JP3878204B2 - パクリタキセル及びパクリタキセル前駆体に至るグリコシド置換化パクリタキセル類の酸化並びに中間体として形成した新規タキサン化合物 - Google Patents

パクリタキセル及びパクリタキセル前駆体に至るグリコシド置換化パクリタキセル類の酸化並びに中間体として形成した新規タキサン化合物 Download PDF

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Description

本願は、1992年11月6日にMurrayらにより提出された特許出願第973,076号の一部係属出願である。
発明の背景
本発明はパクリタキセル(タキソール)及びパクリタキセル前駆体の調製の分野に一般的に関連する。本発明の方法は新規タキサン中間化合物も生成せしめる。
天然物質であり、そしてタキサス ブレビホリアTaxus brevifolia(即ち、太平洋いちい木)及びその他のバイオマスより抽出されたパクリタキセルは、顕著なチューブリン結合力を有し(Schiff,P.B.ら、「Promotion of Microtubule Assembly in vitro by Taxol」Nature,277:665-67(1979年2月))、そして細胞に導入せしめたとき、第三臨床試験段階を通じて実証された細胞障害活性を有することが同定されている。パクリタキセルは米国食品及び薬品協会により、難治な卵巣癌の処置について認証された。一般に、パクリタキセルタキサス ブレビホリアの樹皮からしか大量スケールで単離されていない;残念ながら、その収率はほとんどの効率的なプロセスによってさえも比較的低い。パクリタキセルについての実際の及び潜在的な需要量は、現状の天然起源からのパクリタキセルの抽出により供される供給量をはるかに越えている(Kingston,「The chemistry of Taxol,Pharmac.Ther.Vol.52,pp.1-34,5〜6(1991);「Kingston」)。本明細書に記載のプロセスはこれらの起源からのパクリタキセルの収率を有意に高める。
パクリタキセルは下記の式により表わされる複雑な化合物である:
Figure 0003878204
(式中、番号2′,7及び10は、本明細書において用いる命名法に従ってタキサン環上の位置を特定する)。
パクリタキセル分子の物理的及び化学的な複雑性の理由により、パクリタキセルの合成は非常に難しく、そして今日まで達成されていない。「今世紀末までにタキソールに至る商業的に可能な合成ルートを開発できるであろう…」(Kingston,p24)。「〔パクリタキセルの合成において〕なされた進歩にもかかわらず、パクリタキセルの最終的な合成全体は多段式であり、時間を要し、そして経費がかかるプロセスである」(米国特許第5,015,744号、第1欄、第59行以降)。パクリタキセルを合成する複雑さは、Swindell,C.S.「Taxane diterpene synthesis strategies:Areview」Org.Prep.Proced.Int.23:465-543,537(1991)(「Swindell」)を一通り読んでも明らかである。
近縁化合物からのパクリタキセルの部分合成でさえもかなり難しい。「タキソールはタキサン類のうちで最も機能的、且つ立体化学的に複雑である」(Swindell,p467)。とりわけ、パクリタキセル分子は、近接した類似の化学構成成分との莫大な反応部位を有する。このことは、例えば、タキサン環の1,2,4,5,7,9及び10位に存在する数多くの酸素置換基のいづれかに影響を及ぼしうる任意の反応に関連する問題をもたらす(例えばHoltonらの米国特許第4,876,399号、第3欄、行13−18を参照のこと)。この化学的な複雑さは、ブロッキング剤の使用及び特定の部位での特定の反応を優先せしめる非常にコントロールされた反応パラメーターの利用を介する場合を除き、有意義な特異性を伴う反応をもたらすことを困難にする。従って、パクリタキセル又はパクリタキセル近縁化合物の一定の試薬との反応に由来する所望の生成物の収率は往々にしてかなり低い。
更に、パクリタキセル分子の立体化学は上記の二次元の式から見てさえもかなり複雑である。事実、パクリタキセル分子は「逆さまカップ型であり、そのエステル側鎖はカップの開環部を横断して広がる」と特定されている(Kingston,p3)。Kingstonはパクリタキセルの立体化学のより詳しい二次元図を含んでいる。
これらの所見の結果、パクリタキセル及びパクリタキセル近縁化合物の化学は困難、且つ予測できない。
研究者は、チューブリン結合力及び細胞障害活性を有するパクリタキセル近縁物質を開発する可能に焦点を当てることによりこれらの問題のいくつかを解決する試みをなしている。しかしながら、「若干の例外を除き、タキサン骨格の変化はパクリタキセルの活性を低めるようである」(Kingston,p31)。即ち、パクリタキセルの製造は類似の構造を有するその他の化合物に比べて一般に好適である。
本発明は詳しくはC−7位においてグリコシド基を含むタキサン類からのパクリタキセル及びパクリタキセル前駆体の部分合成に関する(前述の構成図を参照のこと)。これらのグリコシドタキサン類は天然で生成され、そしてタキサスブレビホリアからの生成中にパクリタキセルを伴って回収される。グリコシド置換化タキサン類、例えば10−デアセチル−7−キシロシルパクリタキセル(即ち、「10-DAXT」)はパクリタキセルを伴って単離されている(V.Senilhら、「New Derivatives of Taxol」J.Nat.Prod.47:131(1984):Senilhらを参照のこと)。天然7−グリコシドタキサン類は下記の特定の物質を含む:7−キシロシル−10−デアセチルパクリタキセルA、7−キシロシル−10−デアセチルパクリタキセルB、7−キシロシル−10−デアセチルパクリタキセルC、7−キシロシルパクリタキセルA、7−キシロシルパクリタキセルB及び7−キシロシルパクリタキセルC。これらの化合物の構造は下記の例により表わされる:
10−デアセチル−7−キシロシルパクリタキセルA:
Figure 0003878204
10−デアセチル−7−キシロシルパクリタキセルB:
Figure 0003878204
及び10−デアセチル−7−キシロシルパクリタキセルC:
Figure 0003878204
更に、本発明の方法は10−デアセチル−7−キシロシルバッカチンIII(“10−DAXB”)に適用できうる:
Figure 0003878204
何らかのことわりのない限り、本明細書で用いている「パクリタキセル」は、そのA,B及びC変異体をまとめて意味する。本明細書で用いる「タキサン」は、上記の式において繰り返されている特長的な環構造を有する任意の化合物を意味する。
一般に、酸化水分解を、グリコシドをそれが付加されている化学化合物から除去、即ち、切断するために用いる。一般の加水分解剤には水/MeOH中の酢酸又は鉱酸が含まれる。従って、グリコシド置換化タキサン類の加水分解が文献の中に提唱されている(Senilhら、p137参照)。しかしながら、10−DAXTについての加水分解剤としてメタノール及び酢酸を利用するSenilhらに示す実験の模倣はタキソンの数多くの分子フラグメントに至る分解を確証せしめた。10-DATの生成、即ち、グリコシドのタキサン分子からの独立の切断は観察できなかった。このこと、Senilhらに示す反応が選択的でなく、そしてパクリタキセル分子が強力な酸加水分解条件に対して感受性であるという一般の所見と一致した(Kingston,p15、段落3,6)。
パクリタキセル又はパクリタキセル前駆体の合成のためにC−7位にグリコシド基を含むタキサンを使用することが可能であることは従来知られていなかった。今日まで、パクリタキセルの生成のための全ての部分合成ルートは、有意に異なる出発材料であるバッカチンIIIに由来していた(Kingston,p17)。バッカチンIIIはバイオマスから直接回収できないため、「出発材料」としてそれを作り上げるために事前の変換工程がある。
発明の概要
我々はこの度、キシロース置換化タキサン類のパクリタキセル又はパクリタキセル前駆体、例えば10−デアセチルパクリタキセル(即ち、「10-DAT」)に至る変換のための簡単、効率的、且つ驚くべきほどに選択的な方法を発見した。本明細書に記載の方法は酸化剤、例えば過ヨウ素酸又はその塩を利用してのグリコシド置換化タキサン類の選択酸化を含む。この酸化は酸の存在下で行ってもよく、又は必要ならば加水分解が後続してよい。
グリコシド置換化タキサン類は、パクリタキセルのそれを超える量において天然バイオマスから回収できうる(International Research Congress of Natural Products,1991年7月21−26日の予稿集0−12、「The Bark of Taxus brevifolia Contains Much More Realizable Taxol than is Currently Accepted」Koppaka V.Rao:College of Pharmacy,University of Florida,Gainesville,FL 32610)。
従って、本発明の利用は、タキサス ブレビホリア又はその他のバイオマス起源から究極的に回収されたパクリタキセルの量を2倍以上にしうる。
本発明の目的はグリコシド置換化タキサン類からのパクリタキセル又はパクリタキセル前駆体の製造のための簡単、且つ効率的な方法を提供することにある。
本発明の更なる目的は、パクリタキセル又はパクリタキセルに至る前駆体を製造するのに用いることのできる一定の新規のタキサン化合物を製造することにある。
本発明及び好適な態様の説明
我々はこの度、グリコシド置換化タキサン類の酸化的切断のための方法を発見した。この方法は緩やかであり、選択的であり、そして効率的である。
本発明の酸化反応は、その進行をモニターできるほどに緩やかであり、そして所望の終点を超えて不要の産物を生成するまで続けない。一般に、これらの反応は高圧流体クロマトグラフィー(「HPLC」)及び薄層クロマトグラフィー(「TLC」)を用いてモニターできる。グリコシド置換化タキサン出発材料又は酸化中間体のいづれかの存在がもはや検出できなくなったら、その反応は完了したものと認められる。
更に、この酸化はかなり選択的である。これは2つの観点における真実である。第一に、酸化はC−7部位上のグリコシドを切断するように選択的に生ずる。通常、グリコシド置換化タキサンへの酸化剤の導入はタキサン環上のC−7以外の部位、例えば10−DAXT上の2′−ヒドロキシ及び10−位において酸化を起こさせるであろう。実際には、酸化はこれらの位置で起きていることが認められない。第二に、グリコシド置換化タキサン類及びその他の非グリコシド置換化タキサン化合物を含む混合物への酸化剤の導入は、その他のタキサン類の酸化をもたらさない。かかる混合物はバイオマス、又はかかるバイオマスの部分分離物もしくは抽出物の中で認められる。この選択性はグリコシド類の酸化的切断を、タキサス ブレビホリア又はその他の天然材料からのパクリタキセルの単離の際の様々な段階において行うことを可能にする。
最後に、この酸化反応は効率的である。グリコシド類のそれが付加されているタキサン分子からの完全な切断を獲得することが可能である。この反応はタキサン出発材料の量並びに反応生成物の単離及び精製において採用する手順に依存して、パクリタキセル又はパクリタキセル前駆体の比較的高収率を供する。
本発明の方法は様々なグリコシド含有タキサン出発材料について利用できうる。今日までに同定された唯一の天然グリコシド置換化化合物はC−7位においてキシロース置換されたタキサン(即ち、Senilhらの化合物3−8)であるが、同一の酸化的切断反応がC−7位において置換されたその他のグリコシドについて、又はタキサン分子上のいづれかの部位について起こらないであろうとする理由はない。
酸化はグリコシド置換化タキサン類上で、その単離後に、又はこのグリコシド置換化タキサン類を含む混合物に基づいて行ってよい。即ち、グリコシド置換化タキサン類を、本発明に従ってそれを酸化する前に、バイオマスから回収されるその他のタキサン類から分ける必要はない。
グリコシド側鎖の切断は有効な酸化量の酸化剤を利用することにより達成できる。有効な酸化剤には、限定することなく、表Iに記載のものが挙げられる。
Figure 0003878204
有効な量の1又は複数種の酸化剤を利用することができる。特に、上記のリスト由来の1又は複数種の酸化剤が利用できる。過ヨウ酸及びその酸が好適な酸化剤であり、従って第一に挙げているが、表Iは過ヨウ素酸及びその塩以外は、酸化工程を実施するうえでのその効率に従ってそれらの材料をランクづけする意図はない。様々な可能な酸化剤の相対的な効率は採用する濃度及びその他の反応条件に依存する。
様々な量の酸化剤を利用できるが、しかし一般にはグリコシドのモル当り1〜10モル当量の酸化剤の範囲において存在しているべきである。好ましくは、グリコシドのモル当量当り少なくとも2当量の酸化剤が反応を完了に至るまでに進行させるのに必要とされる。
出発材料の混合を助長するため、酸化は好ましくは、採用する特定の1又は数種の酸化剤に相溶性である有効な溶解量のタキサン溶媒を用いて行う。典型的な溶媒には、テトラヒドロフラン、水、アセトン、水性ジオキサンもしくはそれらの混合物、又は当業者に公知のその他のタキサン溶媒が含まれる。
本発明の好適な態様において、タキサン類上のグリコシド官能基の酸化切断は、タキサンを、溶媒としてのテトラヒドロフラン、水、アセトン、又はその混合物を用いて溶解し、そして酸化剤として過ヨウ素酸又はその塩を利用することにより行う。このキシロース基は、2〜10モル当量の過ヨウ素酸塩試薬を用いて、約0.1mg/mlのタキサンとなっている溶液に関して、2〜24時間で酸化される。
この酸化は酸の存在下で、又は酸による加水分解を続けることによって実施することにより高めることができる。この目的のために利用できる酸には酢酸(氷酢酸又は水性酢酸を含む)及び鉱酸が含まれる。酢酸が好ましく、そして酸化工程の際の溶媒の全体もしくは一部として水性形態で利用できうる。
本発明の酸化工程は、次式を有する新規のタキサン化合物の存在を示す:
Figure 0003878204
ここでRはAc又はHを示し、そしてR′は:
Figure 0003878204
ヒドロキシル基又は任意のその他の有機系側鎖を表わし、ただしタキサン環上のグリコシド(例えばC−7部位)に優先して酸化されるであろうグリコシド、ジオールもしくはその他の構成成分を除く。より良い用語がないため、我々はこれらの化合物を、それが由来するキシロシル化合物の「オキソ」形態と呼ぶことを選んだ。
上記に示す中間化合物はC−7部位にある側鎖の同族体と平衡状態になっている。これらには開環(即ち、非環式)形態のヘミアルダールが含まれる。ところで、その平衡定数は上記の式に示す構造が非常に好適となるものである。本明細書の上記の構造は平衡状態となったC−7ヘミアルダール側鎖の同族体を含むことを意図する。
この中間化合物はいくつかの同族体の平衡状態にあるため、直接NMR分析の利用を介してその存在を確認することは困難である。しかしながら、これらの新規の中間化合物の存在はシアノ硼酸水素化ナトリウムによるこの中間体の化学還元によって確認できた。これはヘミアルダール型構造のための一般的な化学変換法である。かかる還元の生成物が以下のものであるとき:
Figure 0003878204
そのもとの側鎖は以下のものであることが信頼性高く推定できる。
Figure 0003878204
中間体を同定するために用いる方法は実施例7において詳細に示す。この化学変換及び中間体のNMR分析に基づき、この中間化合物は明らかにヘミアルダールであった。
還元酸化中間体も新規化合物であり、これは実施例8に示す通りパクリタキセル又はパクリタキセル前駆体に変換できる。
これらのヘミアルダール化合物は、グリコシドからヒドロキシルに至るC−7部位にある側鎖の変換における中間体を代表する。この「変換」は、中間体側鎖に至る酸化、側鎖の切断、及びヒドロキシル基による変換を通じて生ずる。ヒドロキシル基に至る全体変換は、十分なるモル濃度の酸化剤が存在しているならば酸化中に生じ、又は前述した通り加水分解剤の利用を通じて行うことができうる。この加水分解剤は酸化剤と一緒に含ませるか、又は別の後続工程において利用でき、ここでグリコシドからヒドロキシル基に至る変換を完了するのに十分な加水分解剤を存在させておく。加水分解中での酸化剤の存在は最終産物に至る変換を助長することが明らかである。
本発明の方法はパクリタキセル及びパクリタキセルの前駆体を生成するのに利用できる。利用する出発材料が7−キシロシルパクリタキセル(「XT」)のとき、本発明の方法の利用はパクリタキセルを直接生成せしめるであろう。出発材料が別のC−7グリコシド置換化タキサンのとき、得られる生成物はそのタキサンのC−7ヒドロキシル形態であろう。これらの材料はパクリタキセルにとっての前駆体であり、そしてパクリタキセルへと変換されうる。
我々の発明の新規の方法及び化合物を以下の実施例により例証する。
実施例
材料と方法:本実施例において採用した溶媒及び試薬は全て製造者から受け取ったまま使用した。キシロシルタキサン類は論文の方法に従い、タキサス ブレビホリアの樹皮から単離した。反応は0.25mmのWhatmanシリカゲル60A K6F(ガラス支持体)又は0.25mmのE.M.Industriesシリカゲル60(アルミニウム支持体)シリカゲルプレートを用いる薄層クロマトグラフィー(「TLC」)によりモニターした。反応を、モデルL−6200ポンプ、モデルAS−4000又はL−3000 UV/VIS/DAD検出器(Hitachi Instruments,Inc.)より成るシステムを用いる高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)によってもモニターした。このシステムには、NEC286コンピューターと、40Mハードドライブ及びLab Manager HPLCソフトウェアー(Hitachi Instruments,Inc.)とが付いている。使用したHPLCカラムには、5μmのジフェニル材料で充填された4.6mm.×250mm.のフェニルカラム(Supelco,Inc.);4.6mm.×250mm.,5μm,60オングストローム ペンタフルオロフェニル(PFP)カラム(ES Industries);及び4.6mm.×20mm.フェニルガードカラム(Jones Chromatography)が含まれる。フラッシュクロマトグラフィー用のシリカゲル(230〜400メッシュ)はScientific Productsより供給される。収率は、何らかのことわりのない限り、クロマトグラフィー的及び吸光度的に純粋な化合物に関する。本明細書で用いている「chrom純度」とは、一定の成分についての227nmでのHPLC標準化ピーク領域パーセンテージに関する。融点は補正していない。1H-NMR及び13C-NMR化学シフトは、対照についての残留非重水素NMR溶媒を用いてのテトラメチルシランに対するppmで報告する。NMRデーターはBruker WP-270 MHz,Bruker ACE-300 MHz,Bruker AM-500又はVarian Gemini 300 MHz NMR光度計を用いて得た。質量スペクトルはM-Scan Inc.において、VG Analytical ZAB 2-SE高磁場質量スペクトル計又はVGプラットホーム(ARI質量スペクトル計)−エレクトロスプレーモードを利用して測定した。
実施例1:本例は、一酸化工程を利用しての7−キシロシルパクリタキセル(「XT」)からパクリタキセルに至る変換を実証する。
XTの142mgのサンプルを酢酸(0.88ml)、水(0.221ml)及びテトラヒドロフラン(THF,0.44ml)の中に溶かした。この混合物に198mgの過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO4)を加えた。この混合物を50℃で6日間熱した。この反応をTLC及びHPLCにより、出発XT又は中間体が残らなくなるまで追った。この粗反応混合物を酢酸エチルの中に溶かし、その有機層を飽和のチオ硫酸ナトリウム及びブラインで洗い、次いで無水硫酸マグネシウムで乾かした。固体となるまで濃縮した後、パクリタキセルをフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより単離して102mgの白色固体が得られた。その融点は低く、その白色固体はアセトン/ヘキサンから結晶化した。白色結晶物質を単離した(57.2mg.,収率47%yield):m.p.212-215℃(天然パクリタキセル、m.p.214-215℃)。FT−IR(固体)3510(m),3440(m),2945(w),1736(s),1707(s),1647(m),1371(m),1275(s),1246(s),1176(m),1109(m),1074(m),985(m),710(m)cm.-1;1H-NMR(300MHz,CD2Cl2)1.12(s,3H),1.22(s,3H),1.63(s,3H),1.81(m,1H),1.81(s,3H),2.21(s,3H),2.26(dd,J=9.0,15.2Hz,1H),2.35(m,1H),2.39(s,3H),2.50(ddd,J=6.7,9.6,14.7Hz,1H),3.79(d,J=7.1Hz,1H),4.19(d,J=8.3Hz,1H),4.27(d,J=8.3Hz,1H),4.40(dd,J=6.7,11.0Hz,1H),4.79(d,J=2.7Hz,1H),4.94(dd,J=2.3,9.6Hz,1H),5.64(d,J=7.1Hz,1H),5.75(dd,J=2.4,8.3Hz,1H),6.23(qt,J=1.5,9.0Hz,1H),6.25(s,1H),7.08(d,J=8.8Hz,1H),7.32-7.60(m,10H),7.64(tt,J=1.2,7.6Hz,1H),7.74(dd,J=1.5,8.5Hz,2H),8.14(dd,J=1.5,8.4Hz,2H);13C-NMR(75MHz,CD2Cl2)9.77,15.05,21.00,22.05,22.92,27.00,36.06,36.19,43.55,46.16,55.61,58.93,72.60,72.72,73.78,75.42,76.00,76.78,79.46,81.47,84.70,127.48,127.49,128.62,129.05,129.14,129.33,129.83,130.61,132.29,133.58,134.10,134.33,138.79,142.59,167.29,167.47,170.92,171.74,173.21,204.17。本例において生成した合成パクリタキセル1H−及び13C-NMRスペクトルは天然産物のそれと全に関して同一であった。質量スペクトル(FAB,m−ニトロベンジルアルコールマトリックス)m/z854(M+H)+,m/z876(M+Na)+;(天然パクリタキセルm/z854(M+H)+,m/z876(M+Na)+)。
実施例2:本例はXTのパクリタキセルに至る変換を例証する。
7−キシロシルパクリタキセルの244.7mgのサンプル(93%のchrom純度、0.248mmole)を酢酸、テトラヒドロフラン及び水の4:2:1の溶液の中に溶かした(0.15M)。過ヨウ素酸ナトリウム(371.6mg,1.74mmole,5cq)を加え、そして反応物を60℃に熱した(油浴)。4.5日後、HPLC分析は主要生成物としてパクリタキセルを示し、そして7−キシロシルパクリタキセル又は酸化中間体は示さなかった。この粗混合物を酢酸エチルで希釈し、そしてチオ硫酸ナトリウム及びブライン溶液で順に洗った。この溶液を硫酸マグネシウムで乾かし、そして固体に濃縮した。
最終生成物を単離するためにフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー及び選択沈殿法を利用した。50%のEtOAc/ヘキサンのイソクラチック溶離を利用した。適当な画分を合わせ、そして固体に至るまで濃縮した。その残留を次に3mlのアセトンに溶かし、そして30mlのヘキサンに移した。真空濾過は129.1mgの白色固体をもたらし、これはHPLC分析によりパクリタキセル(92%のchrom純度)に該当した。この変換についての全収率は61%であった。
実施例3:本例は、一酸化工程を利用しての、10−デアセチル−7−キシロシルパクリタキセル(「10−DAXT」)から(「10-DAT」)に至る変換を実証する。
519μlのTHF、259μlのH2O及び1040μlのAcOHの中に部分溶解した207mgの10-DATX(0.219mmol,92.5%のクロマトグラフィー純度)を407mgのNaIO4(1.904mmol)に加えた。この混合物を次に60℃で113時間熱した。この混合物をEtOAcで希釈し、そしてNa2S2O4、H2O、ブラインで順に洗い、次いでMgSO4で乾かした。エバポレート残渣をフラッシュクロマトグラフィー(7%のMeOH/CH2Cl2)を介して精製し、136mgの白色固体が得られた(93.8%のchrom純度において76%の収率)。アセトン/ヘキサン沈殿後の融点は182-183℃であった。このデータは、実施例4において単離した10-DAT生成物についてのデーター及び天然DATについてのデーターと一致した。
実施例4:本例は、二工程法を用いる、10−デアセチル−7−キシロシルパクリタキセル(「10−DAXT])から10−デアセチルパクリタキセルに至る変換を例証する。
10−DAXTの146mgのサンプルを0.68mlのテトラヒドロフラン(THF)の中に溶かし、続いて0.5mlの水及び3.5モル当量の過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO4)を加えた。この混合物を室温で4時間撹拌した。その溶媒をエバポレートし、そしてオキソ−10−DAT含有混合物を酢酸(AcOH)/THF/H2O(4:2:1)の中に溶かして0.065Mの混合物を作り上げた。この混合物を50℃で75.5時間熱した。この反応を、酸化中間体が残らなくなるまでTLC及びHPLCにより追った。この混合物を塩化メチレンに溶かし、次いで濾過して塩を除去した。その有機層をH2O、飽和チオ硫酸ナトリウム、ブラインで洗い、そして無水硫酸マグネシウムで乾かした。その固体をシリカゲルクロマトグラフィー(5%のMeOH/CH2Cl2)により精製して86.1mgの10-DATを得た(収率68.7%)。この10-DAT生成物を、天然物質と対比して1H-NMR,13C-NMRにより特性化した。詳しくは最終生成物は下記の分析により同定した:FT-IR(固体)3427(b),2939(w),1728(s),1660(m),1271(s),1246(s),1136(m),1109(m),1070(m),1026(m),985(m),710(m)cm.-1;1H-NMR(300MHz,CD2Cl2)1.08(s,3H),1.17(s,3H),1.71(s,3H),1.79(d,J=1.1Hz,3H),1.79(m,1H),2.23(m,1H),2.38(s,3H),2.53(m,1H),3.87(d,J=7.0Hz,2H),4.16(d,J=8.6Hz,1H),4.22(m,1H),4.28(d,J=8.3Hz,1H),4.78(d,J=2.7Hz,1H),4.93(dd,J=2.0,10.3Hz,1H),5.18(s,1H),5.64(d,J=7.1Hz,1H),5.75(dd,J=2.8,8.8Hz,1H),6.18(m,1H),7.19(d,J=8.8Hz,1H),7.32-7.55(m,9H),7.64(tt,J=2.3,7.4Hz,1H),7.75(dd,J=1.5,7.8Hz,2H),8.12(dd,J=1.5,7.8Hz,2H);13C-NMR(75MHz,CD2Cl2)10.08,14.58,20.83,22.90,26.77,32.50,37.33,43.40,46.92,55.58,58.02,72.35,72.71,73.80,74.86,75.20,76.88,79.07,81.44,84.44,127.42,127.43,128.50,128.98,129.08,129.22,129.75,130.51,132.22,134.03,134.24,136.54,138.51,138.72,167.14,167.39,170.94,172.95,211.65。本例において生成した合成10-DATの1H−及び13C-NMRスペクトルは天然産物と同一であった。質量スペクトル(FAB,m−ニトロベンジルアルコールマトリックス)m/z812(M+H)+,m/z834(M+Na)+;(天然10-DATm/z812(M+H)+,m/z834(M+Na)+)。
以下の実施例は過ヨウ素酸塩以外の酸化剤の効率を例証する。
実施例5:10−DAXTの10mgのサンプルを0.04mlの氷酢酸の中に溶かし、そして2.5モル当量のビスマス酸ナトリウム(NaBiO3)を添加した。この混合物をTLCによりモニターしながら室温で20時間撹拌した。リン酸(3.33N,0.017ml)を加え、次いで濾過して塩を除去し、そしてエバポレーションに付した。この生成物のアリコートをHPLC及びTLCにより分析し、天然10-DATの標準品と対比させたとき、10-DATが形成されていることが示唆された。
実施例6:10-DAXTの5mgのサンプルを0.96mlの塩化メチレンの中に室温において溶かし、次いで3.5mgのピリジニウムクロロクロメートを加えた。この混合物をTLC及びHPLCによりモニターしながら室温で5日間撹拌した。その粗混合物をHPLCにより分析し、そして既知標準品との対比により10-DATを含むことが示された。
実施例7:本例は「オキソ−10−DAXT」からオキソ−10−DAXTジオール形態に至る還元を例証する。
オキソ−10−DAXTの724mgのサンプルを、微量のメチルオレンジ指示薬を含む55:45のTHF/H2O(0.18M溶液)の中に溶かした。この溶液に196mgのNaBH3CN(4当量)を1.7mlのAcOHと一緒に加えた。反応r.t.で進行させた。6.25時間後、その反応は完了し、よって49mgのNaBH3CN(1当量)を0.5mlのAcOHと一緒に加えた。23時間後、反応は完了した。その粗混合物をEtOAcで希釈し、そして飽和NaHCO3、水及びブラインで順に洗った。この溶液をMgSO4で乾かし、そして濃縮して685mgの白色固体を得た。
フラッシュシリカゲルクロマトグラフィーは最終生成物をもたらした。粗ジオールの685mgのサンプルを7%のMeOH/CH2Cl2溶液で溶離させ、579mgのオキソ−10−DAXTジオールが96%のchrom純度で得られた。この変換についての全体収率は81%であった。この生成物は175−178℃の融点を有した。以下のデーターは10-DAXTの酸化中間体(オキソ−10−DAXT)の還元型ジオールとして生成物の構造を確証する:
FT-IR(固体)3400(m),2950(w),1725(s),1525(w),1475(w),1425(w),1375(w),1300(m),1275(s),1225(s),1175(m),1050(s),1025(m),975(m),725(m)cm-1.1H-NMR(270MHz,CD2Cl2)1.05(s,3H),1.15(s,3H),1.74(s,3H),1.83(s,3H),1.95(m,1H)2.15-2.30(m,2H),2.36(s,3H),2.70(ddd,J=6.7,9.7,14.7Hz,1H),2.95(m,2H),3.3-3.6(m,4H),3.62(m,2H),3.85(d,J=7.0Hz,1H),4.13(m,3H),4.25(m,2H),4.48(t,J=5.3Hz,1H),4.79(m,1H),4.91(dd,J=2.3,10.0Hz,1H),5.19(br s,1H),5.60(d,J=7.0Hz,1H),5.71(dd,J=2.3,8.8Hz,1H),6.16(dd,J=1.5,8.8Hz,1H),7.28-7.55(m,10H),7.61(tt,J=1.4,7.6Hz,1H),7.73(dd,J=1.17,7.6Hz,2H),8.10(dd,J=1.7,7.63Hz,2H);13C-NMR(67.5MHz,CD2Cl2)10.98,14.61,20.93,22.91,26.83,35.72,36.28,43.47,47.13,55.70,62.26,68.32,69.74,72.65,73.82,75.13,76.78,79.10,79.33 81.29,84.37,104.49,127.37,127.46,128.48,128.98,129.07,129.20,129.81,130.53,132.20,134.01,134.32,136.53,138.63,138.79,167.10,167.53,171.07,173.13,211.05。質量スペクトル(FAB,m−ニトロベンジルアルコールマトリックス)m/z938.4(M+Na)+)。
実施例8:本実験は、還元型酸化中間体もパクリタキセル又はパクリタキセル前駆体へと変換されうることを実証する。
ジオール形態における10-DAXT酸化型中間体の4.8mgのサンプルをTHF(0.022ml)、水(0.011ml)及び酢酸(0.044ml)に溶かした。次にこの混合物を50℃に熱した。1日後、HPLCデーターは10-DATの標準品との対比により、10-DATが形成されていることを示唆した。その粗混合物も、バイオマスから単離した天然の10-DATの真性サンプルで「スパイクし」、そしてHPLCにより分析した。データーは、この酸化中間体の還元型ジオールから生成された生成物が10-DATであることを示した。
本明細書記載の説明及び実施例は本発明の代表的な態様を例示することを意図する。以後の請求の範囲は特定の開示態様に限定されない。本発明は請求の範囲を逸脱することなく改良、変更及び変化が可能である。

Claims (31)

  1. 次の構造式を有するグリコシド置換化タキサン
    Figure 0003878204
    (式中、RはCH3C=O又はHを表わし;そして
    R′はOH、
    Figure 0003878204
    を表わす)をパクリタキセル又は次の構造式を有するパクリタキセル前駆体
    Figure 0003878204
    (式中、RはCH3C=O又はHを表わし;
    R′は前記の通りであり;そして
    R″は
    Figure 0003878204
    又はOHを表わす)に変換するための方法であって、前記グリコシド置換化タキサンを当該グリコシドをC7位において選択的に酸化するのに有効な量の酸化剤と接触させることを含んで成る方法。
  2. 前記グリコシド置換化タキサンが、7−キシロシルパクリタキセル、10−デアセチル−7−キシロシルパクリタキセル又はそれらの混合物から成る群から選ばれるタキサンを含む、請求項1記載の方法。
  3. 前記グリコシド置換化タキサンを、非グリコシドタキサン化合物の非存在下で酸化剤と接触させる、請求項2記載の方法。
  4. 前記置換化タキサンを、非グリコシドタキサン化合物の存在下で酸化剤と接触させる、請求項2記載の方法。
  5. 前記グリコシド置換化タキサンが10−デアセチル−7−キシロシルバッカチンIIIを含んで成る、請求項1記載の方法。
  6. 前記酸化剤が、過ヨウ素酸又はその塩、ビスマス酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム、ピリジニウムクロロクロメート、二酸化マンガン及び四酢酸鉛及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項1,2又は5記載の方法。
  7. 前記酸化剤が過ヨウ素酸又はその塩から成る群から選ばれる、請求項6記載の方法。
  8. 前記グリコシド置換化タキサンを酸化剤と、そのグリコシドのC7位でのヒドロキシル基に至る変換を完全とするのに十分な量の酢酸の存在下で接触させる、請求項1記載の方法。
  9. 前記グリコシド置換化タキサンを酸化剤と、そのグリコシドのC7位でのヒドロキシル基に至る変換を完全とするのに十分な量の酢酸の存在下で接触させる、請求項7記載の方法。
  10. 前記グリコシド置換化タキサンを酸化剤と接触させた後、このタキサンを、そのグリコシドのC7位でのヒドロキシル基に至る変換を完全にするのに十分な量の酢酸と接触させる、請求項6記載の方法。
  11. 前記グリコシド置換化タキサンを酸化剤と接触させた後、このタキサンを、そのグリコシドのC7位でのヒドロキシル基に至る変換を完全にするのに十分な量の酢酸と接触させる、請求項7記載の方法。
  12. 前記酸化剤がグリコシドのモル当り少なくとも2モル当量の濃度で存在している、請求項7記載の方法。
  13. 前記酸化剤がグリコシドのモル当り少なくとも2モル当量の濃度で存在している、請求項記載の方法。
  14. グリコシド置換化タキサンをパクリタキセルA、パクリタキセルB、パクリタキセルC、又はパクリタキセルA、パクリタキセルBもしくはパクリタキセルCの前駆体、又はそれらの混合物に変換するための方法であって:
    バイオマスからタキサンを単離し、ここで当該タキサンは7−キシロシルパクリタキセルA、7−キシロシルパクリタキセルB、7−キシロシルパクリタキセルC、10−デアセチル−7−キシロシルパクリタキセルA、10−デアセチル−7−キシロシルパクリタキセルB、10−デアセチル−7−キシロシルパクリタキセルC又はそれらの混合物のうちの少なくとも一種を含んで成り;そして
    当該タキサンをそのグリコシドをC7位において選択的に酸化するのに有効な量の酸化剤と接触させる;
    ことを含んで成る方法。
  15. 前記バイオマスがタキサス ブレビホリアに由来する、請求項14記載の方法。
  16. 前記グリコシド置換化タキサンを、非グリコシドタキサン化合物の非存在下で酸化剤と接触させる、請求項14記載の方法。
  17. 前記タキサンが非グリコシドタキサン化合物を含んで成り、そして前記グリコシド置換化タキサンを非グリコシドタキサン化合物の存在下で酸化剤と接触させる、請求項14記載の方法。
  18. 前記酸化剤が、グリコシドのモル当りに少なくとも2モル当量の濃度において存在する、請求項16記載の方法。
  19. 前記グリコシド置換化タキサンと酸化剤との接触を、有効量の酢酸の存在下で行う、請求項16記載の方法。
  20. 前記酸化剤が、グリコシドのモル当りに少なくとも2モル当量の濃度において存在する、請求項17記載の方法。
  21. 前記グリコシド置換化タキサンと酸化剤との接触を、有効量の酢酸の存在下で行う、請求項17記載の方法。
  22. パクリタキセル又はパクリタキセル前駆体の製造にとって有用な化合物であって:
    Figure 0003878204
    (式中RはCH3C=O又はHを表わし;
    R′はOH、
    Figure 0003878204
    を表わし、そして
    R″は:
    Figure 0003878204
    又は
    Figure 0003878204
    を表わす)の化合物。
  23. R″が:
    Figure 0003878204
    である請求項22記載の化合物。
  24. R′が:
    Figure 0003878204
    である請求項23記載の化合物。
  25. R′が:
    Figure 0003878204
    である請求項23記載の化合物。
  26. R′が:
    Figure 0003878204
    である請求項23記載の化合物。
  27. R′がOHである請求項23記載の化合物。
  28. パクリタキセル又はパクリタキセル前駆体の製造のための方法であって、請求項24,25,26又は27記載の化合物を、そのR″側鎖をヒドロキシル基に変換せしめるのに有効な量の酢酸と接触させる方法。
  29. 前記化合物を、その変換を助長するのに有効な量の酸化剤の存在下で酢酸と接触させ、ここで当該酸化剤はグリコシドをC7位において選択的に酸化する、請求項28記載の方法。
  30. 前記酸化剤が、過ヨウ素酸又はその塩、ビスマス酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム、ピリジニウムクロロクロメート、二酸化マンガン及び四酢酸鉛及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項29記載の方法。
  31. 前記酸化剤が過ヨウ素酸又はその塩である、請求項30記載の方法。
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