JP3877020B2 - 不快グレア評価システムおよび照明器具 - Google Patents
不快グレア評価システムおよび照明器具 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3877020B2 JP3877020B2 JP30082397A JP30082397A JP3877020B2 JP 3877020 B2 JP3877020 B2 JP 3877020B2 JP 30082397 A JP30082397 A JP 30082397A JP 30082397 A JP30082397 A JP 30082397A JP 3877020 B2 JP3877020 B2 JP 3877020B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- light
- glare
- fixture
- vertical angle
- intensity
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Non-Portable Lighting Devices Or Systems Thereof (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、不快グレア評価システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
(社)照明学会 照明学会・技術基準JIEC-001:オフィス照明基準(1992)(文献)によると、例えば、オフィス照明基準では、執務者に照明器具によるグレアを与えないように、例えば、蛍光灯照明器具の鉛直角φ60゜〜90゜の輝度を図9または図10に示す値以下にするグレア規制を決めている。
【0003】
グレア規制では2つの分類を設けて、これを照明器具のグレア分類と称している。1つは視覚特性から照明器具の輝度を制限するもので、これを照明器具のG分類と規定している(図9参照)。もう1つはVDT画面の反射グレア防止のために照明器具の輝度を制限するもので、これを照明器具のV分類と規定している(図10参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、オフィス照明基準のグレア分類に準じて設計された照明器具において、器具の鉛直角φが60゜以下で不快グレアを感じることがしばしばある。
【0005】
本発明は、全ての鉛直角φ(0〜90゜)の配光について、不快グレアの有無が判断できる不快グレア評価システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を達成するための手段】
照明器具の配光曲線に基づいて、この器具の発光面からの法線方向と視点への方向がなす角を規定する鉛直角φ毎に、放射される光の光度Iを求め、視点から照明器具までの高さ H 、視点から照明器具までの水平距離 R 、照明器具に配設された光源の管軸方向の変位Tの各パラメータで示されるH / RとT / Rとの関係から求められる Guth の位置指数p、背景輝度Lb、光源の輝度 L 、および光源の立体角ωによって次の式1によって表される不快グレア指数UGRの任意の定数および次の式2で示されるGuthの位置指数pに対して照明器具の発光面面積A、鉛直角φ、発光面高から視点高の距離Hおよび背景輝度Lbを規定することによって、次の式3から理想光度Iを求めるとともに、直管光源の長手方向に直交する方向に対する鉛直角φ毎に、光度Iと理想光度Iとを比較して、鉛直角φに任意の UGR を超える光度 I があるかどうかを判断するグレア検知手段を具備していることを特徴とする不快グレア評価システム。
【数4】
【数5】
【数6】
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態について、図1ないし図8を参照して説明する。
【0010】
まず、CIE Pub.117:DISCOMFORT GLARE ININTERIOR LIGHTING(1995)によると、CIEは、不快グレアを評価する手法としてUGRを推奨している。
【0011】
本実施の形態では、照明器具の配光特性とUGRとの関係を調べ、不快グレアの評価システムを構築している。
【0012】
まず、照明器具の配光特性とUGRとの関係について説明する。例えば屋内で使用される照明器具は、用途によって、逆富士型、下面開放型、バッフル付きおよびルーバー付き等がある。これらの照明器具は、それぞれに異なった配光特性を有しており、この配光特性がUGRの値を決定している。
【0013】
照明器具の配光特性を示す配光曲線は、図1に示すように、器具からどのように光が放射されているかを示すものであり、この器具の発光面からの法線方向と視点への方向がなす角を規定する鉛直角φ[゜]毎に、放射される光の光度I[cd/1000 lm]で表される。
【0014】
ここでは、器具の不快グレアの特性を調べるために、鉛直角φ毎のUGRを求める。UGRの計算条件として、図2に示すように、器具は天井に配設され、観測者の視点は、器具に配設される例えば、直管形蛍光ランプの管軸に対し、垂直方向のライン上に位置させている。また、視点の位置を固定して器具を天井面に沿って移動させるか、または、照明器具を固定して視点を水平に移動する等して、視点および器具を相対的に移動させて鉛直角φを変化させることとした。
【0015】
まず、UGRは、背景輝度Lb[cd/m2]、光源である例えば器具の輝度L[cd/m2]、光源である器具の立体角ω[sr]および図3で規定されているGuthの位置指数p(position index)によって、下記式2で表される。なお、pは、図3で規定されているように、パラメータH/RおよびT/Rでマトリクス配置されている。ここで、Hは、図2における光源である器具までの高さ、Rは、同じく視点から器具までの水平距離、またTは、器具に配設された光源の管軸方向の変位を示している。
【0016】
【数5】
鉛直角φが変化すると式1のパラメータL、ωおよびpがそれぞれ変化する。そして、L、ωおよびpは、次の式3で与えられる。なお、本実施の形態の位置指数pにおいては、観測者と光源である照明器具との位置関係は、照明器具が天井に取り付けられているとき、観測者は、照明器具の管軸に対して垂直方向のライン上に位置したときの式である。
【0017】
【数6】
式3のそれぞれを式2に代入すると、UGRは、式4のように表される
【数7】
なお、UGR値とグレアの不快感覚との関係は、例えば図4に示すように規定されているものがある。この感覚とUGR値は、器具の設置場所や使用目的等によって、いろいろ作成できるものである。
【0018】
次に、現行の照明器具である例えば、東芝ライテック株式会社製型番FHR42833の配光曲線と不快グレアを制限した配光特性を計算した。式1から光度Iを求めるに際し、次のようにパラメータを設定した。すなわち、器具の発光面面積A=0.37[m2]、全光束=9000[lm]、UGR=16、H=1.4[m]、Lb=20[cd/m2](背景輝度Lbは、実際の事務所等では、20〜120[cd/m2]程度である。ここでは、LXにより間接鉛直面照度Eiを求め、Ei/πにより算出している。)
本発明の実施の形態である不快グレア評価システムにおいて、器具光度抽出手段では、現行の照明器具の配光曲線に基づいて、この器具の発光面からの法線方向と視点への方向がなす角を規定する鉛直角φ毎に、放射される光の光度Iを求めた。次に、理想光度抽出手段では、任意の定数の不快グレア指数UGR、Guthの位置指数p、照明器具の発光面面積A、鉛直角φ、発光面高から視点高の距離Hおよび背景輝度Lbを規定することによって、次の式1から理想光度Iを求めた。
【0019】
【数8】
そして、グレア検知手段では、鉛直角φ毎に、光度Iおよび理想光度Iを比較して不快グレアの有無を判断した。本実施の形態では、現行照明器具の光度が理想光度を超えている鉛直角φに不快グレアがあると判断するものである。
【0020】
図5は、現行の照明器具の配光曲線と不快グレア指数 UGR が16のときの理想配光曲線を示す。これによると、鉛直角φ30゜付近で現行の器具の配光特性の光度が理想光度を超えており、鉛直角φに不快グレアがあると判断することとしている。
【0021】
この結果、鉛直角φ30゜付近で現行の器具の光度を抑えるべきであることが分かる。そして、図5の結果から鉛直角φ30゜〜40゜の光度値を抑えて計算し、現行の照明器具の配光曲線と不快グレアを制限する、変更された理想配光曲線を図6に示す。この結果、現行器具の配光曲線が、理想配光より低く抑えられていることが確認できる。
【0022】
また、図7は、発光面面積Aを修正(0.37から0.60 m2)して得た、現行の照明器具の配光曲線と不快グレアを制限する理想配光曲線である。
【0023】
さらにまた、図8は、光源の全光束を修正(9000から7000 lm)して得た、現行の照明器具の配光曲線と不快グレアを制限する理想配光曲線である。
【0024】
ともに、現行の照明器具の配光曲線は、不快グレア指数が16のときの理想配光のものより低い値に抑えられており、全鉛直角において、不快グレアが所定のレベル以下にすることができる。
【0025】
したがって、本発明の一実施の形態を用いて構成された照明器具は、照明器具の配光曲線に基づいてこの器具の発光面からの法線方向と視点への方向がなす角を規定する鉛直角φ毎に、放射される光の光度Iが、全ての鉛直角φにおいて、不快グレア指数UGRを16とし、Guthの位置指数p、照明器具の発光面面積A、鉛直角φ、発光面高から視点高の距離Hおよび背景輝度Lbを規定することによって、上記式1から求められた理想光度I以下になるように構成されているものである。
【0026】
【発明の効果】
請求項1の発明では、現行照明器具の光度と理想光度とを比較して鉛直角φに不快グレアがあるかどうか判断できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す現行照明器具の配光曲線図。
【図2】同じく、視点および照明器具の位置関係図。
【図3】位置指数p(position index)を示すパラメータH/RおよびT/Rのマトリクス表。
【図4】、UGR値(グレアインデックス)と不快グレアの感覚(感覚的なグレアの程度)との関係を示す図。
【図5】現行の照明器具の配光曲線と不快グレアを制限する理想配光曲線を示す図。
【図6】現行の照明器具の配光曲線と不快グレアを制限する、変更された理想配光曲線を示す図。
【図7】発光面面積Aを修正して得た、現行の照明器具の配光曲線と不快グレアを制限する理想配光曲線を示す図。
【図8】光源の全光束Φを修正して得た、現行の照明器具の配光曲線と不快グレアを制限する理想配光曲線を示す図。
【図9】視覚特性から照明器具の輝度を制限した照明器具のG分類表。
【図10】VDT画面の反射グレア防止のために照明器具の輝度を制限した照明器具のV分類表。
【符号の説明】
1…照明器具
2…視点
Claims (1)
- 照明器具の配光曲線に基づいて、この器具の発光面からの法線方向と視点への方向がなす角を規定する鉛直角φ毎に、放射される光の光度Iを求め、視点から照明器具までの高さ H 、視点から照明器具までの水平距離 R 、照明器具に配設された光源の管軸方向の変位Tの各パラメータで示されるH / RとT / Rとの関係から求められる Guth の位置指数p、背景輝度Lb、光源の輝度 L 、および光源の立体角ωによって次の式1によって表される不快グレア指数UGRの任意の定数および次の式2で示されるGuthの位置指数pに対して照明器具の発光面面積A、鉛直角φ、発光面高から視点高の距離Hおよび背景輝度Lbを規定することによって、次の式3から理想光度Iを求めるとともに、直管光源の長手方向に直交する方向に対する鉛直角φ毎に、光度Iと理想光度Iとを比較して、鉛直角φに任意の UGR を超える光度 I があるかどうかを判断するグレア検知手段を具備していることを特徴とする不快グレア評価システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30082397A JP3877020B2 (ja) | 1997-10-31 | 1997-10-31 | 不快グレア評価システムおよび照明器具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30082397A JP3877020B2 (ja) | 1997-10-31 | 1997-10-31 | 不快グレア評価システムおよび照明器具 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11134905A JPH11134905A (ja) | 1999-05-21 |
JP3877020B2 true JP3877020B2 (ja) | 2007-02-07 |
Family
ID=17889543
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30082397A Expired - Lifetime JP3877020B2 (ja) | 1997-10-31 | 1997-10-31 | 不快グレア評価システムおよび照明器具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3877020B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ES2864219T3 (es) * | 2011-12-23 | 2021-10-13 | Signify Holding Bv | Luminaria de exteriores |
JP5774565B2 (ja) * | 2012-09-14 | 2015-09-09 | 株式会社東芝 | 照明器具評価方法、照明器具評価装置および照明器具評価システム |
JP2014175207A (ja) | 2013-03-11 | 2014-09-22 | Ricoh Co Ltd | 直管形ledランプ及び照明装置 |
JP6443089B2 (ja) * | 2015-01-30 | 2018-12-26 | 岩崎電気株式会社 | 屋外グレア評価装置、屋外グレア評価方法及び屋外グレア評価プログラム |
-
1997
- 1997-10-31 JP JP30082397A patent/JP3877020B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11134905A (ja) | 1999-05-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100367935B1 (ko) | 옥내조명기구 | |
US4390930A (en) | Indirect lighting fixture with improved light control | |
US6709131B1 (en) | Luminaire having a mock light source for improved source brightness control and method | |
US3591798A (en) | Lighting fixture | |
US7594736B1 (en) | Fluorescent lighting fixtures with light transmissive windows aimed to provide controlled illumination above the mounted lighting fixture | |
JP3877020B2 (ja) | 不快グレア評価システムおよび照明器具 | |
US6783262B2 (en) | Light fixture, reflector housing, and facility that includes a plurality of light fixtures | |
JP2944915B2 (ja) | 屋内照明器具 | |
JP4547736B2 (ja) | 照明方法および照明器具 | |
EP2644968A1 (en) | Method for designing indoor lighting | |
JP3580339B2 (ja) | 不快グレア評価装置 | |
JP4135339B2 (ja) | 居室空間の照明方法及び照明装置 | |
JP2006019095A (ja) | 照明システム、および照明調整方法 | |
JP2007059356A (ja) | トンネルの照明方法及び照明器具 | |
JP2007087798A (ja) | 照明器具及び防犯灯 | |
CN220792856U (zh) | 用于中角度出光的防眩光地埋灯具 | |
JP2018006020A (ja) | 屋外照明方法、及び屋外照明器具 | |
JPH07201212A (ja) | 照明器具 | |
JP4006922B2 (ja) | 壁付け照明器具 | |
JP2007073461A (ja) | 高輝度放電ランプまたは反射鏡付高輝度放電ランプ | |
JP5877326B2 (ja) | 照明システム | |
JPH0130724Y2 (ja) | ||
JP4337384B2 (ja) | 照明器具 | |
JPH10112209A (ja) | 照明器具 | |
JP2019169478A (ja) | 屋外用照明器具 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060703 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060720 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060919 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20061012 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20061025 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091110 Year of fee payment: 3 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091110 Year of fee payment: 3 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091110 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101110 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101110 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111110 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121110 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131110 Year of fee payment: 7 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |