JP3877683B2 - 量子化装置及び逆量子化装置、並びにそれらの装置を利用可能なオーディオ及び画像の符号化装置及び復号装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、量子化及び逆量子化の技術に関する。特に、本発明は、非線形の変換式を用いる量子化、逆量子化装置と、非線形の量子化及び逆量子化処理を含むオーディオ符号化方式に従うオーディオの符号化及び復号装置、並びに非線形の量子化及び逆量子化処理を含む画像符号化方式に従う画像の符号化及び復号装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
アナログ信号をディジタル信号処理で扱うためには、信号の定義域を離散化する標本化に加え、信号の値域を離散化する量子化の処理が必要である。また、既に値域の離散化が行われたディジタル信号を、より少ないデータ量で扱う場合などに、更に粗く離散化することがあり、この過程も量子化と呼ぶ。この量子化において、離散化後の値を量子化植と呼び、その量子化値を割り当てられた符号を量子化符号と呼ぶ。また、隣り合う量子化植の間隔を量子化ステップ幅、値域全体に含まれる量子化値の個数を量子化ステップ数と呼ぶ。
【0003】
逆に、ディジタル信号処理を行った後、アナログ信号として出力する場合などには、量子化符号から、元の連続的な値や元の小さな量子化ステップ幅で離散化された値を復元する過程が必要である。この過程を逆量子化と呼ぶ。逆量子化の過程では、量子化符号に対応する量子化値を逆量子化変換により変換して元の値に復元する。このとき、量子化値は、量子化の過程において、連続的な値を近似したものであるため、逆量子化による復元値には量子化による誤差が発生する。従って、逆量子化の過程では、量子化が行われる前の値を完全には復元することはできず、復元される値は量子化誤差を含んだ近似的な値になる。
【0004】
一般に、量子化ステップ幅が大きい場合、量子化誤差は大きくなるが、量子化ステップ数は少なくなるので、量子化符号を表現するのに必要なデータ量は少なくなる。逆に、量子化ステップ幅が小さい場合、量子化誤差は小さくなるが、量子化ステップ数は多くなるので、量子化符号を表現するのに必要なデータ量は多くなる。
【0005】
量子化の内、量子化ステップ幅が一定である線形量子化に対し、量子化ステップ幅が一定ではないものを非線形量子化と呼ぶ。非線形量子化は、線形量子化と比較して以下の特徴を有している。
【0006】
信号の出現確率に偏りがある場合、出現する確率が大きい値の付近では量子化ステップ幅を狭くし、出現する確率が小さい値の付近では量子化ステップ幅を広くした非線形量子化を用いることで、線形量子化に比べて、量子化誤差を平均的に小さくすることができる。また、同様の手法により、量子化ステップ数を信号の出現確率に応じて調整することにより、線形量子化に比べて、平均量子化誤差を悪化させることなく、データ量を削減することもできる。
【0007】
また、オーディオ信号や画像信号の場合、聴覚や視覚の特性に従い、人間が感覚的に敏感な値の付近では量子化ステップ幅を狭くし、人間が感覚的に敏感でない値の付近では量子化ステップ幅を広くすることで、線形量子化に比べて、量子化誤差を人間に知覚させにくくすることができる。また、同様の手法により、量子化ステップ数を人間の知覚の特性に合わせて調整することにより、線形量子化に比べて、人間が知覚する誤差を悪化させないで、データ量を削減することもできる。
【0008】
従って、非線形量子化は、信号の値の出現確率に偏りがある信号や、オーディオ信号や画像信号など、人間の感覚的な特性に関連した信号を扱う多くの分野で利用されている。MPEG(Moving Picture Experts Group)による音声符号化に関して、MPEG2オーディオ符号化方式における非線形の逆量子化の演算処理を行う復号装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−47850号公報 (全文、第1−14図)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このような非線形の量子化及び逆量子化の演算処理を行う場合、あらかじめ変換式の値を保持するテーブルを用意し、入力値に対してそのテーブルを参照して変換値を取得することが行われている。この時、量子化処理及び逆量子化処理の入力値として取り得る全ての値に対する変換値を用意しておけば、演算誤差は小さくなるが、テーブルのサイズが大きくなり、大きな記憶容量を必要とするため、コスト高になる。一方、入力値の範囲をいくつかの区間に分割し、同じ区間内の入力値に対しては、同じ変換値を参照することで、あらかじめ用意する変換値の数を間引いて、テーブルサイズを小さくすることができるが、正確な値を参照することができないため、一般に、演算精度が悪化するという問題が生じる。
【0011】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたもので、その目的は、量子化及び逆量子化に際し、小容量の変換用テーブルを用いて、精度良く量子化を実現することのできる量子化及び逆量子化装置の提供にある。また別の目的は、そのような量子化及び逆量子化装置を利用したオーディオ符号化及び復号装置、並びに画像符号化及び復号装置の提供にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本明細書において、「∧」は巾乗記号、「*」は乗算記号、「/」は除算記号を表し、rnd(A)は、小数Aに対し、小数部分の丸め処理を行い、整数に近似する演算、int(A)は、小数Aに対し、小数部分の切り捨てを行い、整数化する演算を表す。
【0013】
本発明の第1の態様は、2進数表現した場合の最大桁数がKである量子化符号xを入力として、定数gをゼロでない実数とした場合の変換式x^gに従う逆量子化を行う装置に関する。この装置は、前記量子化符号xを2進数表現した場合の桁数Lを取得する桁数取得部と、前記量子化符号xの値の2^(K−L)倍を2進数表現した場合における(K−1)桁目から(K−M)桁目までの上位桁値D1と、(K−M−1)桁目から(K−M−N)桁目までの下位桁値D2とを分離して読み出す分離部と、0≦a≦2^Mの範囲の整数aに対する第1式(0.5+a/(2^(M+1)))^gの値を格納する記憶部と、前記上位桁値D1を基にしたアドレスを用いて前記記憶部に格納された前記第1式を参照することにより、前記上位桁値D1に対応する前記第1式の値を下限値V1として、前記上位桁値D1に1を加えた値に対応する前記第1式の値を上限値V2として取得する参照部と、前記下位桁値D2に基づいて、前記下限値V1と前記上限値V2の間で補間値V3を定める補間部と、前記補間値V3と第2式2^(L*g)に応じた値とを乗じた値を前記変換式x^gに従う逆量子化値として生成する調整部とを備える。
【0014】
ここで、Kは正の整数、M、NはM+N<Kを満たす正の整数である。分離部は、上位桁値D1として、前記量子化符号xの値の2^(K−L)倍を2進数表現した場合の(K−1)桁目から(K−M)桁目までのM桁を読み出し、下位桁値D2として、上位桁値D1の最終桁の次の桁である(K−M−1)桁目から(K−M−N)桁目までのN桁を読み出すが、分離部がこれらの桁以外の桁を合わせて読み出した場合でも、上位桁値D1を基にしたアドレスを用いて記憶部に格納された第1式を参照して、上位桁値D1に対応する第1式の値を読み出し、実質的に等価の補間処理が行える。本発明のいずれの態様も、このような等価な場合を含むものである。
【0015】
たとえば、分離部が、最上位桁すなわちK桁目を含めて上位桁値D1を読み出した場合でも、最上位桁は1であることがわかっているため、参照部は、記憶部に格納された第1式を参照する際に、1である最上位桁の分だけ参照アドレスをオフセットすることにより、上位桁値D1に対応する第1式の値を参照することができ、実質的に同一の処理となる。したがって、参照部は、第1式(0.5+a/(2^(M+1)))を参照する際、必ずしもa=D1として、第1式の値を参照するとは限らず、上位桁値D1をオフセットした値を参照アドレスaとして、第1式の値を参照する場合もある。
【0016】
また、「第2式2^(L*g)に応じた値」とあるのは、調整部が逆量子化値を求める際、第2式2^(L*g)の値に定数αを乗ずるゲイン調整などを行う場合も含める趣旨である。量子化値を求める場合も同様であり、演算のオーバーフローなどを防ぐためにこのような処理が行われる。本発明のいずれの態様も、このような場合を当然に含む。
【0017】
本発明の第2の態様は、2進数表現した場合の最大桁数がKである量子化符号xを入力として、定数p及びqをゼロでない整数とした場合の変換式x^(p/q)に従う逆量子化を行う装置に関する。この装置は、前記量子化符号xを2進数表現した場合の桁数Lを取得する桁数取得部と、前記量子化符号xの値の2^(K−L)倍を2進数表現した場合における(K−1)桁目から(K−M)桁目までの上位桁値D1と、(K−M−1)桁目から(K−M−N)桁目までの下位桁値D2とを分離して読み出す分離部と、0≦a≦2^Mの範囲の整数aに対する第1式(0.5+a/(2^(M+1)))^(p/q)の値を格納する記憶部と、前記上位桁値D1を基にしたアドレスを用いて前記記憶部に格納された前記第1式を参照することにより、前記上位桁値D1に対応する前記第1式の値を下限値V1として、前記上位桁値D1に1を加えた値に対応する前記第1式の値を上限値V2として取得する参照部と、前記下位桁値D2に基づいて、前記下限値V1と前記上限値V2の間で補間値V3を定める補間部と、前記補間値V3と第2式2^(L*p/q)に応じた値とを乗じた値を前記変換式x^(p/q)に従う逆量子化値として生成する調整部とを備える。
【0018】
この態様の逆量子化装置では、特に変換式の指数について(p/q)<2である場合に、変換式の値域yが定義域xの大きいところで直線に近づくという曲率に関する特性があり、量子化ステップ幅が変換式の曲率に応じて調整され、補間による量子化誤差を効果的に抑制することができる。
【0019】
本発明の第3の態様は、2進数表現した場合の最大桁数がKである量子化符号xを入力として、定数p及びqをゼロでない整数とした場合の変換式x^(p/q)に従う逆量子化を行う装置に関する。この装置は、第2の態様の逆量子化装置と同じ桁数取得部、分離部、参照部、及び補間部を備えるが、記憶部と調整部の構成が異なり、記憶部は、定数r及びsを、p=r*q+sかつ(s/q)<2かつr>0を満たす整数とした場合に、0≦a≦2^Mの範囲の整数aに対する第1式(0.5+a/(2^(M+1)))^(s/q)の値を格納し、調整部は、補間値V3と第2式2^(L*s/q)に応じた値と(x^r)の値とを乗じた値を前記変換式x^(p/q)に従う逆量子化値として生成する。
【0020】
この態様の逆量子化装置では、変換式の指数について(p/q)>2であっても、p/q=r+s/qと変形して、(s/q)<2とすることができ、量子化ステップ幅を変換式の曲率に応じて調整して、補間による量子化誤差を効果的に抑制することができる。また、(p/q)<2であっても、指数(p/q)の値が大きく、xの値が大きいところで変換式が直線に近づく速さが遅い場合は、p/q=r+s/qと変形することにより、変換式に係る指数(s/q)の値を小さくして、曲率特性を改善した上で、補間することができるため、量子化誤差を効果的に抑えることができる。
【0021】
本発明の第4の態様は、スケールファクタ変数uと2進数表現した場合の最大桁数がKである量子化符号xを入力として、定数p、q及びtをゼロでない整数とした場合の変換式x^(p/q)*2^(u/t)に従う逆量子化を行う装置に関する。この装置は、第2の態様の逆量子化装置と同じ桁数取得部、分離部、記憶部、参照部、及び補間部を備えるが、調整部の構成が異なり、調整部は、補間値V3と第2式2^(L*p/q+u/t)に応じた値とを乗じた値を前記変換式x^(p/q)*2^(u/t)に従う逆量子化値として生成する。
【0022】
この態様の逆量子化装置では、逆量子化の際にスケーリング処理を行う場合でも、逆量子化の演算とスケーリング処理を同時に行うことができる。
【0023】
本発明の第5の態様は、スケールファクタ変数uと2進数表現した場合の最大桁数がKである量子化符号xを入力として、定数p、q及びtをゼロでない整数とした場合の変換式x^(p/q)*2^(u/t)に従う逆量子化を行う装置に関する。この装置は、第4の態様と同じ桁数取得部、分離部、参照部、及び補間部を備えるが、記憶部と調整部の構成が異なり、記憶部は、定数r及びsを、p=r*q+sかつ(s/q)<2かつr>0を満たす整数とした場合に、0≦a≦2^Mの範囲の整数aに対する第1式(0.5+a/(2^(M+1)))^(s/q)の値を格納し、調整部は、補間値V3と第2式2^(L*s/q+u/t)に応じた値と(x^r)の値とを乗じた値を前記変換式x^(p/q)*2^(u/t)に従う逆量子化値として生成する。
【0024】
この態様の逆量子化装置では、逆量子化の際にスケーリング処理を行う場合でも、逆量子化の演算とスケーリング処理を同時に行うことができ、また変換式の指数(p/q)が2より大きい場合でも量子化誤差を抑えることができる。
【0025】
本発明の第6の態様は、オーディオ復号装置に関する。この装置は、符号化されたオーディオストリームの復号時に、オーディオストリームに係る量子化符号xの逆量子化処理を行うものであって、前述の第1から第5のいずれかの態様の逆量子化装置の各構成と、その逆量子化装置の出力する逆量子化値をもとにオーディオ信号を再生するオーディオ再生部とを備える。
【0026】
本発明の第7の態様は、画像復号装置に関する。この装置は、原画像を符号化して生成された符号化画像データの復号時に、画像データに係る量子化符号xの逆量子化処理を行うものであって、前述の第1から第5のいずれかの態様の逆量子化装置の各構成と、その逆量子化装置の出力する逆量子化値をもとに原画像を再生する画像再生部とを備える。
【0027】
本発明の第8の態様は、最大値がGであるディジタル信号wを入力として、定数gをゼロでない実数とした場合の変換式rnd(w^g)に従う量子化を行う装置に関する。この装置は、前記信号wのS倍を整数化して正規化値vを求める正規化部と、前記正規化値vを2進数表現した場合の桁数Lを取得する桁数取得部と、Kを前記正規化値vの最大桁数とした場合に、前記正規化値vの2^(K−L)倍を2進数表現した場合における(K−1)桁目から(K−M)桁目までの上位桁値D1、(K−M−1)桁目から(K−M−N)桁目までの下位桁値D2とを分離して読み出す分離部と、0≦a≦2^Mの範囲の整数aに対する第1式(0.5+a/(2^(M+1)))^gの値を格納する記憶部と、前記上位桁値D1を基にしたアドレスを用いて前記記憶部に格納された前記第1式を参照することにより、前記上位桁値D1に対応する前記第1式の値を下限値V1として、前記上位桁値D1に1を加えた値に対応する前記第1式の値を上限値V2として取得する参照部と、前記下位桁値D2に基づいて、前記下限値V1と前記上限値V2の間で補間値V3を定める補間部と、前記補間値V3と第2式2^(L*g)に応じた値と定数(1/S)^gとを乗じて調整値V4を生成する調整部と、前記調整値V4を整数化した値を前記変換式rnd(w^g)に従う量子化値として生成する整数化部とを備える。
【0028】
本発明の第9の態様は、最大値がGであるディジタル信号wを入力として、定数p及びqをゼロでない整数とした場合の変換式rnd(w^(p/q))に従う量子化を行う装置に関する。この装置は、前記信号wのS倍を整数化して正規化値vを求める正規化部と、前記正規化値vを2進数表現した場合の桁数Lを取得する桁数取得部と、Kを前記正規化値vの最大桁数とした場合に、前記正規化値vの2^(K−L)倍を2進数表現した場合における(K−1)桁目から(K−M)桁目までの上位桁値D1と、(K−M−1)桁目から(K−M−N)桁目までの下位桁値D2とを分離して読み出す分離部と、0≦a≦2^Mの範囲の整数aに対する第1式(0.5+a/(2^(M+1)))^(p/q)の値を格納する記憶部と、前記上位桁値D1を基にしたアドレスを用いて前記記憶部に格納された前記第1式を参照することにより、前記上位桁値D1に対応する前記第1式の値を下限値V1として、前記上位桁値D1に1を加えた値に対応する前記第1式の値を上限値V2として取得する参照部と、前記下位桁値D2に基づいて、前記下限値V1と前記上限値V2の間で補間値V3を定める補間部と、前記補間値V3と第2式2^(L*p/q)に応じた値と定数(1/S)^(p/q)とを乗じて調整値V4を生成する調整部と、前記調整値V4を整数化した値を前記変換式rnd(w^(p/q))に従う量子化値として生成する整数化部とを備える。
【0029】
本発明の第10の態様は、最大値がGであるディジタル信号wを入力として、定数p及びqをゼロでない整数とした場合の変換式rnd(w^(p/q))に従う量子化を行う装置に関する。この装置は、第9の態様の量子化装置と同じ正規化部、桁数取得部、分離部、参照部、補間部、及び整数化部を備えるが、記憶部と調整部の構成が異なり、記憶部は、定数r及びsを、p=r*q+sかつ(s/q)<2かつr>0を満たす整数とした場合に、0≦a≦2^Mの範囲の整数aに対する第1式(0.5+a/(2^(M+1)))^(s/q)の値を格納し、調整部は、補間値V3と第2式2^(L*s/q)に応じた値と定数(1/S)^(s/q)と(w^r)の値とを乗じて調整値V4を生成する。
【0030】
本発明の第11の態様は、最大値がGであるディジタル信号wを入力として、定数p及びqをゼロでない整数とした場合の変換式rnd(w^(p/q))に従う量子化を行う装置に関する。この装置は、第10の態様の量子化装置と同じ正規化部、桁数取得部、分離部、記憶部、参照部、補間部、及び整数化部を備えるが、調整部の構成が異なり、調整部は、補間値V3と第2式2^(L*s/q)に応じた値と定数(1/S)^(p/q)と(v^r)の値とを乗じて調整値V4を生成する。
【0031】
本発明の第12の態様は、オーディオ符号化装置に関する。この装置は、オーディオサンプルの符号化時に、オーディオサンプルwの量子化処理を行うものであって、前述の第8から第11のいずれかの態様の量子化装置の各構成と、その量子化装置の出力する量子化値を符号化して符号化オーディオストリームを生成するオーディオ符号化部とを備える。
【0032】
本発明の第13の態様は、画像符号化装置に関する。この装置は、原画像の符号化時に、画像サンプルwの量子化処理を行うものであって、前述の第8から第11のいずれかの態様の量子化装置の各構成と、その量子化装置の出力する量子化値を符号化して符号化画像データを生成する画像符号化部とを備える。
【0033】
尚、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本発明の構成を方法、システム、記録媒体、コンピュータプログラムとして表現したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0034】
【発明の実施の形態】
1.前提技術
本発明の実施の形態に係る前提技術を説明する。ここでは、標準的なオーディオ符号化の1つであるIS0/IEC11172-3に記載されたMPEG1-Audio Layer III方式で採用されている非線形量子化を例にして、具体的な非線形量子化、逆量子化、及びそれらを行う装置について説明する。
【0035】
MPEG1-Audio Layer III方式では、高い音質を保ちながら、オーディオ信号のデータ量を圧縮することを目的としたオーディオ符号化方式であり、音質をほとんど劣化させることなく、オーディオ信号のデータ量を約10分の1に圧縮することが可能である。データの保存や伝送を行う場合には、時系列のオーディオ信号をMPEG1-Audio Layer IIIフォーマットのデータに変換する符号化処理によりデータの圧緒が行われる。また、データの再生を行う場合は、復号処理によりデータ圧縮されたMPEG1-Audio Layer IIIフォーマットのデータが時系列のオーディオ信号に変換される。
【0036】
この符号化処理では、オーディオ信号の振幅を符号化する際に、後述の非線形量子化処理が行われる。また、復号処理では、符号化データからオーディオ信号の振幅を復元する際に、後述の非線形逆量子化処理が行われる。符号化処理を行う符号化装置、及び復号処理を行う復号装置の詳細は、IS0/IECll172-3に記載されている。
【0037】
次に、MPEG1-Audio Layer III方式で採用されている非線形量子化について詳しく説明する。
【0038】
式(1.1)は、MPEG1-Audio Layer III方式の符号化時における非線形量子化の変換式である。入力となる値wは、オーディオ信号の振幅に対応した値であり、式(1.1)に従って量子化符号xに変換される。
式(1.1) x=int(w^(3/4)+0.5−0.0946)
ここでwは量子化前の値で、0≦w<8191.5946^(4/3)の範囲の小数である。xは量子化符号であり、0≦x≦8191の範囲の整数である。
【0039】
式(1.1)によれば、例えば、入力値wが1.5946^(4/3)≦w<2.5946^(4/3)の範囲にある場合は、量子化符号x=2となり、入力値wが2.5946^(4/3)≦w<3.5946^(4/3)の範囲にある場合は、量子化符号x=3となる。
【0040】
尚、入力値wが、0≦w<8191.5946^(4/3)の範囲に限定されているのは、生成される量子化符号xが、0≦x≦8191の範囲を越えないようにするためである。このような限定は、例えば、量子化処理の入力値であるwを生成する段階で、上記の範囲を越える値に対して、予め最大値及び最小値に置き替えるクリッピング処理を行うことで実現される。
【0041】
式(1.2)は、MPEG1-Audio Layer III方式の復号時における非線形逆量子化の変換式である。入力となる量子化符号xは、式(1.2)に従って、逆量子化値yに変換される。逆量子化値yは、オーディオ信号の振幅に対応した値である。
式(1.2) y=x^(4/3)
ここでyは逆量子化値、xは量子化符号で0≦x≦8191の範囲の整数である。
【0042】
式(1.2)によれば、例えば、量子化符号x=2の場合は、逆量子化値y=2^(4/3)となり、量子化符号x=3の場合は、逆量子化値y=3^(4/3)となる。
【0043】
以上述べたMPEG1-Audio Layer III方式で使用されている量子化及び逆量子化は以下のような性質を有する。
【0044】
量子化誤差は、量子化前の値wと逆量子化値yの差(y−w)として現れる。量子化において、wの値が大きくなる程、ある量子化符号に変換されるwの値の範囲が広くなることから、差(y−w)の絶対値も平均的に大きくなる。従って、wの値が大きい範囲では、量子化誤差は平均的に大きくなり、wの値が小さい範囲では、量子化誤差が平均的に小さくなる性質を有する。
【0045】
また、入力値wや逆量子化値yは、本来連続した小数値であるが、実際のディジタル回路上では、例えば、上位18ビットが整数部で下位6ビットが小数部を表す24ビットの固定小数点形式で近似的に表現される。これに対し、量子化符号xは、0≦x≦8191の整数値であるため、13ビットの符号で表現することができる。従って、量子化を行うことにより、データ量の削減が行われている。
【0046】
次に前提技術に係る量子化装置及び、逆量子化装置の例として、MPEG1-Audio Layer III方式で採用されている非線形量子化に対する量子化装置及び逆量子化装置について説明する。
【0047】
一般に、式(1.1)及び式(1.2)で示されたような変換式を直接計算するアルゴリズムは複雑である。従って、ディジタル回路で実現する場合に、回路規模が大きくなったり、汎用のDSP(Digital Signal Processor)上などでソフトウエア処理する場合に、処理ステップ数が多くなったりすることが多く、実装を行う上で問題になりやすい。
【0048】
また、変換用テーブルを用意し、入力値をアドレスとして、テーブル参照を行い、変換値を求める手法も考えられる。この手法では、簡易な処理で、式(1.1)及び式(1.2)で示されたような変換を実現することが可能であるが、変換用テーブルを格納するために大容量の固体メモリなどの記憶手段が必要であり、実装を行う上で間題となりやすい。そこで、前提技術では以下に説明するような手法を用いる。
【0049】
図1は、MPEG1-Audio Layer III方式の復号装置で用いられる前提技術に係る逆量子化装置10を説明する概略ブロック図である。逆量子化装置への入力となる量子化符号xは、0≦x≦8191の範囲の整数値である。つまり、2進数表現した場合の最大桁数Kは13桁である。
【0050】
桁数算出部12は、入力となる量子化符号xを2進数表現したときの桁数Lを算出する。分離部14は、量子化符号xと桁数Lを入力とし、量子化符号xの値の2^(13−L)倍を2進数表現した場合の12桁目から4桁目までの上位桁値D1を読み出す。
【0051】
図2は、量子化符号x、桁数L、及び上位桁値D1の関係を説明する図である。一例として、最大桁数Kが13桁のレジスタ100には、量子化符号x=1357が格納されており、桁数Lは11桁である。このレジスタ100に格納されたビット値を(K−L)ビットすなわち2ビットだけ左にシフトすると、シフト後のレジスタ102は同図に示す状態になる。このシフト後のレジスタ102から12桁目から4桁目までの上位桁値D1を分離して読み出すと、その値は166となる。
【0052】
図1に戻り、変換用テーブル18は、固体メモリなどの記憶部17に予め用意されたテーブルであり、0から511までの整数値であるアドレスaに対応づけて、各アドレスaに対する次式(1.3)に従う変換値が、上位1ビットが整数値で下位23ビットが小数部を表す24ビット固定小数点形式で格納されている。
式(1.3) (0.5+a/1024)^(4/3)
【0053】
テーブル参照部16は、上位桁値D1を入力として受け取り、上位桁値D1をアドレスとして変換用テーブル18を参照して、上位桁値D1に対する式(1.3)の値である変換値V1を読み出す。
【0054】
調整部22は、式(1.4)に従って処理を行い、逆量子化値yを生成する。
式(1.4) y=V1*2^(L*4/3)
【0055】
この調整部22による処理は、例えば、以下の方法によって容易に実現することができる。調整用テーブル19として、0から2までの整数値であるアドレスaに対応づけて、各アドレスaに対する2^(a/3)に従う変換値が、上位2ビットが整数部で下位22ビットが小数部を表す24ビット固定小数点形式で格納されたテーブルT[a]を記憶部17に予め用意しておく。調整部22は、L*4を3で割った商E1と、余りE2を求め、調整用テーブル19を参照して、式(1.5)に従って、逆量子化値yを生成する。
式(1.5) y=V1*2^E1*T[E2]
【0056】
この方法により、式(1.4)の演算は、(24*3)ビットの小容量の記憶手段と、単純な乗算手段、テーブル参照手段、ビットシフト手段にて実現が可能である。
【0057】
但し、以上の処理において、量子化符号x=0の場合は、例外的に、逆量子化値y=0とするか、桁数Lとして充分小さな負の数、例えば、L=−100として処理を行う。
【0058】
以上により、MPEG1-Audio Layer III方式の復号装置で用いられる逆量予化装置が実現できる。
【0059】
図3はMPEG1-Audio Layer III方式の符号化装置で用いられる前提技術に係る量子化装置30を説明する概略ブロック図である。量子化装置30への入力値wは、上位18ビットが整数部で下位6ビットが小数部を表す24ビットの固定小数点形式で表現された0≦w<8191.5946^(4/3)の範囲の小数値である。
【0060】
正規化部32は、式(1.6)に従って、入力値wを4倍した値を整数化し、正規化値vとして出力する。
式(1.6) v=int(4*w+0.5)
【0061】
入力値wは、0≦w<8191.5946^(4/3)の範囲の小数値であるので、正規化値vは、0≦v≦660517の範囲の整数値となる。つまり、2進数表現した最大桁数Kは20桁である。
【0062】
桁数算出部34は、正規化値vを2進数表現したときの桁数Lを算出する。分離部36は、正規化値vと桁数Lを入力とし、正規化値vの2^(20−L)倍を2進数表現した場合の19桁目から7桁目の上位桁値D1を読み出す。
【0063】
図4は、正規化値v、桁数L、及び上位桁値D1の関係を説明する図である。一例として、最大桁数Kが20桁のレジスタ130には、正規化値v=98765が格納されており、桁数Lは17桁である。このレジスタ130に格納されたビット値を(K−L)ビットすなわち3ビットだけ左にシフトすると、シフト後のレジスタ132は同図に示す状態になる。このシフト後のレジスタ132から19桁目から7桁目までの上位桁値D1を分離して読み出すと、その値は4153となる。
【0064】
図3に戻り、変換用テーブル40は、固体メモリなどの記憶部39に予め用意されたテーブルであり、0から8191までの整数値であるアドレスaに対応づけて、各アドレスaに対する式(1.7)に従う変換値が、上位1ビットが整数部で下位23ビットが小数部を表す24ビット固定小数点形式で格納されている。
式(1.7) (0.5+a/16384)^(3/4)
【0065】
テーブル参照部38は、上位桁値D1を入力として受け取り、上位桁値D1をアドレスとして変換用テーブル40を参照して、上位桁値D1の式(1.7)による変換値V1を読み出す。
【0066】
調整部44は、式(1.8)に従って処理を行い、調整値V4を生成する。
式(1.8) V4=V1*2^(L*3/4)*2^(−2*3/4)
【0067】
この調整部44による処理は、例えば、以下の方法によって容易に実現することができる。調整用テーブル41として、0から3までの整数値であるアドレスaに対応づけて、各アドレスaに対する2^(a/4)による変換値が、上位2ビットが整数部で下位22ビットが小数部を表す24ビット固定小数点形式で格納されたテーブルT[a]を記憶部39に予め用意しておく。調整部44は、L*3を4で割った商E1と余りE2を求め、調整用テーブル41を参照して、式(1.9)に従って、調整値V4を生成する。
式(1.9) V4=V1*2^E1*T[E2]*2^(−2*3/4)
【0068】
この方法により、式(1.8)の演算は、(24*4)ビットの小容量の記憶手段と、単純な乗算手段、テーブル参照手段、ビットシフト手段にて実現が可能である。
【0069】
整数化部46では、式(1.10)に従って、V4の小数部を丸めて整数化し、量子化符号xを生成する。
式(1.10) x=int(V4+0.5−0.0946)
【0070】
但し、以上の処理において、入力値wが小さく、正規化値v=0となる場合は、例外的に、量子化符号x=0とするか、桁数Lとして充分小さな負の数、例えば、L=−100として処理を行う。
【0071】
以上により、MPEG1-Audio Layer III方式の符号化装置で用いられる量子化装置が実現できる。
【0072】
尚、以上のような量子化及び逆量子化処理は、MPEG1-Audio Layer III方式に限らず、多くの分野で利用されている。例えば、他のオーディオの標準的な符号化規格であるISO/IEC13818-3に記載されたMPEG2-Audio方式、ISO/IEC13818-7に記載されたMPEG2-Audio AAC方式でも採用されている。また、画像符号化に関しても、『画像のディジタル信号処理(吹抜敬彦著)日刊工業』の第6章などで非線形量子化の適用が提案されている。
【0073】
また、上記の前提技術の説明は、IS0/IEC11172-3に記載されたMPEG1-Audio Layer III方式に挙げられた変換式に限らず、非線形の量子化及び逆量子化のうち、特に、式(1.11)に従って変換を行うものに一般性を失うことなく適用できるものである。
式(1.11) y=x^(p/q)
(但し、p、qは、q≠0かつp≠0を満たす予め定められた整数)
【0074】
式(1.11)に従う非線形の量子化及び逆量子化を行う場合、前提技術に述べた方法では、変換用テーブル18、40に変換値を格納するため、一定容量の固体メモリなどの記憶手段が必要となる。例えば、前提技術に示した逆量子化装置では、(24*512)ビットの容量を持った記憶手段が必要となる。
【0075】
また、入力される値の上位桁のみを使用して、変換用テーブル18、40を参照するので、入力される値が大きい場合、変換の誤差が生じやすい。例えば、前提技術に示した逆量子化装置では、量子化符号x=8191の場合、逆量子化値は、約164925.38になるが、本来の逆量子化値は、約165113.49であり、約188.11の変換誤差が発生する。
【0076】
変換用テーブル18、40のサイズを大きくすることで、この変換誤差を小さくすることができるが、大容量の記憶手段が必要になり、コスト高になる。逆に、変換用テーブル18、40のサイズを小さくすれば、記憶手段の容量を小さくすることができるが、変換誤差が大きくなり、量子化及び逆量子化の精度が悪化する。
【0077】
こういった前提技術に係る課題に対処するため、前提技術のさらなる改良として、本発明に係る実施の形態を以下に説明する。
【0078】
2.実施の形態1
本発明の実施の形態1について、図面を参照しながら、IS0/IEC11172-3に記載されたMPEG1-Audio Layer III方式の復号装置で用いられる逆量子化装置50を例にして説明する。尚、ここでは、一例として、後述のように、量子化符号xの最大桁数K、上位桁値D1の桁数M、下位桁値D2の桁数Nについて、K=13、M=9、N=3の場合、また、変換式y=x^(p/q)において、p=4、q=3の場合を説明する。
【0079】
図5は、実施の形態1に係る逆量子化装置50を説明する概略ブロック図である。これらの構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされた逆量子化処理機能のあるプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組み合わせによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0080】
逆量子化装置50への入力となる量子化符号xは、0≦x≦8191の範囲の整数値であり、2進数表現した最大桁数Kは13桁である。桁数算出部52は、入力された量子化符号xを2進数表現したときの桁数Lを算出する。分離部54は、量子化符号xと桁数Lを入力とし、量子化符号xの値の2^(13−L)倍を2進数表現した場合の12桁目から4桁目までの上位桁値D1と、量子化符号xの値の2^(13−L)倍を2進数表現した場合の3桁目から1桁目までの下位桁値D2とを分離して読み出す。上位桁値D1の桁数Mは9桁、下位桁値D2の桁数Nは3桁である。
【0081】
図6は、量子化符号x、桁数L、上位桁値D1、及び下位桁値D2の関係を説明する図である。一例として、最大桁数Kが13桁のレジスタ150には、量子化符号x=1357が格納されており、桁数Lは11桁である。このレジスタ150に格納されたビット値を(K−L)ビットすなわち2ビットだけ左にシフトすると、シフト後のレジスタ152は同図に示す状態になる。このシフト後のレジスタ152から12桁目から4桁目までの上位桁値D1を分離して読み出すと、その値は166となり、3桁目から1桁目までの下位桁値D2を分離して読み出すと、その値は4となる。
【0082】
図7は、別の量子化符号xの例を説明する図であり、レジスタ150には、量子化符号x=2583が格納されており、桁数Lは12桁である。このレジスタ150に格納されたビット値を(K−L)ビットすなわち1ビットだけ左にシフトすると、シフト後のレジスタ152は同図に示す状態になる。このシフト後のレジスタ152から12桁目から4桁目までの上位桁値D1を分離して読み出すと、その値は133となり、3桁目から1桁目までの下位桁値D2を分離して読み出すと、その値は6となる。
【0083】
図5に戻り、変換用テーブル58は、固体メモリなどの記憶部57に予め用意されたテーブルであり、0から512までの整数値であるアドレスaに対応づけて、各アドレスaに対する式(2.1)に従う変換値が、上位1ビットが整数部で下位23ビットが小数部を表す24ビット固定小数点形式で格納されている。
式(2.1) (0.5+a/1024)^(4/3)
【0084】
テーブル参照部56は、上位桁値D1を入力として受け取り、上位桁値D1をアドレスとして変換用テーブル58を参照して、上位桁値D1に対する式(2.1)による変換値V1(下限値V1と呼ぶ)を読み出し、更に、上位桁値D1に1を加えた値(D1+1)をアドレスとして変換用テーブル58を参照して、その値(D1+1)に対する式(2.1)による変換値V2(上限値V2と呼ぶ)を読み出す。
【0085】
補間部60は、式(2.2)に従って、下限値V1と上限値V2の間で下位桁値D2に基づく補間処理を行い、補間値V3を生成する。
式(2.2) V3=(V1*(8−D2)+V2*D2)/8
【0086】
調整部62は、式(2.3)に従って処理を行い、逆量子化値yを生成する。
式(2.3) y=V3*2^(L*4/3)
【0087】
この調整部62による処理は、例えば、以下の方法によって容易に実現することができる。調整用テーブル59として、0から2までの整数値であるアドレスaに対応づけて、各アドレスaに対する2^(a/3)による変換値が、上位2ビットが整数部で下位22ビットが小数部を表す24ビット固定小数点形式で格納されたテーブルT[a]を記憶部57に予め用意しておく。調整部62は、L*4を3で割った商E1と余りE2を求め、調整用テーブル59を参照して、式(2.4)に従って、逆量子化値yを生成する。
式(2.4) y=V3*2^E1*T[E2]
【0088】
この方法により、式(2.3)の演算は、(24*3)ビットの小容量の記憶手段と、単純な乗算手段、テーブル参照手段、ビットシフト手段にて実現が可能である。
【0089】
但し、以上の処理において、量子化符号x=0の場合は、例外的に、逆量子化値y=0とするか、桁数Lとして充分小さな負の数、例えば、L=−100として処理を行う。
【0090】
以上により、MPEG1-Audio Layer III方式の復号装置で用いられる逆量子化装置が実現できる。
【0091】
次に、実施の形態1に係る逆量子化方法による作用と効果を説明する。式(2.5)は、MPEG1-Audio Layer III方式の復号装置における逆量子化で用いられる変換式であり、式(2.6)は、式(2.5)をxについて2階微分した式である。
式(2.5) y=x^(4/3)
式(2.6) y’’=(4/3)*(1/3)*x^(−2/3)
【0092】
式(2.6)における2階微分y’’の値は、量子化符号xの増加に伴い、0に漸近する。2階微分値は、関数の傾きの変化率を表すので、式(2.5)の関数は、量子化符号xの値が大きくなる程、傾きが一定になり、直線に近づく性質を有している。
【0093】
一方、量子化符号をxとし、この量子化符号xに対して、上記の方法によって得られる逆量子化値をyとする。また、下位桁値D2=0となる量子化符号のうち、量子化符号xを挟んで隣り合うものをx1、x2(但しx1≦x<x2)とし、これらの隣り合う値x1、x2に対し、式(2.5)に従って得られる逆量子化値をそれぞれ下限値y1、上限値y2とする。
【0094】
このとき、量子化符号x、それを挟む両隣の値x1、x2は、それぞれ式(2.7)、(2.8)、(2.9)で表され、量子化符号xは、両隣の値x1とx2を下位桁値D2に基づく比D2:(8−D2)で内分した値であることがわかる。
式(2.7) x=2^(L−1)+D1*2^(L−10)+D2*2^(L−13)
式(2.8) x1=2^(L−1)+D1*2^(L−10)+0*2^(L−13)=2^(L−1)+D1*2^(L−10)
式(2.9) x2=2^(L−1)+D1*2^(L−10)+8*2^(L−13)=2^(L−1)+(D1+1)*2^(L−10)
【0095】
また、逆量子化値yは、式(2.10)で表され、下限値y1と上限値y2を下位桁値D2に基づく比D2:(8−D2)に内分する値として求められる。
式(2.10) y=((0.5+D1/1024)^(4/3)*(8−D2)+(0.5+(D1+1)/1024^(4/3)*D2)/8*2^(L*4/3)
=(0.5+D1/1024)^(4/3)*2^(L*4/3)*(8−D2)/8+(0.5+(D1+1)/1024)^(4/3)*2^(L*4/3)*D2/8
=((2^(L−1)+D1*2(L−10))^(4/3)*(8−D2)/8+((2^(L−1)+(D1+1)*2(L−10))^(4/3)*D2/8
=(x1^(4/3))*(8−D2)/8+(x2^(4/3))*D2/8=y1*(8−D2)/8+y2*D2/8
【0096】
従って、実施の形態1に係る逆量子化方法では、図8に示すように、変換式y=x^(4/3)をx1≦x<x2の区間において、2点(x1,y1)、(x2,y2)を結ぶ直線で補間して、x1≦x<x2の範囲の量子化符号xに対する逆量子化値yを求めていることになる。
【0097】
図6の例では、下位桁値D2は4であるから、補間値V3は(V1+V2)/2となり、図7の例では、下位桁値D2は6であるから、補間値V3は(V1+V2*3)/4となり、下限値V1と上限値V2との間で下位桁値D2に応じた補間値V3が定められる。
【0098】
ここで、下位桁値D2=0となる量子化符号で、隣り合う2つのものの間隔は2^(L−10)で与えられる。これら2つの量子化符号の間隔は、量子化符号xの値が大きく、2進数表現したときの桁数Lが大きい程、広くなり、量子化符号xの値が小さく、2進数表現したときの桁数Lが小さい程、狭くなる。つまり、量子化符号xの値が大きくなる程、上記の直線捕間を行う間隔は粗くなり、量子化符号xの値が小さくなる程、上記の直線補間を行う間隔は密になる性質を有している。
【0099】
この量子化符号間隔の性質と、式(2.5)で示した変換式が量子化符号xの値が大きくなる程、直線に近づくという変換式の曲率に関する性質とが相俟って、実施の形態1に係る逆量子化方法は、次の効果をもたらす。すなわち、量子化符号xの値が大きく、直線的に補間した場合に誤差があまり発生しない範囲では、補間を行う間隔が広くなり、量子化符号xの値が小さく、直線的に補間した場合に誤差が大きく発生する範囲では、補間を行う間隔が狭くなる。
【0100】
したがって、実施の形態1に係る逆量子化方法では、変換式の曲率に応じて補間間隔が調整され、効率的な補間処理が実現しており、変換用テーブル58のサイズを大きくすることなく、精度の良い逆量子化が可能である。
【0101】
また、実施の形態1に係る逆量子化方法では、量子化符号xの値に応じて、補間区間の間隔の異なる直線補間を用いるが、量子化符号xの上位から一定位置の桁に存在する下位桁値D2を用いることで、補間の間隔に依存して処理を変えることなく、同一の処理で補間を実現することが可能となっている。
【0102】
また、実施の形態1に係る逆量子化方法では、補間を行う上限値と下限値として、同じ変換用テーブル58内に連続して格納された値を用いることで、変換用テーブル58内に格納された値を重複して使用することができる。例えば、上位桁値D1=3のときの上限値V2は、上位桁値D1=4のときの下限値V1と同じであることから、同一の変換用デーブルから上限値V2と下限値V1を参照することができる。従って、変換用テーブル58に格納される変換値の数を増加させることなく補間処理が可能である。
【0103】
尚、実施の形態1では、MPEG1-Audio Layer III方式の復号装置における逆量子化で用いられる変換式を例にして説明したが、変換式の2階微分が0に漸近する場合には、同様の効果が得られるため、式(2.11)で示す変換に従う逆量子化に対し、一般的に適用することが可能である。
式(2.11) y=x^(p/q)
(但し、p、qは、(p/q)<2かつq≠0かつp≠0を満たす予め定められた整数)
【0104】
3.実施の形態2
本発明の実施の形態2について、図面を参照しながら、IS0/IEC11172-3に記載されたMPEG1-Audio Layer III方式の符号化装置で用いられる量子化装置70を例にして説明する。尚、ここでは、一例として、後述のように、入力信号wの最大値G、入力信号wの整数化の際の乗算係数S、正規化値vの最大桁数K、上位桁値D1の桁数M、下位桁値D2の桁数Nについて、G=8192.5946^(4/3)、S=4、K=20、M=13、N=6の場合、また、変換式y=x^(p/q)において、p=3、q=4の場合を説明する。
【0105】
図9は、実施の形態2に係る量子化装置70を説明する概略ブロック図である。量子化装置70への入力値wは、上位18ビットが整数部で下位6ビットが小数部を表す24ビットの固定小数点形式で表現された0≦w<(8191.5946)^(4/3)の範囲の小数値である。
【0106】
正規化部72は、式(3.1)に従って、入力値wを4倍した値を整数化し、正規化値vとして出力する。
式(3.1) v=int(4*w+0.5)
【0107】
入力値wは、0≦w<8191.5946^(4/3)の範囲の小数値であるので、正規化値vは、0≦v≦660517の範囲の整数値となる。つまり、正規化値vを2進数表現した場合の最大桁数Kは20桁である。
【0108】
桁数算出部74は、正規化値vを2進数表現したときの桁数Lを算出する。分離部76は、正規化値vと桁数Lを入力とし、正規化値vの2^(20−L)倍を2進数表現した場合の19桁目から7桁目までの上位桁値D1と、正規化値vの2^(20−L)倍を2進数表現した場合の6桁目から1桁目までの下位桁値D2とを分離して読み出す。上位桁値D1の桁数Mは13桁、下位桁値D2の桁数Nは6桁である。
【0109】
図10は、正規化値v、桁数L、上位桁値D1、及び下位桁値D2の関係を説明する図である。一例として、最大桁数Kが20桁のレジスタ170には、正規化値v=98765が格納されており、桁数Lは17桁である。このレジスタ170に格納されたビット値を(K−L)ビットすなわち3ビットだけ左にシフトすると、シフト後のレジスタ172は同図に示す状態になる。このシフト後のレジスタ172から19桁目から7桁目までの上位桁値D1を分離して読み出すと、その値は4153となり、6桁目から1桁目までの下位桁値D2を分離して読み出すと、その値は40となる。
【0110】
図9に戻り、変換用テーブル80は、固体メモリなどの記憶部79に予め用意されたテーブルであり、0から8191までの整数値であるアドレスaに対応づけて、各アドレスaに対する式(3.2)に従う変換値が、上位1ビットが整数部で下位23ビットが小数部を表す24ビット固定小数点形式で格納されている。
式(3.2) (0.5+a/16384)^(3/4)
【0111】
テーブル参照部78は、上位桁値D1を入力として受け取り、上位桁値D1をアドレスとして変換用テーブル80を参照して、上位桁値D1に対する式(3.2)による変換値V1(下限値V1と呼ぶ)を読み出し、更に、上位桁値D1に1を加えた値(D1+1)をアドレスとして変換用テーブル80を参照して、その値(D1+1)に対する式(3.2)による変換値V2(上限値V2と呼ぶ)を読み出す。
【0112】
補間部82では、式(3.3)に従って、下限値V1と上限値V2の間で下位桁値D2に基づく補間処理を行い、補間値V3を生成する。
式(3.3) V3=(V1*(64−D2)+V2*D2)/64
【0113】
調整部84は、式(3.4)に従って処理を行い、調整値V4を生成する。
式(3.4) V4=V3*2^(L*3/4)*2^(−2*3/4)
【0114】
この調整部84による処理は、例えば、以下の方法によって容易に実現することができる。調整用テーブル81として、0から3までの整数値であるアドレスaに対応づけて、各アドレスaに対する2^(a/4)による変換値が、上位2ビットが整数部で下位22ビットが小数部を表す24ビット固定小数点形式で格納されたテーブルT[a]を記憶部79に予め用意しておく。調整部84は、L*3を4で割った商E1と、余りE2を求め、調整用テーブル81を参照して、式(3.5)に従って、調整値V4を生成する。
式(3.5) V4=V1*2^E1*T[E2]*2^(−2*3/4)
【0115】
この方法により、式(3.4)の演算は、(24*4)ビットの小容量の記憶手段と、単純な乗算手段、テーブル参照手段、ビットシフト手段にて実現が可能である。
【0116】
整数化部86は、式(3.6)に従って、V4の小数部を丸めて整数化し、量子化符号xを生成する。
式(3.6) x=int(V4+0.5−0.0946)
【0117】
但し、以上の処理において、入力値wが小さく、正規化値v=0となる場合は、例外的に、量子化符号x=0とするか、桁数Lとして充分小さな負の数、例えば、L=−100として処理を行う。
【0118】
以上により、MPEG1-Audio Layer III方式の符号化装置で用いられる量子化装置が実現できる。
【0119】
次に、実施の形態2に係る量子化方法による作用と効果を説明する。式(3.7)は、MPEG1-Audio Layer III方式の符号化装置における量子化で用いられる変換式であり、式(3.8)は、式(3.7)をvについて2階微分した式である。
式(3.7) V4=v^(3/4)
式(3.8) V4’’=(3/4)*(−1/4)*v^(−5/4)
【0120】
式(3.8)における2階微分V4’’の値は、正規化値vの増加に伴い、0に漸近する。すなわち、式(3.7)の関数は正規化値vが大きくなる程、傾きが一定になり、直線に近づく性質を有している。
【0121】
一方で、正規化値をvとし、この正規化値vに対して、上記の方法によって得られる値をV4とする。また、下位桁値D2=0となる正規化値のうち、入力値vを挟んで隣り合うものをv1、v2(但しv1≦v≦v2)とし、これらの隣り合う値v1、v2に対し、式(3.7)に従って得られる調整値をそれぞれ下限値V4_1、上限値V4_2とする。
【0122】
このとき、正規化値v、それを挟む両隣の値v1、v2は、それぞれ式(3.9)、(3.10)、(3.11)で表され、正規化値vは、両隣の値v1とv2を下位桁値D2に基づく比D2:(64−D2)で内分した値であることがわかる。
式(3.9) v=2^(L−1)+D1*2^(L−14)+D2*2^(L−20)
式(3.10) v1=2^(L−1)+D1*2^(L−14)+0*2^(L−20)=2^(L−1)+D1*2^(L−14)
式(3.11) v2=2^(L−1)+D1*2^(L−14)+64*2^(L−20)=2^(L−1)+(D1+1)*2^(L−14)
【0123】
また、調整値V4は、式(3.12)で表され、下限値V4_1と上限値V4_2を下位桁値D2に基づく比D2:(64−D2)に内分する値として求められる。
式(3.12) V4=((0.5+D1/16384)^(3/4)*(64−D2)+(0.5+(D1+1)/16384)^(3/4)*D2)/64*2^(L*3/4)
=(0.5+D1/16384)^(3/4)*2^(L*3/4)*(64−D2)/64+(0.5+(D1+1)/16384)^(3/4)*2^(L*3/4)*D2/64
=((2^(L−1)+D1*2^(L−14))^(3/4)*(64−D2)/64+((2^(L−1)+(D1+1)*2^(L−14))^(3/4)*D2/64
=(v1^(3/4))*(64−D2)/64+(v2^(3/4))*D2/64
=V4_1*(64−D2)/64+V4_2*D2/64
【0124】
従って、実施の形態2に係る量子化方法では、図11に示すように、変換式V4=v^(3/4)をv1≦v<v2の区間において、2点(v1,V4_1)、(v2,V4_2)を結ぶ直線で補間して、v1≦v<v2の範囲の正規化値vに対する調整値V4を求めていることになる。
【0125】
図10の例では、下位桁値D2は40であるから、補間値V3は(V1*3+V2*5)/8となり、下限値V1と上限値V2との間で下位桁値D2に応じた補間値V3が定められる。
【0126】
ここで、下位桁値D2=0となる正規化値で、隣り合う2つのものの間隔は2^(L−14)で与えられる。これら2つの正規化値の間隔は、正規化値vが大きく、2進数表現したときの桁数Lが大きい程、広くなり、正規化値vが小さく、2進数表現したときの桁数Lが小さい程、狭くなる。つまり、正規化値vの値が大きくなる程、上記の直線補間を行う間隔は粗くなり、正規化値vの値が小さくなる程、上記の直線補間を行う間隔は密になる性質を有している。
【0127】
この正規化値間隔の性質と、式(3.7)で示した変換式が正規化値vが大きくなる程、直線に近づくという変換式の曲率に関する性質とが相俟って、実施の形態2に係る量子化方法は、実施の形態1に係る逆量子化方法と同様の効果をもたらす。すなわち、正規化値vが大きく、直線的に補間した場合に誤差があまり発生しない範囲では、補間を行う間隔が広くなり、正規化値vの値が小さく、直線的に補間した場合に誤差が大きく発生する範囲では、補間を行う間隔が狭くなる。
【0128】
したがって、実施の形態2に係る量子化方法では、変換式の曲率に応じて補間間隔が調整され、効率的な補間処理が実現しており、変換用テーブル80のサイズを大きくすることなく、精度の良い量子化が可能である。
【0129】
また、実施の形態1と同様、直線補間の間隔は正規化値vの値に応じて調整されるが、正規化値vの下位桁値D2を用いることで、補間の間隔に依存しない同一の処理で補間を実現できている。
【0130】
また、実施の形態1と同様、補間を行う上限値と下限値として、同じ変換用テーブル80内にして連続して格納された値を用いることができるので、補間のために変換用テーブル80に格納する変換値の数を増やす必要がない。
【0131】
尚、実施の形態2では、MPEG1-Audio Layer III方式の符号化装置における量子化で用いられる変換式を例にして説明したが、変換式の2階微分が0に漸近する場合には、同様の効果が得られるため、式(3.13)で示した変換に従う量子化に対し、一般的に適用することが可能である。
式(3.13) V4=v^(p/q)
(但し、p、qは、(p/q)<2かつq≠0かつp≠0を満たす予め定められた整数)
【0132】
4.実施の形態3
本実施の形態に係る量子化装置及び逆量子化装置では、実施の形態1及び2の場合とは違って、量子化及び逆量子化の変換式が定義域の大きいところで直線近似することができない場合を扱う。実施の形態1及び2と共通する部分については説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0133】
逆量子化を行う変換式をy=x^(p/q)とすると、(p/q)≧2の場合、2階微分によって、y’’=(p/q)*(p/q−1)*x^(p/q−2)となるが、この2階微分y’’の値は、xが増加しても0に収束しない。したがって、xの値が大きい範囲で、変換式y=x^(p/q)を直線で近似することができず、実施の形態1で示した効果が得られない。
【0134】
また、(p/q)<2の場合であっても、2階微分y’’=(p/q)*(p/q−1)*x^(p/q−2)が、xの増加に伴って0に収束する速度が遅い場合、xの値が大きい範囲でも変換式y=x^(p/q)を充分な精度で直線近似することができず、実施の形態1で示した劾果が得られないことがある。
【0135】
これらの場合には、変換式y=x^(p/q)を以下のように変形して扱う。
y=x^(p/q)=x^(r+s/q)=(x^r)*(x^(s/q))
(但し、r、sは、p=r*q+sかつr>0を満たすように定められた整数)
ここで、y1=x^r、y2=x^(s/q)とする。
【0136】
このとき、(s/q)の値を充分小さくとれば、y2の2階微分は、xの増加に伴って充分な速さで0に収束するので、xの値が大きい範囲で、充分な精度でy2を直線近似することができる。従ってy2の算出は、実施の形態1に説明した手法を適用して行うことができる。またy1の算出とy1*y2の演算は、単純な乗算で行うことができる。
【0137】
従って、実施の形態3に係る逆量子化方法により、変換式y=x^(p/q)の指数(p/q)の値を限定しなくても、精度の良い逆量子化を実現することが可能である。
【0138】
量子化の場合も同様である。量子化を行う変換式を次のように表す。
x=rnd(w^(p/q))=rnd((v/S)^(p/q))=rnd
(v^(p/q)*(1/S)^(p/q))=rnd(y)
但し、xは量子化値、wは入力値で、w*S=v、y=w^(p/q)の関係がある。
【0139】
ここで、yとvの関係を調べる。(p/q)≧2の場合、2階微分によって、y’’=(p/q)*(p/q−1)*v^(p/q−2)*(1/S)^(p/q)となるが、この2階微分y’’の値は、vが増加しても0に収束しない。したがって、vの値が大きい範囲で、y=v^(p/q)*(1/S)^(p/q)を直線で近似することができず、実施の形態2で示した効果が得られない。
【0140】
また、(p/q)<2の場合であっても、2階微分y’’の値がvの増加に伴って0に収束する速度が遅い場合、vの値が大きい範囲でもy=v^(p/q)*(1/S)^(p/q)を充分な精度で直線近似することができず、実施の形態2で示した劾果が得られないことがある。
【0141】
これらの場合には、y=v^(p/q)*(1/S)^(p/q)を以下のように変形して扱う。
y=v^(p/q)*(1/S)^(p/q)=v^(r+s/q)*(1/S)^(p/q)=(v^r)*(v^(s/q))*(1/S)^(p/q)
(但し、r、sは、p=r*q+sかつr>0を満たすように定められた整数)ここで、y1=v^r、y2=v^(s/q)、y3=(1/S)^(p/q)
とする。
【0142】
このとき、(s/q)の値を充分小さくとれば、y2の2階微分は、vの増加に伴って充分な速さで0に収束するので、vの値が大きい範囲で、充分な精度でy2を直線近似することができる。従ってy2の算出は、実施の形態2に説明した手法を適用して行うことができる。またy3は定数であり、y1の算出とy1*y2*y3の演算は、単純な乗算で行うことができる。
【0143】
wからvへの変換は、乗算及び単純な丸め処理で行うことができ、vからyへの変換は、上記の方法で精度良く行うことができる。また、yからxへの変換は、単純な丸め処理である。
【0144】
従って、実施の形態3に係る量子化方法により、変換式x=rnd(w^(p/q))の指数(p/q)の値を限定しなくても、精度の良い量子化を実現することが可能である。
【0145】
尚、v=w*S及びp=r*q+sの関係を用いれば、
y1*y3=(v^r)*(1/S)^(p/q)
=(w*S)^r*(1/S)^((r*q+s)/q)
=(w^r)*(S^r)*(1/S)^r*((1/S)^(s/q))
=(w^r)*((1/S)^(s/q))
となるので、y1=w^r、y3=(1/S)^(s/q)として、上記の処理を行っても、全く等価の結果を得ることができる。
【0146】
5.実施の形態4
本実施の形態に係る逆量子化装置では、逆量子化の際のスケーリング処理に対処する点が実施の形態1とは異なる。以下、相違点のみ説明する。
【0147】
MPEG1-Audio Layer III方式などの逆量子化の過程では、変換式y=x^(p/q)に従う変換に加え、2^(u/t)を乗じるスケーリング処理が行われることが多い。ここでuは変換の際に入力される整数値で、スケールファクタと呼ばれる。また、tは予め与えられた整数である。このとき、スケーリング処理を含めた逆量子化の変換式は以下のようになる。
y=x^(p/q)*2^(u/t)
【0148】
この場合、実施の形態1の式(2.3)の演算は、以下の方法で、スケーリング処理と統合して行うことができる。
式(2.3)(再掲) y=V3*2^(L*4/3)
スケーリング処理を含む場合の式(2.3)に対応する式は、以下のようになる。
y=V3*2^(L*p/q)*2^(u/t)
=V3*2^(L*p/q+u/t)
=V3*2^((A*L*p+B*u)/C)
(但し、Cはq、tの最小公倍数とし、A=C/q、B=C/tとする)
【0149】
ここで、調整用テーブル59として、0から(C−1)までの整数値であるアドレスaに対応づけて、各アドレスaに対する変換式2^(a/C)による変換値が、上位2ビットが整数部で下位22ビットが小数部を表す24ビット固定小数点形式で格納されたテーブルT[a]を記憶部57に予め用意しておく。調整部62は、(A*L*p+B*u)をCで割った商E1と、余りE2を求め、調整用テーブル59を参照して、以下の式に従って、逆量子化値yを生成する。
y=V3*2^E1*T[E2]
【0150】
従って、実施の形態4に係る逆量子化方法により、式(2.3)に対応する演算をスケーリングと同時に処理することができる。
【0151】
6.実施の形態5
実施の形態1及び2において、上位桁値D1の桁数M、下位桁値D2の桁数N、入力値の桁数Lについて、(1+M+N)<Lとなる場合、下位桁値D2の更に下位に位置する桁が切り捨てられ、下位桁値D2が補間処理において内分比として用いられる際、誤差を含むことになる。そこで、本実施の形態では、以下の式のように、下位桁値D2の最下位桁を四捨五入して補間を行う。
D3=int((D2+1)/2)
V3=(V1*(2^(N−1)−D3)+V2*D3)/(2^(N−1))
【0152】
これにより、(1+M+N)<Lの場合でも、より精度の良い量子化及び逆量子化を実現することが可能である。
【0153】
7.実施の形態6
これまでに述べた実施の形態の量子化及び逆量子化装置はいずれも、オーディオ信号の符号化及び復号装置の構成として利用できる。
【0154】
図12は、実施の形態6に係るオーディオ符号化装置200の構成図である。直交変換部202は、入力されたオーディオサンプルを離散コサイン変換などにより直交変換し、オーディオブロックを生成する。量子化部204は、オーディオブロックのデータの量子化を行う。この量子化部204に、実施の形態2、3、4、及び5のいずれかの量子化装置を用いる。可変長符号化部206は、量子化部204から出力される量子化値に可変長符号化を施し、符号化オーディオブロックを出力する。ストリーム生成部208は、符号化オーディオブロックのデータをブロック情報などの符号化パラメータと共に多重化し、オーディオストリームとして出力する。
【0155】
図13は、実施の形態6に係るオーディオ復号装置220の構成図である。ストリーム解析部222は、入力されたオーディオストリームを解析してオーディオブロックを抽出する。復号部224は、可変長符号化されたオーディオブロックを復号する。逆量子化部226は、オーディオブロックのデータの逆量子化を行う。この逆量子化部226に、実施の形態1、3、4、及び5のいずれかの逆量子化装置を用いる。逆直交変換部228は、逆量子化されたオーディオブロックのデータを離散コサイン逆変換などにより変換し、オーディオサンプルを再生する。
【0156】
8.実施の形態7
これまでに述べた実施の形態の量子化及び逆量子化装置はいずれも、画像の符号化及び復号装置の構成として利用できる。
【0157】
図14は、実施の形態7に係る画像符号化装置240の構成図である。直交変換部242は、入力された原画像を離散コサイン変換やウェーブレット変換などにより直交変換し、画像ブロックを生成する。量子化部244は、画像ブロックのデータの量子化を行う。この量子化部244に、実施の形態2、3、4、及び5のいずれかの量子化装置を用いる。可変長符号化部246は、量子化部244から出力される量子化値に可変長符号化を施し、符号化画像ブロックを出力する。ストリーム生成部248は、符号化画像ブロックのデータをブロック情報などの符号化パラメータと共に多重化し、画像ストリームとして出力する。
【0158】
図15は、実施の形態7に係る画像復号装置260の構成図である。ストリーム解析部262は、入力された画像ストリームを解析して画像ブロックを抽出する。復号部264は、可変長符号化された画像ブロックを復号する。逆量子化部266は、画像ブロックのデータの逆量子化を行う。この逆量子化部266に、実施の形態1、3、4、及び5のいずれかの逆量子化装置を用いる。逆直交変換部268は、逆量子化された画像ブロックのデータを離散コサイン逆変換やウェーブレット逆変換などにより変換し、原画像を再生する。
【0159】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0160】
そのような変形例として、上記の実施の形態では、量子化及び逆量子化の変換式がy=x^(p/q)(p、qはゼロでない整数)の場合を説明したが、より一般に変換式はy=x^g(gはゼロでない実数)の形であってもよい。この場合、0≦a≦2^Mの範囲の整数aに対する(0.5+a/(2^(M+1)))^gの値を変換用テーブルに格納し、その変換用テーブルを参照して、xの上位桁値に対する値を下限値として、上位桁値に1を加えた値に対する値を上限値として取得し、xの下位桁値に基づいて、下限値と上限値の間で補間値を定め、その補間値と2^(L*g)の値とを乗じた値を変換式x^gによる変換値yとして生成する。
【0161】
このとき、2^(L*g)を計算するために、2^gの値を格納した調整用テーブルを用意し、調整用テーブルを参照して2^gの値を取得し、それをL回乗じてもよい。また、調整用テーブルに2^(L*g)の値を格納してもよいが、この場合、桁数Lの取りうる範囲が大きくなると、調整用テーブルのサイズが大きくなる。
【0162】
この変換式x^gによる変換の場合も、変換式のxに関する2階微分がxの大きいところでゼロに近づくという曲率に関する特性があれば、曲率に応じて量子化ステップ幅が調整され、効率的な補間処理が行われる。したがって、変換式の指数gが2より小さい値であれば、更に計算精度が良くなる。
【0163】
上記の実施の形態では、量子化符号xの値の2^(K−L)倍の2進数表現における(K−1)桁目から(K−M)桁目までの上位桁値D1と、(K−M−1)桁目から(K−M−N)桁目までの下位桁値D2とを分離して読み出し、上位桁値D1をインデックスとして利用して、0≦a≦2^Mの範囲の整数aに対する変換式(0.5+a/(2^(M+1)))^(p/q)の値を第a番目に格納した変換用テーブルT[a]を参照し、下限値V1=T[D1]及び上限値V2=T[D1+1]を取得している。この変形例として、量子化符号xの値の2^(K−L)倍の2進数表現におけるK桁目から(K−m+1)桁目までのm桁を上位桁値d1として読み出し、(K−m)桁目から(K−m−N+1)桁目までを下位桁値d2として読み出す場合でも、0≦a≦2^(m−1)の範囲の整数aに対する変換式(0.5+a/(2^m))^(p/q)の値を第a番目に格納した変換用テーブルT[a]を用意し、上位桁値d1から2^(m−1)だけ引いた値をインデックスとして利用して、下限値V1=T[d1−2^(m−1)]及び上限値V2=T[(d1+1)−2^(m−1)]を取得することにより、同様の処理が可能である。
【0164】
この変形例の場合、上位桁値d1に量子化符号xの値の2^(K−L)倍の2進数表現の最上位桁が含まれる点が、上記の実施の形態と相違するように見えるが、M=m−1とすれば、変換用テーブルとして、0≦a≦2^Mの範囲の整数aに対して、第a番目の値T[a]=(0.5+a/(2^(M+1)))^(p/q)を保持していることに他ならない。また、変形例の上位桁値d1の最上位桁は必ず1であり、それ以降の桁は上記の実施の形態の上位桁値D1と同じ値であることから、下限値V1と上限値V2を参照するためのインデックス(d1−2^(m−1))、((d1+1)−2^(m−1))は、それぞれ上記の実施の形態において用いられるインデックスD1、D1+1に等しい。従って、この変形例では、上記の実施の形態のインデックスD1、D1+1に応じて、テーブル参照を行っていることに他ならない。すなわち、変形例では、形式的には上位桁値d1の最上位桁も用いてテーブル参照を行っているが、実質的には、上記の実施の形態のテーブル参照と等価な処理を行っているのである。
【0165】
同様に、量子化符号xの値の2^(K−L)倍の2進数表現における(K−1)桁目から(K−M)桁目までを上位桁値D1として読み出し、(K−M−1)桁目から(K−M−N)桁目までを下位桁値D2として読み出す場合において、0≦b≦2^Mの範囲の整数bに対する変換式(0.5+(2^M−b)/(2^(M+1)))^(p/q)の値を第b番目に格納した変換用テーブルT[b]を用意した場合であっても、2^Mから上位桁値D1を引いた値をインデックスとして利用して、下限値V1=T[2^M−D1]及び上限値V2=T[2^M−(D1+1)]を取得することにより、同様の処理が可能である。
【0166】
この場合でも、b=2^M−aとすれば、変換用テーブルとして、0≦a≦2^Mの範囲の整数aに対して、T[2^M−a]=(0.5+a/(2^(M+1)))^(p/q)が用意されており、整数aに対応づけて、変換式(0.5+a/(2^(M+1)))^(p/q)の値を保持していることに他ならない。また、a=2^M−b=D1となるように、整数aと上位桁値D1が関連づけられ、整数aに対して、上記のように変換式が関連づけられるため、D1、D1+1をテーブル参照のインデックスとして直接用いてはいないが、D1、D1+1に対応する変換式の値を参照していることに他ならず、実質的な違いはない。
【0167】
更に、量子化符号xの値の2^(K−L)倍の2進数表現におけるK桁目から(K−m+1)桁目までのm桁を上位桁値d1として読み出し、(K−m)桁目から(K−m−N+1)桁目までを下位桁値d2として読み出す場合において、0≦b≦2^(m−1)の範囲の整数bに対する変換式(0.5+(2^(m−1)−b)/(2^m))^(p/q)の値を第b番目に格納した変換用テーブルT[b]を用意した場合であっても、2^mから上位桁値d1を引いた値をインデックスとして利用して、下限値V1=T[2^m−d1]及び上限値V2=T[2^m−(d1+1)]を取得することにより、同様の処理が可能である。
【0168】
この場合も、M=m−1とすれば、変換用テーブルとして、0≦b≦2^Mの範囲の整数bに対して、第b番目の値T[b]=(0.5+(2^M−b)/(2^(M+1)))^(p/q)を保持していることになり、更に、b=2^M−aとすれば、変換用テーブルとして、0≦a≦2^Mの範囲の整数aに対して、T[2^M−a]=(0.5+a/(2^(M+1)))^(p/q)が用意されており、整数aに対応づけて、変換式(0.5+a/(2^(M+1)))^(p/q)の値を保持していることに他ならない。また、この変形例においても上位桁値d1の最上位桁は必ず1であり、それ以降の桁は上記の実施の形態の上位桁値D1と同じ値であることから、下限値V1と上限値V2を参照するためのインデックス(2^m−d1)、(2^m−(d1+1))は、それぞれ2^m−d1=2^(m−1)+2^(m−1)−d1=2^M−D1、2^m−(d1+1)=2^(m−1)+2^(m−1)−(d1+1)=2^M−(D1+1)となる。このとき、a=2^M−b=D1となるように、整数aと上位桁値D1が関連づけられ、整数aに対して、上記のように変換式が関連づけられるため、実質的には、インデックスD1、D1+1を用いたテーブル参照と等価な処理を行っていることになる。
【0169】
以上のような変形例は、量子化の場合も同様に有効であり、本発明の範囲に含まれる。また、上記の例以外にも、(K−1)桁目から(K−M)桁目まで以外の桁も上位桁値D1と同時に取得する場合、(K−M−1)桁目から(K−M−N)桁目まで以外の桁も下位桁値D2と同時に取得する場合、変換用テーブルが0≦a≦2^Mの範囲外の整数aの値に対する変換値を保持する場合、変換用テーブル内の変換値の配置順序または変換値の参照インデックスが形式的に異なる場合、あるいは、それらが組み合わされた場合であっても、上述のような式変形や設計変更により、実質的に本発明と同様の量子化及び逆量子化を行っていることが理解される限り、当然に本発明の範囲に含まれる。
【0170】
【発明の効果】
本発明によれば、非線形の量子化及び逆量子化を小容量の変換テーブルを用いて精度良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 前提技術に係る逆量子化装置を説明する概略ブロック図である。
【図2】 図1の量子化符号、桁数、及び上位桁値の関係を説明する図である。
【図3】 前提技術に係る量子化装置を説明する概略ブロック図である。
【図4】 図3の正規化値、桁数、及び上位桁値の関係を説明する図である。
【図5】 実施の形態に係る逆量子化装置を説明する概略ブロック図である。
【図6】 図5の量子化符号、桁数、上位桁値、及び下位桁値の関係を説明する図である。
【図7】 図5の量子化符号、桁数、上位桁値、及び下位桁値の関係を別の例で説明する図である。
【図8】 実施の形態に係る逆量子化方法における補間処理を説明する図である。
【図9】 実施の形態に係る量子化装置を説明する概略ブロック図である。
【図10】 図9の正規化値、桁数、上位桁値、及び下位桁値の関係を説明する図である。
【図11】 実施の形態に係る量子化方法における補間処理を説明する図である。
【図12】 実施の形態に係るオーディオ符号化装置の構成図である。
【図13】 実施の形態に係るオーディオ復号装置の構成図である。
【図14】 実施の形態に係る画像符号化装置の構成図である。
【図15】 実施の形態に係る画像復号装置の構成図である。
【符号の説明】
50 逆量子化装置、 52 桁数算出部、 54 分離部、 56 テーブル参照部、 57 記憶部、 58 変換用テーブル、 59 調整用テーブル、 60 補間部、 62 調整部、 70 量子化装置、 72 正規化部、74 桁数算出部、 76 分離部、 78 テーブル参照部、 79 記憶部、 80 変換用テーブル、 81 調整用テーブル、 82 補間部、 84 調整部、 86 整数化部。
Claims (23)
- 2進数表現した場合の最大桁数がKである量子化符号xを入力として、定数gをゼロでない実数とした場合の変換式x^gに従う逆量子化を行う装置であって、
前記量子化符号xを2進数表現した場合の桁数Lを取得する桁数取得部と、
前記量子化符号xの値の2^(K−L)倍を2進数表現した場合における(K−1)桁目から(K−M)桁目までの上位桁値D1と、(K−M−1)桁目から(K−M−N)桁目までの下位桁値D2とを分離して読み出す分離部と、
0≦a≦2^Mの範囲の整数aに対する第1式(0.5+a/(2^(M+1)))^gの値を格納する記憶部と、
前記上位桁値D1を基にしたアドレスを用いて前記記憶部に格納された前記第1式を参照することにより、前記上位桁値D1に対応する前記第1式の値を下限値V1として、前記上位桁値D1に1を加えた値に対応する前記第1式の値を上限値V2として取得する参照部と、
前記下位桁値D2に基づいて、前記下限値V1と前記上限値V2の間で補間値V3を定める補間部と、
前記補間値V3と第2式2^(L*g)に応じた値とを乗じた値を前記変換式x^gに従う逆量子化値として生成する調整部とを備えることを特徴とする逆量子化装置。 - 前記変換式x^gの指数gが2より小さい値であることを特徴とする請求項1に記載の逆量子化装置。
- 2進数表現した場合の最大桁数がKである量子化符号xを入力として、定数p及びqをゼロでない整数とした場合の変換式x^(p/q)に従う逆量子化を行う装置であって、
前記量子化符号xを2進数表現した場合の桁数Lを取得する桁数取得部と、
前記量子化符号xの値の2^(K−L)倍を2進数表現した場合における(K−1)桁目から(K−M)桁目までの上位桁値D1と、(K−M−1)桁目から(K−M−N)桁目までの下位桁値D2とを分離して読み出す分離部と、
0≦a≦2^Mの範囲の整数aに対する第1式(0.5+a/(2^(M+1)))^(p/q)の値を格納する記憶部と、
前記上位桁値D1を基にしたアドレスを用いて前記記憶部に格納された前記第1式を参照することにより、前記上位桁値D1に対応する前記第1式の値を下限値V1として、前記上位桁値D1に1を加えた値に対応する前記第1式の値を上限値V2として取得する参照部と、
前記下位桁値D2に基づいて、前記下限値V1と前記上限値V2の間で補間値V3を定める補間部と、
前記補間値V3と第2式2^(L*p/q)に応じた値とを乗じた値を前記変換式x^(p/q)に従う逆量子化値として生成する調整部とを備えることを特徴とする逆量子化装置。 - 2進数表現した場合の最大桁数がKである量子化符号xを入力として、定数p及びqをゼロでない整数とした場合の変換式x^(p/q)に従う逆量子化を行う装置であって、
前記量子化符号xを2進数表現した場合の桁数Lを取得する桁数取得部と、
前記量子化符号xの値の2^(K−L)倍を2進数表現した場合における(K−1)桁目から(K−M)桁目までの上位桁値D1と、(K−M−1)桁目から(K−M−N)桁目までの下位桁値D2とを分離して読み出す分離部と、
定数r及びsを、p=r*q+sかつ(s/q)<2かつr>0を満たす整数とした場合に、0≦a≦2^Mの範囲の整数aに対する第1式(0.5+a/(2^(M+1)))^(s/q)の値を格納する記憶部と、
前記上位桁値D1を基にしたアドレスを用いて前記記憶部に格納された前記第1式を参照することにより、前記上位桁値D1に対応する前記第1式の値を下限値V1として、前記上位桁値D1に1を加えた値に対応する前記第1式の値を上限値V2として取得する参照部と、
前記下位桁値D2に基づいて、前記下限値V1と前記上限値V2の間で補間値V3を定める補間部と、
前記補間値V3と第2式2^(L*s/q)に応じた値と(x^r)の値とを乗じた値を前記変換式x^(p/q)に従う逆量子化値として生成する調整部とを備えることを特徴とする逆量子化装置。 - スケールファクタ変数uと2進数表現した場合の最大桁数がKである量子化符号xを入力として、定数p、q及びtをゼロでない整数とした場合の変換式x^(p/q)*2^(u/t)に従う逆量子化を行う装置であって、
前記量子化符号xを2進数表現した場合の桁数Lを取得する桁数取得部と、
前記量子化符号xの値の2^(K−L)倍を2進数表現した場合における(K−1)桁目から(K−M)桁目までの上位桁値D1と、(K−M−1)桁目から(K−M−N)桁目までの下位桁値D2とを分離して読み出す分離部と、
0≦a≦2^Mの範囲の整数aに対する第1式(0.5+a/(2^(M+1)))^(p/q)の値を格納する記憶部と、
前記上位桁値D1を基にしたアドレスを用いて前記記憶部に格納された前記第1式を参照することにより、前記上位桁値D1に対応する前記第1式の値を下限値V1として、前記上位桁値D1に1を加えた値に対応する前記第1式の値を上限値V2として取得する参照部と、
前記下位桁値D2に基づいて、前記下限値V1と前記上限値V2の間で補間値V3を定める補間部と、
前記補間値V3と第2式2^(L*p/q+u/t)に応じた値とを乗じた値を前記変換式x^(p/q)*2^(u/t)に従う逆量子化値として生成する調整部とを備えることを特徴とする逆量子化装置。 - スケールファクタ変数uと2進数表現した場合の最大桁数がKである量子化符号xを入力として、定数p、q及びtをゼロでない整数とした場合の変換式x^(p/q)*2^(u/t)に従う逆量子化を行う装置であって、
前記量子化符号xを2進数表現した場合の桁数Lを取得する桁数取得部と、
前記量子化符号xの値の2^(K−L)倍を2進数表現した場合における(K−1)桁目から(K−M)桁目までの上位桁値D1と、(K−M−1)桁目から(K−M−N)桁目までの下位桁値D2とを分離して読み出す分離部と、
定数r及びsを、p=r*q+sかつ(s/q)<2かつr>0を満たす整数とした場合に、0≦a≦2^Mの範囲の整数aに対する第1式(0.5+a/(2^(M+1)))^(s/q)の値を格納する記憶部と、
前記上位桁値D1を基にしたアドレスを用いて前記記憶部に格納された前記第1式を参照することにより、前記上位桁値D1に対応する前記第1式の値を下限値V1として、前記上位桁値D1に1を加えた値に対応する前記第1式の値を上限値V2として取得する参照部と、
前記下位桁値D2に基づいて、前記下限値V1と前記上限値V2の間で補間値V3を定める補間部と、
前記補間値V3と第2式2^(L*s/q+u/t)に応じた値と(x^r)の値とを乗じた値を前記変換式x^(p/q)*2^(u/t)に従う逆量子化値として生成する調整部とを備えることを特徴とする逆量子化装置。 - 前記変換式x^(p/q)の指数(p/q)が2より小さい値であることを特徴とする請求項3または5に記載の逆量子化装置。
- 前記補間部は、前記下位桁値D2に基づく比率により、前記下限値V1と前記上限値V2の間で内分して前記補間値V3を求めることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の逆量子化装置。
- 前記補間部は、補間式V3=(V1*(2^N−D2)+V2*D2)/(2^N)に従って前記補間値V3を算出することを特徴とする請求項8に記載の逆量子化装置。
- 前記補間部は、前記下位桁値D2に1を加えた値を2進数表現した場合の(N+1)桁目から2桁目までの値D3を用いて、補間式V3=(V1*(2^(N−1)−D3)+V2*D3)/(2^(N−1))に従って前記補間値V3を算出することを特徴とする請求項8に記載の逆量子化装置。
- 符号化されたオーディオストリームの復号時に、2進数表現した場合の最大桁数がKである前記オーディオストリームに係る量子化符号xを入力として、定数p及びqをゼロでない整数とした場合の変換式x^(p/q)に従う逆量子化を行う装置であって、
前記量子化符号xを2進数表現した場合の桁数Lを取得する桁数取得部と、
前記量子化符号xの値の2^(K−L)倍を2進数表現した場合における(K−1)桁目から(K−M)桁目までの上位桁値D1と、(K−M−1)桁目から(K−M−N)桁目までの下位桁値D2とを分離して読み出す分離部と、
0≦a≦2^Mの範囲の整数aに対する第1式(0.5+a/(2^(M+1)))^(p/q)の値を格納する記憶部と、
前記上位桁値D1を基にしたアドレスを用いて前記記憶部に格納された前記第1式を参照することにより、前記上位桁値D1に対応する前記第1式の値を下限値V1として、前記上位桁値D1に1を加えた値に対応する前記第1式の値を上限値V2として取得する参照部と、
前記下位桁値D2に基づいて、前記下限値V1と前記上限値V2の間で補間値V3を定める補間部と、
前記補間値V3と第2式2^(L*p/q)に応じた値とを乗じた値を前記変換式x^(p/q)に従う逆量子化値として生成する調整部と、
前記逆量子化値をもとにオーディオ信号を再生するオーディオ再生部とを備えることを特徴とするオーディオ復号装置。 - 原画像を符号化して生成された符号化画像データの復号時に、2進数表現した場合の最大桁数がKである前記画像データに係る量子化符号xを入力として、定数p及びqをゼロでない整数とした場合の変換式x^(p/q)に従う逆量子化を行う装置であって、
前記量子化符号xを2進数表現した場合の桁数Lを取得する桁数取得部と、
前記量子化符号xの値の2^(K−L)倍を2進数表現した場合における(K−1)桁目から(K−M)桁目までの上位桁値D1と、(K−M−1)桁目から(K−M−N)桁目までの下位桁値D2とを分離して読み出す分離部と、
0≦a≦2^Mの範囲の整数aに対する第1式(0.5+a/(2^(M+1)))^(p/q)の値を格納する記憶部と、
前記上位桁値D1を基にしたアドレスを用いて前記記憶部に格納された前記第1式を参照することにより、前記上位桁値D1に対応する前記第1式の値を下限値V1として、前記上位桁値D1に1を加えた値に対応する前記第1式の値を上限値V2として取得する参照部と、
前記下位桁値D2に基づいて、前記下限値V1と前記上限値V2の間で補間値V3を定める補間部と、
前記補間値V3と第2式2^(L*p/q)に応じた値とを乗じた値を前記変換式x^(p/q)に従う逆量子化値として生成する調整部と、
前記逆量子化値をもとに原画像を再生する画像再生部とを備えることを特徴とする画像復号装置。 - 最大値がGであるディジタル信号wを入力として、定数gをゼロでない実数とした場合の変換式rnd(w^g)に従う量子化を行う装置であって、
前記信号wのS倍を整数化して正規化値vを求める正規化部と、
前記正規化値vを2進数表現した場合の桁数Lを取得する桁数取得部と、
Kを前記正規化値vの最大桁数とした場合に、前記正規化値vの2^(K−L)倍を2進数表現した場合における(K−1)桁目から(K−M)桁目までの上位桁値D1と、(K−M−1)桁目から(K−M−N)桁目までの下位桁値D2とを分離して読み出す分離部と、
0≦a≦2^Mの範囲の整数aに対する第1式(0.5+a/(2^(M+1)))^gの値を格納する記憶部と、
前記上位桁値D1を基にしたアドレスを用いて前記記憶部に格納された前記第1式を参照することにより、前記上位桁値D1に対応する前記第1式の値を下限値V1として、前記上位桁値D1に1を加えた値に対応する前記第1式の値を上限値V2として取得する参照部と、
前記下位桁値D2に基づいて、前記下限値V1と前記上限値V2の間で補間値V3を定める補間部と、
前記補間値V3と第2式2^(L*g)に応じた値と定数(1/S)^gとを乗じて調整値V4を生成する調整部と、
前記調整値V4を整数化した値を前記変換式rnd(w^g)に従う量子化値として生成する整数化部とを備えることを特徴とする量子化装置。 - 前記変換式x^gの指数gが2より小さい値であることを特徴とする請求項13に記載の量子化装置。
- 最大値がGであるディジタル信号wを入力として、定数p及びqをゼロでない整数とした場合の変換式rnd(w^(p/q))に従う量子化を行う装置であって、
前記信号wのS倍を整数化して正規化値vを求める正規化部と、
前記正規化値vを2進数表現した場合の桁数Lを取得する桁数取得部と、
Kを前記正規化値vの最大桁数とした場合に、前記正規化値vの2^(K−L)倍を2進数表現した場合における(K−1)桁目から(K−M)桁目までの上位桁値D1と、(K−M−1)桁目から(K−M−N)桁目までの下位桁値D2とを分離して読み出す分離部と、
0≦a≦2^Mの範囲の整数aに対する第1式(0.5+a/(2^(M+1)))^(p/q)の値を格納する記憶部と、
前記上位桁値D1を基にしたアドレスを用いて前記記憶部に格納された前記第1式を参照することにより、前記上位桁値D1に対応する前記第1式の値を下限値V1として、前記上位桁値D1に1を加えた値に対応する前記第1式の値を上限値V2として取得する参照部と、
前記下位桁値D2に基づいて、前記下限値V1と前記上限値V2の間で補間値V3を定める補間部と、
前記補間値V3と第2式2^(L*p/q)に応じた値と定数(1/S)^(p/q)とを乗じて調整値V4を生成する調整部と、
前記調整値V4を整数化した値を前記変換式rnd(w^(p/q))に従う量子化値として生成する整数化部とを備えることを特徴とする量子化装置。 - 最大値がGであるディジタル信号wを入力として、定数p及びqをゼロでない整数とした場合の変換式rnd(w^(p/q))に従う量子化を行う装置であって、
前記信号wのS倍を整数化して正規化値vを求める正規化部と、
前記正規化値vを2進数表現した場合の桁数Lを取得する桁数取得部と、
Kを前記正規化値vの最大桁数とした場合に、前記正規化値vの2^(K−L)倍を2進数表現した場合における(K−1)桁目から(K−M)桁目までの上位桁値D1と、(K−M−1)桁目から(K−M−N)桁目までの下位桁値D2とを分離して読み出す分離部と、
定数r及びsを、p=r*q+sかつ(s/q)<2かつr>0を満たす整数とした場合に、0≦a≦2^Mの範囲の整数aに対する第1式(0.5+a/(2^(M+1)))^(s/q)の値を格納する記憶部と、
前記上位桁値D1を基にしたアドレスを用いて前記記憶部に格納された前記第1式を参照することにより、前記上位桁値D1に対応する前記第1式の値を下限値V1として、前記上位桁値D1に1を加えた値に対応する前記第1式の値を上限値V2として取得する参照部と、
前記下位桁値D2に基づいて、前記下限値V1と前記上限値V2の間で補間値V3を定める補間部と、
前記補間値V3と第2式2^(L*s/q)に応じた値と定数(1/S)^(s/q)と(w^r)の値とを乗じて調整値V4を生成する調整部と、
前記調整値V4を整数化した値を前記変換式rnd(w^(p/q))に従う量子化値として生成する整数化部とを備えることを特徴とする量子化装置。 - 最大値がGであるディジタル信号wを入力として、定数p及びqをゼロでない整数とした場合の変換式rnd(w^(p/q))に従う量子化を行う装置であって、
前記信号wのS倍を整数化して正規化値vを求める正規化部と、
前記正規化値vを2進数表現した場合の桁数Lを取得する桁数取得部と、
Kを前記正規化値vの最大桁数とした場合に、前記正規化値vの2^(K−L)倍を2進数表現した場合における(K−1)桁目から(K−M)桁目までの上位桁値D1と、(K−M−1)桁目から(K−M−N)桁目までの下位桁値D2とを分離して読み出す分離部と、
定数r及びsを、p=r*q+sかつ(s/q)<2かつr>0を満たす整数とした場合に、0≦a≦2^Mの範囲の整数aに対する第1式(0.5+a/(2^(M+1)))^(s/q)の値を格納する記憶部と、
前記上位桁値D1を基にしたアドレスを用いて前記記憶部に格納された前記第1式を参照することにより、前記上位桁値D1に対応する前記第1式の値を下限値V1として、前記上位桁値D1に1を加えた値に対応する前記第1式の値を上限値V2として取得する参照部と、
前記下位桁値D2に基づいて、前記下限値V1と前記上限値V2の間で補間値V3を定める補間部と、
前記補間値V3と第2式2^(L*s/q)に応じた値と定数(1/S)^(p/q)と(v^r)の値とを乗じて調整値V4を生成する調整部と、
前記調整値V4を整数化した値を前記変換式rnd(w^(p/q))に従う量子化値として生成する整数化部とを備えることを特徴とする量子化装置。 - 前記変換式x^(p/q)の指数(p/q)が2より小さい値であることを特徴とする請求項15に記載の量子化装置。
- 前記補間部は、前記下位桁値D2に基づく比率により、前記下限値V1と前記上限値V2の間で内分して前記補間値V3を求めることを特徴とする請求項15から18のいずれかに記載の量子化装置。
- 前記補間部は、補間式V3=(V1*(2^N−D2)+V2*D2)/(2^N)に従って前記補間値V3を算出することを特徴とする請求項19に記載の量子化装置。
- 前記補間部は、前記下位桁値D2に1を加えた値を2進数表現した場合の(N+1)桁目から2桁目までの値D3を用いて、補間式V3=(V1*(2^(N−1)−D3)+V2*D3)/(2^(N−1))に従って前記補間値V3を算出することを特徴とする請求項19に記載の量子化装置。
- オーディオサンプルの符号化時に、最大値がGであるオーディオサンプルwを入力として、定数p及びqをゼロでない整数とした場合の変換式rnd(w^(p/q))に従う量子化を行う装置であって、
前記サンプルwのS倍を整数化して正規化値vを求める正規化部と、
前記正規化値vを2進数表現した場合の桁数Lを取得する桁数取得部と、
Kを前記正規化値vの最大桁数とした場合に、前記正規化値vの2^(K−L)倍を2進数表現した場合における(K−1)桁目から(K−M)桁目までの上位桁値D1と、(K−M−1)桁目から(K−M−N)桁目までの下位桁値D2とを分離して読み出す分離部と、
0≦a≦2^Mの範囲の整数aに対する第1式(0.5+a/(2^(M+1)))^(p/q)の値を格納する記憶部と、
前記上位桁値D1を基にしたアドレスを用いて前記記憶部に格納された前記第1式を参照することにより、前記上位桁値D1に対応する前記第1式の値を下限値V1として、前記上位桁値D1に1を加えた値に対応する前記第1式の値を上限値V2として取得する参照部と、
前記下位桁値D2に基づいて、前記下限値V1と前記上限値V2の間で補間値V3を定める補間部と、
前記補間値V3と第2式2^(L*p/q)に応じた値と定数(1/S)^(p/q)とを乗じて調整値V4を生成する調整部と、
前記調整値V4を整数化した値を前記変換式rnd(w^(p/q))に従う量子化値として生成する整数化部と、
前記量子化値を符号化して符号化オーディオストリームを生成するオーディオ符号化部とを備えることを特徴とするオーディオ符号化装置。 - 原画像の符号化時に、最大値がGである画像サンプルwを入力として、定数p及びqをゼロでない整数とした場合の変換式rnd(w^(p/q))に従う量子化を行う装置であって、
前記サンプルwのS倍を整数化して正規化値vを求める正規化部と、
前記正規化値vを2進数表現した場合の桁数Lを取得する桁数取得部と、
Kを前記正規化値vの最大桁数とした場合に、前記正規化値vの2^(K−L)倍を2進数表現した場合における(K−1)桁目から(K−M)桁目までの上位桁値D1と、(K−M−1)桁目から(K−M−N)桁目までの下位桁値D2とを分離して読み出す分離部と、
0≦a≦2^Mの範囲の整数aに対する第1式(0.5+a/(2^(M+1)))^(p/q)の値を格納する記憶部と、
前記上位桁値D1を基にしたアドレスを用いて前記記憶部に格納された前記第1式を参照することにより、前記上位桁値D1に対応する前記第1式の値を下限値V1として、前記上位桁値D1に1を加えた値に対応する前記第1式の値を上限値V2として取得する参照部と、
前記下位桁値D2に基づいて、前記下限値V1と前記上限値V2の間で補間値V3を定める補間部と、
前記補間値V3と第2式2^(L*p/q)に応じた値と定数(1/S)^(p/q)とを乗じて調整値V4を生成する調整部と、
前記調整値V4を整数化した値を前記変換式rnd(w^(p/q))に従う量子化値として生成する整数化部と、
前記量子化値を符号化して符号化画像データを生成する画像符号化部とを備えることを特徴とする画像符号化装置。
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