコーンオイルのごとき有機ケイ素化合物で処理する方法が挙げられる。
【0121】
疎水化処理に使用されるシランカップリング剤としては、例えばヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン及び1分子当たり2から12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個までのケイ素原子に結合した水酸基を含有したジメチルポリシロキサン等が挙げられる。
【0122】
有機ケイ素化合物としては、シリコーンオイルが挙げられる。好ましいシリコーンオイルとしては、25℃における粘度が30〜1000mm2/sの物が用いられ、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が特に好ましい。
【0123】
シリコーンオイル処理の方法としては、例えばシランカップリング剤で処理されたシリカ微粉体とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて直接混合してもよいし、ベースとなるシリカ微粉体にシリコーンオイルを噴霧する方法を用いてもよい。あるいは適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた後、シリカ微粉体を加え混合し溶剤を除去する方法でもよい。
【0124】
本発明のトナーには、必要に応じてシリカ微粉体又は酸化チタン微粉体以外の外部添加剤を添加してもよい。
【0125】
例えば帯電補助剤、導電性付与剤、流動性付与剤、ケーキング防止剤、熱ロール定着時の離型剤、滑剤、研磨剤等の働きをする樹脂微粒子や無機微粒子などである。
【0126】
例えばテフロン、ステアリン酸亜鉛、ポリフッ化ビニリデンのごとき滑剤、中でもポリフッ化ビニリデンが好ましい。あるいは酸化セリウム、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウム等の研磨剤、中でもチタン酸ストロンチウムが好ましい。あるいは例えば酸化チタン、酸化アルミニウム等の流動性付与剤、中でも特に疎水性のものが好ましい。ケーキング防止剤、あるいは例えばカーボンブラック、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化スズ等の導電性付与剤、また、逆極性の白色微粒子及び黒色微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。
【0127】
トナーと混合される樹脂微粒子または無機微粉体または疎水性無機微粉体などは、トナー100質量部に対して0.1〜5質量部(好ましくは、0.1〜3質量部)使用するのがよい。
【0128】
本発明のトナーは、トナー構成材料をボールミルのごとき混合機により充分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーのごとき熱混練機を用いて溶融、捏和及び練肉し、冷却固化後粉砕及び厳密な分級を行うことにより生成することができる。
【0129】
例えば混合機としては、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)が挙げられ、混練機としては、KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)が挙げられ、粉砕機としては、カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボ工業社製)が挙げられ、分級機としては、クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日新エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチック工業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)が挙げられ、粗粒などをふるい分けるために用いられる篩い装置としては、ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製); ターボスクリーナー(ターボ工業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い等が挙げられる。
【0130】
【実施例】
以下、具体的実施例によって本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
【0131】
<アゾ鉄化合物 製造例 1 >
4-クロロ-2-アミノフェノールと6-t-オクチル-2-ナフトールの一般的なジアゾ化カップリング反応により合成したモノアゾ化合物を、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)に加えて撹拌した。この溶液に炭酸ナトリウムを加えて70℃に昇温させ、硫酸鉄(II)・7水和物を加えて5時間反応させた。その後、室温まで放冷させた後、析出した生成物を濾取してイソプロパノール中に加え、70℃で加熱溶解した後室温まで放冷し、アゾ鉄化合物を結晶化した。この反応液を水に分散させ、ろ過・水洗し、乾燥させて、下記式(I)で表されるアゾ鉄化合物(I)を得た。アゾ鉄化合物(I)の結晶化度は68.0%であった。アゾ鉄化合物(I)のX線回折スペクトルを図1に示す。
【外52】
【0132】
<アゾ鉄化合物 製造例 2 >
アゾ鉄化合物製造例1において、原料に4-t-ペンチル-2-アミノフェノールを用いた以外は、アゾ鉄化合物製造例1と同様の方法を用いて下記式(II)で表されるアゾ鉄化合物(II)を得た。アゾ鉄化合物(II)の結晶化度は61.2%であった。
【外53】
【0133】
<アゾ鉄化合物 製造例 3 >
アゾ鉄化合物製造例1において、原料に2−アミノフェノールを用いた以外は、アゾ鉄化合物製造例1と同様の方法を用いて下記式(III)で表されるアゾ鉄化合物(III)を得た。アゾ鉄化合物(III)の結晶化度は63.1%であった。
【外54】
【0134】
<アゾ鉄化合物 製造例 4 >
アゾ鉄化合物製造例1において、原料に6-t-ブチル-2-ナフトールを用いた以外は、アゾ鉄化合物製造例1と同様の方法を用いて下記式(IV)で表されるアゾ鉄化合物(IV)を得た。アゾ鉄化合物(IV)の結晶化度は64.8%であった。
【外55】
【0135】
<アゾ鉄化合物 製造例 5 >
アゾ鉄化合物製造例1において、原料に6-メチル-2-ナフトールを用いた以外は、アゾ鉄化合物製造例1と同様の方法を用いて下記式(V)で表されるアゾ鉄化合物(V)を得た。アゾ鉄化合物(V)の結晶化度は66..1%であった。
【外56】
【0136】
<アゾ鉄化合物 製造例 6 >
アゾ鉄化合物製造例1において、原料に3-n-ブチル2-ナフトールを用いた以外は、アゾ鉄化合物製造例1と同様の方法を用いて下記式(VI)で表されるアゾ鉄化合物(VI)を得た。アゾ鉄化合物(VI)の結晶化度は65.8%であった。
【外57】
【0137】
<アゾ鉄化合物 製造例 7 >
アゾ鉄化合物製造例1において、原料に2-ナフトールと、4-メチル-2-アミノフェノールを用いた以外は、アゾ鉄化合物製造例1と同様の方法を用いて下記式(VII)で表されるアゾ鉄化合物(VII)を得た。アゾ鉄化合物(VII)の結晶化度は67.2%であった。
【外58】
【0138】
<アゾクロム化合物 製造例 8 >
アゾ鉄化合物製造例1において、2ナフトールと、4-t-ペンチル-2-アミノフェノールと、ギ酸クロム(III)を用いた以外は、アゾ鉄化合物製造例1と同様の方法を用いて下記式(VIII)で表されるアゾクロム化合物(VIII)を得た。アゾクロム化合物(VIII)の結晶化度は63.7%であった。
【外59】
【0139】
<アゾ鉄化合物 製造例 9 >
アゾ鉄化合物製造例1において、原料に2-ナフトールを用いた以外は、アゾ鉄化合物製造例1と同様の方法を用いて下記式(IX)で表されるアゾ鉄化合物(IX)を得た。アゾ鉄化合物(IX)の結晶化度は69.6%であった。
【外60】
【0140】
<アゾ鉄化合物 製造例 10>
アゾ鉄化合物製造例7において、イソプロパノール中での結晶化過程を行なわずに、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)中での反応液を水に分散させ、ろ過、水洗し、乾燥させて、アモルファス状のアゾ鉄化合物(X)を得た。アゾ鉄化合物(X)の結晶化度は13.8%であった。
【0141】
(実施例1)
(1)トナーの製造
結着樹脂として、既知の方法により合成されたスチレン−アクリル酸ブチル−マレイン酸モノブチル共重合体(ピーク分子量30000、ガラス転移点温度61℃)を100質量部、アゾ鉄化合物(I)2質量部、球形磁性酸化鉄100質量部、ポリプロピレンワックス(W1)(融点143℃、針入度(25℃)0.5mm、GPCにより測定された数平均分子量(Mn)(ポリエチレン換算)1010)3質量部及びパラフィンワックス(W2)(融点75℃、針入度(25℃)6.5mm、Mn520)3質量部を予め均一に混合し、これを130℃に加熱された二軸エクストルーダーで溶融混練した。この混練物を冷却後、ハンマーミルで粗粉砕し、更にジェットミルで微粉砕した後、得られた粉砕物を風力分級し、重量平均径D46.5μmの分級粉を得た。
【0142】
この分級粉100質量部に対し、疎水化処理シリカ微粉体1.2質量部を乾式混合外添し、トナーT1を得た。トナーT1の組成および物性を表1に示した。
【0143】
なお、各ワックスの融点の測定は、前述の発明の実施の形態において説明したDSC測定装置を用いる方法を用いて行なった。また、融点測定に用いる試料を1mgとした。また、ワックスの融点および針入度に関しても同様に、発明の実施の形態において説明した方法を用いて測定した。
【0144】
(2)評価
上記のようにして得られたトナーT1を用いてプリントアウトを行ない、画像濃度、かぶり、トナーの定着性および耐オフセット性について評価を行った。
【0145】
高温高湿(32.5℃、相対湿度80%)および低温低湿(15℃、相対湿度10%)の各々の環境下で、市販のレーザービームプリンターLBP−930EX(キヤノン製)を以下の構成に改造し、下記条件でプリントアウト試験を行った。トナー切れに際しては、カートリッジ上部のトナー容器部分に切り込みを設け、そこからトナーを補給することによってプリントアウト試験を続けた。一次帯電を−670Vとして静電潜像を形成し、感光ドラムと現像剤担持体(磁石内包)上の現像剤層を非接触に間隙(290μm)を設定し、交流バイアス(f=2000Hz;Vpp=1600V)及び直流バイアス(Vdc=−500V)として現像ドラムに印加した。プリントアウトの速度は、45枚(A4ヨコ)/1分となるように改造した。得られた画像を下記の項目について評価した。
【0146】
(a)画像濃度
通常の複写機用普通紙(75g/m2)に25000枚プリントアウト終了時の画像濃度維持により評価した。尚、画像濃度は「マクベス反射濃度計」(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定した。
【0147】
(b)カブリ
リフレクトメーター(東京電色(株)製)により測定した転写紙の白色度と、低温低湿(15℃、相対湿度10%)環境下において、10000枚耐久画出しした後のベタ白をプリント後の転写紙の白色度との比較からカブリを算出した。
【0148】
(c)排紙部コロ部材トナー汚染
高温高湿(32.5℃、相対湿度80%)環境下で、通常の複写機用普通紙(75g/m2)に100000枚プリントアウトした後、定着排紙後の排紙搬送部にあるコロ部材へのトナー汚染の程度を評価した。
◎:汚染なし
○:ほとんど汚染なし
△:若干汚染している
×:ひどく汚染している
(d)定着性
定着性は、低温低湿(15℃、相対湿度10%)環境下において印字定着された画像に対し、50g/cm2の荷重をかけ、柔和な薄紙により定着画像を摺擦し、摺擦前後での画像濃度の低下率(%)で評価した。
◎(優):5%未満
○(良):5〜10%
△(可):10〜20%
×(不良):20%以上
(e)耐オフセット性
耐オフセット性は、半面ベタ黒のサンプル画像をプリントアウトし、印字されていないベタ白部への画像上の汚れの程度により評価した。試験紙として複写機用普通紙(64g/ m2)を使用した。
◎:未発生
○:ほとんど発生せず
△:若干発生した
×:ひどくオフセットが発生
評価結果を表2に示す。
【0149】
(実施例2)
アゾ鉄化合物(I)の代わりに、アゾ鉄化合物(II)を2質量部にした以外は実施例1と同様にして、トナーT2を得た。得られたトナーT2について実施例1と同様の評価を行った。トナーT2の組成および物性を表1に、評価結果を表2に示す。
【0150】
(実施例3)
アゾ鉄化合物(I)の代わりに、アゾ鉄化合物(III)を2質量部にした以外は実施例1と同様にして、トナーT3を得た。得られたトナーT3について実施例1と同様の評価を行った。トナーT3の組成および物性を表1に、評価結果を表2に示す。
【0151】
(実施例4)
ワックス成分として、ポリエチレンワックス(W3)(融点102℃、針入度(25℃)4.5mm、GPCにより測定された数平均分子量(Mn)(ポリエチレン換算)1500)3質量部、及び、ポリエチレンワックス(W4)(融点122℃、針入度(25℃)0.5mm、GPCにより測定された数平均分子量(Mn)(ポリエチレン換算)2800)3質量部とした以外は実施例1と同様にして、トナーT4を得た。得られたトナーT4について実施例1と同様の評価を行った。トナーT4の組成および物性を表1に、評価結果を表2に示す。
【0152】
(実施例5)
アゾ鉄化合物(I)の代わりに、アゾ鉄化合物(IV)を2質量部にした以外は実施例1と同様にして、トナーT5を得た。得られたトナーT5について実施例1と同様の評価を行った。トナーT5の組成および物性を表1に、評価結果を表2に示す。
【0153】
(実施例6)
アゾ鉄化合物(I)の代わりに、アゾ鉄化合物(V)を2質量部にした以外は実施例1と同様にして、トナーT6を得た。得られたトナーT6について実施例1と同様の評価を行った。トナーT6の組成および物性を表1に、評価結果を表2に示す。
【0154】
(実施例7)
アゾ鉄化合物(I)の代わりに、モノアゾ鉄化合物(VI)を2質量部にした以外は実施例1と同様にして、トナーT7を得た。得られたトナーT7について実施例1と同様の評価を行った。トナーT7の組成および物性を表1に、評価結果を表2に示す。
【0155】
(実施例8)
アゾ鉄化合物(I)の代わりに、アゾ鉄化合物(VII)を2質量部にした以外は実施例1と同様にして、トナーT8を得た。得られたトナーT8について実施例1と同様の評価を行った。トナーT8の組成および物性を表1に、評価結果を表2に示す。
【0156】
(実施例9)
ワックス成分として、ポリエチレンワックス(W1)を3質量部、パラフィンワックスW5(融点69℃、針入度(25℃)15mm、GPCにより測定された数平均分子量(Mn)(ポリエチレン換算)460)を3質量部用いた以外は実施例1と同様にして、トナーT9を得た。得られたトナーT9について実施例1と同様の評価を行った。トナーT9の組成および物性を表1に、評価結果を表2に示す。
【0157】
(実施例10)
ワックス成分として、ポリエチレンワックス(W6)(融点128℃、針入度(25℃)0.1mm、GPCにより測定された数平均分子量(Mn)(ポリエチレン換算)3300)を3質量部、パラフィンワックスW5を3質量部以外は実施例1と同様にして、トナーT10を得た。得られたトナーT10について実施例1と同様の評価を行った。トナーT10の組成および物性を表1に、評価結果を表2に示す。
【0158】
(実施例11)
ワックス成分として、ポリエチレンワックス(W7)(融点116℃、針入度(25℃)0.2mm、GPCにより測定された数平均分子量(Mn)(ポリエチレン換算)900)を3質量部、、スチレングラフト変性されたポリエチレンワックス(W8)(融点104℃、針入度(25℃)1.0mm、GPCにより測定された数平均分子量(Mn)(ポリエチレン換算)1800)を3質量部用いた以外は実施例1と同様にして、トナーT11を得た。得られたトナーT11について実施例1と同様の評価を行った。トナーT11の組成および物性を表1に、評価結果を表2に示す。
【0159】
(実施例12)
ワックス成分として、ポリエチレンワックス(W3)を3質量部、スチレングラフト変性されたポリエチレンワックス(W8)を3質量部用いた以外は実施例2と同様にして、トナーT12を得た。得られたトナーT12について実施例1と同様の評価を行った。トナーT12の組成および物性を表1に、評価結果を表2に示す。
【0160】
(比較例1)
アゾ鉄化合物(I)の代わりに、アゾクロム化合物(VIII)を2質量部用いた以外は、実施例10と同様にして、トナーT13を得た。得られたトナーT13について実施例1と同様の評価を行った。トナーT13の組成および物性を表1に、評価結果を表2に示す。
【0161】
(比較例2)
アゾ鉄化合物(I)の代わりに、アゾ鉄化合物(IX)を2質量部用いた以外は、実施例10と同様にして、トナーT14を得た。得られたトナーT14について実施例1と同様の評価を行った。トナーT14の組成および物性を表1に、評価結果を表2に示す。
【0162】
(比較例3)
ワックス成分として、ポリプロピレンワックスW1を6質量部のみを用いた以外は、実施例8と同様にして、トナーT15を得た。得られたトナーT15について実施例1と同様の評価を行った。トナーT15の組成および物性を表1に、評価結果を表2に示す。
【0163】
(比較例4)
アゾ鉄化合物(VII)の代わりに、アゾ鉄化合物(X)を2質量部用いた以外は、比較例3と同様にして、トナーT17を得た。得られたトナーT17について実施例1と同様の評価を行った。トナーT17の組成および物性を表1に、評価結果を表2に示す。
【0164】
【表1】
【0165】
【表2】
【0166】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明のトナーは、定着性及び非オフセット性のバランスに優れたトナーであり、かつ、いかなる環境下においてもかぶりの少ない高品質の画像を長期間に渡って得ることができるトナーを提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【図1】アゾ鉄化合物(1)のX線回折スペクトルである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a toner used in an image forming method such as an electrophotographic method, an electrostatic recording method, a magnetic recording method, and a toner jet method, and the toner used for a fixing method in which a formed visible image is heat-fixed on a recording material. About.
[0002]
[Prior art]
The toner needs to have a positive or negative charge depending on the polarity of the electrostatic latent image to be developed. In order to retain the charge in the toner, the triboelectric charging property of the resin, which is a toner component, can be used. However, in this method, since the charging of the toner is not stable, the rise of density is slow and fogging easily occurs. Therefore, a charge control agent is added in order to impart a desired triboelectric chargeability to the toner.
[0003]
As a charge control agent known in the art today, as a negative triboelectric charge control agent, a metal complex salt of a monoazo dye, a metal complex salt such as hydroxycarboxylic acid, dicarboxylic acid, aromatic diol, and an acid component are included. Resins and the like are known. As the positive triboelectric charge control agent, nigrosine dyes, azine dyes, triphenylmethane dyes and pigments, polymers having quaternary ammonium salts and quaternary ammonium salts in the side chain are known.
[0004]
However, these charge control agents are difficult to achieve a balance between image density and fog, are difficult to obtain sufficient image density in a high-humidity environment, have poor dispersibility in resins, storage stability, fixability, and offset resistance. In many cases, the performance is insufficient.
[0005]
Conventionally, metal complexes and metal salts of aromatic carboxylic acids are disclosed in JP-A 53-127726, JP-A 57-111541, JP-A 57-124357, JP-A 57-104940, JP 61-69073, JP 61-73963, JP 61-267058, JP 62-105156, JP 62-145255, JP 62- No. 163061, JP-A-63-208865, JP-A-3-276166, JP-A-4-84141, JP-A-8-160668, JP-A-9-169919, etc. Proposals have been made. However, these publications have proposed all of them from the viewpoint of imparting frictional charge, but with a simple developing device configuration, stable developability regardless of environmental fluctuations, aging, and usage conditions. There are few things that can be obtained. In addition, there are few products that can be stably developed even after long-term durability by repeated replenishment. Furthermore, there are many cases where other raw materials are affected, and other raw materials are restricted.
[0006]
In addition, the amorphous metal complex salt disclosed in JP-A-11-7164 is excellent in dispersibility and chargeability in the toner, but is relatively soft and thus has a long-term property of the toner. In some cases, the toner adheres to the photoconductor or the toner deteriorates due to use, and developability may gradually decrease.
[0007]
At present, none of the above items are satisfactory.
[0008]
The most important performance required for toner is fixing performance. Various methods and apparatuses have been developed for the fixing process, but the most common method at present is a pressure heating method using a heat roller. This pressure heating method using a heating roller performs fixing by allowing the toner image surface of a fixing sheet to pass through the surface of a heat roller formed with a material having releasability with respect to the toner while being in contact with pressure. It is. In this method, since the surface of the heat roller and the toner image of the fixing sheet are brought into contact with each other under pressure, the thermal efficiency at the time of fusing the toner image on the fixing sheet is extremely good, and the fixing can be performed quickly. This is very effective in a high-speed electrophotographic copying machine.
[0009]
Conventionally, for the purpose of preventing toner from adhering to the surface of the fixing roller, for example, the roller surface is formed of a material having excellent releasability from the toner, such as silicone rubber or fluorine resin, and further, an anti-offset agent and a roller surface are formed on the surface. In order to prevent the fatigue of the roller, the roller surface is coated with a thin liquid film having good releasability such as silicone oil. However, this method is effective in preventing toner offset, but has a problem that the fixing device is complicated because an apparatus for supplying the liquid for preventing offset is necessary.
[0010]
Therefore, instead of using a silicone oil supply device etc., instead of supplying a liquid for preventing offset from the toner during heating, a method of adding a release agent such as low molecular weight polyethylene or low molecular weight polypropylene to the toner is proposed. Has been. If a large amount of such an additive is added in order to obtain a sufficient effect, filming on the photoconductor or the surface of the toner carrier such as a carrier or a sleeve is contaminated, and the image deteriorates, causing a problem in practical use. Therefore, a small amount of a release agent is added to the toner so as not to deteriorate the image, and the supply of the release oil or the offset toner is cleaned by a roll-up type device using a member such as a web. It is carried out using together.
[0011]
However, in view of recent demands for miniaturization, weight reduction, and high reliability, it is preferable to remove even these auxiliary devices.
[0012]
It is known to contain a wax as a release agent in a toner. For example, techniques such as JP-A-52-3304, JP-A-52-3305, and JP-A-57-52574 are disclosed.
[0013]
These waxes are used to improve the offset resistance of toner at low and high temperatures. However, while these performances are improved, blocking resistance is deteriorated or developability is deteriorated.
[0014]
Further, as a toner containing two or more kinds of waxes in order to exhibit the effect of adding wax from a low temperature region to a high temperature region, for example, Japanese Patent Publication No. 52-3305, Japanese Patent Application Laid-Open No. 58-215659, Japanese Patent Application Laid-Open No. Japanese Laid-Open Patent Publication Nos. 62-1000077, JP-A-4-124676, JP-A-4-299357, JP-A-4-362953, JP-A-5-197192, and the like are disclosed.
[0015]
However, none of these toners can satisfy all of the performances, causing some problems. For example, high-temperature offset resistance and developability are excellent, but low-temperature fixability is still one step, low-temperature offset resistance and low-temperature fixability are excellent, but blocking resistance is slightly inferior and developability is low Or offset resistance at low temperatures and high temperatures, and the toner coat is uneven due to the free wax component, causing blotches, causing image defects, and fogging on the image. I was born.
[0016]
JP-A-8-278657, JP-A-8-334919, and JP-A-8-334920 disclose two types of wax components in order to obtain a toner having excellent low-temperature fixability and offset resistance. Proposed to be included in toner.
[0017]
However, although the range of low-temperature fixability and high-temperature offset property certainly expands with toners using these release agents, it is difficult to uniformly disperse each wax component in the toner, resulting in poor dispersion. In some cases, fogging increased and developability deteriorated.
[0018]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a toner that is excellent in the balance between fixing property and non-offset property, and that can obtain a high-quality image with little fogging in any environment over a long period of time. It is in.
[0019]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies, the present inventors have used an azo iron compound and a wax having specific properties, while maintaining good charging start-up of the toner, high charging properties, fixing properties, and offset resistance. It has been found that toner can be imparted with high chargeability even when left in a high humidity environment, and a toner that does not become overcharged in a low humidity environment can be obtained.
[0020]
That is, the present invention is as follows.
(1) A toner containing at least a binder resin having a polymer component, a wax, and an organometallic compound, wherein the organometallic compound includes at least one alkyl group and two hydroxyl groups capable of binding to an iron atom. An azo-iron compound that can be produced from a monoazo compound having a content of 0.2 to 20 parts by mass of the wax with respect to 100 parts by mass of the binder resin, and the wax comprises two types of waxes having different melting points. A toner characterized by containing at least.
(2) The toner according to (1), wherein the difference between the melting points of the two kinds of waxes is 10 to 100 ° C.
(3) A toner containing at least a binder resin having a polymer component, a wax, and an organometallic compound, wherein the organometallic compound includes at least one alkyl group and two hydroxyl groups capable of binding to an iron atom. An azo iron compound that can be produced from a monoazo compound having a content of 0.2 to 20 parts by mass of the wax with respect to 100 parts by mass of the binder resin, and the wax comprises two types of waxes having different compositions A toner characterized by containing at least.
(4) The toner according to any one of (1) to (3), wherein the azo iron compound is crystalline.
(5) The toner according to (1) to (4), wherein the monoazo compound can be represented by any one of the following general formulas (a), (b), and (c).
[Outside 8]
[0021]
(Where R1~ R8Each independently represents a hydrogen atom, a halogen atom or an alkyl group;1~ R8At least one of them is an alkyl group. )
[Outside 9]
[0022]
(Where R9~ R18Each independently represents a hydrogen atom, a halogen atom or an alkyl group;9~ R18At least one of them is an alkyl group. )
[Outside 10]
[0023]
(Where R19~ R30Each independently represents a hydrogen atom, a halogen atom or an alkyl group;19~ R30At least one of them is an alkyl group. )
(6) The toner according to any one of (1) to (4), wherein the monoazo compound has an alkyl group having 4 to 12 carbon atoms as a substituent.
(7) The toner according to (6), wherein the monoazo compound has an alkyl group having 6 to 10 carbon atoms as a substituent.
(8) The toner according to (6), wherein the monoazo compound has a tertiary alkyl group having 4 to 12 carbon atoms as a substituent.
(9) The toner according to (8), wherein the monoazo compound has a tertiary alkyl group having 6 to 10 carbon atoms as a substituent.
(10) The toner according to any one of (1) to (9), wherein the azo iron compound is represented by the following general formula (d), (e), or (f).
[Outside 11]
[0024]
[Outside 12]
[0025]
[Outside 13]
[0026]
(In the formulas (d), (e), and (f), A and B each independently represent o-phenylene or 1,2-naphthylene, and at least one of A and B has one or more alkyl groups. A and B may each further have a halogen atom as a substituent, and M is a cation, and represents a hydrogen ion, an alkali metal ion, an ammonium ion, or an organic ammonium ion.)
(11) The toner according to any one of (1) to (10), wherein the azo iron compound is contained in an amount of 0.1 to 10 parts by mass with respect to 100 parts by mass of the binder resin.
(12) The toner according to any one of (1) to (11), wherein the penetration of the wax at 25 ° C. is less than 10 mm.
(13) The toner according to any one of (1) to (12), wherein the wax has a number average molecular weight measured by gel permeation chromatography (GPC) in the range of 100 to 3000 in terms of polyethylene. .
[0027]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
By using two types of waxes having different melting points or two types of waxes having different compositional components, the present inventors have good charge rise and high chargeability. It has been found that it is possible to obtain a toner that retains fixing properties and offset resistance, has high chargeability even when left in a high humidity environment, and does not become excessively charged even in a low humidity environment. It was.
[0028]
The azo iron compound used in the present invention has good dispersibility in the toner, can make the charge amount distribution of the toner uniform, and can impart stable charge rise and good developability to the toner. it can. When the azo iron compound used in the present invention is used with two or more kinds of waxes having different melting points or two or more kinds of waxes having different compositions, excellent effects can be obtained. In other words, the two kinds of waxes as described above can moderately adjust the effect of plasticizing the toner and the effect of releasing the toner, and the azo iron compound is better contained in the plasticized toner. This is because the effect on the chargeability of the azo iron compound is more clearly exhibited because the particles are dispersed.
[0029]
In addition, when the azo iron compound of the present invention is well dispersed, the charging ability can be further improved. However, in general, when the azo compound is well dispersed, the release property is decreased. This is because it is preferable to compensate the mold release action by the wax component in order to keep the mold release property at a high level.
[0030]
(1) Azo iron compounds
First, the azo iron compound used in the present invention will be described. The azo iron compound used in the present invention is an azo iron compound that can be produced from a monoazo compound having one or more alkyl groups and two hydroxyl groups that can be bonded to an iron atom. The azo iron compound is a compound in which each hydroxyl group of the monoazo compound is coordinated to an iron atom, and is an iron complex, an iron complex salt, or a mixture thereof.
[0031]
The monoazo compound used in the present invention is a compound represented by the above formulas (a), (b), and (c) in order to stabilize the developing property such as rising of charge, image density, fog, and image quality. Is preferable.
[0032]
Further, the position of the alkyl group is not particularly limited as long as each monoazo compound has at least one alkyl group as a substituent in the molecule.13~ R18Position, and even R15It is particularly preferable to have an alkyl group at the position from the viewpoint of imparting stable chargeability to the toner.
[0033]
Among the monoazo compounds, a monoazo compound having an alkyl group having 4 to 12 carbon atoms as a substituent is preferable in order to obtain a high charge amount, high image density, and faithful latent image reproduction. A monoazo compound having an alkyl group having 4 to 12 carbon atoms as a substituent further improves the compatibility with the binder resin in the toner due to the action of the alkyl group, and stabilizes the chargeability of the toner. More preferably a monoazo compound having an alkyl group having a tertiary carbon having 4 to 12 carbon atoms as a substituent, and more preferably a monoazo compound having an alkyl group having a tertiary carbon having 6 to 10 carbon atoms as a substituent, Most preferably
[Outside 14]
[0034]
Is a monoazo compound having a substituent as a substituent, the charge holding ability is increased, the change with time is smaller, more uniform dispersion in the toner is possible, and the chargeability of the toner becomes more uniform. . It is also preferable to have one or more halogen atoms as a substituent together with the alkyl group from the viewpoint of stabilizing the charge distribution in the compound.
[0035]
Such a monoazo compound can be obtained by a diazotization coupling reaction.
[0036]
In addition, it is preferable that the azo iron compound of the present invention is crystalline in terms of suppressing deterioration in developability during long-term durable use of the toner. Since the azo iron compound is crystalline, it becomes relatively hard and deterioration due to long-term use can be suppressed. In addition, since the toner is hard, the triboelectric chargeability of the toner surface is improved, and higher developability can be provided to the toner. Conventionally, when a crystalline azo iron compound is used for a toner, there are problems such as damage to the photosensitive member because it is hard, and the toner is easily detached from the toner particles. However, the azo iron compound of the present invention has an alkyl group. As a result, sufficient dispersibility in the toner can be obtained, detachment of the azo iron compound from the toner can be suppressed, and an increase in the degree of exposure of the azo iron compound on the toner surface during durable use can be suppressed. Does not hurt the body.
[0037]
In addition, since the two types of wax as described above control the plasticity and releasability of the toner and the azo iron compound is prevented from falling off, the toner surface contact member after fixing the transfer material, particularly the waste. It becomes possible to prevent the toner contamination due to the CA agent on the paper portion conveying roller member and the like, and it is possible to prevent image adverse effects such as the member toner trace on the transfer material such as paper.
[0038]
Whether the azo-based iron compound is crystalline can be confirmed by analyzing the X-ray diffraction spectrum of the azo-iron compound. The fact that the X-ray diffraction spectrum indicates crystallinity is defined as that the X-ray diffraction pattern shows a remarkable diffraction peak as shown in FIG. This has a plurality of peaks in the X-ray diffraction spectrum of the azo iron compound in the range of 2θ = 5 ° to 30 ° (θ is a Bragg angle). Preferably, the X-ray diffraction spectrum of the azo iron compound in the range of 2θ = 10 ° to 25 ° (θ is a Bragg angle) has one or more peaks in a range of every 5 °. When a plurality of diffraction peaks are obtained, the crystallinity can be calculated, and the ratio of the total intensity of the crystal portion to the total intensity calculated by the multiple peak separation method (crystallinity) is preferably more than 50%. . The effect of being crystalline is higher as the degree of crystallinity is higher. In order to obtain better durability, the degree of crystallinity is more preferably 55% or more, and further preferably 60% or more.
[0039]
Whether or not the azo iron compound is crystalline can be measured, for example, under the following conditions.
[0040]
For example, MXP X-ray diffractometer MXPThreeThe system measures an X-ray diffraction spectrum by CuKα rays. The spectrum obtained by smoothing the X-ray diffraction spectrum in the range of 2θ = 5 ° to 30 ° (θ is a Bragg angle) is further separated into the whole spectrum and the crystal portion spectrum. For each spectrum of the separated chart, the total strength and the total strength of the crystal portion are obtained by the crystallinity measurement method in the range of 2θ = 5 ° to 30 ° (θ is a Bragg angle), and the following formula is used. Calculate the degree of crystallinity.
[0041]
Crystallinity (%) = (total strength of crystal parts / total strength of the whole) × 100
Specific examples of the monoazo compound preferably used in the present invention are given below.
[Outside 15]
[0042]
[Outside 16]
[0043]
[Outside 17]
[0044]
[Outside 18]
[0045]
[Outside 19]
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[Outside 20]
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[Outside 41]
[0068]
[Outside 42]
[0069]
[Outside 43]
[0070]
[Outside 44]
[0071]
[Outside 45]
[0072]
[Outside 46]
[0073]
[Outside 47]
[0074]
[Outside 48]
[0075]
[Outside 49]
[0076]
[Outside 50]
[0077]
[Outside 51]
[0078]
The azo iron compound used in the present invention is a reaction product of iron and a monoazo compound, and is an azo iron compound in which the monoazo compound is coordinated to an iron atom. The azo iron compound is an iron complex, an iron complex salt, or a mixture thereof, and is an azo iron compound selected from the azo iron compounds represented by the general formulas (d), (e), (f), or the like, or a mixture thereof. .
[0079]
In the present invention, the reaction of the monoazo compound having an alkyl group with iron results in a compound that is more stable thermally and over time than when other metals are used, and imparts good charging performance to the toner. can do.
[0080]
The azo iron compound used in the present invention can be obtained by reacting a monoazo compound capable of binding with an iron atom with an ironating agent in water and / or an organic solvent (preferably in an organic solvent).
[0081]
In general, the reaction product obtained in an organic solvent can be taken out by filtering or washing with water, or dispersing in an appropriate amount of water, filtering the precipitate, washing with water, and drying. Examples of organic solvents used in such ironing reactions include methanol, ethanol, propanol, isopropanol, butanol, ethylene glycol monomethyl ether, ethylene glycol monoethyl ether, propylene glycol monomethyl ether, ethylene glycol dimethyl ether (monoglyme), diethylene glycol dimethyl ether. (Diglyme), ethylene glycol diethyl ether, triethylene glycol dimethyl ether (triglyme), tetraethylene glycol dimethyl ether (tetraglyme), alcohols such as ethylene glycol and propylene glycol, ether-based and glycol-based organic solvents; N, N-dimethyl Formamide, N, N-dimethylacetamide, N-methyl-2-pyrrole Down, can be mentioned water soluble organic solvent such as aprotic polar solvents such as dimethyl sulfoxide. Preferable examples of the organic solvent include isopropanol, ethylene glycol monomethyl ether (methyl cellosolve), ethylene glycol monoethyl ether (ethyl cellosolve), and ethylene glycol, which are preferable in that a crystalline azo iron compound is synthesized. It is also preferable to recrystallize the azo iron compound obtained in another solvent in the organic solvent.
[0082]
The amount of the organic solvent used is not particularly limited, but is 2 to 5 times the mass ratio of the monoazo compound used as the ligand.
[0083]
Examples of suitable ironizing agents include ferric chloride, ferric sulfate, and ferric nitrate. The ironating agent is generally used in an amount equivalent to 1/3 to 2 equivalents, and preferably 1/2 to 2/3 equivalents in terms of iron atom, per mole of the monoazo compound serving as a ligand.
[0084]
As a method for adding the azo iron compound to the toner in the present invention, there are a method of adding (internally adding) the toner to the inside of the toner and a method of externally adding it. A preferable addition amount of the azo iron compound when internally added is 0.1 to 10 parts by mass, more preferably 0.5 to 5 parts by mass with respect to 100 parts by mass of the binder resin. Moreover, 0.01-5 mass parts is preferable, and, as for the addition amount of the azo iron compound in external addition, More preferably, it is 0.05-3 mass parts. When the azo iron compound is externally added to the toner, it is particularly preferable that the azo iron compound is mechanochemically fixed to the toner surface.
[0085]
In addition, the compounds of the present invention may be used in combination with known charge control agents generally used for toners, including those described in the description of the prior art. For example, there are other organometallic complexes, metal salts, chelate compounds, and the like, specifically, acetylacetone metal complexes, hydroxycarboxylic acid metal complexes, polycarboxylic acid metal complexes, polyol metal complexes, and the like. In addition, carboxylic acid derivatives such as metal salts of carboxylic acids, carboxylic acid anhydrides and esters, and condensates of aromatic compounds are also included. Further, phenol derivatives such as bisphenols and calixarene are also used.
[0086]
(2) Wax
Next, the wax component used in the present invention will be described.
[0087]
When the azo iron compound used in the present invention is used with two or more kinds of waxes having different melting points or two or more kinds of waxes having different compositions, excellent effects can be obtained. In other words, the two kinds of waxes as described above can moderately adjust the effect of plasticizing the toner and the effect of releasing the toner, and the azo iron compound is better contained in the plasticized toner. This is because the effect on the chargeability of the azo iron compound is more clearly exhibited because the particles are dispersed.
[0088]
Moreover, it is preferable that the azo iron compound of the present invention is crystalline in that excessive plasticization can be suppressed, and as a result, deterioration of blocking resistance can be prevented.
[0089]
In addition, when the azo iron compound of the present invention is well dispersed, the charging ability can be further improved. However, in general, when the azo compound is well dispersed, the release property is decreased. In order to keep the releasability at a high level, it is preferable to supplement the release action with a wax component.
[0090]
The content of the wax component used in the present invention in the toner needs to be 0.2 to 20 parts by mass with respect to 100 parts by mass of the binder resin component. The content of the wax is preferably 0.5 to 15 parts by mass, more preferably 1.0 to 15 parts by mass with respect to 100 parts by mass of the binder resin component. If the wax content is too small than the above range, the effect of releasing the wax cannot be exhibited sufficiently, so that the anti-offset property at high temperature cannot be obtained, and the toner is fixed to the fixing material. Sexuality may also deteriorate. In addition, when the content is more than the above range, it is difficult to uniformly disperse the wax component in the toner, which affects the chargeability of the toner, and a preferable image density cannot be obtained. Or fog due to defective charging may increase.
[0091]
The waxes used in the present invention include the following. For example, low molecular weight polyethylene, low molecular weight polypropylene, polyolefin copolymer, polyolefin wax, microcrystalline wax, paraffin wax, aliphatic hydrocarbon wax such as Fischer-Tropsch wax; oxide of aliphatic hydrocarbon wax such as oxidized polyethylene wax Or block copolymers thereof; plant waxes such as candelilla wax, carnauba wax, wax wax, jojoba wax; animal waxes such as beeswax, lanolin, spermaceti; mineral systems such as ozokerite, ceresin, petrolactam Wax: Waxes mainly composed of fatty acid esters such as montanic acid ester wax and caster wax; those obtained by partially or fully deoxidizing fatty acid esters such as deoxidized carnauba wax It is. Furthermore, saturated linear fatty acids such as palmitic acid, stearic acid, montanic acid, or long-chain alkyl carboxylic acids having a long-chain alkyl group; unsaturated fatty acids such as brassic acid, eleostearic acid, and valinal acid; stearyl alcohol Saturated alcohols such as eicosyl alcohol, behenyl alcohol, carnauvir alcohol, seryl alcohol, melyl alcohol, or long chain alkyl alcohols having a long chain alkyl group; polyhydric alcohols such as sorbitol; linoleic acid amide, oleic acid Fatty acid amides such as amides and lauric acid amides; saturated fatty acid bisamides such as methylene bisstearic acid amides, ethylene biscapric acid amides, ethylene bislauric acid amides and hexamethylene bisstearic acid amides; Unsaturated fatty acid amides such as lenbis oleic acid amide, hexamethylene bis oleic acid amide, N, N′-dioleyl adipic acid amide, N, N′-dioleyl sebacic acid amide; Aromatic bisamides such as N, N'-distearylisophthalamide; fatty acid metal salts such as calcium stearate, calcium laurate, zinc stearate and magnesium stearate (commonly referred to as metal soap); aliphatic hydrocarbons Waxes grafted with vinyl monomers such as styrene and acrylic acid; partially esterified products of fatty acids and polyhydric alcohols such as behenic monoglyceride; hydroxyl groups obtained by hydrogenating vegetable oils and fats Having methyl esthetic Compounds.
[0092]
Preferred waxes include polyolefins obtained by radical polymerization of olefins under high pressure; polyolefins obtained by purifying low molecular weight by-products obtained during polymerization of high molecular weight polyolefins; polymerized using catalysts such as Ziegler catalysts and metallocene catalysts under low pressures Polyolefins; Polyolefins polymerized using radiation, electromagnetic waves or light; Low molecular weight polyolefins obtained by thermal decomposition of high molecular weight polyolefins; Paraffin wax, microcrystalline wax, Fischer-Tropsch wax; Jintole method, Hydrocol method, Age method, etc. Synthetic hydrocarbon waxes synthesized by the following: synthetic waxes having a compound having one carbon atom, hydrocarbon waxes having functional groups such as hydroxyl groups or carboxyl groups; hydrocarbon waxes and government Mixture of hydrocarbon wax having a group; styrene these waxes as a matrix, maleic acid ester, acrylate, methacrylate, graft-modified wax with such vinyl monomers of maleic acid.
[0093]
In addition, these waxes have a sharp molecular weight distribution using a press sweating method, a solvent method, a recrystallization method, a vacuum distillation method, a supercritical gas extraction method or a melt liquid crystal deposition method, a low molecular weight solid fatty acid, a low molecular weight A solid alcohol, a low molecular weight solid compound, and other impurities are preferably used.
[0094]
In the first aspect of the present invention, two or more kinds of waxes having different melting points are used. In the case of a wax having a similar structure, a wax having a relatively low melting point exhibits a plasticizing action, and a wax having a high melting point exerts an effect on a releasing action. That is, a wax having a low melting point contributes to low-temperature fixability of the toner, and a wax having a high melting point contributes to high-temperature offset resistance.
[0095]
When the difference in melting point between these two or more waxes is 10 ° C. to 100 ° C., the functional separation can be effectively expressed. The difference between the melting points is more preferably 20 to 80 ° C. If the difference between the melting points is smaller than the above range, the function separation effect is hardly exhibited, and if the difference between the melting points is larger than the above range, the function is not easily emphasized by the interaction.
[0096]
Of the two or more kinds of waxes having different melting points, it is preferable to use a wax having a melting point of 60 to 120 ° C. as a relatively low melting point wax. Further, as the wax having a relatively high melting point, it is preferable to use a wax having a melting point of 100 to 160 ° C.
[0097]
As the two or more kinds of waxes having different melting points, for example, those having different melting points among the above-mentioned waxes that can be used in the present invention can be used in any combination.
[0098]
In the second aspect of the present invention, two or more kinds of waxes having different compositions are used. In the present invention, “different in composition” means that the elements constituting the wax and their compound ratio or molecular structure are different. Examples of combinations of two or more kinds of waxes having different compositions include, for example, those having a linear structure and those having a branched structure; those having a polar group and those having a nonpolar polarity; Examples thereof include those modified with different components and unmodified ones.
[0099]
Waxes having a relatively branched structure, those having a polar group such as a functional group, and those modified with a component different from the main component exhibit a plastic action and contribute to the low-temperature fixability of the toner. Further, those having a more linear structure, nonpolar ones having no functional group, and unmodified straight ones exhibit a releasing action, contributing to the offset resistance of the toner.
[0100]
The two types of waxes having different compositions can be used in any combination of, for example, the above-mentioned waxes that can be used in the present invention, and are not particularly limited, but preferred combinations include the following. Can be mentioned. For example, polyethylene homopolymers or copolymers based on ethylene and polyolefin homopolymers or copolymers based on olefins other than ethylene; polyolefins and graft modified polyolefins; alcohol waxes, fatty acid waxes or ester waxes and hydrocarbons Fischer-Tropsch wax or polyolefin wax and paraffin wax or microcrystalline wax combination; Fischer-Tropsch wax and polyolefin wax combination; Paraffin wax and microcrystalline wax combination; Carnauba wax, Candelilla wax, Rice wax or Montan A combination of a wax and a hydrocarbon wax may be mentioned.
[0101]
As described above, by using two or more kinds of waxes having different melting points or two or more kinds of waxes having different compositions, excellent development characteristics and fixing characteristics can be exhibited to a high degree.
[0102]
In the present invention, the melting point of the wax component was measured using a differential thermal analysis measuring device (DSC measuring device) and DSC-7 (manufactured by Perkin Elmer) under the following conditions.
[0103]
Sample: 5-20 mg, preferably 10 mg
Measurement method: Place the sample in an aluminum pan, and use an empty aluminum pan as a reference.
[0104]
The endothermic peak temperature measured at the temperature elevation II is defined as the melting point.
[0105]
The penetration of the wax at 25 ° C. is preferably less than 10 mm. More preferably, it is 8 mm or less. If the penetration is larger than the above range, the anti-offset performance at high temperatures is deteriorated, and further, the powder flowability and cohesiveness of the toner are adversely affected, and the fading phenomenon and fogging are deteriorated. .
[0106]
Various methods are conceivable for setting the penetration of the wax within the above range, and examples thereof include a method of adjusting the molecular weight, molecular weight distribution, density, composition component and the like of the wax. By measuring the penetration of the wax when each of the above parameters is changed, a wax having a penetration within the above range can be obtained.
[0107]
Note that the penetration of the wax in the present invention can be measured in accordance with JIS K-2207. Specifically, the penetration depth per unit time when a needle having a conical tip having a diameter of about 1 mm and an apex angle of 9 ° is penetrated at a constant load is a numerical value expressed in units of 0.1 mm. The conditions for measuring the penetration in the present invention are a sample temperature of 25 ° C., a load of 100 g, and a penetration time of 5 seconds.
[0108]
The wax preferably has a number average molecular weight (Mn) measured by gel permeation chromatography (GPC) of 100 to 3000, more preferably 300 to 2000, in terms of polyethylene.
[0109]
If Mn is too smaller than the above range, it will be difficult to impart a sufficient release effect to the toner, and it will also be difficult to satisfactorily disperse the wax in the toner. On the other hand, when Mn is too larger than the above range, it is not preferable because it adversely affects the fixing property of the toner.
[0110]
The molecular weight in the present invention can be measured by the following method.
[0111]
<Method for measuring number average molecular weight of wax by GPC>
Apparatus: GPC-150C (manufactured by Waters)
Column: Duplex of GMH-HT (manufactured by Tosoh Corporation)
Temperature: 135 ° C
Solvent: o-dichlorobenzene (0.1% ionol added)
Flow rate: 1.0 ml / min.
Sample: 0.4 ml of 0.15 wt% sample was injected
Measurement is performed under the above conditions, and a molecular weight calibration curve prepared from a monodisperse polystyrene standard sample is used in calculating the molecular weight of the sample. As a standard sample of monodisperse polystyrene to be used, TSK StandardPOLYSTYRENE A-500, A-1000, A-2500, A-5000, F-1, F-2, F-4, F-10, F-20, manufactured by Tosoh, F-40, F-80, F-128, F-288, F-450, F-850 are used. Furthermore, the molecular weight of the wax is calculated by conversion using a conversion formula derived from the Mark-Houwink viscosity formula.
[0112]
(3) Toner
Hereinafter, the toner of the present invention containing the above-described azo iron compound and wax will be described.
[0113]
The toner of the present invention further contains a binder resin having a polymer component. Examples of the binder resin used in the present invention include, for example, a homopolymer of styrene such as polystyrene, poly-p-chlorostyrene styrene, polyvinyltoluene and the like; a styrene-p-chlorostyrene copolymer; Styrene-vinyltoluene copolymer, styrene-vinylnaphthalene copolymer, styrene-acrylic acid ester copolymer, styrene-methacrylic acid ester copolymer, styrene-α-chloromethyl methacrylate copolymer, styrene-acrylonitrile copolymer Polymer, styrene-vinyl methyl ether copolymer, styrene-vinyl ethyl ether copolymer, styrene-vinyl methyl ketone copolymer, styrene-butadiene copolymer, styrene-isoprene copolymer, styrene-acrylonitrile-indene copolymer Styrene copolymerization of polymers, etc. Polyvinyl chloride, phenolic resin, natural modified phenolic resin, natural resin modified maleic acid resin, acrylic resin, methacrylic resin, polyvinyl acetate, silicone resin, polyester resin, polyurethane, polyamide resin, furan resin, epoxy resin, xylene resin, Polyvinyl butyral, terpene resin, coumarone indene resin, petroleum resin and the like can be used. A cross-linked styrene resin is also a preferable binder resin.
[0114]
Examples of the comonomer for the styrene monomer of the styrene copolymer include acrylic acid, methyl acrylate, ethyl acrylate, butyl acrylate, dodecyl acrylate, octyl acrylate, 2-ethylhexyl acrylate, phenyl acrylate, methacrylic acid. Monocarboxylic acid having a double bond such as acid, methyl methacrylate, ethyl methacrylate, butyl methacrylate, octyl methacrylate, acrylonitrile, methacrylonitrile, acrylamide and the like; for example, maleic acid, butyl maleate , Dicarboxylic acids having a double bond such as methyl maleate, dimethyl maleate, and the like; and substituted products thereof; for example, vinyl esters such as vinyl chloride, vinyl acetate, vinyl benzoate, and the like, such as ethylene, propylene Ethylene-based olefins such as vinyl and butylene; vinyl ketones such as vinyl methyl ketone and vinyl hexyl ketone; and vinyl ethers such as vinyl methyl ether, vinyl ethyl ether and vinyl isobutyl ether; Vinyl monomers are used alone or in combination. Here, as the crosslinking agent, compounds having two or more polymerizable double bonds are mainly used. For example, aromatic divinyl compounds such as divinylbenzene and divinylnaphthalene; for example, ethylene glycol diacrylate, ethylene glycol Carboxylic acid ester having two double bonds such as dimethacrylate, 1,3-butanediol dimethacrylate; divinyl compounds such as divinylaniline, divinyl ether, divinyl sulfide, divinyl sulfone; and three or more vinyl groups Can be used alone or as a mixture.
[0115]
The toner of the present invention is preferably used as a magnetic toner containing a magnetic material. Examples of magnetic materials that can be used include metal oxides containing elements such as iron, cobalt, nickel, copper, magnesium, manganese, aluminum, and silicon. These magnetic materials preferably have a BET specific surface area by nitrogen adsorption method of 1 to 20 m.2/ G, more preferably 2.5 to 12 m2/ G of particles are preferred. Moreover, it is preferable that the Mohs hardness of a magnetic body is 5-7. Examples of the shape of the magnetic material include octahedron, hexahedron, spherical shape, needle shape, and flake shape, but those having low anisotropy such as octahedron, hexahedron, and spherical shape are preferable. This is because those having an isotropic shape can achieve good dispersion even with respect to the binder resin / wax.
[0116]
The average particle size of the magnetic material is preferably 0.05 to 1.0 μm, more preferably 0.1 to 0.6 μm, and still more preferably 0.1 to 0.4 μm.
[0117]
The magnetic material is preferably added in an amount of 60 to 200 parts by weight, more preferably 60 to 150 parts by weight, based on 100 parts by weight of the toner binder resin. If the added amount of the magnetic material is too small than the above range, the transportability of the toner to the development site becomes insufficient, and the thickness of the developer layer on the developer carrier is uneven, which tends to cause image unevenness. is there. Further, the image density tends to decrease due to an excessive increase in the charge of the developer. On the other hand, if the added amount of the magnetic material is too larger than the above range, the developer may not be sufficiently charged, and the image density may be easily lowered.
[0118]
The toner of the present invention is preferably mixed with inorganic fine powder or hydrophobic inorganic fine powder in order to improve environmental stability, charging stability, developability, fluidity, and storage stability. For example, silica fine powder, titanium oxide fine powder, or a hydrophobized product thereof can be used. They are preferably used alone or in combination.
[0119]
As the silica fine powder, both a so-called dry method produced by vapor phase oxidation of silicon halide or dry silica called fumed silica, and so-called wet silica produced from water glass can be used. And there are few silanol groups inside, and Na2O, SOThree 2-For example, dry silica with less production residue is preferred. In dry silica, it is also possible to obtain composite fine powders of silica and other metal oxides by using other metal halogen compounds such as aluminum chloride and titanium chloride together with silicon halogen compounds in the production process. They are also included.
[0120]
Further, the silica fine powder is preferably hydrophobized. The hydrophobizing treatment is applied by chemically treating with an organosilicon compound that reacts or physically adsorbs with fine silica powder. As a preferable method, a dry silica fine powder produced by vapor phase oxidation of a silicon halide compound is treated with a silane coupling agent, or with a silane coupling agent and simultaneously with an organosilicon compound such as silicone oil. Is mentioned.
[0121]
Examples of silane coupling agents used for hydrophobizing treatment include hexamethyldisilazane, trimethylsilane, trimethylchlorosilane, trimethylethoxysilane, dimethyldichlorosilane, methyltrichlorosilane, allyldimethylchlorosilane, and allylphenyldichlorosilane. , Benzyldimethylchlorosilane, bromomethyldimethylchlorosilane, α-chloroethyltrichlorosilane, β-chloroethyltrichlorosilane, chloromethyldimethylchlorosilane, triorganosilylmercaptan, trimethylsilylmercaptan, triorganosilylacrylate, vinyldimethylacetoxysilane, Dimethyldiethoxysilane, dimethyldimethoxysilane, diphenyldiethoxysilane, hexamethyldisiloxane, 1,3-divinyl Ditetramethyldisiloxane, 1,3-diphenyltetramethyldisiloxane and dimethyl containing 2 to 12 siloxane units per molecule and containing hydroxyl groups bonded to one silicon atom at each terminal unit Polysiloxane etc. are mentioned.
[0122]
Examples of the organosilicon compound include silicone oil. As a preferable silicone oil, the viscosity at 25 ° C. is 30 to 1000 mm.2/ S are used, and dimethyl silicone oil, methylphenyl silicone oil, α-methylstyrene modified silicone oil, chlorophenyl silicone oil, fluorine modified silicone oil and the like are particularly preferable.
[0123]
As a method for treating silicone oil, for example, silica fine powder treated with a silane coupling agent and silicone oil may be directly mixed using a mixer such as a Henschel mixer, or silicone fine powder as a base may be mixed with silicone. A method of spraying oil may be used. Alternatively, after dissolving or dispersing silicone oil in a suitable solvent, silica fine powder may be added and mixed to remove the solvent.
[0124]
If necessary, an external additive other than silica fine powder or titanium oxide fine powder may be added to the toner of the present invention.
[0125]
For example, there are resin fine particles and inorganic fine particles that function as a charge auxiliary agent, a conductivity imparting agent, a fluidity imparting agent, an anti-caking agent, a release agent at the time of hot roll fixing, a lubricant, and an abrasive.
[0126]
For example, lubricants such as Teflon, zinc stearate, and polyvinylidene fluoride are preferable, and among them, polyvinylidene fluoride is preferable. Alternatively, abrasives such as cerium oxide, silicon carbide, strontium titanate, etc., among which strontium titanate is preferable. Alternatively, fluidity-imparting agents such as titanium oxide and aluminum oxide, particularly hydrophobic ones are preferred. A small amount of an anti-caking agent, or a conductivity imparting agent such as carbon black, zinc oxide, antimony oxide or tin oxide, or white and black fine particles having opposite polarity can be used as a developing property improver.
[0127]
The resin fine particles, inorganic fine powder, or hydrophobic inorganic fine powder mixed with the toner is used in an amount of 0.1 to 5 parts by weight (preferably 0.1 to 3 parts by weight) with respect to 100 parts by weight of the toner. Good.
[0128]
In the toner of the present invention, the toner constituent materials are sufficiently mixed by a mixer such as a ball mill, and then melted, kneaded and kneaded using a heat kneader such as a heating roll, a kneader, and an extruder, pulverized and solidified after cooling and solidification. It can be generated by strict classification.
[0129]
For example, as a mixer, Henschel mixer (Mitsui Mining Co., Ltd.); Super mixer (Kawata Co., Ltd.); Ribocorn (Okawara Seisakusho Co., Ltd.); Nauter mixer, Turbulizer, Cyclomix (Hosokawa Micron Co., Ltd.); Spiral pin mixer (Manufactured by Taiheiyo Kiko Co., Ltd.); Ladige mixer (manufactured by Matsubo Co., Ltd.), and kneaders: KRC kneader (manufactured by Kurimoto Iron Works Co.); bus co kneader (manufactured by Buss); TEM type extruder (Manufactured by Toshiba Machine Co., Ltd.); TEX twin-screw kneader (manufactured by Nippon Steel Works); PCM kneader (manufactured by Ikekai Steel Works); three roll mill, mixing roll mill, kneader (manufactured by Inoue Seisakusho); Mining company); MS pressure kneader, Nider Ruder (Moriyama Seisakusho); Banbury mixer (Kobe Steel) As a pulverizer, a counter jet mill, a micron jet, an inomizer (manufactured by Hosokawa Micron); an IDS type mill, a PJM jet pulverizer (manufactured by Nippon Pneumatic Industry Co., Ltd.); a cross jet mill (manufactured by Kurimoto Iron Works Co., Ltd.); Max (manufactured by Nisso Engineering Co., Ltd.); SK Jet O-Mill (manufactured by Seishin Enterprise Co., Ltd.); Kryptron (manufactured by Kawasaki Heavy Industries, Ltd.); Turbo mill (manufactured by Turbo Kogyo Co., Ltd.); Micron Classifier, Spedick Classifier (manufactured by Seishin Company); Turbo Classifier (manufactured by Nisshin Engineering Corp.); Micron Separator, Turboplex (ATP), TSP Separator (manufactured by Hosokawa Micron Corp.); Elbow Jet (Nittetsu Mining Company) Manufactured), Disperse Separator (manufactured by Nippon Pneumatic Kogyo Co., Ltd.); YM micro cut (manufactured by Yaskawa Shoji Co., Ltd.) can be mentioned, and as a sieving device used for sieving coarse particles, Ultrasonic (manufactured by Kanei Sangyo Co., Ltd.); Gyro shifter (Tokuju Kogakusha); Vibrasonic system (Dalton); Soniclean (Shinto Kogyo); Turbo screener (Turbo Kogyo); Micro shifter (Ogino Sangyo); Circular vibrating sieve Etc.
[0130]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although this invention is demonstrated with a specific Example, this invention is not limited only to these Examples.
[0131]
<Azo iron compound production example 1>
A monoazo compound synthesized by a general diazotization coupling reaction of 4-chloro-2-aminophenol and 6-t-octyl-2-naphthol was added to N, N-dimethylformamide (DMF) and stirred. Sodium carbonate was added to this solution, the temperature was raised to 70 ° C., and iron (II) sulfate heptahydrate was added and reacted for 5 hours. Then, after allowing to cool to room temperature, the precipitated product was collected by filtration, added to isopropanol, dissolved by heating at 70 ° C., and then allowed to cool to room temperature to crystallize the azo iron compound. This reaction solution was dispersed in water, filtered, washed with water, and dried to obtain an azo iron compound (I) represented by the following formula (I). The crystallinity of the azo iron compound (I) was 68.0%. The X-ray diffraction spectrum of the azo iron compound (I) is shown in FIG.
[Outside 52]
[0132]
<Azo iron compound production example 2>
In azo iron compound production example 1, using the same method as in azo iron compound production example 1, except that 4-t-pentyl-2-aminophenol was used as a raw material, azo iron represented by the following formula (II) Compound (II) was obtained. The crystallinity of the azo iron compound (II) was 61.2%.
[Outside 53]
[0133]
<Azo iron compound production example 3>
In azo iron compound production example 1, an azo iron compound (III) represented by the following formula (III) was obtained using the same method as in azo iron compound production example 1 except that 2-aminophenol was used as a raw material. It was. The crystallinity of the azo iron compound (III) was 63.1%.
[Outside 54]
[0134]
<Azo iron compound production example 4>
An azo iron compound represented by the following formula (IV) using the same method as in the azo iron compound production example 1 except that 6-t-butyl-2-naphthol was used as a raw material in the azo iron compound production example 1. (IV) was obtained. The crystallinity of the azo iron compound (IV) was 64.8%.
[Outside 55]
[0135]
<Azo iron compound production example 5>
In azo iron compound production example 1, an azo iron compound (V) represented by the following formula (V) was used in the same manner as in azo iron compound production example 1 except that 6-methyl-2-naphthol was used as a raw material. ) The crystallinity of the azo iron compound (V) was 66..1%.
[Outside 56]
[0136]
<Azo iron compound production example 6>
An azo iron compound represented by the following formula (VI) using the same method as in the azo iron compound production example 1 except that 3-n-butyl 2-naphthol was used as a raw material in the azo iron compound production example 1 VI). The crystallinity of the azo iron compound (VI) was 65.8%.
[Outside 57]
[0137]
<Azo iron compound production example 7>
In azo iron compound production example 1, it is represented by the following formula (VII) using the same method as in azo iron compound production example 1 except that 2-naphthol and 4-methyl-2-aminophenol were used as raw materials. Azoiron compound (VII) was obtained. The crystallinity of the azo iron compound (VII) was 67.2%.
[Outside 58]
[0138]
<Azochrome compound production example 8>
In the azo iron compound production example 1, except that 2 naphthol, 4-t-pentyl-2-aminophenol, and chromium (III) formate were used, the following formula was used. The azochrome compound (VIII) represented by (VIII) was obtained. The crystallinity of the azochrome compound (VIII) was 63.7%.
[Outside 59]
[0139]
<Azo iron compound production example 9>
In azo iron compound production example 1, an azo iron compound (IX) represented by the following formula (IX) was obtained using the same method as in azo iron compound production example 1 except that 2-naphthol was used as a raw material. . The crystallinity of the azo iron compound (IX) was 69.6%.
[Outside 60]
[0140]
<Azo iron compound production example 10>
In the azo iron compound production example 7, the reaction solution in N, N-dimethylformamide (DMF) was dispersed in water without performing the crystallization process in isopropanol, filtered, washed with water, dried, and amorphous. A shaped azo iron compound (X) was obtained. The crystallinity of the azo iron compound (X) was 13.8%.
[0141]
Example 1
(1) Manufacture of toner
As a binder resin, 100 parts by mass of a styrene-butyl acrylate-monobutyl maleate copolymer (peak molecular weight 30000, glass transition temperature 61 ° C.) synthesized by a known method, 2 parts by mass of azo iron compound (I) , 100 parts by mass of spherical magnetic iron oxide, polypropylene wax (W1) (melting point: 143 ° C., penetration (25 ° C.) 0.5 mm, number average molecular weight (Mn) measured by GPC (1010) in terms of polyethylene) 1010) 3 parts by mass And 3 parts by weight of paraffin wax (W2) (melting point 75 ° C., penetration (25 ° C.) 6.5 mm, Mn 520) were previously mixed uniformly, and this was melt kneaded with a biaxial extruder heated to 130 ° C. . The kneaded product is cooled, coarsely pulverized with a hammer mill, and further finely pulverized with a jet mill.FourA classification powder of 6.5 μm was obtained.
[0142]
To 100 parts by mass of the classified powder, 1.2 parts by mass of hydrophobized silica fine powder was dry-mixed and externally added to obtain toner T1. The composition and physical properties of Toner T1 are shown in Table 1.
[0143]
The melting point of each wax was measured using the method using the DSC measuring apparatus described in the embodiment of the invention. The sample used for the melting point measurement was 1 mg. Similarly, the melting point and penetration of the wax were measured using the method described in the embodiment of the invention.
[0144]
(2) Evaluation
Printing was performed using the toner T1 obtained as described above, and image density, fogging, toner fixing property and offset resistance were evaluated.
[0145]
Under each environment of high temperature and high humidity (32.5 ° C, relative humidity 80%) and low temperature and low humidity (15 ° C, relative humidity 10%), a commercially available laser beam printer LBP-930EX (manufactured by Canon) is configured as follows. It was modified and a printout test was conducted under the following conditions. When the toner runs out, the printout test was continued by providing a cut in the toner container portion at the top of the cartridge and replenishing the toner from there. An electrostatic latent image is formed with a primary charge of −670 V, a gap (290 μm) is set between the photosensitive drum and the developer layer on the developer carrier (magnet inclusion) in a non-contact state, and an AC bias (f = 2000 Hz; Vpp) = 1600 V) and a DC bias (Vdc = −500 V) were applied to the developing drum. The printout speed was modified to 45 sheets (A4 horizontal) / 1 minute. The obtained images were evaluated for the following items.
[0146]
(A) Image density
Ordinary paper for ordinary copying machines (75 g / m2) Was evaluated by maintaining the image density at the end of printing out 25,000 sheets. The image density was measured by using a “Macbeth reflection densitometer” (manufactured by Macbeth Co., Ltd.) to measure a relative density with respect to a printout image of a white background portion having a document density of 0.00.
[0147]
(B) Fog
After printing the whiteness of the transfer paper measured with a reflectometer (manufactured by Tokyo Denshoku Co., Ltd.) and solid white after 10000 sheets of durable images were printed under low temperature and low humidity (15 ° C, 10% relative humidity) environment The fog was calculated from the comparison with the whiteness of the transfer paper.
[0148]
(C) Contamination of toner on roller unit roller
Normal paper for copying machines (75 g / m) under high temperature and high humidity (32.5 ° C, relative humidity 80%)2) Was printed out, and the degree of toner contamination on the roller member in the paper discharge conveyance unit after the fixing paper discharge was evaluated.
A: No contamination
○: Almost no contamination
Δ: Slightly contaminated
×: severely contaminated
(d) Fixability
Fixability is 50 g / cm for an image printed and fixed in a low temperature and low humidity (15 ° C., 10% relative humidity) environment.2The fixed image was rubbed with a soft thin paper, and the reduction rate (%) of the image density before and after rubbing was evaluated.
◎ (Excellent): Less than 5%
○ (Good): 5-10%
△ (possible): 10-20%
X (defect): 20% or more
(E) Offset resistance
The anti-offset property was evaluated based on the degree of stain on the solid white portion that was not printed by printing out a solid black sample image. Plain paper for copying machines as test paper (64 g / m2)It was used.
A: Not generated
○: Almost no occurrence
Δ: Slightly occurred
×: Severe offset occurred
The evaluation results are shown in Table 2.
[0149]
(Example 2)
Toner T2 was obtained in the same manner as in Example 1 except that 2 parts by mass of azo iron compound (II) was used instead of azo iron compound (I). The obtained toner T2 was evaluated in the same manner as in Example 1. The composition and physical properties of Toner T2 are shown in Table 1, and the evaluation results are shown in Table 2.
[0150]
(Example 3)
A toner T3 was obtained in the same manner as in Example 1 except that 2 parts by mass of the azo iron compound (III) was used instead of the azo iron compound (I). The obtained toner T3 was evaluated in the same manner as in Example 1. The composition and physical properties of Toner T3 are shown in Table 1, and the evaluation results are shown in Table 2.
[0151]
(Example 4)
As wax components, polyethylene wax (W3) (melting point: 102 ° C., penetration (25 ° C.): 4.5 mm, number average molecular weight (Mn) measured by GPC: 1500), 3 parts by mass, and polyethylene wax (W4) (melting point 122 ° C., penetration (25 ° C.) 0.5 mm, number average molecular weight measured by GPC (Mn) (polyethylene equivalent) 2800) 3 parts by mass, except for 3 parts by mass Toner T4 was obtained. The obtained toner T4 was evaluated in the same manner as in Example 1. The composition and physical properties of Toner T4 are shown in Table 1, and the evaluation results are shown in Table 2.
[0152]
(Example 5)
Toner T5 was obtained in the same manner as in Example 1 except that 2 parts by mass of azo iron compound (IV) was used instead of azo iron compound (I). The obtained toner T5 was evaluated in the same manner as in Example 1. Table 1 shows the composition and physical properties of Toner T5, and Table 2 shows the evaluation results.
[0153]
(Example 6)
Toner T6 was obtained in the same manner as in Example 1 except that 2 parts by mass of azo iron compound (V) was used instead of azo iron compound (I). The obtained toner T6 was evaluated in the same manner as in Example 1. The composition and physical properties of Toner T6 are shown in Table 1, and the evaluation results are shown in Table 2.
[0154]
(Example 7)
A toner T7 was obtained in the same manner as in Example 1 except that the monoazo iron compound (VI) was used in an amount of 2 parts by mass instead of the azo iron compound (I). The obtained toner T7 was evaluated in the same manner as in Example 1. The composition and physical properties of Toner T7 are shown in Table 1, and the evaluation results are shown in Table 2.
[0155]
(Example 8)
Toner T8 was obtained in the same manner as in Example 1 except that 2 parts by mass of azo iron compound (VII) was used instead of azo iron compound (I). The obtained toner T8 was evaluated in the same manner as in Example 1. The composition and physical properties of Toner T8 are shown in Table 1, and the evaluation results are shown in Table 2.
[0156]
Example 9
As the wax component, 3 parts by weight of polyethylene wax (W1), 3 paraffin wax W5 (melting point 69 ° C., penetration (25 ° C.) 15 mm, number average molecular weight (Mn) measured by GPC (polyethylene equivalent) 460) 3 A toner T9 was obtained in the same manner as in Example 1 except that the mass part was used. The obtained toner T9 was evaluated in the same manner as in Example 1. The composition and physical properties of Toner T9 are shown in Table 1, and the evaluation results are shown in Table 2.
[0157]
(Example 10)
As a wax component, 3 parts by mass of polyethylene wax (W6) (melting point 128 ° C., penetration (25 ° C.) 0.1 mm, number average molecular weight (Mn) (polyethylene equivalent) 3300) measured by GPC), paraffin wax W5 A toner T10 was obtained in the same manner as in Example 1 except for 3 parts by mass. The obtained toner T10 was evaluated in the same manner as in Example 1. Table 1 shows the composition and physical properties of Toner T10, and Table 2 shows the evaluation results.
[0158]
(Example 11)
As a wax component, polyethylene wax (W7) (melting point 116 ° C., penetration (25 ° C.) 0.2 mm, number average molecular weight (Mn) measured by GPC 900 (polyethylene equivalent) 900), 3 parts by mass, styrene graft Implemented except that 3 parts by mass of modified polyethylene wax (W8) (melting point 104 ° C., penetration (25 ° C.) 1.0 mm, number average molecular weight (Mn) (polyethylene equivalent) 1800) measured by GPC) was used. In the same manner as in Example 1, a toner T11 was obtained. The obtained toner T11 was evaluated in the same manner as in Example 1. The composition and physical properties of Toner T11 are shown in Table 1, and the evaluation results are shown in Table 2.
[0159]
(Example 12)
A toner T12 was obtained in the same manner as in Example 2 except that 3 parts by mass of polyethylene wax (W3) and 3 parts by mass of styrene graft-modified polyethylene wax (W8) were used as the wax components. The obtained toner T12 was evaluated in the same manner as in Example 1. The composition and physical properties of Toner T12 are shown in Table 1, and the evaluation results are shown in Table 2.
[0160]
(Comparative Example 1)
Toner T13 was obtained in the same manner as in Example 10, except that 2 parts by mass of azochrome compound (VIII) was used instead of azoiron compound (I). The obtained toner T13 was evaluated in the same manner as in Example 1. The composition and physical properties of Toner T13 are shown in Table 1, and the evaluation results are shown in Table 2.
[0161]
(Comparative Example 2)
Toner T14 was obtained in the same manner as in Example 10 except that 2 parts by mass of azo iron compound (IX) was used instead of azo iron compound (I). The obtained toner T14 was evaluated in the same manner as in Example 1. The composition and physical properties of Toner T14 are shown in Table 1, and the evaluation results are shown in Table 2.
[0162]
(Comparative Example 3)
Toner T15 was obtained in the same manner as in Example 8, except that only 6 parts by mass of polypropylene wax W1 was used as the wax component. The obtained toner T15 was evaluated in the same manner as in Example 1. The composition and physical properties of Toner T15 are shown in Table 1, and the evaluation results are shown in Table 2.
[0163]
(Comparative Example 4)
Toner T17 was obtained in the same manner as in Comparative Example 3, except that 2 parts by mass of azo iron compound (X) was used instead of azo iron compound (VII). The obtained toner T17 was evaluated in the same manner as in Example 1. The composition and physical properties of Toner T17 are shown in Table 1, and the evaluation results are shown in Table 2.
[0164]
[Table 1]
[0165]
[Table 2]
[0166]
【The invention's effect】
As described above, the toner of the present invention is a toner having an excellent balance between the fixing property and the non-offset property, and can obtain a high-quality image with little fogging in any environment over a long period of time. It is to provide a toner that can be used.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an X-ray diffraction spectrum of an azo iron compound (1).
Claims (13)
【外1】
(式中R9〜R18はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基を表し、R9〜R18のうち少なくとも一つがアルキル基である。)The toner according to any one of claims 1 to 3 wherein the monoazo compound characterized by represented by any of the following general formula (b).
[Outside 1]
(Wherein R 9 to R 18 each independently represents a hydrogen atom, a halogen atom or an alkyl group, and at least one of R 9 to R 18 is an alkyl group.)
【外2】
(式(d)中A、Bはそれぞれ独立してo−フェニレンまたは1,2−ナフチレンを表し、少なくともAまたはBのいずれかに1以上のアルキル基を有する。また、A、Bはそれぞれハロゲン原子を置換基としてさらに有していてもよい。Mはカチオンであり、水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、有機アンモニウムイオンを表す。)The toner according to any one of claims 1 to 9, wherein the azo iron compound is characterized by being represented by the following general formula (d).
[Outside 2]
(In formula (d ), A and B each independently represent o-phenylene or 1,2-naphthylene, and have at least one alkyl group in either A or B. A and B are each a halogen atom. (It may further have an atom as a substituent. M is a cation, and represents a hydrogen ion, an alkali metal ion, an ammonium ion, or an organic ammonium ion.)
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