JP3868392B2 - Atp7aを用いたスルフヒドリル基の酸化方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スルフヒドリル基の新規な酸化方法に関する。特に、P型ATPaseであるATP7Aの銅結合ドメインにより触媒されるスルフヒドリル基の銅イオンを介したジスルフィドへの新たな酸化方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
ヒトの毛髪等におけるケラチンタンパク質の分子間シスチン結合(S-S結合)は、ケラチン繊維の正常な形状及び強度を維持するのに極めて重要である。例えば、シスチン結合の減少は、毛髪の損傷、例えば毛髪表面の滑らかさの喪失を招き、毛髪繊維の強度を低下させる(例えば、非特許文献1参照)。特に、毛髪タンパク質はシスチン結合で高度に架橋され、脱水状態にあるため、既に自己増殖できない状態となっている。よって、一旦損傷を受けると自ら修復することはできない(非特許文献2参照)。
ところが、ヒト毛髪にパーマネントウェーブ処理を施した後にケラチンタンパク質の分子間S-S結合は減少する。これは、還元過程で生成された全てのSH基が酸化過程で完全に再結合されず、毛髪中にSH基が酸化されずに残るからである。また、紫外線及び空気中に存在する還元剤もケラチンタンパク質中のS-S結合を還元してSH基を生成させ得る。
【0003】
スルフヒドリル基(-SH基)からジスルフィド結合を形成させる従来の酸化方法としては、過酸化水素(H2O2)又はホウ酸ナトリウム(NaBrO3)等の酸化剤を使用する方法が一般的であった。これらの従来の酸化剤は非常に強い酸化力を有するため身体に刺激性であることが多く、動物繊維に損傷を与える場合があった。例えば、これらの酸化剤により、メラニン粒子の破壊によって生じるヒト毛髪色の変化及びシステイン(HOOC-CH(NH2)-CH2-SH)のシステイン酸(HOOC-CH(NH2)-CH2-SO3H)への酸化による毛髪繊維の変性等が生じていた。従って、これら従来の酸化剤の身体への使用、特に毛髪用化粧品での使用は、パーマネントウェーブ剤及び染毛剤に限られていた。
【0004】
我々は、ヒトの毛髪等の動物繊維の角化領域に存在するケラチンタンパク質におけるR-SHからS-Sへの酸化システムに着目して鋭意研究を進めてきた。
銅は、様々な物質の酸化における良好な触媒として広く知られた金属イオンであり、種々の酵素の重要な補因子、例えば、メラノサイトにおけるチロシナーゼの補因子としても作用する。銅の異常はメラニン生合成を阻害して白髪を発生させ、チロシナーゼを不活性化させる。
一方、ATP7Aタンパク質はP型の銅輸送性ATPアーゼとして知られている。このATP7Aは、膜を8回貫通するタンパク質であり、幾つかの機能的ドメイン、例えば、N-末端の6つの銅結合ドメイン、ホスファターゼドメイン、リン酸化ドメイン等を有している。胃腸管におけるATP7Aの機能不全は、メンケス病と呼ばれる全身性の銅欠乏症として顕現し胎児初期での死亡をもたらす。この疾患の特徴の一つは異常な縮れ毛であり、ケラチン中間繊維におけるS-S架橋の著しい減少をともなっている。この事実は、銅が毛髪発生における角質化に関与することを示唆している。しかし、生理学的環境では、遊離した銅イオンの酸化還元能力が無作為に作用することを避けるために銅は厳しく捕捉されるべきであることも知られている。従って、毛包で発現される特定の銅結合性タンパク質は発育に関与している可能性がある。
【0005】
【非特許文献1】
内藤幸雄, 繊維学会誌, 第53巻, 12-19頁 (1992年)
【非特許文献2】
内藤幸雄、「機能性化粧品の開発」、高橋雅夫監修、シーエムシー、第161頁(2000年)
【0006】
我々は、全長ATP7Aタンパク質自体が内毛根鞘(IRS)では発現されるが毛細管の存在する毛乳頭細胞では発現されないことを初めて見出した(図1)。この発見は、ATP7Aが、細胞の毛細管からケラチノサイトへの銅イオン輸送ではなくケラチンタンパク質の角化に関与する機能を有することを示唆している。IRS組織は毛幹を真直ぐな形状に保つ鞘状構造体として機能し、毛幹より早期に角化されることが知られている。従って、メンケス病患者のIRSにおけるATP7A発現の低下は患者のIRSの不完全な角化を招き、その結果として縮れ毛が生ずるという仮説を立てることが出来る。よって、膜から幾分自由な状態にあるN-末端近傍に存在する銅結合ドメインは、毛髪生長において鍵となる分子であると思われる。これらの発見が本発明の基礎をなしている。
【0007】
即ち、本発明は、上記の知見に基づき、ケラチンタンパク質の角化、即ち-SH基からS-S結合の形成に関与すると考えられるATP7Aの銅結合ドメインを利用し、それにより、日常生活において健康な毛髪を維持するために求められていたシステイン残基のシスチンへの穏やかな酸化処理方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
よって本発明は、スルフヒドリル基を有する物質を、ATP7Aの銅結合ドメインの少なくとも2つを含む触媒及びpH7.0における酸化還元電位が0.15Vより高い電子受容体の存在下で銅イオンを介して酸化し、ジスルフィド結合を形成せしめることを特徴とする新規なスルフヒドリル基の酸化方法を提供する。
【0009】
本発明の酸化方法によれば、過酸化水素(H2O2)又はホウ酸ナトリウム(NaBrO3)等の身体に刺激性を示しうる従来の酸化剤を一切使用する必要がない。さらに、酸化反応が生理的環境に近い中性pHで進行するので、例えばパーマネントウェーブ剤等の身体に適用する化粧品に配合することにより極めて穏やかな条件でS-S結合を形成することができ、使用者の身体にとって安全かつ快適である。
【0010】
【発明の実施の形態】
「-SH」で表される構造を有する官能基には、「スルフヒドリル基」、「チオール基」、「システイン残基」等の幾つかの呼称があるが、本明細書においては、これらの用語は互換可能に使用されるものとする。同様に、「ジスルフィド結合」あるいは「シスチン結合」なる語は、ともに「S-S」結合を意味するものとする。
【0011】
本発明の酸化方法は、スルフヒドリル基を有する物質を、ATP7Aの銅結合ドメインの少なくとも2つを含むポリペプチド及びpH7.0における酸化還元電位が0.15Vより高い電子受容体の存在下で酸化して、スルフヒドリル基間にジスルフィド結合を形成させるものである。
本発明の方法により酸化されるスルフヒドリル基を有する物質は、少なくとも1つのスルフヒドリル基を有する物質であれば特に限定されないが、ケラチン物質、特にヒトの毛髪等が好ましい。
【0012】
ヒト由来のATP7Aタンパク質は1500アミノ酸からなる。その全長アミノ酸配列は既に知られており、SwissprotデータベースにQ04656の番号で登録されている。ATP7Aは6つの銅結合ドメインを有していることも知られており、それらは、ATP7Aの全長アミノ酸配列のアミノ酸残基16〜22、179〜185、285〜291、385〜391、496〜502、及び572〜578に存在する。本発明で使用するポリペプチドは、これらのATP7Aタンパク質の銅結合ドメイン(以下、「CuBD」と略記する)の少なくとも2つを含んでいる。
【0013】
上記のCuBDを、N-末端に近いものから順に1番目、2番目、・・・、5番目及び6番目と番号を付すると、本発明のポリペプチドは、好ましくは1番目及び2番目、1番目から4番目、5番目及び6番目といったように少なくとも2つの連続するCuBDを含んでいる。しかしながら、例えば、1番目と3番目、1番目と4番目というように元のATP7Aタンパク質において不連続に存在するCuBDを2つ以上含んでいてもよい。
【0014】
これらのポリペプチドは、例えば、ATP7Aの少なくとも2つのCuBDを含むアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を適当なベクターに組み込み、適切な宿主細胞に導入して発現させ、適宜に生成されたタンパク質を分離精製することにより、インビボで調製することができる。例えば、ヒト293細胞などのATP7Aを発現する事が知られた細胞から、適当なプローブを用いてATP7AのmRNAをつり上げ、当該mRNAを逆転写してcDNAを取得することができる。また、ATP7AのmRNAのヌクレオチド配列はGenBankデータベースにL06133の番号で登録されている。
【0015】
本発明で使用するATP7Aは、ヒト由来のものが好ましいが、本発明で意図する特性を有している限り非ヒト動物に由来するものでもよい。また、使用するATP7Aのアミノ酸配列はゲノム配列と同一でもよいが、本発明で意図する特性を失わない限り、1又はそれ以上の置換、欠失、挿入等の変異を有していてもよい。
所望のポリペプチドの発現に使用する宿主は、大腸菌等の原核生物細胞、あるいは酵母菌や哺乳動物等の真核生物細胞であってよい。使用する宿主細胞に適したベクターは、当業者により容易に選択される。当該ベクターは、ポリペプチドの発現に適するプロモーター配列やシグナル配列等を含んでいてもよく、それらは当業者により過度の実験をすることなく決定され得る。
【0016】
上記のようにして発現されるポリペプチドは、例えば、大腸菌等の原核細胞内に不溶性粒子の形態で生成された場合は、尿素などの細胞溶解剤で処理し、次いでカラム分離及び透析を経て精製される。一方、真核細胞において細胞外に分泌させた場合には、細胞溶解工程を省略することができる。
【0017】
このようにして精製されたポリペプチドは、上述したように、少なくとも2つのCuBDを含んでいる。ATP7Aタンパク質の全長アミノ酸配列(1500アミノ酸長)を有するポリペプチドは水には不溶であることが一般に知られているが、本発明で使用するポリペプチドは水溶性である。例えば、インビボで生成されたポリペプチドが水に難溶であった場合、当該ポリペプチドの一部、好ましくはCuBD以外の部分を親水性基で修飾することによりポリペプチドを水溶性とすることもできる。
【0018】
本発明のポリペプチドは、互いにペプチド結合したアミノ酸のみからなる分子であるのが好ましいが、アルキレン鎖、エステル、エーテル等の他の構造を有していてもよい。例えば、1番目と3番目又は2番目と4番目等の不連続なCuBDを含む分子の場合、各CuBDに相当するアミノ酸配列を有する複数の短鎖ポリペプチドを別々に調製し、それらの短鎖ポリペプチドをペプチド結合以外の化学結合によって結合させて1つの分子としてもよい。そのような分子も本発明におけるポリペプチドに包含されるものとする。
【0019】
例えば、本明細書に記載する配列番号1、2、3又は4で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドは、本発明において好ましく使用されるポリペプチドの例である。配列番号:1は1番目〜4番目のCuBDを含み、配列番号:2は1番目及び2番目のCuBDを含み、配列番号:3は5番目及び6番目のCuBDを含み、そして配列番号:4は1番目〜6番目のCuBDを含んでいる。これらのポリペプチドに関しては、後の実施例において詳述する。
【0020】
上述したようにインビボで調製したポリペプチドは、そのCuBDに、宿主細胞中に微量に存在する銅イオンが結合した状態で得ることができる。即ち、インビボで調製した場合には、精製したポリペプチドに銅イオンを添加することなく、銅イオンを包含した形態のポリペプチドを得ることができる。よって、本発明における「ポリペプチド」は、(インビボで調製された)銅イオンを包含した形態のポリペプチドを意味するものとする。
【0021】
一方、本発明で使用する「ポリペプチド」と同一のアミノ酸配列を有し、銅イオンを包含しない分子は、例えば固相合成を含む化学合成手法を用いてインビトロで合成することも可能である。そのような合成ポリペプチドも、後に銅イオンを添加して銅イオンを包含したものとすることにより、本発明における「ポリペプチド」として使用できる。添加する銅イオンの量は特に限られず、ポリペプチドに含まれるCuBDの数に応じて適宜調節される。
【0022】
次に、本発明で使用されうる電子受容体は、スルフヒドリル基をジスルフィドに酸化することにより自身は還元されたCu(I)イオンから電子を受け取り、Cu(I)イオンをCu(II)イオンに酸化することのできる物質であればよい。
例えば、Cu(I)イオンとCu(II)イオンとの間の可逆的酸化還元反応における平衡電極電位は、pH7.0において0.15Vであることが知られている(「biochemical calculations(生化学計算法)」, IRWIN H. SEGEL著、廣川書店、p463参照)。従って、Cu(I)から電子を受容してCu(II)とすることのできる物質としては、pH7.0における酸化還元電位が0.15Vより高い物質であればよい。
【0023】
上記の条件に合致する物質の例としては、レザズリン(酸化還元電位0.35V)、メチレンブルー(0.53V)、バリアミンブルーB(0.68V)、ジフェニルアミン(0.76V)及びフェロイン(1.06V)等の酸化体と還元体とで色調が著しく変化する物質が挙げられる。その他に、AgCl(0.22V)、Hg2Cl2(0.27V)、K3Fe(CN) 6(0.36V)、I2(0.54V)及びKMnO4(0.36V)等の金属化合物、チトクロムa(0.29V)、チトクロムc(0.22V)及びチトクロムf(0.37V)等の生体関連化合物を挙げることができる。
【0024】
本発明においては、特に、電子受容体としてレザズリンが好ましく使用される。レザズリンは酸化還元指示薬として知られ、酸化体(レザズリン)は青色を呈し還元体(レゾルフィン)は赤色を呈する。レザズリンを含む指示薬は、例えばアラマーブルー(AlamarBlue)という商品名でTrek Diagnostic Systems社から市販されており、特に細胞増殖/細胞毒性の測定等に使用されている。アラマーブルーは、レザズリンの自然還元を防止する添加剤を含有しており、還元反応により青色からピンク色に変化する。このような酸化体と還元体とで異なる色を呈する化合物(例えば酸化還元指示薬)を電子受容体として使用すると、スルフヒドリル基からジスルフィドへの酸化反応の進行が、反応系の色の変化により直接確認できるという付加的な利点がある。
【0025】
本発明の酸化方法にあっては、酸化されるべきスルフヒドリル基を有する物質を、上記ポリペプチド(銅イオンを包含する)及び電子受容体と接触させることにより、スルフヒドリル基からポリペプチドに包含されるCu(II)イオンへの電子移動が起こり、スルフヒドリル基が酸化されてジスルフィド結合が形成され、それと同時にCu(II)イオンはCu(I)イオンに還元される(図2、左側)。次いで、生成されたCu(I)イオンから、共存する電子受容体(酸化型)への電子移動が起こり、Cu(I)がCu(II)に再酸化されると同時に電子受容体が還元型に変換される(図2、右側)。この反応系における電子移動の方向は、図2における左側から右側に向かっている。電子受容体としてアラマーブルーを使用した場合には、この反応が進行することにより溶液全体が青色からピンク色に変化する。
【0026】
本発明の方法においては、スルフヒドリル基からジスルフィドへの酸化によって消費されたCu(II)イオンが、電子受容体への電子移動によって再酸化される。従って、反応が進行してもCu(II)イオンを補充する必要がなく、酸化反応は、酸化されるべき物質あるいは酸化体の電子受容体が枯渇するまで続くことになる(図2参照)。よって、使用するポリペプチド(銅イオンを包含する)の量は少量でも良いが、酸化されるべきスルフヒドリル基に対して少なくとも約1/1000、好ましくは少なくとも約1/500、より好ましくは少なくとも約1/300のモル比とすることができる。また、電子受容体の濃度は、電子受容体の酸化型から還元型への反応に関与する電子数にもよるが、タンパク質中に含まれるスルフヒドリル基の完全な酸化を意図する場合、酸化されるべきスルフヒドリル基に対して少なくとも約1/1(等モル倍)、好ましくは約10/1(10モル倍)、より好ましくは約50/1(50モル倍)比とすることができる。
【0027】
別の態様においては、本発明は、ATP7Aの銅結合ドメインの少なくとも2つを含むポリペプチド及びpH7.0における酸化還元電位が0.15Vより高い電子受容体を含んでなる、スルフヒドリル残基のための酸化剤組成物を提供する。
この酸化剤組成物で使用されうるポリペプチド及び電子受容体は、既に詳細に説明した通りである。
本発明の酸化剤組成物に含まれるポリペプチド量は特に限定されないが、一般的にはCuBDのモル数で、少なくとも約1nmol、好ましくは少なくとも約700pmol、より好ましくは少なくとも約500pmolとする。電子受容体量は特に限定されず、例えば前記の好ましいモル比等を参考にして適宜選択できるが、一般的には少なくとも約20nmol、好ましくは約200nmol、より好ましくは約1000nmolとする。
なお、ポリペプチドを多量に用いる場合には、触媒能を損なわない範囲で、温和な非イオン性界面活性剤を使用してポリペプチドの溶解を促進してもよい。
【0028】
本発明の酸化剤組成物は、中性付近のpHにおいてスルフヒドリル基をジスルフィドに酸化することができる。よって、本発明の酸化剤組成物は、ヒトに適用される毛髪化粧料、特にパーマネントウェーブ剤や毛髪用ケア製品として好ましく使用される。毛髪化粧料として使用する場合には、化粧品で通常使用されている各種の活性成分を更に添加することができる。
【0029】
【実施例】
以下に具体例を示し、本発明を更に詳細に説明する。
(実施例1)
ヒト腎臓293細胞から単離したmRNAを用いた逆転写(RT)-ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法によってATP7AcDNAを得た。ATP7Aタンパク質の8−487アミノ酸(配列番号:1)で表される配列を有するポリペプチド(CuBD(1-4)と命名)に対応するヌクレオチド断片を、制限酵素EcoRIで処理して切り出し、pPRO-EX-HTCベクター(Invitrogen社)にインフレームで結合した。得られた発現ベクターを大腸菌BL21株に導入した。1.5時間の培養の後、大腸菌形質転換体を1mMのイソプロピル-_-D-チオガラクトシドで処理し、さらに5時間培養した。細胞を回収し、バッファーA(10mMのトリス-HCl(pH8.0)、100mMのNaH2PO4、8Mの尿素)中で超音波処理した。得られた粗細胞抽出物をキレートセファロースFFカラム(Amersham-Pharmacia社)に通した。カラムをバッファーB(10mMのトリス-HCl(pH6.3)、100mMのNaH2PO4、8Mの尿素)で洗浄した後、ヘキサ-ヒスチジン-タグCuBD(1-4)をバッファーC(10mMのトリス-HCl(pH4.5)、100mMのNaH2PO4、8Mの尿素)で溶離した。次いでCuBD(1-4)を、4、2、1及び0.5Mの尿素含有及び尿素を含まないトリスバッファー塩水(TBS)(Takara社)で各3時間ずつ透析することにより再構成した。精製したCuBD(1-4)の濃度を、BSAを標準として用いるRC DCプロテインアッセイキット(BIO-RAD社)により見積もった。
【0030】
次いで、24μg(425pmol)のCuBD(1-4)を、20nmolのシステイン残基を含有する10%(v/v)のアラマーブルー溶液(Takara社)に添加し(この溶液を溶液(1)とする)、当該溶液(1)を37℃でインキュベートした。以下の全ての実験と同様にTBS濃度は0.6倍希釈した。その結果、アラマーブルーを含む溶液(1)は、日数が経過するとともに青色からピンク色に変化し、図2に示す酸化反応が進行したことが確認された(図3)。
この溶液(1)の吸収スペクトル(波長400〜700nm)を、インキュベーション開始時、開始から72時間、144時間、240時間及び312時間後に測定し、その結果を図4(A)に示した。このグラフにより、アラマーブルーの酸化体(ピンク色)に相当する573nmにおける吸光度の増加、及び還元体(青色)に相当する603nmにおける吸光度の減少が見られた。
【0031】
(実施例2)
溶液(1)に換えて以下の溶液(2)〜(5)を用いて実施例1と同様の実験を実施した。
溶液(2):溶液(1)からCuBD(1-4)を除いたもの;
溶液(3):溶液(2)に1.7mmolのCuCl2を加えたもの;
溶液(4):溶液(1)に銅イオンのキレート剤であるバソキュプロインジスルホン酸(BCS)10nmolを加えたもの;及び
溶液(5):溶液(3)に10nmolのBCSを加えたもの。
【0032】
上記の溶液(2)〜(5)を、実施例1と同様に37℃でインキュベートし、その吸収スペクトルの変化を測定した。それらの結果を図4の(B)〜(E)(各々、溶液(2)〜(5)に対応)に示す。溶液(2)の結果(図4(B))から、溶液(1)で観察された酸化還元反応が進行するにはCuBD(1-4)が必要であることがわかり、溶液(4)の結果(図4(D))から、その反応が、銅イオンのキレート剤(BCS)の添加により阻害されたことがわかる。また、溶液(3)及び(5)の結果(図4(C)及び(E))から、銅イオンのみでは上記の酸化還元反応は進行せず、それはキレート剤(BCS)の有無に関係ないことがわかる。
【0033】
図4に各溶液毎に示した結果を、各測定時間毎のグラフにまとめたのが図5である。波長603nmにおける吸光度の減少は、CuBD(1-4)を含む溶液(1)及び(4)のみで見られ、波長573nmにおける吸光度の増加はBCSを含まない溶液(1)のみで観察された。
さらに、波長573nm及び波長603nmにおける吸光度の変化のみを図6に示した(各々、図6(A)及び(B))。本発明の酸化剤組成物においてのみ良好に酸化還元反応サイクルが進行していることがわかる。
以上の結果より、図2に示した酸化還元反応サイクルには、CuBD(1-4)に結合した銅イオンの存在が必須であることが明らかにされた。
【0034】
(実施例3)
ATP7Aタンパク質のアミノ酸8−207(配列番号:2)、486−647(配列番号:3)、及び10−647(配列番号:4)に示す配列を有するポリペプチド(各々、CuBD(1-2) 、CuBD(5-6)、及びCuBD(1-6)と命名する)に対応するATP7AcDNA断片をPCR法により増幅した。以下の説明では、CuBD(n-n’)に相当するcDNA断片をCuBD(n-n’)断片と呼ぶ。
【0035】
PCR実験で使用したプライマーDNAのヌクレオチド配列を以下に示す;
1)CuBD(1-2)断片について:
5'-TGG GTG TGA ATT CTG TTA CCA-3'(配列番号:5)及び
5'-GGG TCG ACG TCC AGG GAG ACT TTA A-3'(配列番号:6)
2)CuBD(1-6)断片について:
5'-GGG TCG ACG TTA CCA TTT CTG TTG A-3'(配列番号:7)及び
5'-GGG TCG ACT ATT TCT CGT TTA TGA T-3'(配列番号:8)
【0036】
CuBD(1-2)断片は、EcoRI及びSalIで消化され、CuBD(1-6)断片はSalIで消化された。CuBD(5-6)断片は、CuBD(1-6)断片を制限酵素EcoRI及びSalIで消化して切り出した。次いで、それらをpPRO-EX-HTCベクターにインフレームで結合した。タンパク質発現及び精製を含む以下の操作は、実施例1におけるCuBD(1-4)についての操作と同じである。
【0037】
酸化還元反応の実施においては、900pmolのCuBD(1-2)及びCuBD(5-6)の濃度を900pmolとし、CuBD(1-4)の濃度を450pmolとし、そしてCuBD(1-6)の濃度を300pmolとして、各溶液に含まれるCuBDのモル数を一定にした。即ち、いずれのCuBDを用いた場合にも、系に存在する銅イオン量は1.8nmolとなる。10%(v/v)のアラマーブルー溶液及び25nmolのシステイン残基を含有するタンパク質溶液に各ポリペプチドを添加し、BSC有又は無で、37℃において3日間インキュベートした。3日後の各溶液の吸収スペクトルを図7に示す。4つのペプチドは、いずれも同程度の酸化還元反応が進行し、それはBCSの存在によって阻害された。
【0038】
(実施例4)
ケラチン混合物を次のようにして調製した。40gの精製したウールを、0.4Mのチオグリコール酸溶液(pH11.0、KOHで調節)に、50℃で20分間攪拌しながら溶解させた。尿素を8Mとなるまで添加した後、溶液を30℃で24時間、1mMのEDTAとともにアルゴンガス下で攪拌した。沈殿物を遠心分離で除去した後、上清を10mMのトリス-HClバッファー(pH9.0)に対して、アルゴンガス下で1週間透析した。溶液を再度遠心分離し、得られた上清をケラチン混合物として使用した。
【0039】
ウールケラチンは、約40のシステイン残基を含むことが知られている。実験では、0.5又は1nmolのケラチン混合物(約20又は40nmolのシステイン残基を含む)に10%(v/v)にアラマーブルー溶液を含有せしめて放置するか、500pmolのCuBD(1-4)とともに37℃で2週間インキュベートした。同様に、1nmolのケラチン混合物を500pmolのCuBD(1-4)とともにアラマーブルーの不存在下でインキュベートした。
【0040】
反応生成物をSDS-PAGEで分析した。SDS−PAGE分析は、10%のポリアクリルアミドゲルを用いて実施した。1/20の濃度に希釈した生成物についても分析した。分離したタンパク質は銀染色IIキットWako(Wako社)で染色した。ケラチンのみ、及びアラマーブルー無しの反応を分析した際、ケラチンは非常に不安定で、その殆どが分解してゲルの底部に移動した(図8(A)、レーン3、4、7、8、11及び12)。しかしながら、CuBD(1-4)の存在下では、ケラチンモノマーより高分子量の位置に尾を引く染色が観察された(図8(A)、レーン5及び9)。
これらの結果は、ケラチンタンパク質が本発明の酸化方法に従って酸化重合され、高分子量の物質が生成されるとともにケラチンタンパク質の分解が回避されたことを示唆している。
【0041】
次に、各溶液を還元剤である2-メルカプトエタノールの存在下で煮沸した。その結果、酸化重合に基づく高分子量の物質が還元され、尾を引く染色が減少した(図8(A)のレーン6を5と、レーン10を9と比較されたい)。即ち、上記の高分子量化が酸化反応によるものであることが確認された。
【0042】
次に、ウェスタンブロット分析を実施した。詳細には、SDS−PAGE分析の後、PVDFメンブレンに分離タンパク質をブロットした。これを、5% skim milk/TBST(0.1%-Tween-20)で一晩ブロッキングした。次に、マウス毛のケラチンタイプIタンパク質のN-末端部分に対して生じた抗-ケラチン抗血清(1μg/ml)/TBST(0.1%-Tween-20)に浸し室温下で3時間放置した。Horse Radish Peroxidase標識抗ウサギIgG抗体(40ng/ml)に浸し室温下で2時間処理した後、ECL-plus detection system (Amersham-Pharmacia)で化学発光を検出した。図8(B)に示すように、得られた結果はケラチン分子の酸化的重合を明らかに示している。
【0043】
【配列表】
SEQUENCE LISTING
<110> L’OREAL
<120> Method for Oxidation of Sulfhydryl Group Using ATP7A
<130> JP3500LOR
<160> 8
<210> 1
<211> 517
<212> PRT
<213> homo sapience
<400> 1
Met Ser Tyr Tyr His His His His His His
Asp Tyr Asp Ile Pro Thr Thr Glu Asn Leu
Tyr Phe Gln Gly Ala Met Gly Ile Arg Asn
Ser Val Thr Ile Ser Val Glu Gly Met Thr
Cys Asn Ser Cys Val Trp Thr Ile Glu Gln
Gln Ile Gly Lys Val Asn Gly Val His His
Ile Lys Val Ser Leu Glu Glu Lys Asn Ala
Thr Ile Ile Tyr Asp Pro Lys Leu Gln Thr
Pro Lys Thr Leu Gln Glu Ala Ile Asp Asp
Met Gly Phe Asp Ala Val Ile His Asn Pro
Asp Pro Leu Pro Val Leu Thr Asp Thr Leu
Phe Leu Thr Val Thr Ala Ser Leu Thr Leu
Pro Trp Asp His Ile Gln Ser Thr Leu Leu
Lys Thr Lys Gly Val Thr Asp Ile Lys Ile
Tyr Pro Gln Lys Arg Thr Val Ala Val Thr
Ile Ile Pro Ser Ile Val Asn Ala Asn Gln
Ile Lys Leu Glu Val Pro Glu Leu Ser Leu
Asp Thr Gly Thr Leu Glu Lys Lys Ser Gly
Ala Cys Glu Asp His Ser Met Ala Gln Ala
Gly Glu Val Val Leu Lys Met Lys Val Glu
Gly Met Thr Cys His Ser Cys Thr Ser Thr
Ile Glu Gly Lys Ile Gly Lys Leu Gln Gly
Val Gln Arg Ile Lys Val Ser Leu Asp Asn
Gln Glu Ala Thr Ile Val Tyr Gln Pro His
Leu Ile Ser Val Glu Glu Met Lys Lys Gln
Ile Glu Ala Met Gly Phe Pro Ala Phe Val
Lys Lys Gln Pro Lys Tyr Leu Lys Leu Gly
Ala Ile Asp Val Glu Arg Leu Lys Asn Thr
Pro Val Lys Ser Ser Glu Gly Ser Gln Gln
Arg Ser Pro Ser Tyr Thr Asn Asp Ser Thr
Ala Thr Phe Ile Ile Asp Gly Met His Cys
Lys Ser Cys Val Ser Asn Ile Glu Ser Thr
Leu Ser Ala Leu Gln Tyr Val Ser Ser Ile
Val Val Ser Leu Glu Asn Arg Ser Ala Ile
Val Lys Tyr Asn Ala Ser Ser Val Thr Pro
Glu Ser Leu Arg Lys Ala Ile Val AlaVal
Ser Pro Gly Leu Tyr Arg Val Ser Ile Thr
Ser Glu Val Glu Ser Thr Ser Asn Ser Pro
Ser Ser Ser Ser Leu Gln Lys Ile Pro Leu
Asn Val Val Ser Gln Pro Leu Thr Gln Glu
Thr Val Ile Asn Ile Asp Gly Met Thr Cys
Asn Ser Cys Val Gln Ser Ile Glu Gly Val
Ile Ser Lys Lys Pro Gly Val Lys Ser Ile
Arg Val Ser Leu Ala Asn Ser Asn Gly Thr
Val Glu Tyr Asp Pro Leu Leu Thr Ser Pro
Glu Thr Leu Arg Gly Ala Ile Glu Asp Met
Gly Phe Asp Ala Thr Leu Ser Asp Thr Asn
Glu Pro Leu Val Val Ile Ala Gln Pro Ser
Ser Glu Met Pro Leu Leu Thr Ser Thr Asn
Glu Phe Tyr Thr Lys Gly Met Thr ProVal
Gln Asp Lys Glu Glu Gly Lys Asn Ser Lys
Ala Tyr Val Asp Glu Leu Asn
<210> 2
<211> 234
<212> PRT
<213> homo sapience
<400> 2
Met Ser Tyr Tyr His His His His His His
Asp Tyr Asp Ile Pro Thr Thr Glu Asn Leu
Tyr Phe Gln Gly Ala Met Gly Ile Arg Asn
Ser Val Thr Ile Ser Val Glu Gly Met Thr
Cys Asn Ser Cys Val Trp Thr Ile Glu Gln
Gln Ile Gly Lys Val Asn Gly Val His His
Ile Lys Val Ser Leu Glu Glu Lys Asn Ala
Thr Ile Ile Tyr Asp Pro Lys Leu Gln Thr
Pro Lys Thr Leu Gln Glu Ala Ile Asp Asp
Met Gly Phe Asp Ala Val Ile His Asn Pro
Asp Pro Leu Pro Val Leu Thr Asp Thr Leu
Phe Leu Thr Val Thr Ala Ser Leu Thr Leu
Pro Trp Asp His Ile Gln Ser Thr Leu Leu
Lys Thr Lys Gly Val Thr Asp Ile Lys Ile
Tyr Pro Gln Lys Arg Thr Val Ala Val Thr
Ile Ile Pro Ser Ile Val Asn Ala Asn Gln
Ile Lys Leu Glu Val Pro Glu Leu Ser Leu
Asp Thr Gly Thr Leu Glu Lys Lys Ser Gly
Ala Cys Glu Asp His Ser Met Ala Gln Ala
Gly Glu Val Val Leu Lys Met Lys Val Glu
Gly Met Thr Cys His Ser Cys Thr Ser Thr
Ile Glu Gly Lys Ile Gly Lys Leu Gln Gly
Val Gln Arg Ile Lys Val Ser Leu Asp Val
Asp Glu Leu Asn
<210> 3
<211> 196
<212> PRT
<213> homo sapience
<400> 3
Met Ser Tyr Tyr His His His His His His
Asp Tyr Asp Ile Pro Thr Thr Glu Asn Leu
Tyr Phe Gln Gly Ala Met Gly Ile Arg Asn
Ser Ser Lys Cys Tyr Ile Gln Val Thr Gly
Met Thr Cys Ala Ser Cys Val Ala Asn Ile
Glu Arg Asn Leu Arg Arg Glu Glu Gly Ile
Tyr Ser Ile Leu Val Ala Leu Met Ala Gly
Lys Ala Glu Val Arg Tyr Asn Pro Ala Val
Ile Gln Pro Pro Met Ile Ala Glu Phe Ile
Arg Glu Leu Gly Phe Gly Ala Thr Val Ile
Glu Asn Ala Asp Glu Gly Asp Gly Val Leu
Glu Leu Val Val Arg Gly Met Thr Cys Ala
Ser Cys Val His Lys Ile Glu Ser Ser Leu
Thr Lys His Arg Gly Ile Leu Tyr Cys Ser
Val Ala Leu Ala Thr Asn Lys Ala His Ile
Lys Tyr Asp Pro Glu Ile Ile Gly Pro Arg
Asp Ile Ile His Thr Ile Glu Ser Leu Gly
Phe Glu Ala Ser Leu Val Lys Lys Asp Arg
Ser Ala Ser His Leu Asp His Lys Arg Glu
Ile Val Asp Glu Leu Asn
<210> 4
<211> 679
<212> PRT
<213> homo sapience
<400> 4
Met Ser Tyr Tyr His His His His His His
Asp Tyr Asp Ile Pro Thr Thr Glu Asn Leu
Tyr Phe Gln Gly Ala Met Gly Ile Arg Asn
Ser Lys Ala Tyr Val Asp Val Thr Ile Ser
Val Glu Gly Met Thr Cys Asn Ser Cys Val
Trp Thr Ile Glu Gln Gln Ile Gly Lys Val
Asn Gly Val His His Ile Lys Val Ser Leu
Glu Glu Lys Asn Ala Thr Ile Ile Tyr Asp
Pro Lys Leu Gln Thr Pro Lys Thr Leu Gln
Glu Ala Ile Asp Asp Met Gly Phe Asp Ala
Val Ile His Asn Pro Asp Pro Leu Pro Val
Leu Thr Asp Thr Leu Phe Leu Thr Val Thr
Ala Ser Leu Thr Leu Pro Trp Asp His Ile
Gln Ser Thr Leu Leu Lys Thr Lys Gly Val
Thr Asp Ile Lys Ile Tyr Pro Gln Lys Arg
Thr Val Ala Val Thr Ile Ile Pro Ser Ile
Val Asn Ala Asn Gln Ile Lys Glu Leu Val
Pro Glu Leu Ser Leu Asp Thr Gly Thr Leu
Glu Lys Lys Ser Gly Ala Cys Glu Asp His
Ser Met Ala Gln Ala Gly Glu Val Val Leu
Lys Met Lys Val Glu Gly Met Thr Cys His
Ser Cys Thr Ser Thr Ile Glu Gly Lys Ile
Gly Lys Leu Gln Gly Val Gln Arg Ile Lys
Val Ser Leu Asp Asn Gln Glu Ala Thr Ile
Val Tyr Gln Pro His Leu Ile Ser Val Glu
Glu Met Lys Lys Gln Ile Glu Ala Met Gly
Phe Pro Ala Phe Val Lys Lys Gln Pro Lys
Tyr Leu Lys Leu Gly Ala Ile Asp Val Glu
Arg Leu Lys Asn Thr Pro Val Lys Ser Ser
Glu Gly Ser Gln Gln Arg Ser Pro Ser Tyr
Thr Asn Asp Ser Thr Ala Thr Phe Ile Ile
Asp Gly Met His Cys Lys Ser Cys Val Ser
Asn Ile Glu Ser Thr Leu Ser Ala Leu Gln
Tyr Val Ser Ser Ile Val Val Ser Leu Glu
Asn Arg Ser Ala Ile Val Lys Tyr Asn Ala
Ser Ser Val Thr Pro Glu Ser Leu Arg Lys
Ala Ile Val Ala Val Ser Pro Gly Leu Tyr
Arg Val Ser Ile Thr Ser Glu Val Glu Ser
Thr Ser Asn Ser Pro Ser Ser Ser Ser Leu
Gln Lys Ile Pro Leu Asn Val Val Ser Gln
Pro Leu Thr Gln Glu Thr Val Ile Asn Ile
Asp Gly Met Thr Cys Asn Ser Cys Val Gln
Ser Ile Glu Gly Val Ile Ser Lys Lys Pro
Gly Val Lys Ser Ile Arg Val Ser Leu Ala
Asn Ser Asn Gly Thr Val Glu Tyr Asp Pro
Leu Leu Thr Ser Pro Glu Thr Leu Arg Gly
Ala Ile Glu Asp Met Gly Phe Asp Ala Thr
Leu Ser Asp Thr Asn Glu Pro Leu Val Val
Ile Ala Gln Pro Ser Ser Glu Met Pro Leu
Leu Thr Ser Thr Asn Glu Phe Tyr Thr Lys
Gly Met Thr Pro Val Gln Asp Lys Glu Glu
Gly Lys Asn Ser Ser Lys Cys Tyr Ile Gln
Val Thr Gly Met Thr Cys Ala Ser Cys Val
Ala Asn Ile Glu Arg Asn Leu Arg Arg Glu
Glu Gly Ile Tyr Ser Ile Leu Val Ala Leu
Met Ala Gly Lys Ala Glu Val Arg Tyr Asn
Pro Ala Val Ile Gln Pro Pro Met Ile Ala
Glu Phe Ile Arg Glu Leu Gly Phe Gly Ala
Thr Val Ile Glu Asn Ala Asp Glu Gly Asp
Gly Val Leu Glu Leu Val Val Arg Gly Met
Thr Cys Ala Ser Cys Val His Lys Ile Glu
Ser Ser Leu Thr Lys His Arg Gly Ile Leu
Tyr Cys Ser Val Ala Leu Ala Thr Asn Lys
Ala His Ile Lys Tyr Asp Pro Glu Ile Ile
Gly Pro Arg Asp Ile Ile His Thr Ile Glu
Ser Leu Gly Phe Glu Ala Ser Leu Val Lys
Lys Asp Arg Ser Ala Ser His Leu Asp His
Lys Arg Glu Ile Val Asp Glu Leu Asn
<210> 5
<211> 21
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<400> 5
tgggtgtgaa ttctgttacc a 21
<210> 6
<211> 25
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<400> 6
gggtcgacgt ccagggagac tttaa 25
<210> 7
<211> 25
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<400> 7
gggtcgacgt taccatttct gttga 25
<210> 8
<211> 25
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<400> 8
gggtcgacta tttctcgttt atgat 25
【図面の簡単な説明】
【図1】 毛髪におけるATP7Aの発現を示す図である。
【図2】 本発明の酸化方法における酸化還元反応の機構を示す模式図である。
【図3】 実施例1における溶液(1)の色の変化を示す図である。
【図4】 実施例1及び2における各溶液の吸収スペクトルの時間変化を示すグラフである。グラフ(A)は溶液(1);(B)は溶液(2);(C)は溶液(3);(D)は溶液(4);そして(E)は溶液(5)を示す。各グラフにおける印は、(○)がインキュベーション開始時、(□)が開始から72時間後、(△)が144時間後、(◇)が240時間後、そして(×)が312時間後のデータを示す。
【図5】 実施例1及び2における各測定時の吸収スペクトルを示すグラフである。グラフ(A)はインキュベーション開始時;(B)は72時間後;(C)は144時間後;(D)は240時間後;そして(E)は312時間後のデータを示す。各グラフにおける印は、(○)が溶液(1)、(□)が溶液(2)、(△)が溶液(3)、(◇)が溶液(4)、そして(×)が溶液(5)のデータを示す。
【図6】実施例1及び2における各溶液の(A)波長573nm及び(B)波長603nmにおける吸光度の時間変化を示すグラフである。各グラフにおける印は、(○)が溶液(1)、(□)が溶液(2)、(△)が溶液(3)、(◇)が溶液(4)、そして(×)が溶液(5)のデータを示す。
【図7】 実施例3における、各溶液の72時間のインキュベーション後の吸収スペクトルを示す図である。グラフ(A)はCuBD(1-2);(B)はCuBD(5-6);(C)はCuBD(1-6);そして(D)はCuBD(1-4)のデータを示す。各グラフにおける印は、(○)が各溶液、(×)が各溶液にBCSを添加した場合のデータを示す。
【図8】 実施例4における(A)SDS−PAGE分析及び(B)ウェスタンブロット分析の結果を示す図である。レーン1及び2はインキュベーション前のケラチンタンパク質;レーン3及び4は0.5nmolケラチンタンパク質のみのインキュベーション後;レーン5及び6は0.5nmolケラチンタンパク質とCuBD(1-4)との混合溶液のインキュベーション後;レーン7及び8は1nmolケラチンタンパク質のみのインキュベーション後;レーン9及び10は1nmolケラチンタンパク質とCuBD(1-4)とアラマーブルーとを含む溶液のインキュベーション後;レーン11及び12は1nmolケラチンタンパク質とCuBD(1-4)とを含みアラマーブルー(電子受容体)を含まない試料のインキュベーション後のデータを示す。偶数レーンは分析時に2-メルカプトエタノールによる還元処理有り、奇数レーンは還元処理無しの結果を示す。図中の矢印は、各々タイプIケラチン及びタイプIIケラチンを示す。
Claims (8)
- スルフヒドリル基を有する物質を、ATP7Aの銅結合ドメインの少なくとも連続する2つを含むポリペプチド及びpH7.0における酸化還元電位が0.15Vより高い電子受容体を含有する溶液とともにインキュベートし、それによりスルフヒドリル基を酸化してジスルフィド結合を形成せしめることを特徴とする、スルフヒドリル基の酸化方法。
- 前記ポリペプチドが、インビボで調製されたものである、請求項1に記載の方法。
- 前記ポリペプチドが、配列番号1、2、3又は4で表されるアミノ酸配列を含む、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記電子受容体がレザズリンである、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記スルフヒドリル基を有する物質がケラチン物質である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
- ATP7Aの銅結合ドメインの少なくとも連続する2つを含むポリペプチド及びpH7.0における酸化還元電位が0.15Vより高い電子受容体を含んでなる、スルフヒドリル残基のための酸化剤組成物。
- 前記ポリペプチドが、インビボで調製されたものである、請求項6に記載の組成物。
- 前記ポリペプチドの濃度が少なくとも500pmolである、請求項6に記載の組成物。
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