JP3874605B2 - 誤り訂正方法及び誤り訂正装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多値変調を利用した通信における誤り訂正の方法及び誤り訂正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ディジタル信号の伝送においては、通信品質の改善のために、伝送時の誤りを受信側で訂正することが行われている。このときには、送信側でディジタル信号に誤り訂正符号を付し、受信側では、この誤り訂正符号を用いて誤り訂正を行う。このような誤り訂正方法として有力なものに畳込符号化がある。また、この畳込符号を復号化する方法にビタビ復号化法が広く用いられている。
【0003】
また、符号化率を高めるために、一定の規則に従って畳込符号の一部を省略するパンクチャド符号化が知られている。例えば、送信しようとする情報系列(送信情報系列)3ビットに基づいて、符号化率1/2の畳込符号6ビットを作成し、周期的に所定位置の2ビットを省略して、送信ビット数を4ビットとし、符号化率3/4の送信系列を作成することができる。
【0004】
このパンクチャド符号化された受信系列をビタビ復号する場合、従来、復調系列に対して符号化の過程で省略されたビット位置にダミーのビットを挿入し、符号化率1/2の復調系列を擬似的に作成し、ダミービット挿入後の復調系列に対して符号化率1/2の通常のビタビ復号を行っていた。ただし、ダミービット挿入位置については、メトリックの計算を行わないようにする。
【0005】
すなわち、畳込符号化及びパンクチャド符号化を行う従来の送信側装置は、図12(a)に示すように、誤り訂正符号処理部1と、変調処理部2とを有しており、誤り訂正符号処理部1は、さらに畳込符号処理部3と、パンクチャド符号処理部4とを備えている。また、従来の受信側装置は、図12(b)に示すように、復調処理部5と、ダミービット挿入処理部6と、ビタビ復号処理部7とから基本的に構成されている。
【0006】
従来の送信側装置の誤り訂正符号処理部1では、送信情報系列の入力を受けて、畳込符号処理部3が符号化率1/2の畳込符号化を行う。パンクチャド符号処理部4は、この符号化率1/2の畳込符号化された信号の入力を受けて、所定の規則に従って、一部のビットを省略した送信系列を生成して出力する。ここでは、定期的に2ビットを省略して符号化率3/4の送信系列を生成するとする。変調処理部2は、この送信系列を変調して送信する。
【0007】
また、従来の受信側装置では、変調された送信系列を伝送路を介して受信し、復調処理部5がこれを復調する。ここで復調された信号は、送信側装置での符号化率3/4の送信系列に対応するもので、伝送路の状況に応じて誤りが含まれる場合がある。ダミービット挿入処理部6は、この送信系列に対応する信号のうち、パンクチャド符号化により省略されたビットの位置にダミービットを挿入して符号化率1/2の信号系列を擬似的に作成し、これを復調系列として出力する。ビタビ復号処理部7は、この復調系列の入力を受けて、ビタビ復号化する。
【0008】
ここで、従来の受信側装置におけるビタビ復号化の処理について、図13を参照して説明する。図13は、符号化率3/4パンクチャド符号化の場合におけるビタビ復号化の例を示す。ここで、送信系列は、D00、D01、D02、D03…であり、符号化率3/4のパンクチャド符号系列は、P00、P01、P03、P05、P06、P07…であるとする。すなわち、本来の符号系列からP02とP04との2ビットが省略されている。なお、図13では、この省略されたビットを「×」として表している。
【0009】
復調信号系列は、R00、R01、R02、R03、R04、R05…となり、復調信号系列では、パンクチャド符号系列の省略されたビットにダミービットを挿入してビタビ復号の際に、ダミービット挿入位置のメトリック計算を行わない。具体的に、硬判定ビタビ復号方式を採用する場合、メトリックとしてハミング距離を用い、ダミービット挿入位置でのメトリックは常に「0」とする。このような誤り訂正方法については、電子通信学会論文誌J64−B、No.7(1981年7月)573-580ページに詳細に記述されている。
【0010】
尚、メトリックの計算方法としては、復調系列を「0」または「1」の1ビットの2値信号としてハミング距離を求め、ビタビ復号を行う硬判定ビタビ復号法と、復調データを多値の信号としてビタビ復号を行う軟判定ビタビ復号法とがある。ビット誤り特性としては、軟判定復号法の方が優れており、硬判定復号法と比較して符号化利得を得ることができる。また、軟判定ビタビ復号法の場合、信号点間の物理的距離であるユークリッド距離を尤度関数としてメトリック計算に用いることで、符号化利得の向上を図ることができる利点がある。
【0011】
ところで、移動体通信等に用いられてきた変調方式では、ディジタル位相変調PSKが多く、周波数利用効率の観点から4相ディジタル位相変調QPSKがよく用いられる。例えばQPSKの場合、同相成分Iチャネル及び直交成分Qチャネルは1ビットで表現されるため、ダミービット挿入を行い、ダミービット挿入位置のメトリック計算を禁止することでビタビ復号が可能である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、16QAMなどの多値直交振幅変調の場合、受信信号のIチャネルとQチャネルとは、それぞれ2ビットで表現される。そのため、送信時にパンクチャド符号処理を行うと、復調系列にダミービットを挿入してユークリッド距離を尤度関数としたメトリック計算を行う場合、実際の受信信号によるデータとダミービットとの2ビットからメトリック計算を行うこととなる。従って、ダミービット挿入位置のユークリッド距離によるメトリック計算を禁止すると、実際の受信信号のデータもメトリック計算に使われないようになってしまう。このように、多値変調でパンクチャド符号化した場合、ダミービットのみについてメトリック計算を禁止するといった処理が困難になって、軟判定ビタビ復号を行うことが難しいという問題点がある。
【0013】
この事情について具体的に、16QAM変調を採用した場合のビタビ復号を例として、図14を参照しながら説明する。図14(a)は16QAM変調における信号点の配置と受信信号との関係を表している。図14(a)において、受信信号(R)が受信されたとする。これをI相(同相成分)に射影した状態を図14(b)に示す。図14(b)において、ユークリッド距離を尤度関数として用いる場合には、この受信信号(R′)と各信号点とのユークリッド距離をメトリックとして用いることになる。ここで、座標+3、+1、−1、−3の各々には、2ビット系列「00」、「01」、「11」、「10」を対応付ける。
【0014】
このようにして符号化した信号をビタビ復号化する場合の動作について、図15を参照しながら説明する。図15(a)は、符号化率1/2で符号化された信号を復号する場合の説明図であり、受信信号の同相成分(R′)をI′00とすると、このI′00を用いてユークリッド距離をブランチメトリックとした計算を行い、次に、受信信号の直交成分Q′を用いて、さらに次の受信信号についても同様に処理を続けてビタビ復号化する。
【0015】
一方、16QAM変調を採用し、符号化率3/4のパンクチャド符号化をしている場合、図15(b)に示すように、パンクチャド符号系列のP02とP04とが省略されているため、P03とP05との2ビット分が変調時シンボルの直交成分Q00に相当する。このため、ユークリッド距離をメトリックとしたビタビ復号時に復調シンボルの直交成分Q′00にダミービットを挿入し、ダミービット挿入位置のメトリック計算を禁止することが困難になり、軟判定ビタビ復号を行うことが困難になるのである。
【0016】
本発明は、上記実情に鑑みて為されたもので、ダミービット挿入を行うことなく、ユークリッド距離を尤度関数としたメトリック計算を行い、軟判定ビタビ復号処理を可能とする誤り訂正方法及び誤り訂正装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記従来例の問題点を解決するための第1の発明は、誤り訂正方法において、パンクチャド符号処理により一部ビットを省略して生成された畳込符号に対して多値変調を行った信号を受信する工程と、前記多値変調信号から畳込符号の符号系列を復調する工程と、ユークリッド距離をメトリックとして、一部省略されたビット位置にダミービットを挿入することなく前記復調された符号系列をビタビ復号化する工程と、を含み、前記多値変調される畳込符号には、固定ビットが挿入されており、前記ビタビ復号化する工程は、固定ビット挿入位置に対応するパスを強制的に選択させる工程を含むこととしたものである。
【0018】
また、上記従来例の問題点を解決するための第2の発明は、第1の発明に係る誤り訂正方法において、前記ビタビ復号化する工程は、各トレリスに対応する符号系列の値が事前に設定されているトレリステーブルを参照して、各トレリスのメトリックを決定することにより、ビタビ復号化を行うこととしたものである。
【0020】
上記従来例の問題点を解決するための第の発明は、誤り訂正装置において、パンクチャド符号処理により一部ビットを省略して生成された畳込符号に対して多値変調を行った信号を受信し、当該受信信号から畳込符号の符号系列を復調する多値復調処理部と、ユークリッド距離をメトリックとして、一部省略されたビット位置にダミービットを挿入することなく前記復調された符号系列をビタビ復号化する改良ビタビ復号処理部と、を含み、前記多値変調される畳込符号には、固定ビットが挿入されており、前記改良ビタビ復号処理部は、固定ビット挿入位置に対応するパスを強制的に選択させる手段を含むこととしたものである。
【0021】
また、上記従来例の問題点を解決するための第の発明は、第の発明に係る誤り訂正装置において、ビタビ復号の際のトレリスの各々に対応する符号系列の値を予め設定したトレリステーブルを生成するトレリステーブル作成処理部をさらに含み、前記改良ビタビ復号処理部が、前記トレリステーブルを参照して、メトリックを決定してビタビ復号を行うこととしたものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
本発明の実施の形態に係る誤り訂正装置について図面を参照しながら説明する。本実施の形態の誤り訂正装置は、パンクチャド符号化の際に省略したビット位置に対応する2ステップ分のパスについて、パスをひとまとめにしたトレリスを用いて軟判定ビタビ復号処理を行うことで、ダミービットを挿入することなくユークリッド距離を尤度関数としたメトリック計算を行い、軟判定ビタビ復号処理を可能とするものである。
【0024】
具体的に、本実施の形態の誤り訂正装置は、図1(a)に示す送信装置からの信号を受信する。この送信装置は、誤り訂正符号処理部1と、多値変調処理部2とから基本的に構成され、誤り訂正符号処理部1は、畳込符号処理部3とパンクチャド符号処理部4とを含んでいる。また、本実施の形態の誤り訂正装置は、図1(b)に示すように、多値復調処理部5と、改良ビタビ復号処理部8とからなる。畳込符号処理部3は、送信情報系列の入力を受けて、符号化率1/2の畳込符号化を行う。
【0025】
具体的にこの畳込符号処理部3は、図2に示すように、多段に構成されたシフトレジスタ11と、加算器12とから構成されている。シフトレジスタ11は、前段のシフトレジスタ11から送信情報系列の入力を受けて、現在保持しているビットを後段のシフトレジスタ11に出力するとともに、新たに入力されたビットを保持する。加算器12aは、加算結果の2の剰余を出力する、いわゆるmod2の加算器であり、入力される送信情報系列とシフトレジスタ11により2ビット分遅延されたビットとの和を演算して、加算器12bに出力する。他の加算器12も同様にして送信情報系列又は前段の加算器12からの入力とシフトレジスタ11により所定ビット分遅延されたビットとを加算して出力する。これにより、例えば図2に示す畳込符号器では、遅延をDとして、「1」、「1+D2」…からなる第1畳込符号系列P00,P02,P04…と、「1」、「1+D」…からなる第2畳込符号系列P01,P03,P05…との2系列が生成される。
【0026】
パンクチャド符号処理部4は、一定の規則に従って、これらの畳込符号系列から一部のビットを省略して、パンクチャド符号を生成する。
【0027】
すなわち、誤り訂正符号処理部1は、図3に示すように、送信情報系列(図3(a))について、符号化率1/2の畳込符号を生成し(図3(b))、さらにこれから一定の規則に従って、一部のビットを省略したパンクチャド符号(図3(c))を生成する。この図3(c)において、パンクチャドビットの位置は、「×」の記号で図示しており、円で囲まれた1組のビットは、例えば16QAMにおいてシンボルの同相成分もしくは直交成分に相当する。そして、これに基づいて図3(d)の多値変調入力信号を生成して送信出力する。
【0028】
これらの畳込符号化及びパンクチャド符号化については、電子情報通信学会から発行されている、今井秀樹著の「符号理論」(平成2年3月初版発行)の247ページから279ページに詳細に説明があるので、ここでの説明を省略する。
【0029】
そして、本実施の形態の誤り訂正装置の受信側装置の多値復調処理部5は、伝送路を介して多値変調信号を受信し、これを復調して改良ビタビ復号処理部8に出力する。改良ビタビ復号処理部8は、図3(c)に示したような、符号化率3/4のパンクチャド符号の入力を受けて、ビタビ復号化を行う。
【0030】
従来、通常のビタビ復号化では、図4(a)に示すようなP02とP03とに基づく第1パス20とP04とP05とに基づく第2パス21とからなるトレリスを形成する。ここで、パンクチャド符号化によりP02及びP04は省略されている。
【0031】
本実施の形態において特徴的なことは、第1パス20と第2パス21とをひとまとめにした図4(b)に示すような合成パスを用いてトレリスを形成することである。すなわち、この合成パスはP02からP05までの4ビットに対応するパスであるが、P02及びP04が省略されているため、復調された符号系列のP02からP05までを(ダミービットの挿入をすることなく)そのままビタビ復号に用いるときには、結果的に2ビットの符号系列に対応していることになる。つまり、結果的に生成される図5に示すようなトレリスの符号系列は、シンボルの直交成分Q00の候補、すなわち、図14で説明した直交成分の信号点+3、+1、−1、−3のいずれかに相当する。このトレリス線図を用いることで、軟判定ビタビ復号時、ダミービット挿入を行うことなく、ユークリッド距離を尤度関数としたメトリック計算を行い、軟判定ビタビ復号処理を行うことが可能となる。
【0032】
実施の形態2.
次に、本発明の第2の実施の形態に係る誤り訂正装置について、図6を参照して説明する。本実施の形態の誤り訂正装置は、図6(a)に示す送信装置からの信号を受信して誤り訂正を行う。この送信装置は、誤り訂正符号処理部25と多値変調処理部2とから構成されており、誤り訂正符号処理部25は、固定ビット挿入処理部24と畳込符号処理部3とパンクチャド符号処理部4とを備えている。また、本実施の形態の誤り訂正装置は、図6(b)に示すように、多値復調処理部5と、第2改良ビタビ復号処理部26とからなる。尚、第1の実施の形態のものと同様の動作を行うものについては、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0033】
固定ビット挿入処理部24は、送信情報系列の入力を受けて、事前に設定された「0」又は「1」の固定ビットを所定位置に挿入する。畳込符号処理部3は、第1の実施の形態のものと同様に、固定ビット挿入後の送信情報系列について畳込符号化を行う。
【0034】
第2改良ビタビ復号処理部26は、固定ビット挿入に対応したステップのパスを強制的に選択させつつ、ビタビ復号化を行う。具体的に、送信情報系列D00が固定ビット「0」であり、また、ビタビ復号処理において、選択したパスを表すパス選択情報として畳込符号器のシフトアウトビットを想定している。
【0035】
この第2改良ビタビ復号処理部26では、パス選択情報は最初畳込符号器の初期状態がシフトアウトされるため、図2に示した畳込符号を例とした場合、図7のパス27においてパスが強制選択されることとなる。パス27は固定ビット挿入位置に対応するパスであるため、図4(b)のように一つの状態に4本のパスが接続されるのが通常であるが、固定ビットが挿入されているために、2つのパスのみが許され、2つのパスのみが接続されている。このように固定ビット挿入を行うことで、ビタビ復号処理における計算、比較、選択を行うパスが強制的に選択される。これにより、誤り訂正能力の向上を図ることが可能となる。
【0036】
実施の形態3.
次に、本発明の第3の実施の形態に係る誤り訂正装置について、図8を参照しながら説明する。本実施の形態の誤り訂正装置は、図1(a)に示した送信装置から受信した信号を復調するもので、多値復調処理部5と、第3改良ビタビ復号処理部30とから基本的に構成されている。また、第3改良ビタビ復号処理部30は、復号処理部28と、トレリステーブル作成処理部29とからなる。尚、第1の実施の形態に係るものと同様のものについては、同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0037】
第3改良ビタビ復号処理部30の復号処理部28は、トレリステーブル作成処理部29により作成されたトレリステーブルを格納しており、多値復調処理された信号の入力を受けて、トレリステーブルを参照しながらビタビ復号を行う。具体的に、トレリステーブルは、図9に示すように、トレリスの状態遷移のそれぞれについて、遷移前の状態と符号系列とに応じた値を事前に設定したものである。この値は、トレリスの状態遷移において、図2の畳込符号器で生成される符号系列より求めることができる。図10はトレリステーブルに従ってブランチメトリックを決定する場合でのメトリック計算の例を示している。この例では、ステップ(n)の状態S03に遷移するのはステップ(n−1)の状態S12からS15である。この場合各々のトレリスに対応するトレリステーブル値はそれぞれ「1」,「3」,「0」、「2」である。このトレリステーブル値には、復調信号系列から計算されたブランチメトリック値が対応している。例えばトレリステーブル値「3」は図9にもあるように、符号系列で表すと「11」であり、図14(b)によれば、対応する信号点は「−1」であるので、復調信号と「−1」とのユークリッド距離がトレリステーブル値「3」に対応するブランチメトリック値となる。他のトレリステーブル値も同様である。このようにして求めたブランチメトリック値を各トレリスのテーブル値に従って決定し、ステップ(n−1)での各状態のパスメトリックに加算、比較、及び選択を行う。計算、比較、選択は通常行うビタビ復号処理と同様である。図10の例では状態S12の計算結果を選択している。なお図14(b)、または図9のトレリステーブルからもわかるように、この例では、計算するユークリッド距離、つまりブランチメトリックは4通りしかない。従って、特性向上を目的として畳込符号器のシフトレジスタを増やした場合、状態数つまりトレリスが多くなるので、この例のように、各トレリスに対して一つ一つメトリック計算を行うよりも、事前にトレリステーブルを作成し、ブランチメトリック値をこのテーブルに基づいて決定することで、計算の簡略化を図ることが可能となる。
【0038】
実施の形態4.
この第4の実施の形態に係る誤り訂正装置についても、固定ビットの挿入による誤り訂正能力の向上が可能となるので、以下、固定ビットが挿入された信号に対する誤り訂正装置について説明する。本実施の形態の誤り訂正装置は、図6(a)に示した送信装置からの信号を受信して復調するもので、図11に示すように、多値復調処理部5と、第4改良ビタビ復号処理部32とから基本的に構成されている。また、第4改良ビタビ復号処理部32は、トレリステーブル作成処理部29と第2復号処理部31とからなる。尚、第3の実施の形態のものと同様の構成をとるものについては、同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0039】
第2復号処理部31は、第3の実施の形態の復号処理部28と同様にして、トレリステーブル作成処理部29により作成されたトレリステーブルを格納しており、このトレリステーブルの値に基づいてブランチメトリック値を演算する。また、第2の実施形態におけるのと同様に、固定ビット挿入により、対応するパスを強制的に選択することが可能となる。これにより、誤り訂正能力の向上を図ることが可能となる。
【0040】
【発明の効果】
第1の発明によれば、ダミービットを挿入することなく、復調した符号系列をそのまま、ユークリッド距離をメトリックとしてパンクチャド符号のビタビ復号を行うので、軟判定ビタビ復号による誤り訂正をすることができ、固定ビット挿入して送信した信号に対し、ビタビ復号の際に、パスを強制的に選択させることで、誤り訂正能力の向上を図ることができる。
【0041】
また第2の発明によれば、第1の発明において、事前に設定されたテーブルを参照してビタビ復号を行うことで、メトリック計算処理の簡略化を図ることができる。
【0043】
の発明によれば、改良ビタビ復号処理部が、ダミービットを挿入することなく、復調した符号系列をそのまま、ユークリッド距離をメトリックとしてパンクチャド符号のビタビ復号を行う誤り訂正装置としているので、軟判定ビタビ復号による誤り訂正をすることができ、固定ビット挿入して送信した信号に対し、改良ビタビ復号処理部が、復号処理においてパスを強制的に選択させることで、誤り訂正能力の向上を図ることができる。
【0044】
また第の発明によれば、第の発明において、改良ビタビ復号処理部が、事前に設定されたテーブルを参照してビタビ復号を行うことで、メトリック計算処理の簡略化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態に係る誤り訂正装置とそれに対する送信装置の一例を表す構成ブロック図である。
【図2】 畳込符号処理部の一例を表す構成ブロック図である。
【図3】 誤り訂正処理部における送信情報系列の処理内容を表す説明図である。
【図4】 パンクチャビット位置に対応するトレリス線図を表す説明図である。
【図5】 第1の実施の形態に係るビタビ復号のトレリス線図を表す説明図である。
【図6】 第2の実施の形態に係る誤り訂正装置とそれに対する送信装置の一例を表す構成ブロック図である。
【図7】 第2の実施の形態のビタビ復号におけるトレリス線図を表す説明図である。
【図8】 第3の実施の形態に係る誤り訂正装置の一例を表す構成ブロック図である。
【図9】 第3の実施の形態のビタビ復号におけるトレリステーブルの一部を表す説明図である。
【図10】 第3の実施の形態のトレリス線図を表す説明図である。
【図11】 第4の実施の形態に係る誤り訂正装置の一例を表す構成ブロック図である。
【図12】 従来の誤り訂正装置を表す構成ブロック図である。
【図13】 従来のビタビ復号におけるトレリス線図を表す説明図である。
【図14】 16QAM変調における信号点の配置と受信信号との関係の一例を示す説明図である。
【図15】 従来の復調におけるトレリス線図を表す説明図である。
【符号の説明】
1,25 誤り訂正符号処理部、2 多値変調処理部、3 畳込符号処理部、4 パンクチャド符号処理部、5 多値復調処理部、6 ダミービット挿入処理部、7 ビタビ復号処理部、8 改良ビタビ復号処理部、11 シフトレジスタ、12 加算器、20 符号系列Aに対応するトレリス、21 符号系列Bに対応するトレリス、24 固定ビット挿入処理部、26 第2改良ビタビ復号処理部、27 パス強制選択を行うステップでのトレリスの例、28 復号処理部、29 トレリステーブル作成処理部、30 第3改良ビタビ復号処理部、31 第2復号処理部、32 第4改良ビタビ復号処理部。

Claims (4)

  1. パンクチャド符号処理により一部ビットを省略して生成された畳込符号に対して多値変調を行った信号を受信する工程と、
    前記多値変調信号から畳込符号の符号系列を復調する工程と、
    ユークリッド距離をメトリックとして、一部省略されたビット位置にダミービットを挿入することなく前記復調された符号系列をビタビ復号化する工程と、
    を含み、
    前記多値変調される畳込符号には、固定ビットが挿入されており、
    前記ビタビ復号化する工程は、固定ビット挿入位置に対応するパスを強制的に選択させる工程を含むことを特徴とする誤り訂正方法。
  2. 前記ビタビ復号化する工程は、各トレリスに対応する符号系列の値が事前に設定されているトレリステーブルを参照して、各トレリスのメトリックを決定することにより、ビタビ復号化を行うことを特徴とする請求項1に記載の誤り訂正方法。
  3. パンクチャド符号処理により一部ビットを省略して生成された畳込符号に対して多値変調を行った信号を受信し、当該受信信号から畳込符号の符号系列を復調する多値復調処理部と、
    ユークリッド距離をメトリックとして、一部省略されたビット位置にダミービットを挿入することなく前記復調された符号系列をビタビ復号化する改良ビタビ復号処理部と、
    を含み、
    前記多値変調される畳込符号には、固定ビットが挿入されており、
    前記改良ビタビ復号処理部は、固定ビット挿入位置に対応するパスを強制的に選択させる手段を含むことを特徴とする誤り訂正装置。
  4. ビタビ復号の際のトレリスの各々に対応する符号系列の値を予め設定したトレリステーブルを生成するトレリステーブル作成処理部をさらに含み、
    前記改良ビタビ復号処理部が、前記トレリステーブルを参照して、メトリックを決定してビタビ復号を行うことを特徴とする請求項3に記載の誤り訂正装置。
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