JP3876168B2 - アブレイダブルコーティング及びその作製方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスタービン等の回転機械における静止部の表面に施されるアブレイダブルコーティング及びその作製方法に関し、更に詳しくは、ガスタービンのシュラウドに施される、被切削性に優れたアブレイダブルコーティング及びその作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、ガスタービン101は、図3に示すように、図示しないケーシングに配設された静止側のシュラウド103と、該シュラウド103の内方に設けられ、矢印で示す回転方向rに回転軸Cを中心に回転可能な動翼105とを備えている。また、これらの動翼105の外周縁105aとシュラウド103の内周面103aとの間には、微小な隙間(クリアランス)Dが設けられている。この隙間Dからの高温ガス(例えば、1,500℃程度の高温ガス)107の漏洩を抑制してガスタービン101の性能を向上させるため、前記隙間Dを極力小さくすることが望ましい。しかし、隙間Dを小さくしすぎると、動翼105が回転する際に動翼105の先端がシュラウド103の内周面103aに接触し、動翼105が損傷等を起すおそれがある。
【0003】
このため、従来から、前記シュラウド103の内周面103aに、被切削性を有するアブレイダブルコーティング111を施しており、たとえ動翼105の先端がシュラウド103の内周面103aに接触しても、前記アブレイダブルコーティング111が切削され、回転側の動翼105が損傷等することがないように動翼105を保護している。
【0004】
ここで、従来から用いられている前記アブレイダブルコーティング111は、主に、ZrO2-8wt%Y2O3等の部分安定化ジルコニアセラミックスからなるコーティングである。このセラミックスは、常温でビッカース硬さがHv = 約1000と硬いため、実際には、逆に、回転側の動翼105の先端を損傷するおそれがあった。そのため、動翼105の外周縁105aの表面に、シュラウド103のアブレイダブルコーティング111よりも更に硬いアブレッシブコーティング113を施している。
一方、前記アブレイダブルコーティング111をヘリコプターや航空機等に用いられるガスタービンエンジンに適用すると、飛行中に砂塵等を巻き込んだ場合に、ブレードやシュラウドが摩耗するおそれがあった。
このように、従来のアブレイダブルコーティング111では、ガスタービンに適用した場合に、動翼105の先端が損傷するおそれが必ずしも完全に消失せず、ヘリコプターや航空機等のガスタービンエンジンに適用した場合には、ブレードやシュラウドが摩耗するおそれがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記課題を解決し、ガスタービン等の回転機械における静止部の表面に施され、試運転時において動翼を損傷等することがなく、かつ、通常運転時においては耐摩耗性に優れた、アブレイダブルコーティング及びその作製方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するため、シュラウド材に部分安定化ジルコニアセラミックスをコーティングすることにより、立方晶又は正方晶の結晶構造を有するジルコニアセラミックス層を前記シュラウド材の表面に形成するステップと、このジルコニアセラミックス層を形成したシュラウド材に、100℃〜450℃の温度で1時間〜300時間の間、高温熱水処理を施すことにより、前記ジルコニアセラミックス層の結晶構造を単斜晶に変態させるステップとを含むアブレイダブルコーティングの作製方法であって、前記部分安定化ジルコニアセラミックスが、 Y 2 O 3 ,CaO,MgO,CeO 2 の群から選択される少なくとも1つの安定化材を含むことを特徴とするアブレイダブルコーティングの作製方法である。
【0007】
通常、ジルコニアセラミックスは、立方晶又は正方晶の結晶構造を有しており、ビッカース硬さがHv= 1000前後と硬い材料である。このジルコニアセラミックスを高温熱水中で熱処理すると、ジルコニアセラミックスに蒸気による高い圧力が負荷されることにより応力誘起マルテンサイト変態が起こり、結晶構造が単斜晶へと変化する。この単斜晶のジルコニアセラミックスは、ビッカース硬さがHv =約800以下と軟らかく、被切削性が良好である。従って、高温環境で使用されるガスタービンのシュラウドに適用すると、試運転の初回運転時において動翼とシュラウドとのチップクリアランスを調整する時点では、軟らかく、優れた被切削性を示す。そして、初回運転時にガスタービン運転による高温(例えば1,000℃以上)の熱履歴を受けると、結晶構造が立方晶又は正方晶に変態するため、2回目以降の運転時においては、硬さを増して耐摩耗性を維持することができる。
【0008】
ここで、高温熱水処理には、例えば、オートクレーブを用いることができる。高温水の温度は100℃〜450℃、好ましくは、150℃〜350℃であり、処理時間は1時間〜300時間、好ましくは、1 時間〜30 時間である。
高温水の温度が100℃未満や処理時間が1時間未満の場合は、応力誘起マルテンサイト変態が起こりにくいため、単斜晶に十分に変態しない。一方、450℃を超える高温水では、高温熱水処理装置の使用が制限されており、処理時間が300時間を超えると、コーティング処理に時間とコストがかかりすぎ、実用的でない。
【0009】
さらに、本発明に係るアブレイダブルコーティングをヘリコプタや航空機等のガスタービンエンジンに適用すると、ガスタービンの試運転時における熱環境により、アブレイダブルコーティングの結晶構造が正方晶又は立方晶に変態して硬さが増加する。このため、2回目以降の通常運転においては、前記ガスタービンエンジンに砂塵を巻き込んだ場合でも耐摩耗性を維持でき、ブレードやシュラウドの摩耗を阻止することができる。
【0010】
また、本発明の一態様は、シュラウド材に部分安定化ジルコニアセラミックスをコーティングすることにより、立方晶又は正方晶の結晶構造を有するジルコニアセラミックス層を前記シュラウド材の表面に形成するステップと、このジルコニアセラミックス層にショットピーニングを施すことにより、ジルコニアセラミックス層の結晶構造を単斜晶に変態させるステップとを含むアブレイダブルコーティングの作製方法であって、前記部分安定化ジルコニアセラミックスが、 Y 2 O 3 ,CaO,MgO,CeO 2 の群から選択される少なくとも1つの安定化材を含むことを特徴とするアブレイダブルコーティングの作製方法である。
【0011】
さらに、本発明の更に別の態様では、前記安定化材がY2O3であり、100重量部のZrO2と、0.3〜20重量部のY2O3 とを含むアブレイダブルコーティングの作製方法である。
100重量部のZrO2に対して0.3重量部未満のY2O3を添加すると、部分安定化ジルコニアセラミックスを形成することが困難となる。この場合は、ガスタービン運転等による熱履歴を受けると、ジルコニアセラミックス層の結晶構造が単斜晶から正方晶又は立方晶に変態するが、その後冷却されると、元の軟らかい単斜晶に戻るため、耐摩耗性に劣る。
一方、ZrO2に対して20重量部を超えるY2O3を添加すると、ジルコニアセラミックスが完全安定化して応力誘起マルテンサイト変態が発生しないため、ジルコニアセラミックス層の結晶構造が正方晶又は立方晶から十分に単斜晶に変態しない。
【0012】
そして、本発明の更に別の態様は、前記ショットピーニングを、ジルコニアより高い硬度を有するショット材を用いて行うアブレイダブルコーティングの作製方法である。
また、本発明の更に別の態様は、前記ショット材が、シリコンカーバイト又はタングステンカーバイトからなるアブレイダブルコーティングの作製方法である。
さらに、本発明は、前述された方法によって作製されたアブレイダブルコーティングである。
そして、本発明の一態様は、前記アブレイダブルコーティングを備えたシュラウドである。
さらに、本発明の別の態様は、前記シュラウドを備えたガスタービンである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態に係るアブレイダブルコーティングの作製方法について、図面を用いて詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係るアブレイダブルコーティングの作製方法を示すフローチャートである。
【0014】
まず、インコネル713C等の耐熱鋼からなるシュラウド材の表面にアンダーコートを施す。このアンダーコートは、シュラウド材と後述するジルコニアセラミックス層との間に設けられ、両者の熱膨張による応力を緩和及び吸収する作用を有し、耐酸化及び耐高温腐食用のコーティング材料として一般に使用されているエムクラリー(MCrAlY)、例えば、CoNiCrAlYを用いることができる。
【0015】
具体的には、前記シュラウド材の表面にMCrAlYを、大気中におけるプラズマ溶射によって100〜250μmの厚みにコーティングする。溶射条件は、電流が約500〜600A、作動ガスは例えばアルゴンガスと水素ガスの混合ガスが好ましい。該混合ガス中におけるアルゴンガスと水素ガスの混合比は約5対1が好ましく、混合ガスの全体流量は40〜50リットル/分が好ましい。プラズマ溶射トーチとシュラウド材との距離は、100〜150mmが、粉体供給量は、30〜40g/分が好ましい。プラズマ溶射は、溶射トーチを前記シュラウド材の表面に対して往復運動させることにより行う。
【0016】
次いで、前記アンダーコートの上に、ZrO2-0.3〜20wt%Y2O3(例えば、ZrO2-8wt%Y2O3)を0.3〜2.2mmの厚さに大気中において更にプラズマ溶射することにより、ジルコニアセラミックス層を形成する。溶射条件は、電流が約500〜600A、作動ガスは、アルゴンガスと水素ガスの混合ガスが好ましい。混合ガスにおけるアルゴンガスと水素ガスの混合比は、約5対1が好ましく、全体流量は40〜50リットル/分が好ましい。プラズマ溶射トーチとアンダーコートとの距離は100〜150mmが、粉体供給量は、30〜40g/分が好ましい。プラズマ溶射は、前記アンダーコートの表面に対して往復運動させることにより行う。
【0017】
こののち、シュラウド材にアンダーコート及びジルコニアセラミックス層を形成したものを高温熱水処理することにより、ジルコニアセラミックス層を応力誘起マルテンサイト変態させてアブレイダブルコーティングを形成する。高温水の温度は100〜450℃で、処理時間は1〜300時間とする。例えば、純水を収容したオートクレーブ中で300℃の温度で10時間保持することによって、アブレイダブルコーティングを形成することができる。
【0018】
[第2の実施の形態]
図2は、第2の実施の形態に係るアブレイダブルコーティングの作製方法を示すフローチャートであり、ショットピーニングによってジルコニアセラミックス層を応力誘起マルテンサイト変態させ、被切削性に優れたアブレイダブルコーティングとする製造工程を示している。
まず、耐熱鋼、例えばインコネル713C からなるシュラウド材にアンダーコートを施す。該アンダーコートは、シュラウド材と後述するジルコニアセラミックス層との熱膨張緩和のために設けられ、一般に使用されているMCrAlY、例えばCoNiCrAlYをプラズマ溶射によって100〜250μmの厚みにコーティングして形成する。
【0019】
プラズマ溶射は、大気中において、電流が約500〜600A、作動ガスは、アルゴンガスと水素ガスの混合ガスを用いて行うことが好ましい。また、混合ガス中におけるアルゴンガスと水素ガスの混合比は約5対1で、全体流量は40〜50リットル/分が好ましい。プラズマ溶射トーチとシュラウド材との距離は100〜150mmとすることが好ましく、粉体供給量は、30〜40g/分が好ましい。プラズマ溶射は、溶射トーチをシュラウド材に対して往復運動させて吹き付けることによって行う。
【0020】
次いで、ZrO2-0.3〜20wt%Y2O3をプラズマ溶射で0.3〜2.2mmの厚みにアンダーコートの上にさらに溶射することによってジルコニアセラミックス層を形成する。プラズマ溶射は、大気中で、電流約500〜600A、作動ガスは、アルゴンガスと水素ガスの混合ガスが好ましい。アルゴンガスと水素ガスの混合比は約5対1で、全体流量は40〜50リットル/分が好ましい。プラズマ溶射トーチとシュラウド材との距離は100〜150mmが、粉体供給量は、30〜40g/分が好ましい。プラズマ溶射は、前記アンダーコートを溶射したシュラウド材に対して溶射トーチを往復運動させ、0.3〜2.2mmの厚みにコーティングを行う。
【0021】
こののち、アンダーコート及びジルコニアセラミックス層を形成したシュラウド材に対して、空気式加速装置等を用いてショットピーニング処理を施すことにより、ジルコニアセラミックス層に応力誘起マルテンサイト変態を発生させ、これにより、ジルコニアセラミックス層を単斜晶に変態させることができる。ショットピーニング処理においては、平均粒径が0.1〜0.6mmで、ジルコニアより硬質なシリコンカーバイトからなるショット粒子を使用することが好ましい。作動圧力は、0.3〜0.7MPaで、投入ショット量は5〜30kg/minが好ましい。また、投射角度は90°、投射時間は1〜30分間、及びショットピーニングノズルからショットピーニングされるシュラウドとの距離は、10〜30cmが好ましい。
【0022】
【実施例】
次いで、本発明を実施例によって具体的に説明する。
[実施例1]
図1に示すように、シュラウド材はインコネル713C を用いた。まず、シュラウド材と後述するジルコニアセラミックス層との熱膨張緩和のためにアンダーコートとして、CoNiCrAlYをプラズマ溶射で100〜250μmの厚みにコーティングを行った。プラズマ溶射は、大気中において、電流が約500〜600A、作動ガスは、アルゴンガスと水素ガスの混合ガスとした。アルゴンガスと水素ガスの混合比は約5対1、全体流量は40〜50リットル/分とした。また、プラズマ溶射トーチとシュラウド材との距離は100〜150mm、粉体供給量は30〜40g/minとした。プラズマ溶射は、インコネル713Cに対して溶射トーチを往復運動させ、100〜250μmの厚みにCoNiCrAlYをコーティングした。
【0023】
その後、ZrO2-8wt%Y2O3を0.3〜2.2mmの厚みにアンダーコートの上にさらにプラズマ溶射することにより、ジルコニアセラミックス層を形成した。プラズマ溶射は、大気中で、電流が約500〜600A、作動ガスは、アルゴンガスと水素ガスの混合ガスとした。アルゴンガスと水素ガスの混合比は約5対1、全体流量は40〜50リットル/分とした。また、プラズマ溶射トーチとシュラウド材との距離は100〜150mm、粉体供給量は、30〜40g/minとした。なお、プラズマ溶射は、アンダーコートに対して溶射トーチを往復運動させ、0.3〜2.2mmの厚みにコーティングを行った。
【0024】
こののち、ZrO2-8wt%Y2O3からなるジルコニアセラミックス層を応力誘起マルテンサイト変態させるために、純水のオートクレーブ中で温度300℃で10時間保持した。
表1に、本実施例1で処理を行ったアブイレイダブルコーティングの各段階におけるビッカース硬さを示す。比較をするために、本発明の範囲外であるジルコニアセラミックスであるZrO2及びZrO2-30wt%Y2O3コーティングのデータも示す。
【0025】
ビッカース硬さは、JIS Z 2244「ビッカース硬さ試験−試験方法」に準じてジルコニアコーティングを形成した表面にダイヤモンド圧子を押し込んで測定した。さらに、ガスタービンに適用した後の熱影響を調べるために、本実施例1のコーティングを施したシュラウドを用いてガスタービンを組み立て、定格運転を10時間実施した。
【0026】
【表1】
Figure 0003876168
【0027】
表1に示すように、本発明により、高温熱水処理を用いてジルコニアセラミックスからなるコーティングに応力誘起マルテンサイト変態を発生させ、硬さを低下させることができた。
【0028】
[実施例2]
図2に示すように、シュラウド材は、インコネル713C を用いた。まず、シュラウド材と後述するジルコニアセラミックス層との熱膨張緩和のためにアンダーコートとして、CoNiCrAlYを大気中でプラズマ溶射を行い、100〜250μmの厚みにコーティングを施した。プラズマ溶射の電流値は約500〜600A、作動ガスは、アルゴンガスと水素ガスの混合ガスを用いた。また、アルゴンガスと水素ガスの混合比を約5対1とし、全体流量を40〜50リットル/分とした。プラズマ溶射トーチとシュラウド材との距離は100〜150mmとし、粉体供給量は、30〜40g/minとした。プラズマ溶射は、シュラウド材に対して溶射トーチを往復運動させ、100〜250μmの厚みにコーティングを行った。
【0029】
その後、ZrO2-8wt%Y2O3を大気中でプラズマ溶射することにより0.3〜2.2mmの厚みのジルコニアセラミックス層をアンダーコートの上にさらに形成した。プラズマ溶射の電流は約500〜600A、作動ガスはアルゴンガスと水素ガスの混合ガスとした。アルゴンガスと水素ガスの混合比は約5対1で、全体流量は40〜50リットル/分とした。また、プラズマ溶射トーチとシュラウド材料との距離は100〜150mmとし、粉体供給量は30〜40g/minとした。プラズマ溶射は、アンダーコートに対して溶射トーチを往復運動させ、0.3〜2.2mmの厚みにコーティングをした。
【0030】
これらの溶射ののち、応力誘起マルテンサイト変態を発生させるために、空気式加速装置を用いてショットピーニング処理を実施した。該ショットピーニング処理においては、平均粒径が0.1〜0.6mmである、ジルコニアより硬質なシリコンカーバイトからなるショット粒子を使用した。作動圧力は、0.3〜0.7MPaとし、投入ショット量は5〜30kg/min、投射角度は90°とした。そして、投射時間は1〜30分間、ショットピーニングノズルとシュラウドとの距離は、10〜30cmとした。
【0031】
表2に、本実施例2でアブイレイダブルコーティングの各段階におけるビッカース硬さを示す。比較のために同様な方法で得られた本発明の範囲外のZrO2とZrO2+30wt%Y2O3コーティングのデータも示す。
また、ビッカース硬さは、JIS Z 2244「ビッカース硬さ試験−試験方法」に準じてジルコニアコーティングを形成した表面からダイヤモンド圧子を押し込み実施した。さらに、運転後の熱影響を調べるために、ガスタービンとして組み立て、10時間定格運転を実施した。
【0032】
【表2】
Figure 0003876168
【0033】
表2から判るように、本発明により、ジルコニアセラミックスからなるコーティングにショットピーニング処理により応力誘起マルテンサイト変態を発生させ、硬さを低下させることができた。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、ガスタービンのシュラウドに適用する場合、ガスタービンの初回運転でチップクリアランスが調整される時点では、軟らかく被切削性に優れているため、たとえ動翼の先端がシュラウドに接触しても、アブレイダブルコーティングが切削され、回転側の動翼が損傷等することがない。よって、チップクリアランスをより小さくすることにより、ガスタービンの性能向上を図ることができる。また、高温の熱履歴を一旦受けると、結晶構造が元の立方晶又は正方晶に変態するため、耐摩耗性が向上し、ガスタービンの耐久性を上げることができる。
【0035】
さらに、本発明に係るアブレイダブルコーティングをヘリコプタや航空機等のガスタービンエンジンに適用すると、高温の熱履歴を受けたのちは硬さが増加し、耐摩耗性を維持できるため、砂塵を巻き込んでもブレードやシュラウドが摩耗することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係るアブレイダブルコーティングの作製方法を示すフローチャートである。
【図2】第2の実施の形態に係るアブレイダブルコーティングの作製方法を示すフローチャートである。
【図3】ガスタービンの構成を示す概略図である。
【符号の説明】
101 ガスタービン
103 シュラウド
103a 内周面
105 動翼
105a 外周縁
107 高温ガス
111 アブレイダブルコーティング
113 アブレッシブコーティング
r 回転方向
C 回転軸
D 隙間

Claims (8)

  1. シュラウド材に部分安定化ジルコニアセラミックスをコーティングすることにより、立方晶又は正方晶の結晶構造を有するジルコニアセラミックス層を前記シュラウド材の表面に形成するステップと、このジルコニアセラミックス層を形成したシュラウド材に、 100 ℃〜 450 ℃の温度で 1 時間〜 300 時間の間、高温熱水処理を施すことにより、前記ジルコニアセラミックス層の結晶構造を単斜晶に変態させるステップとを含むアブレイダブルコーティングの作製方法であって、
    前記部分安定化ジルコニアセラミックスが、Y2O3,CaO,MgO,CeO2の群から選択される少なくとも1つの安定化材を含むことを特徴とするアブレイダブルコーティングの作製方法。
  2. シュラウド材に部分安定化ジルコニアセラミックスをコーティングすることにより、立方晶又は正方晶の結晶構造を有するジルコニアセラミックス層を前記シュラウド材の表面に形成するステップと、このジルコニアセラミックス層にショットピーニングを施すことにより、ジルコニアセラミックス層の結晶構造を単斜晶に変態させるステップとを含むアブレイダブルコーティングの作製方法であって、
    前記部分安定化ジルコニアセラミックスが、Y2O3,CaO,MgO,CeO2の群から選択される少なくとも1つの安定化材を含むことを特徴とするアブレイダブルコーティングの作製方法。
  3. 前記安定化材がY2O3であり、100重量部のZrO2と、0.3〜20重量部のY2O3とを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のアブレイダブルコーティングの作製方法。
  4. 前記ショットピーニングを、ジルコニアより高い硬度を有するショット材を用いて行うことを特徴とする請求項に記載のアブレイダブルコーティングの作製方法。
  5. 前記ショット材が、シリコンカーバイト又はタングステンカーバイトからなることを特徴とする請求項に記載のアブレイダブルコーティングの作製方法。
  6. 前記請求項1〜のいずれかに記載された方法によって作製されたことを特徴とするアブレイダブルコーティング。
  7. 前記請求項のアブレイダブルコーティングを備えたことを特徴とするシュラウド。
  8. 前記請求項のシュラウドを備えたことを特徴とするガスタービン。
JP2002036108A 2002-02-14 2002-02-14 アブレイダブルコーティング及びその作製方法 Expired - Lifetime JP3876168B2 (ja)

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