JP3875013B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技結果に基づき所定の遊技価値を付与するようにした遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、所定の遊技(例えば、複数種類の図柄を変動表示させた後に停止させる変動表示遊技など)を実行し、該遊技結果に基づき所定の遊技価値(例えば、多数の遊技媒体など)を付与可能な遊技機として、例えば、パチンコ遊技機、パチスロ遊技機などが知られている。
この種の遊技機は、一般に数多くの部品から構成され、その部品の一部は合成樹脂部品となっている。
【0003】
従来では、上記合成樹脂部品の各々に主成形材料となる合成樹脂名を表記した遊技機が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、合成樹脂部品は、主成形材料となる合成樹脂に、従成形材料となる合成樹脂或いは機能性材料(例えば、カーボン、ガラス繊維など)を混入して形成されている場合もある。そのような場合、上記従来の遊技機のように、主成形材料となる合成樹脂名だけの表記では、リサイクルの際に正確な部品の分類ができないという問題点があった。
また、同じ合成樹脂部品を一度に複数型抜き成形する場合(つまり、複数のキャビティを有する成形金型で合成樹脂部品を成形する場合)には、例えば、それら合成樹脂部品の何れかに不具合が生じたときに、その合成樹脂部品を成形した成形金型のどの部分に問題があるか分かり難かった。
【0005】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、主成形材料に従成形材料或いは機能性材料を混入して合成樹脂部品が形成されている場合においても、合成樹脂部品のリサイクルや廃棄に際して、合成樹脂部品を正確に分類することができる遊技機を提供することを目的とする。
さらに、この発明は、複数のキャビティを有する成形金型で合成樹脂部品を成形した場合においても、各合成樹脂部品を成形したキャビティを容易に特定することができる遊技機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、
請求項1記載の発明は、遊技盤に形成される遊技領域における遊技結果に基づき所定の遊技結果を付与するとともに、
前記遊技盤が取り付けられる前面枠の裏面側に、中央に開口部を有する裏機構盤を取り付け、該裏機構盤の裏側に、遊技球を貯留するための貯留タンクと、該貯留タンクからの遊技球を流下案内する導出樋と、が配設された遊技機において、
前記導出樋は、
主成形材料に、従成形材料或いは機能性材料を混入することによって形成された合成樹脂部品であり、両側部に設けられた操作部と前記裏機構盤に設けられた保持穴とを係合させることで当該導出樋を着脱可能に構成され、
当該導出樋の後端面であって前記操作部の近傍に、前記主成形材料の種類を識別可能とする主成形材料名を表記するための主成形材料認識領域と、
前記主成形材料に混入された従成形材料或いは機能性材料の種類を識別可能とする従成形材料名或いは機能性材料名を表記するための従成形材料或いは機能性材料認識領域と、を設け、
前記主成形材料認識領域に表記される主成形材料名を、該主成形材料に混入された従成形材料名或いは機能性材料名よりも大きく表記し、かつ、前記主成形材料認識領域と前記従成形材料或いは機能性材料認識領域とを隣接させるとともに、前記主成形材料認識領域を、前記操作部の最も近傍に設けたことを特徴としている。
【0007】
この請求項1記載の発明によれば、各合成樹脂部品の所定部位に、該合成樹脂部品を形成する主成形材料の種類と該主成形材料に混入された従成形材料或いは機能性材料の種類を識別可能とする識別情報を表記するようにしたので、各合成樹脂部品を形成する主成形材料の種類と該主成形材料に混入された従成形材料或いは機能性材料の種類を容易に識別することができる。
従って、主成形材料に従成形材料或いは機能性材料を混入して合成樹脂部品が形成されている場合においても、合成樹脂部品のリサイクルや廃棄に際して、合成樹脂部品を形成する主成形材料の種類と該主成形材料に混入された従成形材料或いは機能性材料の種類に基づいて、合成樹脂部品を正確に分類することができる。
また、合成樹脂部品を形成する主成形材料名を、該主成形材料に混入された従成形材料名或いは機能性材料名よりも大きく表記しているので、主成形材料と従成形材料或いは機能性材料との区別が容易となる。
従って、合成樹脂部品のリサイクルや廃棄に際して、合成樹脂部品を速やかに分類できる。ここで、主成形材料名を従成形材料名或いは機能性材料名よりも大きく表記する方法には、例えば、主成形材料名を全角で表記する一方で従成形材料名或いは機能性材料名を半角で表記するといった方法も含まれる。
また、識別情報等を表記する部位が、合成樹脂部品を着脱操作する操作部近傍であるため、合成樹脂部品を着脱操作する際に、識別情報等の表記内容が作業者の目につき易くなる。
従って、合成樹脂部品のリサイクルや廃棄に際して、合成樹脂部品を速やかに分類できる。
【0008】
ここで、遊技機としては、パチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの弾球遊技機や、パチスロ遊技機、スロットマシンなどが含まれる。
遊技には、例えば、変動表示装置の表示領域にて図柄の変動表示を行い、該変動表示の停止結果が予め定められた特定の表示結果態様となること(予め定められた特定の結果態様となること)に関連して所定の遊技価値が遊技者に対して付与される変動表示遊技などが含まれる。
所定の遊技価値には、例えば、多数の遊技媒体を獲得し易い特別遊技状態(通常遊技時に比べて遊技者に特に有利となる遊技状態)が含まれる。この特別遊技状態には、例えば、第1種のパチンコ遊技機における大入賞口(特別変動入賞装置ともいう。)の開放、第3種のパチンコ遊技機における権利発生の状態、或いは電動役物を複数備えた一般電役機における電動役物を連続して開放させる状態などがある。
合成樹脂部品とは、例えば、ABS(アクリロニトリル・ブタジェン・スチレン)樹脂やPC(ポリカーボネート)などといった合成樹脂を主成形材料とする部品である。この合成樹脂部品には、例えば、主成形材料となる合成樹脂に従成形材料となる合成樹脂を混合して形成したものや、主成形材料となる合成樹脂に機能性材料を混入して形成したもの、或いは成分の異なる複数の合成樹脂部品を相互に結合したものなどが含まれる。
機能性材料とは、添加することによって合成樹脂部品に所定の機能を付与可能な材料(添加剤)である。この機能性材料としては、例えば、合成樹脂部品に導電性を付与するためのカーボン、合成樹脂部品の強度を向上させるためのガラス繊維、合成樹脂部品の表面を滑り易くするためのフッ素化合物などが挙げられる。
識別情報は、合成樹脂部品を形成する各材料(主成形材料、従成形材料、機能性材料)の種類を識別できるものならば、例えば、文字や記号、数字、図形あるいは色彩など、如何なる形態の情報としてもよい。
また、識別情報の表記方法としては、例えば、スクリーン印刷などにより合成樹脂部品の表面に識別情報を表記する方法や、識別情報を表記したシールを合成樹脂部品の表面に貼り付ける方法、或いは、識別情報を形成し得る凹凸を予め成形金型に刻み付けておくことによって合成樹脂部品の成形時に凹状或いは凸状の識別情報を合成樹脂部品の表面に形成する方法などが挙げられる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明に係る遊技機の一形態として例示するパチンコ遊技機を示す正面図である。
【0025】
この実施の形態のパチンコ遊技機100の前側上半部には、ガラス板101を収納したガラス収納枠102が取り付けられ、そのガラス板101の奥側には、遊技領域1aを構成する遊技盤1が設置されている。
この遊技盤1のガイドレール2で囲まれた遊技領域1aには、普図始動ゲート6,6、特別図柄(特図)表示装置4、普通図柄(普図)表示器7、特図始動口を兼ねた普通変動入賞装置9、特図変動表示遊技の結果に関連して大入賞口を閉じた状態から開放状態に変換するサイクル遊技を行う特別変動入賞装置5、一般入賞口8,…、サイドランプ12,12、風車と呼ばれる打球方向変換部材14,14、多数の障害釘(図示省略)などが配設されている。遊技領域1aの最下端部中央にはアウト球を回収するためのアウト穴13が設けられている。
【0026】
また、パチンコ遊技機100の前側下半部には、発射部(図示省略)に遊技球を供給する上皿40、該上皿40に収容しきれない球を収容する下皿50、前記遊技領域1aに向けて遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル60などが設けられている。
【0027】
例えば、操作ハンドル60の発射操作によって遊技領域1aに向けて発射された遊技球が普通変動入賞装置9に入賞すると、特別図柄表示装置4の表示領域にて、複数種類の図柄を変動表示させた後に停止させる特図変動表示遊技が行われる。そして、その特図変動表示遊技の結果が予め定められた特定の結果態様(例えば、「7,7,7」のゾロ目)となった場合には、特別変動入賞装置5(大入賞口)が開放されて、多数の遊技球を獲得し易い特別遊技状態(所定の遊技価値)が遊技者に対して付与されるようになっている。
【0028】
図2はパチンコ遊技機の背面図である。
【0029】
前面枠111の裏面側には、中央に開口部120Aを有する裏機構盤120が取り付けられている。
この裏機構盤120の裏側には、予備球を貯留するための貯留タンク121、該貯留タンク121からの予備球を流下案内する導出樋130、該導出樋130により流下案内される球の球抜きなどを行う球抜きユニット123、該球抜きユニット123を介して流下案内された球を所定条件の成立(入賞口に球が入賞したこと、或いは球貸し操作が行われたこと)に基づいて所要数排出する球排出装置124、該球排出装置124より排出された球を上皿40又は下皿50へと流下案内する案内樋(図示省略)などが配設されている。
【0030】
さらに、裏機構盤120の裏側には、遊技の進行に関する制御を行う遊技制御装置20、遊技制御装置20の制御下で遊技球の排出制御等を行う排出制御装置30、各種制御装置に対して所望の電源を供給する電源装置80、電源用の中継基板として機能するターミナル基板82、外部出力端子を有する枠用外部出力端子板81などが設けられている。
【0031】
裏機構盤120の裏面上部の隅部には、後方に開口した箱型形状の基板収納ケース65が装着され、この基板収納ケース65の内部には、その右側(裏面側から見て)に枠用外部出力端子板81が、左側にターミナル基板82がそれぞれ配置されている。この基板収納ケース65には、ターミナル基板82と枠用外部出力端子板81の下側を覆い隠す状態で、それら基板に実装されるコネクタ類を保護するためのカバー部材90が取り付けられている。
【0032】
この実施の形態では、上述した、貯留タンク120、導出樋130、球抜きユニット123、球排出装置124、案内樋などの各装置を構成する部品や、各制御装置(例えば、遊技制御装置20、排出制御装置30など)のケース部材、或いは各中継基板(例えば、枠用外部出力端子板81、ターミナル基板82など)を保護するカバー部材などが、合成樹脂部品により形成されている。そして、それら合成樹脂部品には、該合成樹脂部品を形成する各材料(例えば、主成形材料、従成形材料、機能性材料など)の種類を識別可能とする識別情報(例えば、主成形材料の名称など)を含む各種属性情報がそれぞれ表記されている。
【0033】
次に、各合成樹脂部品に表記される属性情報について、上記導出樋130を例に挙げて説明する。図3は導出樋の拡大図である。
【0034】
導出樋130は、主成形材料となる合成樹脂に機能性材料(添加剤)を混入することによって形成された合成樹脂部品である。この導出樋130は、その両側部に設けられたナイラッチ(操作部)135を、裏機構盤120に設けられた保持穴(図示省略)へ向けて押圧し、ナイラッチ135を保持穴に係合させることによって、裏機構盤120に固定されるようになっている。
この導出樋130の後端面(つまり、上記ナイラッチ135の近傍)には、図3に示すように、該導出樋130に関する各種属性情報をそれぞれ表記するための認識領域130a、130b、130c、130d、130e、130fが設けられている。
具体的に、認識領域130aには、導出樋130を形成する主成形材料の種類を識別するための(この例では、「PC」)が表記され、認識領域130bには、導出樋130を形成する機能性材料の種類を識別するための(この例では、「カーボン」)が表記されている。また、認識領域130cには、導出樋130を形成する機能性材料の重さの割合(この例では、「5%」)が表記され、認識領域130dには、導出樋130を成形した成形金型のキャビティ位置(この例では、「1」)が表記されている。また、認識領域130eには、導出樋130の製造年月日(この例では、「000911」)が表記され、認識領域130fには、導出樋130の重量(この例では、「100g」)が表記されている。つまり、図3に示す導出樋130の場合には、主成形材料が「PC(ポリカーボネート)」、機能性材料(添加剤)が「カーボン」でその重量比率が「5%」、成形時のキャビティ位置が「キャビティ1」、製造年月日が「西暦2000年9月11日」、全体重量が「100g」であるということが分かる。
【0035】
上記各認識領域に属性情報を表記する方法としては、例えば、スクリーン印刷などにより各認識領域に属性情報を表記する方法や、属性情報を表記したシールを各認識領域に貼り付ける方法、或いは、各認識領域に属性情報を形成し得る凹凸を予め成形金型に刻み付けておくことによって導出樋130の成形時に凹状或いは凸状の属性情報を各認識領域に形成する方法などが挙げられる。
【0036】
このように、主成形材料となる合成樹脂に機能性材料(添加剤)を混入してなる各合成樹脂部品や、主成形材料となる合成樹脂に従成形材料となる合成樹脂を混入してなる各合成樹脂部品には、上記導出樋130の場合と同様に、合成樹脂部品に含まれる各材料(主成形材料、従成形材料、機能性材料)の種類を識別するための識別情報に加えて、各材料の重さの割合や、合成樹脂部品の重量、合成樹脂部品を成形した成形金型のキャビティ位置、合成樹脂部品の製造年月日等の属性情報が表記されている。
従って、主成形材料に従成形材料或いは機能性材料を混入して合成樹脂部品が形成されている場合においても、合成樹脂部品のリサイクルや廃棄に際して、合成樹脂部品を形成する各材料(主成形材料、従成形材料、機能性材料)の種類、含有率、含有量等に基づいて合成樹脂部品を正確に分類することができる。
また、例えば、合成樹脂部品の一部に不具合が生じた場合などには、その原因となったキャビティや、その合成樹脂部品の製造年月日を容易に特定することができる。
【0037】
また、導出樋130の着脱操作を行うナイラッチ135近傍に各認識領域を設けるようにしたので、導出樋の着脱操作の際に、作業者の目につきやすく、合成樹脂部品のリサイクルや廃棄の際して合成樹脂部品を速やかに分類できる。
【0038】
なお、各属性情報の表記態様としては、図3の表記態様に限られるものではなく、これ以外にも種々のバリエーションが有り得る。
例えば、図4に示すように、合成樹脂部品の製造年月日を、予め定められた表示記号等を用いて表記するようにしてもよい。図4の表示例では、製造年月を示す表示記号200aと、製造日の十の位を示す表示記号200bと、製造日の一の位を示す表示記号200cが用いられている。各表示記号200a、200b、200cには、円環状の第1表示領域201と、該第1表示領域201で囲まれる円形の第2表示領域202が設けられている。そして、表示記号200aの第1表示領域201には、「1」〜「12」の一連の数字が等間隔で並び記される一方、表示記号200aの第2表示領域202には、製造年(西暦の下二桁)が表記されると共に、第1表示領域201にある数字の中で製造月に対応する数字を指し示す矢印が表記されている。表示記号200bの第1表示領域201には、「0」〜「3」の一連の数字が等間隔で並び記される一方、表示記号200bの第2表示領域202には、第1表示領域201にある数字の中で製造日の十の位に対応する数字を指し示す矢印が表記されている。また、表示記号200cの第1表示領域201には、「0」〜「9」の一連の数字が等間隔で並び記される一方、表示記号200cの第2表示領域202には、第1表示領域201にある数字の中で製造日の一の位に対応する数字を指し示す矢印が表記されている。従って、図4の表示例であれば、西暦2000年7月25日に製造されたということが分かる。
【0039】
また、図3の表記態様では、識別情報を文字(成形材料の名称)としたが、成形材料を識別できるものならば、文字や記号、数字、図形あるいは色彩など、如何なる形態の情報としてもよい。例えば、PCを「1」、ABS樹脂を「2」というように、各成形材料に対応する数字或いは記号を予め設定しておき、その設定した数字或いは記号を識別情報として表記することも可能である。
【0040】
また、例えば、図5に示すように、合成樹脂部品を形成する主成形材料名(図5の例では「PC」)を、該主成形材料に混入された従成形材料名或いは機能性材料名(図5の例では「カーボン」)よりも大きく表記したり、主成形材料名と従成形材料名或いは機能性材料名とを異なるフォントで表記するようにしてもよい。そうすることで、主成形材料と従成形材料或いは機能性材料との区別が容易となり、例えば、合成樹脂部品のリサイクルや廃棄に際して、合成樹脂部品を速やかに分類できる。
【0041】
次に、属性情報のその他の表記例について、前述したカバー部材90を例に挙げて説明する。図6は、カバー部材の成形後の状態を表した図である。
【0042】
カバー部材90は、1種類の成形材料により形成された合成樹脂部品である。このカバー部材90は、4つのキャビティを有する成形金型に成形材料を流し込んで成形品(図6の状態)を成形した後、その成形品から不要なランナー部分94等を取り除くことによって、4個ずつ製造されるようになっている。
このカバー部材90の後端面(遊技機の裏面側から視認し得る位置)には、図6に示すように、カバー部材90に関する各種属性情報をそれぞれ表記するための認識領域90a、90bが設けられている。
具体的に、認識領域90aには、カバー部材90を形成する成形材料の種類を識別するための(この例では、「PC」)が表記され、認識領域90bには、カバー部材90を成形した成形金型のキャビティ位置(この例では、「1」、「2」、「3」、「4」の何れかの数字)が表記されている。
【0043】
このように、複数のキャビティを有する成形金型で成形された合成樹脂部品の場合には、上記カバー部材90の場合と同様に、成形材料の種類を識別するための識別情報に加えて、合成樹脂部品を成形した成形金型のキャビティ位置が表記されている。
従って、例えば、複数のキャビティを有する成形金型で成形された合成樹脂部品の何れかに不具合が生じた場合などには、その原因となったキャビティを容易に特定することができる。
【0044】
なお、複数の成形金型で同じ合成樹脂部品を製造する場合には、該合成樹脂部品の各々に、どの成形金型で成形されたかを示す表記がなされることが望ましい。そうすることで、例えば、複数の成形金型で同じ合成樹脂部品を製造し、その何れかに不具合が生じた場合などに、その原因となった成形金型を容易に判断できるようになる。
また、図6の表示例では、合成樹脂部品の重量や、合成樹脂部品の製造年月日等の属性情報を省略するようにしたが、前述した導出樋130の場合と同様に、それら属性情報を表記するようにしてもよい。
【0045】
以上のように、この実施の形態のパチンコ遊技機100によれば、合成樹脂部品の各々には、該合成樹脂部品を形成する各材料(例えば、主成形材料、従成形材料、機能性材料など)の種類を識別するための識別情報を含む各種属性情報が表記されているので、例えば、合成樹脂部品をリサイクル或いは廃棄する場合には、それら属性情報に基づいて各合成樹脂部品を正確に分類することができる。また、例えば、合成樹脂部品の一部に不具合が生じた場合などには、それら属性情報に基づいて、迅速な対応をとることができる。
【0046】
なお、本発明はこの実施の形態のパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの弾球遊技機や、パチスロ遊技機、スロットマシン等にも適用可能である。
また、この実施の形態では、合成樹脂部品に表記する属性情報として、合成樹脂部品を形成する各材料(主成形材料、従成形材料、機能性材料)の種類を識別するための識別情報、上記各材料の重さの割合、合成樹脂部品の重量、合成樹脂部品を成形した成形金型のキャビティ位置、合成樹脂部品の製造年月日、を例示したが、これ以外の属性情報を合成樹脂部品に表記するようにしてもよい。例えば、遊技機を構成する合成樹脂部品の中に似たような合成樹脂部品が存在する場合に、それら合成樹脂部品の設置位置を各合成樹脂部品の所定部位に表記するようにしたり、複数の合成樹脂部品により一つの装置が構成される場合に、それら合成樹脂部品の組み付け順序を各合成樹脂部品の所定部位に表記するようにしてもよい。また、各合成樹脂部品の所定部位に、製造工場や製造担当者の名称、住所、電話番号、写真などを表記することも可能である。また、合成樹脂部品の重量や各材料の重さの割合の代わりに、合成樹脂部品の体積や各材料の体積の割合を表記するようにしてもよい。
【0047】
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0048】
【発明の効果】
請求項1記載の発明に係る遊技機によれば、各合成樹脂部品を形成する主成形材料の種類と該主成形材料に混入された従成形材料或いは機能性材料の種類を容易に識別することができる。
従って、主成形材料に従成形材料或いは機能性材料を混入して合成樹脂部品が形成されている場合においても、合成樹脂部品のリサイクルや廃棄に際して、合成樹脂部品を形成する主成形材料の種類と該主成形材料に混入された従成形材料或いは機能性材料の種類に基づいて、合成樹脂部品を正確に分類することができる。
また、主成形材料と従成形材料或いは機能性材料との区別が容易となる。
従って、合成樹脂部品のリサイクルや廃棄に際して、合成樹脂部品を速やかに分類できる。
また、識別情報等の表記内容が作業者の目につき易くなる。
従って、合成樹脂部品のリサイクルや廃棄に際して、合成樹脂部品を速やかに分類できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る遊技機として例示するパチンコ遊技機を示す正面図である。
【図2】図1のパチンコ遊技機の背面図である。
【図3】図2の導出樋の拡大図である。
【図4】製造年月日のその他の表記方法を説明する図である。
【図5】識別情報のその他の表記例を示す図である。
【図6】図2のカバー部材の成形後の状態を表した図である。
【符号の説明】
90 カバー部材(合成樹脂部品)
90a,90b 認識領域
100 パチンコ遊技機(遊技機)
130 導出樋(合成樹脂部品)
130a,130b,130c,130d,130e,130f 認識領域
135 ナイラッチ(操作部)
Claims (1)
- 遊技盤に形成される遊技領域における遊技結果に基づき所定の遊技結果を付与するとともに、
前記遊技盤が取り付けられる前面枠の裏面側に、中央に開口部を有する裏機構盤を取り付け、該裏機構盤の裏側に、遊技球を貯留するための貯留タンクと、該貯留タンクからの遊技球を流下案内する導出樋と、が配設された遊技機において、
前記導出樋は、
主成形材料に、従成形材料或いは機能性材料を混入することによって形成された合成樹脂部品であり、両側部に設けられた操作部と前記裏機構盤に設けられた保持穴とを係合させることで当該導出樋を着脱可能に構成され、
当該導出樋の後端面であって前記操作部の近傍に、前記主成形材料の種類を識別可能とする主成形材料名を表記するための主成形材料認識領域と、
前記主成形材料に混入された従成形材料或いは機能性材料の種類を識別可能とする従成形材料名或いは機能性材料名を表記するための従成形材料或いは機能性材料認識領域と、を設け、
前記主成形材料認識領域に表記される主成形材料名を、該主成形材料に混入された従成形材料名或いは機能性材料名よりも大きく表記し、かつ、前記主成形材料認識領域と前記従成形材料或いは機能性材料認識領域とを隣接させるとともに、前記主成形材料認識領域を、前記操作部の最も近傍に設けたことを特徴とする遊技機。
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