JP3872526B6 - 干渉回避無線通信システム - Google Patents
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Description
技術分野
本発明は、使用する周波数が異なる複数の無線通信システムが同一地域に混在した場合における無線通信システム間干渉回避方法に関する。
背景技術
複数の無線通信システムを同一地域で混在させる場合、お互いの電波干渉を避けるため、それぞれに割り当てる周波数を分ける必要がある。一方、無線通信を行うための送信機は、使用周波数以外への送信波の漏洩を完全に止めることはできず、使用周波数以外への漏洩電力を生ずる。これを第1図に示す。第1図より分かるように、この漏洩電力は全体の送信電力に比べると非常に小さいが、基地局および移動局の配置によっては隣接周波数に対して非常に大きな干渉を与える可能性がある。これを第2図で用いて説明する。
第2図において、第1無線通信システム110と第2無線通信システム120は同一地域に存在し、隣接した周波数を使用している。第1無線通信システム110に帰属する移動局114は、第2無線通信システムの基地局122に非常に近くにあり、かつ、第2無線通信システム120の基地局122よりも遠い位置にある第1無線通信システム110の基地局112に対して送信を行っている。移動局114は、帰属先を第1無線通信システム110から第2無線通信システム120へ、通信中に変更することができない。
この場合、隣接周波数からの漏洩電力であっても、第2無線通信システム120の基地局122に対して非常に大きな干渉となる。この干渉により、第2無線通信システム120の移動局124からの送信データは、第2無線通信システム120の基地局122において受信できなくなってしまう。
そこで、従来の無線通信システムでは、第3図に示すように、2つの無線通信システムで使用する周波数帯域の間にガードバンドと呼ばれる未使用周波数帯域を配置し、第2図のような場合でも干渉が起らないようにしている。
しかしながら、周波数資源は限られたものであり、ガードバンドを設けることは周波数利用効率の低下を招くという欠点があった。特に、CDMA(Code Division Multiple Access)等、使用周波数が広帯域である無線通信システムでは、必要なガードバンドが広くなり、周波数利用効率の低下はより顕著になる。逆にガードバンドをなくすと、干渉により、加入者容量が低下する問題がある。
発明の開示
本発明は、無線通信システム間の干渉を与える原因となる移動局の送信を停止させることにより、ガードバンドを設けることなく、無線通信システム間の干渉回避を行うことを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、1つまたは2つ以上の基地局と1つまたは2つ以上の移動局とからなる無線通信システムが同一地域に2つ以上存在し、各無線通信システムは異なる周波数を使用し、移動局は通信中に1つの無線通信システムに属し、移動局が帰属する無線通信システムを通信中に変更することができない無線通信システムにおいて、基地局は、自己の使用周波数とは異なる周波数、例えば隣接する周波数において干渉波を意図的に送信し、移動局は、下り回線の受信品質を監視し、その監視されている受信品質が許容値より低下する場合に送信を停止する。
このような構成により、従来のように各無線通信システムが使用する周波数帯域の間にガードバンドを設けることなく、システム間の干渉を回避できるので、周波数を有効に使用することができる。
一般的に、無線通信システムにおける移動局は、通信品質が劣化した場合に通信を終了する機能を持っているので、特別な制御を追加する必要はなく、基地局に干渉波の送信機能を追加するのみで、周波数の有効利用が可能となる。
基地局からの干渉波の送信は、漏洩電力を用いて行うことや、干渉波送信機を具備して行うことができる。
基地局は、隣接周波数における受信レベルを測定するための受信機を具備し、その上り受信レベルが、許容レベル以上となった場合にのみ、隣接周波数において干渉波を送信するようにしてもよい。
この構成においては、基地局は必要な場合のみ隣接周波数における送信を行うため、隣接する無線通信システムへの下り回線の干渉が小さくなる。
さらにまた、干渉源となる周波数帯を直接監視するので、干渉の影響量の推定精度が向上し、不必要に通信を終了したり、大きな干渉を与えてしまう可能性が小さくなる。
さらにまた、基地局は、受信周波数帯における上り干渉レベルを測定し、その上り干渉レベルが許容レベル以上となった場合にのみ、隣接周波数において干渉波を送信することもできる。
この構成においては、基地局は必要な場合のみ隣接周波数における送信を行うので、周波数が隣接する無線通信システムへの下り回線の干渉が小さくなるとともに、自己の使用周波数における干渉レベルを測定することにより干渉波の送信の開始停止を判定するので、基地局に受信機を別個に設ける必要がない。
本発明の他の形態では、1つまたは2つ以上の基地局と1つまたは2つ以上の移動局とからなる無線通信システムが同一地域に2つ以上存在し、各無線通信システムは異なる周波数を使用し、移動局は通信中に1つの無線通信システムに属し、移動局が帰属する無線通信システムを通信中に変更することができない無線通信システムにおいて、移動局は受信した信号のうち、自己の使用周波数に隣接する周波数における受信レベルを測定し、その受信レベルが、許容レベル以上の場合は送信を停止する。
この構成では、基地局から干渉波を送信しないので、下りの干渉が増大することはない。
しかも、隣接周波数のレベルを直接測定するので、干渉の影響量の推定精度が向上し、不必要に通信を終了するおそれが小さい。
移動局は隣接周波数における受信レベルを測定するための受信機を具備し、その受信レベルが許容レベル以上となった場合は送信を停止することもできる。
移動局は、待機中および通信中において、受信を行う必要がない間に受信周波数を切り替えて、隣接周波数における受信レベルを測定し、その受信レベルが許容レベル以上の場合は送信を停止することもできる。
この構成では、隣接周波数の受信レベルを測定するための受信機が不要になるので、移動局の小型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、従来例において、使用周波数帯域以外への漏洩電力を示す図である。
第2図は、従来例において、漏洩電力が隣接周波数に対して大干渉電力を与える例を説明する図である。
第3図は、従来例において、2つの無線通信システム間のガードバンドを説明する図である。
第4図は、本発明による無線通信システムの全体構成を示す図である。
第5図は、第4図の各基地局の使用周波数を示す図である。
第6図は、本発明における基地局の構成を示すブロック図である。
第7図は、本発明における移動局の構成を示すブロック図である。
第8図は、問題とする干渉の例を示す図である。
第9図は、基地局における受信周波数帯域への漏洩電力を示す図である。
第10図は、移動局の大きさおよび消費電力と隣接周波数での漏洩電力との関係を示す図である。
第11図は、移動局における受信電力および干渉電力を示す図である。
第12図は、雑音発生を送信できる本発明による基地局の構成を示すブロック図である。
第13図は、隣接周波数の受信レベルを測定することのできる本発明による基地局の構成を示すブロック図である。
第14図は、隣接周波数の受信レベルを推定することのできる本発明による基地局の構成を示すブロック図である。
第15図は、基地局における上り干渉を説明する図である。
第16図は、基地局から移動局受信周波数帯域への漏洩電力を示す図である。
第17図は、隣接周波数の受信レベルを測定することのできる本発明による移動局の構成を示すブロック図である。
第18図は、隣接周波数の受信レベルを測定することのできる本発明による移動局の他の構成を示すブロック図である。
発明の実施するための最良の実施形態
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(無線通信システムの構成)
まず、第4図〜第7図を用いて本発明による無線通信システムについて説明する。
第4図は、本発明による無線通信システムの全体構成を示す。第4図において、基地局412と移動局414は第1無線通信システム410に属し、基地局422は第2無線通信システム420に属している。第1無線通信システム410および第2無線通信システム420の各サービスエリア418および428はオーバーラップしている。移動局414の通信中には、帰属している第1無線通信システム410から他の無線通信システム420には移ることができない。
第5図は、基地局412および基地局422に割り当てられている送信および受信周波数を示す。基地局412と基地局422には、第5図に示すように、互いに隣接する送信周波数および受信周波数を割り当てている。
第6図は、本発明における基地局の一実施例を示す。この基地局は移動局と通信網との間の通信を中継する機能を持ち、無線を介して移動局と接続している。アンテナ610は、移動局が送信した電波の受信、および移動局への電波の送信を行う。送受共用器620は、1つのアンテナ610を送信用、受信用に共用するための方向性結合器であり、第5図で示すような無線周波数における送信フィルタおよび受信フィルタを持つ。630および640はそれぞれ送信機および受信機である。ベースバンド処理部650は、公衆回線等の通信網660からの信号および移動局から受信した無線信号を処理する。送信機630は、変調器631、混合器632、中間周波数(IF)用発振器633、バンドパス・フィルタ(BPF)634、混合器635、無線周波数(RF)用発振器636、および送信アンプ637で構成されている。受信機640は、復調器641、混合器642、中間周波数(IF)用発振器643、バンドパス・フィルタ(BPF)644、混合器645、無線周波数(RF)用発振器646、および受信アンプ647で構成されている。
第6図の基地局において、通信網からの信号を移動局に送信するまでの処理をまず説明する。通信網から送られてきた信号は、慣例のベースバンド処理部650において移動局に送信するベースバンド信号に変換される。(″Further Results on Field Experiments of Coherent Wideband DS-CDMA Mobile Radio″, T.Dohi et al., IEICE Trans. Commun., Vol. E81-B, No. 6 June 1998参照)また、必要に応じて制御信号の追加や誤り訂正符号処理がベースバンド処理部650で行われる。ベースバンド信号は、変調器631でディジタル変調を施された後、IF用発振器633により、中間周波数の信号に変換される。次に、BPF634により送信帯域外の信号を減衰させ、RF用発振器636により無線周波数の信号に変換される。その後、送信アンプ637により増幅され、送受共用器620およびアンテナ610を通じて送信が行われる。
続いて、移動局からの信号を通信網に送るまでの処理を説明する。アンテナ610で受信した電波は送受共用器620に送られ、受信周波数だけが選択される。受信アンプ647で受信信号を増幅した後、RF用発振器646により中間周波数に変換し、BPF644で所望の周波数以外を減衰させる。次に、IF用発振器643によりベースバンド信号に変換し、復調器641でディジタル復調を行う。ベースバンド処理部650では、誤り訂正復号処理、制御信号の取り出し等を行った後、通信網に送る信号に変換し、通信網660へと送る。
第7図は本発明における移動局の一実施例を示す。アンテナ710は、移動局が送信した電波の受信、および移動局への電波の送信を行う。送受共用器720は、1つのアンテナ710を送信用、受信用に共用するための方向性結合器である。730および740はそれぞれ送信機および受信機である。ベースバンド処理部750は、端末装置760からの送信および受信機710で受信した基地局からの無線信号を処理する慣例の装置である。送信機730は、変調器731、混合器732、中間周波数(IF)用発振器733、バンドパス・フィルタ(BPF)734、混合器735、無線周波数(RF)用発振器736、および送信アンプ737で構成されている。受信機740は、復調器741、混合器742、中間周波数(IF)用発振器743、バンドパス・フィルタ(BPF)744、混合器745、無線周波数(RF)用発振器746、および受信アンプ747で構成されている。これからも明らかなように、移動局は、通信網の代わりに端末装置760を接続している以外は、第6図に示した基地局とほぼ同一の構成である。
端末装置760の例としてハンドセットがある。ハンドセットにはスピーカー、マイク、音声符復号処理部が含まれ、ベースバンド処理部750からのディジタル信号を音声に変換し、スピーカーから音を出力する機能、マイクから入力した音声をディジタル信号に変換し、ベースバンド処理部750に送る機能を持つ。
この移動局の動作は、第6図の基地局装置と同様であるので、移動局の信号処理の説明は省略する。
(実施形態1)
実施形態1は、第4図における移動局414の隣接周波数漏洩電力が、基地局422の受信周波数に与える干渉の問題に対処する。ここでは、通信方式としてCDMAを適用した場合を例にとる。第8図および第9図を用いて、干渉の例を示す。
第8図において、第2図と同様に、基地局412と移動局414とが通信している。この通信で使用している周波数に隣接する周波数を用いて、基地局422は通信を行う。
第9図は、移動局414による送信の際の隣接周波数への漏洩電力の例を示す。この第9図に示した例では、移動局414の送信周波数での送信電力に対して40dB減衰した電力が、基地局422の受信周波数において発生している。
この漏洩電力値は、第7図における送信アンプ737の歪み特性、送受共用器720内の送信フィルタ特性、BPF734の特性によって主に決まる値である。しかしながら、第10図に示すように、移動局の大きさおよび消費電力と隣接周波数における漏洩電力とは反比例の関係にある。このため、移動局の大きさや消費電力を小さくするためには、隣接周波数における漏洩電力をある程度は許容する必要がある。
さて、第8図の例において、拡散利得=20dB、基地局412における干渉電力を−105dBmと仮定する。基地局412における移動局414からの受信電力は、送信電力(30dBm)から伝搬損失(145dB)を引いて、求めることができる。これを求めると−115dBmであるので、基地局412における受信SIR(Signal to Interference power Ratio:信号対干渉電力比)は、−115dBm−(−105dBm−20dB)=10dBとなる。一方、移動局414による送信の際の隣接周波数への漏洩電力は30dBm−40dB=−10dBmである。これを基に、伝搬損失80dB(移動局414は基地局412よりも基地局422の方に近いので、基地局422における伝搬損失は小さい)を考慮すると、基地局422での干渉電力は−90dBmとなる。この値は、基地局412の干渉電力(−105dBm)に比べて15dBも大きい値であり、基地局422に接続する移動局はその分だけ送信電力を増加する必要が生ずる。基地局422に接続している移動局の中で、最大送信電力に近い送信電力で通信を行っている移動局は移動局414からの干渉の影響により、通信品質の劣化や通信の切断を生ずることになる。
この干渉を防ぐために、この実施形態においては、移動局414からの送信を停止させる。この無線通信システムでは、受信品質が劣化した状態が継続した場合に無線回線を切断する機能を持っている。例えば、第7図に示した移動局の構成においては、ベースバンド処理部750で受信品質を、例えば受信信号の誤り検出における誤りを率常時測定して、誤り率がある値以上となったときに受信品質がある値以下となったと判断して通信を停止する(例えば回線を切断する)。あるいはまた、第7図の復調器741において受信SIRの測定を行い、受信SIRが予め定めた値以下となったときに通信を停止することもできる。受信品質を監視して通信を停止すること自体は従来の無線通信システムが通常有している機能であり、本発明では、この機能を利用して、移動局414の送信を停止させる。以下に、第11図を用いて実施形態1の動作を説明する。
第11図では、第8図と同様に、移動局414が基地局422に対して干渉を与えている。ここで、基地局422から移動局414の受信周波数に対して干渉波を送信する。移動局414に対する基地局412からの送信電力を、30dBmとし、拡散利得=20dB、移動局414における干渉電力を−105dBmとする。移動局414における受信SIRは、−115dBm−(−105dBm−20dB)=10dBとなる。基地局412から、移動局414への最大送信電力が35dBm、移動局414における受信SIRが3dB以下で通信を切断すると仮定する。このとき、基地局422から移動局414の受信周波数に対して干渉波を送信する。
基地局422から、例えば、−10dBmの干渉波を送信した場合、移動局414での干渉電力は−90dBm増加し、受信SIRは−5dB以下となる。基地局412からの送信電力を増加して最大送信電力としても、受信SIRは0dB以下となり、通信は切断される。よって、移動局414から基地局422への干渉は停止し、基地局422での受信品質は保証される。
基地局から干渉波を送信するための構成の一例を以下に示す。前述のように、隣接周波数への漏洩電力は装置の大きさに反比例する。基地局は移動局に比べて装置の大きさに対する要求条件が厳しくないので、一般に、装置の大きさをある程度許容して、隣接周波数への漏洩電力を小さく抑えている。しかしながら、実施形態1においては、隣接周波数に対して干渉波を送信する必要があるから、第6図に示した基地局における送信アンプ637の歪み特性、送受共用器620内の送信フィルタ特性、BPF634の特性を変えて隣接周波数において所要の干渉電力を送信できるようにする。
このように、実施形態1においては、隣接の移動局における受信周波数(隣接周波数)において、基地局から自己の使用周波数の送信電力に比例した漏洩電力を常時送信する。
(実施形態2)
実施形態1においては、隣接の移動局受信周波数において、基地局から上述したような大きさの漏洩電力を常時送信する。しかし、隣接の移動局受信周波数に対する干渉を与えるために任意所望の大きさの電力を送信することの容易な構成を第12図に示す。第12図において、第6図に示した基地局の構成に送信機800を追加する。これにより、自己の使用周波数の送信電力に依存せずに、隣接の移動局受信周波数帯域に干渉を与える適切な大きさの電波を送信することができる。第12図において、第6図と同様の個所には同一の参照番号を付す。
第12図において、送信機800は、雑音発生器810、混合器812、およびバンドパス・フィルタ814を有する。雑音発生器810で発生した雑音は、混合器812でIF用発振器633′からの信号により中間周波数に変換される。すなわち、IF用発振器633′は、自己の使用周波数と隣接移動局における受信周波数との差分(第5図の場合、基地局422と基地局412との送信周波数の差分)だけずれた周波数も発振することができる。そこで、BPF814の通過帯域は、BPF634の通過帯域からこの差分だけずらした帯域とする。BPF814の出力を、混合器635およびRF用発振器636により、隣接移動局の受信周波数の信号に変換して、送信アンプ637、送受共用器620、およびアンテナ610を介して送信する。送信アンプ637および送受共用器620中の送信フィルタは、実施形態1で述べたように、隣接周波数に対して送信できる特性を有する。
このように、基地局に第2の送信機800を設けることにより、移動局に対して、干渉を与えて送信を停止させるのに適切な大きさの隣接移動局受信周波数における干渉波の送信が容易に可能となる。
(実施形態3)
実施形態1および2では、隣接移動局の受信周波数においてにある大きさの干渉波を基地局から常時送信している。これに対し、第13図に示す実施形態3においては、必要なときに隣接移動局の受信周波数において干渉波を送信する。
第13図は、第12図に示した基地局に、隣接周波数における受信信号のレベル測定用受信機920を付加した基地局である。第13図において、第12図と同様の個所には同一参照番号を付す。
第13図において、レベル測定用受信機920のバンドパスフィルタ(BPF)922は、RF用発振器646および混合器645で中間周波数に変換された受信信号を受けて、隣接周波数の信号を取り出す。その信号をIF用発振器643′および混合器924でベースバンドの信号に変換する。IF用発振器643′は隣接周波数分だけずれた周波数も発信できる。混合器924の出力を復調器926で復調してレベルを測定し、そのレベルをレベル判定部928で予め定めたレベルと比較する。比較した結果、受信した隣接周波数における受信信号のレベルが高いときには、送信機800を作動させる。送信機800からは、前に説明したように、隣接周波数帯に対して適切なレベルの干渉波が送信される。
第13図において、例えば、移動局から送信が行われる際に隣接周波数への漏洩電力が送信電力に比べて40dB小さいとすると、隣接周波数の受信レベルから40dB小さい干渉電力が受信周波数での信号に加わることになる。従って、基地局における隣接周波数からの干渉電力の許容値を−100dBmとした場合、上記のレベル測定用受信機920において、隣接周波数の受信レベルが−60dBmを超えたことが判定されたときに、この基地局は、送信機800から隣接周波数に対する干渉波の送信を行う。この送信した干渉波の干渉により、移動局の隣接周波数での通信が終了し、従って、隣接周波数からの干渉電力は小さくなる。
(実施形態4)
実施形態3においては、基地局において隣接周波数のレベルを、隣接周波数帯における受信レベルを測定する受信機を設けるのに対して、第14図に示す実施形態4においては、このようなレベル測定用受信機を設けることなく、干渉のレベルを推定できる構成とする。
実施形態4の基地局は、第14図に示すよう構成される。第14図において、第12図と同様の個所には同一の参照番号付与する。第14図において、復調器641においては、干渉レベルを測定する。測定された干渉レベルは、レベル判定部928′で以下に説明するようにレベルの判定を行う。レベル判定の結果、隣接周波数を用いて通信している移動局からの干渉があると判明したときは、送信機800を作動させて隣接周波数における干渉波の送信を開始する。これにより、干渉を起こしている移動局の送信を停止させる。これを第15図を用いて詳しく説明する。
さて、第15図において、基地局422は移動局424,426および428と通信を行っている。CDMA無線通信システムでは干渉を小さくするために、基地局での受信レベルが過剰にならないように送信電力制御を行っている。例えば、基地局422における合計の受信レベルは、熱雑音レベル+10dBまでに抑えるように制御しているものとする。従って、干渉レベルの測定結果が熱雑音レベル+10dBを超えた場合は他の無線通信システムからの干渉と予想される。例えば、第15図において、他の無線通信システムに属する移動局414から基地局422に対して大きな干渉を与える場合、基地局422での干渉レベルは熱雑音レベル+10dBを上回ることになる。従って、この+10dBを上述のレベル判定の基準とすることで、隣接周波数帯を用いている移動局からの漏洩電力を推定できる。
基地局422は、このように干渉レベルを測定することで、隣接周波数において干渉波を送信することができる。この干渉により、隣接周波数での移動局414の送信を終了させ、その結果、隣接周波数からの干渉電力は小さくなる。
(実施形態5)
実施形態1〜4においては、基地局からの干渉波発生により、隣接周波数を用いて通信を行っている移動局の送信を停止させている。これに対し、実施形態5においては、隣接周波数で通信を行っている基地局に対して移動局が干渉を与えていることをこの移動局により検知して、送信を停止する。
第8図および第11図に示している状態においては、移動局414は基地局422に対して大きな干渉を与える。基地局422から移動局414への受信周波数における漏洩電力を第16図に示すように仮定し、基地局422からの全送信電力を40dBmと仮定し、さらに伝搬損失80dBを考慮すると、移動局414における隣接周波数の受信レベルは、−100dBm(=40dBm−60dB−80dB)となる。例えば、許容干渉レベルが−110dBmのときには、移動局414は送信を停止する必要がある。
移動局において測定する隣接周波数の上述の許容干渉レベルMS_LEVは、以下のように決定することができる。
(数1)
MS_LEV=BS_POW−BS_ATT+BS_LEV+MS_ATT−MS_POW
ここで、
MS_LEV:移動局で測定する隣接周波数の許容干渉レベル
BS_POW:基地局のトータル送信電力
BS_ATT:基地局送信電力に対する隣接周波数漏洩電力の減衰量(>0)
BS_LEV:基地局での隣接周波数からの許容干渉レベル
MS_ATT:移動局送信電力に対する隣接周波数漏洩電力の減衰量(>0)
MS_POW:移動局の送信電力
このように、MS_LEVを決定すれば、移動局で測定した隣接周波数受信レベルにより基地局での干渉レベルを推定して、送信停止の判定を行うことができる。
以上の原理に従って、移動局において隣接周波数の受信レベルを測定する例を第17図に示す。第17図において、第7図と同様の個所には同一の参照番号を付する。
第17図において、RF用発振器746および混合器745で中間周波数に変換された受信信号は、隣接周波数受信機930に入力される。この隣接周波数受信機930において、バンドパス・フィルタ932、IF用発振器743′、および混合器934で隣接周波数の信号を取り出す。この信号を復調器936に供給して、その信号のレベルを測定し、レベル判定部938で上述のレベル判定を行う。その判定出力をベースバンド処理部750に供給して、この判定結果によって、移動機からの送信を停止するか否かを決定する。
この構成によれば、隣接周波数を用いる移動局からの漏洩電力によって基地局に与えられる干渉を低減することができる。
(実施形態6)
第18図に示す実施形態6は、実施形態5と同様に、隣接する周波数帯で通信している基地局に対する干渉を移動局において推定して、自己の送信を停止する。実施形態5では、隣接周波数の信号を受信する受信機が必要であったが、実施形態6においては、移動局は待機中もしくは通信中に受信を行う必要がない場合に、隣接する周波数の信号を受信して、基地局に対する干渉をその移動局自体で推定する。第18図において、第7図と同様の個所には同一の参照番号を付する。
第18図の移動局において、待機中もしくは通信中に受信を行う必要がない場合に、ベースバンド処理部750′からの命令により、バンドパス・フィルタ744′の通過周波数帯およびおよびIF用発振器743″の発信周波数を変更することにより、受信周波数を自己の使用周波数から隣接周波数に変更する。復調器741においては、受信した隣接周波数の信号の受信レベルを測定する。その測定結果をベースバンド処理部750′に供給してこの測定結果によって移動局63からの送信を停止するか否かを判断する。
実施形態1〜6においては、2つの無線通信システム間の干渉回避の場合を例にとって本発明を説明したが、3つ以上の無線通信システムが混在した場合にも本発明を適用できる。あるいはまた、1つの無線通信システム内にそれぞれが異なる周波数を使用するマイクロセル層とマクロセル層とが存在し、マイクロセルとマクロセルとの間でのハンドオーバ(通信中の無線チャネル切替)ができない場合の、マイクロセルとマクロセルとの間の干渉回避にも本発明を適用できる。
産業上の利用可能性
以上説明したように、本発明によれば、1つまたは複数の無線通信システムが同一地域に混在した場合に、他システムの移動局からの上り干渉を抑制するために、その干渉の原因となる移動局の送信を停止することができる。
従って、本発明によれば、ガードバンドを設けることなく他システムの移動局からの干渉を防ぐことができ、よって、通信品質を劣化させることなく周波数の利用効率を高めることができる。
本発明は、使用する周波数が異なる複数の無線通信システムが同一地域に混在した場合における無線通信システム間干渉回避方法に関する。
背景技術
複数の無線通信システムを同一地域で混在させる場合、お互いの電波干渉を避けるため、それぞれに割り当てる周波数を分ける必要がある。一方、無線通信を行うための送信機は、使用周波数以外への送信波の漏洩を完全に止めることはできず、使用周波数以外への漏洩電力を生ずる。これを第1図に示す。第1図より分かるように、この漏洩電力は全体の送信電力に比べると非常に小さいが、基地局および移動局の配置によっては隣接周波数に対して非常に大きな干渉を与える可能性がある。これを第2図で用いて説明する。
第2図において、第1無線通信システム110と第2無線通信システム120は同一地域に存在し、隣接した周波数を使用している。第1無線通信システム110に帰属する移動局114は、第2無線通信システムの基地局122に非常に近くにあり、かつ、第2無線通信システム120の基地局122よりも遠い位置にある第1無線通信システム110の基地局112に対して送信を行っている。移動局114は、帰属先を第1無線通信システム110から第2無線通信システム120へ、通信中に変更することができない。
この場合、隣接周波数からの漏洩電力であっても、第2無線通信システム120の基地局122に対して非常に大きな干渉となる。この干渉により、第2無線通信システム120の移動局124からの送信データは、第2無線通信システム120の基地局122において受信できなくなってしまう。
そこで、従来の無線通信システムでは、第3図に示すように、2つの無線通信システムで使用する周波数帯域の間にガードバンドと呼ばれる未使用周波数帯域を配置し、第2図のような場合でも干渉が起らないようにしている。
しかしながら、周波数資源は限られたものであり、ガードバンドを設けることは周波数利用効率の低下を招くという欠点があった。特に、CDMA(Code Division Multiple Access)等、使用周波数が広帯域である無線通信システムでは、必要なガードバンドが広くなり、周波数利用効率の低下はより顕著になる。逆にガードバンドをなくすと、干渉により、加入者容量が低下する問題がある。
発明の開示
本発明は、無線通信システム間の干渉を与える原因となる移動局の送信を停止させることにより、ガードバンドを設けることなく、無線通信システム間の干渉回避を行うことを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、1つまたは2つ以上の基地局と1つまたは2つ以上の移動局とからなる無線通信システムが同一地域に2つ以上存在し、各無線通信システムは異なる周波数を使用し、移動局は通信中に1つの無線通信システムに属し、移動局が帰属する無線通信システムを通信中に変更することができない無線通信システムにおいて、基地局は、自己の使用周波数とは異なる周波数、例えば隣接する周波数において干渉波を意図的に送信し、移動局は、下り回線の受信品質を監視し、その監視されている受信品質が許容値より低下する場合に送信を停止する。
このような構成により、従来のように各無線通信システムが使用する周波数帯域の間にガードバンドを設けることなく、システム間の干渉を回避できるので、周波数を有効に使用することができる。
一般的に、無線通信システムにおける移動局は、通信品質が劣化した場合に通信を終了する機能を持っているので、特別な制御を追加する必要はなく、基地局に干渉波の送信機能を追加するのみで、周波数の有効利用が可能となる。
基地局からの干渉波の送信は、漏洩電力を用いて行うことや、干渉波送信機を具備して行うことができる。
基地局は、隣接周波数における受信レベルを測定するための受信機を具備し、その上り受信レベルが、許容レベル以上となった場合にのみ、隣接周波数において干渉波を送信するようにしてもよい。
この構成においては、基地局は必要な場合のみ隣接周波数における送信を行うため、隣接する無線通信システムへの下り回線の干渉が小さくなる。
さらにまた、干渉源となる周波数帯を直接監視するので、干渉の影響量の推定精度が向上し、不必要に通信を終了したり、大きな干渉を与えてしまう可能性が小さくなる。
さらにまた、基地局は、受信周波数帯における上り干渉レベルを測定し、その上り干渉レベルが許容レベル以上となった場合にのみ、隣接周波数において干渉波を送信することもできる。
この構成においては、基地局は必要な場合のみ隣接周波数における送信を行うので、周波数が隣接する無線通信システムへの下り回線の干渉が小さくなるとともに、自己の使用周波数における干渉レベルを測定することにより干渉波の送信の開始停止を判定するので、基地局に受信機を別個に設ける必要がない。
本発明の他の形態では、1つまたは2つ以上の基地局と1つまたは2つ以上の移動局とからなる無線通信システムが同一地域に2つ以上存在し、各無線通信システムは異なる周波数を使用し、移動局は通信中に1つの無線通信システムに属し、移動局が帰属する無線通信システムを通信中に変更することができない無線通信システムにおいて、移動局は受信した信号のうち、自己の使用周波数に隣接する周波数における受信レベルを測定し、その受信レベルが、許容レベル以上の場合は送信を停止する。
この構成では、基地局から干渉波を送信しないので、下りの干渉が増大することはない。
しかも、隣接周波数のレベルを直接測定するので、干渉の影響量の推定精度が向上し、不必要に通信を終了するおそれが小さい。
移動局は隣接周波数における受信レベルを測定するための受信機を具備し、その受信レベルが許容レベル以上となった場合は送信を停止することもできる。
移動局は、待機中および通信中において、受信を行う必要がない間に受信周波数を切り替えて、隣接周波数における受信レベルを測定し、その受信レベルが許容レベル以上の場合は送信を停止することもできる。
この構成では、隣接周波数の受信レベルを測定するための受信機が不要になるので、移動局の小型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、従来例において、使用周波数帯域以外への漏洩電力を示す図である。
第2図は、従来例において、漏洩電力が隣接周波数に対して大干渉電力を与える例を説明する図である。
第3図は、従来例において、2つの無線通信システム間のガードバンドを説明する図である。
第4図は、本発明による無線通信システムの全体構成を示す図である。
第5図は、第4図の各基地局の使用周波数を示す図である。
第6図は、本発明における基地局の構成を示すブロック図である。
第7図は、本発明における移動局の構成を示すブロック図である。
第8図は、問題とする干渉の例を示す図である。
第9図は、基地局における受信周波数帯域への漏洩電力を示す図である。
第10図は、移動局の大きさおよび消費電力と隣接周波数での漏洩電力との関係を示す図である。
第11図は、移動局における受信電力および干渉電力を示す図である。
第12図は、雑音発生を送信できる本発明による基地局の構成を示すブロック図である。
第13図は、隣接周波数の受信レベルを測定することのできる本発明による基地局の構成を示すブロック図である。
第14図は、隣接周波数の受信レベルを推定することのできる本発明による基地局の構成を示すブロック図である。
第15図は、基地局における上り干渉を説明する図である。
第16図は、基地局から移動局受信周波数帯域への漏洩電力を示す図である。
第17図は、隣接周波数の受信レベルを測定することのできる本発明による移動局の構成を示すブロック図である。
第18図は、隣接周波数の受信レベルを測定することのできる本発明による移動局の他の構成を示すブロック図である。
発明の実施するための最良の実施形態
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(無線通信システムの構成)
まず、第4図〜第7図を用いて本発明による無線通信システムについて説明する。
第4図は、本発明による無線通信システムの全体構成を示す。第4図において、基地局412と移動局414は第1無線通信システム410に属し、基地局422は第2無線通信システム420に属している。第1無線通信システム410および第2無線通信システム420の各サービスエリア418および428はオーバーラップしている。移動局414の通信中には、帰属している第1無線通信システム410から他の無線通信システム420には移ることができない。
第5図は、基地局412および基地局422に割り当てられている送信および受信周波数を示す。基地局412と基地局422には、第5図に示すように、互いに隣接する送信周波数および受信周波数を割り当てている。
第6図は、本発明における基地局の一実施例を示す。この基地局は移動局と通信網との間の通信を中継する機能を持ち、無線を介して移動局と接続している。アンテナ610は、移動局が送信した電波の受信、および移動局への電波の送信を行う。送受共用器620は、1つのアンテナ610を送信用、受信用に共用するための方向性結合器であり、第5図で示すような無線周波数における送信フィルタおよび受信フィルタを持つ。630および640はそれぞれ送信機および受信機である。ベースバンド処理部650は、公衆回線等の通信網660からの信号および移動局から受信した無線信号を処理する。送信機630は、変調器631、混合器632、中間周波数(IF)用発振器633、バンドパス・フィルタ(BPF)634、混合器635、無線周波数(RF)用発振器636、および送信アンプ637で構成されている。受信機640は、復調器641、混合器642、中間周波数(IF)用発振器643、バンドパス・フィルタ(BPF)644、混合器645、無線周波数(RF)用発振器646、および受信アンプ647で構成されている。
第6図の基地局において、通信網からの信号を移動局に送信するまでの処理をまず説明する。通信網から送られてきた信号は、慣例のベースバンド処理部650において移動局に送信するベースバンド信号に変換される。(″Further Results on Field Experiments of Coherent Wideband DS-CDMA Mobile Radio″, T.Dohi et al., IEICE Trans. Commun., Vol. E81-B, No. 6 June 1998参照)また、必要に応じて制御信号の追加や誤り訂正符号処理がベースバンド処理部650で行われる。ベースバンド信号は、変調器631でディジタル変調を施された後、IF用発振器633により、中間周波数の信号に変換される。次に、BPF634により送信帯域外の信号を減衰させ、RF用発振器636により無線周波数の信号に変換される。その後、送信アンプ637により増幅され、送受共用器620およびアンテナ610を通じて送信が行われる。
続いて、移動局からの信号を通信網に送るまでの処理を説明する。アンテナ610で受信した電波は送受共用器620に送られ、受信周波数だけが選択される。受信アンプ647で受信信号を増幅した後、RF用発振器646により中間周波数に変換し、BPF644で所望の周波数以外を減衰させる。次に、IF用発振器643によりベースバンド信号に変換し、復調器641でディジタル復調を行う。ベースバンド処理部650では、誤り訂正復号処理、制御信号の取り出し等を行った後、通信網に送る信号に変換し、通信網660へと送る。
第7図は本発明における移動局の一実施例を示す。アンテナ710は、移動局が送信した電波の受信、および移動局への電波の送信を行う。送受共用器720は、1つのアンテナ710を送信用、受信用に共用するための方向性結合器である。730および740はそれぞれ送信機および受信機である。ベースバンド処理部750は、端末装置760からの送信および受信機710で受信した基地局からの無線信号を処理する慣例の装置である。送信機730は、変調器731、混合器732、中間周波数(IF)用発振器733、バンドパス・フィルタ(BPF)734、混合器735、無線周波数(RF)用発振器736、および送信アンプ737で構成されている。受信機740は、復調器741、混合器742、中間周波数(IF)用発振器743、バンドパス・フィルタ(BPF)744、混合器745、無線周波数(RF)用発振器746、および受信アンプ747で構成されている。これからも明らかなように、移動局は、通信網の代わりに端末装置760を接続している以外は、第6図に示した基地局とほぼ同一の構成である。
端末装置760の例としてハンドセットがある。ハンドセットにはスピーカー、マイク、音声符復号処理部が含まれ、ベースバンド処理部750からのディジタル信号を音声に変換し、スピーカーから音を出力する機能、マイクから入力した音声をディジタル信号に変換し、ベースバンド処理部750に送る機能を持つ。
この移動局の動作は、第6図の基地局装置と同様であるので、移動局の信号処理の説明は省略する。
(実施形態1)
実施形態1は、第4図における移動局414の隣接周波数漏洩電力が、基地局422の受信周波数に与える干渉の問題に対処する。ここでは、通信方式としてCDMAを適用した場合を例にとる。第8図および第9図を用いて、干渉の例を示す。
第8図において、第2図と同様に、基地局412と移動局414とが通信している。この通信で使用している周波数に隣接する周波数を用いて、基地局422は通信を行う。
第9図は、移動局414による送信の際の隣接周波数への漏洩電力の例を示す。この第9図に示した例では、移動局414の送信周波数での送信電力に対して40dB減衰した電力が、基地局422の受信周波数において発生している。
この漏洩電力値は、第7図における送信アンプ737の歪み特性、送受共用器720内の送信フィルタ特性、BPF734の特性によって主に決まる値である。しかしながら、第10図に示すように、移動局の大きさおよび消費電力と隣接周波数における漏洩電力とは反比例の関係にある。このため、移動局の大きさや消費電力を小さくするためには、隣接周波数における漏洩電力をある程度は許容する必要がある。
さて、第8図の例において、拡散利得=20dB、基地局412における干渉電力を−105dBmと仮定する。基地局412における移動局414からの受信電力は、送信電力(30dBm)から伝搬損失(145dB)を引いて、求めることができる。これを求めると−115dBmであるので、基地局412における受信SIR(Signal to Interference power Ratio:信号対干渉電力比)は、−115dBm−(−105dBm−20dB)=10dBとなる。一方、移動局414による送信の際の隣接周波数への漏洩電力は30dBm−40dB=−10dBmである。これを基に、伝搬損失80dB(移動局414は基地局412よりも基地局422の方に近いので、基地局422における伝搬損失は小さい)を考慮すると、基地局422での干渉電力は−90dBmとなる。この値は、基地局412の干渉電力(−105dBm)に比べて15dBも大きい値であり、基地局422に接続する移動局はその分だけ送信電力を増加する必要が生ずる。基地局422に接続している移動局の中で、最大送信電力に近い送信電力で通信を行っている移動局は移動局414からの干渉の影響により、通信品質の劣化や通信の切断を生ずることになる。
この干渉を防ぐために、この実施形態においては、移動局414からの送信を停止させる。この無線通信システムでは、受信品質が劣化した状態が継続した場合に無線回線を切断する機能を持っている。例えば、第7図に示した移動局の構成においては、ベースバンド処理部750で受信品質を、例えば受信信号の誤り検出における誤りを率常時測定して、誤り率がある値以上となったときに受信品質がある値以下となったと判断して通信を停止する(例えば回線を切断する)。あるいはまた、第7図の復調器741において受信SIRの測定を行い、受信SIRが予め定めた値以下となったときに通信を停止することもできる。受信品質を監視して通信を停止すること自体は従来の無線通信システムが通常有している機能であり、本発明では、この機能を利用して、移動局414の送信を停止させる。以下に、第11図を用いて実施形態1の動作を説明する。
第11図では、第8図と同様に、移動局414が基地局422に対して干渉を与えている。ここで、基地局422から移動局414の受信周波数に対して干渉波を送信する。移動局414に対する基地局412からの送信電力を、30dBmとし、拡散利得=20dB、移動局414における干渉電力を−105dBmとする。移動局414における受信SIRは、−115dBm−(−105dBm−20dB)=10dBとなる。基地局412から、移動局414への最大送信電力が35dBm、移動局414における受信SIRが3dB以下で通信を切断すると仮定する。このとき、基地局422から移動局414の受信周波数に対して干渉波を送信する。
基地局422から、例えば、−10dBmの干渉波を送信した場合、移動局414での干渉電力は−90dBm増加し、受信SIRは−5dB以下となる。基地局412からの送信電力を増加して最大送信電力としても、受信SIRは0dB以下となり、通信は切断される。よって、移動局414から基地局422への干渉は停止し、基地局422での受信品質は保証される。
基地局から干渉波を送信するための構成の一例を以下に示す。前述のように、隣接周波数への漏洩電力は装置の大きさに反比例する。基地局は移動局に比べて装置の大きさに対する要求条件が厳しくないので、一般に、装置の大きさをある程度許容して、隣接周波数への漏洩電力を小さく抑えている。しかしながら、実施形態1においては、隣接周波数に対して干渉波を送信する必要があるから、第6図に示した基地局における送信アンプ637の歪み特性、送受共用器620内の送信フィルタ特性、BPF634の特性を変えて隣接周波数において所要の干渉電力を送信できるようにする。
このように、実施形態1においては、隣接の移動局における受信周波数(隣接周波数)において、基地局から自己の使用周波数の送信電力に比例した漏洩電力を常時送信する。
(実施形態2)
実施形態1においては、隣接の移動局受信周波数において、基地局から上述したような大きさの漏洩電力を常時送信する。しかし、隣接の移動局受信周波数に対する干渉を与えるために任意所望の大きさの電力を送信することの容易な構成を第12図に示す。第12図において、第6図に示した基地局の構成に送信機800を追加する。これにより、自己の使用周波数の送信電力に依存せずに、隣接の移動局受信周波数帯域に干渉を与える適切な大きさの電波を送信することができる。第12図において、第6図と同様の個所には同一の参照番号を付す。
第12図において、送信機800は、雑音発生器810、混合器812、およびバンドパス・フィルタ814を有する。雑音発生器810で発生した雑音は、混合器812でIF用発振器633′からの信号により中間周波数に変換される。すなわち、IF用発振器633′は、自己の使用周波数と隣接移動局における受信周波数との差分(第5図の場合、基地局422と基地局412との送信周波数の差分)だけずれた周波数も発振することができる。そこで、BPF814の通過帯域は、BPF634の通過帯域からこの差分だけずらした帯域とする。BPF814の出力を、混合器635およびRF用発振器636により、隣接移動局の受信周波数の信号に変換して、送信アンプ637、送受共用器620、およびアンテナ610を介して送信する。送信アンプ637および送受共用器620中の送信フィルタは、実施形態1で述べたように、隣接周波数に対して送信できる特性を有する。
このように、基地局に第2の送信機800を設けることにより、移動局に対して、干渉を与えて送信を停止させるのに適切な大きさの隣接移動局受信周波数における干渉波の送信が容易に可能となる。
(実施形態3)
実施形態1および2では、隣接移動局の受信周波数においてにある大きさの干渉波を基地局から常時送信している。これに対し、第13図に示す実施形態3においては、必要なときに隣接移動局の受信周波数において干渉波を送信する。
第13図は、第12図に示した基地局に、隣接周波数における受信信号のレベル測定用受信機920を付加した基地局である。第13図において、第12図と同様の個所には同一参照番号を付す。
第13図において、レベル測定用受信機920のバンドパスフィルタ(BPF)922は、RF用発振器646および混合器645で中間周波数に変換された受信信号を受けて、隣接周波数の信号を取り出す。その信号をIF用発振器643′および混合器924でベースバンドの信号に変換する。IF用発振器643′は隣接周波数分だけずれた周波数も発信できる。混合器924の出力を復調器926で復調してレベルを測定し、そのレベルをレベル判定部928で予め定めたレベルと比較する。比較した結果、受信した隣接周波数における受信信号のレベルが高いときには、送信機800を作動させる。送信機800からは、前に説明したように、隣接周波数帯に対して適切なレベルの干渉波が送信される。
第13図において、例えば、移動局から送信が行われる際に隣接周波数への漏洩電力が送信電力に比べて40dB小さいとすると、隣接周波数の受信レベルから40dB小さい干渉電力が受信周波数での信号に加わることになる。従って、基地局における隣接周波数からの干渉電力の許容値を−100dBmとした場合、上記のレベル測定用受信機920において、隣接周波数の受信レベルが−60dBmを超えたことが判定されたときに、この基地局は、送信機800から隣接周波数に対する干渉波の送信を行う。この送信した干渉波の干渉により、移動局の隣接周波数での通信が終了し、従って、隣接周波数からの干渉電力は小さくなる。
(実施形態4)
実施形態3においては、基地局において隣接周波数のレベルを、隣接周波数帯における受信レベルを測定する受信機を設けるのに対して、第14図に示す実施形態4においては、このようなレベル測定用受信機を設けることなく、干渉のレベルを推定できる構成とする。
実施形態4の基地局は、第14図に示すよう構成される。第14図において、第12図と同様の個所には同一の参照番号付与する。第14図において、復調器641においては、干渉レベルを測定する。測定された干渉レベルは、レベル判定部928′で以下に説明するようにレベルの判定を行う。レベル判定の結果、隣接周波数を用いて通信している移動局からの干渉があると判明したときは、送信機800を作動させて隣接周波数における干渉波の送信を開始する。これにより、干渉を起こしている移動局の送信を停止させる。これを第15図を用いて詳しく説明する。
さて、第15図において、基地局422は移動局424,426および428と通信を行っている。CDMA無線通信システムでは干渉を小さくするために、基地局での受信レベルが過剰にならないように送信電力制御を行っている。例えば、基地局422における合計の受信レベルは、熱雑音レベル+10dBまでに抑えるように制御しているものとする。従って、干渉レベルの測定結果が熱雑音レベル+10dBを超えた場合は他の無線通信システムからの干渉と予想される。例えば、第15図において、他の無線通信システムに属する移動局414から基地局422に対して大きな干渉を与える場合、基地局422での干渉レベルは熱雑音レベル+10dBを上回ることになる。従って、この+10dBを上述のレベル判定の基準とすることで、隣接周波数帯を用いている移動局からの漏洩電力を推定できる。
基地局422は、このように干渉レベルを測定することで、隣接周波数において干渉波を送信することができる。この干渉により、隣接周波数での移動局414の送信を終了させ、その結果、隣接周波数からの干渉電力は小さくなる。
(実施形態5)
実施形態1〜4においては、基地局からの干渉波発生により、隣接周波数を用いて通信を行っている移動局の送信を停止させている。これに対し、実施形態5においては、隣接周波数で通信を行っている基地局に対して移動局が干渉を与えていることをこの移動局により検知して、送信を停止する。
第8図および第11図に示している状態においては、移動局414は基地局422に対して大きな干渉を与える。基地局422から移動局414への受信周波数における漏洩電力を第16図に示すように仮定し、基地局422からの全送信電力を40dBmと仮定し、さらに伝搬損失80dBを考慮すると、移動局414における隣接周波数の受信レベルは、−100dBm(=40dBm−60dB−80dB)となる。例えば、許容干渉レベルが−110dBmのときには、移動局414は送信を停止する必要がある。
移動局において測定する隣接周波数の上述の許容干渉レベルMS_LEVは、以下のように決定することができる。
(数1)
MS_LEV=BS_POW−BS_ATT+BS_LEV+MS_ATT−MS_POW
ここで、
MS_LEV:移動局で測定する隣接周波数の許容干渉レベル
BS_POW:基地局のトータル送信電力
BS_ATT:基地局送信電力に対する隣接周波数漏洩電力の減衰量(>0)
BS_LEV:基地局での隣接周波数からの許容干渉レベル
MS_ATT:移動局送信電力に対する隣接周波数漏洩電力の減衰量(>0)
MS_POW:移動局の送信電力
このように、MS_LEVを決定すれば、移動局で測定した隣接周波数受信レベルにより基地局での干渉レベルを推定して、送信停止の判定を行うことができる。
以上の原理に従って、移動局において隣接周波数の受信レベルを測定する例を第17図に示す。第17図において、第7図と同様の個所には同一の参照番号を付する。
第17図において、RF用発振器746および混合器745で中間周波数に変換された受信信号は、隣接周波数受信機930に入力される。この隣接周波数受信機930において、バンドパス・フィルタ932、IF用発振器743′、および混合器934で隣接周波数の信号を取り出す。この信号を復調器936に供給して、その信号のレベルを測定し、レベル判定部938で上述のレベル判定を行う。その判定出力をベースバンド処理部750に供給して、この判定結果によって、移動機からの送信を停止するか否かを決定する。
この構成によれば、隣接周波数を用いる移動局からの漏洩電力によって基地局に与えられる干渉を低減することができる。
(実施形態6)
第18図に示す実施形態6は、実施形態5と同様に、隣接する周波数帯で通信している基地局に対する干渉を移動局において推定して、自己の送信を停止する。実施形態5では、隣接周波数の信号を受信する受信機が必要であったが、実施形態6においては、移動局は待機中もしくは通信中に受信を行う必要がない場合に、隣接する周波数の信号を受信して、基地局に対する干渉をその移動局自体で推定する。第18図において、第7図と同様の個所には同一の参照番号を付する。
第18図の移動局において、待機中もしくは通信中に受信を行う必要がない場合に、ベースバンド処理部750′からの命令により、バンドパス・フィルタ744′の通過周波数帯およびおよびIF用発振器743″の発信周波数を変更することにより、受信周波数を自己の使用周波数から隣接周波数に変更する。復調器741においては、受信した隣接周波数の信号の受信レベルを測定する。その測定結果をベースバンド処理部750′に供給してこの測定結果によって移動局63からの送信を停止するか否かを判断する。
実施形態1〜6においては、2つの無線通信システム間の干渉回避の場合を例にとって本発明を説明したが、3つ以上の無線通信システムが混在した場合にも本発明を適用できる。あるいはまた、1つの無線通信システム内にそれぞれが異なる周波数を使用するマイクロセル層とマクロセル層とが存在し、マイクロセルとマクロセルとの間でのハンドオーバ(通信中の無線チャネル切替)ができない場合の、マイクロセルとマクロセルとの間の干渉回避にも本発明を適用できる。
産業上の利用可能性
以上説明したように、本発明によれば、1つまたは複数の無線通信システムが同一地域に混在した場合に、他システムの移動局からの上り干渉を抑制するために、その干渉の原因となる移動局の送信を停止することができる。
従って、本発明によれば、ガードバンドを設けることなく他システムの移動局からの干渉を防ぐことができ、よって、通信品質を劣化させることなく周波数の利用効率を高めることができる。
Claims (11)
- 少なくとも1つの基地局と少なくとも1つの移動局とからなる無線通信システムが同一地域に2つ以上存在し、各無線通信システムは互いに異なる周波数を使用し、移動局は通信中に1つの無線通信システムに属し、移動局が帰属する無線通信システムを通信中に変更することができない無線通信システムにおいて、
前記移動局は、第1の無線通信システムの第1の基地局との通信を監視する手段を有し、
第2の無線通信システムの第2の基地局は、前記第1の無線通信システムの周波数において干渉波を送信する手段を有し、
前記移動局は、前記干渉波の下で前記第1の基地局からの下り回線の受信品質を監視し、監視されている受信品質が許容値より低下する場合には、前記第1の基地局への送信を停止する手段を有することを特徴とする無線通信システム。 - 請求項1記載の無線通信システムにおいて、前記第2の基地局からの干渉波の送信は、漏洩電力を用いて行うことを特徴とする無線通信システム。
- 請求項1記載の無線通信システムにおいて、前記第2の基地局は、干渉波の送信を行う干渉波送信機を具備したことを特徴とする無線通信システム。
- 請求項1または3記載の無線通信システムにおいて、
前記第2の基地局は、前記第1の無線通信システムの周波数における上り受信レベルを測定する受信機と、
該受信機において前記第1の無線通信システムの周波数における前記上り受信レベルが許容レベル以上となった場合にのみ、前記第1の無線通信システムの周波数において干渉波を送信する手段と
を具備したことを特徴とする無線通信システム。 - 請求項1または3記載の無線通信システムにおいて、
前記第2の基地局は、前記第2の無線通信システムの周波数帯における上り干渉レベルを測定する手段と、
前記上り干渉レベルが許容レベル以上となった場合にのみ、前記第1の無線通信システムの周波数において干渉波を送信する手段と
を具備したことを特徴とする無線通信システム。 - 少なくとも1つの基地局と少なくとも1つの移動局とからなる無線通信システムが同一地域に2つ以上存在し、各無線通信システムは互いに異なる周波数を使用し、移動局は通信中に1つの無線通信システムに属し、移動局が帰属する無線通信システムを通信中に変更することができず、かつ、前記移動局は第1の無線通信システムの第1の基地局からの下り回線の受信品質を監視し、その受信品質が許容値より低下する場合には、前記第1の基地局への送信を停止する無線通信システムにおける第2の無線通信システムの第2の基地局において、
前記第1の無線通信システムの周波数において干渉波を送信することを特徴とする基地局。 - 少なくとも1つの基地局と少なくとも1つの移動局とからなる無線通信システムが同一地域に2つ以上存在し、各無線通信システムは互いに異なる周波数を使用し、移動局は通信中に1つの無線通信システムに属し、移動局が帰属する無線通信システムを通信中に変更することができない無線通信システムにおいて、
前記移動局は、第1の無線通信システムの第1の基地局との通信を監視する手段と、
第2の無線通信システムの第2の基地局からの下り回線の受信レベルを測定する手段と、
測定された受信レベルが許容レベル以上の場合には、前記第1の基地局への送信を停止する手段と
を具備したことを特徴とする無線通信システム。 - 少なくとも1つの基地局と少なくとも1つの移動局とからなる無線通信システムが同一地域に2つ以上存在し、各無線通信システムは互いに異なる周波数を使用し、移動局は通信中に1つの無線通信システムに属し、移動局が帰属する無線通信システムを通信中に変更することができない無線通信システムにおける移動局において、
第1の無線通信システムの第1の基地局との通信を監視する手段と、
第2の無線通信システムの第2の基地局からの下り回線の受信レベルを測定する手段と、
測定された受信レベルが許容レベル以上の場合には、前記第1の基地局への送信を停止する手段と、
を具備したことを特徴とする移動局。 - 請求項8記載の移動局において、前記測定する手段は、待機中および通信中において、受信を行う必要がない間に前記第1の無線通信システムの周波数と前記第2の無線通信システムの周波数とを切り替えて、前記第2の基地局からの下り回線の受信レベルを測定することを特徴とする移動局。
- 少なくとも1つの基地局と少なくとも1つの移動局とからなる無線通信システムが同一地域に2つ以上存在し、各無線通信システムは互いに異なる周波数を使用し、移動局は通信中に1つの無線通信システムに属し、移動局が帰属する無線通信システムを通信中に変更することができない無線通信システム間での干渉を回避する方法において、
前記移動局は、第1の無線通信システムの第1の基地局との通信を監視し、
第2の無線通信システムの第2の基地局は、前記第1の無線通信システムの周波数において干渉波を送信し、
前記移動局は、前記干渉波の下で前記第1の基地局からの下り回線の受信品質を監視し、および、その受信品質が許容値を下回る場合には、前記第1の基地局への送信を停止する
ことを特徴とする干渉回避方法。 - 少なくとも1つの基地局と少なくとも1つの移動局とからなる無線通信システムが同一地域に2つ以上存在し、各無線通信システムは互いに異なる周波数を使用し、移動局は通信中に1つの無線通信システムに属し、移動局が帰属する無線通信システムを通信中に変更することができない無線通信システム間での干渉を回避する方法において、
前記移動局は、第1の無線通信システムの第1の基地局との通信を監視し、第2の無線通信システムの第2の基地局からの下り回線の受信レベルを測定し、および測定された受信レベルが許容レベル以上の場合には、前記第1の基地局への送信を停止することを特徴とする干渉回避方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13902698 | 1998-05-20 | ||
JP1998139026 | 1998-05-20 | ||
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Publications (2)
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