JP3879888B2 - 液状硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液状硬化性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは光ファイバー被覆に好適に用いられる光硬化性液状樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバーの製造においては、ガラスファイバーを熱溶融紡糸した直後に、保護補強を目的として種々の樹脂被覆が施されており、多くの場合、放射線硬化性の液状樹脂が用いられている。これら、光ファイバ−用被覆材料に求められる基本特性としては、例えば、塗布性、保存安定性、硬化性、耐水性、耐薬品性、耐光性、耐油性が良好なこと、充分な強度、柔軟性を有すること、温度変化に対して物性変化が少ないこと、水素ガスの発生量が少ないことなどがある。
【0003】
これらの要求に対して、従来技術として、例えば、特開平3−247671号公報には樹脂のガラス転移温度を規定することで弾性率の温度依存性の改善を目指した技術、特開平6−59452号公報にはブチレンオキシドを含有するブロック共重合ポリエーテルを原料とするウレタンアクリレートを用いることで、塗布性、硬化性、弾性率の温度依存性の低減、耐油性の改善を目指した技術、特開平7−69686号公報にはN−ビニルアミドモノマー、ビニルエーテルモノマーを配合することで硬化速度の向上を目指した技術、また、特願平8−46407号公報には、8千から30万センチポイズの樹脂粘度を特徴とすることで、硬化物の形状変化を少なくする技術が開示されている。
【0004】
以上述べた従来技術は両末端にアクリレート基を有するウレタンアクリレート類を主成分として、低分子モノマーから選ばれる反応性希釈剤と光重合開始剤を配合した材料であり、硬化物の十分な力学強度および高速線引きに適応した塗布性を得る為には多量の反応性希釈剤を配合する必要があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上の先行技術は光ファイバー被覆材に対する要求の一部を解決する技術を提供するものではあるが、近年要求されている光ファイバーケーブルの生産量の増加に対応した技術としては必ずしも十分といえない。すなわち、光ファイバーの生産性アップを目的として高速線引きが実施されるようになった結果、良好な光ファイバー被覆を安定的に提供するためには、樹脂の硬化速度が高いことのみならず、硬化物が十分な強度を有し、母線もしくは素線に対して均一なかつ安定した塗膜を形成できる塗布性が良好なこと、また、作業環境としての臭気が少ないこと、付着によるランプの汚染が少ないことが求められてきている。したがって、従来技術において実施されてきた、大量の反応性希釈剤を配合することがなくてもこれらの課題を解決する技術が求められていた。
【0006】
本発明の目的は、新規な液状硬化性樹脂組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、光ファイバー被覆に好適な液状硬化性樹脂組成物を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、硬化物が十分な力学強度を有し、高速線引き時の塗布性が良好で、低臭気で、ランプの汚染が極めて微少である光硬化性光ファイバー用被覆材として好適な液状硬化性樹脂組成物を提供することにある。
本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになろう。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記従来技術における課題を解決する為に鋭意検討した結果、本発明の上記目的および利点は、下記式(1)
【0008】
【化2】
Figure 0003879888
【0009】
ここで、R1およびR11は互いに独立に水素原子またはメチル基を示し、R2およびR21は互いに独立に炭素数2〜8のアルキレン基を示し、R3およびR31は互いに独立に、ジメチレン基、ビニレン基またはアリーレン基を示し、そしてR4はポリエーテル鎖を示す、
で表される重合性オリゴマー(A)を含むことを特徴とする液状硬化性樹脂組成物によって達成されることを究明した。
以下本発明を詳述するが、それにより本発明の他の目的、利点および効果が明らかとなろう。
【0010】
従来の光ファイバー被覆用光硬化性樹脂組成物には、主成分としてウレタン(メタ)アクリレート、反応性希釈剤、光開始剤が含まれているものが多い。他方、本発明の光硬化性樹脂組成物は、重合性オリゴマー(A)を含むことを特徴とする。本発明で使用する重合性オリゴマー(A)は、前記式(1)の化学構造を有し、分子末端が(メタ)アクリロイル基で構成されている。
【0011】
式(1)において、R1およびR11は互いに独立に水素原子またはメチル基である。これらのうち、水素原子が好ましく、とりわけ両者が水素原子であるのがより好ましい。
【0012】
2およびR21は互いに独立に炭素数2〜8のアルキレン基である。かかるアルキレン基は直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、例えばエチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラメチレン、ヘキサメチレン、オクタメチレン等である。これらのうち、エチレンおよびプロピレンが好ましく、とりわけ両者がエチレンまたはプロピレンのいずれかであるのがより好ましい。
【0013】
3およびR31は互いに独立にジメチレン基すなわち1,2−エチレン基、ビニレンまたはアリーレンである。アリーレン基は2価の芳香族炭化水素基を意味し例えば1,2−フェニレン基、1,2−ナフチレン基、1,8−ナフチレン基等である。これらのうちビニレン基が好ましく、とりわけ両者がビニレン基であるのがより好ましい。
【0014】
本発明の重合性オリゴマー(A)は、例えば水酸基含有(メタ)アクリレート、環状酸無水物、ポリエーテルグリコールを原料に製造される。水酸基含有(メタ)アクリレートは、上記式(1)における基R1とR2またはR11とR21を与える。また環状酸無水物は、上記式(1)における基R3とR31を与え、さらにポリエーテルグリコールは基R4を与える。
【0015】
本発明の重合性オリゴマー(A)を製造する際の水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらのうち、特に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートが好ましい。これらの水酸基含有(メタ)アクリレート化合物は、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0016】
重合性オリゴマー(A)の原料として使用される環状酸無水物としては、例えば無水フタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸等を挙げることができる。これらの中で特に無水マレイン酸が組成物の粘度を低減できる効果が高いため好ましい。
【0017】
重合性オリゴマー(A)の原料として使用されるポリエーテルグリコールとしては、脂肪族ポリエーテルグリコールが好ましく、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、ポリヘプタメチレングリコール、二種以上のイオン重合性環状化合物を開環共重合させて得られるポリエーテルジオールなどが挙げられる。
【0018】
ポリエーテルグリコールは、例えばPTMG650、PTMG1000、PTMG2000(以上、三菱化学(株)製)、PPG−400、PPG1000、PPG2000、PPG3000、EXCENOL720、1020、2020、(以上、旭オーリン(株)製)、PEG1000、ユニセーフDC1100、DC1800(以上、日本油脂(株)製)、PPTG2000、PPTG1000、PTG400、PTGL2000(以上、保土谷化学工業(株)製)、Z−3001−4、Z−3001−5、PBG2000A、PBG2000B(以上、第一工業製薬(株)製)などの市販品としても入手することができる。 ポリエーテルグリコールの好ましい分子量は数平均分子量で通常100〜15,000であり、特に好ましくは200〜15,000である。
【0019】
本発明で用いられる重合性オリゴマー(A)の製造法は特に限定されるものでは無いが、次の方法が例示される。
方法−1)
ポリエーテルグリコールと環状無水物とを反応させてハーフエステルとした後、これにエステル化触媒の存在下、水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させエステル化する方法。
方法−2)
水酸基含有(メタ)アクリレートと環状無水物とを反応させてハーフエステルとした後、これにエステル化触媒の存在下、ポリエーテルグリコールを反応させエステル化する方法。
方法−3)
水酸基含有(メタ)アクリレート、環状無水物、ポリエーテルグリコールおよびエステル化触媒を一括して混合しエステル化する方法。
【0020】
これらの中で、純度の高い生成物が得られることから、方法−1が好ましい。また、エステル化触媒としては有機酸、無機酸、金属触媒が有効であるが生成物の純度が高く、反応時間が短いことから有機酸、金属触媒の使用が好ましい。有機酸としては、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等が挙げられる。また金属触媒としては、テトライソプロピルチタネート、テトラフェニルチタネート、ヒドロキシチタニウムステアレート、テトラステアリルチタネート、テトラエチルジルコネートおよびブチルスズ酸等を挙げることができる。
【0021】
また、重合性オリゴマー(A)の組成物中の含有量は、好ましくは組成物100重量部当たり5〜80重量部であり、より好ましくは10〜70重量部である。5重量部未満においては塗布性に関して十分な効果が得られない場合があり、80重量部を超えた含有量においては、力学特性が十分でない場合がある。
【0022】
本発明の組成物には、好ましくは、ウレタン(メタ)アクリレート(B)が含有される。本発明で用いられるウレタン(メタ)アクリレート(B)は、望ましくは、分子中に複数個、好ましくは2〜10個のウレタン結合を有する2価の有機基の片端または両端に(メタ)アクリロイル基を有する、ラジカル重合性の化合物である。これは、例えばジイソシアネート1モルに対して水酸基含有(メタ)アクリレート化合物2モルを反応させたウレタン(メタ)アクリレートを用いることができる。かかるウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと2,4−トリレンジイソシアネートの反応物、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと2,5(または6)−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンの反応物、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとイソフォロンジイソシアネートの反応物、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと2,4−トリレンジイソシアネートの反応物、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとイソフォロンジイソシアネートの反応物などが挙げられる。
【0023】
また、ウレタン(メタ)アクリレート(B)としては、さらに、ポリオール、ジイソシアネートおよび水酸基含有(メタ)アクリレートの反応により得られるウレタン(メタ)アクリレートを用いることができる。
【0024】
この反応を実施する具体的方法としては、例えばポリオール、ジイソシアネートおよび水酸基含有(メタ)アクリレートを一括に仕込んで反応させる方法;ポリオールおよびジイソシアネートを反応させ、次いで水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させる方法;ジイソシアネートおよび水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させ、次いでポリオールを反応させる方法;ジイソシアネートおよび水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させ、次いでポリオールを反応させ、最後にまた水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させる方法などが挙げられる。
【0025】
ここで用いられるポリオールとしては、例えば脂肪族、脂環式あるいは芳香族のポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオールおよびポリカプロラクトンジオールなどが挙げられ、これらのポリオールは、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0026】
脂肪族ポリエーテルジオールとしては、例えば重合性オリゴマー(A)の原料として前記したものと同じものが用いられる。
脂環式ポリエーテルジオールとしては、例えば水添ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加ジオール、水添ビスフェノールFのアルキレンオキシド付加ジオールおよび1,4−シクロヘキサンジオールのアルキレンオキシド付加ジオールなどが挙げられる。
【0027】
芳香族ポリエーテルジオールとしては、例えばビスフェノールAのアルキレンオキシド付加ジオール、ビスフェノールFのアルキレンオキシド付加ジオール、ハイドロキノンのアルキレンオキシド付加ジオール、ナフトハイドロキノンのアルキレンオキシド付加ジオール、アントラハイドロキノンのアルキレンオキシド付加ジオールなどが挙げられる。上記芳香族ポリエーテルジオールは、例えばユニオールDA400、DA700、DA1000、DA4000(以上、日本油脂(株)製)などの市販品として入手することができる。
【0028】
ポリエステルジオールとしては、例えば多価アルコールと多塩基酸とを反応して得られるポリエステルジオールなどが挙げられる。これらのポリエステルジオールは、クラポールP−2010、PMIPA、PKA−A、PKA−A2、PNA−2000(以上、(株)クラレ製)などの市販品として入手できる。
【0029】
また、ポリカーボネートジオールとしては、例えばポリテトラヒドロフランのポリカーボネート、1,6−ヘキサンジオールのポリカーボネートなどが挙げられる。市販品としてはDN−980、981、982、983(以上、日本ポリウレタン(株)製)、PC−8000(米国PPG社製)、PC−THF−CD(BASF社製)などとして入手できる。
【0030】
さらにポリカプロラクトンジオールとしては、例えばε−カプロラクトンとジオールとを反応させて得られるポリカプロラクトンジオールなどが挙げられる。ポリカプロラクトンジオールは、プラクセル205、205AL、212、212AL、220、220AL(以上、ダイセル化学工業(株)製)などの市販品として入手することができる。
【0031】
ポリオールの好ましい分子量は数平均分子量で通常50〜15,000であり、特に好ましくは100〜8,000である。
【0032】
ジイソシアネートとしては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチルフェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,6−ヘキシレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、6−イソプロピル−1,3−フェニレンジイソシアネート、4−ジフェニルプロパンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,5(または6)−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンなどが挙げられる。これらのうち、特に2,4−トリレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)が好ましい。
【0033】
これらのジイソシアネートは、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0034】
水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば重合性オリゴマー(A)の原料として前記したものと同じものが用いられる。これら水酸基含有(メタ)アクリレートのうち、特に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートが好ましい。
これらの水酸基含有(メタ)アクリレート化合物は、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0035】
ポリオール、ジイソシアネートおよび水酸基含有(メタ)アクリレートの使用割合は、ポリオール中の水酸基1化学当量に対してジイソシアネート中のイソシアネート基が 1.1〜3化学当量、水酸基含有(メタ)アクリレート中の水酸基が0.2〜1.5化学当量となるようにするのが好ましい。
【0036】
ウレタン(メタ)アクリレート(B)を使用する際には、任意成分として、イソシアネート基に付加し得る官能基を持った化合物を併用することができる。上記化合物としては、例えばγ−メルカプトトリメトキシシラン、γ−アミノトリメトキシシランなどを挙げることができる。これらの化合物を併用することにより、得られる液状硬化性樹脂組成物のガラスなどの基材への密着性を高めることができる。
【0037】
ウレタン(メタ)アクリレート(B)の合成の反応においては、通常、ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、ジラウリル酸ジn−ブチルスズ、トリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、2,6,7−トリメチル−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンなどのウレタン化触媒を、反応物の総量100重量部に対して0.01〜1重量部用いるのが好ましい。また、反応温度は、通常10〜90℃、特に30〜80℃で行うのが好ましい。
【0038】
ウレタン(メタ)アクリレート(B)の分子量は、ポリスチレン換算の重量平均分子量で20,000以下であり、200〜8,000が好ましく、400〜5,000がさらに好ましい。重量平均分子量が20,000を越えると硬化速度が遅くなり、光ファイバーの生産性を低下させるため好ましくない。
【0039】
ウレタン(メタ)アクリレート(B)の組成物中の含有量は好ましくは組成物100重量部当たり5〜80重量部であり、より好ましくは10〜70重量部である。5重量部未満においては、力学特性が十分でない場合があり、80重量部を超えた含有量において、塗布性に関して十分な効果が得られない場合がある。
【0040】
本発明の組成物は反応性希釈剤(C)を含有することができる。
反応性希釈剤(C)としては、ウレタン結合を有せず、分子中に1個以上の(メタ)アクリロイル基またはビニル基を有するモノマーが用いられる。このようなモノマーとしては、単官能性モノマーと2官能以上の多官能モノマーが挙げられる。
【0041】
上記単官能性モノマーとしては、例えばイソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの脂環式構造含有(メタ)アクリレート;
【0042】
ベンジル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、
【0043】
フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン、および、下記式(2)
CH2=C(R5)COO(R6O)n7 ・・・(2)
ここで、R5は水素原子またはメチル基を示し、R6は炭素数2〜6、好ましくは2〜4のアルキレン基を示し、R7は水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を示し、nは0〜12の整数である、
で表されるポリエーテル骨格含有(メタ)アクリレート類、窒素原子上にビニル基が置換された不飽和モノマーである、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルコハク酸イミド、N−ビニルフタル酸イミド、
【0044】
また、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテルなどのビニルエーテル類を挙げることができる。
【0045】
これら単官能性モノマーの市販品としては、例えばアロニックスM−111、M−113、M−114、M−117(以上、東亜合成(株)製);KAYARAD TC110S、R629、R644(以上、日本化薬(株)製);IBXA(大阪有機化学工業(株)製)などが挙げられる。
【0046】
これらのうちイソボルニル(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルアクリレート、N−ビニルピロリドンが好ましい。
【0047】
また、2官能性モノマーとしては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加ジオールのジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加ジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルに(メタ)アクリレートを付加させたエポキシ(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリロイル基含有モノマー;トリエチレングリコールジビニルエーテルなどのビニル基含有モノマーが挙げられる。これらの中で好ましいものは、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートである。
【0048】
3官能以上の多官能性モノマーとしては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、トリス(2―(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート等を挙げることができる。3価以上の多官能性モノマーとして、これらのうちトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを好ましいものとして挙げることができる。
【0049】
これら多官能性モノマーは、例えば、FA731A(日立化成工業(株)製);アロニックスM−315、M−350、M−360、M−405、M−450(東亜合成(株)製);KAYARAD DPHA,D−310、D−320、D−330、DPCA−20、DPCA−30、DPCA−60、DPCA−120 (日本化薬(株)製);ビスコート#400(大阪有機化学工業(株)製)、Photomer4172、4149(サンノプコ(株)製)等の商品名で入手することが出来る。
【0050】
これらの反応性希釈剤は、必要に応じて、単独でまたは二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0051】
反応性希釈剤(C)は、組成物の粘度を調整するのに有用であり、その組成物中の含有量は組成物100重量部当たり、好ましくは15重量部以下であり、より好ましくは1〜10重量部である。15重量部を超えると、線引き時のランプの汚染、臭気が激しくなる。
【0052】
本発明の組成物は、加熱および/または光の照射によって硬化する。本発明においては必要に応じて重合開始剤を配合してもよく、そのような重合開始剤としては、熱重合開始剤および光重合開始剤が挙げられる。ここで光とは、赤外線、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線などをいう。
【0053】
本発明の組成物を光によって硬化させる場合、本発明の組成物には、光重合開始剤(D)が用いられる。
【0054】
光重合開始剤としては、例えば1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイドなどを挙げることができる。
【0055】
これらの市販品としては、Irgacure184、369、651、500、907、CGI1700、CGI1750、CGI1850;Darocur1116、1173(以上、チバスペシャルティケミカルズ(株)製);LucirinLR8728(BASF社製);ユベクリルP36(UCB社製)などが挙げられる。好ましい例を挙げると、 Irgacure184、Irgacure651、Irgacure907、 Darocur1173、LucirinTPOである。
【0056】
本発明の組成物を熱硬化させる場合には、通常、過酸化物、アゾ化合物などのラジカル重合開始剤が用いられる。具体的なラジカル重合開始剤としては、例えばベンゾイルパーオキサイド、t−ブチル−オキシベンゾエート、アゾビスイソブチロニトリルなどが挙げられる。
本発明の組成物を加熱および放射線の照射を併用して硬化させる場合には、前記熱重合開始剤と光重合開始剤を併用することもできる。重合開始剤は、全組成物中に0.1〜10重量%、特に0.5〜7重量%占めるのが好ましい。
【0057】
本発明においては前記反応性希釈剤、重合開始剤以外の非重合性の添加剤、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、シランカップリング剤などを含有することができる。ここで、酸化防止剤としては、例えばイルガノックス1010、1035、1076、1222(以上、チバスペシャルティケミカルズ(株)製)、Antigene P、3C、FR、GA−80(住友化学工業(株)製)などが挙げられる。紫外線吸収剤としては、例えばTinuvin P、234、320、326、327、328、329、213(以上、チバスペシャルティケミカルズ(株)製)、Seesorb102、103、501、202、712、704(以上、シプロ化成(株)製)などが挙げられる。光安定剤としては、例えばTinuvin 292、144、622LD(以上、チバスペシャルティケミカルズ(株)製)、サノールLS770(三共(株)製)、Sumisorb TM−061(住友化学工業(株)製)などが挙げられる。シランカップリング剤としては、例えばγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、市販品として、SH6062、6030(以上、東レダウコーニングシリコーン(株)製)、KBE903、603、403(以上、信越化学工業(株)製)などが挙げられる。
【0058】
本発明の組成物においては硬化物の特性に悪影響を及ぼさない範囲で前記以外に、無機、有機のフィラー、着色顔料、染料、分散助剤、スリップ剤、帯電防止剤、レベリング剤、増感剤、アミン類、有機溶剤を配合することもできる。
【0059】
以上のように調製された本発明の組成物の粘度の好ましい範囲は、25℃で測定した値として、1,000〜25,000cps、より好ましくは1,500〜15,000cps、特に好ましくは2,000〜12,000cpsである。
【0060】
【実施例】
次に、実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0061】
実施例1
重合性オリゴマー(A1)の製造
無水マレイン酸を27g(0.276mol)、2―ヒドロキシエチルアクリレート32g(0.276mol)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.4gをDean−Stark装置(水分離器)を備えた500ml三ッ口フラスコに入れ、乾燥空気下、80℃で1時間撹拌した。数平均分子量1000のポリテトラメチレングリコール138g(0.138mol)、ブチルスズ酸0.1g(5x10-4mol)を加え、更にトルエン200gを共沸還流溶媒として加えた。内温120℃に加熱し、還流下で生成する水をトルエンと共沸させ分離することにより除いた。28時間後、真空下でトルエンを留去した。淡黄色の液体が得られた。このようにして、下記式(3)で示される重合性オリゴマー(A1)を得た。d−化クロロホルムを溶媒として、核磁気共鳴装置(日本電子(株)製FT−NMR EX−90)により、1H−NMRの測定を行い、式(3)で示される重合性オリゴマー(A1)の生成を確認した。25℃で測定した粘度は1200cpsであった。
【0062】
【化3】
Figure 0003879888
【0063】
ウレタンアクリレート成分(B1)の製造
攪拌機を備えた反応容器に、2,4−トリレンジイソシアネートを428g、2,6―ジ−t―ブチル−4―メチルフェノールを0.13gおよびフェノチアジンを0.04g仕込んだ。これを10℃まで氷水浴で冷却した後、ジブチルスズジラウリレート0.44gを加え、更に2―ヒドロキシプロピルアクリレートを320gを温度を30℃以下に制御しながら添加した。添加後、20〜30℃で1時間攪拌した後、2―ヒドロキシエチルアクリレート285gを加え、温度60℃で3時間攪拌し、反応を終了させた。このようにして、ウレタンアクリレート(B1)1034gを得た。このものの25℃で測定した粘度は1000000cps以上であった。
【0064】
液状硬化性樹脂組成物の調製
上記で得られた重合性オリゴマー(A1)40.5gおよびウレタンアクリレート(B1)50.0gに、反応性希釈剤(C1)としてN−ビニルピロリドン6.2g、光重合開始剤(D)2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名:イルガキュア651、チバスペシャルティケミカルズ(株)製)3.0g、酸化防止剤2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t―ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:イルガノックス1035、チバスペシャルティケミカルズ(株)製) 0.3gをさらに加え、60℃で2時間撹拌し、本発明の組成物100gを得た。
【0065】
実施例2
液状硬化性樹脂組成物の調製
重合性オリゴマー(A1)40.2gおよびウレタンアクリレート(B1)46.5g、反応性希釈剤(C2)としてイソボロニルアクリレート10.0gを用いた以外は、実施例1のコート材の調製と全く同様にして本発明の組成物100gを得た。
【0066】
実施例3
重合性オリゴマー(A2)の製造
無水フタル酸を40.9g(0.276mol)、2―ヒドロキシエチルアクリレートを32g(0.276mol)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.4gをDean−Stark装置を備えた500ml三ッ口フラスコに入れ、乾燥空気下、80℃で1時間撹拌した。数平均分子量1000のポリテトラメチレングリコール138g(0.138mol)、ブチルスズ酸0.1g(5x10-4mol)を加え、更にトルエン200gを共沸還流溶媒として加えた。内温120℃に加熱し、還流下で生成する水をトルエンと共沸させ分離することにより除いた。28時間、真空下でトルエンを留去した。淡黄色の液体が得られた。このようにして、下記式(4)で表される重合性オリゴマー(A2)を得た。25℃で測定した粘度は2200cpsであった。
【0067】
【化4】
Figure 0003879888
【0068】
液状硬化性樹脂組成物の調製
重合性オリゴマー(A2)40.5gを用いた以外は、実施例1の液状硬化性樹脂組成物の調製と全く同様にして本発明の組成物100gを得た。
【0069】
実施例4
重合性オリゴマー(A3)の製造
無水マレイン酸を27g(0.276mol)、2―ヒドロキシエチルアクリレートを32g(0.276mol)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.4gをDean−Stark装置を備えた500ml三ッ口フラスコに入れ、乾燥空気下、80℃で1時間撹拌した。数平均分子量1000のポリプロピレングリコール138g(0.138mol)、ブチルスズ酸0.1g(5x10-4mol)を加え、更にトルエン200gを共沸還流溶媒として加えた。内温120℃に加熱し、還流下で生成する水をトルエンと共沸させ分離することにより除いた。28時間後、真空下でトルエンを留去した。淡黄色の液体が得られた。このようにして、下記式(5)で表される重合性オリゴマー(A3)を得た。25℃で測定した粘度は1000cpsであった。
【0070】
【化5】
Figure 0003879888
【0071】
液状硬化性樹脂組成物の調製
重合性オリゴマー(A3)40.5gを用いた以外は、実施例1の液状硬化性樹脂組成物の調製と全く同様にして本発明の組成物100gを得た。
【0072】
実施例5
ウレタンアクリレート成分(B2)の製造
攪拌機を備えた反応容器に、2、4−トリレンジイソシアネートを174g、2,6―ジ−t―ブチルー4―メチルフェノールを0.13gおよびフェノチアジンを0.04g仕込んだ。これを10℃まで氷水浴で冷却した後、ジブチルスズジラウリレート0.44gを加え、更に2−ヒドロキシエチルアクリレート116gを温度を30℃以下に制御しながら添加した。添加後、20〜30℃で1時間攪拌した後、数平均分子量1000のポリテトラメチレングリコール500gを添加した。温度60℃で3時間攪拌し、反応を終了させた。このようにして、ウレタンアクリレート(B2)790gを得た。このものの25℃で測定した粘度は130,400cpsであった。
【0073】
液状硬化性樹脂組成物の調製
ウレタンアクリレート(B2)50.0gを用いた以外は、実施例1のコート材の調製と全く同様にして本発明の組成物100gを得た。
【0074】
比較例1
液状硬化性樹脂組成物の調製
重合性オリゴマー(A)の代わりにウレタンアクリレート(B2)に置き換えた以外は実施例1のコート材の調製と全く同様にして本発明の組成物100gを得た。
【0075】
比較例2
液状硬化性樹脂組成物の調製
重合性オリゴマー(A)の代わりにアクリレート(B2)に置き換えた以外は実施例2のコート材の調製と全く同様にして本発明の組成物100gを得た。
【0076】
比較例3
液状硬化性樹脂組成物の調製
ウレタンアクリレート(B1)を30gに減らし、反応性希釈剤(C2)を20g添加した以外は比較例1のコート材の調製と全く同様にして本発明の組成物100gを得た。
表1に各実施例、比較例の組成物の配合例と評価結果を示す。
【0077】
【表1】
Figure 0003879888
【0078】
重合性オリゴマー(A)のR3およびR31がビニレン基である実施例1,2,4,5は、いずれも全ての評価項目で優れていた。R3およびR31が、フェニレン基である実施例3は、組成物の粘度が少し高めであった以外は、すべての評価項目で優れていた。本発明の重合成オリゴマー(A)を配合していない比較例1,2,3の中、比較例1,2は組成物の粘度が高く、800m/分での線引の塗布性が悪化し、均一な塗膜が得られず不合格であった。また、比較例3は組成物の粘度を下げる為反応性希釈剤を増したものであり、塗布性は合格であったが、反応性希釈剤が多いためランプの汚染があり、臭気も大で不合格であった。硬化物の力学強度は本発明の実施例、比較例共に合格であった。
【0079】
下記に本発明の実施例および比較例における評価の方法を示す。
(粘度の測定)
東京計器(株)製B型粘度計を用いて、25℃で測定した。
【0080】
(組成物の塗布性の評価)
光ファイバー線引き装置(吉田工業(株)製)を使用して、一次被覆材として、JSR(株)製のデソライトR1055を用い、それらの二次被膜材として本発明の実施例または比較例の組成物を使用した。光ファイバーの線引き条件は以下のようにした。
光ファイバーとして石英ガラスを用いた。溶融後の線引きした母線は直径125μm 、一次被覆材を塗布した時のファイバー直径を200μm に調節し、本発明の実施例の組成物および比較例の組成物を塗布したときで250μmに調節した。光ファイバーの線引き速度は800m/minとし、硬化装置として、紫外線照射装置(オーク製作所(株)製UVランプ、SMX3.5kw)を使用した。線引き試験時の塗布性の評価は、前記速度で長距離の線引きを実施後の被覆光ファイバーの表面状態を倍率30倍の光学顕微鏡で観察し、塗膜が長距離にわたって塗布むらがなく、平滑である場合を○、塗膜が切れていたり、不均一である箇所が発見される場合を×とした。
【0081】
(ランプの汚染性の評価)
10時間運転後のランプカバーでの汚染が認められるものを×、異常無いものを○とした。
(臭気の有無の評価)
臭気の有無は運転時のランプ周辺からの臭気の有無で評価し、臭気のあるものを×、臭気が感じられないものを○とした。
【0082】
(硬化物の力学強度の評価)
本発明の実施例または比較例の組成物を、250μm厚用のアプリケーターを用いてガラス板状に塗布し、3.5KWメタルハライドランプ(オーク製作所((株)製 SMX−3500/F−OS)を用い、空気雰囲気下において紫外線照射量が1J/cm2になるようにして紫外線を照射し、厚さ約200μmの硬化膜を得た。次いで、該硬化膜を0.6cm幅の短冊状に切断して試験片を作成した。23℃、50%で12時間以上状態調整を行った後に破断強度の測定をJIS K7127に準拠し、引張り速度50mm/分、標線間距離25mmで破断強度を測定した。破断強度が3kg/mm2以上のものを力学強度合格とした。
【0083】
【発明の効果】
本発明の液状硬化性樹脂組成物は、硬化物の力学強度が十分であり、高速線引き時の塗布性が良好で、臭気が少なく、ランプの汚染が低減されるという光ファイバーの被覆材料として好適なものである。

Claims (5)

  1. 下記式(1)
    Figure 0003879888
    ここで、R1およびR11は互いに独立に水素原子またはメチル基を示し、R2およびR21は互いに独立に炭素数2〜8のアルキレン基を示し、R3およびR31は互いに独立に、ジメチレン基、ビニレン基またはアリーレン基を示し、そしてR4はポリエーテル鎖を示す、
    で表される重合性オリゴマー(A)を含むことを特徴とする液状硬化性樹脂組成物。
  2. 3およびR31がビニレン基である請求項1記載の液状硬化性樹脂組成物。
  3. ウレタン(メタ)アクリレート(B)をさらに含む請求項1または2記載の液状硬化性樹脂組成物。
  4. 反応性希釈剤(C)および光重合開始剤(D)をさらに含む請求項1,2または3記載の液状硬化性樹脂組成物。
  5. 光ファイバーの被覆に用いられる請求項1,2,3または4記載の液状硬化性樹脂組成物。
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