JP3875682B2 - 光方向性結合器 - Google Patents

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Description

本発明は、光導波路を用いる光方向性結合器に関し、特に、光ファイバと高い結合効率で接続可能な小型で低損失の光方向性結合器に関する。
一般に、光導波路を用いて構成される光方向性結合器は、光の分岐や合波、伝搬経路の変更等を行うための光デバイスであり、例えば、光導波路型の波長フィルタや干渉計の要素部品などに用いられる。従来の光方向性結合器には、例えば図22に示すように、光導波路の2つのコアを狭い間隔で平行に配置した光結合部と、コアが比較的広い間隔で配置された入出射部と、光結合部と入出射部とをつなぐ連結部とを有するものがある。この従来の方向性結合器においては、入出射部、光結合部及び連結部のそれぞれについて、光の進行方向に垂直なコア断面の形状が同一であり、また、コアとクラッドの比屈折率差が同一である。
上記のような構造の光方向性結合器において、ガイドされる光のモードサイズが10μm程度のシングルモードファイバとの結合効率を向上させようとすると、光方向性結合器を構成する光導波路のコアサイズと比屈折率差を、シングルモードファイバのコアサイズと比屈折率差に近づける必要がある。
しかしながら、従来の光方向性結合器では、光導波路のコアサイズと比屈折率差をシングルモードファイバに近づけた場合に光方向性結合器を低損失にしようとすると、光結合部を長くする必要が生じるため、光方向性結合器が大型化してしまうという問題があった。
ここで、光方向性結合器を構成する光導波路のコアサイズや比屈折率差と光結合部の長さとの関係について簡単に説明する。まず、コアとクラッドの比屈折率差Δを、コアの屈折率n1、クラッドの屈折率n2を用いて次のように定義する。
Δ=(n1−n2)/n2…(1)
光導波路と光ファイバとの結合効率は、図23に示すように、光導波路の比屈折率差Δが光ファイバの比屈折率差と同程度の値となるときに最も高くなり、その値よりも比屈折率差Δが大きくなると結合効率は低下する。また、図示しないが、光導波路のコアサイズについては、光ファイバのコア径と同程度の値のときに結合効率が最も高くなり、光ファイバのコア径よりも光導波路のコアサイズが小さくなると、結合効率は低下する。
光方向性結合器の比屈折率差Δとコアの大きさに関しては、光導波路をシングルモード導波路とするための制約として、比屈折率差Δを大きくするほど、コアの大きさを小さくしなければならないということがある。図24及び図25は、光方向性結合器の光結合部のギャップ幅(2つのコアの間隔)に対する結合長の関係を示したものである。ただし、図24には、コアサイズ(コアを正方形としたときの一辺の大きさ)を一定として、比屈折率差Δを変化させたときの関係が示してあり、図25には、比屈折率差Δを一定として、コアサイズを変化させたときの関係が示してある。ここで結合長とは、一方のコアから他方のコアヘ移動する光パワーが100%になる最短長さとする。
図に示すように、コアサイズと比屈折率差Δが一定であればギャップ幅が小さいほど結合長が短くなり、コアサイズとギャップ幅が一定であれば比屈折率差Δが小さいほど結合長が短くなる。また、比屈折率差Δとギャップ幅が一定であればコアサイズが小さくなるほど結合長は短くなる。図26は、光方向性結合器の光結合部のギャップ幅に対する光結合部の損失の関係を、比屈折率差Δに応じて示したものである。ただし、コアサイズは一定である。
図26に示すように、光結合部における損失に着目すると、比屈折率差Δが一定であればギャップ幅が大きいほど損失が小さくなり、ギャップ幅が一定であれば比屈折率差Δが大きいほど損失は小さくなる。この理由は、次のように説明される。図27に示すように、光方向性結合器の光結合部における光パワーの移動は、0次モードと1次モードとの結合によって生ずる。即ち、図27の上段に示した2つの光導波路のうちの上側の光導波路の左端から入力されたシングルモード光は、光結合部を伝搬する際に、図27(I)に示すような0次モードの電界分布と、図27(II)に示すような1次モードの電界分布と、をもつようになり、図27(III)に示すような両モードの重ね合わせによる電界分布が生じることになる。
この際、光結合部の入射部(A)及び出射部(E)における0次モードの電界分布の中央部分の窪みの極小値(これをIlとする)が小さいほど、2つのモードを加算したときのモード形状が、片方の光導波路に導波されるモード形状に近づくため、光結合部に損失が小さくなる。逆に、窪みの極小値Ilが大きいと、0次モードの電界分布が綺麗な2つの山に別れないため、2つのモードを加算したときのモード形状が、片方の光導波路に導波されるモード形状とならない(他方の光導波路を導波される成分が増える)ため、その分だけ損失が大きくなる。
0次モードの中央部分の窪みの極小値I1は、コアサイズ及び比屈折率差Δが一定であればギャップ幅が大きいほど小さくなり、比屈折率差Δとギャップ幅が一定であればコアサイズが大きいほど小さくなり、また、ギャップ幅とコアサイズが一定であれば比屈折率差Δが大きいほど小さくなるという関係がある。図28は、0次モードのピーク強度をI0として、Il/I0が一定になる場合(即ち、損失が一定になる場合)の比屈折率差Δと結合長の関係を、コアサイズに応じて示したものである。図28に示すように、コアサイズが大きくても小さくても、比屈折率差Δを大きくするほど結合長が短くなることがわかる。
従って、小型で低損失の光方向性結合器を実現する1つの手段としては、コアとクラッドの比屈折率差Δを大きくし、それに応じてコアサイズを調整することが有効であると考えられる。光導波路の屈折率分布に特徴を持たせた方向性結合型の光デバイスとしては、例えば、近接する2つの光導波路の屈折率差を大きくする、即ち、光結合部に位置する光導波路の各コアの屈折率に違いを持たせることで、0次モードと1次モードの伝搬定数(伝搬速度)の差を大きくしようとした導波型光スイッチが公知である(例えば、特許文献1参照)。
特開平4−19713号公報
しかし、上記の導波型光スイッチでは、図29に示すように、光結合部における0次モード及び1次モードの電界強度分布が、2つの光導波路において非対称となるため、干渉後の電界強度分布が単峰にはならない。このため、上記のような公知技術を屈折率固定の光方向性結合器に適用した場合には、損失の増加や消光比の低下といった問題が生じることになる。
本発明は上記の点に着目してなされたもので、光ファイバと高い結合効率で接続可能な小型で低損失の光方向性結合器を提供することを目的とする。
このため本発明の光方向性結合器は、光の伝搬方向に沿って連続する第1〜5領域に亘って設けられた2本の光導波路を有し、光が入出射される第1領域及び第5領域では、前記各光導波路内を光が独立して伝搬するように各光導波路間の間隔が相対的に広くされ、第3領域では、前記各光導波路内を伝搬する光が相互作用するように各光導波路間の間隔が相対的に狭くされ、第2領域及び第4領域では、隣接する領域の各光導波路がそれぞれ連結される構成の光方向性結合器において、少なくとも第3領域に位置する前記各光導波路のコアの間に設けられ、クラッドの屈折率よりも低い屈折率を持つ低屈折率領域を備えると共に、前記各光導波路は、少なくとも第3領域におけるコアとクラッドとの比屈折率差が、第1領域及び第5領域におけるコアとクラッドとの比屈折率差よりも大きく、少なくとも第3領域におけるコアの屈折率が互いに略等しく、かつ、少なくとも第3領域に位置するコアの幅が他の領域に位置するコアの幅よりも狭くなるようにしたものである。上記低屈折率領域は、空気層により形成してもよい。このように低屈折率領域を設けることで、第3領域の比屈折率差がより大きくなって結合長が短くなるとともに、光結合部のコア間の屈折率が低くなって損失が小さくなる。また、光結合部コアサイズも小さくされているので結合長がさらに短くなる。
また前記低屈折率領域は、少なくとも第3領域に位置する前記各光導波路のコアの間及び各コアの外側に設けられるようにしてもよい。このようにすることで、第3領域におけるコアとクラッドの比屈折率差が一層大きくなる。
また、本発明に係る他の光方向性結合器は、光の伝搬方向に沿って連続する第1〜9領域に亘って設けられた2本の光導波路を有し、光が入出射される第1領域及び第9領域では、前記各光導波路内を光が独立して伝搬するように各光導波路間の間隔が相対的に広くされ、第3〜7領域では、前記各光導波路内を伝搬する光が相互作用するように各光導波路間の間隔が相対的に狭くされ、第2領域及び第8領域では、隣接する領域の各光導波路がそれぞれ連結される構成の光方向性結合器において、第5領域に位置する前記各光導波路間の間隔が、第3領域及び第7領域に位置する前記各光導波路間の間隔よりも狭くされ、第5領域の各光導波路が、第4領域及び第6領域を介して第3領域及び第7領域の各光導波路に連結されており、少なくとも第3〜7領域に位置する前記各光導波路のコアの間に設けられ、クラッドの屈折率よりも低い屈折率を持つ低屈折率領域を備えると共に、前記各光導波路は、少なくとも第3〜7領域におけるコアの屈折率が互いに略等しく、かつ、少なくとも第5領域に位置するコアの幅が他の領域に位置するコアの幅よりも狭くなるようにしたものである。
かかる構成によれば、光結合部となる第3〜7領域のうちの中央部分に位置する第5領域が強光結合領域となるので結合長が短くなるとともに、第3、7領域の各コア間の間隔が第5領域のコア間隔よりも広くなっているので、光結合部における損失が低く抑えられるようになる。また、第3〜7領域に低屈折率領域を設けたことで比屈折率差がより大きくなって結合長がさらに短くなるとともに、光結合部のコア間の屈折率が低くなって損失がより小さくなる。さらに、光結合部コアサイズも小さくされているので結合長が一層短くなる。
本発明によれば、光結合が行われる第3領域におけるコアとクラッドとの比屈折率差が第1、5領域における比屈折率差よりも大きくなるようにすると共に、低屈折率領域を適用したことにより、結合長を短くできるため、高い結合効率で光ファイバとの接続を可能にしながら光方向性結合器の小型化を図ることが可能となる。また、各コアの屈折率を互いに略等しくすることによって、光結合の際の損失を低く抑えることができる。さらに、第3領域に位置するコアの幅を他の領域に位置するコアの幅よりも狭くしたことにより、結合長をさらに短くできる。従って、低損失で小型の光方向性結合器を提供することができる
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光方向性結合器の構成を示す上面図である。また、図2は、図1の一点鎖線で示す(a)〜(c)における断面図である。
図において、本光方向性結合器は、例えば、シリコン基板10と、該シリコン基板10上にポリイミド等を用いて形成された光導波路層とから構成される。光導波路層は、クラッド11に囲まれた2つのコア12からなり、各コア12は、図1で左右方向に平行に形成され、互いの間隔が中央部分において狭くなっている。ここでは、図1で左右端に位置する部分(入出射部)を第1領域及び第5領域とし、中央に位置する各コア12の間隔が狭くなった部分(光結合部)を第3領域とし、第1領域及び第5領域と第3領域との間に位置する部分(連結部)を第2領域及び第4領域とする。また、本実施形態では、クラッド11とコア12の比屈折率差Δを大きくするために、少なくとも第3領域(光結合部)に位置する各コア間に低屈折率領域13が設けられている。
各コア12は、単一のコアサイズ及び屈折率(n1)を有するものとする。具体例を示すと、コアサイズを幅W3=7μm×高さH3=7μmとし、屈折率n1を1.530とする。また、各コア間のギャップ幅G2を5.5μmとする。さらに、クラッド11については、その屈折率n2を1.522とする。
低屈折率領域13は、第3領域における各コア12間のギャップ幅以下の幅をもち、クラッド11の屈折率n2より低い屈折率n3を持つ領域である。この低屈折率領域13は、例えばポリイミドを用いた光方向性結合器では、エッチングにより溝を形成し、そこにクラッド11より低屈折率な物質を塗布すれば形成できる。低屈折率領域13の断面形状は、例えば図3(A)〜(D)などに示すような種々の形状とすることが可能である。ここでは、低屈折率領域13の具体的な設定例として、幅W4=4μm×深さD4=4μm×長さL4=6000μmとし、屈折率n3を1.520とする。
上記のような構造の光方向性結合器によれば、光結合部における比屈折率差Δを大きくすることができるので、結合長を短くできる。また、比屈折率差Δは、低屈折率領域13の幅、深さや屈折率n3を変えることにより調節できる。さらに、光結合部におけるコアの間の屈折率が下がることから、上述の図27(I)に示した0次モードの電界分布の中央部分の窪みの極小値Ilが低くなるため、光結合部での損失を低くすることができる。従って、第1の実施形態によれば、シングルモードファイバと高い結合効率で接続でき、かつ、低損失で小型の光方向性結合器を実現することができる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図4は、第2の実施形態に係る光方向性結合器の構成を示す上面図である。また、図5は、図4の一点鎖線で示す(a)〜(c)における断面図である。
図において、本光方向性結合器は、第1の実施形態の光方向性結合器について、低屈折率領域13に代えてエアギャップ(空気層)14を設けたものである。上記以外の構成は、第1の実施形態の構成と同様である。
エアギャップ14は、石英系やフッ素化ポリイミドを用いた光導波路であれば、エッチングにより簡易に作製することができる。また、エアギャップ14の断面形状は、上述した低屈折率領域13の断面形状の場合と同様に、例えば図6(A)〜(D)などに示すような種々の形状とすることが可能である。ここでは、エアギャップ14の具体例として、幅W5=4μm×深さD5=4μm×長さL5=6000μmのものを用いる。
上記のような構造の光方向性結合器によれば、第1の実施形態の場合と同様に、光結合部における比屈折率差Δを大きくすることができるので、結合長を短くできる。また、比屈折率差Δは、エアギャップ14の幅や深さを変えることにより調節可能である。さらに、光結合部におけるコアの間の屈折率が下がることから、光結合部での損失を低くすることもできる。加えて、エアギャップ14は、低屈折率領域13に比べて容易に形成することができるという利点もある。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図7は、第3の実施形態に係る光方向性結合器の構成を示す上面図である。また、図8は、図7の一点鎖線で示す(a)〜(c)における断面図である。
図において、本光方向性結合器は、第1の実施形態の光方向性結合器について、コアサイズが全長に亘って均一な2つのコア12に代えて、第3領域に位置する部分のコアサイズを他の領域に位置する部分よりも小さくした2つのコア12’を設けたものである。上記以外の構成は、第1の実施形態の構成と同様である。
各コア12’は、第1領域及び第5領域に位置する部分については、第1の実施形態で用いたコア12と同様のサイズを有し、第3の部分に位置する部分のサイズが、例えば、幅W6=4μm×高さH6=4μmとされ、第2領域及び第4領域に位置する部分が、テーパー状に形成されて第3領域と第1領域及び第5領域とをつないでいる。また、各領域におけるコアの屈折率n1 は等しくなるように設定され、例えば、屈折率n1=1.530とされる。このコア12’を用いた場合の比屈折率差Δは、低屈折率領域13の幅や深さ等を変えることにより調節できる。
かかる構成によれば、比屈折率差Δが一定の場合、コアサイズが大きくなると光導波路がマルチモードになる。シングルモード導披路の場合、コアサイズを小さくするほど比屈折率差Δを大きくすることができる。上述の図28に示したように、比屈折率差Δを大きくし、かつ、コアサイズを小さくすれば、シングルモードを保ったままで結合長を短くできる。従って、上記の構成によれば、より低損失でより小型の光方向性結合器が実現されることになる。また、第1領域及び第5領域に位置する部分では、コアサイズが大さいので、シングルモードファイバとの結合効率が高く維持される。
なお、上述した第3の実施形態では、第3領域に位置する部分のコアを細くするようにしたが、図9に示すように、光結合部だけでなく、第2領域及び第4領域に位置する部分のコアも細くしてもよい。このようにすれば、第2領域及び第4領域の曲がり部分の曲率を小さくすることができるので、光方向性結合器を更に小型にすることができる。また、上述の第3の実施形態の低屈折率領域13は、第2の実施形態の場合と同様にエアギャップ14に代えても構わない。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図10は、第4の実施形態に係る光方向性結合器の構成を示す上面図である。また、図11は、図10の一点鎖線で示す(a)〜(c)における断面図である。
図において、本光方向性結合器は、第1の実施形態の光方向性結合器について、クラッド11とコア12の比屈折率差Δをより大きくするために、少なくとも第3領域において、各コア12の間だけでなく各コア12の外側にも低屈折率領域13’を設けたものである。その他の構成は、第1の実施形態の構成と同様である。
低屈折率領域13’は、ここでは、第1、2領域の境界付近から第4、5領域の境界付近に亘って形成され、その断面形状は、図11(b)に示すように、2つのコア12の間及び各コア12の外側に突出した部分を有する。なお、低屈折率領域13’の断面形状は、図12(A)〜(D)などに示すような種々の形状とすることが可能である。この低屈折率領域13’の幅や深さ等を変えることで、クラッド11とコア12の比屈折率差Δを適宜に調整することが可能である。
このような構成の光方向性結合器では、第1の実施形態の場合に比べて、光結合部における比屈折率差Δがさらに大きくなるので、結合長をより短くすることが可能である。また、第1の実施形態の場合と同様に、各コア12間の屈折率が下がることから、0次モードの中央の窪みの極小値Ilは小さくなり、低損失となる。従って、第4の実施形態によれば、より小型で低損失の光方向性結合器を実現することができる。
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
図13は、第5の実施形態に係る光方向性結合器の構成を示す上面図である。また、図14は、図13の一点鎖線で示す(a)〜(c)における断面図である。
図において、本光方向性結合器は、第4の実施形態の光方向性結合器について、低屈折率領域13’に代えてエアギャップ(空気層)14’を設けたものである。この構成は、第2の実施形態で用いたエアギャップ14をエアギャップ14’に代えたものとも同様である。上記以外の構成は、第4の実施形態の構成と同様である。
このエアギャップ14’は、石英系やフッ素化ポリイミドを用いた光導波路であれば、エッチングにより簡易に作製することができる。また、エアギャップ14’の断面形状は、上述した低屈折率領域13’の断面形状の場合と同様に、例えば図15(A)〜(D)などに示すような種々の形状とすることが可能である。このエアギャップ14’の幅や深さ等を変えることで、クラッド11とコア12の比屈折率差Δを適宜に調整することが可能である。
上記のような構造の光方向性結合器によれば、第4の実施形態の場合と同様に、光結合部における比屈折率差Δがさらに大きくなるので、結合長をより短くでき、また、光結合部における損失も低くできる。さらに、エアギャップ14’は、低屈折率領域13’に比べて容易に形成することができるという利点もある。なお、上述の第4、5の実施形態では、第1、2の実施形態について低屈折率領域13’やエアギャップ14’を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、第3の実施形態について低屈折率領域13’やエアギャップ14’を適用することも勿論可能である。図16及び図17には、第3の実施形態について低屈折率領域13’を適用した場合の上面図及び各断面図を示しておく。
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。
図18は、第6の実施形態に係る光方向性結合器の構成を示す上面図である。
図18において、本光方向性結合器は、従来の光方向性結合器について、光結合部の中央部分に、2つのコア15間のギャップ幅をさらに狭くした強光結合領域を設けたものである。図では、従来の光方向性結合器の入出射部を第1、9領域とし、連結部を第2、8領域とし、光結合部を第3〜7領域としている。光結合部となる第3〜7領域は、従来と同様のギャップ幅G3を有する第3、7領域と、さらに狭いギャップ幅G4を有する強光結合領域としての第5領域と、第3、7領域と第5領域とをつなぐ第4、6領域とから構成されている。具体的な設定例としては、各コア15の幅を7μm、高さを7μmとし、第5領域におけるギャップ幅G4を4μmとする。なお、光結合部に強光結合領域を設けたこと以外の構成は、従来の光方向性結合器の構成と同様である。
このような構成の光方向性結合器では、強光結合領域を設けたことで、光結合部におけるギャップ幅がより狭くなるため結合長を短くできる。ただし、第3〜7領域すべてにおけるギャップ幅を狭くすると、上述したように0次モードの電界分布の中央の窪みの極小値Ilが大きくなって、光結合部における損失が増加してしまう。これを防ぐためには、光結合部の光入出射部分(第3、7領域)のギャップ幅を従来と同様に広くしておくことで、前記極小値Ilを小さく維持でき損失の増加を防止できる。従って、第6の実施形態によれば、従来の光方向性結合器について、損失を増加させることなく小型化を図った光方向性結合器を実現できる。
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。
図19は、第7の実施形態に係る光方向性結合器の構成を示す上面図である。
図19において、本光方向性結合器は、上記第6の実施形態について、均一なコアサイズを有する各コア15に代えて、少なくとも強光結合領域(第5領域)に位置する部分のコアサイズを小さくしたコア15’を設けた構成とする。具体的には、強光結合領域における各コア15’の幅を、例えば4μmとしたものである。上記以外の構成は、第6の実施形態の構成と同様である。
このような光方向性結合器では、上述の図25に示したように、ギャップ幅及び比屈折率差Δが一定の状態であるならば、コアサイズの小さい方が結合長を短くすることができる。よって、第7の実施形態によれば、第6の実施形態と同様の効果が得られ、かつ、結合長をさらに短くできる。
次に、本発明の第8の実施形態について説明する。
図20は、第8の実施形態に係る光方向性結合器の構成を示す上面図である。また、図21は、図20の一点鎖線で示す(a)〜(e)における断面図である。
図において、本光方向性結合器は、第6の実施形態の光方向性結合器について、第1の実施形態の場合と同様にして、少なくとも第3〜7領域(光結合部)に位置する各コア間に低屈折率領域16を設けた構成とする。低屈折率領域16は、ここでは、第2領域の途中から第8領域の途中にかけて設けられ、その幅は強光結合領域におけるコア間のギャップ幅以下にしてある。なお、低屈折率領域16の断面形状は、図21(c)に示した形状に限らず、上述の図3(A)〜(D)などに示すような種々の形状とすることが可能である。また、ここで用いた低屈折率領域16に代えて、第2の実施形態の場合と同様なエアギャップを設けるようにしてもよい。
このような光方向性結合器では、低屈折率領域16を設けたことによって、光結合部におけるコア間の屈折率が下がるため、クラッド11とコア15の比屈折率差Δを大きくすることができる。この場合の比屈折率差Δは、低屈折率領域16の幅や深さ等を変えることで調節可能である。従って、第8の実施形態によれば、結合長を一層短くできるとともに、光結合部における損失もより低くすることが可能である。
なお、上記第8の実施形態では、光結合部の各コアの間に低屈折率領域を設けるようにしたが、これ以外にも、上述した第4の実施形態の場合と同様に、各コアの間だけでなく各コアの外側にも低屈折率領域を設けるようにしてもよい。また、第7の実施形態の光方向性結合器について、低屈折率領域を設けるようにしても構わない。
本発明の第1の実施形態の構成を示す上面図である。 同上第1の実施形態の図1の(a)〜(c)における各断面図である。 同上第1の実施形態の低屈折率領域の断面形状の例示図である。 本発明の第2の実施形態の構成を示す上面図である。 同上第2の実施形態の図4の(a)〜(c)における各断面図である。 同上第2の実施形態のエアギャップの断面形状の例示図である。 本発明の第3の実施形態の構成を示す上面図である。 同上第3の実施形態の図7の(a)〜(c)における各断面図である。 同上第3の実施形態に関して他の構成例を示す上面図である。 本発明の第4の実施形態の構成を示す上面図である。 同上第4の実施形態の図10の(a)〜(c)における各断面図である。 同上第4の実施形態の低屈折率領域の断面形状の例示図である。 本発明の第5の実施形態の構成を示す上面図である。 同上第5の実施形態の図13の(a)〜(c)における各断面図である。 同上第5の実施形態のエアギャップの断面形状の例示図である。 第4、5の実施形態に関して、第3の実施形態の構成に対して適用した場合の構成を示す上面図である。 図16の(a)〜(c)における各断面図である。 本発明の第6の実施形態の構成を示す上面図である。 本発明の第7の実施形態の構成を示す上面図である。 本発明の第8の実施形態の構成を示す上面図である。 同上第8の実施形態の図20の(a)〜(e)における各断面図である。 従来の光方向性結合器の構成を示す上面図である。 光ファイバとの結合効率と比屈折率差との関係を示す図である。 コアサイズを一定とした場合の光結合部のギャップ幅に対する結合長の関係を示した図である。 比屈折率差を一定とした場合の光結合部のギャップ幅に対する結合長の関係を示した図である。 光結合部のギャップ幅に対する損失の関係を示した図である。 光結合部における光パワーの移動の様子を説明する図である。 損失を一定とした場合の比屈折率差に対する結合長の関係を示した図である。 従来の導波型光スイッチの光結合部における電界強度分布を示す図である。
符号の説明
10…シリコン基板
11…クラッド
12,12’,15,15’…コア
13,13’,16…低屈折率領域
14,14’…エアギャップ

Claims (4)

  1. 光の伝搬方向に沿って連続する第1〜5領域に亘って設けられた2本の光導波路を有し、光が入出射される第1領域及び第5領域では、前記各光導波路内を光が独立して伝搬するように各光導波路間の間隔が相対的に広くされ、第3領域では、前記各光導波路内を伝搬する光が相互作用するように各光導波路間の間隔が相対的に狭くされ、第2領域及び第4領域では、隣接する領域の各光導波路がそれぞれ連結される構成の光方向性結合器において、
    少なくとも第3領域に位置する前記各光導波路のコアの間に設けられ、クラッドの屈折率よりも低い屈折率を持つ低屈折率領域を備えると共に、
    前記各光導波路は、少なくとも第3領域におけるコアとクラッドとの比屈折率差が、第1領域及び第5領域におけるコアとクラッドとの比屈折率差よりも大きく、少なくとも第3領域におけるコアの屈折率が互いに略等しく、かつ、少なくとも第3領域に位置するコアの幅が他の領域に位置するコアの幅よりも狭いことを特徴とする光方向性結合器。
  2. 前記低屈折率領域が、空気層により形成されたことを特徴とする請求項記載の光方向性結合器。
  3. 前記低屈折率領域は、少なくとも第3領域に位置する前記各光導波路のコアの間及び各コアの外側に設けられたことを特徴とする請求項1または2記載の光方向性結合器。
  4. 光の伝搬方向に沿って連続する第1〜9領域に亘って設けられた2本の光導波路を有し、光が入出射される第1領域及び第9領域では、前記各光導波路内を光が独立して伝搬するように各光導波路間の間隔が相対的に広くされ、第3〜7領域では、前記各光導波路内を伝搬する光が相互作用するように各光導波路間の間隔が相対的に狭くされ、第2領域及び第8領域では、隣接する領域の各光導波路がそれぞれ連結される構成の光方向性結合器において、
    第5領域に位置する前記各光導波路間の間隔が、第3領域及び第7領域に位置する前記各光導波路間の間隔よりも狭くされ、第5領域の各光導波路が、第4領域及び第6領域を介して第3領域及び第7領域の各光導波路に連結されており、
    少なくとも第3〜7領域に位置する前記各光導波路のコアの間に設けられ、クラッドの屈折率よりも低い屈折率を持つ低屈折率領域を備えると共に、
    前記各光導波路は、少なくとも第3〜7領域におけるコアの屈折率が互いに略等しく、かつ、少なくとも第5領域に位置するコアの幅が他の領域に位置するコアの幅よりも狭いことを特徴とする光方向性結合器。
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