JP3872064B2 - 誘蛾灯装置 - Google Patents
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Description
更に、近年の健康指向が高まりもあって、殺虫剤が散布されて残留農薬の懸念のある果実や野菜は嫌われつつある。
しかし、殺虫剤を散布しない場合には、果実や野菜が害虫の食害に晒され、食害された果実や野菜は著しく商品価値の低いものとなる。
一方、果実や野菜等の食害は、夜間に飛翔する蛾の幼虫に因るものが大半であるため、果実や野菜に産卵する蛾を退治することによって、殺虫剤の散布を可及的に減少できる。
この様に、夜間に飛翔し果実や野菜に産卵する蛾等の虫を退治する手段には、下記特許文献1に提案されている蛍光ランプを具備する誘蛾灯装置を好適に用いることができる。
かかる誘蛾灯装置を用いることによって、果樹園や野菜畑等の殺虫剤の散布を可及的に減少できる。
図4に示す誘蛾灯装置を、果樹園や野菜畑等の害虫駆除用として用いる場合、水槽100及び蛍光ランプ104が大型化し、その移動が困難となるため、一箇所に固定して用いることになる。
一方、誘蛾灯装置に飛翔する蛾等の種類や量は、設置された場所の天気、温度、風向きや湿度等の自然条件によって異なり、誘蛾灯装置の設置位置を移動して調整することが必用となる。
しかしながら、図4に示す誘蛾灯装置では、水槽100、支持部材102及び蛍光ランプ104が一体に設けられており、水槽100に貯留されている捕集液101を抜き出してから移動することを要する。このため、誘蛾灯装置の移動の都度、水槽100からの捕集液101の抜出作業及び水槽100への捕集液101の補充作業をしなければならず、水槽100、支持部材102及び蛍光ランプ104が一体に設けられていることから、抜出作業及び補充作業も極めて面倒である。
従って、図4に示す誘蛾灯装置では、当初に設置した場所から移動しないて使用することが普通である。
そこで、本発明の課題は、天気、温度、風向きや湿度等の自然条件に合わせて最適位置に設置できるように、移動容易な誘蛾灯装置を提供することにある。
すなわち、本発明は、夜間に飛翔する蛾等の虫を誘引する誘蛾灯として、地面に対して垂直となるように配設された細長い蛍光ランプが用いられた誘蛾灯装置であって、該誘蛾灯装置には、前記蛍光ランプの光りに誘引されてきた虫を捕集する捕集液が貯留された捕集槽と、前記蛍光ランプの下方に前記捕集槽が載置し得る空間が形成されるように、前記蛍光ランプを垂下する架台とを具備し、前記架台として、折り畳んで運搬できる架台であって、その先端部に設けられた板状部材に、一端部が折畳可能に装着された複数本の足の各他端が地面に当接して立設されたとき、蛍光ランプが装着される装着部材が前記板状部材から垂下されている架台が用いられていることを特徴とする誘蛾灯装置にある。
また、蛍光ランプの点灯し消灯する時間を制御するタイマーを設けることによって、蛾等の虫が行動する時間帯に蛍光ランプを点灯でき、省エネルギーを図ることができる。
かかる蛍光ランプを、太陽電池で発電された電力を蓄電する蓄電池から送電される電力で点灯することによって、近くの電源から誘蛾灯装置まで送電線を配設することを要せず、誘蛾灯装置を最適箇所に設置できる。
この太陽電池を、架台の先端部に設置されている太陽電池用パネルに配設すると共に、蓄電池を、前記架台に設置された蛍光ランプの近傍に設けることによって、送電線を新たに引き回すことなく誘蛾灯装置を最適箇所に更に容易に移動できる。
この様に、架台及び蛍光ランプと捕集槽とは別体に設けられているため、誘蛾灯装置を移動する際には、架台及び蛍光ランプと捕集槽とに分けて搬送できる。
このため、捕集槽の移動の際に、捕集液が貯留されている捕集槽が重い場合には、捕集槽から捕集液を容易に抜き出すことができ、移動した捕集槽に捕集液を容易に補充できる。
更に、架台は、折り畳んで運搬できる架台であって、その先端部に設けられた板状部材に、一端部が折畳可能に装着された複数本の足の各他端が地面に当接して立設されたとき、蛍光ランプが装着される装着部材がこの板状部材から垂下されている架台であり、この架台を軽量化でき、容易に運搬できる。
したがって、本発明に係る誘蛾灯装置は、その移動が容易であるため、天気、温度、風向きや湿度等の自然条件に合わせて最適位置に設置できる。
かかる架台は、三本の足10,10,10の各他端が地面に当接して立設されたとき、板状部材12から装着部材16が垂下される。この装着部材16の下端部と、足10,10,10の中途部との間には、ワイヤ18,18,18が張られており、風等に因る装着部材16の振れを防止している。
かかる装着部材16には、二本の蛍光ランプとしての細長いブラックライト14,14が装着されており、ブラックライト14,14が架台から垂下されている
かかるブラックライト14,14は、装着部材16に装着されたコンセント20と電線22,22によって接続されている。このため、近くの電源から配設された送電線をコンセント20に接続することによって、ブラックライト14,14は点灯可能である。
この様に、架台から垂下されたブラックライト14,14の下端と地面との間には空間部が形成され、この空間部には、台28に載置された捕集槽26が配設されている。この捕集槽26内には、ブラックライト14,14の近紫外線に誘われてきた蛾等の虫を捕集する捕集液が貯留されている。捕集液は、石鹸水や油が混入された水でよく、水だけであってもよい。
ブラックライト14,14の下端と捕集液の水面との距離は、ブラックライト14,14を旋回しつつ降下する蛾等の虫が捕集液に接触して捕集され易い距離に調整することが好ましく、通常、10〜5cm程度とすることが好ましい。
また、図1に示す誘蛾灯装置では、近くの電源から送電線を配設しているが、誘蛾灯装置を設置する果樹園や野菜畑は人家等から離れており、近くに電源がない場合もある。この場合、図2に示す誘蛾灯装置を用いることができる。
図2に示す誘蛾灯装置について、図1に示す誘蛾灯装置と同一部材は、図1と同一番号を付して詳細な説明を省略する。
図2に示す誘蛾灯装置では、ブラックライト14,14の電源として、架台の先端部に設けられた板状部材12に設置された太陽電池用パネル30に配設された太陽電池によって日中発電された電力を蓄電する蓄電池32を用いる。この蓄電池32は、捕集槽26が載置されている台28内に設けられており、蓄電池32とコンセント20とを送電線で接続することによってブラックライト14,14は点灯可能となる。このため、誘蛾灯装置から離れた電源から送電線を配設ことを要せず、果樹園や野菜畑の最適位置に誘蛾灯装置を設置できる。
また、図1及び図2に示すブラックライト14,14は、防雨構造とすることによって雨天でも使用できる。
図1に示す誘蛾灯装置のブラックライト14,14の各々に、20Wのブラックライトを用い、ブラックライト14,14の点灯時間を日没から4時間とした。
翌日、捕集槽26内に捕集されている虫の数及びオオタバコガの数を調査した。この調査は、平成13年8月12日、9月8日、10月7日、10月22日及び11月17日に行ない、捕集槽26内に捕集されている虫の数を下記表1に示すと共に、捕集されたオオタバコガの数を図3(a)に示す。
事実、誘蛾灯装置を設置したりんご園では、誘蛾灯装置から半径100mの範囲内では、この範囲を越える場所に植えられたりんごに比較して、オオタバコガの幼虫に因る被害を著しく軽減できた。
更に、オオタバコガ以外にも多種類の蛾等の虫が捕集されており、かかる虫によるりんごの被害を防ぐことができる。このため、りんご園に散布する殺虫剤量を著しく減少できる。
12 板状部材
14 ブラックライト
16 装着部材
20 コンセント
22 電線
24 タイマー
26 捕集槽
28 台
30 太陽電池用パネル
32 蓄電池
Claims (5)
- 夜間に飛翔する蛾等の虫を誘引する誘蛾灯として、地面に対して垂直となるように配設された細長い蛍光ランプが用いられた誘蛾灯装置であって、
該誘蛾灯装置には、前記蛍光ランプの光りに誘引されてきた虫を捕集する捕集液が貯留された捕集槽と、前記蛍光ランプの下方に前記捕集槽が載置し得る空間が形成されるように、前記蛍光ランプを垂下する架台とを具備し、
前記架台として、折り畳んで運搬できる架台であって、その先端部に設けられた板状部材に、一端部が折畳可能に装着された複数本の足の各他端が地面に当接して立設されたとき、蛍光ランプが装着される装着部材が前記板状部材から垂下されている架台が用いられていることを特徴とする誘蛾灯装置。 - 蛍光ランプが、紫外線を放射するブラックライトである請求項1記載の誘蛾灯装置。
- 蛍光ランプの点灯し消灯する時間を制御するタイマーが設けられている請求項1又は請求項2記載の誘蛾灯装置。
- 蛍光ランプを点灯する電力が、太陽電池によって発電された電力を蓄電する蓄電池から送電される請求項1〜3のいずれか一項記載の誘蛾灯装置。
- 太陽電池が、架台の先端部に設置されている太陽電池用パネルに配設されていると共に、蓄電池が、前記架台に設置された蛍光ランプの近傍に設けられている請求項4記載の誘蛾灯装置。
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