JP2001197134A - 最尤復号器 - Google Patents
最尤復号器Info
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- JP2001197134A JP2001197134A JP2000000637A JP2000000637A JP2001197134A JP 2001197134 A JP2001197134 A JP 2001197134A JP 2000000637 A JP2000000637 A JP 2000000637A JP 2000000637 A JP2000000637 A JP 2000000637A JP 2001197134 A JP2001197134 A JP 2001197134A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】差動符号化を適用した変調方式の復号に最尤復
号法を適用し、差動復号による誤り率低下を防止し、さ
らに誤り訂正符号を用いたときの符号化利得の向上を図
る。 【解決手段】本来存在しない禁止された遷移を除き、シ
ンボル時点で信号点配置が変る変調方式のトレリスを簡
単化した最尤復号器とする。
号法を適用し、差動復号による誤り率低下を防止し、さ
らに誤り訂正符号を用いたときの符号化利得の向上を図
る。 【解決手段】本来存在しない禁止された遷移を除き、シ
ンボル時点で信号点配置が変る変調方式のトレリスを簡
単化した最尤復号器とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は最尤復号器に係わ
り、特にπ/4シフトQPSK変調方式のような、差動復号化
を適用した変調方式の復号に最適な最尤復号器に関す
る。
り、特にπ/4シフトQPSK変調方式のような、差動復号化
を適用した変調方式の復号に最適な最尤復号器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ディジタル無線では、受信機の構成を簡
単にするために、データの差動符号化が行われる。これ
は、入力データを送信符号の差とみなして、1シンボル
前の送信符号に入力データを加算(整数Nを法とするmod
ulo加算)した符号を送信する方法である。受信機側で
は、受信シンボル系列の差(modulo減算)を取ることに
より送信符号を復号する。この方法は、シンボル間の差
分で情報を伝達するので、シンボルの絶対値(位相)を
確定する必要はなく、搬送波再生を簡単化することがで
きる。また、遅延検波とよばれる搬送波帯での信号処理
でも情報を復号化でき、回路の小型化が可能なため、携
帯端末機などによく使用されている。
単にするために、データの差動符号化が行われる。これ
は、入力データを送信符号の差とみなして、1シンボル
前の送信符号に入力データを加算(整数Nを法とするmod
ulo加算)した符号を送信する方法である。受信機側で
は、受信シンボル系列の差(modulo減算)を取ることに
より送信符号を復号する。この方法は、シンボル間の差
分で情報を伝達するので、シンボルの絶対値(位相)を
確定する必要はなく、搬送波再生を簡単化することがで
きる。また、遅延検波とよばれる搬送波帯での信号処理
でも情報を復号化でき、回路の小型化が可能なため、携
帯端末機などによく使用されている。
【0003】図2を用いてπ/4シフトQPSK変調方式に用
いられる差動符号化と復号化の例を説明する。図2は従
来のπ/4シフトQPSK方式の差動符号器と差動復号器の構
成を示すブロック図で、図2(a)は差動符号器、図2(b)
は差動復号器である。20と28は入力端子、21はmodulo8
加算器、22と26は1シンボル遅延素子、23はπ/4シフトQ
PSK変調の変調信号配置回路、24はπ/4シフトQPSK変調
の信号識別回路、25はmodulo8減算器、27と29は出力端
子である。
いられる差動符号化と復号化の例を説明する。図2は従
来のπ/4シフトQPSK方式の差動符号器と差動復号器の構
成を示すブロック図で、図2(a)は差動符号器、図2(b)
は差動復号器である。20と28は入力端子、21はmodulo8
加算器、22と26は1シンボル遅延素子、23はπ/4シフトQ
PSK変調の変調信号配置回路、24はπ/4シフトQPSK変調
の信号識別回路、25はmodulo8減算器、27と29は出力端
子である。
【0004】変調器側では図2(a)に示す差動符号化が
行われる。入力端子20から入力する2ビットの入力デー
タはLSB(Least Significant Bit)にビット“1”が追
加されて3ビット(1,3,5,7)の符合となり、modulo8
加算器21で1シンボル遅延素子22の出力する1シンボル前
の送信符号(3ビット)とモジュロ8の加算が行われる。
得られた送信符号はπ/4シフトQPSK変調信号配置回路23
によって搬送波の位相情報(nπ/4;n=0〜7)に変換さ
れ、π/4シフトQPSK変調が行われ,出力端子27から出力
する。復調器側では図2(b)に示すように受信されたπ/
4シフトQPSK変調信号が入力端子28から入力し、π/4シ
フトQPSK変調信号識別回路24で識別され、3ビットの符
号となり、modulo8減算器25で、1シンボル遅延素子26の
出力する1シンボル前の受信符号とモジュロ演算が行わ
れ、送信データが復号され、出力端子29を介して出力す
る。
行われる。入力端子20から入力する2ビットの入力デー
タはLSB(Least Significant Bit)にビット“1”が追
加されて3ビット(1,3,5,7)の符合となり、modulo8
加算器21で1シンボル遅延素子22の出力する1シンボル前
の送信符号(3ビット)とモジュロ8の加算が行われる。
得られた送信符号はπ/4シフトQPSK変調信号配置回路23
によって搬送波の位相情報(nπ/4;n=0〜7)に変換さ
れ、π/4シフトQPSK変調が行われ,出力端子27から出力
する。復調器側では図2(b)に示すように受信されたπ/
4シフトQPSK変調信号が入力端子28から入力し、π/4シ
フトQPSK変調信号識別回路24で識別され、3ビットの符
号となり、modulo8減算器25で、1シンボル遅延素子26の
出力する1シンボル前の受信符号とモジュロ演算が行わ
れ、送信データが復号され、出力端子29を介して出力す
る。
【0005】π/4シフトQPSK変調信号は8個の位相状態
(nπ/4;n=0〜7)を有するが、同時刻に現れるのは、n
が偶数(n=0,2,4,6)または奇数(n=1,3,5,7)の
何れかの4状態である。従って受信機で識別を行うとき
は、シンボル時点の偶奇によって識別値を切換える必要
がある。差動符号化を行うと、受信機の構成が簡単にな
る反面、1シンボルの情報を再生するのに、2シンボル分
の受信信号を必要とするので、雑音電力は2倍となる。
また、一度識別誤りが生じると、2シンボルに渡ってエ
ラーを起し、誤り率が倍になる欠点がある。そこで、こ
の欠点を除くため、誤り訂正符号の一種である畳込み符
号の復号器に用いられるビタビアルゴリズム(最尤復号
法とも呼ばれる)による差動復号が試みられている。
(nπ/4;n=0〜7)を有するが、同時刻に現れるのは、n
が偶数(n=0,2,4,6)または奇数(n=1,3,5,7)の
何れかの4状態である。従って受信機で識別を行うとき
は、シンボル時点の偶奇によって識別値を切換える必要
がある。差動符号化を行うと、受信機の構成が簡単にな
る反面、1シンボルの情報を再生するのに、2シンボル分
の受信信号を必要とするので、雑音電力は2倍となる。
また、一度識別誤りが生じると、2シンボルに渡ってエ
ラーを起し、誤り率が倍になる欠点がある。そこで、こ
の欠点を除くため、誤り訂正符号の一種である畳込み符
号の復号器に用いられるビタビアルゴリズム(最尤復号
法とも呼ばれる)による差動復号が試みられている。
【0006】図3を用いてビタビアルゴリズムによる最
尤復号器について説明する。図3は誤り訂正符号の復号
に用いられる従来の最尤復号器の構成を表すブロック図
である。30は入力端子、31は枝尤度計算部、32は加算比
較選択(Add Compare Select:ACS、以降、ACSと称す
る)演算部、33は状態尤度メモリ、34はパスメモリ、35
は最尤復号部、36は出力端子である。
尤復号器について説明する。図3は誤り訂正符号の復号
に用いられる従来の最尤復号器の構成を表すブロック図
である。30は入力端子、31は枝尤度計算部、32は加算比
較選択(Add Compare Select:ACS、以降、ACSと称す
る)演算部、33は状態尤度メモリ、34はパスメモリ、35
は最尤復号部、36は出力端子である。
【0007】図3の最尤復号器の動作説明に先立ち、最
尤復号において重要な役割をする畳込み符号器の状態の
概念とトレリス線図について図4を用いて説明する。図
4は畳込み符号器の構成を示すブロック図とそのトレリ
ス線図である。図4(a)に示す畳込み符号器は、排他論
理和ゲート41,42,43及び1ビット遅延素子44,45から
構成される。入力端子40を介して入力した入力データX0
は、1ビット遅延素子44に入力し遅延データX1を得る。
この遅延データX1は更に1ビット遅延素子45に入力し遅
延データX2を得る。そして、排他論理和ゲート41,42,
43によりX0X1X2の排他論理和をとり、符号化出力g0,g1
を生成し、出力端子46と47を介して送信する。図4に示
した符号器は入力1ビットに対して2ビット出力されるの
で、符号化率r=1/2、また、入力データ3ビットで符号を
生成するので、拘束長K=3の畳込み符号器と呼ばれてい
る。符号器のシフトレジスタが保持している2ビットX2X
1を符号器の状態という。2ビットであるから00〜11の4
状態があり、入力データが入る度に4状態が遷移しなが
ら符号化が行われる。この状態遷移の状況を図に表した
ものをトレリス線図と呼び、図4(b)に時点tm-1から時
点tmへの遷移状況を示している。図4のトレリスは起り
得る全ての状態遷移を表しているが、実際の符号器の状
態遷移は1本の遷移パスで表される。受信側の最尤復号
器では、時点tmの全ての状態に至る遷移パス(図4の例
では4本)を候補パスとして保持しておき、受信した符
号g0,g1を手がかりとして送信機の符号器の状態遷移と
して最も確からしい遷移パスを選択(最尤選択)するこ
とで符号器の状態遷移を推定しながら復号を行う。ここ
で、確からしさを具体的に表す量として尤度を用いる。
尤復号において重要な役割をする畳込み符号器の状態の
概念とトレリス線図について図4を用いて説明する。図
4は畳込み符号器の構成を示すブロック図とそのトレリ
ス線図である。図4(a)に示す畳込み符号器は、排他論
理和ゲート41,42,43及び1ビット遅延素子44,45から
構成される。入力端子40を介して入力した入力データX0
は、1ビット遅延素子44に入力し遅延データX1を得る。
この遅延データX1は更に1ビット遅延素子45に入力し遅
延データX2を得る。そして、排他論理和ゲート41,42,
43によりX0X1X2の排他論理和をとり、符号化出力g0,g1
を生成し、出力端子46と47を介して送信する。図4に示
した符号器は入力1ビットに対して2ビット出力されるの
で、符号化率r=1/2、また、入力データ3ビットで符号を
生成するので、拘束長K=3の畳込み符号器と呼ばれてい
る。符号器のシフトレジスタが保持している2ビットX2X
1を符号器の状態という。2ビットであるから00〜11の4
状態があり、入力データが入る度に4状態が遷移しなが
ら符号化が行われる。この状態遷移の状況を図に表した
ものをトレリス線図と呼び、図4(b)に時点tm-1から時
点tmへの遷移状況を示している。図4のトレリスは起り
得る全ての状態遷移を表しているが、実際の符号器の状
態遷移は1本の遷移パスで表される。受信側の最尤復号
器では、時点tmの全ての状態に至る遷移パス(図4の例
では4本)を候補パスとして保持しておき、受信した符
号g0,g1を手がかりとして送信機の符号器の状態遷移と
して最も確からしい遷移パスを選択(最尤選択)するこ
とで符号器の状態遷移を推定しながら復号を行う。ここ
で、確からしさを具体的に表す量として尤度を用いる。
【0008】図4(b)のトレリスにおいて、例えば、00
から00への遷移では送信信号はg0,g1=00のようにな
り、また10から00への遷移ではg0,g1=11のようにな
る。このように、各遷移枝に対して異なる送信符合とな
るので、実際に受信した送信符号と各遷移枝に対する送
信符号を比較し、そのハミング距離をその遷移枝の枝尤
度とする。実際の最尤復号器では、図3に示したACS演
算部32で状態尤度を計算する。状態尤度は各状態に至る
遷移パスの枝尤度を全て加算したものである。実際には
図4(b)のトレリス線図で示されているように、各状態
には2本ずつ遷移枝が入っているので、それぞれの遷移
枝の枝尤度を状態前の状態尤度に加算(Add)し、尤
度を比較(Compare)し、確からしい方の遷移パスを選
択(Select)する。実際には枝尤度をハミング距離で表
しているので、状態尤度を状態尤度メモリ33に格納する
とともに、ACS演算によって選択した遷移情報をパスメ
モリ34に送る。パスメモリ34では全ての状態に至る遷移
パスを記憶しておく。データの入力が終了した時点で状
態尤度の最も高い(数値としては最も小さい)状態に至
る遷移パスを符号器の遷移パスとして推定し、最尤復号
器35で最尤復号して出力する。
から00への遷移では送信信号はg0,g1=00のようにな
り、また10から00への遷移ではg0,g1=11のようにな
る。このように、各遷移枝に対して異なる送信符合とな
るので、実際に受信した送信符号と各遷移枝に対する送
信符号を比較し、そのハミング距離をその遷移枝の枝尤
度とする。実際の最尤復号器では、図3に示したACS演
算部32で状態尤度を計算する。状態尤度は各状態に至る
遷移パスの枝尤度を全て加算したものである。実際には
図4(b)のトレリス線図で示されているように、各状態
には2本ずつ遷移枝が入っているので、それぞれの遷移
枝の枝尤度を状態前の状態尤度に加算(Add)し、尤
度を比較(Compare)し、確からしい方の遷移パスを選
択(Select)する。実際には枝尤度をハミング距離で表
しているので、状態尤度を状態尤度メモリ33に格納する
とともに、ACS演算によって選択した遷移情報をパスメ
モリ34に送る。パスメモリ34では全ての状態に至る遷移
パスを記憶しておく。データの入力が終了した時点で状
態尤度の最も高い(数値としては最も小さい)状態に至
る遷移パスを符号器の遷移パスとして推定し、最尤復号
器35で最尤復号して出力する。
【0009】以上述べたように、最尤復号法では受信デ
ータを直ちに復号しないで、情報の確からしさを、状態
尤度の形で保持しておき、複数の送信シンボルにわたる
遷移パスについて復号するので、1シンボル毎に混入す
る雑音成分の影響を軽減し、誤りを少なくすることがで
きる。具体的に最尤復号法を用いてπ/4シフトQPSK変調
の復号を行った例として、特開平6−237280号公
報「受信機およびこれを備えた受信システム」に述べら
れている方法などがある。
ータを直ちに復号しないで、情報の確からしさを、状態
尤度の形で保持しておき、複数の送信シンボルにわたる
遷移パスについて復号するので、1シンボル毎に混入す
る雑音成分の影響を軽減し、誤りを少なくすることがで
きる。具体的に最尤復号法を用いてπ/4シフトQPSK変調
の復号を行った例として、特開平6−237280号公
報「受信機およびこれを備えた受信システム」に述べら
れている方法などがある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前述の従来技術の差動
復号法では、雑音電流が2倍になるため、信号電力を倍
にしないと同じ性能が得られない欠点があった。また、
符号誤り率も差動符号化を用いない方式に比べ2倍にな
る欠点があった。また前述の従来技術の差動復号法で誤
り訂正符号を適用すると、誤り率を改善できるが、符号
の伝送速度が下がり、しかも差動符号化を適用した方式
では、符号化利得(符号化によって改善されるCN比減少
量)が低くなる欠点があった。また、誤り訂正符号の復
号に用いる最尤復号器は状態数が増えるとACS演算の回
路が増大し、ハードウェア量が大きくなるという欠点が
ある。即ち、前述の従来技術の、最尤復号法を用いて差
動復号する方法では、復号器において多重位相遅延検波
という技術を用いるが、位相遅延検波の段数Nを増やす
と、状態数は4N-1に増加し、ACS演算回路が増大し、ハ
ードウェア量が大きくなるという欠点があった。更に、
π/4シフトQPSK変調方式では信号配置が8点あるため、
状態数の増加は一層深刻な問題となる。通常は識別値の
偶奇シンボル切替を行って、4状態の復号を行う方法が
とられている。しかしながら、この方法ではシンボル時
点の偶奇の判定を別の回路で行わなければならないこ
と、及び、偶奇の判定を誤ると復号誤りを生ずるなどの
欠点があった。本発明の目的は、上記のような欠点を除
去し、π/4シフトQPSK変調方式のように、シンボル時点
で信号点配置が変る変調方式の復号に最適な最尤復号法
を提供することにある。また、本発明の他の目的は、差
動符号化を適用した変調方式の復号に最尤復号法を適用
し、差動復号による誤り率低下を防止し、さらに誤り訂
正符号を用いたときの符号化利得の向上を図ることにあ
る。
復号法では、雑音電流が2倍になるため、信号電力を倍
にしないと同じ性能が得られない欠点があった。また、
符号誤り率も差動符号化を用いない方式に比べ2倍にな
る欠点があった。また前述の従来技術の差動復号法で誤
り訂正符号を適用すると、誤り率を改善できるが、符号
の伝送速度が下がり、しかも差動符号化を適用した方式
では、符号化利得(符号化によって改善されるCN比減少
量)が低くなる欠点があった。また、誤り訂正符号の復
号に用いる最尤復号器は状態数が増えるとACS演算の回
路が増大し、ハードウェア量が大きくなるという欠点が
ある。即ち、前述の従来技術の、最尤復号法を用いて差
動復号する方法では、復号器において多重位相遅延検波
という技術を用いるが、位相遅延検波の段数Nを増やす
と、状態数は4N-1に増加し、ACS演算回路が増大し、ハ
ードウェア量が大きくなるという欠点があった。更に、
π/4シフトQPSK変調方式では信号配置が8点あるため、
状態数の増加は一層深刻な問題となる。通常は識別値の
偶奇シンボル切替を行って、4状態の復号を行う方法が
とられている。しかしながら、この方法ではシンボル時
点の偶奇の判定を別の回路で行わなければならないこ
と、及び、偶奇の判定を誤ると復号誤りを生ずるなどの
欠点があった。本発明の目的は、上記のような欠点を除
去し、π/4シフトQPSK変調方式のように、シンボル時点
で信号点配置が変る変調方式の復号に最適な最尤復号法
を提供することにある。また、本発明の他の目的は、差
動符号化を適用した変調方式の復号に最尤復号法を適用
し、差動復号による誤り率低下を防止し、さらに誤り訂
正符号を用いたときの符号化利得の向上を図ることにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の最尤復号器は、シンボル時点で信号点配
置が変る変調方式のトレリスを簡単化する。図5に示す
π/4シフトQPSK変調方式のトレリスを例にとって説明す
る。π/4シフトQPSK変調の搬送波位相はnπ/4(n=0〜
7)で表され、シンボル時点tmが更新されるたびに、偶
数状態(n=0,2,4,6)から奇数状態(n=1,3,5,7)
への遷移(図5(a)の実線で示す遷移)と、奇数状態か
ら偶数状態への遷移(図5(a)の点線で示す遷移)が交
互に繰返す。偶数から偶数、奇数から奇数への遷移は本
来存在しない(雑音の混入や、クロック信号の乱れによ
り受信機側では発生することがある)禁止された遷移で
ある。従って、この禁止された遷移を除くと、π/4シフ
トQPSK変調のトレリスは、偶数4状態から奇数4状態(あ
るいは、奇数4状態から偶数4状態)への遷移(状態数が
8から4へ縮小されたトレリス)と、2つの縮小トレリス
のどちらが起っているかを示す状態群間トレリス(偶→
奇と、奇→偶の2状態)が階層的に組合された構造にな
っていることがわかる。ここで2つの縮小トレリスは同
一の構造をしているので、n=0,2,4,6とn=1,3,5,7
を各々同一の状態とみなすことにより、図5(b)の下側
の4状態トレリスが得られる。また、状態群間トレリス
では、禁止された遷移(図5(b)の上側の細い実線で示
す)を加えると、図5(b)上側の2状態トレリスが得られ
る。階層構造化されたトレリスを追跡して、最尤復号す
るには、最尤復号器も各階層トレリスを追跡する復号器
を用意して、トレリス間で必要となる情報をやり取りす
ればよい。例えば、偶奇切替情報は状態間トレリスを追
跡する(上位の)最尤復号器から得られるので、この情
報を(下位の)縮小トレリスを追跡する最尤復号器を入
力する。
めに、本発明の最尤復号器は、シンボル時点で信号点配
置が変る変調方式のトレリスを簡単化する。図5に示す
π/4シフトQPSK変調方式のトレリスを例にとって説明す
る。π/4シフトQPSK変調の搬送波位相はnπ/4(n=0〜
7)で表され、シンボル時点tmが更新されるたびに、偶
数状態(n=0,2,4,6)から奇数状態(n=1,3,5,7)
への遷移(図5(a)の実線で示す遷移)と、奇数状態か
ら偶数状態への遷移(図5(a)の点線で示す遷移)が交
互に繰返す。偶数から偶数、奇数から奇数への遷移は本
来存在しない(雑音の混入や、クロック信号の乱れによ
り受信機側では発生することがある)禁止された遷移で
ある。従って、この禁止された遷移を除くと、π/4シフ
トQPSK変調のトレリスは、偶数4状態から奇数4状態(あ
るいは、奇数4状態から偶数4状態)への遷移(状態数が
8から4へ縮小されたトレリス)と、2つの縮小トレリス
のどちらが起っているかを示す状態群間トレリス(偶→
奇と、奇→偶の2状態)が階層的に組合された構造にな
っていることがわかる。ここで2つの縮小トレリスは同
一の構造をしているので、n=0,2,4,6とn=1,3,5,7
を各々同一の状態とみなすことにより、図5(b)の下側
の4状態トレリスが得られる。また、状態群間トレリス
では、禁止された遷移(図5(b)の上側の細い実線で示
す)を加えると、図5(b)上側の2状態トレリスが得られ
る。階層構造化されたトレリスを追跡して、最尤復号す
るには、最尤復号器も各階層トレリスを追跡する復号器
を用意して、トレリス間で必要となる情報をやり取りす
ればよい。例えば、偶奇切替情報は状態間トレリスを追
跡する(上位の)最尤復号器から得られるので、この情
報を(下位の)縮小トレリスを追跡する最尤復号器を入
力する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の最尤復号器は、シンボル
時点で信号点配置が変る変調方式のトレリスを簡単化す
ることを検討する。この方法を図5によって説明する。
図5はπ/4シフトQPSK変調方式のトレリス線図である。
図5に示すように、π/4シフトQPSK変調の搬送波位相は
nπ/4(n=0〜7)で表され、シンボル時点tmが更新され
るたびに、偶数状態(n=0,2,4,6)から奇数状態(n=
1,3,5,7)への遷移(図5(a)の実線で示す遷移)
と、奇数状態から偶数状態への遷移(図5(a)の点線で
示す遷移)を交互に繰返す。偶数から偶数及び奇数から
奇数への遷移は、本来存在しない(雑音の混入や、クロ
ック信号の乱れにより受信機側では発生することがあ
る)禁止された遷移である。従って、この禁止された遷
移を除くと、π/4シフトQPSK変調のトレリスは、偶数4
状態から奇数4状態(あるいは、奇数4状態から偶数4状
態)への遷移(状態数が8から4へ縮小されたトレリス)
と、2つの縮小トレリスのどちらが起っているかを示す
状態群間トレリス(偶→奇と、奇→偶の2状態)が階層
的に組合された構造になっていることがわかる。
時点で信号点配置が変る変調方式のトレリスを簡単化す
ることを検討する。この方法を図5によって説明する。
図5はπ/4シフトQPSK変調方式のトレリス線図である。
図5に示すように、π/4シフトQPSK変調の搬送波位相は
nπ/4(n=0〜7)で表され、シンボル時点tmが更新され
るたびに、偶数状態(n=0,2,4,6)から奇数状態(n=
1,3,5,7)への遷移(図5(a)の実線で示す遷移)
と、奇数状態から偶数状態への遷移(図5(a)の点線で
示す遷移)を交互に繰返す。偶数から偶数及び奇数から
奇数への遷移は、本来存在しない(雑音の混入や、クロ
ック信号の乱れにより受信機側では発生することがあ
る)禁止された遷移である。従って、この禁止された遷
移を除くと、π/4シフトQPSK変調のトレリスは、偶数4
状態から奇数4状態(あるいは、奇数4状態から偶数4状
態)への遷移(状態数が8から4へ縮小されたトレリス)
と、2つの縮小トレリスのどちらが起っているかを示す
状態群間トレリス(偶→奇と、奇→偶の2状態)が階層
的に組合された構造になっていることがわかる。
【0013】ここで2つの縮小トレリスは同一の構造を
しているので、n=0,2,4,6とn=1,3,5,7を各々同一
の状態とみなすことにより、図5(b)の下側の4状態ト
レリスが得られる。また、状態群間トレリスでは、禁止
された遷移(図5(b)の上側の細い実線で示す)を加え
ると、図5(b)上側の2状態トレリスが得られる。図5
(b)の場合には、上体の数Mは4(例えば、0→1,3,5,
7)であり、枝の数Lは4(例えば、0→1,3,5,7を繋ぐ
経路)である。このような階層構造化されたトレリスを
追跡して、最尤復号するには、最尤復号器も各階層トレ
リスを追跡する復号器を用意して、トレリス間で必要と
なる情報をやり取りすればよい。例えば、偶奇切替情報
は状態間トレリスを追跡する(上位の)最尤復号器から
得られるので、この情報を(下位の)縮小トレリスを追
跡する最尤復号器を入力する。
しているので、n=0,2,4,6とn=1,3,5,7を各々同一
の状態とみなすことにより、図5(b)の下側の4状態ト
レリスが得られる。また、状態群間トレリスでは、禁止
された遷移(図5(b)の上側の細い実線で示す)を加え
ると、図5(b)上側の2状態トレリスが得られる。図5
(b)の場合には、上体の数Mは4(例えば、0→1,3,5,
7)であり、枝の数Lは4(例えば、0→1,3,5,7を繋ぐ
経路)である。このような階層構造化されたトレリスを
追跡して、最尤復号するには、最尤復号器も各階層トレ
リスを追跡する復号器を用意して、トレリス間で必要と
なる情報をやり取りすればよい。例えば、偶奇切替情報
は状態間トレリスを追跡する(上位の)最尤復号器から
得られるので、この情報を(下位の)縮小トレリスを追
跡する最尤復号器を入力する。
【0014】以上述べたように構成することにより、シ
ンボル時点で信号配置が変る変調方式の状態数を減少
し、最尤復号器の構成を簡単化することができる。更
に、シンボル時点の偶奇の判定は上位の最尤復号器から
得ることができるので、特別な判定回路を付加する必要
もなく、また、判定誤りによる復号エラーも防止するこ
とができる。
ンボル時点で信号配置が変る変調方式の状態数を減少
し、最尤復号器の構成を簡単化することができる。更
に、シンボル時点の偶奇の判定は上位の最尤復号器から
得ることができるので、特別な判定回路を付加する必要
もなく、また、判定誤りによる復号エラーも防止するこ
とができる。
【0015】π/4シフトQPSK変調方式の場合には、差動
符号化が行われているので、本発明の復号法で差動復号
を行うと、差動符号化に伴う誤り率劣化を改善すること
ができる。
符号化が行われているので、本発明の復号法で差動復号
を行うと、差動符号化に伴う誤り率劣化を改善すること
ができる。
【0016】更に、誤り訂正符号化を適用している場合
には、差動符号化によるトレリスと、誤り訂正符号化に
よるトレリスを合成し、合成したトレリスについて最尤
復号を行うことで、差動復号と、誤り訂正符号の復号が
同時に処理できる利点がある。この時、合成トレリスの
状態数は合成しない場合より大きくなり、ACS演算部等
の演算処理回路が増加することになるが、この欠点を回
避する簡略化方法が、例えば、特公平7−83279号
公報「最尤復号器」で、すでに提案されており、この方
法を適用することで、ハードウェア処理量の増加を防ぐ
ことができる。この簡略化方法について、図5(b)を用
いて説明する。従来技術の項で述べたように、ACS演算
では図5(b)のシンボル時点tmの4状態の各々について、
その状態に至るtm-1時点での状態尤度と各状態遷移枝の
枝尤度を加算し、加算結果を比較し、最も尤度の小さい
遷移枝を選択して、tm時点のその状態の尤度とする。従
って、4状態について、4回の加算、4個の尤度の比較演
算(全体では16回の加算と16回の比較演算)が必要とな
る。上記特公平7−83279号公報が開示する方法
は、tm-1時点の状態尤度(累算値)と遷移枝尤度につい
て、全ての組合せを処理せず、それぞれ、尤度の最小の
ものから、is個の状態とib個の遷移枝を含む状態遷移の
中でACS演算を行う方法である。例えば、最小のものか
ら、2個ずつ選ぶと12回の加算と12回の比較演算で済
み、演算回数が削減されることがわかる。
には、差動符号化によるトレリスと、誤り訂正符号化に
よるトレリスを合成し、合成したトレリスについて最尤
復号を行うことで、差動復号と、誤り訂正符号の復号が
同時に処理できる利点がある。この時、合成トレリスの
状態数は合成しない場合より大きくなり、ACS演算部等
の演算処理回路が増加することになるが、この欠点を回
避する簡略化方法が、例えば、特公平7−83279号
公報「最尤復号器」で、すでに提案されており、この方
法を適用することで、ハードウェア処理量の増加を防ぐ
ことができる。この簡略化方法について、図5(b)を用
いて説明する。従来技術の項で述べたように、ACS演算
では図5(b)のシンボル時点tmの4状態の各々について、
その状態に至るtm-1時点での状態尤度と各状態遷移枝の
枝尤度を加算し、加算結果を比較し、最も尤度の小さい
遷移枝を選択して、tm時点のその状態の尤度とする。従
って、4状態について、4回の加算、4個の尤度の比較演
算(全体では16回の加算と16回の比較演算)が必要とな
る。上記特公平7−83279号公報が開示する方法
は、tm-1時点の状態尤度(累算値)と遷移枝尤度につい
て、全ての組合せを処理せず、それぞれ、尤度の最小の
ものから、is個の状態とib個の遷移枝を含む状態遷移の
中でACS演算を行う方法である。例えば、最小のものか
ら、2個ずつ選ぶと12回の加算と12回の比較演算で済
み、演算回数が削減されることがわかる。
【0017】以下、図1を用いて本発明の一実施例を説
明する。図1はπ/4シフトQPSK変調方式の復調における
最尤復号器のブロック構成図である。9は入力端子、1は
第1の枝尤度計算部、2は第1のACS部、3は第1の状態
尤度メモリ、4は第2の枝尤度計算部、5は第2のACS演
算部、6は第2の状態尤度メモリ、7はパスメモリ、8は
最尤復号部、10は出力端子である。図1の動作を図5
(b)の階層化トレリス線図を参照しながら説明する。
明する。図1はπ/4シフトQPSK変調方式の復調における
最尤復号器のブロック構成図である。9は入力端子、1は
第1の枝尤度計算部、2は第1のACS部、3は第1の状態
尤度メモリ、4は第2の枝尤度計算部、5は第2のACS演
算部、6は第2の状態尤度メモリ、7はパスメモリ、8は
最尤復号部、10は出力端子である。図1の動作を図5
(b)の階層化トレリス線図を参照しながら説明する。
【0018】図1において、受信機で受信され復調され
た受信信号は、入力端子9を介して第1の枝尤度計算部1
と第2の枝尤度計算部4とに入力する。第1の枝尤度計
算部1では、復調信号の位相を調べ、基準位相nπ/4(n=
0〜7)からの位相ずれ角を求めて枝尤度とする。そして
求めた枝尤度を第1のACS演算部2に送る。第1のACS演
算部2では1シンボル前の状態尤度に加算比較選択演算を
行う。図5(b)に示すように、状態群間トレリスは2状態
しかなく、しかも偶から偶、奇から奇への遷移は禁じら
れている。最尤復号では1シンボルの受信値による瞬時
の識別は行わず、ある時間区間に渡って起り得る全ての
遷移についてACS演算処理をしておき、最後に最尤判定
を行い復号する。ACS演算により求められた状態尤度は
次のシンボル時点でのACS演算処理に用いるため、第1
の状態尤度メモリ3に格納する。こうして数シンボル時
点に渡って積算された状態尤度の最小の状態を選択し、
現在の最尤状態(偶数状態または奇数状態)の情報をし
第2の尤度計算部4へ送る。即ち、第1の枝尤度計算部
1、第1のACS演算部2、第1の状態尤度メモリ3によっ
て、階層化トレリスの状態群間トレリスを追跡する。第
2の枝尤度計算部4では、第1のACS演算部2から送られ
る偶奇情報と入力端子9から送られる受信信号とから図
5(b)の縮小トレリスの遷移枝の枝尤度を計算する。縮
小トレリスの4状態について、第2のACS演算部5、第2
の状態尤度メモリ6によって状態尤度の更新演算処理を
行い、得られた状態遷移情報をパスメモリ7に送る。パ
スメモリ7では、4状態に至る遷移パスを記憶しておき、
最尤復号部8で、状態尤度の最も小さい状態に至る遷移
パスを選び、最尤復号を行い、復号信号を出力端子10を
介して出力する。
た受信信号は、入力端子9を介して第1の枝尤度計算部1
と第2の枝尤度計算部4とに入力する。第1の枝尤度計
算部1では、復調信号の位相を調べ、基準位相nπ/4(n=
0〜7)からの位相ずれ角を求めて枝尤度とする。そして
求めた枝尤度を第1のACS演算部2に送る。第1のACS演
算部2では1シンボル前の状態尤度に加算比較選択演算を
行う。図5(b)に示すように、状態群間トレリスは2状態
しかなく、しかも偶から偶、奇から奇への遷移は禁じら
れている。最尤復号では1シンボルの受信値による瞬時
の識別は行わず、ある時間区間に渡って起り得る全ての
遷移についてACS演算処理をしておき、最後に最尤判定
を行い復号する。ACS演算により求められた状態尤度は
次のシンボル時点でのACS演算処理に用いるため、第1
の状態尤度メモリ3に格納する。こうして数シンボル時
点に渡って積算された状態尤度の最小の状態を選択し、
現在の最尤状態(偶数状態または奇数状態)の情報をし
第2の尤度計算部4へ送る。即ち、第1の枝尤度計算部
1、第1のACS演算部2、第1の状態尤度メモリ3によっ
て、階層化トレリスの状態群間トレリスを追跡する。第
2の枝尤度計算部4では、第1のACS演算部2から送られ
る偶奇情報と入力端子9から送られる受信信号とから図
5(b)の縮小トレリスの遷移枝の枝尤度を計算する。縮
小トレリスの4状態について、第2のACS演算部5、第2
の状態尤度メモリ6によって状態尤度の更新演算処理を
行い、得られた状態遷移情報をパスメモリ7に送る。パ
スメモリ7では、4状態に至る遷移パスを記憶しておき、
最尤復号部8で、状態尤度の最も小さい状態に至る遷移
パスを選び、最尤復号を行い、復号信号を出力端子10を
介して出力する。
【0019】以上述べたように、π/4シフトQPSK変調を
例に説明したが、例えば、OQPSK(Offset Quadrature P
hase Sift Keying)変調方式、MSK変調方式等、禁止さ
れた状態遷移を持つ変調方式なら、どの変調方式につい
ても適用できることは言うまでもない。
例に説明したが、例えば、OQPSK(Offset Quadrature P
hase Sift Keying)変調方式、MSK変調方式等、禁止さ
れた状態遷移を持つ変調方式なら、どの変調方式につい
ても適用できることは言うまでもない。
【0020】また、最尤復号により、差動復号を行うこ
とができるので、通常の方法で差動復号を行う場合の欠
点(符号誤り率が倍になり、CNが低下する)を除くこと
ができる。更にπ/4シフトQPSK変調の復調では、識別点
の偶奇切替を行う必要があるが、本実施例の構成では、
状態群間トレリスを追跡する最尤復号器によって自動的
に切替制御することができる。
とができるので、通常の方法で差動復号を行う場合の欠
点(符号誤り率が倍になり、CNが低下する)を除くこと
ができる。更にπ/4シフトQPSK変調の復調では、識別点
の偶奇切替を行う必要があるが、本実施例の構成では、
状態群間トレリスを追跡する最尤復号器によって自動的
に切替制御することができる。
【0021】本発明の別の実施例を図6によって説明す
る。図6はπ/4シフトQPSK変調方式の復調における最尤
復号器のブロック構成図で、最尤復号器を構成する上で
最も問題となるACS演算の処理量削減手法を適用した一
実施例である。図1と同一の構成要素には同一の番号を
付した。その他に、61は枝尤度前処理回路、62は状態尤
度前処理回路である。
る。図6はπ/4シフトQPSK変調方式の復調における最尤
復号器のブロック構成図で、最尤復号器を構成する上で
最も問題となるACS演算の処理量削減手法を適用した一
実施例である。図1と同一の構成要素には同一の番号を
付した。その他に、61は枝尤度前処理回路、62は状態尤
度前処理回路である。
【0022】図6において、入力端子9から第1の枝尤
度計算部1、第1の加算比較選択演算部2、第1の状態尤
度メモリ3、第2の枝尤度計算部4までの動作は図1で説
明した通りなので説明を省略する。第2の枝尤度計算部
4で求められた枝尤度は、ACS演算処理の前に、枝尤度前
処理回路61に送られる。枝尤度前処理回路61では、枝尤
度が最小のものから順にib個だけが選択され、第2のAC
S演算部5に送られる。また同じく第2の状態尤度メモリ
6に記憶されている1シンボル時点前の状態尤度は状態尤
度前処理回路62に送られ、状態尤度前処理回路62では状
態尤度が最小のものから順にis個だけが選択され第2の
ACS演算部5に送られる。第2のACS演算部5では、枝尤度
前処理回路61で選択された枝尤度と、状態尤度前処理回
路62で選択された状態尤度とを含むトレリスについての
みACS演算を行い、その遷移情報をパスメモリ7に出力
し、最尤復号部8では復号を行い、復号信号を出力端子1
0を介して出力する。図5(b)から分かるように、tm時点
の全ての状態について、1シンボル前の状態尤度は共通
なので、一度選択を行えばよく、処理回数が削減できる
ことが分かる。
度計算部1、第1の加算比較選択演算部2、第1の状態尤
度メモリ3、第2の枝尤度計算部4までの動作は図1で説
明した通りなので説明を省略する。第2の枝尤度計算部
4で求められた枝尤度は、ACS演算処理の前に、枝尤度前
処理回路61に送られる。枝尤度前処理回路61では、枝尤
度が最小のものから順にib個だけが選択され、第2のAC
S演算部5に送られる。また同じく第2の状態尤度メモリ
6に記憶されている1シンボル時点前の状態尤度は状態尤
度前処理回路62に送られ、状態尤度前処理回路62では状
態尤度が最小のものから順にis個だけが選択され第2の
ACS演算部5に送られる。第2のACS演算部5では、枝尤度
前処理回路61で選択された枝尤度と、状態尤度前処理回
路62で選択された状態尤度とを含むトレリスについての
みACS演算を行い、その遷移情報をパスメモリ7に出力
し、最尤復号部8では復号を行い、復号信号を出力端子1
0を介して出力する。図5(b)から分かるように、tm時点
の全ての状態について、1シンボル前の状態尤度は共通
なので、一度選択を行えばよく、処理回数が削減できる
ことが分かる。
【0023】以上の実施例で説明したACS簡略化手法
は、状態数及び枝尤度の数がある程度大きい場合に有効
となる。従って、π/4シフトQPSK変調方式で更に誤り訂
正符号化を施す場合など、差動符号化と誤り訂正符号化
を合成し、合成したトレリスについて適用するような、
状態数が大きくなる場合に適用すると効果的である。
は、状態数及び枝尤度の数がある程度大きい場合に有効
となる。従って、π/4シフトQPSK変調方式で更に誤り訂
正符号化を施す場合など、差動符号化と誤り訂正符号化
を合成し、合成したトレリスについて適用するような、
状態数が大きくなる場合に適用すると効果的である。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、例えばπ/4シフトQPSK
変調方式のように、シンボル時点で識別点が変り、禁止
された状態遷移を有するような変調方式の復号に最適な
最尤復号器が構成できる。更に、π/4シフトQPSK変調方
式の場合には、差動符号化が施されているので、差動復
号による誤り率の低下やCNの劣化を防止することができ
る。また、差動符号化された変調方式に誤り訂正符号を
適用すると、同じ理由で、符号化利得の低下が起きる
が、本発明により性能低下を防止することができる。
変調方式のように、シンボル時点で識別点が変り、禁止
された状態遷移を有するような変調方式の復号に最適な
最尤復号器が構成できる。更に、π/4シフトQPSK変調方
式の場合には、差動符号化が施されているので、差動復
号による誤り率の低下やCNの劣化を防止することができ
る。また、差動符号化された変調方式に誤り訂正符号を
適用すると、同じ理由で、符号化利得の低下が起きる
が、本発明により性能低下を防止することができる。
【図1】 本発明の最尤復号器の構成の一実施例を示す
ブロック図。
ブロック図。
【図2】 従来のπ/4シフトQPSK方式の差動符号器と差
動復号器の構成を示すブロック図。
動復号器の構成を示すブロック図。
【図3】 従来の最尤復号器の構成を示すブロック図。
【図4】 従来の最尤復号器の動作説明のために用いる
畳込み符号器。
畳込み符号器。
【図5】 π/4シフトQPSK方式のトレリス線図。
【図6】 本発明の最尤復号器の構成の一実施例を示す
ブロック図。
ブロック図。
1:第1の枝尤度計算部、 2:第1のACS部、 3:第1
の状態尤度メモリ、4:第2の枝尤度計算部、 5:第2
のACS演算部、 6:第2の状態尤度メモリ、7:パスメ
モリ、 8:最尤復号部、 9:入力端子、 10:出力端
子、 20,28:入力端子、 21:modulo8加算器、 2
2,26は1シンボル遅延素子、 23:変調信号配置回路、
24:信号識別回路、 25:modulo8減算器、 27,2
9:出力端子、 30:入力端子、 31:枝尤度計算部、
32: ACS演算部、 33:状態尤度メモリ、 34:パス
メモリ、 35:最尤復号部、 36:出力端子、 61:枝
尤度前処理部、 62:状態尤度前処理部。
の状態尤度メモリ、4:第2の枝尤度計算部、 5:第2
のACS演算部、 6:第2の状態尤度メモリ、7:パスメ
モリ、 8:最尤復号部、 9:入力端子、 10:出力端
子、 20,28:入力端子、 21:modulo8加算器、 2
2,26は1シンボル遅延素子、 23:変調信号配置回路、
24:信号識別回路、 25:modulo8減算器、 27,2
9:出力端子、 30:入力端子、 31:枝尤度計算部、
32: ACS演算部、 33:状態尤度メモリ、 34:パス
メモリ、 35:最尤復号部、 36:出力端子、 61:枝
尤度前処理部、 62:状態尤度前処理部。
Claims (8)
- 【請求項1】 変調信号点遷移が、互いに遷移可能な状
態群から成る同一の構造を有する複数の縮小トレリスに
分けて、階層状に分類することができる遷移点を有する
変調方式の復調器に用いる最尤復号器において、 前記複数の縮小トレリスのいずれの縮小トレリスである
かを決定する第1の最尤復号部と、 該第1の最尤復号部が決定した縮小トレリスについて、
最尤判定を行う第2の最尤復号部を有し、 第1及び第2の最尤復号部によって受信信号の最尤復号
を行うことを特徴とする最尤復号器。 - 【請求項2】 請求項1記載の最尤復号器において、前
記第2の最尤復号部は、前記縮小トレリスの遷移可能な
すべての尤度について計算せず、尤度の最小のものか
ら、iS個(iSは自然数)の状態とib個(ibは自然数)の
遷移枝を含む状態遷移について行うことを特徴とする最
尤復号器。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の最尤復号
器において、前記第1の最尤復号部は、所定時間区間に
渡り起り得るすべての遷移について加算比較選択演算処
理を行い、該加算比較選択演算処理後に最尤判定するこ
とを特徴とする最尤復号器。 - 【請求項4】 禁止された変調信号点遷移を有する変調
方式の復調器に用いる最尤復号器において、前記禁止さ
れた状態遷移を含む全体トレリスを、禁止された状態遷
移を除いて、しかも互いに遷移可能な状態群から成る複
数の部分トレリスと同一の構造を持ち、前記複数の部分
トレリスを代表する縮小トレリスと、前記複数の部分ト
レリス間に生ずる前記禁止された状態遷移を含む状態群
間トレリスの2階層トレリスに分割して、 前記状態群間トレリスを、受信信号から状態群間遷移の
確からしさ(枝尤度)を求める第1の枝尤度計算回路
と、該第1の枝尤度計算回路の出力する枝尤度を加算、
比較、選択する第1のACS(Add、Compare、Select)回
路と、該第1のACS回路によって求められる状態群尤度
を記憶する第1の状態尤度メモリとから成る第1の最尤
度復号器により追跡し、 前記縮小トレリスを、受信信号と、前記最尤状態群復号
器の出力する最尤状態群番号とから、状態遷移の確から
しさ(枝尤度)を求める第2の枝尤度計算回路と、該第
2の枝尤度計算回路と、該第2の枝尤度計算回路の出力
する枝尤度を加算、比較、選択する第2のACS回路と、
該第2のACS回路によって求められる状態尤度を記憶す
る第2の状態尤度メモリと、前記第2のACS回路から出
力される最尤状態遷移選択情報により選択された状態遷
移パスを記憶するパスメモリと、該パスメモリの最尤状
態に至る最尤パスを選択して、受信信号を復号する最尤
復号回路とから成る第2の最尤復号器による最尤アルゴ
リズムによって追跡し、第1および第2の最尤復号器に
よって受信信号の最尤復号を行うことを特徴とする最尤
復号器。 - 【請求項5】 請求項4記載の最尤復号器を用いて、π
/4シフトQPSK変調方式の復調器に用いることを特徴とす
る最尤復号器。 - 【請求項6】 請求項4記載の最尤復号器において、変
調器の変調符号に、さらに誤り訂正符号化を追加して施
し、該新たに追加した符号に対するトレリスと、前記禁
止された状態遷移を含む全体トレリストを合成したトレ
リスについて、前記第1および第2の最尤復号を行うこ
とを特徴とする最尤復号器。 - 【請求項7】 請求項4または請求項5または請求項6
記載の最尤復号器の、前記第2のACS回路において、前
記最尤アルゴリズムで用いる尤度の加算比較選択処理
を、前記縮小トレリスのm時点(mは2以上の整数)にお
ける各状態に至る状態選択肢の中から、状態尤度の小さ
い順に並んだiS個(1≦iS≦M)のm−1時点の状態(Mは
状態の数)と、枝尤度の小さい順に選んだib個(1≦ib
≦L)の遷移枝を含む(Lは遷移枝の数)、高々、iS+ib
個の状態遷移の中でのみ行うことを特徴とする最尤復号
器。 - 【請求項8】 復調信号を入力し、該復調信号の位相を
調べ基準位相からの位相ずれ角を求めて枝尤度とする第
1の枝尤度計算部と、 1シンボル前の第1の状態尤度を保存する第1のメモリ
と、 前記枝尤度を、前記第1のメモリに保存された1シンボ
ル前の第1の状態尤度に加算比較選択演算を行い状態尤
度とする第1の加算比較選択演算部と、 該状態尤度と前記復調信号とによって、遷移枝の枝尤度
を計算する第2の枝尤度計算部と、 第2の状態尤度を保存する第2のメモリと、 該第2の状態尤度と前記遷移枝の枝尤度とによって、該
該第2の状態尤度の更新演算処理を行い、状態遷移情報
を得る第2の加算比較選択演算部と、 該状態遷移情報を記憶するパスメモリとを有し、 該パスメモリが記憶した状態尤度の中から最も小さい状
態に至る遷移パスを選び最尤復号することを特徴とする
最尤復号器。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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---|---|---|---|
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010057121A (ja) * | 2008-08-29 | 2010-03-11 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 光伝送装置 |
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2000
- 2000-01-06 JP JP2000000637A patent/JP2001197134A/ja active Pending
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