JP3876241B2 - 昇華防止冷却体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、氷を熱吸収体として利用する凝縮設備、いわゆるアイスコンデンサに使用される氷の昇華減損を防止する昇華防止冷却体の製造方法に関するものである。
異常時に原子炉格納容器に高温水蒸気が充満することが想定されるある種の原子炉においては、氷は融解する際に大量の熱を吸収することから、該氷によりかかる高温水蒸気を冷却し凝縮するためのアイスコンデンサが設置されている。該アイスコンデンサにおいては、従来は、特許文献1に示すように、少なくとも側面が多孔の容器即ちアイスバスケットに破砕氷などの氷粒(以下、フレークアイスという)を入れ、蒸気との大きな接触面積を確保するようにしている。そして、万一、原子炉冷却材循環系の配管から漏出した高温高圧の冷却水が格納容器内で蒸発して高温水蒸気になっても、そのアイスコンデンサのフレークアイスに接触させられて凝縮され、格納容器内圧力が低く保持されて関連設備の安全性が確保される。
そして、上記のような異常事態が何時生じても発生した水蒸気がアイスコンデンサに流入して内部のフレークアイスに接触するように、また、格納容器内空気が常に清浄に保持されるように、格納容器内蒸気が常時循環されるようになっていて、アイスコンデンサのフレークアイスが循環空気に曝露されている。
上記のように循環空気に常時接触する状態では、フレークアイスが融解せずに水蒸気に変わる昇華という現象が生じ、前述のアイスコンデンサに充填されているフレークアイスの量が平常時に減少するという事態が生ずる。異常時の最大凝縮量はその時に蓄えられていたフレークアイスの量に依存するから、蓄えられているフレークアイスの量が昇華により減少すると、計画した凝縮能力が得られないことになる。このためアイスコンデンサの凝縮能力を常に所定値に維持するには、昇華を防止してフレークアイスの蓄え量を所定値に保持する必要がある。従来は前記のようなフレークアイスの昇華防止を行なうためアイスコンデンサ室内を流れる循環空気量を入口通路のドアの開閉度調節により調整することとしていた。
特開平10−39073号公報
空気の循環は前記のような目的を達成するために行なうので、フレークアイスの昇華防止のためのみに循環を停止することもできない事情にあることから、従来は、前述のようにアイスコンデンサ室内を流れる循環空気量を調整する方法で昇華防止を図っていた。しかしながら、循環空気量の増減する方法では、フレークアイスの昇華を大幅に防止できるような顕著な効果も得られず、適宜減少氷量に見合うフレークアイスを補充して充填フレークアイスの総量即ちアイスコンデンサの能力を常時維持するようにしていた。このためフレークアイスの補充作業に多くの時間、作業人員を要するとともに昇華減少量を見込んだ量のフレークアイスを用意しなければならないという問題があった。
本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、アイスコンデンサにおいて充填されている氷の昇華減少を実質的に防止することができる昇華防止冷却体の製造方法を提供することにある。
そこで、本発明はかかる課題を解決するために、
異常時に水蒸気が噴出充満する格納容器に設置されるアイスコンデンサにおいて、前記水蒸気を凝縮するために用いられる塊状のブロックアイスを製造するにあたり、
中心に向かって延びる短冊状の突片を有する成型筒の中にかき氷状、砕氷状もしくはペレット状の氷粒もしくはフレークアイスを注入して、圧縮圧力で円柱状に成型し、硼砂を含んで凍結点が−5℃〜−10℃に設定され、その軸心方向に沿って半径方向の外方に延びて外周面で開口するスリットを有する昇華防止冷却体用ブロックアイス本体を製造し、次いで、該ブロックアイス本体の外面に水蒸気透過抑制機能を有する水溶性高分子フィルムを貼着することを特徴とする。
ここで外面とは外周面全域(外周、上下面)のみならずブロックアイス本体の少なくとも上下面、又はブロックアイス本体の側面全面または、ブロックアイス本体の側面周縁をさす。
そして、本発明は、前記水溶性高分子フィルムの貼着部がブロックアイス本体の側面全面または、ブロックアイス本体の側面周縁であることを特徴とし、好ましくは成型筒の中にかき氷状、砕氷状もしくはペレット状の氷粒もしくはフレークアイスを注入した後、油圧プレス31によって約30〜40Kg/cmの圧縮圧力で成型して、直径300mm、高さ300〜500mmの円柱形状としてなる昇華防止冷却体用ブロックアイス本体を製造し、次いで、該ブロックアイス本体の少なくとも上下面に水蒸気透過抑制機能を有する水溶性高分子フィルムを貼着することを特徴とする。
そして、前記ブロックアイス本体に水溶性高分子剤の糊状体を塗布した後、該糊状体を介して水蒸気透過抑制機能を有するホウ素含有の水溶性高分子フィルムを貼着するか、若しくは前記ブロックアイス本体に、該本体部よりも凍結点が高く−3℃前後の温度域で溶融する表層を形成した後、該表層を介して水蒸気透過抑制機能を有する例えばホウ素含有の水溶性高分子フィルムを貼着することも有効である。
例えば前記ブロックアイス本体の側面の全面または、上下周縁部に、該本体部よりも凍結点が高く−3℃前後の温度域で溶融する表層を形成した後、該表層を介して水蒸気透過抑制機能を有するホウ素含有の水溶性高分子フィルムを貼着するのがよい。
従って本発明は、異常時に水蒸気が噴出充満する格納容器に設置されるアイスコンデンサにおいて、前記水蒸気を凝縮するために用いられる塊状のブロックアイスを製造するにあたり、
中心に向かって延びる短冊状の突片を有する成型筒の中にかき氷状、砕氷状もしくはペレット状の氷粒もしくはフレークアイスを注入して、圧縮圧力で円柱状に成型し、硼砂を含んで凍結点が−5℃〜−10℃に設定され、その軸心方向に沿って半径方向の外方に延びて外周面で開口するスリットを有するブロックアイス本体を製造し、次いで、該ブロックアイス本体の少なくとも上下面に水蒸気透過抑制機能を有する例えばホウ素含有の水溶性高分子フィルムを貼着するのが好ましい。
そしてその具体的な製造方法として、前記ブロックアイス本体の上下面に水溶性高分子剤の糊状体を塗布した後、該糊状体を介して水蒸気透過抑制機能を有する例えばホウ素含有の水溶性高分子フィルムを貼着するか、若しくは前記ブロックアイス本体の上下面に、該本体部よりも凍結点が高く−3℃前後の温度域で溶融する表層を形成した後、該表層を介して前記水溶性高分子フィルムを貼着するのがよい。
又本発明は前記請求項1乃至請求項6のいずれかの方法により製造されたブロックアイスをアイスバスケットに収納することを特徴とする原子炉用アイスコンデンサとしても特定される。
このように構成すれば、本発明の硼砂を含むブロックアイス本体にあっては、凍結点が−5℃〜−10℃と低く、且つブロックアイスをアイスバスケットに収納する際に、該スリットを利用して容易にかつ確実に収納できる。
また本発明によれば、ブロックアイス内を循環空気が通過する際に硼砂を含む本体を備えたブロックアイスにて中性子が吸収され、外部への放出が阻止される。
本発明にかかる昇華防止冷却体においては、ブロックアイス本体と水溶性高分子フィルムとの間に若干の空隙が形成される方が全面溶着の場合よりも昇華の抑制効果があることが発明者らの実験によって明らかになっているが、かかる発明によれば、PVA糊状体をブロックアイス本体の上下端部のみに塗布し、該部に前記フィルムを貼着するので、前記のような空隙が形成されて、高い昇華抑制効果が得られる。
以下に図面を参照して本発明の実施の形態を例示的に説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構造部品の寸法、材質、形状、相対位置などは特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明が適用される原子炉用アイスコンデンサの構造を示す部分切断図、図2は該アイスコンデンサ下部の部分正面図である。
先ず、図1〜図2により、アイスコンデンサの構成について説明すると、このアイスコンデンサ10は、円筒状の外部遮蔽1に囲まれた原子炉格納容器3の内面に近接して設置される。原子炉格納容器3に近いC/Vウォールダクトパネル5と、格納容器3内部にある原子炉一次冷却材循環系の蒸気発生器7に近いC/Wウォールダクトパネル9との間に、アイスコンデンサ10の支持格子11が立設され、この中に多数のアイスバスケット13が並んで設けられている。
前記アイスコンデンサ10のアイスバスケット13は、空気、水蒸気等の内外流通を許容すべく多孔の材料からなる容器で、これに従来は3〜5mm角の形状の破砕氷ないしかき氷状のフレークアイスが充填されていたものである。前記支持格子11は下部支持構造物15により下方から支持され、また、C/Wウォールダクトパネル9及び下部構造物15に並んで立設されたクレーンウォール17に支持されたブリッジクレーン19が、支持格子11及びアイスバスケット13の上方に設けられ、これらの取扱いの便に供される。
また、前記支持格子11及びアイスバスケット13の上方には中間デッキドア21が設けられ、空気冷却ユニット23がアイスコンデンサ室内の空気を冷却するようになっている。更にその上方には、上部デッキドア25が設けられている。
かかるアイスコンデンサ10には、図2に示すように、下部にある入口ドア27(開閉度が調節可能にされている)から原子炉格納容器3の内部空気が流入するようになっている。
また、該入口ドア27は鋼板コンクリートからなるクレーンウォール17の下方に引込んだ形態で位置していて、更に該入口ドア27の内側にショックアブソーバ29が設けられ、開閉度が調節可能にされた入口ドア27から流入する内部空気の衝撃を緩和するようになっている。
前記のように構成されたアイスコンデンサ10の多数のアイスバスケット13の中に本発明にかかるブロックアイス32がそれぞれ収納される。
図3は本発明の第1実施形態にかかるブロックアイスを成型するための成型装置の概観斜視図、図4はブロックアイスの外観斜視図である。
図3及び図4において32は円柱状に形成されたブロックアイスである。
該ブロックアイス32は、図3に示されるような油圧プレス31によって成型される。即ち図3において、該ブロックアイス32を成型するにあたっては、成型筒30の中にかき氷状、砕氷状もしくはペレット状の氷粒もしくはフレークアイスを注入し、表面をならした後(あるいはならさずに)、油圧プレス31によって約30〜40Kg/cmの圧縮圧力で成型する。成型筒30は、中心に向かって延びる短冊状の突片30aを有するため、成型されたブロックアイス32には、図4に示すように、そのほぼ中心から外周面まで延びる短冊状のスリット32aが形成される。
前記ブロックアイス32のこのスリット32aは、アイスバスケット13にブロックアイス32を収容した場合の便宜を図るために形成されているので、アイスバスケット13の構造もしくは形状に合わせて適宜変更することができる。同様に、ブロックアイス自体の形状も適宜変更しうる。また、前記アイスコンデンサ10の支持格子11自体の構造によっては、アイスバスケット13を用いずに、ブロックアイス32を直接支持格子11に載置してもよいし、1つのアイスバスケット13に複数のブロックアイス32を収容してもよい。
上記のようにして成型されるブロックアイス32は、図4に示すように、一面側にスリット32aを有する円柱状に形成される(大きさは図4に示した寸法程度が好適)。
そして、該ブロックアイス32は、その本体32bが中性子の吸収を促進するため硼砂(Na47・10HO)を含有する凍結体にて構成される。該ブロックアイス本体32bの外周に水溶性高分子ポリビニルアルコール(以下PVAと略称する)を貼着して、該ブロックアイス本体32bの昇華を阻止あるいは抑制している。
前記ブロックアイス32は、ブロックアイス成型用の油圧プレス31により約30kg/cmの圧縮圧力で成型され、図4に示されるように直径300mm、高さ300〜500mm(好ましくは400mm程度)の円柱形状とするのが好適な1例である。
前記PVAからなるフィルムはブロックアイス本体32bの外面にドライヤによる加熱処理によって前面溶着あるいは部分溶着により貼着する。
図5は前記ブロックアイス本体32bにPVAからなるフィルム33が貼着された形態例を示す。
図5(a)はPVAからなるフィルム(以下フィルムと略称)33の貼着が無いものである。
図5(b)は、前記フィルム33を黒点群33aにて示すように、ブロックアイス本体32bの上下外周縁及びスリット32aに沿った軸方向縁にて溶着したもの、(c)は上記(b)に加えて本体32bの外周面の軸方向でも溶着したもの(33bにて示す)、(d)はブロックアイス本体32bの外周面全域(外周、上下面)を溶着(33cにて示す)したもの、(e)は前記(d)に加えてスリット32aにもフィルム33を押し込み、この部分でも溶着(33d)したもの、をそれぞれ示す。
前記PVAからなるフィルム33の仕様としては、PVA重合度=1700、鹸化度=88モル%、0.8重量%硼砂添加品で、厚みが15μm程度が好適である。ここで、前記PVAは重合度と鹸化度の調整で水溶性グレードのものを選定すると同時に、水蒸気透過の抑制と異常時水分子吸収能の高いホウ素含有の硼砂入りPVAを使用し、特に氷昇華抑制の面での効果が大きい。
以上のようにして成型、処理したブロックアイス32を前記アイスコンデンサ10の支持格子11の中に、アイスバスケット13に収納した状態(あるいはそのままで)で配置する。
このようにアイスコンデンサ10を構成すれば、通常の状態では、該アイスコンデンサ10の中を流れる循環空気が該ブロックアイス32に触れても、空気とブロックアイス本体32bとの直接接触は水溶性高分子フィルム33により阻止されることとなってブロックアイス本体32bの昇華が抑制される。これに対し異常時に大量の水蒸気を含む循環空気がブロックアイス32に触れると、該水蒸気により水溶性高分子フィルム33が溶解した後、所要の凝縮作用が行なわれる。
[実験例]
図6には、ブロックアイス本体32bの外面にPVAフィルム33を図5(a)〜(e)に示すような溶着態様(但し(a)は前記PVAフィルムを溶着せず)で貼着してなるブロックアイス32を−15℃(一定温度)の冷凍庫内に搬入し、下記(1)式に定義する氷昇華率の径時変化を計測した実験結果を示す。
氷昇華率=(氷の初期重量−氷の昇華後重量)/氷の初期重量 ・・・(1)
図6に明らかなように、本発明にかかるブロックアイス32は、従来のフレークアイスに較べて氷昇華率が少なく、殊に前記ブロックアイス本体32bの外面に前記PVAフィルム33を貼着したものは、何れも前記氷昇華率が小さく、ブロックアイス32からの昇華を大幅に抑制することが確認できる。
特に、前記PVAフィルム33を貼着したもののうち、全面溶着でなく、ブロックアイス本体32bとPVAフィルム33との間に若干空隙が形成される部分溶着の方が前記昇華の抑制効果が大きい。
次に本発明の第2実施形態にかかるブロックアイス及びその製造方法について説明する。
この実施形態にかかるブロックアイスは、図7に示すように、前記第1実施形態と同様な硼砂を含有する円柱状のスリット32a付きブロックアイス本体32bの外面に、PVAからなる糊即ちPVA糊34あるいは水の凍結膜40を介して第1実施形態と同様なPVAフィルム33を貼着して構成される。
前記PVA糊34は、原液の粘度500cst(10℃において)、原液と水との配合比は原液:水=1:2〜1:4程度が好適である。
かかる第2実施形態によるブロックアイス32が組込まれたアイスコンデンサ10においては、該ブロックアイス32内を循環空気が通過する際に硼砂を含有するブロックアイス本体32bに中性子が吸収され、外部への放出が阻止される。
そして硼砂を含むブロックアイス本体32bは凍結点が−5℃〜−10℃と低く、また該ブロックアイス32が収納されたアイスコンデンサ10周りの作業環境は−3℃程度の温度域であることから、該アイスコンデンサ周りの作業時凍結点の低い該ブロックアイス本体32bの表面が溶解して、これの外側にあるPVAフィルム33が湿潤状態になろうとする。
しかしながら、この実施形態においては、その第1例としてはブロックアイス本体32bの外周にPVA糊34を塗布して前記PVAフィルム33を溶着し、また第2例としては、ブロックアイス本体32bの外面に、該本体32bよりも凍結点の高い水を吹き付けて前記作業環境温度域(−3℃程度)で凍結させて氷膜40を形成し、該氷膜40を介してPVAフィルム33を貼着しているので、これらPVA糊34及び氷膜40の形成により前記ブロックアイス本体32bの表面の溶解によるPVAフィルム33の湿潤及びこれによるPVAフィルム33の膨張、剥離の発生が阻止される。
次に図8〜図13により、かかる第2実施形態によるブロックアイス32の製造方法について説明する。
図8は該ブロックアイスの製造方法の第1例を示す。
図8において、(A)に示された硼砂を含有するブロックアイス本体32bの外周に、(B)に示すように塗布具36によりPVA糊の溶液(20〜100%)34を塗布しながら、(C)に示すようにPVAフィルム33を貼着する。
この場合、PVA糊34を塗布後、これが凍結しないうちにPVAフィルム33を貼着することを要する。
この場合は硼砂入りブロックアイス本体32bの外周にPVA糊34を塗布し、その上にPVAフィルム33を貼着するので、前記ブロックアイス本体32b表面に溶解があっても、PVA糊34によって外側のPVAフィルム33の湿潤、及びこれに伴う膨張、剥離が回避される。
図9は前記ブロックアイスの製造方法の第2例を示す。
この例においては前記第1例と同様にブロックアイス本体32bの外周にPVA糊34を塗布し(図9(A))、その後一定期をおいて該PVA糊34の塗布層を凍結させる。
そして、同図(B)に示すように温風機37等の加温手段によりPVA糊34の塗布層を昇温させてこれを溶解せしめて、前記第1例と同様にPVAフィルム33を貼着する。
前記のように、第1例においては、ブロックアイス本体32bの表面にPVA糊34を塗布した後、直ちにPVAフィルム33を貼着しないと、該PVA糊34が凍結してしまいPVAフィルム33が貼着不良を起こし易いが、この例のようにPVAフィルム33の貼着前にPVA糊34を加温して溶解させればPVAフィルム33は容易に且つ確実に貼着される。
従って、PVA糊34の塗布後に時間をおいてPVAフィルム33を貼着することができ、工程に余裕ができる。
図10は前記ブロックアイスの製造方法の第3例を示す。
この例においては、図10(A)に示すように、ブロックアイス本体32bの上端部及び下端部の外周にPVA糊34を塗布し、同図(B)に示すようにPVAフィルム33で該ブロックアイス本体32bの外周面全体を包み、前記上下端部のPVA糊34塗布部にヒートシール38を施して該PVAフィルム33を貼着する。
前記のように、ブロックアイス本体32bとPVAフィルム33との間に若干の空隙がある方が全面溶着の場合よりも昇華の抑制効果があるが、この例によればPVA糊34をブロックアイス本体32bの上下端部のみ塗布し、他の部分ではPVAフィルム33との間に空隙が形成されているので、前記のような昇華の抑制効果を有し、またヒートシール38によってPVAフィルム33をブロックアイス本体32bに貼着するので、貼着面積が小さくても確実に貼着がなされる。
図11は前記ブロックアイスの製造方法の第4例を示す。
この例においては、図11(A)に示すブロックアイス本体32bの外周に、同図(B)に示すように水スプレー器39によって水(要すれば純水)を一様に吹き付ける。水は硼砂入りのブロックアイス本体32bよりも凍結点が高いので、−3℃程度の作業環境においてブロックアイス本体32bの表面が溶解状態であっても、該水は0℃近傍で直ちに凍結して氷膜(凍結表層)40を形成する。そして上記によって氷膜(凍結表層)40が形成された直後にPVAフィルム33を貼着する。
この例においては、ブロックアイス32の凍結点−5℃〜−10℃よりも高い凍結点の水をブロックアイス本体32bの外周に吹き付けることにより、前記ブロックアイス32bの外表面が溶解状態になる−3℃近傍の作業環境において水の吹き付けと同時にブロックアイス本体32bの表面に氷の薄膜40が形成されるので、その直後にPVAフィルム33を貼着することにより、これの湿潤が回避できる。
図12はブロックアイスの製造方法の第5例を示す。
この例においては、前記第4例におけるブロックアイス本体32bの表面への水スプレー器39による吹き付け(図12の(A))の後、該水を完全に凍結させて氷膜(凍結表層)40を形成した後、同図(B)に示すように、凍結した氷膜40の表面を温風機37等の加温手段によって昇温させて氷膜40を溶解させながらPVAフィルム33を貼着する。
この例においては、図9に示す第2例と同様に、水をブロックアイス本体32bの表面へ吹き付けて凍結氷層を形成した後、とPVAフィルム33の貼着との間に時間をおくことができるので、作業環境に余裕ができる。
図13はブロックアイスの製造方法の第6例を示す。
この例においては、図13(A)のように、−3℃程度の作業環境下にてブロックアイス本体32bの外周全体あるいは上端部及び下端部に水スプレー器39による水の吹き付けを行なって氷膜40を形成し、次いで、同図(B)のようにPVAフィルム33で該ブロックアイス本体32bの外周面全体を包み、上、下端部にヒートシール38を施してPVAフィルム33を貼着する。
この場合は、図10に示す第3例と同様にブロックアイス本体32bの適所をヒートシール38によりPVAフィルム33に貼着することによりブロックアイス本体32bとPVAフィルム33との間に空隙の形成が可能となり、昇華防止効果が向上するとともに、ヒートシール38を施しての貼着であるので、部分貼着であっても確実に貼着できる。
図14は前記ブロックアイス32を上下に複数個積層する場合を示す。
この場合は、該ブロックアイス32の外周には前記第1例〜第6例のような方法によってPVAフィルム33を貼着するが、各ブロックアイス32間の層部41については、該PVAフィルム33の貼着を必ずしも行なわなくてもよい。
この場合、前記層部41にPVAフィルム33を貼着すると、層部41の上下間において断熱効果をなし、ブロックアイス32表面の溶解が回避される。
図15は前記ブロックアイス32にPVAフィルム33を自動的に貼付するようにした自動貼付装置の1例を示す。
図15において、58はPVA糊が収容されたPVAタンク、58aは該タンク58にPVA糊を注入するためのPVA糊注入孔、59はPVA糊供給用のポンプである。
54は架台で、該架台54には前記ブロックアイス32載置用のターンテーブル57aが取付けられている。57は該ターンテーブル57aを回転駆動するためのターンテーブル駆動部である。
53はPVA糊貼付機構部、51はフィルム押付機構部、52はフィルム切断用押付部、55はPVA糊受け皿、59は前記PVA糊タンク58と前記PVA糊貼付機構部53とを接続する配管、56はPVAフィルム33緊張用のテンションローラである。
かかる自動貼付装置において、架台54に回転自在に取付けられたターンテーブル57a上にはブロックアイス32が載置され、該ブロックアイス32は該ターンテーブル57aをターンテーブル駆動部57により回転駆動されることにより、一定速度で回転せしめられている。
一方、貼着用のPVAフィルム33は、テンションローラ56によって緊張されながら、フィルム押付機構部51に送られ、またPVA糊はPVA糊タンク58からポンプ59により配管60を通ってPVA糊貼付機構部53に送られている。
そして、上記ターンテーブル57a上のブロックアイス32を所定速度で回転させつつ、PVA糊タンク58から配管60を通してPVA糊貼付機構部53にてPVA糊をブロックアイス32の外周に塗布する。
次いでPVAフィルム33を、テンションローラ56を介してフィルム押付機構部51に送り、ここでPVA糊が塗布されているブロックアイス32の外周面に、該PVAフィルム33をフィルム押付機構51によって押付け、貼着する。
そして、貼着後のPVAフィルム33の端部はフィルム切断用押付部52によって、所定の貼着長さになるように切断される。
本発明によれば、氷を熱吸収体として利用する凝縮設備、いわゆるアイスコンデンサにおいて充填されている氷の昇華減少を実質的に防止することができる昇華防止冷却体の製造方法を提供できる。
本発明が適用される原紙炉用アイスコンデンサの構造を示す部分断面図である。 上記アイスコンデンサ下部の部分正面図である。 ブロックアイス成型装置の外観図である。 本発明の第1実施形態にかかるブロックアイスの外観図である。 上記第1実施形態におけるブロックアイスのPVAフィルムの貼着例を示す外観図である。 上記第1実施形態におけるブロックアイスの昇華実験結果を示す線図である。 本発明の第2実施形態にかかるブロックアイスの外観図である。 上記第2実施形態にかかるブロックアイスの製造方法の第1例を示す説明図である。 上記製造方法の第2例を示す説明図である。 上記製造方法の第3例を示す説明図である。 上記製造方法の第4例を示す説明図である。 上記製造方法の第5例を示す説明図である。 上記製造方法の第6例を示す説明図である。 上記第2実施形態におけるブロックアイスの他の例を示す外観図である。 上記実施形態に係るPVAフィルムの自動貼付装置の1例を示す構成図である。
符号の説明
10 アイスコンデンサ
11 支持格子
13 アイスバスケット
30 油圧プレス
32 ブロックアイス
32a スリット
32b ブロックアイス本体
33 PVAフィルム
34 PVA糊
36 塗布具
37 温風機
38 ヒートシール
39 水スプレー器
40 氷膜(凍結層)
51 フィルム押付機構部
52 フィルム切断用押付部
53 PVA糊貼付機構部

Claims (8)

  1. 異常時に水蒸気が噴出充満する格納容器に設置されるアイスコンデンサにおいて、前記水蒸気を凝縮するために用いられる塊状のブロックアイスを製造するにあたり、
    中心に向かって延びる短冊状の突片を有する成型筒の中にかき氷状、砕氷状もしくはペレット状の氷粒もしくはフレークアイスを注入して、圧縮圧力で円柱状に成型し、硼砂を含んで凍結点が−5℃〜−10℃に設定され、その軸心方向に沿って半径方向の外方に延びて外周面で開口するスリットを有する昇華防止冷却体用ブロックアイス本体を製造し、次いで、該ブロックアイス本体の外面に水蒸気透過抑制機能を有する水溶性高分子フィルムを貼着することを特徴とする昇華防止冷却体の製造方法。
  2. 異常時に水蒸気が噴出充満する格納容器に設置されるアイスコンデンサにおいて、前記水蒸気を凝縮するために用いられる塊状のブロックアイスを製造するにあたり、
    中心に向かって延びる短冊状の突片を有する成型筒の中にかき氷状、砕氷状もしくはペレット状の氷粒もしくはフレークアイスを注入した後、油圧プレス31によって約30〜40Kg/cmの圧縮圧力で成型して、直径300mm、高さ300〜500mmの円柱形状としてなる昇華防止冷却体用ブロックアイス本体を製造し、次いで、該ブロックアイス本体の少なくとも上下面に水蒸気透過抑制機能を有する水溶性高分子フィルムを貼着することを特徴とする昇華防止冷却体の製造方法。
  3. 前記ブロックアイス本体に水溶性高分子剤の糊状体を塗布した後、該糊状体を介して水蒸気透過抑制機能を有する水溶性高分子フィルムを貼着することを特徴とする請求項1又は2記載の昇華防止冷却体の製造方法。
  4. 前記ブロックアイス本体に、該本体部よりも凍結点が高く−3℃前後の温度域で溶融する表層を形成した後、該表層を介して水蒸気透過抑制機能を有する水溶性高分子フィルムを貼着することを特徴とする請求項1又は2記載の昇華防止冷却体の製造方法。
  5. 前記水溶性高分子フィルムの貼着部がブロックアイス本体の側面全面または、ブロックアイス本体の側面周縁であることを特徴とする請求項1又は2記載の昇華防止冷却体の製造方法。
  6. 前記ブロックアイス本体のの全面または上下周縁部に水溶性高分子剤の糊状体を塗布した後、該糊状体を介して水蒸気透過抑制機能を有するホウ素含有の水溶性高分子フィルムを貼着することを特徴とする請求項1又は2記載の昇華防止冷却体の製造方法。
  7. 前記ブロックアイス本体のの全面または、上下周縁部に、該本体部よりも凍結点が高く−3℃前後の温度域で溶融する表層を形成した後、該表層を介して水蒸気透過抑制機能を有するホウ素含有の水溶性高分子フィルムを貼着することを特徴とする請求項1又は2記載の昇華防止冷却体の製造方法。
  8. 請求項1乃至請求項6のいずれかの方法により製造されたブロックアイスをアイスバスケットに収納することを特徴とする原子炉用アイスコンデンサ。
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