JP3873096B2 - セラミック加熱装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、産業機器、電子部品機器及び一般家庭用機器等に使用されるセラミックヒータを含む加熱装置に関する。本発明は、特に、光合分波器を均一温度保持に用いるための加熱装置と、その加熱装置を配置した光合分波器に関する。
【0002】
【従来の技術】
セラミック加熱装置は、石油ファンヒータ、気化器、温水加熱ヒータなどの産業機器、電子部品及び一般家庭用機器などと共に、光通信に用いる光合分波器にも利用されている。
【0003】
従来のセラミック加熱装置は、主に各種のセンサを一定温度に保持するために、また、ガスやその他の燃料を所定温度に加熱するために使用される例が多かったが、最近は比較的温度精度を要求される分野に用途が広がってきており、例えば光通信に用いる光合分波器の温度補償にも利用されている。
【0004】
光合分波器については、近年、光通信やインターネットなどの通信情報システムの発展に伴い、ネットワーク伝送容量の急速な拡大要求に応じて、光通信回線用の高密度波長多重(DWDM)伝送用の光合分波器が普及している。DWDM伝送は、1本の光ファイバで複数の異なる波長光の信号を同時に伝送するものであり、光合分波器は、複数のファイバ光を複数の波長光の信号を合波して単一のファイバに合波し、又は、単一のファイバ内の複数の波長光をそれぞれの対応するファイバーに分波する装置である。
特に、この光合分波器のうち複数の波長を有する光信号を合分波できるアレイ導波路(AWG)を用いたAWG合分波器が知られている(例えば、特開2000−298219号公報参照)。
【0005】
AWG合分波器は、シリコン基板上にアレイ導波路及び入出射導波路が形成され、このAWG基板には、その下面に取着された温度制御装置を備えている。温度制御装置は、環境温度の変化による導波路材料の屈折率の変化やチップ基板及び導波路の熱膨張や収縮によって光の波長が変化するのを防止するもので、従来は、ペルチェ素子や薄膜ヒータが利用されていた。
【0006】
ペルチェ電熱素子を用いた光合分波器が、特開2000−352632号公報に開示されているが、図4を参照して、AWGチップ10と光ファイバアレイ18とが表面に設置された台座22とこの台座22の裏面に設置されたベルチェ素子24とが、真空槽42および蓋44により密封されている。
【0007】
ペルチェ素子24は、室温付近での温度制御はできる利点があるが、非常にコストが高く、また冷却および加熱の効率が悪いため、大型化に対し不向きであるという欠点があった。また、ペルチェ素子24の劣化を防止し高い耐久性を維持するため、導波路を窒素封入するような封止構造とする必要があり、取扱に注意を必要とするなどの欠点があった。
【0008】
薄膜ヒータは、薄膜ヒータを導波路の表面に形成して導波路全体の温度を調節するので、薄膜ヒータ自体に大きな熱的負荷がかかりやすく耐久性に問題があった。
【0009】
そこで、上述の欠点を解消するたに安価で耐久性に優れているセラミックヒータを使用した加熱装置を使用することが提案されている。セラミックヒータは、酸化アルミニウム質焼結体から成るセラミック基体中に発熱抵抗体及び電極を埋設して形成されている。発熱抵抗体と電極をなす導電性ペーストとを所定のパターン形状に印刷したセラミックグリーンシートを作り、これに別のセラミックグリーンシートを積層してセラミック積層体を製作した後、一体的に焼成することによって得られている。セラミック基体中に埋設されている発熱抵抗体のパターン幅やパターン間を適切に調製して電力密度に変化をもたせセラミック基体の主面上に載置された被加熱物を均一に加熱するものである。
【0010】
さらに、床暖房用のパネルヒータについてではあるが、アルミニウム板を均熱板として用いる加熱装置が知られている。特開2000−68037号公報にはは、アルミニウム板の表面に適当な溝を形成して、溝内に丸太線状の発熱体を埋設して、溝内に装入して発熱体を抑える金属蓋体を溶接して固定するものが開示されている。また、特開平10−189224号公報には、アルミニウム板の加熱に使用する面の反対側の面に、発熱体を添着したヒートパネルを開示している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
合分波器は、その基板の広い範囲で温度差を±1.0℃以下に高精度に均一の均熱を維持することが要求されるが、セラミックヒータだけで被加熱物を加熱しようとするとその温度分布はどうしても周辺部で温度が低下する傾向があり、上記の均熱性を確保するのは非常に難しかった。さらに、大きな表面積を有するセラミックヒータを高熱伝導セラミックで製造すると、コストが非常に高くなるという問題があった。
【0012】
発熱体をアルミニウム板の一方の主面に形成した従来の加熱装置は、比較的安価に作れる利点があるが、光合分波器の基板などの広い範囲で表面温度差±1.0℃以下の高精度の均熱性を維持することが困難であった。板厚みを大きくするとアルミニウム板の熱容量が大きく昇温速度が小さくなり、板厚みが薄くなると大きな表面積に対しアルミニウム板内の熱伝導速度が小さくなり、また、アルミニウム板の反対側から発せられる発熱体の熱が無駄になるという問題もあった。
【0013】
本発明は、以上の問題に鑑みて、光合分波器の基板などの広い面域を有する被加熱体の表面を均一に特に、表面温度差±1.0℃以下の高精度の均熱性で加熱でき、安価で小型であり、熱応答性の高い加熱装置を提供するものである。
本発明は、光合分波器の基板の面域を均一な温度にするために特に適した加熱装置を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アルミニウム板からなる均熱板の中央部に凹部を形成し、該凹部の底面にセラミックヒータを設置して、加熱装置と成し、セラミックヒータの表面が均熱板の周縁の表面より低くされて成るものである。
【0015】
本発明の加熱装置は、被加熱体を加熱する際に、セラミックヒータの熱を輻射により被加熱体に間接的に加熱し且つアルミニウム板を介して被加熱体に熱伝導により加熱するようにしているので、被加熱体の接合裏面をその面域にわたって均一に加熱しやすくなる。
【0016】
さらに、本発明の加熱装置は、アルミニウム板とセラミックヒータとの相対的な位置関係を規定して、セラミックヒータの表面を含む均熱板の表面上の温度分布の偏りを極めて小さくして、特に、被加熱体の面域全体で温度差±1.0℃以下の高精度の均熱性を確保するものである。
【0017】
このために、特に、セラミックヒータの表面を、均熱板の周縁の表面より0.1mm〜1.0mmだけ低くするのが好ましい。均熱板の周縁の表面に対してセラミックヒータの表面に上記範囲の段差を設けることにより、被加熱体の表面のへのセラミックヒータの直接加熱をわずかに抑制して、均熱板の加熱面により、被加熱体の表面を均一に加熱することができる。また、セラミックヒータの側縁部と均熱板の凹部の内側面との間隔を0.2〜4.0mmの範囲とするのが好ましい。この間隔の設定により、セラミックヒータからの均熱板の凹部周縁での過熱が防止される。
【0018】
さらに、セラミックヒータに内蔵された発熱抵抗体が、セラミックヒータの表面から0.3mm以上の位置に形成されていることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の加熱装置において、均熱板には、熱伝導率が高いので、アルミニウム板が利用され、アルミニウ板の表面には、ほぼ中央部に凹部を有している。凹部には、表面が平面であるセラミックヒータが配置されて、セラミックヒータの裏面が、アルミニウ板の底面に直接接触するか又は適当な熱媒体を介在させて取着するように設置されて、アルミニウム板との熱伝達を確保する。
【0020】
セラミックヒータの表面は、均熱板であるアルミニウ板の表面より低く設定されて、セラミックヒータの表面とアルミニウ板の表面とから成る面域を、加熱装置の加熱面に利用する。使用時には、被加熱体が、その裏面を、上記加熱面に対面するように配置される。
【0021】
以下の実施形態では、被加熱体として、光合分波器を利用する例を示すが、この場合、光合分波器の基板の裏面が、加熱装置の加熱面上に対面して搭載される。図1(A、B)には、この実施形態の本発明の加熱装置1を示している。均熱板2としてのアルミニウム板の表面に座ぐり加工により凹部3が形成され、プレート状のセラミックヒータ4がその裏面40を、その凹部3の底面30に接するように取着されている。
【0022】
セラミックヒータ4の表面41は、均熱板2の表面20より0.1〜1.0mmだけ低くされている。このようなセラミックヒータ4の表面と均熱板2の表面との段差aが0.1mmより小さくなると、セラミックヒータ4からの熱伝導もしくは熱輻射により、光合分波器の基板の裏面がセラミックヒータ4から直接に多量に加熱されるようになり、基板上中央部位の温度が周辺よりも高くなる。
【0023】
他方、その段差aが1.0mmより大きくなると、均熱板2周辺表面からの熱伝導量に比して、セラミックヒータ4の表面41からの熱輻射量が減じて、光合分波器の基板の裏面中央部位がその周辺部位より低温になる。
【0024】
アルミニウムは熱伝導率が238W/m・Kと高いのでセラミックヒータ4の発熱による熱は、アルミニウム板の均熱板2に拡散して基板全体を均等に加熱できる。しかしながら、セラミックヒータ4が基板に近づき過ぎると、基板上の温度分布が悪くなってしまう。
【0025】
また、セラミックヒータ4の側縁部45と均熱板の凹部3の側面35との間隔b(図1(B)参照)を0.2〜4.0mmの範囲とするのが好ましい。この間隔が0.2mmより小さくなると、セラミックヒータ4の側縁部45からの熱を、均熱板2であるアルミニウム板の凹部3の側面35周縁の表面20で直接受ける部分ができ、この部分が高温になり、従って、均熱板2上での温度分布が不等になるので好ましくない。この間隔bが4.0mmを超えると、基板上にセラミックヒータ4からの熱輻射又は均熱板2からの熱伝導小さくなる部分ができて、温度分布が不均一になるので好ましくない。
【0026】
このようにして、セラミックヒータ4の熱がセラミックヒータ4の裏面40からアルミニウム板の均熱板2に伝わり、これにより熱伝導率が高いアルミニウム板が均一に加熱され、さらに基板が加熱されるという熱の流れになる。
【0027】
均熱版2としてのアルミニウム板の厚みは、1.5〜4.0mmの範囲が好ましい。厚み1.5mm未満では、均熱板2の表面からの放熱が大きいのに対し、均熱板2内の熱伝導による均熱化のバランスが取れず、温度分布が不等・不均一になってしまう。
【0028】
また、厚みが4.0mmを越えると、加熱装置1全体の熱容量が大きくなり外部の温度が低下した際には、応答速度が小さくなり、応答速度を高めるには、その温度変化を補うためのセラミックヒータ4の熱負荷が大きくなり、基板の温度分布を不均一にするので好ましくない。
【0029】
セラミックヒータ4は、プレート状のセラミック焼結体に、発熱抵抗体5として、通常は、高融点金属が埋設されて成るものが利用できる。
【0030】
セラミックヒータ4は、セラミック焼結体の厚みが、0.5〜3.0mmの範囲が好ましい。厚み0.5mm未満では、セラミックヒータ表面41の温度が基板の温度分布を不均一にして温度勾配を大きくする。
【0031】
他方、セラミックヒータ4の厚みが3mmを越えると、アルミニウム板の均熱板2の厚みもそれに合わせて厚くなり、セラミックヒータ4および均熱板2の熱容量が大きくなるので、外部の温度が低下した際にその温度変化を補うためのセラミックヒータ4の熱負荷が大きくなり、被加熱体の基板の温度勾配を大きくするので好ましくない。
【0032】
セラミックヒータ4の表面41に対するセラミックヒータ4の発熱抵抗体5の距離cを、0.3mm以上とするのが好ましい。その理由は、0.3mm未満では、発熱抵抗体5が、表面41側に近づきすぎて、セラミックヒータ4が、周辺の均熱板2よりも、被加熱体の温度を高めるからである。他方、絶縁性の点から、発熱抵抗体5は、セラミックヒータ4の表面41からの深さを0.2mm以上とすることが好ましい。
【0033】
均熱板2の面積とセラミックヒータ4の面積に好ましい比率がある。均熱板2の表面20の全体の面積1(凹部面積を含めて)に対して、セラミックヒータ4の表面41の面積が0.1〜0.8の比になるように設定される。その理由は、面積比が0.1より小さいと、広い均熱板2を加熱するためにセラミックヒータ4に熱負荷がかかりすぎて均熱性が低くなる。この面積比が、0.8より大きいと基板上の温度分布が、セラミックヒータ4の温度分布に支配されるので、均熱性が低下する。均熱板2の面積に対するセラミックヒータ4の面積の上記の比は、特に、好ましくは、0.2〜0.6の範囲である。
【0034】
均熱板2のアルミニウム板は、熱伝導率が200W/m・K以上であれば、多少の不純物を有する金属アルミニウム材料も利用できる。均熱板2に形成する凹部3は、セラミックヒータ4を設置した際に、セラミックヒータ4との間隔bが0.2〜4.0mmの範囲になるように寸法を調整することが好ましい。凹部3の深さは、セラミックヒータ4を設置した際にセラミックヒータの表面41が均熱板2の表面20より0.1〜1.0mm低くなるように加工する。通常は、凹部3は、研削加工される。
【0035】
凹部3の底面30には、セラミックヒータ4を配置するが、セラミックヒータの裏面40が凹部3の底面30に接触するように接面されてもよく、また、熱伝導性の充填剤、例えば、窒化ホウ素BNの微紛を分散させるか、シリコーングリースの薄い層を介在させ、あるいは、接着剤やハンダ合金などの接合層で接着ないし接合してもよい。
凹部3の底面30は、特に、セラミックヒータ4との接触を良好にするため、表面粗さRaは0.5μm以下、平坦度は100μm以下とすることが好ましい。セラミックヒータ4の裏面40も同程度の平坦度と平滑度に研摩するのが好ましい。
【0036】
他方のセラミックヒータ4は、セラミック焼結層とこの層に埋設された発熱抵抗体5の金属膜から成るものが好ましく利用される。セラミック焼結層は、熱伝導性のよい種々のセラミック材料から選ぶことができるが、コストの面からアルミナ質材料が好ましい。アルミナ質セラミックスには、2〜5重量%のSiO2、0.5〜3重量%のMgO、0.5〜3重量%のCaO、また必要に応じて2重量%以下のZrO2を含有し、残部を実質的にAl2O3 の組成が利用できる。発熱抵抗体5は、セラミックスの焼結体中に埋設されている。発熱抵抗体5は、W、Mo、Reなどの高融点金属の膜が、断面内でパターン形成され、所望の抵抗値に調整してある。
【0037】
セラミックヒータ4は、次のような方法で作ることができる。上記のような組成のセラミック原料をボールミルで混合し、適量のバインダおよび可塑剤を加え、テープキャスティングを用いて、適当な厚みのグリーンシート4aにする。
グリーンシート4aには、所定の大きさに切断した後、図2に示すように、その表面にW、Mo、Reなどの高融点金属を含む発熱抵抗体5とリード部51を印刷する。
【0038】
この印刷したグリーンシート4aの上に、別のグリーンシート4bを重ねて密着させる。この際、リード部51の端部が露出するように、グリーンシート4bの一部に切り欠き部42を形成しておく。積層したグリーンシート4a,4bは、還元雰囲気中、1500〜1650℃の温度で焼成して、焼結体を得る。
【0039】
さらに、焼結体には、露出したリード部51の表面にNiなどの金属からなるメッキ層を形成し、Ni、Fe−Ni−Co合金などの材質からなるリード線52またはリード板を、Ag、Ag−Au、Au−Cu、Au−Niなどの材質からなるロウ材でロウ付けして、セラミックヒータとする。
【0040】
本発明の加熱装置は、均熱性か高いので、光合分波器の熱・温度補償装置として利用される。光合分波器には、例えば、シリコン基板の表面に、石英を主成分とするガラスからなる光導波が形成されているものが利用される。このような基板は、面導波回路PLC(planar lightwave circuit)基板と呼ぶ。
【0041】
図3(A)には、本発明の加熱装置を用いた光合分波器の構造の一例を示した。中央部に形成された凹部3にセラミックヒータ4を設置した均熱板2からなる加熱装置1の上に、光導波路を形成したシリコン基板9が設置されており、この加熱装置を用いることにより基板9を±1℃程度の精度で安定して温度調節することが可能となる。
【0042】
図3(B)は、本発明の実施形態の加熱装置を装着した光合分波器の例を示すが、光合分波器は、基板9上に、入力導波路92と出力側導波路92との間には、スラブ導波路94、94を介して、アレー導波路96が接続されている。この例は、基板9上に両方の入出力側導波路92、92が曲折して、スラブ導波路94とアレー導波路96とが大きく湾曲して配置されている。この実施形態の加熱装置1は、その均熱板2上に、光合分波器の該基板9の裏面を載置して固定し、且つ、凹部内のセラミックヒータ4が、基板9の裏面に対向している。この例の加熱装置は、図1に示したように、セラミックヒータ4が、均熱板2上の中心より偏心して、セラミックヒータ4の一側縁が、均熱板2の側縁より外側に露出して配し、発熱抵抗体5とリード部51の接続を容易にしている。図3(B)の例において、均熱板凹部内のセラミックヒータ4が、光合分波器基板9の縁部に近い入力導波路と出力側導波路との間に配置されている。このような配置であっても、アルミニウム板の均熱板2により、基板9の上面全面を均一に加熱することができる。
【0043】
【実施例】
[実施例1]
加熱装置の均熱板2の表面20と均熱板2の凹部3に設置したセラミックヒータ4の表面41との段差aと均熱板2の上に設置した基板の温度分布との関係を調査した。
【0044】
均熱板2は、一辺50mm×40mmの四角形で、厚み2.5mmのアルミニウム板を使用した。均熱板2のほぼ中央部に、四角形状の凹部3を、寸法が一辺約20mm×25mmで、深さ1.1mm、1.3mm、1.5mmおよび、2.0mmの4水準として作った。凹部3の側面35とセラミックヒータ4の側縁部45との間の間隔bは、0.3mmとした。
【0045】
これに対応して、セラミックヒータ4は、アルミナ質セラミックスに、タングステン膜の発熱抵抗体5を埋設したもので、外形20mm×25mmの四角形、厚みを1.0mmの一定とした。
【0046】
加熱装置の組み立てに際して、凹部3の底面にシリコーングリースを介してセラミックヒータ4を塗着密着させ、均熱板2の上にシリコンウエハの基板を載せ、セラミックヒータを加熱して、基板表面の温度分布を調査した。
【0047】
上記のようにして調整した加熱装置の試料は、均熱板2の凹部3側の表面20と凹部3に対して反対側の裏面とに、45mm×35mm×厚さ0.3mmのシリコンウエハの基板をそれぞれ、配置し、基板の外形は、均熱板2の外形よりわずかに小さくされている。試験においては、20℃の恒温室中で、上記のように組み合わせた試料のセラミックヒータ4を加熱し、基板温度を70℃に保持するように調整し、30分後の基板の表面温度とその分布を赤外線サーモビュアにより測定した。結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
セラミックヒータ厚み 1.0mm 一定
【0049】
表1から判るように、均熱板2の表面20とセラッミクヒータ4表面41との間の段差aが0.20〜0.9mmの範囲では、基板上の温度差が小さくなっている。段差aが0.03mm程度に小さいときは、基板におけるセラミックヒータ直上の部位の温度が均熱板2の上部の部位より高温になる。また、表1から、均熱板2の裏面側に添付した基板は、セラミックヒータ4が接触している均熱板2のアルミニウム板を介して過熱されるので、その表面面域の温度差が大きくなることが判る。このことから、適度の段差aは、即ち、セラミックヒータ4と基板との間に空気断熱層を形成して、過熱を防止していることが理解できよう。
【0050】
[実施例2]
セラミックヒータ4の側縁部45と均熱板2の凹部3の側面35との間隔bと、シリコンウエハの基板の温度分布との関係を調べた。実施例1と同様にして、凹部3の深さを1.5mmとし、凹部3の寸法を、その間隔bを、0.05mm、0.2mm、0.5mm、0.8mm、1.2mm、2.0mm、4.0mm及び5.0mmに変更して、均熱板2であるアルミニウム板の表面に載せた基板の温度分布を測定した。試験結果を表2に示す。
【0051】
【表2】
均熱板2厚み:2.5mm,凹部深さ1.5mm
ラミックヒータ厚み:1.0mm,
【0052】
表2に示すように、セラミックヒータ4の側縁部45と均熱板の凹部3の側面25との間隔bを0.2〜4.0mmの範囲に確保することにより、基板上面の温度差を2℃以下にすることができることが判る。
【0053】
[実施例3]
セラミックヒータ4の表面41から発熱抵抗体5までの距離cと、基板の温度分布の関係を調べた。セラミックヒータ4の作製の際に、アルミナ質セラミックから調製したグリーンシートの厚みを適宜変更したものを準備し、厚み方向に発熱抵抗体5の位置が異なる試料を作った。セラミックヒータ5全体の厚みは1.0mmとし、該セラミックヒータ4の表面41から発熱抵抗体5までの距離bを0.1mm、0.2mm、0.3mmおよび0.5mmとしたセラミックヒータ4を調製し、均熱板2の表面20からセラミックヒータ4の表面41までの段差aを0.3mmとして、均熱板2の上に設置した上記同様のシリコンウエハの基板の表面温度分布を測定した。結果を表3に示す。
【0054】
【表3】
【0055】
表3から判るように、セラミックヒータ4の表面41と発熱体5との距離cを、0.3mm以上に設定することにより、基板上の温度差を非常に小さくできる。
【0056】
【発明の効果】
本発明の加熱装置は、セラミックヒータが、均熱板の凹部内に配置されて、セラミックヒータの表面が均熱板の表面より低くされているので、均熱板上に配置される被加熱体の面域をほぼ均一に加熱して、その表面に均一な温度分布を与えることができる。
【0057】
セラミックヒータの表面の高さが均熱板の表面より0.1〜1.0mmだけ低くすることにより、特に被加熱体の表面に優れた温度均一性を与えることができる。
【0058】
さらに、セラミックヒータの側縁部と均熱板の凹部の側面との間隔を0.2〜4.0mmの範囲とすることにより、特に被加熱体の表面に優れた温度均一性を与えることができる。さらに、セラミックヒータに内蔵された発熱抵抗体が、セラミックヒータの表面から0.3mm以上の位置に配置することにより、優れた被加熱体の表面に優れた温度均一性を与えることができる。
【0059】
本発明の加熱装置を、光合分波器を形成する基板を載置して加熱保持するに使用することにより、基板上の温度差を極めて小さい範囲に調製することができる。しかも構造が簡単で小型に構成できるので、光合分波器の環境温度の変化に対して、比較的応答速度を高くすることができ、しかも小型で安価に製造供給することができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る加熱装置の平面図(A)と、X−X断面図(B)とを示す。
【図2】 本発明の実施形態に係る加熱装置に用いるセラミックヒータの展開斜視図である。
【図3】 本発明の実施形態に係る加熱装置を用いた光合分波器を示す断面図(A)と、本発明の別の実施形態での加熱装置上に光合分波器の基板を配置して成る光合分波器の上面図(B)を示す。
【図4】 従来の温度補償された光合分波器の断面図を示す。
【符号の説明】
1 加熱装置
2 均熱板
3 凹部
4 セラミックヒータ
5 発熱抵抗体
Claims (5)
- 被加熱体の側に設けられた凹部を有するとともに前記被加熱体に当接する均熱板と、
該均熱板の凹部の底面に当接配置されたセラミックヒータと、を備え、
前記被加熱体の裏面と前記セラミックヒータの表面とが離間するように構成されていて、
前記セラミックヒータからの熱は、前記均熱板を通じた熱伝導と、セラミックヒータ自身からの輻射熱とによって前記被加熱体に加えられることを特徴とする、セラミック加熱装置。 - 前記均熱板の裏面と前記セラミックヒータの表面との離間距離が、0.1乃至1.0mmであることを特徴とする、請求項1に記載のセラミック加熱装置。
- 前記均熱板の凹部の側壁面と前記セラミックヒータの側面とが離間していて、当該離間距離が0.2乃至4.0mmであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のセラミック加熱装置。
- 前記セラミックヒータに埋設された発熱抵抗体が、セラミックヒータの表面から0.3mm以上離れた位置に形成されることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一つに記載のセラミック加熱装置。
- 前記セラミックヒータは、その一側縁が、前記均熱板の側縁より外側に露出する位置に配置されていることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一つに記載のセラミック加熱装置。
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