JP3876625B2 - 内燃機関空燃比制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の空燃比検出手段の検出値に基づいて、内燃機関の吸入空気に対する燃料供給量を補正調整することで、空燃比を目標空燃比に制御すると共に排気浄化触媒の酸素貯蔵量を目標酸素貯蔵量に制御する内燃機関空燃比制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
排気中の有害成分であるHC、CO、NOxを三元触媒(以下単に「触媒」という)により同時に浄化するには、触媒の雰囲気を理論空燃比にしなければならない。このため触媒の雰囲気が理論空燃比の酸素濃度状態となるように、不足する酸素を吸収したり過剰な酸素を脱離する、いわゆる酸素ストレージ能力を触媒に持たせている。この結果、例えば酸素を貯蔵(吸収)していない状態の触媒に対して、理論空燃比よりも燃料濃度が希薄な空燃比(以下「リーン」と称する)による排気を与えると、過剰分の酸素が迅速に触媒内に吸収されるため、触媒の酸素貯蔵量が飽和するまでは触媒雰囲気を理論空燃比に維持できる。この逆に、酸素を貯蔵した状態の触媒に対して、理論空燃比よりも燃料濃度が濃厚な空燃比(以下「リッチ」と称する)による排気を与えると、触媒内の酸素が迅速に脱離して、雰囲気中に不足していた酸素が補われる。そのため触媒に貯蔵されていた酸素が全て脱離するまでは触媒雰囲気を理論空燃比に維持できる。
【0003】
このように触媒が酸素ストレージ能力を持っているため、一時的な空燃比のずれから生じる酸素の過不足を触媒が補って触媒雰囲気を理論空燃比に保つことができる。このため触媒の酸素貯蔵量が飽和量に達したり、逆に触媒が酸素を貯蔵していない状態となったりしてしまうと、HC、CO、NOxを十分に浄化できなくなり、排気エミッションが悪化するおそれがある。
【0004】
そこで酸素ストレージ能力を十分に利用して排気エミッションの悪化を防止するため、空燃比を理論空燃比にフィードバック制御すると共に、触媒へ流入する過不足酸素量を計算し、この値を積算することで触媒酸素貯蔵量を求め、この触媒酸素貯蔵量が、酸素貯蔵量目標値と一致するように空燃比を制御する技術が提案されている(特開平8−165945号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、燃料噴射弁から噴射された燃料が燃焼室内にて燃焼されて排気として空燃比センサに到達したことにより初めて空燃比が判明する。上述した従来技術では、触媒酸素貯蔵量を酸素貯蔵量目標値と一致するように空燃比を制御する際に、このような燃料噴射から空燃比検出までの検出遅れを考慮していない。このため加減速時等において空燃比が急激に変動した場合には、実際の触媒酸素貯蔵量と計算上の触媒酸素貯蔵量との間の誤差が大きくなる傾向にある。
【0006】
このような比較的大きい誤差が計算上の触媒酸素貯蔵量に生じると、実際の触媒酸素貯蔵量が酸素貯蔵量目標値から次第に離れて、触媒の酸素貯蔵量が飽和量に達したり、逆に触媒が酸素を貯蔵していない状態となるおそれが生じる。
【0007】
このような検出遅れを解決するものとして、現代制御理論を適用した制御も提案されている(特開平6−280648号公報)。しかし、このような現代制御を用いたものは、モデルの設計や制御時の計算が複雑化し、一般的な適用が容易ではない。
【0008】
本発明は、複雑なモデル設計や計算を行うことなく、上述したごとくの実際の触媒酸素貯蔵量と計算上の触媒酸素貯蔵量との間の誤差を抑制して、触媒酸素貯蔵量を目標値に正確に制御できる内燃機関空燃比制御装置の提供を目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の内燃機関空燃比制御装置は、内燃機関の空燃比検出手段の検出値に基づいて、内燃機関の吸入空気に対する燃料供給量を補正調整することで、空燃比を目標空燃比に制御すると共に排気浄化触媒の酸素貯蔵量を目標酸素貯蔵量に制御する内燃機関空燃比制御装置であって、空燃比検出手段の検出値と、燃料が供給されてから前記検出値が実際に検出されるまでの遅延時間だけ前の燃料供給量を用いて計算で求められる見込み空燃比との違いに基づいて、空燃比調整用補正値を算出する空燃比調整用補正値算出手段と、空燃比検出手段の検出値及び燃料が供給されてから前記検出値が実際に検出されるまでの遅延時間だけ前の燃料供給量に基づいて酸素貯蔵量調整用補正値を、前記空燃比調整用補正値算出手段にて算出する空燃比調整用補正値とは、別個の値として算出する酸素貯蔵量調整用補正値算出手段と、前記空燃比調整用補正値算出手段にて算出された空燃比調整用補正値と、前記酸素貯蔵量調整用補正値算出手段にて算出された酸素貯蔵量調整用補正値とに基づいて、燃料供給量を補正調整する燃料供給量調整手段とを備え、前記見込み空燃比は、前記目標空燃比を、前記空燃比調整用補正値のみで補正された燃料供給量と実際の燃料供給量との比率にて補正して求められていることを特徴とする。
【0010】
酸素貯蔵量調整用補正値算出手段は、空燃比検出手段の検出値及び燃料が供給されてから前記検出値が実際に検出されるまでの遅延時間だけ前の燃料供給量に基づいて、酸素貯蔵量調整用補正値を算出している。従来のごとく、空燃比検出手段による空燃比検出時の燃料供給量を用いて酸素貯蔵量調整用補正値を算出するのではない。本発明では、空燃比の検出の対象となった燃料供給量、すなわち検出された空燃比の混合気を形成するために用いられた燃料供給量を用いて酸素貯蔵量調整用補正値を算出している。このため検出内容と該当する燃料供給量との対応がとれることにより、検出遅れを考慮した高精度な酸素貯蔵量調整用補正値を得ることができる。そして、空燃比調整用補正値算出手段についても、空燃比検出手段の検出値及び燃料が供給されてから前記検出値が実際に検出されるまでの遅延時間だけ前の燃料供給量に基づいて、空燃比調整用補正値を算出している。したがって空燃比調整用補正値についても同様に検出遅れを考慮した高精度な値を得ることができる。
【0011】
このため、加減速時等において空燃比が急激に変動した場合に、排気浄化触媒における実際の酸素貯蔵量と計算上の酸素貯蔵量との間の誤差が大きくなることを防止できる。このようなことは、燃料供給量を記憶しておき、空燃比検出の対象となった場合に、予め記憶しておいた燃料供給量を読み出すことで可能となる。このことから、複雑なモデル設計や計算を行うことなく実行できる。
【0012】
又、酸素貯蔵量調整用補正値は、空燃比調整に用いられる空燃比調整用補正値とは別個の値として算出されているため、目標空燃比への調整と目標酸素貯蔵量への調整とが相互に大きな制約を受けることなく独立的に実行できる。
【0013】
これらのことから、複雑なモデル設計や計算を行うことなく、実際の触媒酸素貯蔵量と計算上の触媒酸素貯蔵量との間の誤差を抑制して、触媒酸素貯蔵量を目標酸素貯蔵量に正確に制御できるようになる。
【0015】
また、空燃比調整用補正値算出手段は、空燃比検出手段の検出値と前記見込み空燃比との違いに基づいて空燃比調整用補正値を算出することができる。検出された実際の空燃比と前記見込み空燃比との違いに基づいて得られる空燃比調整用補正値は、吸入空気検出装置の検出誤差や燃料供給装置の供給量誤差等を反映していることから、目標空燃比に調整するために適切な空燃比調整用補正値を算出することができる。このことにより正確に空燃比制御ができる。そしてこのように空燃比制御が正確にできることから、排気浄化触媒の酸素貯蔵量についても目標酸素貯蔵量に正確に制御できるようになる。
また、目標空燃比を、空燃比調整用補正値のみで補正された燃料供給量と実際の燃料供給量との比率にて補正することで、見込み空燃比を求めることができる。
【0016】
請求項2記載の内燃機関空燃比制御装置では、請求項1記載の構成において、前記空燃比調整用補正値算出手段は、空燃比検出手段の検出値と前記見込み空燃比との間の差と、前記見込み空燃比との比率に基づいて前記空燃比調整用補正値を算出することを特徴とする。
【0017】
より具体的には、空燃比調整用補正値は、空燃比検出手段の検出値と見込み空燃比との間の差と、見込み空燃比との比率に基づいて算出することができる。このことにより、目標空燃比に調整するために適切な空燃比調整用補正値を算出することができる。そしてこのことから排気浄化触媒の酸素貯蔵量についても目標酸素貯蔵量に正確に制御できるようになる。
【0018】
請求項3記載の内燃機関空燃比制御装置では、請求項2記載の構成において、前記空燃比調整用補正値算出手段は、前記比率を積算処理することにより前記空燃比調整用補正値を算出し、前記燃料供給量調整手段は、前記空燃比調整用補正値算出手段にて算出された空燃比調整用補正値を用いて、乗算により燃料供給量を補正することを特徴とする。
【0019】
より具体的には、空燃比調整用補正値は、前記比率を積算処理することにより算出する。そして、この積算処理により得られた空燃比調整用補正値を用いて、燃料供給量調整手段は乗算により燃料供給量を補正することができる。このことにより吸入空気検出装置の検出誤差や燃料供給装置の供給量誤差等を高精度に補償できる燃料供給量を算出することができる。そしてこのことにより排気浄化触媒の酸素貯蔵量についても目標酸素貯蔵量に正確に制御できるようになる。
【0020】
しかも燃料供給量への乗算により補正がなされているので、燃料供給量の急変があっても適切な補正がなされることから、良好なドライバビリティを維持できる。
【0021】
請求項4記載の内燃機関空燃比制御装置では、請求項3記載の構成において、前記空燃比調整用補正値算出手段は、前記比率を縮小補正した後に積算処理することにより前記空燃比調整用補正値を算出することを特徴とする。
【0022】
前記比率をそのまま積算するのではなく、縮小補正した後に積算処理して空燃比調整用補正値を算出している。このため、空燃比の変動を一層効果的に抑制することができるようになる。このことにより、排気浄化触媒の酸素貯蔵量についても目標酸素貯蔵量に正確に制御できるようになる。
【0023】
請求項5記載の内燃機関空燃比制御装置は、内燃機関の空燃比検出手段の検出値に基づいて、内燃機関の吸入空気に対する燃料供給量を補正調整することで、空燃比を目標空燃比に制御すると共に排気浄化触媒の酸素貯蔵量を目標酸素貯蔵量に制御する内燃機関空燃比制御装置であって、空燃比検出手段の検出値と燃料が供給されてから前記検出値が実際に検出されるまでの遅延時間だけ前の燃料供給量を用いて計算で求められる見込み空燃比との間の差と、前記見込み空燃比との比率を縮小補正した後に積算処理することにより空燃比調整用補正値を算出する空燃比調整用補正値算出手段と、空燃比検出手段の検出値及び燃料が供給されてから前記検出値が実際に検出されるまでの遅延時間だけ前の燃料供給量に基づいて酸素貯蔵量調整用補正値を、前記空燃比調整用補正値算出手段にて算出する空燃比調整用補正値とは、別個の値として算出する酸素貯蔵量調整用補正値算出手段と、
前記空燃比調整用補正値算出手段にて算出された空燃比調整用補正値が乗算された補正値と、前記酸素貯蔵量調整用補正値算出手段にて算出された酸素貯蔵量調整用補正値とに基づいて、燃料供給量を補正調整する燃料供給量調整手段とを備えることを特徴とする。
【0025】
請求項6記載の内燃機関空燃比制御装置では、請求項1〜5のいずれか記載の構成において、前記目標空燃比は理論空燃比であることを特徴とする。
例えば、目標空燃比としては理論空燃比が挙げられ、空燃比を理論空燃比に高精度に制御できるようになるとともに、排気浄化触媒の酸素貯蔵量を目標酸素貯蔵量に正確に制御できるようになる。
【0026】
請求項7記載の内燃機関空燃比制御装置では、請求項1〜6のいずれか記載の構成において、前記酸素貯蔵量調整用補正値算出手段は、理論空燃比と空燃比検出手段の検出値との比較から、燃料が供給されてから前記検出値が実際に検出されるまでの遅延時間だけ前の燃料供給量の理論空燃比に対する過不足量を求め、該過不足量に基づいて酸素貯蔵量調整用補正値を算出することを特徴とする。
【0027】
排気浄化触媒の酸素貯蔵量の変化の程度は、排気浄化触媒に到達する排気における理論空燃比からのずれにより決定される。したがって、理論空燃比と空燃比検出手段の検出値との比較から、燃料が供給されてから前記検出値が実際に検出されるまでの遅延時間だけ前の燃料供給量において、理論空燃比に対する過不足量を求める。そしてこの過不足量に基づいて、酸素貯蔵量調整用補正値を正確に算出することができる。このことにより排気浄化触媒の酸素貯蔵量を目標酸素貯蔵量に正確に制御できるようになる。
【0028】
請求項8記載の内燃機関空燃比制御装置では、請求項7記載の構成において、前記酸素貯蔵量調整用補正値算出手段は、前記理論空燃比に対する過不足量を積算処理した値に基づいて、酸素貯蔵量調整用補正値を算出することを特徴とする。
【0029】
このような積算処理により酸素貯蔵量調整用補正値を正確に算出することができ、排気浄化触媒の酸素貯蔵量を目標酸素貯蔵量に正確に制御できるようになる。
【0030】
請求項9記載の内燃機関空燃比制御装置では、請求項8記載の構成において、前記酸素貯蔵量調整用補正値算出手段は、前記理論空燃比に対する過不足量を積算処理した値を、内燃機関の運転状態に基づく反映率にて補正して酸素貯蔵量調整用補正値を算出し、前記燃料供給量調整手段は、前記酸素貯蔵量調整用補正値算出手段にて算出された酸素貯蔵量調整用補正値を用いて、加減算により燃料供給量を補正することを特徴とする。
【0031】
このように理論空燃比に対する過不足量を積算処理した値を、内燃機関の運転状態に基づく反映率にて補正して酸素貯蔵量調整用補正値を算出することにより、排気浄化触媒の反応速度を考慮した適切な酸素貯蔵量調整用補正値を得ることができる。このようにして算出された酸素貯蔵量調整用補正値を用いて、燃料供給量調整手段は、加減算により燃料供給量を正確に補正することができる。このことにより排気浄化触媒の酸素貯蔵量を目標酸素貯蔵量に正確に制御できるようになる。
【0032】
請求項10記載の内燃機関空燃比制御装置では、請求項1〜9のいずれか記載の構成において、前記酸素貯蔵量調整用補正値算出手段は、前記酸素貯蔵量調整用補正値を、上下限値内に入るようにガード処理することを特徴とする。
【0033】
酸素貯蔵量調整用補正値は、空燃比調整に用いられる空燃比調整用補正値とは別個の値として算出されている。このため、酸素貯蔵量調整用補正値算出手段が、酸素貯蔵量調整用補正値を上下限値内に入るようにガード処理することにより、酸素貯蔵量調整用補正値の変化が制約されても、目標空燃比への空燃比フィードバック制御自体の精度が低下するおそれがない。
【0034】
このため、酸素貯蔵量調整用補正値に対するガード処理が適切に実行できるようになる。そしてこのガード処理の実行により目標空燃比からの空燃比の大きなずれを防止してドライバビリティを維持できるようになる。そしてこのことにより、排気浄化触媒における実際の酸素貯蔵量と計算上の酸素貯蔵量との間の誤差が大きくなることを防止でき、排気浄化触媒の酸素貯蔵量を目標酸素貯蔵量に正確に制御できる。
【0035】
請求項11記載の内燃機関空燃比制御装置では、請求項10記載の構成において、前記ガード処理は、補正対象の燃料供給量に対して上限係数を乗算して得られた上限値と、補正対象の燃料供給量に対して下限係数を乗算して得られた下限値とを用いてなされていることを特徴とする。
【0036】
このように補正対象の燃料供給量への上限係数及び下限係数の乗算により上下限値が得られているため、燃料供給量の急変があっても、適切にガード処理することが可能となるので、より適切にドライバビリティを維持できる。
【0037】
請求項12記載の内燃機関空燃比制御装置では、請求項10又は11記載の構成において、前記酸素貯蔵量調整用補正値算出手段は、内燃機関の運転状態に応じて設定した上下限値を用いてガード処理することを特徴とする。
【0038】
このようにガード処理を、内燃機関の運転状態に応じて設定した上下限値内に入るようにすることにより、一層正確なガード処理が可能となり、より適切にドライバビリティを維持できる。
請求項13記載の内燃機関空燃比制御装置は、内燃機関の空燃比検出手段の検出値に基づいて、内燃機関の吸入空気に対する燃料供給量を補正調整することで、空燃比を目標空燃比に制御すると共に排気浄化触媒の酸素貯蔵量を目標酸素貯蔵量に制御する内燃機関空燃比制御装置であって、空燃比検出手段の検出値及び燃料が供給されてから前記検出値が実際に検出されるまでの遅延時間だけ前の燃料供給量に基づいて空燃比調整用補正値を算出する空燃比調整用補正値算出手段と、理論空燃比と空燃比検出手段の検出値との比較から、燃料が供給されてから前記検出値が実際に検出されるまでの遅延時間だけ前の燃料供給量の理論空燃比に対する過不足量を求め、該過不足量に基づいて酸素貯蔵量調整用補正値を、前記空燃比調整用補正値算出手段にて算出する空燃比調整用補正値とは、別個の値として算出する酸素貯蔵量調整用補正値算出手段と、前記空燃比調整用補正値算出手段にて算出された空燃比調整用補正値と、前記酸素貯蔵量調整用補正値算出手段にて算出された酸素貯蔵量調整用補正値とに基づいて、燃料供給量を補正調整する燃料供給量調整手段とを備えたことを特徴とする。
請求項14記載の内燃機関空燃比制御装置では、請求項13記載の構成において、前記酸素貯蔵量調整用補正値算出手段は、前記理論空燃比に対する過不足量を積算処理した値に基づいて、酸素貯蔵量調整用補正値を算出することを特徴とする。
請求項15記載の内燃機関空燃比制御装置では、請求項14記載の構成において、前記酸素貯蔵量調整用補正値算出手段は、前記理論空燃比に対する過不足量を積算処理した値を、内燃機関の運転状態に基づく反映率にて補正して酸素貯蔵量調整用補正値を算出し、前記燃料供給量調整手段は、前記酸素貯蔵量調整用補正値算出手段にて算出された酸素貯蔵量調整用補正値を用いて、加減算により燃料供給量を補正することを特徴とする。
請求項16記載の内燃機関空燃比制御装置では、請求項13〜15のいずれか記載の構成において、前記酸素貯蔵量調整用補正値算出手段は、前記酸素貯蔵量調整用補正値を、上下限値内に入るようにガード処理することを特徴とする。
請求項17記載の内燃機関空燃比制御装置では、請求項16記載の構成において、前記ガード処理は、補正対象の燃料供給量に対して上限係数を乗算して得られた上限値と、補正対象の燃料供給量に対して下限係数を乗算して得られた下限値とを用いてなされていることを特徴とする。
請求項18記載の内燃機関空燃比制御装置では、請求項16又は17記載の構成において、前記酸素貯蔵量調整用補正値算出手段は、内燃機関の運転状態に応じて設定した上下限値を用いてガード処理することを特徴とする。
【0039】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は、上述した発明が適用されたガソリンエンジン(以下、「エンジン」と略す)4およびその制御系統の概略を表す構成説明図である。
【0040】
エンジン4のシリンダブロック6には燃焼室を含む第1気筒8、第2気筒10、第3気筒12および第4気筒14が形成されている。各気筒8〜14にはインテークマニホールド16、サージタンク18を介して吸気通路20が接続されている。この吸気通路20の上流側にはエアクリーナ22が設けられており、このエアクリーナ22を介して吸気通路20内に外気が導入される。
【0041】
インテークマニホールド16には、各気筒8〜14に対応して燃料噴射弁24,26,28,30がそれぞれ設けられている。この燃料噴射弁24〜30は通電制御により開閉駆動されて燃料を噴射する電磁弁であって、燃料タンク(図示略)内の燃料が燃料ポンプ(図示略)から圧送されてくる。燃料噴射弁24〜30から噴射された燃料はインテークマニホールド16内の吸入空気と混合されて混合気となる。そしてこの混合気は、各気筒8〜14毎に設けられた吸気バルブ(図示略)が開弁することによって開かれた吸気ポート(図示略)から各気筒8〜14の燃焼室内へ導入される。空燃比フィードバック制御においては、この燃料噴射弁24〜30による燃料噴射時間の長さが、後述するごとく補正されることで空燃比が調整される。
【0042】
吸気通路20には吸入空気量を調節するスロットルバルブ32がサージタンク18の上流側に位置して設けられている。このスロットルバルブ32は、吸気通路20に設けられたスロットルモータ34により開閉駆動されることにより、その開度、即ちスロットル開度TAが調節される。スロットルバルブ32の近傍にはスロットルセンサ36が設けられている。このスロットルセンサ36はスロットル開度TAを検出し、そのスロットル開度TAに応じた信号を出力する。
【0043】
また、自動車の運転室内にはアクセルペダル38が設けられており、このアクセルペダル38の踏込量、即ちアクセル開度PDLAがアクセルセンサ40によって検出される。そして電子制御装置(以下、「ECU」と略す)50はこのアクセル開度PDLA等に基づいてスロットルモータ34を制御することによりスロットル開度TAを運転状態に応じた開度に調節する。
【0044】
吸気通路20においてエアクリーナ22とスロットルバルブ32との間にはエアフローメータ42が設けられている。このエアフローメータ42は各気筒8〜14の燃焼室に導入される吸入空気量GAを検出し、この吸入空気量GAに応じた信号を出力する。
【0045】
各気筒8〜14にはエグゾーストマニホールド60を介して排気通路62が接続されている。この排気通路62には触媒コンバータ64およびマフラ66がそれぞれ設けられている。触媒コンバータ64内には排気浄化用三元触媒が配置されている。排気通路62を流れる排気はこれら触媒コンバータ64およびマフラ66を通過して外部に排出される。
【0046】
触媒コンバータ64より上流における排気通路62には、空燃比センサ70が設けられている。この空燃比センサ70は、排気の成分に現れる混合気の空燃比に応じた信号Voxをリニアに出力するリニア空燃比センサである。この信号Voxに基づいて空燃比フィードバック制御がなされ、燃料噴射量の増減処理により、空燃比が理論空燃比に調整されるとともに、触媒コンバータ64内の三元触媒の酸素貯蔵量が目標酸素貯蔵量に調整される。
【0047】
回転数センサ72は、エンジン4のクランク軸(図示略)の回転に基づいてエンジン4の回転数NEに応じた数のパルス信号を出力し、気筒判別センサ74は気筒8〜14を判別するためにカム軸の回転に基づいて特定回転位相にて基準信号となるパルス信号を出力する。ECU50はこれら回転数センサ72および気筒判別センサ74からの出力信号に基づいて回転数NEおよびクランク角の算出を行う。
【0048】
シリンダブロック6にはエンジン冷却水温を検出するための水温センサ76が設けられて、冷却水温THWに応じた信号を出力する。また図示していない変速機にはシフトポジションセンサ78が設けられて、シフト位置SHFTPに応じた信号を出力する。
【0049】
尚、エンジン4のシリンダヘッド6aには各気筒8〜14に対応してそれぞれ点火プラグ80,82,84,86が設けられている。各点火プラグ80〜86は、イグニッションコイル80a,82a,84a,86aが付属することにより、ディストリビュータを用いないダイレクトイグニッションシステムとして構成されている。各イグニッションコイル80a〜86aは、点火時期にECU50内の点火駆動回路から供給される一次側電流の遮断に基づいて発生する高電圧を、直接点火プラグ80〜86に与えている。
【0050】
本実施の形態1における空燃比制御装置の機能を果たしているECU50は、中央処理装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、およびバックアップRAM等を備え、これら各部と、入力回路および出力回路等とを双方向バスにより接続してなる論理演算回路として構成されている。ECU50のROM内には後述する各種制御プログラムや各種データが予め記憶されている。RAM内には各種制御処理におけるCPUの演算結果等が一時的に記憶される。
【0051】
また、ECU50の入力回路はバッファ、波形整形回路およびA/D変換器等を含んだ入力インターフェースとして構成されており、前記スロットルセンサ36、アクセルセンサ40、エアフローメータ42、空燃比センサ70、回転数センサ72、気筒判別センサ74、水温センサ76、シフトポジションセンサ78、各イグニッションコイル80a〜86aの点火確認信号のライン等がそれぞれ接続されている。各種センサ36,40,42,70,72,74,76,78等の出力信号はデジタル信号に変換されて入力回路から双方向バスを介してCPUに読み込まれる。
【0052】
一方、ECU50の出力回路は各種駆動回路等を有しており、前記燃料噴射弁24〜30、イグニッションコイル80a〜86a、スロットルモータ34等がそれぞれ接続されている。ECU50は各種センサ36,40,42,70,72,74,76,78等からの出力信号に基づいて演算処理を行い、燃料噴射弁24〜30、イグニッションコイル80a〜86a、スロットルモータ34等を制御する。
【0053】
例えば、ECU50はエアフローメータ42により検出される吸入空気量GA、回転数センサ72により検出される回転数NE等に基づいてエンジン4の運転状態を算出するとともに、その運転状態の程度に応じて、燃料噴射弁24〜30による燃料噴射量や燃料噴射時期、あるいはイグニッションコイル80a〜86aによる点火時期を制御している。そして空燃比センサ70により検出される空燃比AFMに基づいて、後述するごとく、燃料噴射弁24〜30による燃料噴射量の増減補正を実行して、混合気の空燃比を必要とする空燃比に精密に制御している。
【0054】
次に、本実施の形態1においてECU50により実行される制御について図2以下のフローチャートに基づいて説明する。なお各処理に対応するフローチャート中のステップを「S〜」で表す。
【0055】
図2に空燃比フィードバック制御処理のフローチャートを示す。本処理は、噴射周期毎に繰り返し実行される処理である。
本処理が開始されると、まず、既に各センサ42,72,70等の検出信号から得られている吸入空気量GAn、エンジン回転数NEn及び空燃比AFMn等をECU50のRAM内に設けられた作業領域に読み込む(S110)。尚、小文字で示した添え字「n」は、今回の制御周期時での検出値を表している。
【0056】
次に、吸入空気量GAn及びエンジン回転数NEnの値に基づいて、関数fa(GAn,NEn)により、今回の制御周期のベース噴射時間TAUBnを算出する(S120)。この関数fa(GAn,NEn)は、例えば次式1のごとくである。
【0057】
【数1】
TAUBn ← K × GAn/NEn … [式1]
ここで、換算係数Kは予め実験等にて定められた固定値である。
【0058】
次に、ディレイマップから、吸入空気量GAn及びエンジン回転数NEnの値に基づいて、ディレイ周期回数dが求められる(S130)。ディレイ周期回数dは、燃料噴射弁24〜30から吸気ポートに噴射された燃料が気筒8〜14内にて燃焼された後、エグゾーストマニホールド60に排出されて排気通路62に設けられた空燃比センサ70にて空燃比が検出されるまでに経過する空燃比フィードバック制御処理の実行回数を表している。すなわち、噴射された燃料による空燃比が実際に検出されるまでの遅延時間を表している。尚、ディレイマップは予め実験等により設定されているものである。
【0059】
このようにして、ディレイ周期回数dが求められると、次式2に示すごとく、ディレイ空燃比見込み違い率AFDRn−dを算出する(S140)。尚、添え字「n−d」は、今回の制御周期時よりディレイ周期回数d前における燃料噴射に起因する値であることを表している。
【0060】
【数2】
ここで、ディレイ計算空燃比AFCn−dは、後述する式8により、既にディレイ周期回数d前に計算にて得られている値であり、噴射した燃料量に基づいて見込まれる空燃比(見込み空燃比)を表している。したがって、前記式2は、今回実際に検出された空燃比AFMnと見込み空燃比(ディレイ計算空燃比AFCn−d)との差と、見込み空燃比(ディレイ計算空燃比AFCn−d)との比率を、ディレイ空燃比見込み違い率AFDRn−dとして算出していることになる。
【0061】
次に、次式3に示すごとく、今回のベース噴射時間補正率KTAUSMnを算出する(S150)。
【0062】
【数3】
尚、添え字「n−1」は、前回の制御周期における値であることを表している。又、縮小率を表す補正係数KTN(0<KTN<1)は、ディレイ空燃比見込み違い率AFDRn−dの値を縮小して、前回のベース噴射時間補正率KTAUSMn−1に積算するための係数である。すなわち、ベース噴射時間補正率KTAUSMnには、ディレイ空燃比見込み違い率AFDRn−dの値が縮小して積算されることになる。このようにして、今回のベース噴射時間補正率KTAUSMnが決定される。このベース噴射時間補正率KTAUSMnは、見込み空燃比を表しているディレイ計算空燃比AFCn−dと実際の空燃比AFMnとの違いに基づいて得られている。このことから、ベース噴射時間補正率KTAUSMnを、後述の式7に示すごとくベース噴射時間TAUBnに乗算することによりなされる補正は、空燃比を目標空燃比(ここでは理論空燃比)にフィードバックする制御部分に相当する。
【0063】
次に、次式4に示すごとく、ディレイストイキ比過剰燃料量OVTAUn−dが算出される(S160)。
【0064】
【数4】
ここで、ストイキ空燃比AFSTは、理論空燃比を表す値(例えば、14.8)である。
【0065】
前記式4は、ディレイ周期回数d前の燃料噴射弁24〜30から噴射された燃料による実際の空燃比AFMnがストイキ空燃比AFSTと等しければ、AFMn/AFST=1となる。このため、ディレイストイキ比過剰燃料量OVTAUn−d=0となる。すなわち、過剰な燃料や酸素が触媒コンバータ64内の三元触媒に到達していないことを示し、三元触媒の酸素貯蔵量は変化していないことを表している。
【0066】
又、ディレイ周期回数d前の燃料噴射弁24〜30から噴射された燃料による実際の空燃比AFMnがストイキ空燃比AFSTより大きければ、AFMn/AFST>1となる。このため、ディレイストイキ比過剰燃料量OVTAUn−d<0となる。すなわち、過剰な酸素が触媒コンバータ64内の三元触媒に到達して酸素を貯蔵させていることを示し、三元触媒の酸素貯蔵量は増加することを表している。
【0067】
又、ディレイ周期回数d前の燃料噴射弁24〜30から噴射された燃料による実際の空燃比AFMnがストイキ空燃比AFSTより小さければ、AFMn/AFST<1となる。このため、ディレイストイキ比過剰燃料量OVTAUn−d>0となる。すなわち、過剰な燃料が触媒コンバータ64内の三元触媒に到達して貯蔵酸素を消費していることを示し、三元触媒の酸素貯蔵量は減少することを表している。
【0068】
次に、次式5に示すごとく、ディレイストイキ比過剰燃料量OVTAUn−dが積算されることにより、ディレイストイキ比過剰燃料量積算値OVTAUIn−dが算出される(S170)。
【0069】
【数5】
尚、OVTAUIn−d−1の添え字「n−d−1」は、前回の制御周期において求められたディレイストイキ比過剰燃料量積算値OVTAUIn−dであることを示している。
【0070】
このようにして求められたディレイストイキ比過剰燃料量積算値OVTAUIn−dは、三元触媒の酸素貯蔵量を反映する値となる。尚、このディレイストイキ比過剰燃料量積算値OVTAUIn−dは、三元触媒の酸素貯蔵量が最大酸素貯蔵量MAXSTRGの半分の値となった時に、「0」となるように予め設定されている。すなわち、最大酸素貯蔵量MAXSTRGの半分の値が目標酸素貯蔵量とされている。
【0071】
次に、反映率マップから、吸入空気量GAn及びエンジン回転数NEnの値に基づいて、反映率KINTnが求められる(S180)。この反映率KINTnは、三元触媒の酸素貯蔵量を目標酸素貯蔵量にフィードバックするために、ディレイストイキ比過剰燃料量積算値OVTAUIn−dを燃料噴射量に反映させる際に用いられる係数である。この反映率マップは予め実験等により設定されているものである。
【0072】
そして、このように計算された反映率KINTnを用いて、次式6に示すごとく過剰燃料量積算反映値DTAUINTnを算出する(S190)。
【0073】
【数6】
DTAUINTn ← OVTAUIn−d × KINTn … [式6]
次に次式7に示すごとく、実行噴射時間TAUnを算出する(S200)。
【0074】
【数7】
この式7の「TAUBn × KTAUSMn」により空燃比は目標空燃比である理論空燃比になるようにフィードバック制御され、「− DTAUINTn」により三元触媒の酸素貯蔵量は、最大酸素貯蔵量MAXSTRGの半分に設定されている目標酸素貯蔵量となるように制御される。
【0075】
次に、次式8に示すごとく、今回の燃料噴射に基づくディレイ計算空燃比AFCnが算出される(S210)。
【0076】
【数8】
この計算は、目標空燃比であるストイキ空燃比AFSTを、ベース噴射時間補正率KTAUSMnのみでベース噴射時間TAUBnを補正した値と実行噴射時間TAUnとの比率にて補正するものである。この計算により求めたディレイ計算空燃比AFCnは、実行噴射時間TAUnに基づく見込み空燃比を表し、ディレイ周期回数d経過後にディレイ計算空燃比AFCn−dとして前記式2においてディレイ空燃比見込み違い率AFDRn−dを算出するために用いられる。
【0077】
こうして、一旦、本処理を終了する。
本実施の形態1における処理の一例を図3のタイミングチャートに示す。比較として空燃比偏差の比例項と積分項とを用いた従来技術による空燃比フィードバック制御の例を図4に示す。図3に示すごとく、本実施の形態1の場合は目標空燃比を達成するためのベース噴射時間補正率KTAUSMnと、三元触媒の酸素貯蔵量を反映する値(実際には酸素貯蔵量の減少程度を示している)であるディレイストイキ比過剰燃料量積算値OVTAUIn−d及び過剰燃料量積算反映値DTAUINTnとは、独立した値であり連動していないことが判る。一方、図4に示す従来例では、酸素貯蔵量と目標空燃比に補正するための積分項とは連動していることが判る。
【0078】
そして、図3の場合は、時刻t1にてベース噴射時間TAUBnの変動が有り、この変動が時刻t2にて空燃比AFMnに遅れて現れた場合においても、空燃比の検出遅れを考慮したベース噴射時間補正率KTAUSMnによる補正により変動が早期に収束することが判る。そしてディレイストイキ比過剰燃料量積算値OVTAUIn−d及び過剰燃料量積算反映値DTAUINTnは、ベース噴射時間TAUBnの変動が有っても最終的に「0」に収束することが判る。すなわち三元触媒の酸素貯蔵量が目標酸素貯蔵量に収束することが判る。
【0079】
図4に示した従来の手法では、空燃比検出の遅れを考慮していないので、時刻t11にてベース噴射時間TAUBnの変動が有り、この変動が時刻t12にて空燃比AFMnに遅れて現れた場合において、空燃比偏差の比例項と積分項とは振動を生じて収束が遅れることが判る。又、三元触媒の酸素貯蔵量を表す空燃比偏差の積分項は「0」に収束せず、三元触媒の酸素貯蔵量は目標酸素貯蔵量に戻らないことが判る。
【0080】
上述した実施の形態1の構成において、ステップS130〜S150,S210が空燃比調整用補正値算出手段としての処理に、ステップS130,S160〜S190が酸素貯蔵量調整用補正値算出手段としての処理に、ステップS200が燃料供給量調整手段としての処理に相当する。
【0081】
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(イ).空燃比フィードバック制御処理では、現在の実際の空燃比AFMnと、この空燃比AFMnを形成したディレイ周期回数d前の実行噴射時間TAUn−dとに基づいてディレイストイキ比過剰燃料量OVTAUn−dを求めている。そしてこのディレイストイキ比過剰燃料量OVTAUn−dを積算して、ディレイストイキ比過剰燃料量積算値OVTAUIn−dを求め、このディレイストイキ比過剰燃料量積算値OVTAUIn−dから酸素貯蔵量調整用補正値に相当する過剰燃料量積算反映値DTAUINTnを算出している(S130,S160〜S190)。
【0082】
このように空燃比AFMnと、この検出対象となった実行噴射時間TAUn−dとに基づいて得られたディレイストイキ比過剰燃料量積算値OVTAUIn−dを用いているので、検出遅れを考慮した高精度な過剰燃料量積算反映値DTAUINTnを求めることができ、三元触媒の酸素貯蔵量を高精度に目標酸素貯蔵量に制御することができる。
【0083】
又、実際の空燃比AFMnと、この検出対象となった実行噴射時間TAUn−dに基づいて得られたディレイ計算空燃比AFCn−dとを用いて、ディレイ空燃比見込み違い率AFDRn−dを求めている。そしてこのディレイ空燃比見込み違い率AFDRn−dに基づいて、空燃比調整用補正値に相当するベース噴射時間補正率KTAUSMnを算出している(S130〜S150,S210)。
【0084】
このように実際の空燃比AFMnに対応するディレイ空燃比見込み違い率AFDRn−dを用いているので、検出遅れを考慮した高精度なベース噴射時間補正率KTAUSMnを求めることができ、空燃比を高精度に目標空燃比に制御することができる。
【0085】
このため、加減速時等において空燃比が急激に変動した場合等において、三元触媒における実際の酸素貯蔵量と計算上の酸素貯蔵量との間の誤差が大きくなることを防止することができる。
【0086】
そして、このような処理は、実行噴射時間TAUnやこれに関連したディレイ計算空燃比AFCnを記憶しておき、該当する排気が空燃比検出の対象となった場合に、記憶しておいたこれらの値を読み出して用いることで可能となる。このことから、複雑なモデル設計や計算を行うことなく、実際の酸素貯蔵量と計算上の酸素貯蔵量との間の誤差を抑制して、三元触媒の酸素貯蔵量を目標酸素貯蔵量に正確に制御できるようになる。
【0087】
(ロ).過剰燃料量積算反映値DTAUINTnと、ベース噴射時間補正率KTAUSMnとは、連動しない別個なものとして算出されている。このため、目標空燃比への調整と目標酸素貯蔵量への調整とが相互に大きな制約を受けることなく独立的に実行できる。このことによっても、三元触媒における実際の酸素貯蔵量と計算上の酸素貯蔵量との間の誤差が大きくなることを防止でき、三元触媒の酸素貯蔵量を目標酸素貯蔵量に正確に制御できる。
【0088】
(ハ).ステップS140では、現在の実際の空燃比AFMnとこの空燃比AFMnに対応する見込み空燃比AFCnとの差と、見込み空燃比AFCnとの比率を、ディレイ空燃比見込み違い率AFDRn−dとして求めている。そして、ステップS150にて、このディレイ空燃比見込み違い率AFDRn−dと補正係数KTNとの積の値を積算することにより、空燃比調整用補正値としてのベース噴射時間補正率KTAUSMnを求めている。
【0089】
このようにベース噴射時間補正率KTAUSMnは、エアフローメータ42の検出誤差や燃料噴射弁24〜30における噴射量誤差等を反映する空燃比誤差の積算に基づいて求められていることから、適切なベース噴射時間補正率KTAUSMnを算出することができ、正確に空燃比を制御できる。更にこのことにより、三元触媒の酸素貯蔵量についても目標値に正確に制御できるようになる。
【0090】
更に、補正係数KTN(0<KTN<1)をディレイ空燃比見込み違い率AFDRn−dに乗算していることから、空燃比の変動を一層効果的に抑制することができ、酸素貯蔵量をより正確に目標値に制御できるようになる。
【0091】
しかも、ベース噴射時間TAUBnへの乗算により補正がなされるので、ベース噴射時間TAUBnの急変があっても適切な補正がなされることから、良好なドライバビリティを維持できる。
【0092】
(ニ).三元触媒の酸素貯蔵量の変化の程度は、三元触媒に到達する排気の空燃比における理論空燃比からのずれにより決定される。したがって、ステップS160にて、ストイキ空燃比AFSTと現在の実際の空燃比AFMnとの比較から、現在の実際の空燃比AFMnに対応する実行噴射時間TAUn−dにおける理論空燃比に対する過不足量としてのディレイストイキ比過剰燃料量OVTAUn−dを求める。そしてこのディレイストイキ比過剰燃料量OVTAUn−dに基づいて、ディレイストイキ比過剰燃料量積算値OVTAUIn−dを正確に積算し、そして酸素貯蔵量調整用補正値としての過剰燃料量積算反映値DTAUINTnを高精度に算出することができる。このことにより三元触媒の酸素貯蔵量を目標酸素貯蔵量に正確に制御できるようになる。
【0093】
(ホ).ディレイストイキ比過剰燃料量積算値OVTAUIn−dを、実行噴射時間TAUnに反映させるに際しては、ステップS180にて、エンジン4の運転状態に基づいた反映率KINTnを用いている。
【0094】
このように反映率KINTnを算出することにより、三元触媒の反応速度を考慮した適切な過剰燃料量積算反映値DTAUINTnを得ることができる。このことによりステップS200では過剰燃料量積算反映値DTAUINTnの加算により、実行噴射時間TAUnを適切な値に補正することができ、三元触媒の酸素貯蔵量を目標酸素貯蔵量に正確に制御できるようになる。
【0095】
[実施の形態2]
本実施の形態2は、前記実施の形態1の空燃比フィードバック制御処理(図2)のステップS190の代わりに、図5のフローチャートに示す処理が行われる点が異なる。これ以外の構成は、特に説明しない限り前記実施の形態1と同じである。
【0096】
図5のフローチャートを説明すると、まずステップS180にて反映率KINTnが算出されると、この反映率KINTnを用いて、次式9に示すごとく値Aを算出する(S191)。
【0097】
【数9】
A ← OVTAUIn−d × KINTn … [式9]
この計算は、前記実施の形態1のステップS190にて行った過剰燃料量積算反映値DTAUINTnを求める式6と同じ計算である。
【0098】
次に上限係数KUPRを、吸入空気量GAn,エンジン回転数NEn及び冷却水温THWnをパラメータとする上限係数マップから算出する(S192)。そして下限係数KLWRを、吸入空気量GAn,エンジン回転数NEn及び冷却水温THWnをパラメータとする下限係数マップから算出する(S193)。
【0099】
この上限係数KUPR及び下限係数KLWRは、過剰燃料量積算反映値DTAUINTnにより三元触媒の酸素貯蔵量が目標酸素貯蔵量に制御される際に、空燃比が目標空燃比から大きく外れることを防止するための係数であり、「KUPR>1.0」及び「KLWR<1.0」の範囲に設定されている。上限係数マップ及び下限係数マップは予め実験により設定されたものである。尚、低水温、低回転あるいは軽負荷(ここでは吸入空気量)であるほど、目標空燃比からのずれがドライバビリティに大きく影響する。このことから、低水温、低回転あるいは軽負荷ほど、上限係数KUPR及び下限係数KLWRは「1.0」に近づくように各マップが形成されている。
【0100】
次に値Aが次式10を満足するか否かが判定される(S194)。
【0101】
【数10】
A ≦ TAUBn × KUPR … [式10]
式10が満足されれば(S194で「YES」)、値Aは上限値(TAUBn×KUPR)以下であることから、次に値Aが次式11を満足するか否かが判定される(S195)。
【0102】
【数11】
A ≧ TAUBn × KLWR … [式11]
式11が満足されれば(S195で「YES」)、値Aは下限値(TAUBn×KLWR)以上であることから、値Aがそのまま過剰燃料量積算反映値DTAUINTnとして設定される(S196)。
【0103】
又、ステップS194にて前記式10が満足されなかった場合には(S194で「NO」)、値Aは上限値を越えていることから、過剰燃料量積算反映値DTAUINTnには上限値(TAUBn×KUPR)が設定される(S197)。
【0104】
又、ステップS195にて前記式11が満足されなかった場合には(S195で「NO」)、値Aは下限値を下回っていることから、過剰燃料量積算反映値DTAUINTnには下限値(TAUBn×KLWR)が設定される(S198)。
【0105】
こうしてステップS196,S197あるいはS198にて過剰燃料量積算反映値DTAUINTnが設定されると、以後、ステップS200(図2)の処理に移る。
【0106】
本実施の形態2における処理の一例を図6のタイミングチャートに示す。ここでは、時刻t21〜t22にかけて、「A>TAUBn×KUPR」となったため、過剰燃料量積算反映値DTAUINTnにガードがかかっている。このことにより、実際の空燃比は目標空燃比から大きく外れることが無くなる。
【0107】
上述した実施の形態2の構成において、ステップS130,S160〜S180,S191〜S198が酸素貯蔵量調整用補正値算出手段としての処理に相当する。
【0108】
以上説明した本実施の形態2によれば、以下の効果が得られる。
(イ).前記実施の形態1の(イ)〜(ホ)の効果を得られる。
(ロ).前記実施の形態1の(ロ)において述べたごとく、過剰燃料量積算反映値DTAUINTnと、ベース噴射時間補正率KTAUSMnとは、連動しない別個なものとして算出され、目標空燃比への調整と目標酸素貯蔵量への調整とが相互に大きな制約を受けることなく独立的に実行できる。このため、過剰燃料量積算反映値DTAUINTnに対して、ドライバビリティ等の観点から上下限ガード処理を行っているが、このガード処理の影響がベース噴射時間補正率KTAUSMn側には影響しない。このため空燃比フィードバック制御自体の精度が低下することがない。このことによっても、三元触媒における実際の酸素貯蔵量と計算上の酸素貯蔵量との間の誤差が大きくなることを防止でき、三元触媒の酸素貯蔵量を目標酸素貯蔵量に正確に制御できる。
【0109】
(ハ).過剰燃料量積算反映値DTAUINTnを上限値「TAUBn×KUPR」と下限値「TAUBn×KLWR」とにより制限している。このように、ベース噴射時間TAUBnへの上限係数KUPRあるいは下限係数KLWRの乗算により上下限値が得られているため、ベース噴射時間TAUBnの急変があっても、適切にドライバビリティの低下を防止できる。
【0110】
しかも、上限係数KUPR及び下限係数KLWRは、エンジン4の運転状態に応じて設定されているため、適切にドライバビリティの低下を防止しつつ、迅速に三元触媒の酸素貯蔵量を目標酸素貯蔵量に制御できるようになる。
【0111】
[その他の実施の形態]
・図2のステップS120の処理において、関数fa(GAn,NEn)により、ベース噴射時間TAUBnを算出したが、この代わりに予め実験にて定めたマップにより、吸入空気量GAn及びエンジン回転数NEnの値に基づいて、ベース噴射時間TAUBnを算出しても良い。
【0112】
・図2のステップS170の処理において、ディレイストイキ比過剰燃料量OVTAUn−dはそのまま積算したが、三元触媒への酸素貯蔵速度と酸素消費速度との差が大きい場合には、積算するディレイストイキ比過剰燃料量OVTAUn−dに補正係数を乗算し、この補正係数を、OVTAUn−d>0とOVTAUn−d<0とで切り替えても良い。
【0113】
・図5のステップS192,S193では、上限係数KUPR及び下限係数KLWRを、エンジン4の運転状態から求めたが固定値としても良い。例えば上限係数KUPR=1.1、下限係数KLWR=0.9を用いれば、理論空燃比からの燃料噴射量のずれが10%を越えることが無くなる。
【0114】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態には、次のような形態を含むものであることを付記しておく。
(1).内燃機関の空燃比検出手段の検出値に基づいて、内燃機関の吸入空気に対する燃料供給量を補正調整することで、空燃比を目標空燃比に制御すると共に排気浄化触媒の酸素貯蔵量を目標酸素貯蔵量に制御する内燃機関空燃比制御装置であって、
空燃比検出手段の検出値及び該検出の対象となった燃料供給量に基づいて空燃比調整用補正値を算出する空燃比調整用補正値算出手段と、
空燃比検出手段の検出値及び該検出の対象となった燃料供給量に基づいて酸素貯蔵量調整用補正値を算出する酸素貯蔵量調整用補正値算出手段と、
前記空燃比調整用補正値算出手段にて算出された空燃比調整用補正値と、前記酸素貯蔵量調整用補正値算出手段にて算出された酸素貯蔵量調整用補正値とに基づいて、燃料供給量を補正調整する燃料供給量調整手段と、
を備えたことを特徴とする内燃機関空燃比制御装置。
【0115】
(2).内燃機関の空燃比検出手段の検出値に基づいて、内燃機関の吸入空気に対する燃料供給量を補正調整することで、空燃比を目標空燃比に制御すると共に排気浄化触媒の酸素貯蔵量を目標酸素貯蔵量に制御する内燃機関空燃比制御装置であって、
空燃比検出手段の検出値及び燃料供給量に基づいて空燃比調整用補正値を算出する空燃比調整用補正値算出手段と、
空燃比検出手段の検出値及び燃料供給量に基づいて酸素貯蔵量調整用補正値を、前記空燃比調整用補正値算出手段にて算出する空燃比調整用補正値とは、別個の値として算出する酸素貯蔵量調整用補正値算出手段と、
前記空燃比調整用補正値算出手段にて算出された空燃比調整用補正値と、前記酸素貯蔵量調整用補正値算出手段にて算出された酸素貯蔵量調整用補正値とに基づいて、燃料供給量を補正調整する燃料供給量調整手段と、
を備えたことを特徴とする内燃機関空燃比制御装置。
【0116】
(3).請求項2〜5のいずれか記載の構成において、前記見込み空燃比は、前記目標空燃比、前記空燃比調整用補正値及び補正対象の燃料供給量との積を、実際の燃料供給量にて除算して求められていることを特徴とする内燃機関空燃比制御装置。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1としてのエンジンおよびその制御系統の概略を表す構成説明図。
【図2】実施の形態1のECUが実行する空燃比フィードバック制御処理のフローチャート。
【図3】実施の形態1における処理の一例を示すタイミングチャート。
【図4】従来の処理の一例を示すタイミングチャート。
【図5】実施の形態2のECUが実行する空燃比フィードバック制御処理の一部のフローチャート。
【図6】実施の形態2における処理の一例を示すタイミングチャート。
【符号の説明】
4…エンジン、6…シリンダブロック、6a…シリンダヘッド、8…第1気筒、10…第2気筒、12…第3気筒、14…第4気筒、16…インテークマニホールド、18…サージタンク、20…吸気通路、22…エアクリーナ、24,26,28,30…燃料噴射弁、32…スロットルバルブ、34…スロットルモータ、36…スロットルセンサ、38…アクセルペダル、40…アクセルセンサ、42…エアフローメータ、50…ECU、60…エグゾーストマニホールド、62…排気通路、64…触媒コンバータ、66…マフラ、70…空燃比センサ、72…回転数センサ、74…気筒判別センサ、76…水温センサ、78…シフトポジションセンサ、80,82,84,86…点火プラグ、80a,82a,84a,86a…イグニッションコイル。
Claims (18)
- 内燃機関の空燃比検出手段の検出値に基づいて、内燃機関の吸入空気に対する燃料供給量を補正調整することで、空燃比を目標空燃比に制御すると共に排気浄化触媒の酸素貯蔵量を目標酸素貯蔵量に制御する内燃機関空燃比制御装置であって、
空燃比検出手段の検出値と、燃料が供給されてから前記検出値が実際に検出されるまでの遅延時間だけ前の燃料供給量を用いて計算で求められる見込み空燃比との違いに基づいて、空燃比調整用補正値を算出する空燃比調整用補正値算出手段と、
空燃比検出手段の検出値及び燃料が供給されてから前記検出値が実際に検出されるまでの遅延時間だけ前の燃料供給量に基づいて酸素貯蔵量調整用補正値を、前記空燃比調整用補正値算出手段にて算出する空燃比調整用補正値とは、別個の値として算出する酸素貯蔵量調整用補正値算出手段と、
前記空燃比調整用補正値算出手段にて算出された空燃比調整用補正値と、前記酸素貯蔵量調整用補正値算出手段にて算出された酸素貯蔵量調整用補正値とに基づいて、燃料供給量を補正調整する燃料供給量調整手段とを備え、
前記見込み空燃比は、前記目標空燃比を、前記空燃比調整用補正値のみで補正された燃料供給量と実際の燃料供給量との比率にて補正して求められている
ことを特徴とする内燃機関空燃比制御装置。 - 請求項1記載の構成において、前記空燃比調整用補正値算出手段は、空燃比検出手段の検出値と前記見込み空燃比との間の差と、前記見込み空燃比との比率に基づいて空燃比調整用補正値を算出することを特徴とする内燃機関空燃比制御装置。
- 請求項2記載の構成において、前記空燃比調整用補正値算出手段は、前記比率を積算処理することにより前記空燃比調整用補正値を算出し、
前記燃料供給量調整手段は、前記空燃比調整用補正値算出手段にて算出された空燃比調整用補正値を用いて、乗算により燃料供給量を補正することを特徴とする内燃機関空燃比制御装置。 - 請求項3記載の構成において、前記空燃比調整用補正値算出手段は、前記比率を縮小補正した後に積算処理することにより前記空燃比調整用補正値を算出することを特徴とする内燃機関空燃比制御装置。
- 内燃機関の空燃比検出手段の検出値に基づいて、内燃機関の吸入空気に対する燃料供給量を補正調整することで、空燃比を目標空燃比に制御すると共に排気浄化触媒の酸素貯蔵量を目標酸素貯蔵量に制御する内燃機関空燃比制御装置であって、
空燃比検出手段の検出値と燃料が供給されてから前記検出値が実際に検出されるまでの遅延時間だけ前の燃料供給量を用いて計算で求められる見込み空燃比との間の差と、前記見込み空燃比との比率を縮小補正した後に積算処理することにより空燃比調整用補正値を算出する空燃比調整用補正値算出手段と、
空燃比検出手段の検出値及び燃料が供給されてから前記検出値が実際に検出されるまでの遅延時間だけ前の燃料供給量に基づいて酸素貯蔵量調整用補正値を、前記空燃比調整用補正値算出手段にて算出する空燃比調整用補正値とは、別個の値として算出する酸素貯蔵量調整用補正値算出手段と、
前記空燃比調整用補正値算出手段にて算出された空燃比調整用補正値が乗算された補正値と、前記酸素貯蔵量調整用補正値算出手段にて算出された酸素貯蔵量調整用補正値とに基づいて、燃料供給量を補正調整する燃料供給量調整手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関空燃比制御装置。 - 請求項1〜5のいずれか記載の構成において、前記目標空燃比は理論空燃比であることを特徴とする内燃機関空燃比制御装置。
- 請求項1〜6のいずれか記載の構成において、前記酸素貯蔵量調整用補正値算出手段は、理論空燃比と空燃比検出手段の検出値との比較から、燃料が供給されてから前記検出値が実際に検出されるまでの遅延時間だけ前の燃料供給量の理論空燃比に対する過不足量を求め、該過不足量に基づいて酸素貯蔵量調整用補正値を算出することを特徴とする内燃機関空燃比制御装置。
- 請求項7記載の構成において、前記酸素貯蔵量調整用補正値算出手段は、前記理論空燃比に対する過不足量を積算処理した値に基づいて、酸素貯蔵量調整用補正値を算出することを特徴とする内燃機関空燃比制御装置。
- 請求項8記載の構成において、前記酸素貯蔵量調整用補正値算出手段は、前記理論空燃比に対する過不足量を積算処理した値を、内燃機関の運転状態に基づく反映率にて補正して酸素貯蔵量調整用補正値を算出し、
前記燃料供給量調整手段は、前記酸素貯蔵量調整用補正値算出手段にて算出された酸素貯蔵量調整用補正値を用いて、加減算により燃料供給量を補正することを特徴とする内燃機関空燃比制御装置。 - 請求項1〜9のいずれか記載の構成において、前記酸素貯蔵量調整用補正値算出手段は、前記酸素貯蔵量調整用補正値を、上下限値内に入るようにガード処理することを特徴とする内燃機関空燃比制御装置。
- 請求項10記載の構成において、前記ガード処理は、補正対象の燃料供給量に対して上限係数を乗算して得られた上限値と、補正対象の燃料供給量に対して下限係数を乗算して得られた下限値とを用いてなされていることを特徴とする内燃機関空燃比制御装置。
- 請求項10又は11記載の構成において、前記酸素貯蔵量調整用補正値算出手段は、内燃機関の運転状態に応じて設定した上下限値を用いてガード処理することを特徴とする内燃機関空燃比制御装置。
- 内燃機関の空燃比検出手段の検出値に基づいて、内燃機関の吸入空気に対する燃料供給量を補正調整することで、空燃比を目標空燃比に制御すると共に排気浄化触媒の酸素貯蔵量を目標酸素貯蔵量に制御する内燃機関空燃比制御装置であって、
空燃比検出手段の検出値及び燃料が供給されてから前記検出値が実際に検出されるまでの遅延時間だけ前の燃料供給量に基づいて空燃比調整用補正値を算出する空燃比調整用補正値算出手段と、
理論空燃比と空燃比検出手段の検出値との比較から、燃料が供給されてから前記検出値が実際に検出されるまでの遅延時間だけ前の燃料供給量の理論空燃比に対する過不足量を求め、該過不足量に基づいて酸素貯蔵量調整用補正値を、前記空燃比調整用補正値算出手段にて算出する空燃比調整用補正値とは、別個の値として算出する酸素貯蔵量調整用補正値算出手段と、
前記空燃比調整用補正値算出手段にて算出された空燃比調整用補正値と、前記酸素貯蔵量調整用補正値算出手段にて算出された酸素貯蔵量調整用補正値とに基づいて、燃料供給量を補正調整する燃料供給量調整手段と、
を備えたことを特徴とする内燃機関空燃比制御装置。 - 請求項13記載の構成において、前記酸素貯蔵量調整用補正値算出手段は、前記理論空燃比に対する過不足量を積算処理した値に基づいて、酸素貯蔵量調整用補正値を算出することを特徴とする内燃機関空燃比制御装置。
- 請求項14記載の構成において、前記酸素貯蔵量調整用補正値算出手段は、前記理論空燃比に対する過不足量を積算処理した値を、内燃機関の運転状態に基づく反映率にて補正して酸素貯蔵量調整用補正値を算出し、
前記燃料供給量調整手段は、前記酸素貯蔵量調整用補正値算出手段にて算出された酸素貯蔵量調整用補正値を用いて、加減算により燃料供給量を補正することを特徴とする内燃機関空燃比制御装置。 - 請求項13〜15のいずれか記載の構成において、前記酸素貯蔵量調整用補正値算出手段は、前記酸素貯蔵量調整用補正値を、上下限値内に入るようにガード処理することを特徴とする内燃機関空燃比制御装置。
- 請求項16記載の構成において、前記ガード処理は、補正対象の燃料供給量に対して上限係数を乗算して得られた上限値と、補正対象の燃料供給量に対して下限係数を乗算して得られた下限値とを用いてなされていることを特徴とする内燃機関空燃比制御装置。
- 請求項16又は17記載の構成において、前記酸素貯蔵量調整用補正値算出手段は、内燃機関の運転状態に応じて設定した上下限値を用いてガード処理することを特徴とする内燃機関空燃比制御装置。
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