JP3873190B2 - レール穿孔装置 - Google Patents
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Description
技術分野
この発明は、鉄道レールを穿孔するレール穿孔装置に関する。
背景技術
側面から見て逆U字状でかつ後壁にドリル進退用開口が設けられている機枠と、機枠の後壁後方に前後移動自在に取付けられた穿孔機本体と、穿孔機本体を前後移動させる送り装置と、機枠の後壁前面に設けられたレール後部押さえと、機枠の頂壁に設けられたレール頭部押さえと、機枠の前壁に前後移動可能に設けられたレール前部押さえとを備えており、レール後部押さえをレールの後部に、レール頭部押さえをレールの頭頂面にそれぞれ当てるとともに、レール前部押さえを移動させてレールの前部に当てることによって機枠をレールに固定した後、穿孔機本体を送り装置によって前進させてレールに水平貫通孔をあけるレール穿孔装置は、従来より知られている。この従来のレール穿孔装置では、レール前部押さえは、レバーの操作によってレールの腹部に押し付けられるクランプ式が一般的である。
この種の穿孔装置では、硬い特殊鋼製のレールを穿孔することから、機枠のレールへの固定力が弱いと、穿孔時に穿孔機本体が微小振動し、そのため、ドリルの刃こぼれが起こるという問題が生じる。これに対し、レール前部押さえがクランプ式のものでは、締付け圧を強くすることが難しく、締付け圧の強いねじによる締付けが要望されている。しかしながら、ねじ締めによる場合は、ねじのストロークが長くなり、締付けに手間と時間がかかるという問題がある。
また、穿孔装置の送り装置としては、例えば、機枠に突出状に設けられかつラックが形成された左右一対の案内軸と、穿孔機本体に回転可能にかつ前後移動不可能に支持されて案内軸のラックに噛み合わされたピニオンとを有し、ピニオンがラックに沿って前進・後退することによって、穿孔機本体を前後移動させるものが知られている。
このような送り装置では、ピニオンとラックとの噛み合いに若干のがたつきがあるため、機枠のレールへの固定力が弱いときと同様に、穿孔時に穿孔機本体が微小振動し、そのため、ドリルの刃こぼれが起こるという問題があった。
この発明の目的は、レールを保持するに際して、ねじ締めを可能とすることにより締付け圧を強くするとともに、締付けの手間と時間とを低減することができ、穿孔機本体の微小振動を防止して、ドリルの刃こぼれを少なくすることができる穿孔装置を提供することにある。
また、この発明の他の目的は、ねじ機構を利用した送りを可能とすることにより、ドリルの刃こぼれを少なくすることができる穿孔装置を提供することにある。
発明の開示
この発明による穿孔装置は、側面から見て逆U字状でかつ後壁にドリル進退用開口が設けられている機枠と、機枠の後壁後方に前後移動自在に取付けられた穿孔機本体と、穿孔機本体を前後移動させる送り装置と、機枠の後壁前面に設けられたレール後部押さえと、機枠の頂壁に設けられたレール頭部押さえと、機枠の前壁に前後移動可能に設けられたレール前部押さえとを備えており、レール後部押さえをレールの後部に、レール頭部押さえをレールの頭頂面にそれぞれ当てるとともに、レール前部押さえを移動させてレールの前部に当てることによって機枠をレールに固定した後、穿孔機本体を送り装置によって前進させてレールに水平貫通孔をあけるレール穿孔装置において、レール前部押さえが、機枠前壁に設けられた水平貫通孔にスライド可能に挿通されたスライド筒と、スライド筒に前後端部を突出させるようにねじ合わされており同筒に対して前後移動可能なおねじ部材と、おねじ部材の後端部に設けられてレールの腹部に当接させられる当接部材とを有しており、スライド筒の前端部に、機枠前壁の前面に当接してスライド筒の後方への移動を阻止するストッパが設けられ、スライド筒と機枠前壁のスライド筒挿通用水平貫通孔縁部との間に、ストッパによって後方への移動を阻止されたスライド筒が回転させられた際にスライド筒の前方への戻りを阻止する係止手段が設けられていることを特徴とするものである。
このレール穿孔装置によると、レール後部押さえをレールの後部に、レール頭部押さえをレールの頭頂面にそれぞれ当てるとともに、レール前部押さえを移動させてレールの前部に当てることによって機枠をレールに固定するが、この際、レール前部押さえは、スライド筒をストッパが機枠前壁に当接するまで移動させ、さらに、スライド筒を回転させてその戻りを止めた後、おねじ部材を締め付ければよい。したがって、ねじの締付けのストロークがわずかでよいので、時間と手間が省け、しかも、ねじによる締付けなので、十分な締付け力を得ることができる。
レール前部押さえが、機枠前壁のスライド筒挿通用水平貫通孔の左右に設けられた水平貫通孔にスライド可能に挿通された左右のスライド軸と、スライド軸を前方に付勢する弾性部材とをさらに有し、当接部材は、左右スライド軸の後端部同士を連結する連結プレートと、連結プレートの後面に設けられた左右一対の突起とからなり、おねじ部材の先端部がスラストワッシャーを介して連結プレート前面に当てられていることが好ましい。このようにすると、おねじ部材を締め付けていくことによって、連結プレートが回転せずに後方へ移動し、おねじ部材の締付けによって左右の突起がレールの腹部に当り、レールに機枠を確実に固定することができる。
スライド筒前端部のストッパに、おねじ部材の外周に達する径方向の孔が設けられ、この孔に、弾性部材で径方向内方に付勢されたボールが嵌め入れられており、おねじ部材の外周に、ボールが嵌まり得る溝が設けられていることが好ましい。このようにすると、おねじ部材を回転させていくと、おねじ部材の溝とボールとが嵌まり合い、その後は、おねじ部材とスライド筒とが一体で回転する。これにより、係止手段によるスライド筒の戻り止めが果たされる。スライド筒の後方への移動はストッパによって阻止されているので、さらに、おねじ部材を回転させていくと、おねじ部材だけが後方に移動し、締付けが完了する。
係止手段は、種々の構成が可能であるが、例えば、機枠前壁のスライド筒挿通用水平貫通孔が、スライド筒の外径よりわずかに大きい内径を有する円筒状スライドガイドが大径貫通孔に嵌め合わせられることにより形成されており、係止手段が、スライド筒の外周に設けられた突起と、スライドガイドの内周に設けられかつ突起を案内する長さ方向の案内溝と、スライドガイドの前面に案内溝に連なって設けられた突起収納凹所とよりなるものとされる。
レール頭部押さえは、機枠の頂壁に設けられた垂直貫通めねじ部にねじ合わされかつねじ回されることによって先端がレールの頭頂面に当てられるおねじ部材であってもよく、また、レール頭部押さえは、機枠の頂壁に設けられためねじ部に下から着脱自在にねじ合わされかつレールの高さに応じた下方突出量を有しているおねじ部材であってもよい。前者は、レールの高さが変化した場合に、おねじ部材のねじ込み量を調整することによって対応可能であるという利点を有し、後者は、レールの高さが変化した場合に、下方突出量が異なるボルト部材を使用することによって、穿孔位置を変更する際のねじ回しの操作を不要とすることができるという利点を有している。
また、このレール穿孔装置において、送り装置が、軸方向に移動不能でかつ軸回りに回転可能に固定基部に支持された送りナットと、送りナットにねじ合わされかつ穿孔機本体に一体化された送りねじと、送りナットと平行でかつ回転可能に固定基部に支持された駆動軸と、駆動軸に固定された駆動歯車と、駆動歯車に噛み合わされかつ送りナットに固定された従動歯車とを備えていることが好ましい。この送り装置によると、駆動軸を回転させると、駆動歯車に噛み合っている従動歯車が回転し、送りナットが回転させられる。送りナットは、軸方向に移動不能でかつ軸回りに回転可能に支持されているので、送りナットの回転に伴って、送りナットにねじ合わされている送りねじが前進または後退させられる。こうして、ねじ機構を利用した送りが可能となる。ねじ機構を利用した送りは、ピニオンとラックとの送りに比べて、噛み合いのがたつきが少なく、穿孔機本体の振動によるドリルの刃こぼれの問題が解消される。
発明を実施するための最良の形態
この発明の実施の形態を、以下図面を参照して説明する。
この明細書において、前とはドリルの進行方向をいうものとし、左右は前方に向かっていうものとする。すなわち、図1の右を前、左を後、図2の上を左、下を右というものとする。
この発明による穿孔装置は、前壁(12)、後壁(13)および取っ手部(14b)付き頂壁(14)よりなる側面から見て逆U字状の機枠(11)と、機枠(11)の後壁(13)に後方突出状に設けられた左右一対の案内軸(5)と、案内軸(5)に前後移動自在に取り付けられた穿孔機本体(1)と、穿孔機本体(1)後方に設けられて穿孔機本体(1)を前後移動させる手動送り装置(10)と、機枠(11)の後壁(13)前面に設けられたレール後部押さえ(16)と、機枠(11)の頂壁(14)に設けられた垂直貫通めねじ部(14a)にねじ合わされたレール頭部押さえ(21)と、機枠(11)の前壁(12)に前後移動可能に設けられたレール前部押さえ(15)と、機枠(11)の前壁(12)上端部に設けられておりかつレール(R)端面からの距離を示す目盛りが設けられている位置決めゲージ(18)とを備えており、レール後部押さえ(16)をレール(R)の後部に当て、レール頭部押さえ(21)をねじ回してレール(R)の頭頂面に当て、さらに、レール前部押さえ(15)をレール(R)の方にすなわち後方に移動させてレール(R)の前部に当てることによって、機枠(11)をレールに固定した後、穿孔機本体(1)を手動送り装置(10)によって前進させてレール(R)の端面から所定距離の箇所に水平貫通孔をあけるものである。
穿孔機本体(1)は、公知のものであり、モータ、歯車などの駆動機構を内蔵する垂直筒部(2a)および出力軸(4)が回転可能に支持されている水平筒部(2b)よりなるケース(2)と、ケース(2)の左右に一体に設けられておりかつ左右の案内軸(5)にスライド自在に嵌め入れられている左右スリーブ(3)となどからなり、出力軸(4)に取り付けられたドリル(4a)を回転させながら、穿孔機本体(1)を案内軸(5)に沿って前進させることにより、穿孔を行うものである。
案内軸(5)の前端部には、長さ方向のめねじが設けられており、図2に示すように、機枠後壁(13)の段付孔(13b)に挿通されたボルト(17)がこのめねじにねじ合わされることにより、案内軸(5)が機枠(11)の後壁(13)に着脱自在に取り付けられている。
レール後部押さえ(16)は、四角柱状で、左右案内軸(5)のすぐ内側に1つずつ配されている。レール後部押さえ(16)は、レール(R)の頭部と底部との間に形成されている凹部に挿入されるようになされており、その上端部および下端部には、レール(R)の頭部および底部のテーパに対応するテーパ部が設けられている。レール後部押さえ(16)には、図2に示すように、座ぐり付きの貫通孔が設けられており、この貫通孔に挿通された六角孔付きボルト(19)が後壁(13)のめねじにねじ合わされることにより、レール後部押さえ(16)が機枠(11)に着脱自在に取り付けられている。
位置決めゲージ(18)は、機枠後壁(13)の左右方向貫通孔にゆるく挿通されている円柱状軸部(18a)と、その端部に設けられてレール(R)端面に当てられる方形状頭部(18b)とよりなる。軸部(18a)には、頭部(18b)からの距離を示す目盛りが設けられている。軸部(18a)は、機枠(11)全体を左右方向に移動させる際の案内軸機能も有しており、位置決めゲージ(18)の頭部(18b)をレール(R)端面に当てた後、穿孔機本体(1)を機枠(11)ごと軸部(18a)の目盛りに基づいて左右移動させることにより、レール(R)端面から所定距離の位置に穿孔することができる。位置決めゲージ(18)は、機枠後壁(13)の上部にねじ込まれたゲージ止めボルト(20)を締め付けることに、より、機枠(11)に固定することができる。
レール頭部押さえ(21)は、角柱状の頭部を有しており、この頭部に、これを水平方向に貫通するハンドル(22)が設けられている。レール頭部押さえ(21))の先端(下端)は、丸く形成されており、この下端部がレール(R)の頭頂面に当接したままで、機枠(11)を移動させることができる。レール頭部押さえ(21)は、ロックナット(23)によってロック可能とされている。
機枠(11)の前壁(12)には、図2に示すように、その中央部に大径の水平貫通孔(12a)が設けられ、大径貫通孔(12a)の両側に小径の段付水平貫通孔(12b)が設けられている。大径の水平貫通孔(12a)には、円筒状のスライドガイド(24)が嵌め入れられて固定されている。
レール前部押さえ(15)は、スライドガイド(24)にスライド可能でかつ回転可能に挿通されたスライド筒(25)と、スライド筒(25)に前後端部を突出させるようにねじ合わされており同筒(25)に対して前後移動可能なおねじ部材(30)と、おねじ部材(30)の後端部に設けられてレール(R)の腹部に当接させられる突起(48)付き連結プレート(34)(当接部材)と、小径の段付水平貫通孔(12b)にスライド可能に挿通された左右のスライド軸(32)と、スライド軸(32)を前方に付勢する圧縮コイルばね(戻しばね)(33)とを有している。
スライドガイド(24)内周には、その全長にわたってのびる上下の案内溝(41)と、案内溝(41)の後端部に連なって周方向にのびる突起収納凹所(42)とが設けられている。突起収納凹所(42)は、後述するように、スライド筒(25)の戻り止め係止手段の係合凹部となされている。
スライド筒(25)は、長さ方向の中程に設けられかつスライドガイド(24)の上下の案内溝(41)に前後移動自在に嵌め入れられている上下の突起(43)と、前端部に設けられかつ後方へのスライド時に機枠前壁(12)の前面に当接するストッパとなる略長方形状のフランジ(44)と、内周の前端から後端近くまで設けられためねじとを有している。
上下の突起(43)が案内溝(41)に嵌まり合っている間は、スライド筒(25)は回転することができないが、これらの突起(43)が案内溝(41)の後端部まで移動させられると、ここに突起収納凹所(42)が設けられているため、この凹所(42)の範囲内でスライド筒(25)は回転可能となる。凹所(42)は、図9に示すように、案内溝(41)の円弧状底面に連なっている円弧状の底面と、案内溝(41)の側面に平行な外側面と、案内溝(41)の端面に平行な垂直面とを有しており、スライド筒(25)を最後方まで移動させてから回転させると、突起(43)が凹所(42)内に入り(同図の鎖線で示す状態から実線で示す状態に移動し)、突起(43)の周面が凹所(42)の外側面に当たってそれ以上の回転が阻止されるとともに、突起(43)の前面が凹所(42)の垂直面に当たって、スライド筒(25)の前方への戻りが阻止される。
フランジ(44)には、おねじ部材(30)の外周に達する径方向のめねじ(44a)が設けられており、このめねじ(44a)に、ボール(26a)およびこれを径方向内向きに付勢するばね(26b)からなるボールプランジャー(26)が嵌め入れられてねじ(27)で止められている。おねじ部材(30)の外周には、ボール(26a)が嵌まり得る断面がV字の周方向にのびる溝(30b)が設けられている。スライドガイド(24)の内周の前後端部には、スライド筒(25)との間から異物が侵入することを防止するシール(28)(29)が設けられている。
連結プレート(34)は、左右スライド軸(32)の後端部同士を連結しているもので、連結プレート(34)には、スライド軸(32)を固定するための左右ねじ孔と、これらの中央にあって連結プレート(34)とおねじ部材(30)とを連結する連結ピン(35)がねじ合わされる中央ねじ孔とを有している。
おねじ部材(30)には、外周の前端から後端近くにまでおねじが設けられている。おねじ部材(30)の前端部は、四角形の頭部=スパナ掛け(30a)が設けられており、スパナ掛け(30a)にはこれを貫通するレール前部押さえ用用ハンドル(45)が設けられている。おねじ部材(30)の先端部には、めねじ部が設けられており、これにおねじ部材(30)の先端部を形成するスラストボルト(31)がねじ合わされている。スラストボルト(31)は、六角形板状の頭部を有しており、また、軸方向にのびる貫通孔を有している。スラストボルト(31)の頭部の後面すなわちおねじ部材(30)の先端は、スラストワッシャー(37)を介して連結プレート(34)の前面に当てられている。
連結ピン(35)は、連結プレート(34)とおねじ部材(30)とをこれらが前後方向に一体に移動するように連結するもので、連結プレート(34)の中央ねじ孔に、連結ピン(35)の大径おねじ部がねじ合わされ、この連結ピン(35)の小径軸部にスラストボルト(31)が嵌め合わされて、スナップリング(36)で一体化されている。さらに、スラストボルト(31)と連結プレート(34)との間にスラストワッシャー(37)が介在されていることにより、おねじ部材(30)を回転させると、スラストボルト(31)は、これと一体に回転して前進し、この結果、連結プレート(34)は、回転せずに前後移動する。
スライド軸(32)は、円柱状であり、その前端部近くにフランジ(46)が設けられており、その後端部に先端がとがった六角柱状部(48)が設けられ、六角柱状部(48)の基端部におねじ部(47)が設けられている。フランジ(46)は、スナップリングによって形成されている。スライド軸(32)は、フランジ(46)を設ける前の状態で連結プレート(34)に後方から挿通されて、機枠前壁(12)の段付貫通孔(12b)にゆるく嵌め入れられ、そのおねじ部(47)を連結プレート(34)の左右ねじ孔にねじ合わせることによって連結プレート(34)に固定されている。この結果、先端がとがった六角柱状部(48)が、レール(R)の腹部に当接させられる突起として、連結プレート(34)の後面に突出させられている。各スライド軸(32)の六角柱状部=突起(48)は、レール後部押さえ(16)に対向する位置に配されており、これにより、おねじ部材(30)の締付け時に回転モーメントが生じることが防止されている。戻しばね(33)は、一端が機枠前壁(12)の小径の段付水平貫通孔(12b)の段差部で受け止められ、他端がフランジ(46)を形成するスナップリングによって受け止められており、これによって、レール前部押さえ(15)は、常に前方に付勢されている。
手動送り装置(10)は、左右案内軸(5)の後端部間に渡し止められた収納ボックス(固定基部)(51)と、軸方向に移動不能でかつ軸回りに回転可能に収納ボックス(51)内の下部に支持された送りナット(52)と、送りナット(52)にねじ合わされかつ穿孔機本体(1)に一体化された送りねじ(53)と、送りナット(52)と平行でかつ回転可能に収納ボックス(51)の上部に支持された駆動軸(54)と、駆動軸(54)に固定された駆動歯車(55)と、駆動歯車(55)に噛み合わされかつ送りナット(52)に固定された従動歯車(56)と、駆動軸(55)を回転させる送り用ハンドル(57)とを備えている。
収納ボックス(51)は左右張出し部を有しており、この張出し部が左右案内軸(5)の後端部にそれぞれ固定されている。
送りナット(52)は、左右案内軸(5)の中央に位置する軸線を有している。また、送りナット(52)は、段付の外周面を有している。すなわち、両端部(52a)が最小径部分とされ、前端部に隣り合って中間径部分(52b)が設けられ、後端部と中間径部分(52b)との間に最大径部分(52c)が形成されている。送りナット(52)の両端部は、収納ボックス(21)内下部に設けられかつ送りナット(52)の両端部(52a)に嵌め合わされた軸受(58)によって支持されており、これにより、送りナット(52)は、軸方向に移動不能でかつ軸回りに回転可能とされている。
送りねじ(53)は、送りナット(52)より長く形成されており、その前端部が穿孔機本体(1)の水平筒部(2b)後端に固定されている。
駆動軸(54)は、送りナット(52)の真上に位置するように収納ボックス(51)内の上部に配されて、軸方向に移動不能でかつ軸回りに回転可能なように、その両端部が軸受(59)によって支持されている。駆動軸(54)の後端部は、収納ボックス(51)よりも後方に突出しており、ここに送り用ハンドル(57)が取り付けられている。
駆動歯車(55)の軸方向への移動は、軸受(59)と駆動軸(54)に設けられたフランジ部(54a)とによって阻止されている。
従動歯車(56)は、送りナット(52)の中間径部分(52b)の外周に等しい中央孔を有しており、送りナット(52)の端部側から嵌め入れられて送りナット(52)の最大径部分(52c)に当たるまで移動させられることにより、送りナット(52)に取り付けられている。従動歯車(56)の軸方向外方への移動は、送りナット(52)の軸受(58)によって阻止されている。従動歯車(56)は、駆動歯車(55)に比べて大径(歯数大)に形成されている。
このレール穿孔装置による穿孔は次のように行われる。
まず、機枠(11)をレール(R)に被せて、レール後部押さえ(16)をレール(R)の後部に当て、次いで、レール頭部押さえ(21)をねじ回してレール(R)の頭頂面に当てる。次いで、位置決めゲージ(18)の頭部(18b)をレール(R)の端面に当て、機枠(11)を穿孔すべき位置まで移動させ、ゲージ止めボルト(20)を締め付ける。さらに、レール頭部押さえ(21)のロックナット(23)も締め付ける(図5の状態)。次いで、レール前部押さえ(15)を移動させてレール(R)の前部に当てることによって機枠(11)をレール(R)に固定する。レール前部押さえ(15)を移動させるには、まず、スライド筒(25)をそのフランジ(ストッパ)(44)が機枠前壁(12)に当接するまで移動させる(図6の状態)。次いで、スライド筒(25)を回転させてその前方への戻りを止める(図7および図9の状態)。スライド筒(25)の前後移動および回転は、おねじ部材(30)のレール前部押さえ用用ハンドル(45)を操作することにより可能である。おねじ部材(30)を回転させると、図7に示すように、ボールプランジャー(26)がおねじ部材(30)の溝(30b)に嵌まり合うため、おねじ部材(30)だけが回転することは防止され、おねじ部材(30)とスライド筒(25)とが一体に回転する。最後に、おねじ部材(30)を締め付ける(図8の状態)。このとき、スライド筒(25)の回転は、その突起(43)がスライドガイド(24)の凹所(42)に嵌まり合うことにより防止され、レール前部押さえ用用ハンドル(45)を回すことによっておねじ部材(30)だけが回転し、おねじ部材(30)が後方に移動する(レール(R)に近づいていく)。これに伴って、連結プレート(34)がレール(R)に近づいていく。最終的には、スパナ掛け(30a)に掛けたスパナを回転させることにより、機枠(11)がねじの締付け力によってレール(R)にしっかりと固定される。
この後、送り用ハンドル(57)によって駆動軸(54)を前進方向に回転させると、駆動歯車(55)に噛み合っている従動歯車(56)が回転し、従動歯車(56)に固定された送りナット(52)が回転させられる。送りナット(52)は、軸方向に移動不能でかつ軸回りに回転可能に支持されているので、送りナット(52)の回転に伴って、送りナット(52)にねじ合わされている送りねじ(53)が前進させられる。こうして、ねじ機構を利用した送りによって穿孔機本体(1)が前進し、レール(R)の所定位置に穿孔される。送り用ハンドル(57)を逆に回転させれば、ねじ機構を利用した送りによって穿孔機本体(1)が後退させられる。
1つの穿孔が終了した場合には、まず、レール前部押さえ(15)のおねじ部材(30)を緩める方向に回転させる。これに伴って、スライド筒(25)も回転し、スライド筒(25)の突起(43)がスライドガイド(24)の戻り止め用凹所(42)から出て、スライドガイド(24)の案内溝(41)内に入る。スライド軸(32)が戻しばね(33)によって付勢されているため、おねじ部材(30)は、スライド筒(25)ごと前方に移動する。レール(R)の長さ方向に所定ピッチで穿孔するには、さらに、位置決めゲージ(18)を固定しているゲージ止めボルト(20)およびレール頭部押さえ(21)のロックナット(23)を一旦緩めて、機枠(11)を穿孔すべき次の位置まで移動させ、その後は同様の手順で穿孔すればよい。
上記操作において、レール後部押さえ(16)は、レール(R)の寸法に応じて変更され、レール頭部押さえ(21)は、レール(R)の頭頂面のちょうど中央を押さえるように位置させられる。また、レール前部押さえ(15)は、機枠(11)をレール(R)に被せる際に邪魔にならないように、非穿孔時には十分前方に位置させられている。そのため、レール前部押さえ(15)のレール(R)までのストロークが長くなっているが、スライド筒(25)をスライドさせてからおねじ部材(30)を締め付ければよいので、ねじ締めのストロークは非常に少なくて済み、機枠(11)のレール(R)への固定の時間と手間が大幅に低減できる。
図11は、この発明によるレール穿孔装置の他の実施形態を示している。同図において、第1の実施形態と同じものには同じ符号を付して説明を省略する。
この実施形態のレール穿孔装置では、レール頭部押さえ(61)がねじ合わされている垂直めねじ部(62)は、機枠(11)の頂壁(14)を貫通しておらず、頂壁(14)に下からあけられている。そして、レール頭部押さえ(61)は、この垂直めねじ部(62)に下から着脱自在にねじ合わされかつレール(R)の高さに応じた下方突出量を有するおねじ部材とされている。レール頭部押さえ(61)の先端(下端)は丸く形成されており、レール頭部押さえ(61)の中間部には、スパナを掛けるための六角柱状のフランジ部(61a)が設けられている。そして、フランジ部(61a)の上面からレール頭部押さえ(61)の先端までの長さが、所定寸法のレール(R)に対応するように設定されている。したがって、レール頭部押さえ(61)を垂直めねじ部(62)にねじ込んで、フランジ部(61a)の上面を機枠(11)の頂壁(14)の下面に当接させることにより、レール頭部押さえ(61)の先端が、所定寸法のレール(R)に対応するように位置決めされる。レール頭部押え(61)は、レール(R)の高さが変化した場合に対応するために、フランジ部(61a)上面から先端までの長さ(下方突出量)が異なるものが複数種類準備されている。これにより、一旦所要のレール頭部押さえ(61)を取り付けた後は、同じ寸法のレール(R)を穿孔するに際してねじ回しの操作を行う必要がない。
レール後部押さえ(16)およびレール前部押さえ(15)は、第1実施形態のものと同じであり、したがって、レール後部押さえ(16)をレール(R)の後部に、レール頭部押さえ(61)をレール(R)の頭頂面にそれぞれ当てた後、第1実施形態のものと同じように、レール前部押さえ(15)を移動させてレール(R)の前部に当てることによって機枠(11)をレール(R)に固定することができる。
機枠(11)の頂壁(14)には、油タンク(64)を置いておく油タンク台(63)が設けられている。油タンク(64)には切削油が入れられており、この油がホース(65)を介して穿孔機本体(1)のドリル(4a)に供給される。油タンク(64)は、次の穿孔作業を行う際にはレール(R)に沿って機枠(11)と一緒に移動させることができるので、穿孔作業ごとに油タンク(64)を手に持って移動させる必要がなく、また、油タンク(64)を置いておくスペースも節約することができる。
穿孔機本体(1)の頂部には、雨よけカバー(66)と把手(67)とが設けられている。雨よけカバー(66)は、その下面と穿孔機本体(1)の垂直筒部(2a)頂面との間に丸座金(66a)が介在させられることにより、空気流入間隙を設けるようにして穿孔機本体(1)に取り付けられている。レール穿孔作業は、屋外作業となり、雨が侵入することによって垂直筒部(2a)に内蔵されたモータが故障するという問題が生じやすいが、雨よけカバー(66)によってこの問題が防止される。
図11から分かるように、穿孔機本体(1)の高さと機枠(11)の頂壁(14)に載せられた油タンク(64)の上面位置とがほぼ同じレベルであり、穿孔機本体(1)、機枠(11)および油タンク(64)がコンパクトにまとめられた状態で穿孔作業を行うことができる。
産業上の利用可能性
この発明によるレール穿孔装置は、特殊鋼製の鉄道レールを穿孔するのに適している。
【図面の簡単な説明】
図1は、この発明による穿孔装置の側面図である。
図2は、図1の2−2線に沿う断面図である。
図3は、図1の3−3線に沿う断面図である。
図4は、この発明による穿孔装置の背面図である。
図5は、この発明による穿孔装置の縦断面図であり、レール前部押さえを移動させる前の状態を示している。
図6は、図5の状態に続いて、レール前部押さえをスライドさせた状態を示す縦断面図である。
図7は、図6の状態に続いて、レール前部押さえを回転させた状態を示す縦断面図である。
図8は、図7の状態に続いて、レール前部押さえを締め付けた状態を示す縦断面図である。
図9は、図7の9−9線に沿う断面図である。
図10は、送り装置を示す拡大縦断面図である。
図11は、この発明による穿孔装置の他の実施形態を示す側面図である。
この発明は、鉄道レールを穿孔するレール穿孔装置に関する。
背景技術
側面から見て逆U字状でかつ後壁にドリル進退用開口が設けられている機枠と、機枠の後壁後方に前後移動自在に取付けられた穿孔機本体と、穿孔機本体を前後移動させる送り装置と、機枠の後壁前面に設けられたレール後部押さえと、機枠の頂壁に設けられたレール頭部押さえと、機枠の前壁に前後移動可能に設けられたレール前部押さえとを備えており、レール後部押さえをレールの後部に、レール頭部押さえをレールの頭頂面にそれぞれ当てるとともに、レール前部押さえを移動させてレールの前部に当てることによって機枠をレールに固定した後、穿孔機本体を送り装置によって前進させてレールに水平貫通孔をあけるレール穿孔装置は、従来より知られている。この従来のレール穿孔装置では、レール前部押さえは、レバーの操作によってレールの腹部に押し付けられるクランプ式が一般的である。
この種の穿孔装置では、硬い特殊鋼製のレールを穿孔することから、機枠のレールへの固定力が弱いと、穿孔時に穿孔機本体が微小振動し、そのため、ドリルの刃こぼれが起こるという問題が生じる。これに対し、レール前部押さえがクランプ式のものでは、締付け圧を強くすることが難しく、締付け圧の強いねじによる締付けが要望されている。しかしながら、ねじ締めによる場合は、ねじのストロークが長くなり、締付けに手間と時間がかかるという問題がある。
また、穿孔装置の送り装置としては、例えば、機枠に突出状に設けられかつラックが形成された左右一対の案内軸と、穿孔機本体に回転可能にかつ前後移動不可能に支持されて案内軸のラックに噛み合わされたピニオンとを有し、ピニオンがラックに沿って前進・後退することによって、穿孔機本体を前後移動させるものが知られている。
このような送り装置では、ピニオンとラックとの噛み合いに若干のがたつきがあるため、機枠のレールへの固定力が弱いときと同様に、穿孔時に穿孔機本体が微小振動し、そのため、ドリルの刃こぼれが起こるという問題があった。
この発明の目的は、レールを保持するに際して、ねじ締めを可能とすることにより締付け圧を強くするとともに、締付けの手間と時間とを低減することができ、穿孔機本体の微小振動を防止して、ドリルの刃こぼれを少なくすることができる穿孔装置を提供することにある。
また、この発明の他の目的は、ねじ機構を利用した送りを可能とすることにより、ドリルの刃こぼれを少なくすることができる穿孔装置を提供することにある。
発明の開示
この発明による穿孔装置は、側面から見て逆U字状でかつ後壁にドリル進退用開口が設けられている機枠と、機枠の後壁後方に前後移動自在に取付けられた穿孔機本体と、穿孔機本体を前後移動させる送り装置と、機枠の後壁前面に設けられたレール後部押さえと、機枠の頂壁に設けられたレール頭部押さえと、機枠の前壁に前後移動可能に設けられたレール前部押さえとを備えており、レール後部押さえをレールの後部に、レール頭部押さえをレールの頭頂面にそれぞれ当てるとともに、レール前部押さえを移動させてレールの前部に当てることによって機枠をレールに固定した後、穿孔機本体を送り装置によって前進させてレールに水平貫通孔をあけるレール穿孔装置において、レール前部押さえが、機枠前壁に設けられた水平貫通孔にスライド可能に挿通されたスライド筒と、スライド筒に前後端部を突出させるようにねじ合わされており同筒に対して前後移動可能なおねじ部材と、おねじ部材の後端部に設けられてレールの腹部に当接させられる当接部材とを有しており、スライド筒の前端部に、機枠前壁の前面に当接してスライド筒の後方への移動を阻止するストッパが設けられ、スライド筒と機枠前壁のスライド筒挿通用水平貫通孔縁部との間に、ストッパによって後方への移動を阻止されたスライド筒が回転させられた際にスライド筒の前方への戻りを阻止する係止手段が設けられていることを特徴とするものである。
このレール穿孔装置によると、レール後部押さえをレールの後部に、レール頭部押さえをレールの頭頂面にそれぞれ当てるとともに、レール前部押さえを移動させてレールの前部に当てることによって機枠をレールに固定するが、この際、レール前部押さえは、スライド筒をストッパが機枠前壁に当接するまで移動させ、さらに、スライド筒を回転させてその戻りを止めた後、おねじ部材を締め付ければよい。したがって、ねじの締付けのストロークがわずかでよいので、時間と手間が省け、しかも、ねじによる締付けなので、十分な締付け力を得ることができる。
レール前部押さえが、機枠前壁のスライド筒挿通用水平貫通孔の左右に設けられた水平貫通孔にスライド可能に挿通された左右のスライド軸と、スライド軸を前方に付勢する弾性部材とをさらに有し、当接部材は、左右スライド軸の後端部同士を連結する連結プレートと、連結プレートの後面に設けられた左右一対の突起とからなり、おねじ部材の先端部がスラストワッシャーを介して連結プレート前面に当てられていることが好ましい。このようにすると、おねじ部材を締め付けていくことによって、連結プレートが回転せずに後方へ移動し、おねじ部材の締付けによって左右の突起がレールの腹部に当り、レールに機枠を確実に固定することができる。
スライド筒前端部のストッパに、おねじ部材の外周に達する径方向の孔が設けられ、この孔に、弾性部材で径方向内方に付勢されたボールが嵌め入れられており、おねじ部材の外周に、ボールが嵌まり得る溝が設けられていることが好ましい。このようにすると、おねじ部材を回転させていくと、おねじ部材の溝とボールとが嵌まり合い、その後は、おねじ部材とスライド筒とが一体で回転する。これにより、係止手段によるスライド筒の戻り止めが果たされる。スライド筒の後方への移動はストッパによって阻止されているので、さらに、おねじ部材を回転させていくと、おねじ部材だけが後方に移動し、締付けが完了する。
係止手段は、種々の構成が可能であるが、例えば、機枠前壁のスライド筒挿通用水平貫通孔が、スライド筒の外径よりわずかに大きい内径を有する円筒状スライドガイドが大径貫通孔に嵌め合わせられることにより形成されており、係止手段が、スライド筒の外周に設けられた突起と、スライドガイドの内周に設けられかつ突起を案内する長さ方向の案内溝と、スライドガイドの前面に案内溝に連なって設けられた突起収納凹所とよりなるものとされる。
レール頭部押さえは、機枠の頂壁に設けられた垂直貫通めねじ部にねじ合わされかつねじ回されることによって先端がレールの頭頂面に当てられるおねじ部材であってもよく、また、レール頭部押さえは、機枠の頂壁に設けられためねじ部に下から着脱自在にねじ合わされかつレールの高さに応じた下方突出量を有しているおねじ部材であってもよい。前者は、レールの高さが変化した場合に、おねじ部材のねじ込み量を調整することによって対応可能であるという利点を有し、後者は、レールの高さが変化した場合に、下方突出量が異なるボルト部材を使用することによって、穿孔位置を変更する際のねじ回しの操作を不要とすることができるという利点を有している。
また、このレール穿孔装置において、送り装置が、軸方向に移動不能でかつ軸回りに回転可能に固定基部に支持された送りナットと、送りナットにねじ合わされかつ穿孔機本体に一体化された送りねじと、送りナットと平行でかつ回転可能に固定基部に支持された駆動軸と、駆動軸に固定された駆動歯車と、駆動歯車に噛み合わされかつ送りナットに固定された従動歯車とを備えていることが好ましい。この送り装置によると、駆動軸を回転させると、駆動歯車に噛み合っている従動歯車が回転し、送りナットが回転させられる。送りナットは、軸方向に移動不能でかつ軸回りに回転可能に支持されているので、送りナットの回転に伴って、送りナットにねじ合わされている送りねじが前進または後退させられる。こうして、ねじ機構を利用した送りが可能となる。ねじ機構を利用した送りは、ピニオンとラックとの送りに比べて、噛み合いのがたつきが少なく、穿孔機本体の振動によるドリルの刃こぼれの問題が解消される。
発明を実施するための最良の形態
この発明の実施の形態を、以下図面を参照して説明する。
この明細書において、前とはドリルの進行方向をいうものとし、左右は前方に向かっていうものとする。すなわち、図1の右を前、左を後、図2の上を左、下を右というものとする。
この発明による穿孔装置は、前壁(12)、後壁(13)および取っ手部(14b)付き頂壁(14)よりなる側面から見て逆U字状の機枠(11)と、機枠(11)の後壁(13)に後方突出状に設けられた左右一対の案内軸(5)と、案内軸(5)に前後移動自在に取り付けられた穿孔機本体(1)と、穿孔機本体(1)後方に設けられて穿孔機本体(1)を前後移動させる手動送り装置(10)と、機枠(11)の後壁(13)前面に設けられたレール後部押さえ(16)と、機枠(11)の頂壁(14)に設けられた垂直貫通めねじ部(14a)にねじ合わされたレール頭部押さえ(21)と、機枠(11)の前壁(12)に前後移動可能に設けられたレール前部押さえ(15)と、機枠(11)の前壁(12)上端部に設けられておりかつレール(R)端面からの距離を示す目盛りが設けられている位置決めゲージ(18)とを備えており、レール後部押さえ(16)をレール(R)の後部に当て、レール頭部押さえ(21)をねじ回してレール(R)の頭頂面に当て、さらに、レール前部押さえ(15)をレール(R)の方にすなわち後方に移動させてレール(R)の前部に当てることによって、機枠(11)をレールに固定した後、穿孔機本体(1)を手動送り装置(10)によって前進させてレール(R)の端面から所定距離の箇所に水平貫通孔をあけるものである。
穿孔機本体(1)は、公知のものであり、モータ、歯車などの駆動機構を内蔵する垂直筒部(2a)および出力軸(4)が回転可能に支持されている水平筒部(2b)よりなるケース(2)と、ケース(2)の左右に一体に設けられておりかつ左右の案内軸(5)にスライド自在に嵌め入れられている左右スリーブ(3)となどからなり、出力軸(4)に取り付けられたドリル(4a)を回転させながら、穿孔機本体(1)を案内軸(5)に沿って前進させることにより、穿孔を行うものである。
案内軸(5)の前端部には、長さ方向のめねじが設けられており、図2に示すように、機枠後壁(13)の段付孔(13b)に挿通されたボルト(17)がこのめねじにねじ合わされることにより、案内軸(5)が機枠(11)の後壁(13)に着脱自在に取り付けられている。
レール後部押さえ(16)は、四角柱状で、左右案内軸(5)のすぐ内側に1つずつ配されている。レール後部押さえ(16)は、レール(R)の頭部と底部との間に形成されている凹部に挿入されるようになされており、その上端部および下端部には、レール(R)の頭部および底部のテーパに対応するテーパ部が設けられている。レール後部押さえ(16)には、図2に示すように、座ぐり付きの貫通孔が設けられており、この貫通孔に挿通された六角孔付きボルト(19)が後壁(13)のめねじにねじ合わされることにより、レール後部押さえ(16)が機枠(11)に着脱自在に取り付けられている。
位置決めゲージ(18)は、機枠後壁(13)の左右方向貫通孔にゆるく挿通されている円柱状軸部(18a)と、その端部に設けられてレール(R)端面に当てられる方形状頭部(18b)とよりなる。軸部(18a)には、頭部(18b)からの距離を示す目盛りが設けられている。軸部(18a)は、機枠(11)全体を左右方向に移動させる際の案内軸機能も有しており、位置決めゲージ(18)の頭部(18b)をレール(R)端面に当てた後、穿孔機本体(1)を機枠(11)ごと軸部(18a)の目盛りに基づいて左右移動させることにより、レール(R)端面から所定距離の位置に穿孔することができる。位置決めゲージ(18)は、機枠後壁(13)の上部にねじ込まれたゲージ止めボルト(20)を締め付けることに、より、機枠(11)に固定することができる。
レール頭部押さえ(21)は、角柱状の頭部を有しており、この頭部に、これを水平方向に貫通するハンドル(22)が設けられている。レール頭部押さえ(21))の先端(下端)は、丸く形成されており、この下端部がレール(R)の頭頂面に当接したままで、機枠(11)を移動させることができる。レール頭部押さえ(21)は、ロックナット(23)によってロック可能とされている。
機枠(11)の前壁(12)には、図2に示すように、その中央部に大径の水平貫通孔(12a)が設けられ、大径貫通孔(12a)の両側に小径の段付水平貫通孔(12b)が設けられている。大径の水平貫通孔(12a)には、円筒状のスライドガイド(24)が嵌め入れられて固定されている。
レール前部押さえ(15)は、スライドガイド(24)にスライド可能でかつ回転可能に挿通されたスライド筒(25)と、スライド筒(25)に前後端部を突出させるようにねじ合わされており同筒(25)に対して前後移動可能なおねじ部材(30)と、おねじ部材(30)の後端部に設けられてレール(R)の腹部に当接させられる突起(48)付き連結プレート(34)(当接部材)と、小径の段付水平貫通孔(12b)にスライド可能に挿通された左右のスライド軸(32)と、スライド軸(32)を前方に付勢する圧縮コイルばね(戻しばね)(33)とを有している。
スライドガイド(24)内周には、その全長にわたってのびる上下の案内溝(41)と、案内溝(41)の後端部に連なって周方向にのびる突起収納凹所(42)とが設けられている。突起収納凹所(42)は、後述するように、スライド筒(25)の戻り止め係止手段の係合凹部となされている。
スライド筒(25)は、長さ方向の中程に設けられかつスライドガイド(24)の上下の案内溝(41)に前後移動自在に嵌め入れられている上下の突起(43)と、前端部に設けられかつ後方へのスライド時に機枠前壁(12)の前面に当接するストッパとなる略長方形状のフランジ(44)と、内周の前端から後端近くまで設けられためねじとを有している。
上下の突起(43)が案内溝(41)に嵌まり合っている間は、スライド筒(25)は回転することができないが、これらの突起(43)が案内溝(41)の後端部まで移動させられると、ここに突起収納凹所(42)が設けられているため、この凹所(42)の範囲内でスライド筒(25)は回転可能となる。凹所(42)は、図9に示すように、案内溝(41)の円弧状底面に連なっている円弧状の底面と、案内溝(41)の側面に平行な外側面と、案内溝(41)の端面に平行な垂直面とを有しており、スライド筒(25)を最後方まで移動させてから回転させると、突起(43)が凹所(42)内に入り(同図の鎖線で示す状態から実線で示す状態に移動し)、突起(43)の周面が凹所(42)の外側面に当たってそれ以上の回転が阻止されるとともに、突起(43)の前面が凹所(42)の垂直面に当たって、スライド筒(25)の前方への戻りが阻止される。
フランジ(44)には、おねじ部材(30)の外周に達する径方向のめねじ(44a)が設けられており、このめねじ(44a)に、ボール(26a)およびこれを径方向内向きに付勢するばね(26b)からなるボールプランジャー(26)が嵌め入れられてねじ(27)で止められている。おねじ部材(30)の外周には、ボール(26a)が嵌まり得る断面がV字の周方向にのびる溝(30b)が設けられている。スライドガイド(24)の内周の前後端部には、スライド筒(25)との間から異物が侵入することを防止するシール(28)(29)が設けられている。
連結プレート(34)は、左右スライド軸(32)の後端部同士を連結しているもので、連結プレート(34)には、スライド軸(32)を固定するための左右ねじ孔と、これらの中央にあって連結プレート(34)とおねじ部材(30)とを連結する連結ピン(35)がねじ合わされる中央ねじ孔とを有している。
おねじ部材(30)には、外周の前端から後端近くにまでおねじが設けられている。おねじ部材(30)の前端部は、四角形の頭部=スパナ掛け(30a)が設けられており、スパナ掛け(30a)にはこれを貫通するレール前部押さえ用用ハンドル(45)が設けられている。おねじ部材(30)の先端部には、めねじ部が設けられており、これにおねじ部材(30)の先端部を形成するスラストボルト(31)がねじ合わされている。スラストボルト(31)は、六角形板状の頭部を有しており、また、軸方向にのびる貫通孔を有している。スラストボルト(31)の頭部の後面すなわちおねじ部材(30)の先端は、スラストワッシャー(37)を介して連結プレート(34)の前面に当てられている。
連結ピン(35)は、連結プレート(34)とおねじ部材(30)とをこれらが前後方向に一体に移動するように連結するもので、連結プレート(34)の中央ねじ孔に、連結ピン(35)の大径おねじ部がねじ合わされ、この連結ピン(35)の小径軸部にスラストボルト(31)が嵌め合わされて、スナップリング(36)で一体化されている。さらに、スラストボルト(31)と連結プレート(34)との間にスラストワッシャー(37)が介在されていることにより、おねじ部材(30)を回転させると、スラストボルト(31)は、これと一体に回転して前進し、この結果、連結プレート(34)は、回転せずに前後移動する。
スライド軸(32)は、円柱状であり、その前端部近くにフランジ(46)が設けられており、その後端部に先端がとがった六角柱状部(48)が設けられ、六角柱状部(48)の基端部におねじ部(47)が設けられている。フランジ(46)は、スナップリングによって形成されている。スライド軸(32)は、フランジ(46)を設ける前の状態で連結プレート(34)に後方から挿通されて、機枠前壁(12)の段付貫通孔(12b)にゆるく嵌め入れられ、そのおねじ部(47)を連結プレート(34)の左右ねじ孔にねじ合わせることによって連結プレート(34)に固定されている。この結果、先端がとがった六角柱状部(48)が、レール(R)の腹部に当接させられる突起として、連結プレート(34)の後面に突出させられている。各スライド軸(32)の六角柱状部=突起(48)は、レール後部押さえ(16)に対向する位置に配されており、これにより、おねじ部材(30)の締付け時に回転モーメントが生じることが防止されている。戻しばね(33)は、一端が機枠前壁(12)の小径の段付水平貫通孔(12b)の段差部で受け止められ、他端がフランジ(46)を形成するスナップリングによって受け止められており、これによって、レール前部押さえ(15)は、常に前方に付勢されている。
手動送り装置(10)は、左右案内軸(5)の後端部間に渡し止められた収納ボックス(固定基部)(51)と、軸方向に移動不能でかつ軸回りに回転可能に収納ボックス(51)内の下部に支持された送りナット(52)と、送りナット(52)にねじ合わされかつ穿孔機本体(1)に一体化された送りねじ(53)と、送りナット(52)と平行でかつ回転可能に収納ボックス(51)の上部に支持された駆動軸(54)と、駆動軸(54)に固定された駆動歯車(55)と、駆動歯車(55)に噛み合わされかつ送りナット(52)に固定された従動歯車(56)と、駆動軸(55)を回転させる送り用ハンドル(57)とを備えている。
収納ボックス(51)は左右張出し部を有しており、この張出し部が左右案内軸(5)の後端部にそれぞれ固定されている。
送りナット(52)は、左右案内軸(5)の中央に位置する軸線を有している。また、送りナット(52)は、段付の外周面を有している。すなわち、両端部(52a)が最小径部分とされ、前端部に隣り合って中間径部分(52b)が設けられ、後端部と中間径部分(52b)との間に最大径部分(52c)が形成されている。送りナット(52)の両端部は、収納ボックス(21)内下部に設けられかつ送りナット(52)の両端部(52a)に嵌め合わされた軸受(58)によって支持されており、これにより、送りナット(52)は、軸方向に移動不能でかつ軸回りに回転可能とされている。
送りねじ(53)は、送りナット(52)より長く形成されており、その前端部が穿孔機本体(1)の水平筒部(2b)後端に固定されている。
駆動軸(54)は、送りナット(52)の真上に位置するように収納ボックス(51)内の上部に配されて、軸方向に移動不能でかつ軸回りに回転可能なように、その両端部が軸受(59)によって支持されている。駆動軸(54)の後端部は、収納ボックス(51)よりも後方に突出しており、ここに送り用ハンドル(57)が取り付けられている。
駆動歯車(55)の軸方向への移動は、軸受(59)と駆動軸(54)に設けられたフランジ部(54a)とによって阻止されている。
従動歯車(56)は、送りナット(52)の中間径部分(52b)の外周に等しい中央孔を有しており、送りナット(52)の端部側から嵌め入れられて送りナット(52)の最大径部分(52c)に当たるまで移動させられることにより、送りナット(52)に取り付けられている。従動歯車(56)の軸方向外方への移動は、送りナット(52)の軸受(58)によって阻止されている。従動歯車(56)は、駆動歯車(55)に比べて大径(歯数大)に形成されている。
このレール穿孔装置による穿孔は次のように行われる。
まず、機枠(11)をレール(R)に被せて、レール後部押さえ(16)をレール(R)の後部に当て、次いで、レール頭部押さえ(21)をねじ回してレール(R)の頭頂面に当てる。次いで、位置決めゲージ(18)の頭部(18b)をレール(R)の端面に当て、機枠(11)を穿孔すべき位置まで移動させ、ゲージ止めボルト(20)を締め付ける。さらに、レール頭部押さえ(21)のロックナット(23)も締め付ける(図5の状態)。次いで、レール前部押さえ(15)を移動させてレール(R)の前部に当てることによって機枠(11)をレール(R)に固定する。レール前部押さえ(15)を移動させるには、まず、スライド筒(25)をそのフランジ(ストッパ)(44)が機枠前壁(12)に当接するまで移動させる(図6の状態)。次いで、スライド筒(25)を回転させてその前方への戻りを止める(図7および図9の状態)。スライド筒(25)の前後移動および回転は、おねじ部材(30)のレール前部押さえ用用ハンドル(45)を操作することにより可能である。おねじ部材(30)を回転させると、図7に示すように、ボールプランジャー(26)がおねじ部材(30)の溝(30b)に嵌まり合うため、おねじ部材(30)だけが回転することは防止され、おねじ部材(30)とスライド筒(25)とが一体に回転する。最後に、おねじ部材(30)を締め付ける(図8の状態)。このとき、スライド筒(25)の回転は、その突起(43)がスライドガイド(24)の凹所(42)に嵌まり合うことにより防止され、レール前部押さえ用用ハンドル(45)を回すことによっておねじ部材(30)だけが回転し、おねじ部材(30)が後方に移動する(レール(R)に近づいていく)。これに伴って、連結プレート(34)がレール(R)に近づいていく。最終的には、スパナ掛け(30a)に掛けたスパナを回転させることにより、機枠(11)がねじの締付け力によってレール(R)にしっかりと固定される。
この後、送り用ハンドル(57)によって駆動軸(54)を前進方向に回転させると、駆動歯車(55)に噛み合っている従動歯車(56)が回転し、従動歯車(56)に固定された送りナット(52)が回転させられる。送りナット(52)は、軸方向に移動不能でかつ軸回りに回転可能に支持されているので、送りナット(52)の回転に伴って、送りナット(52)にねじ合わされている送りねじ(53)が前進させられる。こうして、ねじ機構を利用した送りによって穿孔機本体(1)が前進し、レール(R)の所定位置に穿孔される。送り用ハンドル(57)を逆に回転させれば、ねじ機構を利用した送りによって穿孔機本体(1)が後退させられる。
1つの穿孔が終了した場合には、まず、レール前部押さえ(15)のおねじ部材(30)を緩める方向に回転させる。これに伴って、スライド筒(25)も回転し、スライド筒(25)の突起(43)がスライドガイド(24)の戻り止め用凹所(42)から出て、スライドガイド(24)の案内溝(41)内に入る。スライド軸(32)が戻しばね(33)によって付勢されているため、おねじ部材(30)は、スライド筒(25)ごと前方に移動する。レール(R)の長さ方向に所定ピッチで穿孔するには、さらに、位置決めゲージ(18)を固定しているゲージ止めボルト(20)およびレール頭部押さえ(21)のロックナット(23)を一旦緩めて、機枠(11)を穿孔すべき次の位置まで移動させ、その後は同様の手順で穿孔すればよい。
上記操作において、レール後部押さえ(16)は、レール(R)の寸法に応じて変更され、レール頭部押さえ(21)は、レール(R)の頭頂面のちょうど中央を押さえるように位置させられる。また、レール前部押さえ(15)は、機枠(11)をレール(R)に被せる際に邪魔にならないように、非穿孔時には十分前方に位置させられている。そのため、レール前部押さえ(15)のレール(R)までのストロークが長くなっているが、スライド筒(25)をスライドさせてからおねじ部材(30)を締め付ければよいので、ねじ締めのストロークは非常に少なくて済み、機枠(11)のレール(R)への固定の時間と手間が大幅に低減できる。
図11は、この発明によるレール穿孔装置の他の実施形態を示している。同図において、第1の実施形態と同じものには同じ符号を付して説明を省略する。
この実施形態のレール穿孔装置では、レール頭部押さえ(61)がねじ合わされている垂直めねじ部(62)は、機枠(11)の頂壁(14)を貫通しておらず、頂壁(14)に下からあけられている。そして、レール頭部押さえ(61)は、この垂直めねじ部(62)に下から着脱自在にねじ合わされかつレール(R)の高さに応じた下方突出量を有するおねじ部材とされている。レール頭部押さえ(61)の先端(下端)は丸く形成されており、レール頭部押さえ(61)の中間部には、スパナを掛けるための六角柱状のフランジ部(61a)が設けられている。そして、フランジ部(61a)の上面からレール頭部押さえ(61)の先端までの長さが、所定寸法のレール(R)に対応するように設定されている。したがって、レール頭部押さえ(61)を垂直めねじ部(62)にねじ込んで、フランジ部(61a)の上面を機枠(11)の頂壁(14)の下面に当接させることにより、レール頭部押さえ(61)の先端が、所定寸法のレール(R)に対応するように位置決めされる。レール頭部押え(61)は、レール(R)の高さが変化した場合に対応するために、フランジ部(61a)上面から先端までの長さ(下方突出量)が異なるものが複数種類準備されている。これにより、一旦所要のレール頭部押さえ(61)を取り付けた後は、同じ寸法のレール(R)を穿孔するに際してねじ回しの操作を行う必要がない。
レール後部押さえ(16)およびレール前部押さえ(15)は、第1実施形態のものと同じであり、したがって、レール後部押さえ(16)をレール(R)の後部に、レール頭部押さえ(61)をレール(R)の頭頂面にそれぞれ当てた後、第1実施形態のものと同じように、レール前部押さえ(15)を移動させてレール(R)の前部に当てることによって機枠(11)をレール(R)に固定することができる。
機枠(11)の頂壁(14)には、油タンク(64)を置いておく油タンク台(63)が設けられている。油タンク(64)には切削油が入れられており、この油がホース(65)を介して穿孔機本体(1)のドリル(4a)に供給される。油タンク(64)は、次の穿孔作業を行う際にはレール(R)に沿って機枠(11)と一緒に移動させることができるので、穿孔作業ごとに油タンク(64)を手に持って移動させる必要がなく、また、油タンク(64)を置いておくスペースも節約することができる。
穿孔機本体(1)の頂部には、雨よけカバー(66)と把手(67)とが設けられている。雨よけカバー(66)は、その下面と穿孔機本体(1)の垂直筒部(2a)頂面との間に丸座金(66a)が介在させられることにより、空気流入間隙を設けるようにして穿孔機本体(1)に取り付けられている。レール穿孔作業は、屋外作業となり、雨が侵入することによって垂直筒部(2a)に内蔵されたモータが故障するという問題が生じやすいが、雨よけカバー(66)によってこの問題が防止される。
図11から分かるように、穿孔機本体(1)の高さと機枠(11)の頂壁(14)に載せられた油タンク(64)の上面位置とがほぼ同じレベルであり、穿孔機本体(1)、機枠(11)および油タンク(64)がコンパクトにまとめられた状態で穿孔作業を行うことができる。
産業上の利用可能性
この発明によるレール穿孔装置は、特殊鋼製の鉄道レールを穿孔するのに適している。
【図面の簡単な説明】
図1は、この発明による穿孔装置の側面図である。
図2は、図1の2−2線に沿う断面図である。
図3は、図1の3−3線に沿う断面図である。
図4は、この発明による穿孔装置の背面図である。
図5は、この発明による穿孔装置の縦断面図であり、レール前部押さえを移動させる前の状態を示している。
図6は、図5の状態に続いて、レール前部押さえをスライドさせた状態を示す縦断面図である。
図7は、図6の状態に続いて、レール前部押さえを回転させた状態を示す縦断面図である。
図8は、図7の状態に続いて、レール前部押さえを締め付けた状態を示す縦断面図である。
図9は、図7の9−9線に沿う断面図である。
図10は、送り装置を示す拡大縦断面図である。
図11は、この発明による穿孔装置の他の実施形態を示す側面図である。
Claims (6)
- 側面から見て逆U字状でかつ後壁にドリル進退用開口が設けられている機枠と、機枠の後壁後方に前後移動自在に取付けられた穿孔機本体と、穿孔機本体を前後移動させる送り装置と、機枠の後壁前面に設けられたレール後部押さえと、機枠の頂壁に設けられたレール頭部押さえと、機枠の前壁に前後移動可能に設けられたレール前部押さえとを備えており、レール後部押さえをレールの後部に、レール頭部押さえをレールの頭頂面にそれぞれ当てるとともに、レール前部押さえを移動させてレールの前部に当てることによって機枠をレールに固定した後、穿孔機本体を送り装置によって前進させてレールに水平貫通孔をあけるレール穿孔装置において、レール前部押さえが、機枠前壁に設けられた水平貫通孔にスライド可能に挿通されたスライド筒と、スライド筒に前後端部を突出させるようにねじ合わされており同筒に対して前後移動可能なおねじ部材と、おねじ部材の後端部に設けられてレールの腹部に当接させられる当接部材とを有しており、
スライド筒の前端部に、機枠前壁の前面に当接してスライド筒の後方への移動を阻止するストッパが設けられ、スライド筒と機枠前壁のスライド筒挿通用水平貫通孔縁部との間に、ストッパによって後方への移動を阻止されたスライド筒が回転させられた際にスライド筒の前方への戻りを阻止する係止手段が設けられていることを特徴とするレール穿孔装置。 - レール前部押さえが、機枠前壁のスライド筒挿通用水平貫通孔の左右に設けられた水平貫通孔にスライド可能に挿通された左右のスライド軸と、スライド軸を前方に付勢する戻しばねとをさらに有し、当接部材は、左右スライド軸の後端部同士を連結する連結プレートと、連結プレートの後面に設けられた左右一対の突起とからなり、おねじ部材の先端部がスラストワッシャーを介して連結プレート前面に当てられている請求項1のレール穿孔装置。
- スライド筒前端部のストッパに、おねじ部材の外周に達する径方向の孔が設けられ、この孔に、弾性部材で径方向内方に付勢されたボールが嵌め入れられており、おねじ部材の外周に、ボールが嵌まり得る溝が設けられている請求項1のレール穿孔装置。
- 機枠前壁のスライド筒挿通用水平貫通孔は、スライド筒の外径よりわずかに大きい内径を有する円筒状スライドガイドが大径貫通孔に嵌め合わせられることにより形成されており、係止手段は、スライド筒の外周に設けられた突起と、スライドガイドの内周に設けられかつ突起を案内する長さ方向の案内溝と、スライドガイドの後面に案内溝に連なって設けられた突起収納凹所とよりなる請求項1のレール穿孔装置。
- レール頭部押さえは、機枠の頂壁に設けられためねじ部に下から着脱自在にねじ合わされかつレールの高さに応じた下方突出量を有しているおねじ部材である請求項1のレール穿孔装置。
- 送り装置が、軸方向に移動不能でかつ軸回りに回転可能に固定基部に支持された送りナットと、送りナットにねじ合わされかつ穿孔機本体に一体化された送りねじと、送りナットと平行でかつ回転可能に固定基部に支持された駆動軸と、駆動軸に固定された駆動歯車と、駆動歯車に噛み合わされかつ送りナットに固定された従動歯車とを備えている請求項1のレール穿孔装置。
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