JP3877087B2 - 画像信号符号化方法、画像信号符号化装置及び画像信号伝送方法 - Google Patents
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Description
【目次】
以下の順序で本発明を説明する。
発明の属する技術分野
従来の技術(図9及び図10)
発明が解決しようとする課題
課題を解決するための手段
発明の実施の形態
(1)実施例(図1〜図4)
(2)第1参考例(図5及び図6)
(3)第2参考例(図7及び図8)
(4)他の実施例
発明の効果
【0002】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像信号符号化方法、画像信号符号化装置、画像信号伝送方法及び、画像信号復号装置によつて復号可能な画像信号符号化方法又は装置によつて生成された符号化データが記録された記録媒体に関し、特に所定の画像データを異なる解像度でなる複数階層の画像データに分割し、それぞれの階層の画像データを符号化して、符号化データを生成する(すなわち画像データを階層符号化する)場合に適用して好適なものである。
【0003】
【従来の技術】
従来、この種の画像信号符号化装置においては、高解像度の入力画像データを第1の階層画像データとして、この第1の階層データよりも解像度の低い第2の階層データ、さらに第2の階層データよりも解像度の低い第3の階層データ、……を順次形成し、これら複数の階層データをそれぞれ圧縮符号化する。これにより、情報量が順次低減された複数階層分の階層符号化データが形成され、この複数の階層符号化データを通信路や記録再生経路を介して伝送することができる。
【0004】
この複数の階層符号化データを復号化する画像信号復号装置では、複数の階層符号化データを全て復号することもでき、またそれぞれに対応するテレビジヨンモニタの解像度等に応じていずれかの階層符号化データのうち所望の1つを選択して復号することもできる。これにより、階層化された複数の階層データから所望の階層データのみについて復号化すれば、必要最小限の伝送データ量で所望の画像データを得ることもできる。
【0005】
ここで、図9に示すように、この階層符号化として、例えば4階層の符号化を実現する画像信号符号化装置1は、それぞれ3段分の間引きフイルタ2、3、4と補間フイルタ5、6、7とを有し、入力画像データD1について各段の間引きフイルタ2、3、4によつて順次解像度の低い縮小画像データD2、D3、D4を形成すると共に、補間フイルタ5、6、7により縮小画像データD2、D3、D4を縮小前の解像度データD5、D6、D7にそれぞれ戻す。
【0006】
各間引きフイルタ2〜4の出力D2〜D4及び各補間フイルタ5〜7の出力D5〜D7は、それぞれ差分回路8、9、10に入力され、各差分回路により差分データD8、D9、D10が生成される。この差分データD8〜D10の度数分布は0付近に集中することになるため、画像符号化装置1においては、階層データのデータ量を低減することができると共に、信号電力を低減することができる。また、後段に配置される可変長符号化回路で、ランレングス符号化やハフマン符号化などを使用することにより、さらにデータ量を低減することができる。ここで、この差分データD8〜D10及び縮小画像データD4はそれぞれ面積が、入力画像データD1に対して1、1/4 、1/16、1/64のサイズとなつている。
【0007】
それぞれの差分回路8〜10より得られる差分データD8〜D10及び間引きフイルタより得られる縮小画像データD4は、各符号器11、12、13、14によつてそれぞれ符号化されて圧縮処理が施される。この結果、各符号器11、12、13、14から解像度の異なる第1、第2、第3及び第4の階層データD11、D12、D13及びD14が所定の順序で通信路に送出されたり、伝送路を介して記録媒体に記録される。
【0008】
このようにして伝送される第1〜第4の階層データD11〜D14は、図10に示す画像信号復号化装置20によつて復号される。すなわち、それぞれ、入力端子を介して通信路もしくは記録媒体から供給された第1〜第4の階層データD11〜D14は、それぞれ復号器21、22、23、24によつて復号され、この結果、復号器24からは、復号された第4の階層データD24が出力される。
【0009】
また、復号器23の出力は、加算回路29において補間フイルタ26より得られる第4の階層データD24の補間データと加算され、これにより第3の階層データD23が復元される。同様にして、復号器22の出力は、加算回路30において補間フイルタ27より得られる第3の階層データD23の補間データと加算され、これにより第2の階層データD22が復元される。さらに、復号器21の出力は、加算回路31において補間フイルタ28より得られる第2の階層データD22の補間データと加算され、これにより第1の階層データD21が復元される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、かかる階層符号化を実現する画像信号符号化装置1においては、入力画像データD1を複数の階層データに分割して、それぞれの階層データを符号化するため、必然的に階層成分だけ伝送データ量が増加する。したがつて、その分、階層符号化を用いない高能率符号化方式に比して圧縮効率が低下するという問題がある。
【0011】
また、画像信号復号化装置20においては、解像度の低い上位階層で復元された階層データに基づいて本来解像度の高い下位階層の階層データを復元するというように、上位階層データから下位階層データに向かつて順に階層データD24、D23、D22、D21を復元する。したがつて、符号化された上位階層の階層データD14やD13を復号したときに、その復号データに圧縮符号化による誤差が含まれると、本来高解像度が望まれる下位階層の復元階層データD21やD22に圧縮符号化誤差が伝播され、下位階層の復元階層データにその誤差に基づく画質劣化が非常に目立つて現れるという問題があつた。
【0012】
本発明は、以上の点を考慮してなされたもので、画像データを階層符号化する際に圧縮効率を向上し得ると共に、画質劣化を低減し得る画像信号符号化方法、画像信号符号化装置、画像信号伝送方法及び、画像信号復号装置によつて復号可能な画像信号符号化方法又は装置によつて符号化された符号化データが記録された記録媒体を提案しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、各階層データを平均値演算により生成した後、隣接上位階層の画素データ及び自分の階層の画素データを用いた算術演算によつて復元できる画素データを間引くと共に、上位階層のデータほど量子化ビツト数を多く割り当てて圧縮符号化することにより、間引きによつて伝送画素データが減るため階層構造に基づく伝送画素数の増加を抑制し得ると共に、上位階層のデータほど量子化ビツト数を多く割り当てたことによつて上記階層の量子化誤差に基づく下位階層画像の劣化を抑制し得る。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下図面について、本発明の一実施例を詳述する。
【0015】
(1)実施例
図1は、全体として実施例による画像信号符号化装置40を示している。この実施例では、3階層分の階層データを形成し、各階層の階層画像データをそれぞれ圧縮符号化して伝送する場合を示している。画像信号符号化装置40は、例えば、高解像度の16ビツトの入力画像データD31(以下、これを第1階層画像データと呼ぶ)をブロツク化回路41において2ライン×2画素の小ブロツクに分割して、第1階層のブロツク化データD32を形成し、この第1階層のブロツク化データD32を間引き回路42及び平均化回路43に送出する。
【0016】
平均化回路43は、ブロツク化データD32の各ブロツク内画素値を平均化して、入力画像データD31に対して1/4 に縮小された第2階層画像データD33を生成し、この第2階層画像データをブロツク化回路44に送出する。ブロツク化回路44は、ブロツク化回路41と同様に、第2階層画像データD33を2ライン×2画素の小ブロツクに分割して、第2階層のブロツク化データD34を形成し、この第2階層のブロツク化データD34を間引き回路45及び平均化回路46に送出する。
【0017】
平均化回路46は、平均化回路43と同様に、ブロツク化データD34の各ブロツク内画素値を平均化して、第2階層画像データD33に対して1/4 に縮小された、すなわち第1階層画像データD31に対して1/16に縮小された第3階層画像データD35を生成する。すなわち、この平均化処理に関して、平均化回路43は、図2(C)の点線で示すように、第1階層のブロツク内の4画素(例えばX11、X12、X21、X22)を用いて、次式、
【数1】
による平均値演算を行い、図2(B)で示す第2階層の1画素(例えばY11)を生成する。なお、画素Y13、Y31、……も第1階層の4画素平均により、同様に生成される。
【0018】
同様に、平均化回路46は、図2(B)に示すような第2階層のブロツク内の4画素(例えばY11、Y13、Y31、Y33)を用いて、次式、
【数2】
による平均値演算を行い、図2(A)で示す第3階層の1画素(例えばZ11)を生成する。なお、画素Z15、Z51、……も第2階層の4画素平均により、同様に生成される。
【0019】
間引き回路42、45は、ブロツク化回路41からのブロツク化データD32及びブロツク化回路44からのブロツク化データD34をそれぞれ受信し、4画素で構成されるブロツク化データD32、D34のうち1画素を取り除き、各ブロツクにつき取り除かれた1画素を除く3画素で構成される間引きデータD36、D37を形成し、この間引きデータD36、D37をそれぞれ量子化回路47、48に送出する。すなわち、間引き回路42は、図2(C)の点線で示すような画素X11、X13、……を間引きにより削除し、間引き回路45は、図2(B)の点線で示すような画素Y11、Y15、……を間引きにより削除する。
【0020】
従つて、第1階層の量子化回路47及び第2階層の量子化回路48の量子化対象となる画素は、図2(C)及び図2(B)の実線で示される画素X12、X21、X22、……やY13、Y31、Y33……である。よつて、第1階層について見れば、第1階層の全ての画素を量子化して伝送する場合と比較して、伝送画素数を3/4 に低減できる。また、第2階層について見れば、平均演算より生成された第2階層の全ての画素を量子化して伝送する場合と比較して、伝送画素を3/4 に低減できる。
【0021】
また、全体的に見れば、画像信号符号化装置40においては、第1階層画像データD31のみを圧縮して伝送する場合と比較して、等しい伝送画素数で、複数階層の画像データを伝送することができるようになされている。この結果、画像信号符号化装置40は、伝送情報量を増加させずに、複数階層の画像データを伝送することができる。なお、間引き回路42、45において間引かれた画素は、後述する復号側(受信側)で簡単な算術式を用いて復元することができる。
【0022】
第1階層の量子化回路47は、第1階層間引きデータD36の各画素(例えば、16ビツト)を例えば1ビツトで再量子化することにより圧縮する。そして、この再量子化により得られた再量子化データD38を可変長符号化回路(VLC)50に送出する。第2階層の量子化回路48は、第2階層間引きデータD37の各画素(例えば、16ビツト)を例えば4ビツトで再量子化し、この再量子化により得られた再量子化データD39を可変長符号化回路51に送出する。また第3階層の量子化回路49は、第3階層画像データD35の各画素(例えば16ビツト)を例えば16ビツトで再量子化し、この再量子化により得られた再量子化データD40を可変長符号化回路52に送出する。
【0023】
このように、本発明の実施例における画像信号符号化装置40は、再量子化の際に上位階層データほど大きな量子化ビツト数を割り当てて量子化(すなわち上位階層データほど量子化幅を細かくする)し、上位階層データほど再量子化時の量子化誤差を小さくするようになされている。
【0024】
可変長符号化回路50〜52のそれぞれは、再量子化データD38〜D40に対して発生度数の大きい量子化コードほど短いハフマンコードを割り当て、各再量子化データD38〜D40を可能な限り少ない符号量で表現した第1階層符号化データD41、第2階層符号化データD42及び第3階層符号化データD43を形成する。そして、これら第1階層符号化データD41、第2階層符号化データD42及び第3階層符号化データD43を伝送フオーマツト変換回路53に送出する。
【0025】
伝送フオーマツト変換回路53は、第1階層符号化データD41、第2階層符号化データD42及び第3階層符号化データD43を所定の順序で配列したり、各階層符号化データの階層を識別するための識別コードを付加することにより、伝送画像データD44を形成して、この伝送画像データD44を出力する。出力された伝送画像データD44は、その後、通信路54を介して受信側に供給されるか、もしくは記録伝送路を介してデイスク、テープや半導体メモリなどの記録媒体55に記録される。
【0026】
このようにして形成された伝送画像データD44を復号する画像信号復号化装置60は、例えば図3に示すように構成することができる。この画像信号復号化装置60は、通信路54を介して供給されるか、もしくは再生伝送路を介して記録媒体55から再生される伝送画像データD44をデータ分流回路61に入力する。データ分流回路61は、図示しないスイツチング回路を有し、伝送画像データD44に含まれる各階層の識別コードを参照して伝送画像データD44を第1階層符号化データD50、第2階層符号化データD51及び第3階層符号化データD52に分流し、これら第1階層符号化データD50、第2階層符号化データD51及び第3階層符号化データD52をそれぞれ可変長復号化回路(IVLC)62、63、64に送出する。
【0027】
可変長復号化回路62、63、64は、それぞれ上述した図1に示された可変長符号化回路50、51、52と逆の処理を実行し、ハフマン符号によつて表現されている第1階層符号化データD50、第2階層符号化データD51及び第3階層符号化データD52を再量子化コードで表現された再量子化データD53、D54、D55にそれぞれ変換する。そして、これらの再量子化データD53、D54、D55をそれぞれ逆量子化回路65、66、67に送出する。
【0028】
逆量子化回路65は、上述した図1に示された量子化回路47によつて1画素当り1ビツトとされた再量子化データD53を例えば16ビツトのデータに逆量子化し、第1階層間引き復号データD56を生成する。そして、この第1階層間引き復号データD56を合成回路68及び画素生成回路69に送出する。逆量子化回路66は、上述した図1に示された量子化回路48によつて1画素当り4ビツトとされた再量子化データD54を例えば16ビツトのデータに逆量子化し、第2階層間引き復号データD57を生成する。そして、この第2階層間引き復号データD57を合成回路70及び画素生成回路71に送出する。
【0029】
逆量子化回路67は、上述した図1に示された量子化回路49によつて1画素当り16ビツトとされた再量子化データD55を例えば16ビツトのまま第3階層復号画像データD58として出力する。そして、この第3階層復号画像データD58を例えば出力端子を介して表示画素数の少ない低解像度のテレビジヨンモニタに送出すると共に画素生成回路71に送出する。
【0030】
画素生成回路71は、第3階層復号画像データD58と第2階層間引き復号データD57を用いて、上述した図1に示された画像信号符号化装置40の間引き回路45で間引かれた第2階層画素(すなわち図2(B)の点線で示す画素)を復元する。例えば間引きにより削除された第2階層の画素Y11は、次式、
【数3】
のような演算を行うことにより復元する。同様に、平均化によつて生成した上位階層画素と、上位階層画素の生成のために用いられ、かつ間引かれなかつた画素とを用いて全ての間引かれた画素を復元する。
【0031】
合成回路70は、このようにして生成された第2階層の復元画素データD59を第2階層間引き復号データD57中の所定の位置に挿入して合成することにより、第2階層復号画像データD60を形成する。そして、この第2階層復号画像データD60を例えば出力端子を介して表示画素数が中程度のテレビジヨンモニタに送出すると共に画素生成回路69に送出する。
【0032】
画素生成回路69は、第2階層復号画像データD60と第1階層間引き復号データD56を用いて、上述した図1に示された画像信号符号化装置40の間引き回路42で間引かれた第1階層画素(すなわち図2(C)の点線で示す画素)を復元する。例えば間引きにより削除された第1階層画素X11は、次式、
【数4】
のような演算を行うことにより復元する。同様に、平均化によつて生成した上位階層画素と、上位階層画素の生成のために用いられ、かつ間引かれなかつた画素とを用いて全ての間引かれた画素を復元する。
【0033】
合成回路68は、このようにして生成された第1階層の復元画素データD61を第1階層間引き復号データD56中の所定の位置に挿入して合成することにより、第1階層復号画像データD62を形成する。そして、この第1階層復号画像データD62を出力端子を介して例えば表示画素数が多いハイビジヨンテレビモニタに送出する。
【0034】
以上の構成において、画像信号符号化装置40は、下位階層の複数画素の平均値によつて上位階層画素を生成することにより、複数階層の画像データD31、D33、D35を生成する。
【0035】
これに加えて、画像信号符号化装置40は、最上位階層(すなわち第3階層)を除いた階層画像データについて、同じ平均演算に用いた画素のうちの1画素は復号側で簡単な算術演算によつて復元できるので伝送画素から除外する。この結果、画像信号符号化装置40においては、階層構造に起因する伝送画素数の増加を伴わない階層符号化処理を実現することができる。
【0036】
ところで、画像信号符号化装置40では、量子化回路47〜49によつて各階層画像データを再量子化することで各階層におけるデータ量を圧縮する。この結果、各再量子化データD38、D39、D40は必然的に再量子化時の量子化誤差を含む値となる。そしてこの量子化誤差が大きくなるほど、復号画像データD58、D60、D62は、真値と比較して誤差が大きくなり、画質が劣化することになる。
【0037】
そこで、画像信号符号化装置40及び画像信号復号化装置60における各階層での量子化誤差の影響について考える。ここで、各画素Z11、Y11、……の復号値をZ11′、Y11′、……とし、真値をZ11、Y11、……とし、量子化誤差をE(Z11)、E(Y11)……とすると、例えば逆量子化回路67によつて得られる第3階層の画素Z11の復号値Z11′は、次式、
【数5】
となる。また、逆量子化回路66によつて得られる第2階層の画素Y13、Y31、Y33の復号値Y13′、Y31′、Y33′は、次式、
【数6】
となる。
【0038】
ところが、画素生成回路71によつて復元される第2階層画素Y11は、(3)式に基づいて生成されるので、その復号値Y11′は、次式、
【数7】
となり、Z11についての量子化誤差が4倍となつて影響する。
【0039】
また、逆量子化回路65によつて得られる第1階層画素X12、X21、X22、X14、X23、X24の復号値X12′、X21′、X22′、X14′、X23′、X24′は、次式、
【数8】
となるが、画素生成回路69によつて復元される第1階層画素X13、X31、X33は、(4)式に基づいて生成されるので、その復号値X13′、X31′、X33′は、次式、
【数9】
となり、それぞれの復号値X13′、X31′、X33′に、空間的に対応する第2階層画素Y13、Y31、Y33、すなわち対応する上位階層画素についての量子化誤差が4倍となつて影響する。
【0040】
さらに、画素生成回路71を経て画素生成回路69によつて復元される第1階層画素X11においては、その復号値X11′は、次式、
【数10】
で示すように、復号値X11′に、第2階層画素Y13、Y31、Y33についての量子化誤差が4倍となつて影響するのに加えて、第3階層画素Z11についての量子化誤差が16倍となつて影響する。
【0041】
図4は、この各復号画素値Z11′、Y11′、Y13′、……に対する各量子化誤差E(Z11)、E(Y13)、E(Y31)、……の影響の大きさの様子を示している。図4を見れば明らかなように、上位階層での量子化誤差は下位階層での復号値に大きな影響を及ぼす。
【0042】
これを考慮して本発明においては、上位階層の量子化回路ほど細かい量子化を行うことにより上位階層の量子化誤差を小さくして、下位階層での画質劣化を低減し得るようになされている。具体的には、上述したように画像信号符号化装置40における量子化回路47、48、49の各量子化ビツトをそれぞれ1ビツト、4ビツト、16ビツトと選定することにより、上位階層ほど細かい量子化を行う。この場合の量子化ビツト数は、下位階層データを復号する際の復元画素値に与える上位階層における量子化誤差の影響の程度を考慮して選定する。
また、上位階層データの量子化誤差の下位階層データに対する影響度は、最下位階層からの階層段数及び上位階層データを生成するときに使用する画素数に関係してくる。したがつて、量子化ビツト数は、最下位階層からの階層段数及び上位階層データを生成するときに使用する画素数に応じて選定してもよい。
【0043】
この結果、例えば(10)式について考えると、量子化誤差E(Z11)の誤差の程度は、量子化誤差E(X12)、E(X21)、E(X22)と比べて1/16倍となり、また、量子化誤差E(Y13)、E(Y31)、E(Y33)の程度は、量子化誤差E(X12)、E(X21)、E(X22)と比べると1/4倍となることにより、復号時に量子化誤差E(Z11)の誤差を16倍したり、量子化誤差E(X12)、E(X21)、E(X22)を4倍しても、これから得られる誤差は、逆量子化回路65から直接得られる量子化誤差E(X12)、E(X21)、E(X22)と同程度となる。従つて、上位階層での量子化歪みに基づく下位階層画像の画質劣化を格段に低減し得る。
【0044】
なお、この実施例では、上位階層の量子化ビツト数を多くしているので、その分伝送情報量も増えるように見えるが、上位階層ほど画素数が少ないので量子化ビツト数を多くすることによる情報量の増加は、実際上問題とならない程度に抑えられている。
【0045】
さらに、上述の実施例においては、量子化回路47、48、49の量子化ビツト数をそれぞれ1ビツト、4ビツト、16ビツトに選定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、上位階層データの量子化誤差の下位階層データの影響度を考慮して、上位階層の量子化回路ほど量子化ビツト数を大きく(量子化幅を小さくして)細かい量子化を行うようにすれば良い。または、上述の実施例においては、各階層において、量子化ビツト数を決定する際に、最下位階層からの段数及び上位階層データを生成するときに使用する画素数に応じて、量子化ビツト数を決定するようにすればよい。
【0046】
以上の実施例の構成によれば、入力画像データD31から平均値演算によりそれぞれ解像度の異なる複数の階層画像データD31、D33、D35を生成し、これらの複数の階層画像データD31、D33、D35をそれぞれ量子化して複数の階層符号化データD41、D42、D43を生成する画像信号符号化装置40において、最上位階層を除く各階層の画素のうち隣接上位階層の画素及び自分の階層の画素を用いた算術演算によつて復元できる画素Y11、Y15、……、X11、X13、……を伝送しないようにすると共に、上位階層の量子化回路ほど細かい量子化を行うようにしたことにより、伝送画素情報を少なくできるため圧縮効率を向上し得、下位階層画素に対する上位階層画素の量子化誤差の影響を小さくできるため画質劣化を低減し得る。また、この場合、上位階層データの量子化誤差の下位階層データの影響度を考慮して上位階層の量子化回路ほど細かい量子化を行うことにより、画質劣化を低減できる。
【0047】
また上述した本発明の実施例から明らかなように、上位階層データの量子化誤差の下位階層データに対する影響度は、最下位階層からの階層の段数及び上位階層データを生成するときに使用する画素数に関係してくる。したがつて、上位階層の量子化ビツト数を決定する際に、最下位階層からの階層の段数及び上位階層データを生成するときに使用する画素数に応じて、最下位階層に影響する量子化誤差を最小限にするような量子化ビツト数もしくはそれ以上の量子化ビツト数に設定すれば、画質劣化を低減した画像符号化装置を提供することができる。
【0048】
(2)第1参考例
図5は、全体として第1参考例の画像信号符号化装置80を示している。上述の実施例と比較して、最上位階層を除いて階層間データの残差(差分)を圧縮符号化する点と量子化回路の量子化ビツト割り当てが異なる点を除いて、図1の画像信号符号化装置40と同様の構成を有する。したがつて、図1と対応する部分については同一符号を付す。
【0049】
すなわち、上述の実施例の画像信号符号化装置40が各画素をPCM(Pulse Code Modulation)の形式で伝送するようになされているのに対して、この第1参考例の画像信号符号化装置80は、各画素をDPCM(Differential Pulse Code Modulation)の形式で伝送するようになされている。これにより、画像信号符号化装置80は、上述の実施例と比較して、一段と伝送情報量を低減させることができる。
【0050】
具体的に説明すると、画像信号符号化装置80は、第3階層画像データD35及び第2階層ブロツク化データD34を差分回路81に供給する。差分回路81は、第3階層画像データD35と第2階層ブロツク化データD34との間で空間的に対応する画素同士の差分を演算し、第2階層差分データD70を形成し、この第2階層差分データD70を間引き回路82に送出する。このとき、差分回路81は、第2階層画素Y13、Y31、Y33の差分値ΔY13、ΔY31、ΔY33を、これらの画素に対応する上位階層画素Z11を用いて、次式、
【数11】
のようにして求める。
【0051】
画像信号符号化装置80は、同様にして第2階層ブロツク化データD34及び第1階層ブロツク化データD32を差分回路83に供給する。差分回路83は、第2階層ブロツク化データD34と第1階層ブロツク化データD32との間で空間的に対応する画素同士の差分を演算し、第1階層差分データD71を形成し、この第1階層差分データD71を間引き回路84に送出する。このとき、差分回路83は、第1階層画素X12、X21、X22の差分値ΔX12、ΔX21、ΔX22を、これらの画素に対応する上位階層画素Y11を用いて、次式、
【数12】
のようにして求める。
【0052】
間引き回路84、82のそれぞれは、上述した図1に示された間引き回路42、45と同様に、ブロツク化回路41からのブロツク化データD32及びブロツク化回路44からのブロツク化データD34をそれぞれ受信する。そして、4画素で構成されるブロツク化データD32、D34に対応して各ブロツクにつき4画素で構成されている第1階層及び第2階層差分データD71、D70の中からそれぞれ1画素を間引き、各ブロツクにつき取り除かれた1画素を除く残り3画素によつて構成される階層差分間引きデータD72、D73を形成し、この階層差分間引きデータD72、D73をそれぞれ量子化回路85、86に送出する。
【0053】
ここで第1階層の量子化回路85、第2階層の量子化回路86及び第3階層の量子化回路87は、後述する理由により、各画素の再量子化に割り当てる量子化ビツト数がそれぞれ、1ビツト、2ビツト及び4ビツトに選定されている。画像信号符号化装置80においては、各量子化回路85、86及び87としてこのような量子化特性を持たせることにより、復号側において特に下位階層画像の画質劣化を低減し得るようになされている。
【0054】
また、量子化回路85、86は、零付近ほど量子化ステツプ幅が小さく(細かく)なるように量子化特性が選定されている。これにより零付近にデータが集中する階層差分間引きデータD72、D73に対して量子化誤差の小さな再量子化を施すことができるようになされている。つまり、画像信号の階層間の画素には相関があるため、差分データは0になる可能性が高く、差分データが0近傍に集中するためである。
【0055】
量子化回路85、86、87により得られた再量子化データD74、D75、D76は可変長符号化回路(VLC)50、51、52によつてそれぞれ可変長符号化され、第1階層、第2階層及び第3階層符号化データD77、D78、D79として出力される。そしてこれらの第1階層、第2階層及び第3階層符号化データD77、D78、D79が続く伝送フオーマツト変換回路53に入力され、伝送フオーマツト変換回路53は伝送画像データD80を形成してそれを出力する。この出力された伝送画像データD80は、その後、通信路88を介して受信側に供給されるか、もしくは記録伝送路を介してデイスク、テープや半導体メモリなどの記録媒体89に記録される。
【0056】
図6は、画像信号符号化装置80により圧縮符号化された伝送画像データD80を復号する画像信号復号化装置90の構成を示している。画像信号復号化装置90において、図3に示された画像信号復号化装置60との対応部分に同一符号を付している。画像信号復号化装置90は、通信路88を介して供給されるか、もしくは再生伝送路を介して記録媒体89から再生される伝送画像データD80をデータ分流回路61に入力する。データ分流回路61は、伝送画像データD80を第1階層、第2階層及び第3階層符号化データD81、D82及びD83に分流し、これらの第1階層、第2階層及び第3階層符号化データD81、D82及びD83は、可変長復号化回路(IVLC)62、63及び64にそれぞれ供給される。可変長復号化回路(IVLC)62、63及び64のそれぞれは、第1階層、第2階層及び第3階層符号化データD81、D82及びD83をそれぞれ可変長復号し、再量子化データD84、D85、D86を形成し、これらの再量子化データD84、D85、D86を逆量子化回路91、92及び93にそれぞれ送出する。なお、可変長復号化回路(IVLC)62、63及び64は、図5で示された可変長符号化回路(VLC)50、51及び52にそれぞれ対応する逆処理を実行する。
【0057】
逆量子化回路91、92及び93は、1画素当り1ビツト、2ビツト及び4ビツトに再量子化されてなる再量子化データD84、D85及びD86を1画素当り16ビツトでなるデータにそれぞれ逆量子化し、第1階層及び第2階層の階層差分間引きデータD87及びD88並びに第3階層復号画像データD89をそれぞれ生成する。なお、逆量子化回路91、92及び93は、図5で示された量子化回路85、86及び87にそれぞれ対応する逆処理を実行する。
【0058】
第3階層復号画像データD89は、そのまま低解像度のテレビジヨンモニタ等に出力されると共に、加算回路94及び画素生成回路95に送出される。加算回路94は、次式、
【数13】
のような加算演算を行い、第2階層間引き復号データD90を算出する。
【0059】
画素生成回路95は、第2階層差分間引きデータD88と第3階層復号画像データD89とを用いて、図5で示された間引き回路82で間引かれた第2階層画素Y11を、次式、
【数14】
により求める。この(14)式は、上述した(3)式と比較すると、第3階層画素Z11の乗算係数が(3)式では「4」であつたのに対して、この式では「1」となつていることが分かる。このことは(14)式において、第2階層の画素値に対する第3階層の画素値の影響が(3)式と比べて小さいことを意味する。
【0060】
合成回路96は、第2階層間引き復号データD90と第2階層復元画素データD91とを合成して第2階層復号画像データD92を形成し、この第2階層復号画像データD92を出力端子を介してテレビジヨンモニタ等に出力すると共に、加算回路97及び画素生成回路98に送出する。加算回路97は、次式、
【数15】
のような加算演算を行い、第1階層間引き復号データD93を算出する。
【0061】
画素生成回路98は、第1階層差分間引きデータD87と第2階層復号画像データD92とを用いて、図5に示された間引き回路84で間引かれた第1階層画素X13、X31、X33を、次式、
【数16】
により求める。また、画素生成回路98は、間引かれた第1階層画素X11を、次式、
【数17】
により求める。
【0062】
合成回路99は、第1階層間引き復号データD93と第1階層復元画素データD94とを合成して、第1階層復号画像データD95を形成する。そして、この第1階層復号画像データD95を出力端子を介して、例えば高解像度のテレビジヨンモニタ等に出力する。
【0063】
次に、上述の実施例と同様に、この第1参考例の画像信号符号化装置80及び画像信号復号化装置90における各階層での量子化誤差の影響について考える。ここで、第1参考例における量子化回路87と逆量子化回路93、量子化回路86と逆量子化回路92、量子化回路85と逆量子化回路91で設定されている量子化ビツト数が、上述の実施例と異なるため、量子化誤差について同じように説明することは実際上できないが、以下の説明では上述の実施例及び第1参考例の量子化ビツト数が階層毎に同じものとして考える。
【0064】
逆量子化回路93によつて得られる第3階層の画素Z11の復号値Z11′は、(5)式と同じとなる。また加算回路94によつて得られる第2階層の画素Y13、Y31、Y33の復号値Y13′、Y31′、Y33′は、次式、
【数18】
で示す値となる。
【0065】
また、画素生成回路95によつて復元される第2階層画素Y11は、(14)式に基づいて生成されるので、その復号値Y11′は、次式、
【数19】
で示す値となる。この(19)式を上述した(7)式と比較すると、第3階層画素Z11の量子化誤差E(Z11)の乗算係数が(7)式では「4」であつたのに対して、「1」となつていることが分かる。このことは、この参考例の符号化復号化によれば、第3階層画素の量子化誤差が第2階層画素の復号に与える影響を1/4程度に低減させることができることを意味する。つまり、上述の実施例では、例えば、(6)、(7)式から明らかなように、第3階層の画素Z11の量子化誤差は、第2階層の復号画素値Y11′のみに反映されており、第2階層の復号画素値Y13′、Y31′、Y33′には反映されていない。しかしながら、第2の実施例では、(18)、(19)式から明らかなように、階層間の差分を演算しているために、第3階層の画素Z11の量子化誤差は、第2階層の復号画素値Y11′、Y13′、Y31′、Y33′のすべてに反映されることになる。したがつて、第3階層画素の量子化誤差が第2階層画素の復号に与える影響を低減させることができる。
【0066】
また差分回路97によつて得られる第1階層画素X12、X21、X22、X32、X41、X42の復号値X12′、X21′、X22′、X32′、X41′、X42′は、次式、
【数20】
で示される値となり、画素生成回路98によつて復元される第1階層画素X31の復号値X31′は、次式、
【数21】
で示される値となる。
【0067】
さらに画素生成回路95を経て画素生成回路98によつて復元される第1階層画素X11の復号値X11′は、次式、
【数22】
で示される値となり、Z11についての量子化誤差が等倍となつて影響し、Y13、Y31、Y33についての量子化誤差も等倍となつて影響する。しかしながらこの(22)式と(10)式を比較すれば明らかなように、Z11、Y13、Y31、Y33の量子化誤差が復号値X11′に与える影響は上述の実施例の場合よりも格段に低減されている。つまり、上述の実施例では、例えば、(9)、(10)式から明らかなように、第3階層の画素Z11の量子化誤差及び第2階層の画素Y13、Y31、Y33の量子化誤差は、第1階層の復号画素値X11′のみに反映されており、第1階層の復号画素X12′、X21′、X22′には反映されていない。
しかしながら、第2の実施例では、(20)、(21)式から明らかなように、階層間の差分を演算しているために、第3階層の画素Z11の量子化誤差及び第2階層の画素Y13、Y31、Y33の量子化誤差は、第1階層の復号画素X11′、X12′、X21′、Y22′に反映されることになる。したがつて、第3階層画素の量子化誤差及び第2階層画素の量子化誤差が第1階層画素の復号に与える影響を低減させることができる。
【0068】
この第1参考例の画像信号符号化装置80においては、上述の実施例において各量子化回路47、48、49にそれぞれ1ビツト、4ビツト、16ビツトの量子化ビツトを持たせたのに対し、各量子化回路85、86、87にそれぞれ1ビツト、2ビツト、4ビツトの量子化ビツトを持たせれば上位階層での量子化誤差に基づく下位階層での画質劣化を十分に抑制することができる。つまり、量子化ビツト数は、下位階層に与える量子化誤差の影響度によつて決定されている。また、量子化ビツト数は、最下位階層からの階層段数及び上位階層画素を生成するために使用される画数に応じて決定されてもよい。この結果、画像信号符号化装置80においては、一段と少ない伝送情報量で高画質の復元画像を得ることができる。
【0069】
以上の第1参考例の構成によれば、入力画像データD31から平均値演算により得た複数の階層画像データの各階層データと隣接上位階層データとの階層差分データを生成し、最上位階層データD35と複数の階層差分データD72、D73をそれぞれ量子化して複数の階層符号化データを生成する画像信号符号化装置80において、最上位階層を除く各階層の画素のうち隣接下位階層の画素及び自分の階層の画素を用いた算術演算によつて復元できる差分画素データΔY11、ΔY15、……、ΔX11、ΔX13……を伝送しないようにするとともに、上位階層の量子化回路ほど細かい量子化を行うようにしたことにより、画質劣化を抑制した状態で一段と伝送情報量を削減できる。また、この場合、上位階層データの量子化誤差の下位階層データの影響度を考慮して、上位階層の量子化回路ほど、細かい量子化を行うことにより、画質劣化を低減できる。
また上述した本発明の第1参考例から明らかなように、上位階層データの量子化誤差の下位階層データに対する影響度は、最下位階層からの階層の段数及び上位階層データを生成するときに使用する画素数に関係してくる。したがつて、上位階層の量子化ビツト数を決定する際に、最下位階層からの階層の段数及び上位階層データを生成するときに使用する画素数に応じて、最下位階層に影響する量子化誤差を最小限にするような量子化ビツト数もしくはそれ以上の量子化ビツト数に設定すれば、画質劣化を低減した画像符号化装置を提供することができる。
また、以上の第1参考例から明らかなように、階層間の差分データを得ることにより、復号時に間引かれた画素にだけ上位階層画素の量子化誤差を反映させるのではなく、間引きデータを復号するために使用される伝送画素にも上位階層画素の量子化誤差を反映させるようにすれば、さらに、画質劣化を低減した画像符号化装置を提供することができる。
【0070】
(3)第2参考例
図7は、全体として第2参考例の画像信号符号化装置100を示している。この画像信号符号化装置100は、第1参考例と比較して、適応予測回路101及び102を設けたことを除いて第1参考例の画像信号符号化装置80と同様の構成を有する。したがつて、図5と対応部分に同一符号を付して示してしている。
【0071】
適応予測回路101は、第3階層画像データD35に基づいて所定の予測処理を行い、第2階層画像データD34に対応する第2階層予測データD100を生成する。そして、この第2階層予測データD100を差分回路81に送出する。同様に、適応予測回路102は、第2階層画像データD34に基づいて所定の予測処理を行い、第1階層画像データD32に対応する第1階層予測データD101を生成する。そして、この第1階層予測データD101を差分回路83に送出する。
【0072】
実際上、適応予測回路101及び102は、クラス分類適応処理を適用して、複数の上位階層画素から下位階層の1画素を予測する。具体的には、予測しようとする下位階層の画素をその空間的に近傍の複数の上位階層画素のレベル分布に基づいてクラス分類する。また、適応予測回路101及び102は、予め学習によつて獲得された、クラス毎に複数の予測係数あるいは1個の予測値を格納したメモリ(図示せず)を有し、上記クラス分類で決定されたクラスに対応した複数の予測係数あるいは1個の予測値をメモリから読み出す。予測値の場合は、その予測値がそのまま予測画素として使用され、予測係数の場合は、複数の予測係数と複数の画素との線形一次結合により予測値を生成する。また、予測値は正規化されている場合は、この予測値に所定の処理を施して予測画素を生成する。このようなクラス分類適応処理の詳細は、例えば特願平4-155719号に開示されている。また、このようなクラス分類適応処理のアルゴリズムは、すでに知られている。また、第2参考例における適応予測回路において、クラス分類適応処理のアルゴリズムを用いているが、本発明はこれに限らず、現在知られている他の予測方法を用いてもよい。
【0073】
画像信号符号化装置100により圧縮符号化された伝送画像データD80′を復号する画像信号復号化装置90′の構成を図8に示す。この画像信号復号化装置90′は、第1参考例の画像信号復号化装置90と比較して、適応予測回路101′及び102′を設けたことを除いて第1参考例の画像信号復号化装置90と同様の構成を有する。したがつて図6との対応部分に同一符号を付して示している。
【0074】
この第2参考例による画像信号復号化装置90′において、第3階層復号データD89′を入力する第1の適応予測回路101′は、図7に示した適応予測回路101に対応するクラス分類適応処理を第3階層復号データD89′に基づいて実行し、この結果得られる第2階層予測データD100′を画素生成回路95に送出する。画素生成回路95は、第2階層の逆量子化回路92から出力される第2階層差分間引きデータD88′と第2階層予測データD100′とを用いて、図7で示された間引き回路82で間引かれた第2階層画素を生成する。また、第3階層復号データD89′に基づいて第1の適応予測回路101′によつて得られた第2階層予測データD100′は、第2階層の逆量子化回路92から出力される第2階層差分間引きデータD88′に加算される。この加算により得られる第2階層間引き復号データD90′は、画素生成回路95によつて生成された第2階層画素D91′と合成され、第2階層復号画像データD92′となる。
【0075】
また、第2階層復号データD92′を入力する第2の適応予測回路102′は、図7に示した適用予測回路102に対応するクラス分類適応処理を第2階層復号データD92′に基づいて実行し、この結果得られる第1階層予測データD101′を画素生成回路98に送出する。画素生成回路98は、第1階層の逆量子化回路91から出力される第1階層差分間引きデータD87′と第1階層予測データD101′とを用いて、図7で示された間引き回路84で間引かれた第1階層画素を生成する。また、第2階層復号データD92′に基づいて第2の適応予測回路102′によつて得られた第1階層予測データD101′は、第1階層の逆量子化回路91から出力される第1階層差分間引きデータD87′に加算される。この加算により得られる第1階層間引き復号データD93′は、画素生成回路98によつて生成された第1階層画素D94′と合成され、第1階層復号画像データD95′となる。
【0076】
以上の第2参考例の構成によれば、画像信号符号化装置100の差分回路83及び81から得られる第1階層差分データD71′及び第2階層差分データD70′の残差を一段と小さくできるので、伝送情報量を一段と低減し得る画像信号符号化装置100を実現できる。
【0077】
(4)他の実施例
なお、上述の実施例においては、3階層分の階層画像データD31、D34、D35を生成し、これを圧縮符号化して伝送する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、順次平均値演算を繰り返すことにより4階層や5階層分の階層画像データを生成し、これを量子化によつて圧縮符号化して伝送する場合にも適用し得る。
また、上述の実施例においては、下位階層の4画素を用いた平均値演算によつて上位階層の1画素を生成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば下位階層の6画素もしくはそれ以上の画素を用いた平均値演算によつて上位階層の1画素を生成するようにして階層画像データを生成するようにしても良い。
【0078】
また、上述した実施例においては、量子化器をすべて線形量子化器として記載したが、本発明はこれに限らず、非線型量子化や適応量子化、さらには、ダイナミツクレンジに応じた適用量子化などを適用してもよい。
さらに、本発明の実施例は、ブロツク図を用いて示したハードウエアによつて実現しているが、本発明はこれに限らず、CPUやメモリなどを用いてソフトウエアで実現することも可能である。
【0079】
さらに上述の実施例においては、量子化回路47、48、49の量子化ビツト数をそれぞれ1ビツト、4ビツト、16ビツトに選定すると共に、上述の第2実施例においては、量子化回路85、86、87の量子化ビツト数をそれぞれ1ビツト、2ビツト、4ビツトに選定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は上位階層の量子化回路ほど量子化幅を小さくして細かい量子化を行うようにすれば良い。
なお、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、さまざまな変形や応用例が考え得る。したがつて、本発明の要旨は、実施例に限定されるものではない。
【0080】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、解像度の最も低い最上位階層を除く各階層画像データについて、隣接上位階層の画素データ及び自分の階層の画素データを用いた算術演算によつて復元可能な画素を伝送対象から除外すると共に、上位階層のデータほど量子化ビツト数を大きく(量子化幅を小さくして)細かい量子化を行うようにしたことにより、圧縮効率が向上しかつ画質劣化が低減した階層符号化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例による画像信号符号化装置の構成を示すブロツク図である。
【図2】 階層化及び伝送画素の説明に供する略線図である。
【図3】 本実施例による画像信号復号化装置の構成を示すブロツク図である。
【図4】 各階層における量子化誤差が各階層の復元画素に与える影響を表わす略線図である。
【図5】 第1参考例による画像信号符号化装置の構成を示すブロツク図である。
【図6】 第1参考例による画像信号復号化装置の構成を示すブロツク図である。
【図7】 第2参考例による画像信号符号化装置の構成を示すブロツク図である。
【図8】 第2参考例による画像信号復号化装置の構成を示すブロツク図である。
【図9】 従来の画像信号符号化装置の構成を示すブロツク図である。
【図10】 従来の階層符号化データを復号する画像信号復号化装置の構成を示すブロツク図である。
【符号の説明】
40、80、100……画像信号符号化装置、43、46……平均化回路、42、45、82、84……間引き回路、47〜49、85〜87……量子化回路、60、90、90′……画像信号復号化装置、101、102、101′、102′……適応予測回路、D31……入力画像データ、D33……第2階層画像データ、D35……第3階層画像データ、D41、D77、D77′……第1階層符号化データ、D42、D78、D78′……第2階層符号化データ、D43、D79、D79′……第3階層符号化データ、D44、D80、D80′……伝送画像データ、D58、D89、D89′……第3階層復号画像データ、D60、D92、D92′……第2階層復号画像データ、D62、D95、D95′……第1階層復号画像データ、D70、D70′……第2階層差分データ、D71、D71′……第1階層差分データ、D100、D100′……第2階層予測データ、D101、D101′……第1階層予測データ、Z……第3階層画素、Y……第2階層画素、X……第1階層画素。
Claims (6)
- 入力画像データから解像度の異なる複数の階層画像データを生成し、各階層画像データを符号化する画像信号符号化方法において、
各階層画像データの複数の画素値を平均演算し、上位階層画像データを生成するステツプと、
解像度の最も低い最上位階層を除く各階層画像データについて、上位階層の1画素を生成するために同じ平均値演算に用いた複数の下位階層画素のうちの1画素分の画素データを間引き、残りの画素で形成される間引きデータを形成するステツプと、
上記最上位階層画像データ及び上記最上位階層を除く各階層の間引きデータをそれぞれ量子化によつて圧縮符号化し、複数の階層符号化データを生成する量子化ステツプと
からなり、
上記量子化ステツプでは、上位階層のデータほど細かく量子化するようになされている
ことを特徴とする画像信号符号化方法。 - 入力画像データから解像度の異なる複数の階層画像データを生成し、各階層画像データを符号化する画像信号符号化装置において、
各階層画像データの複数の画素値を平均演算し、上位階層画像データを生成する画像データ生成手段と、
解像度の最も低い最上位階層を除く各階層画像データについて、上位階層の1画素を生成するために同じ平均値演算に用いた複数の下位階層画素のうちの1画素分の画素データを間引き、残りの画素で形成される間引きデータを形成する間引きデータ形成手段と、
上記最上位階層画像データ及び上記最上位階層を除く各階層の間引きデータをそれぞれ量子化によつて圧縮符号化し、複数の階層符号化データを生成する量子化手段と
からなり、
上記量子化手段では、上位階層のデータほど細かく量子化するようになされている
ことを特徴とする画像信号符号化装置。 - 請求項2において、
上記量子化手段では、上位階層の生成に使用される画素数と、該上位階層における最下位層からの段数とを基準として、上位階層のデータほど細かく量子化される量子化ビツト数が設定される
ことを特徴とする画像信号符号化装置。 - 入力画像データから解像度の異なる複数の階層画像データを生成し、各階層画像データを符号化し、その符号化されたデータを伝送する画像信号伝送方法において、
各階層画像データの複数の画素値を平均演算し、上位階層画像データを生成するステツプと、
解像度の最も低い最上位階層を除く各階層画像データについて、上位階層の1画素を生成するために同じ平均値演算に用いた複数の下位階層画素のうちの1画素分の画素データを間引き、残りの画素で形成される間引きデータを形成するステツプと、
上記最上位階層画像データ及び上記最上位階層を除く各階層の間引きデータをそれぞれ量子化によつて圧縮符号化し、伝送画像データを生成する量子化ステツプと、
上記伝送画像データを伝送するステツプと
からなり、
上記量子化ステツプは、上位階層のデータほど細かく量子化するようになされている
ことを特徴とする画像信号伝送方法。 - 請求項4おいて、
上記量子化ステツプでは、上位階層の生成に使用される画素数と、該上位階層における 最下位層からの段数とを基準として、上位階層のデータほど細かく量子化される量子化ビツト数が設定される
ことを特徴とする画像信号伝送方法。 - 入力画像データから解像度の異なる複数の階層画像データを生成し、各階層画像データを符号化する画像信号符号化装置において、
各階層画像データの複数の画素値を平均演算し、上位階層画像データを生成する画像データ生成手段と、
解像度の最も低い最上位階層を除く各階層画像に関するデータについて、各階層に関するデータ及び該隣接上位階層画像に関するデータを用いた演算によつて復元できる範囲で、上記各階層に関するデータを間引き、残りの画素に関するデータで形成される間引きデータを形成する間引きデータ形成手段と、
上記最上位階層画像に関するデータ及び上記最上位階層を除く各階層に関する間引きデータをそれぞれ量子化によつて圧縮符号化し、複数の階層符号化データを生成する量子化手段と、
からなり、
上記量子化手段では、上位階層に関するデータほど細かく量子化するようになされている
ことを特徴とする画像信号符号化装置。
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