JP3876098B2 - 放射性元素の固定化方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば放射性ヨウ素等の放射性元素を長期間安定に固定化する放射性元素の固定化方法に関する。
【0002】
【背景技術】
原子力燃料の再処理に伴い発生する半減期の長い放射性ヨウ素の処分は人工バリア剤等による生物圏への核種移行遅延効果が出来ない為、超ウラン元素(TRU)廃棄物処分において最も被爆線量への寄与の大きい核種となっている。
従来のヨウ素固定化方法として、▲1▼ヨウ化銀ガラスによる固定化方法、▲2▼セメントによる固定化方法、▲3▼アルミノ珪酸塩へ吸着後水熱合成固定化方法等の種々の方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したヨウ素の固定化処分方法において、▲1▼ガラス化はガラスの低浸出率の点で、、▲2▼セメントは長期健全性の点で、▲3▼アルミノ珪酸塩へ吸着後水熱合成固定化等の方法はシリカの低浸出率の点で更なる検討がなされており、各方法とも環境の変遷を考慮し、長期間安定性及び低溶出性については満足行くものでなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本発明の[請求項1]の発明は、m n 2n:W=Na,Ca,K,Ba,Sr;Z=Si+Al(Si:A;>1)]の一般式にて示されるゼオライトの窓部内に放射性元素を吸着し、該ゼオライト窓部をシリカのネットワークにより塞ぎ、シリカのネットワークを形成した後の放射性元素固定ゼオライトの周囲を被覆剤であるシリカで被覆し、包摂された放射性元素の外部への溶出を抑制することを特徴とする。
【0006】
[請求項]の発明は、請求項において、上記被覆を固定化剤で固定することを特徴とする。
【0007】
[請求項]の発明は、請求項において、上記定化剤がアパタイト又はシリカであることを特徴とする。
【0008】
[請求項]の発明は、請求項1において、上記シリカネットワークの形成は、シリコンアルコキシド,シランガスCVD法により650℃以下の温度で繰り返し行い、その後水蒸気により加水分解して窓部を塞ぐことを特徴とする。
【0009】
[請求項]の発明は、請求項又はにおいて、上記バインダーと共に加圧成型した後、高温で焼成することを特徴とする。
【0010】
[請求項]の発明は、請求項1乃至のいずれか一項において、上記放射性元素がヨウ素であり、上記ゼオライトがA型ゼオライトであることを特徴とする。
【0011】
[請求項]の発明は、請求項において、上記A型ゼオライトがCaイオンでイオン交換したCaA型ゼオライトであることを特徴とする。
【0012】
[請求項]の発明は、請求項において、上記CaA型ゼオライトのCaイオンの一部をAgイオンでイオン交換したCa−Ag−A型ゼオライトであることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明による放射性元素の固定化方法の実施の形態を以下に説明するが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
【0014】
本発明は放射性元素(例えばヨウ素)を処理する場合に、該放射性元素をゼオライト[Wm n 2n:W=Na,Ca,K,Ba,Sr;Z=Si+Al(Si:A;>1)]の窓部内に吸着させ、ゼオライト窓部を例えばシリコンアルコキシドによりシリカコートしてシリカのネットワークを形成して窓径を縮小して窓部を塞ぎ、包摂したヨウ素の外部への溶出を抑制するものである。更にシリカコートした放射性元素含有ゼオライトの廻りに水溶液への溶解度が低く、長期に安定した鉱物であるアパタイト等の被覆剤で覆い、長期に安定した固定化するようにしたものである。
【0015】
ここで、ゼオライトには数百種類程度存在するが、大量に生産され、安価なものとしてA型ゼオライト、フォジャサイト型ゼオライト等がある。
例えば放射性元素としてヨウ素を処理する場合には、Caイオンでイオン交換したA型ゼオライトが特に好ましい。
これは、ヨウ素は2分子構造をとり、ファンデアワールス半径から短い方の直径が4.3Å、長い方が6.96Åあり、ゼオライト窓径が4.3Å以上ないとヨウ素は吸着されないので、窓径を5Åに制御したCaイオンでイオン交換してなるCaA型ゼオライトが好ましいからである。
なお、ゼオライトの窓径の制御はイオン交換によって可能であり、通常窓部にNaイオンが存在するNaA型ゼオライトの窓径は4Åであるが、Naイオンを溶液中でCaイオンにイオン交換すると窓径が5ÅのCaA型ゼオライトになる。よって、ヨウ素分子径は4.3Å有るためNaイオンが配置されたNaA型ゼオライトでは吸着しないことから本発明では、CaA型ゼオライトを用いることとした。
【0016】
ここで、Caイオンの代わりにMgイオン,Srイオン及びBrイオン等の2価のイオンを用いて窓径を制御するようにしてもよい。
【0017】
また、放射性元素としてヨウ素以外の径の大きな放射性元素を包摂する場合には、窓径が9Åを有するフォジャサイト型ゼオライトを用いることができる。
更に、ヨウ素以外の径の小さな放射性元素を包摂する場合には、窓径を小さくしたA型ゼオライトを用いることができる。
【0018】
またヨウ素は銀と反応して安定なヨウ化銀になることから、CaA型ゼオライトのCaイオンの一部をAgイオン交換し、Ca−Ag−A型ゼオライトが更に好ましい。
【0019】
なお、Ca−Ag−A型ゼオライトのAgイオン交換は数%〜60%程度とするのが好ましい。
これは、Agのイオン交換率が高いと銀が窓部を閉塞するため、ヨウ素の吸着量が低下するからである。
【0020】
なお、イオン交換後含有する結晶水を除くために、350度から650度に焼成すること必要である。これは、350度未満であると結晶水の除去が十分ではなく、一方650度を超えて焼成すると、ゼオライトが破壊するので、好ましくないからである。なお、熱処理の雰囲気ガスは特に限定されるものではなく、空気中でも窒素中のいずれでもよい。
【0021】
ヨウ素を吸着したA型ゼオライトは水との結合力が強く水溶液に入れるとヨウ素と水が入れ替わり、吸着したヨウ素を放出するため、ヨウ素吸着後液中でイオン交換による窓の閉塞はできない。
【0022】
よって、A型ゼオライトの窓内に包摂したヨウ素を窓部からの再度の放出を防止するために、CVD法(Chmical Vapor Deposition;化学蒸着法)を採用し、気相でシリカによる窓部の閉塞を実施した。CVD溶による閉塞条件は650℃以下である。
【0023】
なお、シリカによる閉塞は高温の方が反応が良く窓部を均一に塞ぐが、いきなり昇温すると吸着したヨウ素を放出するため、シリカの閉塞を低温(室温)から、100度、150度、200度、350度と徐徐に昇温するのが望ましい。
【0024】
ここで、シリカネットワークを形成するシリカ源としては、TMOS(テトラメトキシシラン)、TEOS(テトラエトキシシラン)等シリコンアルコキシドや、シランガス等を用いることができる。
その後水蒸気と接触して加水分解し、シリカのネットワークをゼオライトの廻りに作り窓径を縮小する。
【0025】
水蒸気には加水分解反応を促進するために触媒(例えばアンモニア、酢酸、塩酸等)を必要に応じて用いることができる。
シリカネットワークによる窓部の閉塞のためこの工程を数回行うことが好ましい。
【0026】
窓部を閉じ込めた後、アパタイト(Ca5 (PO4 3 Z(Z=F,Cl,Br,OH,I)又はシリカ等の被覆剤を用いて、ヨウ素を包摂したA型ゼオライトの周囲を被覆する。
ここで、アパタイトは、骨の成分であり、数百万年安定して形状を保つことが恐竜の化石等から実証されており、アパタイト鉱物の中でも水への溶解性が最も低いフルオロアパタイト(Ca5 (PO4 )3F)を用いることが好ましい。
【0027】
この固定化を行うには、ヨウ素包摂し更にシリカで窓部を閉塞したゼオライトとアパタイトとを混合し、更にシリカゾルやアルミナゾルあるいは水ガラスあるいはカオリン等の無機系のバインダーを混ぜ、加圧成型した後更にアパタイトと無機系バインダで廻りを固め、350度で焼成するようにすればよい。
上記加圧成型する条件としては、100〜600℃で100〜600kg/cm2 程度とするのが好ましい。
【0028】
更に、上記アパタイト又はシリカ等の被覆剤を用い、アパタイトで固化したゼオライトの廻りを被覆し、固定化することにより、長期間安定的にヨウ素の固定化が可能となった。
【0029】
このように、本発明ではゼオライト吸着剤の窓部にヨウ素を包摂し、窓部をシリカネットワークで閉じ込めることでヨウ素を固定化した。また、このシリカネットワークで窓部を塞いだ後に、アパタイト等の被覆剤被覆し、更にその被覆剤をアパタイト等の固定化剤で固定することで、長期に安定したヨウ素固定化が可能になる。
【0030】
次に、図1を用いてヨウ素固定化方法の概要を説明する。
【0031】
図1はヨウ素固定化方法の工程図である。
図1(a)はゼオライト骨格の概念図を示している。
図1(a)に示すように、A型ゼオライト11の骨格はSi,Al,Oを成分としSi−O−Al−O−Si−とシリコンの廻りは酸素を介してアルミが、また逆にアルミ原子の廻りは酸素を介してシリコン原子が配置され、ネットワークを形成している。
図1(a)中の六角形の頂点にシリコン原子あるいはアルミ原子があり、頂点を結ぶ線上に酸素原子が配置する。
シリコン原子とアルミ原子は4配位をとり、アルミ原子の電荷補償のためカチオンのNaやCaイオンが配置される。なお、図1(a)では、カチオンは示していない。
【0032】
図1(b)はヨウ素12を吸着したゼオライトの概念を示している。
ヨウ素は窓部13内に数分子入っている。
【0033】
図1(c)はシリカネットワーク14でゼオライトの窓部13を閉塞しヨウ素12を閉じ込めた図である。
シリカネットワーク14の形成により、ゼオライト11の窓部13内に包摂されたヨウ素12が塞ぎ込まれたヨウ素保持材15を形成する。
ヨウ素分子は大きいので窓部13の僅かな縮小により出られなくなる。
【0034】
図2はヨウ素を包摂し、シリカネットワーク13で窓径を縮小したヨウ素保持材15の周囲を被覆剤で被覆した概念図である。
ここで被覆剤16としてはアパタイトを用いている。アパタイトの被覆により、該アパタイトへのヨウ素の浸透もないので、仮にゼオライトからヨウ素が出てもアパタイトを拡散する事がない。これにより、ヨウ素を保持したゼオライトが地下水に触れることが抑止される。
【0035】
また、周囲をアパタイトで被覆した被覆を更に、固定化剤17としてアパタイトを用い、固化するようにしている。このようにすることで、ゼオライトの周囲をアパタイトで被覆した被覆と合せ、ヨウ素を保持したゼオライトが地下水に触れることを更に二重に抑止することになる。
【0036】
なお、ヨウ素保持材15の周囲をアパタイトで被覆する代わりに、ヨウ素保持材15とアパタイトとを混合して焼成し、その後それらの周囲をアパタイトで被覆し、固定化するようにしてもよい。
【0037】
【実施例】
本発明の有効性を実証するためゼオライトにヨウ素を吸着してヨウ素吸着量を測定し、ヨウ素含有ゼオライトをシリカコートして閉じ込め性能を評価し、ゼオライトをアパタイトで固定化し、ヨウ素溶出量を測定した。
【0038】
(実施例1)
各種ゼオライトについて図3にヨウ素吸着量を測定した装置を示す。
図3に示すように、ヨウ素の吸着量を測定する装置は、内部にヨウ素を入れたヨウ素発生筒21と、発生したヨウ素12を吸着する吸着筒22と、吸着筒から排気したヨウ素を吸着するメタノール槽23とからなり、入口からHeボンベ25からのHeガスを導入し、水浴槽25で温度を調製したヨウ素に通し、吸着筒22内のゼオライトに導入している。なお、上記吸着筒22内はゼオライト26の前後をシリカウール27,27で塞いでいる。Heガスの流量は流量計28で制御している。
ヨウ素は蒸気圧が高いため、室温でも十分昇華し、飽和蒸気圧に近いヨウ素がゼオライトに導入された。
なお、ゼオライトで吸着できなかったヨウ素は出口のメタノール槽23で回収した。
ヨウ素吸着量は重量法により求めた。
【0039】
使用したゼオライトはフォジャサイトゼオライトのシリカアルミナ比2.5のNaXゼオライト、とこれを銀イオン交換したAgXゼオライト、CaAゼオライトとこれをイオン交換したCa−Ag−A型ゼオライト、ALPO(アルミノリン酸塩)吸着剤、SAPO(シリカアルミノリン酸塩)、アパタイトとした。
ALPO吸着剤、SAPO吸着剤は結晶構造が異なり、組成がAl,P,Siからなるゼオライト系吸着剤である。
【0040】
CaA型ゼオライトの銀へのイオン交換は、ゼオライトを精製水にいれてスラリー状にした後、硝酸銀を導入し、数時間撹拌する。次ぎに濾過・洗浄し、乾燥後所定の温度で焼成し、ゼオライト内の結晶水を除去する。焼成はイオン交換していない吸着剤に付いても実施した。
また吸着剤は焼成前に、均一となるようにメッシュ状(14〜60メッシュ)に成型した。
【0041】
吸着は結合力の強い化学吸着と結合力の弱い物理吸着があり。固定化には化学吸着量の多い剤が望ましい。
化学吸着量はフレッシュ品のヨウ素吸着量から物理吸着量を除いた吸着量であり、安定なヨウ素である。物理吸着量はヨウ素を十分に吸着したゼオライトをヘリウムガスでパージし、脱着したヨウ素吸着量で求めた。
吸着処理は、24時間×100ml/min吸着し、その後、ヘリウムガスで24時間×100ml/minパージした。
「表1」にヨウ素吸着量試験の結果を示す。
なお、吸着量は下記式より求めた。
吸着量=[ヨウ素吸着量/吸着剤量(ヨウ素含まず)]
【0042】
【表1】
Figure 0003876098
【0043】
表1より以下の結果が得られた。
▲1▼ アパタイトはヨウ素を殆ど吸着しなかった。従ってゼオライトを固定化した際、アパタイトによるヨウ素の拡散は無い事が確認された。
▲2▼ ALPO吸着剤、SAPO吸着剤についてもヨウ素吸着量は少なく特に化学吸着量が低くヨウ素の安定性に欠けた。
▲3▼ NaX型吸着剤を銀イオン交換したAgX吸着剤はAgのイオン交換により物理吸着量の割合が、化学吸着量の10%から3%台へ減少し、ヨウ素の安定性が増した。
Agを100%イオン交換するとゼオライトの重量は1.5倍になるため、化学吸着量はゼオライトに対して減少した。
▲4▼ A型ゼオライトはCaA型ゼオライトとCaA型ゼオライトをAgイオン交換したAgA型ゼオライトについて吸着量を求めた。
Ca−AgA型ゼオライトはイオン交換と処理方法について数種類実施した。銀イオン交換率には最適値がありイオン交換率20%が最も化学吸着量が高かった。
物理吸着量は20%以上では殆ど無く、Agイオン交換によってヨウ素が安定した。銀が多くはいると吸着剤が高価になるため少ない方が良いが、安定性を考えるとイオン交換率は高い方が良く、イオン交換率の上限は60%程度とするのがよいことが確認された。
▲5▼ ゼオライトの前処理方法は350度から650度の範囲であれば、いずれも遜色なく、また、空気と窒素焼成でも差は変わらなかった。
【0044】
(実施例2)
シリカネットワークの形成を実施した。
ゼオライトとしては、Ca−Ag−A型ゼオライト(イオン交換率20%)を使用した。
シリカコート試験装置図を図4に示す。
図4に示すように、シリカコート試験装置は、シリカ剤としてのTMOSを入れた第1の容器31と、アンモニア水(触媒)を入れた第2の容器32とを並列に設け、ヨウ素吸着したゼオライト33を内部に入れたコーティング用筒34へ順次、ガスを導入するようにしたものである。図4中、符号36は検出器である。
先ず、入口よりヘリウムボンベ35からヘリウムガスを導入し、アンモニア水、TMOS、ヘリウムガスをそれぞれ独立のラインを通りヨウ素含有ゼオライト33に流すようにしている。
アンモニア水はバブリングにより飽和蒸気として流す。
シリカ源としてのテトラメチルオルソシリケート(TMOS)はバブリングし過飽和の蒸気を取り除き導入した。
また導入量を安定化するため水浴とした。
ヨウ素を吸着したCa−Ag−A型ゼオライト(イオン交換率20%)は、100度に保持しており、▲1▼TMOS、▲2▼ヘリウムガス、▲3▼アンモニア水、▲4▼ヘリウムガスの順にガス種を検出器36で確認しながら数回繰り返し流した。
評価は350度で焼成して水分を取り除き、コート回数に対するヨウ素の含有率から評価した。含有率は湿式分析で測定した。閉じ込め条件は室温から450度まで可能であるが、室温ではゼオライトに結露することが考えられるため、100度以上とした。
【0045】
図5にコート回数とヨウ素含有率の関係を示す。コート回数6回以上で含有ヨウ素量は40%に達し、吸着したヨウ素の殆どが閉じ込められた。従って閉じ込めに必要な回数は6回以上で十分である。
【0046】
(実施例3)
ゼオライトはCa−Ag−A型ゼオライト(イオン交換率20%)を使用した。実施例ではヨウ素吸着ゼオライトをシリカコート後アパタイトで固定化した。アパタイトの合成方法
0.1〜1.0molの硝酸カルシウム水溶液に硝酸カルシウムのモル濃度に対してエチレンジアミン4酢酸4ナトリウムのモル濃度が1.1になるように濃度調製したエチレンジアミン4酢酸4ナトリウム水溶液を同量加えて、カルシウムキレート錯体溶液を作る。
この溶液にCa/Pモル比が化学量論比1.67になるように調製したリン酸水素2ナトリウム水溶液を更に同量加え、それに10N水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH10に調製する。
フッ素源としてフッ化ナトリウムを硝酸カルシウムの1/5モル加え、混合液を90℃に加温し、過酸化水素水をエチレンジアミン4酢酸4ナトリウムの5倍モル添加し約6時間熟成してアパタイトを得た。
得られたフルオロアパタイトを用い、ヨウ素を含有し更にシリカで窓部を閉塞したゼオライトを混合し、更に無機系のバインダーを混ぜ、加圧成型(100kg/cm2 )した後、更にアパタイトと無機系バインダで廻りを固め、350度で焼成した。
更に、このアパタイトでゼオライトの廻りを囲み固定化した。
得られた試料を精製水に浸し1ヶ月放置し、水中のヨウ素を分析したが、ヨウ素が全く認められなかったので、溶液中へのヨウ素の拡散・溶出等が無いことが確認された。
【0047】
【発明の効果】
以上述べたように、[請求項1]の発明によれば、[請求項1]の発明は、m n 2n:W=Na,Ca,K,Ba,Sr;Z=Si+Al(Si:A;>1)]の一般式にて示されるゼオライトの窓部内に放射性元素を吸着し、該ゼオライト窓部をシリカのネットワークにより塞ぎ、シリカのネットワークを形成した後の放射性元素固定ゼオライトの周囲を被覆剤であるシリカで被覆し、包摂された放射性元素の外部への溶出を抑制するので、放射性元素を長期間安定に固定化することができる。例えば被覆剤を地中に埋設した場合でも地下水から保護することができる。半永久的に変質することがなく、長期間安定して放射性元素の固化をすることができ、その溶出も防止される。
【0049】
[請求項]の発明は、上記被覆を固定化剤で固定するので、被覆を更に固化するので、地中に埋設した場合に地下水との接触を遅らせることができる。
【0050】
[請求項]の発明は、上記定化剤がアパタイト又はシリカであるので、半永久的に変質することがなく、長期間安定して放射性元素の固化をすることができ、その溶出も防止される。
【0051】
[請求項]の発明は、上記シリカネットワークの形成は、シリコンアルコキシド,シランガスCVD法により650℃以下の温度で繰り返し行い、その後水蒸気により加水分解して窓部を塞ぐので、ゼオライトの窓径の閉塞が確実となる。
【0052】
[請求項]の発明は、請求項又はにおいて、上記バインダーと共に加圧成型した後、高温で焼成するので、固化が確実となる。
【0053】
[請求項]の発明は、上記放射性元素がヨウ素であり、上記ゼオライトがA型ゼオライトであるので、ヨウ素を長期間安定して固定化することができる。
【0054】
[請求項]の発明は、上記A型ゼオライトがCaイオンでイオン交換したCaA型ゼオライトであるので、ゼオライトの窓内にヨウ素の包摂が確実となる。
【0055】
[請求項]の発明は、上記CaA型ゼオライトのCaイオンの一部をAgイオンでイオン交換したCa−Ag−A型ゼオライトであるので、ヨウ化銀を形成し、更に安定した包摂が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヨウ素固定化方法の工程図である。
【図2】ヨウ素を包摂したA型ゼオライトの周囲を被覆剤で被覆した概念図である。
【図3】ヨウ素吸着量を測定した装置の概略図である。
【図4】シリカコート試験装置図の概略図である。
【図5】シリカコート試験結果を示す図である。
【符号の説明】
11 A型ゼオライト
12 ヨウ素
13 窓部
14 シリカネットワーク
15 アパタイト
21 ヨウ素発生筒
22 吸着筒
23 メタノール槽
24 Heボンベ
25 水浴槽
31 第1の容器
32 第2の容器
33 ヨウ素吸着ゼオライト
34 コーティング用筒
35 Heボンベ

Claims (8)

  1. m n 2n:W=Na,Ca,K,Ba,Sr;Z=Si+Al(Si:A;>1)]の一般式にて示されるゼオライトの窓部内に放射性元素を吸着し、該ゼオライト窓部をシリカのネットワークにより塞ぎ、シリカのネットワークを形成した後の放射性元素固定ゼオライトの周囲を被覆剤であるシリカで被覆し、包摂された放射性元素の外部への溶出を抑制することを特徴とする放射性元素の固定化方法。
  2. 請求項において、上記被覆を固定化剤で固定することを特徴とする放射性元素の固定化方法。
  3. 請求項において、上記定化剤がアパタイト又はシリカであることを特徴とする放射性元素の固定化方法。
  4. 請求項1において、上記シリカネットワークの形成は、シリコンアルコキシド,シランガスCVD法により650℃以下の温度で繰り返し行い、その後水蒸気により加水分解して窓部を塞ぐことを特徴とする放射性元素の固定化方法。
  5. 請求項又はにおいて、上記バインダーと共に加圧成型した後、高温で焼成することを特徴とする放射性元素の固定化方法。
  6. 請求項1乃至のいずれか一項において、上記放射性元素がヨウ素であり、上記ゼオライトがA型ゼオライトであることを特徴とする放射性元素の固定化方法。
  7. 請求項において、上記A型ゼオライトがCaイオンでイオン交換したCaA型ゼオライトであることを特徴とする放射性元素の固定化方法。
  8. 請求項において、上記CaA型ゼオライトのCaイオンの一部をAgイオンでイオン交換したCa−Ag−A型ゼオライトであることを特徴とする放射性元素の固定化方法。
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