JP3877179B2 - アルカリ蓄電池用ニッケル正極 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルカリ蓄電池用ニッケル正極の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルカリ蓄電池用ニッケル正極は、その利用率改善やγ化抑制等の目的で、活物質粒子内に、コバルトを固溶状態で粒子全体に含ませる方法(特開昭56−147367公報)や、活物質粒子内に2族元素を固溶状態で粒子全体に含ませる方法(特開平6−13075公報)が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、正極に用いる活物質粒子全体に固溶状態でコバルト等の元素を添加した場合、添加する元素の量を多くしなければ特性を向上する効果が得られにくいという問題があった。すなわち、正極自体が内部まで十分な特性を得るためには、添加元素の量を多くしなければならず、そうすることにより容量密度が小さくなるか、あるいは添加元素分のコストがかかるという問題があった。
本発明は、このような問題を解決するもので、容量密度を小さくせずに利用率の改善およびγ化の抑制を可能にし、コスト的にも優れたアルカリ蓄電池用ニッケル正極を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明は、水酸化ニッケルを主成分とする正極で、組成の異なる少なくとも2種類の活物質粒子から構成されるアルカリ蓄電池用ニッケル正極を提供するものである。
前記の活物質粒子は、溶液中で析出成長させて得られる球状粒子あるいは球状に類似した形状の晶析物粒子が好適に用いられる。
【0005】
本発明のアルカリ蓄電池用ニッケル正極は、同じ添加元素としてCoを含み、その含有比率が異なる少なくとも2種類の水酸化ニッケル活物質粒子から構成される。
前記含有比率の最も少ない活物質粒子における添加元素の含有割合は、3wt%以下である。
また、2wt%以上のCoを含む活物質粒子が30wt%以下で、1wt%以下のCoを含む活物質粒子が70wt%以上であることが好ましい。
【0006】
1種類の活物質粒子は化2で表される反応の平衡電位を下げる元素を含み、他の種類の活物質粒子は前記平衡電位を上げる元素を含むことが好ましい。
【0007】
【化2】
【0008】
また、前記平衡電位を下げる元素としては、CoおよびMnの少なくとも1種が、前記平衡電位を上げる元素としては、Fe、Al、Zn、Cr、Cd、Y、Cu、La、Ce、およびPbからなる群より選ばれる少なくとも1種が用いられる。
前記1種類の活物質粒子は少なくともCoを1wt%以上含み、他の種類の活物質粒子はZn、Mg、Cd、およびBaのうち少なくとも1種を2wt%以上含むことが好ましい。
【0009】
上記のように組成の異なる少なくとも2種類以上の活物質粒子から構成される正極を用いることで、正極の容量密度、利用率、γ化抑制等の特性を改善させることが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に特定の実施例について説明するが、本発明は、γ化抑制のためのZn等の元素が活物質粒子全体に入っている系や、Co等が全体に入っている系に適用しても効果を発揮する。また、2種類の活物質粒子の組成を異ならせるのに、同じ添加元素の含有比率を異ならせる方法と、異なる元素を添加する方法を組み合わせてもよいし、活物質粒子の組成が異なるだけでなく、結晶性、比表面積等の物性が異なっていてもよい。
【0011】
【実施例】
硫酸ニッケル、およびCo、Zn、Alの硫酸塩の1種または2種を含む水溶液aと苛性アルカリとアンモニア水を連続的に反応槽に導入して撹拌し、活物質粒子とその他の反応生成物の懸濁液をオーバーフローさせ、この懸濁液より活物質粒子を分離した。
ここで、反応槽での反応時間(反応槽容積/全溶液の流速)、流量、量比等を調整することで、活物質粒子の大きさ、密度、比表面積、細孔分布、結晶性等を制御することが可能である。
ここに用いた溶液aの組成と得られた活物質粒子の添加元素の含有比率を表1に示す。
【0012】
【表1】
【0013】
上記の活物質粒子単独または2種を組み合わせた混合活物質粒子100重量部に、それぞれ水酸化コバルト10重量部と水とを添加しペースト状にした。このペーストを支持体である厚さ1.6mm、多孔度95%、面密度600g/m2の発泡ニッケル基板中に充填し、乾燥後、加圧成型し、さらにフッ素樹脂粉末の水分散液に浸漬処理した。この後乾燥し、90×70mmに切断して、厚さ0.9mm、水酸化ニッケルの充填密度約600mAh/cc、理論容量3.5Ahのニッケル正極(実施例1〜3、参考例1、比較例1〜2)をそれぞれ得た。
表2は、それぞれの正極に用いた活物質粒子の組み合わせと混合割合、および混合した活物質粒子全体における添加元素の比率を示している。
【0014】
【表2】
【0015】
図1は、本発明による実施例1の正極の断面を模式的に示す。この正極は2種類の活物質粒子、すなわちCoを固溶状態で1wt%含む活物質粒子1とCoを固溶状態で3wt%含む活物質粒子2の集合体として構成された構造となっている。3は支持体の骨格を示す。
【0016】
これらの正極1枚を正極よりも大きな理論容量を持つ公知の水素吸蔵合金負極2枚ではさみ、比重1.30の水酸化カリウム水溶液を電解液とした電池(フラッデッドセル)を作製した。
これらの電池について、20℃において、10時間率(0.35A)で15時間充電し、1時間休止の後、5時間率(0.70A)で端子間電圧が1Vになるまで放電する試験を行った。また、放電条件を1時間率(3.5A)として同様の試験を行った。
表3に、5時間率と1時間率でのそれぞれの正極の容量密度と利用率を示した。
【0017】
【表3】
【0018】
正極全体のCo量が等しい実施例1と実施例2の正極を比較すると、容量密度は等しいが、6wt%のCoを含む活物質粒子を10wt%含んだ実施例2の正極は、3wt%のCoを含む活物質粒子を50wt%含んだ実施例1の正極より急速放電特性に優れていることが分かる。
また、Coを多く含んだ活物質粒子を持つ実施例1および2の正極と、同量のCoをすべての活物質粒子に均一に含有する比較例1の正極とを比較すると、実施例1と2の方が、容量密度を変えずに急速放電効率に優れていることが分かる。
実用と特性のかねあいから、正極中の活物質粒子として、Coの含有比率の最も少ない活物質粒子におけるCoの含有割合が3wt%以下であり、特に、2wt%以上のCoを含む活物質粒子が30wt%以下で、1wt%以下のCoを含む活物質粒子が70wt%以上であることが望ましい。
【0019】
参考例1の正極内には、低充放電電位部、すなわち前記化2の酸化還元平衡電位を下げるCoを含む粒子部分と、高充放電電位部、すなわち前記平衡電位を上げる元素Alを含む粒子部分とが存在する。このため放電の際、高充放電電位部からの放電後、低充放電電位部の放電が起こる。従って、参考例1の正極を用いた場合、比較例2の正極を用いた通常の放電と比べて、放電曲線の平坦部が少なくなり、電池の残存容量の確認がしやすくなる。
Coの代わりにMn、Alの代わりにFe、Zn、Cr、Cd、Y、Cu、La、Ce、Pbのうちの少なくとも1種の元素を用いても同様の傾向であった。
【0020】
実施例3の正極と比較例2の正極を用いて、0℃において、10時間率(0.35A)で24時間の充電を行ったときの水酸化ニッケルのγ構造の生成率を調べた。その結果を表4に示す。ここで、γ構造の生成率は、γ−Ni(OH)2の(003)面におけるX線回折強度とβ−Ni(OH)2の(001)面のX線回折強度との比γ/βで表した。
【0021】
【表4】
【0022】
この結果から、正極全体としては同量のCoとZnを含んでいるにもかかわらず、本発明による実施例3の正極を用いた方が水酸化ニッケルのγ化を抑制する効果が大きい。また、この正極は、表3から、急速放電効率にも優れていることが分かる。
ここで、Znの代わりに、Mg、Cd、Ba等の2族元素のうち少なくとも1種の元素を用いても同様の効果が見られた。また、実験から、これらの添加元素は2wt%以上含むことが効果的であった。
以上のように本発明によると、同量の添加元素量で、大幅な特性の向上を図ることができる。また、従来より少ない添加元素量でも特性の向上を図ることができる。
【0023】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、アルカリ蓄電池用ニッケル正極の容量密度、利用率、γ化抑制等の特性を改善することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例における正極の断面構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1、2 活物質粒子
3 支持体
Claims (2)
- 同じ添加元素を含み、その含有比率が異なる少なくとも2種類の水酸化ニッケル活物質粒子から構成され、前記添加元素がCoであり、Coの含有比率の最も少ない活物質粒子におけるCoの含有割合が、3wt%以下であることを特徴としたアルカリ蓄電池用ニッケル正極。
- 2wt%以上のCoを含む活物質粒子が30wt%以下で、1wt%以下のCoを含む活物質粒子が70wt%以上である請求項1記載のアルカリ蓄電池用ニッケル正極。
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