JP3879300B2 - 成形熱処理加工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波誘導加熱による成形熱処理加工に関するものであって、特に、複雑な形状の被加熱物を均一に加熱しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
薄板を打ち抜き加工や曲げ加工などで加工して形成した複雑形状を有する部品を被加熱物として焼き入れを行う場合、打ち抜き加工や曲げ加工などの加工時の残留応力の解放やマルテンサイト変態時の変態応力などによって、焼き入れ歪みが生じ、部品の寸法精度を確保しにくいのが現状である。焼き入れ歪みを抑える方法としては、焼き入れの加熱を行いながら外力を加えて加圧成形する成形熱処理加工がある。
【0003】
この成形熱処理加工の加熱方法として電気炉を用いた場合、外力を加えるためのプレス機を高温中で駆動させなければならないが、プレス機を高温中で駆動させるには、プレス機の摺動部に油を使用することができず、プレス機を構成する各部品が熱膨張することによって、摺動不良や精度の確保が困難になるものであった。そこでこのような問題を解決するための方法として、成形熱処理加工を行う場合の加熱を高周波誘導加熱や通電加熱により行い、加圧成形のためのプレス機は室温中で駆動させる方法が採用されている。
【0004】
上記のような成形熱処理加工方法としては、例えば、特公平4−68365号公報に記載されたものがある。この公報には、複数の放射状のスリット100を有する平板状の皿ばね素材101を成形熱処理加工して皿ばね部材を製造する方法が記載されており、図24(a)に示すように、皿ばね素材101のほぼ半分を半円盤状の高周波コイル102に対向配置し、この状態で皿ばね素材101を回転させながら高周波コイル102に通電することによって、高周波コイル102から生じる磁束で皿ばね素材101を全面に亘って均一に高周波誘電加熱し、この直後に、図24(b)に示すように皿ばね素材101を金型103で挟持して加圧成形するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記の方法では、被加熱物が円盤状の部品の場合には対応可能であるが、それ以外の複雑形状を有する部品の場合には対応することができないという問題があった。また高周波誘導加熱を行っている間及び加圧成形を行っている間に、被加熱物(皿ばね素材101)をセラミック製の保持具32で保持しているので、保持具32に熱が奪われて被加熱物を均一に加熱しにくいという問題があった。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、各種の複雑形状を有する被加熱物を均一な温度に加熱することができる成形熱処理加工方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る成形熱処理加工方法は、金属製の薄板を成形した複雑形状を有する被加熱物1を加熱し、加熱した被加熱物1を加圧成形する成形熱処理加工方法において、金属製で被加熱物1よりも熱容量の高い台座2を形成し、被加熱物1を台座2に接触させて配置し、被加熱物1及び台座2を高周波誘導加熱により加熱し、台座2から被加熱物1に熱伝導させることを特徴とするものである。
【0008】
本発明の請求項2に係る成形熱処理加工方法は、金属製の薄板を成形した複雑形状を有する被加熱物1を加熱し、加熱した被加熱物1を加圧成形する成形熱処理加工方法において、金属製の発熱部3を有する台座2を形成し、被加熱物1を台座2に配置し、被加熱物1の放熱しやすい部分Aに発熱部3を接触させ、被加熱物1及び発熱部3を高周波誘導加熱により加熱し、発熱部3から被加熱物1の放熱しやすい部分Aに熱伝導させることを特徴とするものである。
【0009】
本発明の請求項3に係る成形熱処理加工方法は、金属製の薄板を成形した複雑形状を有する被加熱物1を加熱し、加熱した被加熱物1を加圧成形する成形熱処理加工方法において、金属製の発熱部3とセラミック製の吸熱部4を有する台座2を形成し、被加熱物1を台座2に配置し、被加熱物1の放熱しやすい部分Aに発熱部3を接触させると共に被加熱物1の放熱しにくい部分Bに吸熱部4を接触させ、被加熱物1及び発熱部3を高周波誘導加熱により加熱し、発熱部3から被加熱物1の放熱しやすい部分Aに熱伝導させると共に被加熱物1の放熱しにくい部分Bから吸熱部4に熱伝導させることを特徴とするものである。
【0010】
本発明の請求項4に係る成形熱処理加工方法は、金属製の薄板を成形した複雑形状を有する被加熱物1を加熱し、加熱した被加熱物1を加圧成形する成形熱処理加工方法において、フェライト製のコア部7を有する台座2を形成し、被加熱物1を台座2に配置し、被加熱物1の放熱しやすい部分Aに対応させてコア部7を位置させ、被加熱物1を高周波誘導加熱により加熱し、高周波誘導加熱時においてコア部7及び被加熱物1の放熱しやすい部分Aに集中する磁束で被加熱物1の放熱しやすい部分Aを発熱させることを特徴とするものである。
【0011】
本発明の請求項5に係る成形熱処理加工方法は、金属製の薄板を成形した複雑形状を有する被加熱物1を加熱し、加熱した被加熱物1を加圧成形する成形熱処理加工方法において、金属製の発熱部3とセラミック製の吸熱部4とフェライト製のコア部7を有する台座2を形成し、被加熱物1を台座2に配置し、被加熱物1の放熱しやすい部分Aに発熱部3を接触させると共に被加熱物1の放熱しにくい部分Bに吸熱部4を接触させ、被加熱物1の放熱しやすい部分Aに対応させてコア部7を位置させ、被加熱物1及び発熱部3を高周波誘導加熱により加熱し、発熱部3から被加熱物1の放熱しやすい部分Aに熱伝導させると共に被加熱物1の放熱しにくい部分Bから吸熱部4に熱伝導させ、高周波誘導加熱時にコア部7及び被加熱物1の放熱しやすい部分Aに集中する磁束で被加熱物1の放熱しやすい部分Aを発熱させることを特徴とするものである。
【0012】
本発明の請求項6に係る成形熱処理加工方法は、請求項2の構成に加えて、被加熱物1の温度を測定し、その測定結果に基づいて、被加熱物1の温度が低い部分に台座2の発熱部3を接触させるように、被加熱物1に対して台座2を移動させることを特徴とするものである。
【0013】
本発明の請求項7に係る成形熱処理加工方法は、請求項3の構成に加えて、被加熱物1の温度を測定し、その測定結果に基づいて、被加熱物1の温度が低い部分に台座2の発熱部3を接触させるように、あるいは被加熱物1の温度が高い部分に台座2の吸熱部4を接触させるように、被加熱物1に対して台座2を移動させることを特徴とするものである。
【0014】
本発明の請求項8に係る成形熱処理加工方法は、請求項4の構成に加えて、被加熱物1の温度を測定し、その測定結果に基づいて、被加熱物1の温度が低い部分に対応させて台座2のコア部7を位置させるように、被加熱物1に対して台座2を移動させることを特徴とするものである。
【0015】
本発明の請求項9に係る成形熱処理加工方法は、請求項5の構成に加えて、被加熱物1の温度を測定し、その測定結果に基づいて、被加熱物1の温度が低い部分に台座2の発熱部3を接触させるように、あるいは被加熱物1の温度が低い部分に対応させて台座2のコア部7を位置させるように、あるいは被加熱物1の温度が高い部分に台座2の吸熱部4を接触させるように、被加熱物1に対して台座2を移動させることを特徴とするものである。
【0016】
本発明の請求項10に係る成形熱処理加工方法は、請求項1の構成に加えて、被加熱物1及び台座2を高周波誘導加熱により加熱するための第1のコイル8と、台座2を高周波誘導加熱により加熱するための第2のコイル9とを具備し、第1のコイル8により被加熱物1及び台座2を高周波誘導加熱により加熱し、被加熱物1の温度を測定し、その測定結果に基づいて、被加熱物1の温度の低い部分に接触する台座2の一部分が第2のコイル9で加熱されるように、台座2に対して第2のコイル9を移動させることを特徴とするものである。
【0017】
本発明の請求項11に係る成形熱処理加工方法は、請求項1の構成に加えて、被加熱物1及び台座2を高周波誘導加熱により加熱するための第1のコイル8と、台座2を高周波誘導加熱により加熱するための第2のコイル9とを具備し、被加熱物1の放熱しやすい部分Aに接触する台座2の一部分が第2のコイル9で加熱されるように台座2と第2のコイル9を配置し、第1のコイル8により被加熱物1及び台座2を高周波誘導加熱により加熱し、被加熱物1の温度を測定し、その測定結果に基づいて、第2のコイル9への通電量を調整することを特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0019】
図2に本発明の対象となる被加熱物1の一例を示す。この被加熱物1はシェーバーの刃などとして用いられるものであって、ステンレス鋼板など導電性金属の薄板を打ち抜き加工したり曲げ加工したりして形成されるものである。具体的には、矩形板状のスリット部20の両側に長手方向に沿って側片21を対向するように設けて形成されており、スリット部20にはその長手方向に沿って複数個の打ち抜き部23が設けられていると共に側片21の略中央部には下側に開口する切欠部24が形成されている。また被加熱物1としては、長さLが40mm、幅Wが2mm、高さHが10mmで、板厚が0.3mmの大きさのものを例示することができる。被加熱物1の形状や大きさは上記に限定されるものではない。そして打ち抜き部23のエッジが刃部として形成され、このエッジで髭をカットするのである。
【0020】
このような被加熱物1には打ち抜き加工時及び曲げ加工時に歪み(熱処理歪み)が生じている場合があるが、上記のように打ち抜き部23で髭をカットするものであるので、スリット部20には高い平面度(平坦度)が要求される。そこで本発明の成形熱処理加工を施して被加熱物1の歪み、特にスリット部20の歪みを低減させるのである。
【0021】
本発明の成形熱処理加工方法は、図1(a)乃至(c)に示すように、下型として用いる台座2と、上型として用いる加圧治具30、及びコイル8などを使用して行われる。台座2は支持部26と基台25で断面略逆T字状に形成されており、矩形板状の基台25の上面にその長手方向の全長に亘って支持部26が立設されている。支持部26は被加熱物1の長さよりも長く形成されている。また支持部26の幅寸法(短手方向の寸法)は被加熱物1の対向する側片21の間の寸法とほぼ同じである。また台座2は高温時における強度が高くて導電性を有する金属材料で形成されており、例えば、超硬ステンレス鋼などを用いることができる。さらに台座2は被加熱物1よりも高い熱容量を有するものであって、被加熱物1の形状によっても異なるが、被加熱物1よりも4〜5倍の熱容量を有するものである。
【0022】
加圧治具30は断面略逆T字状であって、台座2と同様の材料で台座2とほぼ同じ長さに形成されている。加圧治具30の下面は平坦な加圧面27として形成されている。コイル8は銅製などの導電性の金属材料で形成されており、一対の対向する主磁束発生部29と主磁束発生部29の一方の端部間に形成される連結部31とで構成されており、平面視で略コ字状に形成されている。主磁束発生部29にはコイル8に通電するための高周波電源32が接続されている。
【0023】
そしてこの実施の形態では成形熱処理加工を次のようにして行う。まず、被加熱物1の側片21の間を台座2の支持部26に上側から差し込んで、図1(a)に示すように被加熱物1を台座2に配置する。このように被加熱物1を台座2に配置すると、被加熱物1の成形熱処理加工を行いたい面で且つ焼き入れを行いたい面、すなわちスリット部20の下面が台座2の支持部26の上面に接触すると共に側片21の内面が台座2の支持部26の側面に接触する。また、図1(b)(c)に示すように、一対の主磁束発生部29の間に被加熱物1及び台座2の支持部26が位置するように、被加熱物1の側片21の外側にコイル8を配置する。この時、被加熱物1のスリット部20の上面とコイル8の上面がほぼ同じ高さになっている。
【0024】
次に、コイル8に高周波電源32から給電することによって磁束aを発生させ、被加熱物1及び台座2を高周波誘導加熱により発熱させて同時に加熱する(図1(b)にはコイル8に矢印アの方向に電流が流れているときの磁束aの方向を示す)。つまり、コイル8に通電して磁束aを発生させると、磁束aに垂直な面に過電流が発生し、この電流によって被加熱物1及び台座2が発熱するのである。このようにして被加熱物1及び台座2を所定の温度に加熱した後、加圧治具30の加圧面27を被加熱物1のスリット部20の上面に当接させ、台座2(支持部26)の上面と加圧治具30の加圧面27の間でスリット部20を挟持して加圧することによって、スリット部20の上面が平坦となるように加圧成形し、被加熱物1の熱処理歪みを低減する。この後、加圧治具30による加圧を解除する。このようにして被加熱物1に成形熱処理加工を施すことができる。尚、成形熱処理加工の条件は、被加熱物1の大きさや材質、コイル8と被加熱物1の位置関係などによって異なるが、例えば、図2に示す大きさでステンレス鋼製の被加熱物1である場合、コイル8に通電する電流の周波数を400kHz、電流の実行値を約100Aとすることができる。また被加熱物1の温度はステンレス鋼のMs点(マルテンサイトへの格子変態が始まる温度)の温度前後に加熱したり、300℃程度に加熱したりすることができる。また材料の耐力(ステンレス鋼の場合は約55kgf/mm2)以下の圧力(例えば、約30kgf/mm2)で加圧成形すればよい。これら条件で成形熱処理加工を行うことで被加熱物1の熱処理歪みを低減することができる。
【0025】
図2に示すような被加熱物1は、スリット部20に複数個の打ち抜き部23が設けられていたり、スリット部20の略中央部において側片21に切欠部24が設けられていたりして複雑な形状を有しているので、被加熱物1を単独で高周波誘導加熱により加熱すると、被加熱物1の各部分によって加熱と放熱の割合が異なることになって、被加熱物1を全体に亘って均一な温度にすることができない。つまり、図2の被加熱物1では高周波誘導加熱により加熱される量は全体に亘ってほぼ一定であるが、放熱しやすい部分Aと放熱しにくい部分Bとが存在して各部分で放熱量が異なるので、放熱しやすい部分Aと放熱しにくい部分Bとで加熱時に温度差が生じると考えられる。具体的には、被加熱物1の略中央部(スリット部20の略中央部と側片21の切欠部24を設けた部分で図2の点線で囲まれる部分)が放熱しにくい部分Bとなり、それ以外の部分が放熱しやすい部分Aとなる。
【0026】
そこでこの実施の形態では、被加熱物1よりも単純な形状で熱容量の高い台座2を用い、この台座2に被加熱物1の放熱しやすい部分Aを接触させ、台座2を被加熱物1とともに高周波誘導加熱により加熱するようにしたものであり、このことで、放熱しやすい部分Aに台座2の熱を伝導させて加熱して放熱しやすい部分Aから空気中に放熱された熱を補うことができ、被加熱物1自身の発熱による加熱量と被加熱物1の放熱量との差に関わらず、放熱しやすい部分Aと放熱しにくい部分Bの温度差が小さくなって被加熱物1の全体(特にスリット部20)を均一な温度に加熱することができるものである。そして被加熱物1を全体に亘って均一な温度に加熱することができるので、被加熱物1全体及びスリット部20に均一な成形熱処理加工や焼き入れを行うことができ、硬度や組織のばらつきが少ない品質の良い部品を得ることができるものである。また、台座2から被加熱物1に熱を伝導させて被加熱物1を加熱するので、高周波誘導加熱により発熱しにくい材料(例えば、ステンレス鋼)の被加熱物1に対しても均一な温度に加熱することができるものである。しかも本発明では被加熱物1の形状に対応させて台座2の形状を変えて被加熱物1の放熱しやすい部分Aに接触させることによって、各種の複雑な形状の被加熱物1を均一な温度に加熱が可能である。
【0027】
図3に他の実施の形態を示す。この実施の形態の被加熱物1は図2のものと同様に形成されている。台座2はセラミック材料で角棒状に形成される基体35と、金属材料で形成される一対の発熱部3とで構成されている。発熱部3は基体35の長手方向に並べられて設けられており、各発熱部3は基体35の外面に全周に亘って設けられている。発熱部3はその厚み分だけ基体35の表面から突出している。さらに発熱部3の間隔は被加熱物1の長さとほぼ同じ長さに形成されている。また台座2の熱容量及び台座2の発熱部3の熱容量は被加熱物1の熱容量よりも高く形成されている。基体35は高温時になっても強度の低下が起こらないように窒化珪素などで形成するのが好ましい。また発熱部3は高温時における強度が高くて導電性を有する金属材料で形成されており、例えば、超硬ステンレス鋼などを用いることができる。
【0028】
そしてこの実施の形態では成形熱処理加工を次のようにして行う。まず、図3(a)に示すように被加熱物1の側片21の間を台座2に上側から差し込んで、図3(b)に示すように被加熱物1を台座2に配置する。このように被加熱物1を台座2に配置すると、スリット部20の下面が台座2の上面に接触すると共に側片21の内面が発熱部3に接触する。つまり被加熱物1の放熱しやすい部分Aのみの内面が台座2の発熱部3の外面に接触し、被加熱物1の放熱しにくい部分Bは台座2に接触しないように配置される。また図1(b)(c)と同様に、一対の主磁束発生部29の間に被加熱物1及び台座2が位置するようにコイル8を配置する。
【0029】
次に図1(b)と同様に、コイル8に高周波電源32から給電することによって磁束aを発生させ、被加熱物1及び台座2の発熱部3のみを高周波誘導加熱により同時に加熱する。このようにして被加熱物1及び発熱部3を所定の温度に加熱した後、図1(c)と同様にして加圧治具30でスリット部20に加圧成形を行って被加熱物1の熱処理歪みを低減する。このようにして被加熱物1に成形熱処理加工を施すことができる。
【0030】
上述のように図2に示すような被加熱物1には、放熱しやすい部分Aと放熱しにくい部分Bとが存在して各部分で放熱量が異なるので、放熱しやすい部分Aと放熱しにくい部分Bとで加熱時に温度差が生じる。そこでこの実施の形態では、台座2の発熱部3に被加熱物1の放熱しやすい部分Aのみを接触させ、台座2の発熱部3を被加熱物1とともに高周波誘導加熱により加熱し、被加熱物1の放熱しやすい部分Aのみに発熱部3から熱を伝導するようにしたものであり、このことで発熱部3から伝導される熱で放熱しやすい部分Aから放熱された熱を補うことができ、放熱しやすい部分Aと放熱しにくい部分Bの温度差が小さくなって被加熱物1の全体(特にスリット部20)を均一な温度に加熱することができるものである。
【0031】
図4に他の実施の形態を示す。この実施の形態の被加熱物1は図2のものと同様に形成されている。台座2はセラミック材料で形成される吸熱部4と金属材料で形成される発熱部3とで構成されている。吸熱部4は台座2の略中央部に位置して角棒状に形成されており、吸熱部4の両端部に発熱部3が一体に結合されて設けられている。従って、台座2は発熱部3の間に吸熱部4が挟まれて形成されている。また発熱部3の表面と吸熱部4の表面は面一に形成されている。さらに台座2の長手方向における吸熱部4の長さは切欠部24、つまり被加熱物1の放熱しにくい部分Bの長さとほぼ同じに形成されている。また台座2の熱容量及び台座2の発熱部3の熱容量は被加熱物1の熱容量よりも高く形成されている。
【0032】
この実施の形態では成形熱処理加工を次のようにして行う。まず、図4(a)に示すように被加熱物1の側片21の間を台座2に上側から差し込んで、図4(b)に示すように被加熱物1を台座2に配置する。このように被加熱物1を台座2に配置すると、スリット部20の下面が台座2の上面に接触すると共に側片21の内面が発熱部3に接触する。つまり被加熱物1の放熱しやすい部分Aの内面が台座2の発熱部3の外面に接触し、被加熱物1の放熱しにくい部分Bの内面は吸熱部4の外面に接触して配置される。また図1(b)(c)と同様に、一対の主磁束発生部29の間に被加熱物1及び台座2が位置するようにコイル8を配置する。
【0033】
次に図1(b)と同様に、コイル8に高周波電源32から給電することによって磁束aを発生させ、被加熱物1及び台座2の発熱部3のみを高周波誘導加熱により同時に加熱する。この時、台座2の吸熱部4は導電性が無いので高周波誘導加熱により発熱しない。このようにして被加熱物1及び台座2の発熱部3を所定の温度に加熱した後、図1(c)と同様にして加圧治具30でスリット部20に加圧成形を行って被加熱物1の熱処理歪みを低減する。このようにして被加熱物1に成形熱処理加工を施すことができる。
【0034】
この実施の形態では、高周波誘導加熱で発熱しない吸熱部4と発熱する発熱部3と設けて台座2を形成し、台座2の発熱部3に被加熱物1の放熱しやすい部分Aのみを接触させると共に台座2の吸熱部4に被加熱物1の放熱しにくい部分Bのみを接触させ、台座2の発熱部3を被加熱物1とともに高周波誘導加熱により加熱し、被加熱物1の放熱しやすい部分Aのみに発熱部3から熱伝導させると共に高周波誘導加熱により発熱せずに発熱部3や被加熱物1よりも低い温度の吸熱部4に被加熱物1の放熱しにくい部分Bの熱を伝導させるようにしたので、発熱部3から伝導される熱で放熱しやすい部分Aから放熱された熱を補うことができると共に放熱しにくい部分Bから吸熱部4に熱を逃がすことができ、放熱しやすい部分Aと放熱しにくい部分Bの温度差が小さくなって被加熱物1の全体(特にスリット部20)を均一な温度に加熱することができるものである。
【0035】
図5に他の実施の形態を示す。この実施の形態の被加熱物1は図2のものと同様に形成されている。台座2は、超硬ステンレス鋼などの導電性を有する金属材料で角棒状の基体35を形成し、基体35の全面に亘って窒化珪素などのセラミック製の絶縁物37を設け、基体35の両側面において絶縁物37の表面に三本の電極5を基体35の長手方向に並べて設けると共に基体35の一方の端部において両面に設けた電極5同士を接続線39で接続することによって形成されている。台座2の熱容量は被加熱物1の熱容量よりも高く形成されている。また電極5は銅などの導電性金属材料で形成することができる。
【0036】
この実施の形態では成形熱処理加工を次のようにして行う。まず、被加熱物1の側片21の間を台座2に上側から差し込んで、図5(a)に示すように被加熱物1を台座2に配置する。このように被加熱物1を台座2に配置すると、図5(b)に示すように、スリット部20の下面が台座2の上面に接触すると共に側片21の内面が台座2の側面に接触し、また真ん中の電極5が被加熱物1の切欠部24に位置して側片21に接触すると共に両端の電極5が被加熱物1の端部よりも外側に位置して側片21に接触する。このようにして電極5と被加熱物1によって被加熱物1の一部を通電するような回路が形成される。さらに図1(b)(c)と同様に、一対の主磁束発生部29の間に被加熱物1及び台座2が位置するようにコイル8を配置する。
【0037】
次に図1(b)と同様に、コイル8に高周波電源32から給電することによって磁束aを発生させ、被加熱物1及び台座2を高周波誘導加熱により同時に加熱する。また接続線39で接続していない電極5に高周波誘導加熱用の高周波電源32をコイル8と並列に接続して電極5に給電すると共に電極5から被加熱物1の側片21に通電する(矢印イで示す)ことによって、側片21を通電により発熱させて加熱する。このようにして被加熱物1及び台座2を所定の温度に加熱した後、図1(c)と同様にして加圧治具30でスリット部20に加圧成形を行って被加熱物1の熱処理歪みを低減する。このようにして被加熱物1に成形熱処理加工を施すことができる。
【0038】
この実施の形態では、高周波誘導加熱により被加熱物1と台座2を同時に加熱し、加熱された台座2の熱を被加熱物1に熱伝導させて加熱すると同時に、被加熱物1の放熱しやすい部分Aである側片21に電極5から通電して側片21を発熱させて加熱するので、放熱しやすい部分Aから空気中に放熱された熱を通電により発熱する側片21の熱で補うことができ、放熱しやすい部分Aと放熱しにくい部分Bの温度差が小さくなって被加熱物1の全体(特にスリット部20)を均一な温度に加熱することができるものである。この実施の形態は、台座2からの熱伝導だけでは加熱されにくい複雑形状の被加熱物1に対して有効である。しかも高周波誘導加熱用の高周波電源32を電極5への給電用の電源として兼用するので、電極5への給電用の電源を別途用意する必要が無く、成形熱処理加工に用いる装置の簡素化や小型化を図ることができるものである。
【0039】
図6に他の実施の形態を示す。この実施の形態の被加熱物1は図2のものと同様に形成されている。台座2は、超硬ステンレス鋼などの導電性を有する金属材料で角棒状に形成されており、台座2の側面の略中央部には凹部40が設けられている。凹部40内には複数個のエア噴き出し口6が穿設されている。台座2の内部にはエア噴き出し口6に連通するエア流路が設けられており、エア流路にコンプレッサが接続されている。従って、コンプレッサからエア流路を介してエア噴き出し口6に空気を供給し、この空気をエア噴き出し口6から噴き出すことができるように形成されている。さらに台座2の熱容量は被加熱物1の熱容量よりも高く形成されている。
【0040】
この実施の形態では成形熱処理加工を次のようにして行う。まず、図6(a)に示すように、被加熱物1の側片21の間を台座2に上側から差し込んで被加熱物1を台座2に配置する。このように被加熱物1を台座2に配置すると、図6(b)に示すように、凹部40の箇所を除いてスリット部20の下面が台座2の上面に接触すると共に側片21の内面が凹部40の両側において台座2の側面に接触する。つまり被加熱物1の放熱しやすい部分Aの内面が台座2の外面に接触し、被加熱物1の放熱しにくい部分Bの内面は凹部40に対応して位置して台座2に接触しないように配置される。さらに図1(b)(c)と同様に、一対の主磁束発生部29の間に被加熱物1及び台座2が位置するようにコイル8を配置する。
【0041】
次に図1(b)と同様に、コイル8に高周波電源32から給電することによって磁束aを発生させ、被加熱物1及び台座2を高周波誘導加熱により同時に加熱する。また加熱と同時にエア噴き出し口6から空気を噴き出し、噴き出された空気を被加熱物1の放熱しにくい部分Bにふきかけて冷却する。このようにして被加熱物1及び台座2を所定の温度に加熱した後、図1(c)と同様にして加圧治具30でスリット部20に加圧成形を行って被加熱物1の熱処理歪みを低減する。このようにして被加熱物1に成形熱処理加工を施すことができる。
【0042】
この実施の形態では、高周波誘導加熱により被加熱物1と台座2を同時に加熱し、加熱された台座2の熱を被加熱物1に熱伝導させて加熱すると同時に、被加熱物1の放熱しにくい部分Bに空気を噴き付けるので、被加熱物1の放熱しにくい部分Bを空気で冷却することができ、放熱しやすい部分Aと放熱しにくい部分Bの温度差が小さくなって被加熱物1の全体(特にスリット部20)を均一な温度に加熱することができるものである。
【0043】
この実施の形態において、噴き出される空気の温度は被加熱物1の放熱しにくい部分Bの温度よりも低ければよいが、台座2内のエア流路を工夫して長さを調整することによって、噴き出される空気の温度を調整することができる。つまり、台座2内にエア流路を長く形成すると、高温に加熱された台座2内を空気が長い時間かかって通過することになり、噴き出し口6から噴き出される空気の温度が高くなり、台座2内にエア流路を短く形成すると、高温に加熱された台座2内を空気が短い時間で通過することになり、噴き出し口6から噴き出される空気の温度を低くすることができる。また台座2の一部を低温にし、この低温の部分を被加熱物1の放熱しにくい部分Bに接触させて冷却する方法では、この低温の部分が常に低い温度となるように温度管理が必要であるが、部品を量産化する場合、常に低温の部分が常に低い温度となるようにするのは難しい。しかしこの実施の形態では、空気を用いているので、その温度を低くなるように管理するのは容易であり、また台座2の一部を低温にする必要もないため、部品の量産化時に適用しやすい。
【0044】
図7に他の実施の形態を示す。この実施の形態の被加熱物1は図2のものと同様に形成されている。台座2は、超硬ステンレス鋼などの導電性を有する金属材料で角棒状に形成される基体35と、フェライト材料で形成される一対のコア部7とで構成されている。コア部7は基体35の長手方向に並べられて設けられて(内装されて)おり、コア部7の間隔は被加熱物1の長さとほぼ同じ長さに形成されている。またコア部7の表面と基体35の表面は面一に形成されている。また台座2の熱容量は被加熱物1の熱容量よりも高く形成されている。
【0045】
この実施の形態では成形熱処理加工を次のようにして行う。まず、図7(a)に示すように、被加熱物1の側片21の間を台座2に上側から差し込んで被加熱物1を台座2に配置する。このように被加熱物1を台座2に配置すると、図7(b)に示すように、スリット部20の下面が台座2の上面に接触すると共に側片21の内面がコア部7に接触する。つまり被加熱物1の放熱しやすい部分Aがコア部7に対応する位置に配置される。さらに図1(b)(c)と同様に、一対の主磁束発生部29の間に被加熱物1及び台座2が位置するようにコイル8を配置する。
【0046】
次に図1(b)と同様に、コイル8に高周波電源32から給電することによって磁束aを発生させ、被加熱物1及び台座2を高周波誘導加熱により同時に加熱する。このようにして被加熱物1及び台座2を所定の温度に加熱した後、図1(c)と同様にして加圧治具30でスリット部20に加圧成形を行って被加熱物1の熱処理歪みを低減する。このようにして被加熱物1に成形熱処理加工を施すことができる。
【0047】
この実施の形態では、被加熱物1の放熱しやすい部分Aに対応する位置にコア部7が設けられているので、図7(b)のように高周波誘導加熱時に生じる磁束aをコア部7に集中して生成させることができ(コイル8の電流の周波数が400kHzの場合、コア部7を設けていない箇所の数百倍以上の磁束密度がある)、磁束aによって被加熱物1の放熱しやすい部分Aとここに接触する台座2の金属部分が、被加熱物1の放熱しにくい部分Bとここに接触する台座2の金属部分よりも加熱されやすくなる。つまり、被加熱物1の放熱しやすい部分Aを放熱しにくい部分Bよりも大きく加熱すると共に、被加熱物1の放熱しやすい部分Aに接触する台座2の金属部分から放熱しやすい部分Aへの熱伝導を大きくして加熱することができ、放熱しやすい部分Aと放熱しにくい部分Bの温度差が小さくなって被加熱物1の全体(特にスリット部20)を均一な温度に加熱することができるものである。尚、フェライト材料で形成されるコア部7は強度があまり高くなく、加圧成形用の台座2には使用しにくいが、金属の基体35と組み合わせることにより、補強することができ、しかもコア部7の大きさを適宜変えることによって集中する磁束の量を変えることができ、被加熱物1の加熱量をコントロールすることができる。またフェライト材料としては高周波誘導加熱で使用する周波数において、透磁率の低下の少ないものを用いる方が、加熱の効率が良い。
【0048】
図8に他の実施の形態を示す。この実施の形態の被加熱物1は図2のものと同様に形成されている。台座2はセラミック材料で形成される吸熱部4と金属材料で形成される一対の発熱部3とフェライト材料で形成される一対のコア部7で構成されている。吸熱部4は台座2の略中央部に位置して角棒状に形成されており、吸熱部4の両側に発熱部3が一体に結合されて設けられている。従って、台座2は発熱部3の間に吸熱部4が位置して形成されている。またコア部7は各発熱部3に一つずつ設けられて(内装されて)おり、台座2の長手方向に並べられている。従って、コア部7の間に吸熱部4が挟まれ、コア部7と吸熱部4が発熱部3で挟まれて形成されている。コア部7の間隔は被加熱物1の長さとほぼ同じ長さに形成されている。発熱部3の表面と吸熱部4の表面とコア部7の表面は面一に形成されている。また台座2の長手方向における吸熱部4の長さは切欠部24、つまり被加熱物1の放熱しにくい部分Bの長さとほぼ同じに形成されている。また台座2の熱容量及び台座2の発熱部3の熱容量は被加熱物1の熱容量よりも高く形成されている。
【0049】
この実施の形態では成形熱処理加工を次のようにして行う。まず、図8(a)に示すように被加熱物1の側片21の間を台座2に上側から差し込んで、図8(b)に示すように被加熱物1を台座2に配置する。このように被加熱物1を台座2に配置すると、スリット部20の下面が台座2の上面に接触すると共に側片21の内面が発熱部3及びコア部7に接触する。つまり被加熱物1の放熱しやすい部分Aの内面が台座2の発熱部3の外面に接触し、被加熱物1の放熱しにくい部分Bの内面は吸熱部4の外面に接触し、被加熱物1の放熱しやすい部分Aがコア部7に対応する位置に配置される。また図1(b)(c)と同様に、一対の主磁束発生部29の間に被加熱物1及び台座2が位置するようにコイル8を配置する。
【0050】
次に図1(b)と同様に、コイル8に高周波電源32から給電することによって磁束aを発生させ、被加熱物1及び台座2の発熱部3のみを高周波誘導加熱により同時に加熱する。この時、台座2の吸熱部4は導電性が無いので高周波誘導加熱により発熱しない。このようにして被加熱物1及び台座2の発熱部3を所定の温度に加熱した後、図1(c)と同様にして加圧治具30でスリット部20に加圧成形を行って被加熱物1の熱処理歪みを低減する。このようにして被加熱物1に成形熱処理加工を施すことができる。
【0051】
この実施の形態では、高周波誘導加熱で発熱しない吸熱部4と発熱する発熱部3と磁束を集中させるコア部7を設けて台座2を形成し、台座2の発熱部3に被加熱物1の放熱しやすい部分Aのみを接触させると共に台座2の吸熱部4に被加熱物1の放熱しにくい部分Bのみを接触させ、さらに被加熱物1の放熱しやすい部分Aがコア部7に対応する位置に配置し、台座2の発熱部3を被加熱物1とともに高周波誘導加熱により加熱し、被加熱物1の放熱しやすい部分Aのみに発熱部3から熱伝導させると共に高周波誘導加熱により発熱せずに発熱部3や被加熱物1よりも低い温度の吸熱部4に被加熱物1の放熱しにくい部分Bの熱を伝導させ、さらに高周波誘導加熱時に生じる磁束aをコア部7に集中して生成させるようにしたので、発熱部3から伝導される熱で放熱しやすい部分Aから放熱された熱を補うことができると共に放熱しにくい部分Bから吸熱部4に熱を逃がすことができ、しかもコア部7に集中して通過する磁束aによって、被加熱物1の放熱しやすい部分Aを放熱しにくい部分Bよりも大きく加熱すると共に、被加熱物1の放熱しやすい部分Aに接触する台座2の金属部分から放熱しやすい部分Aへの熱伝導を大きくして加熱することができ、放熱しやすい部分Aと放熱しにくい部分Bの温度差が小さくなって被加熱物1の全体(特にスリット部20)を均一な温度に加熱することができるものである。
【0052】
図9に他の実施の形態を示す。この実施の形態では、図3に示す実施例において温度計40により被加熱物1の均一な温度にしたい部分、つまりスリット部20の温度を測定するようにしたものである。温度計40は台座2に配置された被加熱物1の上方に配設されるものであって、微小面積の温度測定が可能な赤外線センサーなどの非接触式のものを用いることができる。この温度計40は一軸駆動テーブルに載せるなどしてスリット部20の上方で移動自在に形成されている。また台座2は一軸駆動テーブルに載せるなどして、台座2の長手方向に被加熱物1に対して移動自在に形成されている。
【0053】
この実施の形態では図3と同様にして成形熱処理加工を行うが、図9(b)に示すように、高周波誘導加熱により加熱している間あるいは加熱した後、温度計40で被加熱物1のスリット部20の温度を測定し、この測定結果に基づいてスリット部20が均一な温度になるように台座2を移動させて熱伝導により加熱する。つまり、まず温度計40で被加熱物1のスリット部20の温度を測定し、この測定結果からスリット部20において低温部分を検出する。次に、スリット部20の低温部分を台座2の発熱部3にて他の高温部分よりも加熱するために、台座2を被加熱物1に対して長手方向に移動させるが、この移動方向と移動量を検出結果に基づいて決定する。次に、台座2を被加熱物1に対して移動させて台座2の発熱部3を被加熱物1の低温部分に接触させ、高周波誘導加熱により加熱された発熱部3から低温部分に熱伝導させる。このようにしてスリット部20の温度を均一にし、その温度を一定時間保持した後、加圧成形(プレス成形)することによって、成形熱処理加工を行うのである。
【0054】
この実施の形態では、被加熱物1のスリット部20(均一な温度に加熱したい部分)の温度を測定し、この測定結果に基づいて、台座2からの熱伝導による被加熱物1の加熱量を調整するために、つまりスリット部20の低温部分を台座2からの熱伝導で加熱するために、台座2を被加熱物1に対して移動させてスリット部20の低温部分を台座2で加熱するので、被加熱物1の全体(特にスリット部20)を均一な温度に正確に加熱することができるものである。尚、温度を測定する方法としては、スリット部20の全面をカメラで取り込み、その温度分布を測定するようにしても良い。
【0055】
図10に他の実施の形態を示す。この実施の形態では、図4に示す実施例において温度計40により被加熱物1の均一な温度にしたい部分、つまりスリット部20の温度を測定するようにしたものである。温度計40やその移動方法、台座2の移動方法などは図9のものと同様である。この実施の形態では図4と同様にして成形熱処理加工を行うが、図10(b)に示すように、高周波誘導加熱により加熱している間あるいは加熱した後、温度計40で被加熱物1のスリット部20の温度を測定し、この測定結果に基づいてスリット部20が均一な温度になるように台座2を移動させて熱伝導により加熱する。つまり、まず温度計40で被加熱物1のスリット部20の温度を測定し、この測定結果からスリット部20において低温部分と高温部分を検出する。次に、スリット部20の低温部分を台座2の発熱部3にて他の高温部分よりも加熱するために、あるいはスリット部20の高温部分を台座2の吸熱部3にて他の低温部分よりも吸熱するために、台座2を被加熱物1に対して長手方向に移動させるが、この移動方向と移動量を検出結果に基づいて決定する。次に、台座2を被加熱物1に対して移動させて台座2の発熱部3を被加熱物1の低温部分に接触させ、高周波誘導加熱により加熱された発熱部3から低温部分に熱伝導させる。あるいは台座2を被加熱物1に対して移動させて台座2の吸熱部4を被加熱物1の高温部分に接触させ、この高温部分から吸熱部4に熱伝導させる。このようにしてスリット部20の温度を均一にし、その温度を一定時間保持した後、加圧成形(プレス成形)することによって、成形熱処理加工を行うのである。
【0056】
この実施の形態では、被加熱物1のスリット部20(均一な温度に加熱したい部分)の温度を測定し、この測定結果に基づいて、台座2からの熱伝導による被加熱物1の加熱量を調整するために、つまりスリット部20の低温部分を台座2の発熱部3からの熱伝導で加熱したり、スリット部20の高温部部分からの台座2の吸熱部4への熱伝導で吸熱したりするために、台座2を被加熱物1に対して移動させてスリット部20の低温部分を台座2で加熱するので、被加熱物1の全体(特にスリット部20)を均一な温度に正確に加熱することができるものである。
【0057】
図11に他の実施の形態を示す。この実施の形態では、図5に示す実施例において温度計40により被加熱物1の均一な温度にしたい部分、つまりスリット部20の温度を測定するようにしたものである。温度計40やその移動方法などは図9のものと同様であるが、被加熱物1と電極5と高周波電源32で構成される通電加熱用の回路には可変抵抗器41が設けられている。この実施の形態では図5と同様にして成形熱処理加工を行うが、図11(c)に示すように、高周波誘導加熱により加熱している間あるいは加熱している間、温度計40で被加熱物1のスリット部20の温度を測定し、この測定結果に基づいてスリット部20が均一な温度になるように電極5への通電量を調整して補助加熱する。つまり、まず温度計40で被加熱物1のスリット部20の温度を測定し、この測定結果からスリット部20において低温部分を検出する。この低温部分はほとんどの場合、被加熱物1の放熱しやすい部分Aに生じる。次に、スリット部20の低温部分を通電により発熱させて加熱するための補助加熱量を決定すると共に、その補助加熱量となるように可変抵抗器41の抵抗値を決定する。次に、可変抵抗器41の抵抗値を変化させて回路内に流れる電流量をコントロールし、被加熱物1を発熱させて低温部分を加熱する。このようにしてスリット部20の温度を均一にし、その温度を一定時間保持した後、加圧成形(プレス成形)することによって、成形熱処理加工を行うのである。
【0058】
この実施の形態では、被加熱物1のスリット部20(均一な温度に加熱したい部分)の温度を測定し、この測定結果に基づいて、通電加熱の電流量をコントロールするので、被加熱物1の全体(特にスリット部20)を均一な温度に正確に加熱することができるものである。
【0059】
図12に他の実施の形態を示す。この実施の形態では、図6に示す実施例において温度計40により被加熱物1の均一な温度にしたい部分、つまりスリット部20の温度を測定するようにしたものである。温度計40やその移動方法などは図9のものと同様である。この実施の形態では図6と同様にして成形熱処理加工を行うが、図12(b)に示すように、高周波誘導加熱により加熱している間あるいは加熱した後、温度計40で被加熱物1のスリット部20の温度を測定し、この測定結果に基づいてスリット部20が均一な温度になるようにエアの噴き出し量を調整して冷却する。つまり、まず温度計40で被加熱物1のスリット部20の温度を測定し、この測定結果からスリット部20において高温部分を検出する。この高温部分はほとんどの場合、被加熱物1の放熱しにくい部分Bに生じる。次に、スリット部20の高温部分を空気により冷却するための噴き出し量を決定すると共に、その噴き出し量となるようにコンプレッサの動作を調整する決定する。次に、エアを噴き出して被加熱物1に噴き付けて高温部分を冷却する。このようにしてスリット部20の温度を均一にし、その温度を一定時間保持した後、加圧成形(プレス成形)することによって、成形熱処理加工を行うのである。
【0060】
この実施の形態では、被加熱物1のスリット部20(均一な温度に加熱したい部分)の温度を測定し、この測定結果に基づいて、エアの噴き出し量を調整するので、被加熱物1の全体(特にスリット部20)を均一な温度に正確に加熱することができるものである。
【0061】
図13に他の実施の形態を示す。この実施の形態では、図7に示す実施例において温度計40により被加熱物1の均一な温度にしたい部分、つまりスリット部20の温度を測定するようにしたものである。温度計40やその移動方法、台座2の移動方法などは図9のものと同様である。この実施の形態では図7と同様にして成形熱処理加工を行うが、図13(b)に示すように、高周波誘導加熱により加熱している間は温度計40で被加熱物1のスリット部20の温度を測定し、この測定結果に基づいてスリット部20が均一な温度になるように台座2を移動させて熱伝導により加熱する。つまり、まず温度計40で被加熱物1のスリット部20の温度を測定し、この測定結果からスリット部20において低温部分を検出する。次に、スリット部20の低温部分を台座2にて他の高温部分よりも加熱するために、台座2を被加熱物1に対して移動させるが、この移動方向と移動量を検出結果に基づいて決定する。次に、台座2を被加熱物1に対して長手方向に移動させて低温部分に対応してコア部7を位置させて磁束aが低温部分に集中するようにし、磁束aが集中する箇所を変えて被加熱物1及び台座2の発熱する部分を変え、被加熱物1の低温部分を加熱するようにする。このようにしてスリット部20の温度を均一にし、その温度を一定時間保持した後、加圧成形(プレス成形)することによって、成形熱処理加工を行うのである。
【0062】
この実施の形態では、被加熱物1のスリット部20(均一な温度に加熱したい部分)の温度を測定し、この測定結果に基づいて、スリット部20の低温部分を加熱するために、台座2を被加熱物1に対して移動させてスリット部20の低温部分に磁束aを集中させて発熱させて加熱するので、被加熱物1の全体(特にスリット部20)を均一な温度に正確に加熱することができるものである。また台座2を高速に移動させることにより、磁束a内でコア部7が移動するので、コイル8に流れる電流の変化に伴う磁束aの変化に加えて、コア部7の移動に伴う磁束aの変化も発生させることができ、これら磁束aの変化に伴って発生する過電流を多く発生させることができ、被加熱物1内の発熱量はこの過電流の二乗に比例して発生するために、被加熱物1を効率よく加熱することができるものである。
【0063】
図14に他の実施の形態を示す。この実施の形態では、図8に示す実施例において温度計40により被加熱物1の均一な温度にしたい部分、つまりスリット部20の温度を測定するようにしたものである。温度計40やその移動方法、台座2の移動方法などは図9のものと同様である。この実施の形態では図4と同様にして成形熱処理加工を行うが、図14(b)に示すように、高周波誘導加熱により加熱している間は温度計40で被加熱物1のスリット部20の温度を測定し、この測定結果に基づいてスリット部20が均一な温度になるように台座2を移動させて熱伝導により加熱する。つまり、まず温度計40で被加熱物1のスリット部20の温度を測定し、この測定結果からスリット部20において低温部分と高温部分を検出する。次に、スリット部20の低温部分を台座2の発熱部3にて他の高温部分よりも加熱するために、あるいはスリット部20の低温部分に台座2のコア部7で磁束aを集中させて他の高温部分よりも加熱するために、あるいはスリット部20の高温部分を台座2の吸熱部3にて他の低温部分よりも吸熱するために、台座2を被加熱物1に対して長手方向に移動させるが、この移動方向と移動量を検出結果に基づいて決定する。次に、台座2を被加熱物1に対して移動させて台座2の発熱部3を被加熱物1の低温部分に接触させ、高周波誘導加熱により加熱された発熱部3から低温部分に熱伝導させる。あるいは台座2を被加熱物1に対して移動させて台座2の吸熱部4を被加熱物1の高温部分に接触させ、この高温部分から吸熱部4に熱伝導させる。あるいは台座2を被加熱物1に対して移動させて低温部分に対応してコア部7を位置させて磁束aが低温部分に集中するようにし、磁束aが集中する箇所を変えて被加熱物1及び台座2の発熱する部分を変え、被加熱物1の低温部分を加熱するようにする。このようにしてスリット部20の温度を均一にし、その温度を一定時間保持した後、加圧成形(プレス成形)することによって、成形熱処理加工を行うのである。
【0064】
この実施の形態では、被加熱物1のスリット部20(均一な温度に加熱したい部分)の温度を測定し、この測定結果に基づいて、台座2からの熱伝導による被加熱物1の加熱量を調整するために、つまりスリット部20の低温部分を台座2の発熱部3からの熱伝導で加熱したり、スリット部20の高温部部分からの台座2の吸熱部4への熱伝導で吸熱したり、スリット部20の低温部分に磁束aを集中させて発熱させて加熱したりするために、台座2を被加熱物1に対して移動させてスリット部20の低温部分を台座2で加熱したり発熱により加熱したりするので、被加熱物1の全体(特にスリット部20)を均一な温度に正確に加熱することができるものである。
【0065】
図15に他の実施の形態を示す。この実施の形態では、図1の実施の形態に加えて、第2のコイル9と図9と同様の温度計40を具備するものである。第2のコイル9は、図15(b)に示すように、被加熱物1及び台座2を高周波誘導加熱により加熱するための第1のコイル8の下側で台座2の一方の側方に配置されるものであり、台座2とほぼ同じ長さに形成されている。第2のコイル9は第1のコイル8と並列に高周波電源32に接続されていると共に、第2のコイル9を台座2の長手方向に沿って移動させるための並進機構45が設けられている。
【0066】
この実施の形態では図1と同様にして成形熱処理加工を行うが、図15(b)に示すように、高周波誘導加熱により加熱している間あるいは加熱した後、温度計40で被加熱物1のスリット部20の温度を測定し、この測定結果に基づいてスリット部20が均一な温度になるように第2のコイル9を移動させて台座2を高周波誘導加熱により加熱し、さらに第2のコイル9により加熱された台座2から被加熱物1の低温部分に熱伝導させて加熱する。つまり、まず温度計40で被加熱物1のスリット部20の温度を測定し、この測定結果からスリット部20において低温部分を検出する。次に、スリット部20の低温部分を台座2にて加熱するために、スリット部20の低温部分に対応する位置にある台座2の一部分を加熱するが、この台座2の一部分の加熱は、第2のコイル9を台座2の加熱する部分に対応させて長手方向に移動させると共に、第2のコイル9に給電(矢印ウで示す)して磁束bを発生させて高周波誘導加熱により加熱することによって行う。この第2のコイル9の移動方向と移動量とコイル9への給電量は温度計40による温度の検出結果に基づいて決定する。このようにしてスリット部20の低温部分に対応する位置にある台座2の一部分を第2のコイル9で加熱し、加熱された台座2から被加熱物1の低温部分に熱伝導させることによって、スリット部20の温度を均一にし、その温度を一定時間保持した後、加圧成形(プレス成形)することによって、成形熱処理加工を行うのである。
【0067】
この実施の形態では、被加熱物1のスリット部20(均一な温度に加熱したい部分)の温度を測定し、この測定結果に基づいて、台座2からの熱伝導による被加熱物1の加熱量を調整するために、つまりスリット部20の低温部分を台座2からの熱伝導で加熱するために、スリット部20の低温部分に対応する位置にある台座2の一部分を第2のコイル9で加熱するので、被加熱物1の全体(特にスリット部20)を均一な温度に正確に加熱することができるものである。特に、被加熱物1の低温部分が各被加熱物1でばらつく場合や加熱中に低温部分の位置が変わる場合に、第2のコイル9を必要に応じて移動させて台座2を加熱することができ、被加熱物1の全体(特にスリット部20)を均一な温度に正確に加熱することができるものである。
【0068】
図16に他の実施の形態を示す。この実施の形態では、図15と同様に図1のものにおいて第2のコイル9と図9と同様の温度計40を具備するものであるが、並進機構45は設けられておらず、第2のコイル9は固定されて配置されている。第2のコイル9は、スリット部20の低温部分になると予想される部分に対応する位置にある台座2の一部分を加熱することができるような位置に配置されている。また第2のコイル9と高周波電源32の間には可変抵抗器41が設けられいる。
【0069】
この実施の形態では図1と同様にして成形熱処理加工を行うが、図15(b)に示すように、高周波誘導加熱により加熱している間あるいは加熱した後、温度計40で被加熱物1のスリット部20の温度を測定し、この測定結果に基づいてスリット部20が均一な温度になるように第2のコイル9で台座2を高周波誘導加熱により加熱し、さらに第2のコイル9により加熱された台座2から被加熱物1の低温部分に熱伝導させて加熱する。つまり、まず温度計40で被加熱物1のスリット部20の温度を測定し、この測定結果からスリット部20において低温部分を検出する。次に、スリット部20の低温部分を台座2にて加熱するために、スリット部20の低温部分に対応する位置にある台座2の一部分を加熱するが、この台座2の一部分の加熱は、図15(c)と同様に、第2のコイル9に給電(矢印ウで示す)して磁束bを発生させて高周波誘導加熱により加熱することによって行う。この第2のコイル9への給電量は温度計40による温度の検出結果に基づいて決定する。第2のコイル9への給電量は可変抵抗器41の抵抗値を変化させて調整する。このようにしてスリット部20の低温部分に対応する位置にある台座2の一部分を第2のコイル9で加熱し、加熱された台座2から被加熱物1の低温部分に熱伝導させることによって、スリット部20の温度を均一にし、その温度を一定時間保持した後、加圧成形(プレス成形)することによって、成形熱処理加工を行うのである。
【0070】
この実施の形態では、被加熱物1のスリット部20(均一な温度に加熱したい部分)の温度を測定し、この測定結果に基づいて、台座2からの熱伝導による被加熱物1の加熱量を調整するために、つまりスリット部20の低温部分を台座2からの熱伝導で加熱するために、スリット部20の低温部分に対応する位置にある台座2の一部分を第2のコイル9で加熱するので、被加熱物1の全体(特にスリット部20)を均一な温度に正確に加熱することができるものである。特に、被加熱物1の低温部分が各被加熱物1でばらつきがなく、特定されている場合に有効である。
【0071】
図18に他の実施の形態を示す。この実施の形態は、図17に示すような連なった複数個の被加熱物1を連続的に成形熱処理加工するものであり、しかも台座2における成形熱処理加工の前に、未処理の被加熱物1を予熱するものである。図17に複数個の被加熱物1が連なって形成される加熱物帯体47を示す。加熱物帯体47は一対の長尺の支持片48の間に複数個の被加熱物1を支持片48の長手方向に並べて設けたものであって、支持片48と被加熱物1の長手方向の端部が結合片49により連結されている。この加熱物帯体47はフープ材を打ち抜き加工したり折り曲げ加工したりして形成される。
【0072】
図18に示す加熱治具50は上面に台座2と成形前熱処理部10を立設して形成されており、台座2と成形前熱処理部10は一体化されている。加熱治具50は超硬ステンレス鋼などの導電性を有する金属材料で形成されており、台座2及び成形前熱処理部10は図1に示す台座2の支持部26と同様に形成されている。また台座2と成形前熱処理部10の間隔は加熱物帯体47の隣り合う被加熱物1の間隔と同等に形成されている。また台座2と成形前熱処理部10は被加熱物1よりも熱容量が高く形成されている。
【0073】
この実施の形態では成形熱処理加工及び予熱を次のようにして行う。まず、予熱後の被加熱物1の側片21間を台座2に上側から差し込んで、図18に示すように予熱後の被加熱物1を台座2に配置する。このように予熱後の被加熱物1を台座2に配置すると、予熱後の被加熱物1の成形熱処理加工を行いたい面で且つ焼き入れを行いたい面、すなわちスリット部20の下面が台座2の上面に接触すると共に側片21の内面が台座2の側面に接触する。また上記の予熱後の被加熱物1と隣り合う他の予熱前(未処理)の被加熱物1の側片21間を成形前熱処理部10に上側から差し込んで、図18に示すように予熱前の被加熱物1を成形前熱処理部10に配置する。このように予熱前の被加熱物1を成形前熱処理部10に配置すると、予熱前の被加熱物1のスリット部20の下面が成形前熱処理部10の上面に接触すると共に側片21の内面が成形前熱処理部10の側面に接触する。また、図18に示すように、一対の主磁束発生部29の間に予熱後の被加熱物1及び台座2が位置するように、予熱後の被加熱物1の側片21の外側にコイル8を配置する。この時、予熱後の被加熱物1のスリット部20の上面とコイル8の上面がほぼ同じ高さになっている。また予熱後の被加熱物1と予熱前の被加熱物1の間にコイル8の片方の主磁束発生部29が位置することになる。
【0074】
次に、コイル8に高周波電源32から給電することによって磁束aを発生させ、予熱後の被加熱物1及び台座2を高周波誘導加熱により発熱させて同時に加熱すると共に予熱前の被加熱物1及び成形前熱処理部10を高周波誘導加熱により発熱させて同時に加熱する。例えば、台座2に配置された被加熱物1が1000℃程度に加熱されるようにコイル8に電流を流すと、成形前熱処理部10に配置された被加熱物1は200℃程度に加熱される。そしてこの加熱により成形前熱処理部10から成形前熱処理部10に配置された被加熱物1に熱を伝導させて予熱を施す。このようにして台座2に配置された被加熱物1及び台座2を所定の温度に加熱した後、加圧治具30の加圧面27を台座2に配置した被加熱物1のスリット部20の上面に当接させ、台座2の上面と加圧治具30の加圧面27の間でスリット部20を挟持して加圧することによって、スリット部20の上面が平坦となるように加圧成形し、台座2に配置した被加熱物1の熱処理歪みを低減する。この後、加圧治具30による加圧を解除する。次に、予熱後の被加熱物1を成形前熱処理部10から取り外すと共に加圧成形後の被加熱物1を台座2から取り外す。次に、加熱物帯体47を成形前熱処理部10から台座2の方に向かって進行させることによって、予熱後の被加熱物1を台座2に配置すると共に予熱後の被加熱物1と隣り合う未処理の被加熱物1を成形前熱処理部10に配置する。このようにして加熱物帯体47を進行させて順次被加熱物1を送っていくことによって、複数個の被加熱物1に予熱と成形熱処理加工を連続的に施すことができる。尚、成形熱処理加工の条件は図1の実施の形態と同様である。
【0075】
この実施の形態では、被加熱物1よりも単純な形状で熱容量の高い台座2を用い、この台座2に被加熱物1の放熱しやすい部分Aを接触させ、台座2を被加熱物1とともに高周波誘導加熱により加熱するようにしたものであり、このことで、放熱しやすい部分Aに台座2の熱を伝導させて加熱して放熱しやすい部分Aから空気中に放熱された熱を補うことができ、被加熱物1自身の発熱による加熱量と被加熱物1の放熱量との差に関わらず、放熱しやすい部分Aと放熱しにくい部分Bの温度差が小さくなって被加熱物1の全体(特にスリット部20)を均一な温度に加熱することができるものである。
【0076】
また被加熱物1は打ち抜き加工や曲げ加工により形成されるので、被加熱物1には油等の不純物が付着している場合があり、この状態で台座2において加熱加圧成形(成形熱処理加工)を行うと、被加熱物1に悪影響を与えて部品の品質の低下を招く恐れがある。そこでこの実施の形態では、台座2で加熱加圧成形を行う前に、成形前熱処理部10で被加熱物1を予熱して付着した油などの不純物を蒸発させて除去するようにしたものであり、このように不純物を除去するので、品質の良い焼き入れを台座2で行うことができ、部品の品質を高めることができるものである。しかも台座2で行う高周波誘導加熱による加熱と同時に予熱も行うことができ、予熱を別途行う必要が無くなって生産性を向上させることができる。また台座2及び台座2に配置された被加熱物1を高周波誘導加熱するためのコイル8を利用し、このコイル8から生じる磁束aを成形前熱処理部10及び成形前熱処理部10に配置された被加熱物1に誘導して予熱を行うことができ、予熱を行うための加熱装置が別途必要でなく小スペース化を図ることができるものである。
【0077】
図19に他の実施の形態を示す。この実施の形態では図18のものにおいて、台座2と成形前熱処理部10の少なくとも一方を、図19(a)に示すように、金属材料で形成される基体35とフェライト材料で形成されるコア部7とで構成したものであって、図7の台座2と同様に形成されている。またこのような台座2と成形前熱処理部10を備えて図18と同様の加熱治具50が形成されている。尚、台座2と成形前熱処理部10の少なくとも一方を図8の台座2と同様に形成しても良い。
【0078】
この実施の形態では、図18の実施の形態と同様にして成形前熱処理部10における予熱と台座2における加熱加圧成形(成形熱処理加工)を同時に行うことができる。そして台座2における加熱加圧成形のみを高温で行い、成形前熱処理部10における予熱を低温で行いたい場合は、台座2のみにコア部7を内装し、成形前熱処理部10にはコア部7を内装しないようにすることができる。このことで台座2側にコイル8から生じる磁束aを集中させることができる。また台座2と成形前熱処理部10の両方にコア部7を内装して被加熱物1を加熱してもよい。この場合、台座2はコイル8の両方の主磁束発生部29から磁束aを受けるので、片方の主磁束発生部29からしか磁束aを受けない成形前熱処理部10よりも約2倍の磁束量で加熱されることになり、台座2は成形前熱処理部10よりも高温となるが、成形前熱処理部10にコア部7を設けることによって、図7の場合と同様に被加熱物1の全体が均一な温度に加熱されるために、被加熱物1の全面に付着した不純物を蒸発させて除去することができる。
【0079】
図20に他の実施の形態を示す。この実施の形態は、図17に示すような連なった複数個の被加熱物1を連続的に成形熱処理加工するものであり、しかも台座2における成形熱処理加工の後に、被加熱物1を焼き鈍しや焼き戻しするものである。図20に示す加熱治具50は上面に台座2と成形後熱処理部11を立設して形成されており、台座2と成形後熱処理部11は一体化されている。加熱治具50は超硬ステンレス鋼などの導電性を有する金属材料で形成されており、台座2及び成形後熱処理部11は図1に示す台座2の支持部26と同様に形成されている。また台座2と成形後熱処理部11の間隔は加熱物帯体47の隣り合う被加熱物1の間隔と同等に形成されている。また台座2と成形後熱処理部11は被加熱物1よりも熱容量が高く形成されている。
【0080】
この実施の形態では成形熱処理加工及び焼き鈍しや焼き戻しを次のようにして行う。まず、未処理の被加熱物1の側片21間を台座2に上側から差し込んで、図20に示すように未処理の被加熱物1を台座2に配置する。このように未処理の被加熱物1を台座2に配置すると、未処理の被加熱物1の成形熱処理加工を行いたい面で且つ焼き入れを行いたい面、すなわちスリット部20の下面が台座2の上面に接触すると共に側片21の内面が台座2の側面に接触する。また上記の未処理の被加熱物1と隣り合う他の加圧成形後(成形熱処理加工後)の被加熱物1の側片21間を成形後熱処理部11に上側から差し込んで、図20に示すように加圧成形後の被加熱物1を成形後熱処理部11に配置する。このように加圧成形後の被加熱物1を成形後熱処理部11に配置すると、加圧成形後の被加熱物1のスリット部20の下面が成形後熱処理部11の上面に接触すると共に側片21の内面が成形後熱処理部11の側面に接触する。また、図20に示すように、一対の主磁束発生部29の間に未処理の被加熱物1及び台座2が位置するように、未処理の被加熱物1の側片21の外側にコイル8を配置する。この時、未処理の被加熱物1のスリット部20の上面とコイル8の上面がほぼ同じ高さになっている。また加圧成形後の被加熱物1と未処理の被加熱物1の間にコイル8の片方の主磁束発生部29が位置することになる。
【0081】
次に、コイル8に高周波電源32から給電することによって磁束aを発生させ、未処理の被加熱物1及び台座2を高周波誘導加熱により発熱させて同時に加熱すると共に加圧成形後の被加熱物1及び成形後熱処理部11を高周波誘導加熱により発熱させて同時に加熱する。例えば、台座2に配置された被加熱物1が1000℃程度に加熱されるようにコイル8に電流を流すと、成形後熱処理部11に配置された被加熱物1は200〜400℃程度に加熱される。そしてこの加熱により成形後熱処理部11から成形後熱処理部11に配置された被加熱物1に熱を伝導させて焼き鈍しや焼き戻しを施す。このようにして台座2に配置された被加熱物1及び台座2を所定の温度に加熱した後、加圧治具30の加圧面27を台座2に配置した被加熱物1のスリット部20の上面に当接させ、台座2の上面と加圧治具30の加圧面27の間でスリット部20を挟持して加圧することによって、スリット部20の上面が平坦となるように加圧成形し、台座2に配置した被加熱物1の熱処理歪みを低減する。この後、加圧治具30による加圧を解除する。次に、焼き鈍しや焼き戻し後の被加熱物1を成形後熱処理部11から取り外すと共に加圧成形後の被加熱物1を台座2から取り外す。次に、加熱物帯体47を台座2から成形後熱処理部11の方に向かって進行させることによって、加圧成形後の被加熱物1を成形後熱処理部11に配置すると共に成形後熱処理部11に配置した被加熱物1と隣り合う未処理の被加熱物1を台座2に配置する。このようにして加熱物帯体47を進行させて順次被加熱物1を送っていくことによって、複数個の被加熱物1に成形熱処理加工と焼き鈍しや焼き戻しを連続的に施すことができる。尚、成形熱処理加工の条件は図1の実施の形態と同様である。
【0082】
この実施の形態では、被加熱物1よりも単純な形状で熱容量の高い台座2を用い、この台座2に被加熱物1の放熱しやすい部分Aを接触させ、台座2を被加熱物1とともに高周波誘導加熱により加熱するようにしたものであり、このことで、放熱しやすい部分Aに台座2の熱を伝導させて加熱して放熱しやすい部分Aから空気中に放熱された熱を補うことができ、被加熱物1自身の発熱による加熱量と被加熱物1の放熱量との差に関わらず、放熱しやすい部分Aと放熱しにくい部分Bの温度差が小さくなって被加熱物1の全体(特にスリット部20)を均一な温度に加熱することができるものである。また成形熱処理加工による焼き入れ後に、焼き鈍しや焼き戻しを行うので、焼き入れの品質を高めることができ、部品の品質の向上を図ることができる。しかも台座2で行う高周波誘導加熱による加熱と同時に焼き鈍しや焼き戻しも行うことができ、焼き鈍しや焼き戻しを別途行う必要が無くなって生産性を向上させることができる。また台座2及び台座2に配置された被加熱物1を高周波誘導加熱するためのコイル8を利用し、このコイル8から生じる磁束aを成形後熱処理部11及び成形後熱処理部11に配置された被加熱物1に誘導して焼き鈍しや焼き戻しを行うことができ、焼き鈍しや焼き戻しを行うための加熱装置が別途必要でなく小スペース化を図ることができるものである。
【0083】
図21に他の実施の形態を示す。この実施の形態では図20のものにおいて、台座2と成形後熱処理部11の少なくとも一方を、図21(a)に示すように、金属材料で形成される発熱部3とフェライト材料で形成されるコア部7とで構成したものであって、図7の台座2と同様に形成されている。またこのような台座2と成形後熱処理部11を用いて図20と同様の加熱治具50が形成されている。尚、台座2と成形後熱処理部11の少なくとも一方を、図8の台座2と同様に形成しても良い。
【0084】
この実施の形態では、図20の実施の形態と同様にして成形後熱処理部11における焼き鈍しや焼き戻しと台座2における加熱加圧成形(成形熱処理加工)を同時に行うことができる。そして台座2における加熱加圧成形のみを高温で行い、成形後熱処理部11における焼き鈍しや焼き戻しを低温で行いたい場合は、台座2のみにコア部7を内装し、成形後熱処理部11にはコア部7を内装しないようにすることができる。このことで台座2側にコイル8から生じる磁束aを集中させることができる。また台座2と成形後熱処理部11の両方にコア部7を内装して被加熱物1を加熱してもよい。この場合、台座2はコイル8の両方の主磁束発生部29から磁束aを受けるので、片方の主磁束発生部29からしか磁束aを受けない成形後熱処理部11よりも約2倍の磁束量で加熱されることになり、台座2は成形後熱処理部11よりも高温となるが、成形後熱処理部11にコア部7を設けることによって、図7の場合と同様に被加熱物1の全体が均一な温度に加熱されるために、被加熱物1の全面に焼き鈍しや焼き戻しを均一に安定して施すことができ、部品の品質を向上させることができる。
【0085】
図22に他の実施の形態を示す。この実施の形態は、図17に示すような連なった複数個の被加熱物1を連続的に成形熱処理加工するものであり、しかも台座2における成形熱処理加工の前に被加熱物1を予熱し、台座2における成形熱処理加工の後に、被加熱物1を焼き鈍しや焼き戻しするものである。図22に示す加熱治具50は上面に台座2と成形前熱処理部10と成形後熱処理部11を立設して形成されており、台座2と成形前熱処理部10と成形後熱処理部11は一体化されている。また成形前熱処理部10と成形後熱処理部11の間に台座2が配置されている。加熱治具50は超硬ステンレス鋼などの導電性を有する金属材料で形成されており、台座2及び成形前熱処理部10及び成形後熱処理部11は図1に示す台座2の支持部26と同様に形成されている。また台座2と成形前熱処理部10と成形後熱処理部11の間隔は加熱物帯体47の隣り合う被加熱物1の間隔と同等に形成されている。また台座2と成形前熱処理部10と成形後熱処理部11は被加熱物1よりも熱容量が高く形成されている。
【0086】
この実施の形態では成形熱処理加工及び予熱及び焼き鈍しや焼き戻しを次のようにして行う。まず、予熱後の被加熱物1の側片21間を台座2に上側から差し込んで、図22に示すように未処理の被加熱物1を台座2に配置する。このように予熱後の被加熱物1を台座2に配置すると、未処理の被加熱物1の成形熱処理加工を行いたい面で且つ焼き入れを行いたい面、すなわちスリット部20の下面が台座2の上面に接触すると共に側片21の内面が台座2の側面に接触する。また上記の予熱後の被加熱物1と隣り合う他の加圧成形後(成形熱処理加工後)の被加熱物1の側片21間を成形後熱処理部11に上側から差し込んで、図22に示すように加圧成形後の被加熱物1を成形後熱処理部11に配置する。このように加圧成形後の被加熱物1を成形後熱処理部11に配置すると、加圧成形後の被加熱物1のスリット部20の下面が成形後熱処理部11の上面に接触すると共に側片21の内面が成形後熱処理部11の側面に接触する。さらに上記の予熱後の被加熱物1と隣り合う他の予熱前(未処理)の被加熱物1の側片21間を成形前熱処理部10に上側から差し込んで、図22に示すように予熱前の被加熱物1を成形前熱処理部10に配置する。このように予熱前の被加熱物1を成形前熱処理部10に配置すると、予熱前の被加熱物1のスリット部20の下面が成形前熱処理部10の上面に接触すると共に側片21の内面が成形前熱処理部10の側面に接触する。また、図22に示すように、一対の主磁束発生部29の間に予熱後の被加熱物1及び台座2が位置するように、予熱後の被加熱物1の側片21の外側にコイル8を配置する。この時、予熱後の被加熱物1のスリット部20の上面とコイル8の上面がほぼ同じ高さになっている。また加圧成形後の被加熱物1と予熱後の被加熱物1の間、及び予熱前の被加熱物1と予熱後の被加熱物1の間にコイル8の主磁束発生部29が片方ずつ位置することになる。
【0087】
次に、コイル8に高周波電源32から給電することによって磁束aを発生させ、予熱後の被加熱物1及び台座2を高周波誘導加熱により発熱させて同時に加熱すると共に加圧成形後の被加熱物1及び成形後熱処理部11を高周波誘導加熱により発熱させて同時に加熱し、さらに予熱前の被加熱物1及び成形前熱処理部10を高周波誘導加熱により発熱させて同時に加熱する。そしてこの加熱により成形後熱処理部11から成形後熱処理部11に配置された被加熱物1に熱を伝導させて焼き鈍しや焼き戻しを施すと共に、成形前熱処理部10から成形前熱処理部10に配置された被加熱物1に熱を伝導させて予熱を施す。このようにして台座2に配置された被加熱物1及び台座2を所定の温度に加熱した後、加圧治具30の加圧面27を台座2に配置した被加熱物1のスリット部20の上面に当接させ、台座2の上面と加圧治具30の加圧面27の間でスリット部20を挟持して加圧することによって、スリット部20の上面が平坦となるように加圧成形し、台座2に配置した被加熱物1の熱処理歪みを低減する。この後、加圧治具30による加圧を解除する。次に、焼き鈍しや焼き戻し後の被加熱物1を成形後熱処理部11から取り外すと共に加圧成形後の被加熱物1を台座2から取り外し、さらに予熱後の被加熱物1を成形前熱処理部10から取り外す。次に、加熱物帯体47を成形前熱処理部10から成形後熱処理部11の方に向かって進行させることによって、加圧成形後の被加熱物1を成形後熱処理部11に配置すると共に成形後熱処理部11に配置した被加熱物1と隣り合う予熱後の被加熱物1を台座2に配置し、予熱後の被加熱物1と隣り合う未処理の被加熱物1を成形前熱処理部10に配置する。このようにして加熱物帯体47を進行させて順次被加熱物1を送っていくことによって、複数個の被加熱物1に成形熱処理加工と焼き鈍しや焼き戻しと予熱を連続的に施すことができる。尚、成形熱処理加工の条件は図1の実施の形態と同様である。
【0088】
この実施の形態では、被加熱物1よりも単純な形状で熱容量の高い台座2を用い、この台座2に被加熱物1の放熱しやすい部分Aを接触させ、台座2を被加熱物1とともに高周波誘導加熱により加熱するようにしたものであり、このことで、放熱しやすい部分Aに台座2の熱を伝導させて加熱して放熱しやすい部分Aから空気中に放熱された熱を補うことができ、被加熱物1自身の発熱による加熱量と被加熱物1の放熱量との差に関わらず、放熱しやすい部分Aと放熱しにくい部分Bの温度差が小さくなって被加熱物1の全体(特にスリット部20)を均一な温度に加熱することができるものである。また成形熱処理加工による焼き入れ後に、焼き鈍しや焼き戻しを行うので、焼き入れの品質を高めることができ、部品の品質の向上を図ることができる。しかも台座2で行う高周波誘導加熱による加熱と同時に焼き鈍しや焼き戻しも行うことができ、焼き鈍しや焼き戻しを別途行う必要が無くなって生産性を向上させることができる。また台座2及び台座2に配置された被加熱物1を高周波誘導加熱するためのコイル8を利用し、このコイル8から生じる磁束aを成形後熱処理部11及び成形後熱処理部11に配置された被加熱物1に誘導して焼き鈍しや焼き戻しを行うことができ、焼き鈍しや焼き戻しを行うための加熱装置が別途必要でなく小スペース化を図ることができるものである。また台座2で加熱加圧成形を行う前に、成形前熱処理部10で被加熱物1を予熱して付着した油などの不純物を蒸発させて除去するので、品質の良い焼き入れを台座2で行うことができ、部品の品質を高めることができるものである。しかも台座2で行う高周波誘導加熱による加熱と同時に予熱も行うことができ、予熱を別途行う必要が無くなって生産性を向上させることができる。また台座2及び台座2に配置された被加熱物1を高周波誘導加熱するためのコイル8を利用し、このコイル8から生じる磁束aを成形前熱処理部10及び成形前熱処理部10に配置された被加熱物1に誘導して予熱を行うことができ、予熱を行うための加熱装置が別途必要でなく小スペース化を図ることができるものである。
【0089】
図23に他の実施の形態を示す。この実施の形態では図22のものにおいて、台座2と成形前熱処理部10と成形後熱処理部11の少なくとも一つを、図23(a)に示すように、金属材料で形成される基体35とフェライト材料で形成されるコア部7とで構成したものであって、図7の台座2と同様に形成されている。またこのような台座2と成形前熱処理部10と成形後熱処理部11を用いて図23と同様の加熱治具50が形成されている。尚、台座2と成形前熱処理部10と成形後熱処理部11の少なくとも一つを図8の台座2と同様に形成しても良い。
【0090】
この実施の形態では、図22の実施の形態と同様にして成形前熱処理部10における予熱と台座2における加熱加圧成形(成形熱処理加工)と成形後熱処理部11における焼き鈍しや焼き戻しを同時に行うことができる。そして台座2における加熱加圧成形のみを高温で行い、成形前熱処理部10における予熱や成形後熱処理部11における焼き鈍しや焼き戻しを低温で行いたい場合は、台座2のみにコア部7を内装し、成形前熱処理部10や成形後熱処理部11にはコア部7を内装しないようにすることができる。このことで台座2側にコイル8から生じる磁束aを集中させることができる。また台座2と成形前熱処理部10の両方にコア部7を内装して被加熱物1を加熱してもよい。この場合、台座2はコイル8の両方の主磁束発生部29から磁束aを受けるので、片方の主磁束発生部29からしか磁束aを受けない成形前熱処理部10よりも約2倍の磁束量で加熱されることになり、台座2は成形前熱処理部10よりも高温となるが、成形前熱処理部10にコア部7を設けることによって、図7の場合と同様に被加熱物1の全体が均一な温度に加熱されるために、被加熱物1の全面に付着した不純物を蒸発させて除去することができる。また台座2と成形後熱処理部11の両方にコア部7を内装して被加熱物1を加熱してもよい。この場合、台座2はコイル8の両方の主磁束発生部29から磁束aを受けるので、片方の主磁束発生部29からしか磁束aを受けない成形後熱処理部11よりも約2倍の磁束量で加熱されることになり、台座2は成形後熱処理部11よりも高温となるが、成形後熱処理部11にコア部7を設けることによって、図7の場合と同様に被加熱物1の全体が均一な温度に加熱されるために、被加熱物1の全面に焼き鈍しや焼き戻しを均一に安定して施すことができ、部品の品質を向上させることができる。
【0091】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に係る発明は、金属製の薄板を成形した複雑形状を有する被加熱物を加熱し、加熱した被加熱物を加圧成形する成形熱処理加工方法において、金属製で被加熱物よりも熱容量の高い台座を形成し、被加熱物を台座に接触させて配置し、被加熱物及び台座を高周波誘導加熱により加熱し、台座から被加熱物に熱伝導させるので、被加熱物の放熱しやすい部分に台座の熱を伝導させて加熱して放熱しやすい部分から空気中に放熱された熱を補うことができ、各種の複雑形状を有する被加熱物を均一な温度に加熱することができるものである。そして被加熱物を全体に亘って均一な温度に加熱することができるので、被加熱物に均一な焼き入れを行うことができ、硬度や組織のばらつきが少ない品質の良い部品を得ることができるものである。
【0092】
本発明の請求項2に係る発明は、金属製の薄板を成形した複雑形状を有する被加熱物を加熱し、加熱した被加熱物を加圧成形する成形熱処理加工方法において、金属製の発熱部を有する台座を形成し、被加熱物を台座に配置し、被加熱物の放熱しやすい部分に発熱部を接触させ、被加熱物及び発熱部を高周波誘導加熱により加熱し、発熱部から被加熱物の放熱しやすい部分に熱伝導させるので、台座の発熱部に被加熱物の放熱しやすい部分のみを接触させ、台座の発熱部を被加熱物とともに高周波誘導加熱により加熱し、被加熱物の放熱しやすい部分のみに発熱部から熱を伝導することによって、発熱部から伝導される熱で放熱しやすい部分から放熱された熱を補うことができ、各種の複雑形状を有する被加熱物を均一な温度に加熱することができるものである。
【0093】
本発明の請求項3に係る発明は、金属製の薄板を成形した複雑形状を有する被加熱物を加熱し、加熱した被加熱物を加圧成形する成形熱処理加工方法において、金属製の発熱部とセラミック製の吸熱部を有する台座を形成し、被加熱物を台座に配置し、被加熱物の放熱しやすい部分に発熱部を接触させると共に被加熱物の放熱しにくい部分に吸熱部を接触させ、被加熱物及び発熱部を高周波誘導加熱により加熱し、発熱部から被加熱物の放熱しやすい部分に熱伝導させると共に被加熱物の放熱しにくい部分から吸熱部に熱伝導させるので、発熱部から伝導される熱で放熱しやすい部分から放熱された熱を補うことができると共に放熱しにくい部分から吸熱部に熱を逃がすことができ、放熱しやすい部分と放熱しにくい部分の温度差が小さくなって各種の複雑な形状を有する被加熱物を均一な温度に加熱することができるものである。
【0094】
本発明の請求項4に係る発明は、金属製の薄板を成形した複雑形状を有する被加熱物を加熱し、加熱した被加熱物を加圧成形する成形熱処理加工方法において、フェライト製のコア部を有する台座を形成し、被加熱物を台座に配置し、被加熱物の放熱しやすい部分に対応させてコア部を位置させ、被加熱物を高周波誘導加熱により加熱し、高周波誘導加熱時においてコア部及び被加熱物の放熱しやすい部分に集中する磁束で被加熱物の放熱しやすい部分を発熱させるので、被加熱物の放熱しやすい部分を放熱しにくい部分よりも大きく加熱すると共に、被加熱物の放熱しやすい部分に接触する台座の金属部分から放熱しやすい部分への熱伝導を大きくして加熱することができ、放熱しやすい部分と放熱しにくい部分の温度差が小さくなって各種の複雑な形状を有する被加熱物を均一な温度に加熱することができるものである。
【0095】
本発明の請求項5に係る発明は、金属製の薄板を成形した複雑形状を有する被加熱物を加熱し、加熱した被加熱物を加圧成形する成形熱処理加工方法において、金属製の発熱部とセラミック製の吸熱部とフェライト製のコア部を有する台座を形成し、被加熱物を台座に配置し、被加熱物の放熱しやすい部分に発熱部を接触させると共に被加熱物の放熱しにくい部分に吸熱部を接触させ、被加熱物の放熱しやすい部分に対応させてコア部を位置させ、被加熱物及び発熱部を高周波誘導加熱により加熱し、発熱部から被加熱物の放熱しやすい部分に熱伝導させると共に被加熱物の放熱しにくい部分から吸熱部に熱伝導させ、高周波誘導加熱時にコア部及び被加熱物の放熱しやすい部分に集中する磁束で被加熱物の放熱しやすい部分を発熱させるので、発熱部から伝導される熱で放熱しやすい部分から放熱された熱を補うことができると共に放熱しにくい部分から吸熱部に熱を逃がすことができ、しかもコア部に集中して通過する磁束によって、被加熱物の放熱しやすい部分を放熱しにくい部分よりも大きく加熱すると共に、被加熱物の放熱しやすい部分に接触する台座の金属部分から放熱しやすい部分への熱伝導を大きくして加熱することができ、放熱しやすい部分と放熱しにくい部分の温度差が小さくなって各種の複雑な形状の被加熱物を均一な温度に加熱することができるものである。
【0096】
本発明の請求項6に係る発明は、被加熱物の温度を測定し、その測定結果に基づいて、被加熱物の温度が低い部分に台座の発熱部を接触させるように、被加熱物に対して台座を移動させるので、被加熱物の温度が低い部分を台座の発熱部で加熱することができ、被加熱物を均一な温度に正確に加熱することができるものである。
【0097】
本発明の請求項7に係る発明は、被加熱物の温度を測定し、その測定結果に基づいて、被加熱物の温度が低い部分に台座の発熱部を接触させるように、あるいは被加熱物の温度が高い部分に台座の吸熱部を接触させるように、被加熱物に対して台座を移動させるので、被加熱物の温度が低い部分を台座の発熱部で加熱することができ、あるいは被加熱物の温度が高い部分から台座の吸熱部で吸熱することができ、被加熱物を均一な温度に正確に加熱することができるものである。
【0098】
本発明の請求項8に係る発明は、被加熱物の温度を測定し、その測定結果に基づいて、被加熱物の温度が低い部分に対応させて台座のコア部を位置させるように、被加熱物に対して台座を移動させるので、被加熱物の温度が低い部分における磁束量を変化させて発熱量をコントロールすることができ、被加熱物を均一な温度に正確に加熱することができるものである。
【0099】
本発明の請求項9に係る発明は、被加熱物の温度を測定し、その測定結果に基づいて、被加熱物の温度が低い部分に台座の発熱部を接触させるように、あるいは被加熱物の温度が低い部分に対応させて台座のコア部を位置させるように、あるいは被加熱物の温度が高い部分に台座の吸熱部を接触させるように、被加熱物に対して台座を移動させるので、被加熱物の温度が低い部分を台座の発熱部で加熱することができ、あるいは被加熱物の温度が高い部分から台座の吸熱部で吸熱することができ、あるいは被加熱物の温度が低い部分における磁束量を変化させて発熱量をコントロールすることができ、被加熱物を均一な温度に正確に加熱することができるものである。
【0100】
本発明の請求項10に係る発明は、被加熱物及び台座を高周波誘導加熱により加熱するための第1のコイルと、台座を高周波誘導加熱により加熱するための第2のコイルとを具備し、第1のコイルにより被加熱物及び台座を高周波誘導加熱により加熱し、被加熱物の温度を測定し、その測定結果に基づいて、被加熱物の温度の低い部分に接触する台座の一部分が第2のコイルで加熱されるように、台座に対して第2のコイルを移動させるので、被加熱物の低温部分の温度に応じて、低温部分に対応する位置にある台座の一部分を第2のコイルで加熱することができ、被加熱物を均一な温度に正確に加熱することができるものである。
【0101】
本発明の請求項11に係る成形熱処理加工方法は、被加熱物及び台座を高周波誘導加熱により加熱するための第1のコイルと、台座を高周波誘導加熱により加熱するための第2のコイルとを具備し、被加熱物の放熱しやすい部分に接触する台座の一部分が第2のコイルで加熱されるように台座と第2のコイルを配置し、第1のコイルにより被加熱物及び台座を高周波誘導加熱により加熱し、被加熱物の温度を測定し、その測定結果に基づいて、第2のコイルへの通電量を調整するので、被加熱物の低温部分の温度に応じて第2のコイルへの通電量をコントロールして、低温部分に対応する位置にある台座の一部分を第2のコイルで加熱することができ、被加熱物を均一な温度に正確に加熱することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の一例を示し、(a)は斜視図、(b)は断面図、(c)は一部の斜視図である。
【図2】 同上の被加熱物を示す斜視図である。
【図3】 同上の他の実施の形態の一例を示し、(a)(b)は斜視図、(c)は底面図である。
【図4】 同上の他の実施の形態の一例を示し、(a)(b)は斜視図、(c)は底面図である。
【図5】 同上の他の実施の形態の一例を示し、(a)は斜視図、(b)は底面図である。
【図6】 同上の他の実施の形態の一例を示し、(a)は斜視図、(b)は底面図である。
【図7】 同上の他の実施の形態の一例を示し、(a)は斜視図、(b)は底面図である。
【図8】 同上の他の実施の形態の一例を示し、(a)は斜視図、(b)は底面図である。
【図9】 同上の他の実施の形態の一例を示し、(a)は斜視図、(b)はフロー図である。
【図10】 同上の他の実施の形態の一例を示し、(a)は斜視図、(b)はフロー図である。
【図11】 同上の他の実施の形態の一例を示し、(a)は斜視図、(b)は底面図、(c)はフロー図である。
【図12】 同上の他の実施の形態の一例を示し、(a)は斜視図、(b)はフロー図である。
【図13】 同上の他の実施の形態の一例を示し、(a)は斜視図、(b)はフロー図である。
【図14】 同上の他の実施の形態の一例を示し、(a)は斜視図、(b)はフロー図である。
【図15】 同上の他の実施の形態の一例を示し、(a)は一部の斜視図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図16】 同上の他の実施の形態の一例を示し、(a)は一部の斜視図、(b)は正面図である。
【図17】 同上の加熱物帯体の一部を示す斜視図である。
【図18】 同上の他の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図19】 同上の他の実施の形態の一例を示し、(a)は一部の斜視図、(b)は断面図である。
【図20】 同上の他の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図21】 同上の他の実施の形態の一例を示し、(a)は一部の斜視図、(b)は断面図である。
【図22】 同上の他の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図23】 同上の他の実施の形態の一例を示し、(a)は一部の斜視図、(b)は断面図である。
【図24】 従来例を示し、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
【符号の説明】
1 被加熱物
2 台座
3 発熱部
4 吸熱部
5 電極
6 エア噴き出し口
7 コア部
8 コイル
9 コイル
10 成形前熱処理部
11 成形後熱処理部
A 放熱しやすい部分
B 放熱しにくい部分
Claims (11)
- 金属製の薄板を成形した複雑形状を有する被加熱物を加熱し、加熱した被加熱物を加圧成形する成形熱処理加工方法において、金属製で被加熱物よりも熱容量の高い台座を形成し、被加熱物を台座に接触させて配置し、被加熱物及び台座を高周波誘導加熱により加熱し、台座から被加熱物に熱伝導させることを特徴とする成形熱処理加工方法。
- 金属製の薄板を成形した複雑形状を有する被加熱物を加熱し、加熱した被加熱物を加圧成形する成形熱処理加工方法において、金属製の発熱部を有する台座を形成し、被加熱物を台座に配置し、被加熱物の放熱しやすい部分に発熱部を接触させ、被加熱物及び発熱部を高周波誘導加熱により加熱し、発熱部から被加熱物の放熱しやすい部分に熱伝導させることを特徴とする成形熱処理加工方法。
- 金属製の薄板を成形した複雑形状を有する被加熱物を加熱し、加熱した被加熱物を加圧成形する成形熱処理加工方法において、金属製の発熱部とセラミック製の吸熱部を有する台座を形成し、被加熱物を台座に配置し、被加熱物の放熱しやすい部分に発熱部を接触させると共に被加熱物の放熱しにくい部分に吸熱部を接触させ、被加熱物及び発熱部を高周波誘導加熱により加熱し、発熱部から被加熱物の放熱しやすい部分に熱伝導させると共に被加熱物の放熱しにくい部分から吸熱部に熱伝導させることを特徴とする成形熱処理加工方法。
- 金属製の薄板を成形した複雑形状を有する被加熱物を加熱し、加熱した被加熱物を加圧成形する成形熱処理加工方法において、フェライト製のコア部を有する台座を形成し、被加熱物を台座に配置し、被加熱物の放熱しやすい部分に対応させてコア部を位置させ、被加熱物を高周波誘導加熱により加熱し、高周波誘導加熱時においてコア部及び被加熱物の放熱しやすい部分に集中する磁束で被加熱物の放熱しやすい部分を発熱させることを特徴とする成形熱処理加工方法。
- 金属製の薄板を成形した複雑形状を有する被加熱物を加熱し、加熱した被加熱物を加圧成形する成形熱処理加工方法において、金属製の発熱部とセラミック製の吸熱部とフェライト製のコア部を有する台座を形成し、被加熱物を台座に配置し、被加熱物の放熱しやすい部分に発熱部を接触させると共に被加熱物の放熱しにくい部分に吸熱部を接触させ、被加熱物の放熱しやすい部分に対応させてコア部を位置させ、被加熱物及び発熱部を高周波誘導加熱により加熱し、発熱部から被加熱物の放熱しやすい部分に熱伝導させると共に被加熱物の放熱しにくい部分から吸熱部に熱伝導させ、高周波誘導加熱時にコア部及び被加熱物の放熱しやすい部分に集中する磁束で被加熱物の放熱しやすい部分を発熱させることを特徴とする成形熱処理加工方法。
- 被加熱物の温度を測定し、その測定結果に基づいて、被加熱物の温度が低い部分に台座の発熱部を接触させるように、被加熱物に対して台座を移動させることを特徴とする請求項2に記載の成形熱処理加工方法。
- 被加熱物の温度を測定し、その測定結果に基づいて、被加熱物の温度が低い部分に台座の発熱部を接触させるように、あるいは被加熱物の温度が高い部分に台座の吸熱部を接触させるように、被加熱物に対して台座を移動させることを特徴とする請求項3に記載の成形熱処理加工方法。
- 被加熱物の温度を測定し、その測定結果に基づいて、被加熱物の温度が低い部分に対応させて台座のコア部を位置させるように、被加熱物に対して台座を移動させることを特徴とする請求項4に記載の成形熱処理加工方法。
- 被加熱物の温度を測定し、その測定結果に基づいて、被加熱物の温度が低い部分に台座の発熱部を接触させるように、あるいは被加熱物の温度が低い部分に対応させて台座のコア部を位置させるように、あるいは被加熱物の温度が高い部分に台座の吸熱部を接触させるように、被加熱物に対して台座を移動させることを特徴とする請求項5に記載の成形熱処理加工方法。
- 被加熱物及び台座を高周波誘導加熱により加熱するための第1のコイルと、台座を高周波誘導加熱により加熱するための第2のコイルとを具備し、第1のコイルにより被加熱物及び台座を高周波誘導加熱により加熱し、被加熱物の温度を測定し、その測定結果に基づいて、被加熱物の温度の低い部分に接触する台座の一部分が第2のコイルで加熱されるように、台座に対して第2のコイルを移動させることを特徴とする請求項1に記載の成形熱処理加工方法。
- 被加熱物及び台座を高周波誘導加熱により加熱するための第1のコイルと、台座を高周波誘導加熱により加熱するための第2のコイルとを具備し、被加熱物の放熱しやすい部分に接触する台座の一部分が第2のコイルで加熱されるように台座と第2のコイルを配置し、第1のコイルにより被加熱物及び台座を高周波誘導加熱により加熱し、被加熱物の温度を測定し、その測定結果に基づいて、第2のコイルへの通電量を調整することを特徴とする請求項1に記載の成形熱処理加工方法。
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