JP3868048B2 - 物体認識装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、物体認識装置に関し、詳しくは多段ライン型CCDによる距離データに基づいて物体を認識するようにしたものに関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の物体認識装置として、例えば特開平5―52562号公報に示されるように、撮像された画像を複数のウィンドウに分割して、各ウィンドウでの距離に基づいて物体を認識するようにしたものは知られている。すなわち、このものでは、上下方向に配置された1対のイメージセンサにより先行車等の物体を撮像して、その一方のイメージセンサによる画像を表示し、その表示画面を複数のウィンドウに分割してそのウィンドウ毎に物体までの距離を測定し、この距離値を基に目標物体のウィンドウを認識して追尾用ウィンドウを設定し、この追尾用ウィンドウでの距離を測定するようになされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このように物体をその距離に基づいて認識する場合、一定方向に配置された多数のCCDをその配列方向と直交する方向に多段に並設してなる多段ライン型CCDを設け、この多段ライン型CCDに基づいて得られた2次元の距離データから特定の物体を認識するようにすることが考えられる。すなわち、この多段型ラインCCDは、縦横に多数のCCDが配置されたカメラ用等のセンサに対し、CCDを一方向に間引いた構成のものであり、CCDの数が減った分だけ、撮像データ数が少なくなり、演算速度が速くなってコストダウンを図ることができる。
【0004】
しかし、その反面、測距データのばらつきやノイズの影響が大きく、精度の高い距離演算が難しくて正確な物体認識が困難になるという問題があり、特に遠方の物体に対しては顕著であった。
【0005】
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、多段ライン型CCDによる距離データに工夫を凝らすことにより、多段ライン型CCDを用いつつ、高精度の距離演算を行って正確な物体認識を可能とすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的の達成のため、この発明では、多段ライン型CCDにより得られた画像を、上記従来例のようにライン列方向及びウィンドウ方向にそれぞれ分割して各領域について距離を測定し、この各領域及び隣接領域の各測定距離に基づいて各領域毎の距離データの有効ポイント数を求め、この有効ポイント数からライン毎の代表距離を演算して物体を認識するようにした。
【0007】
具体的には、請求項1の発明では、図1に示すように、ウィンドウ方向に沿って配置された多数のCCDからなるCCDラインをウィンドウ方向と直交するライン列方向に多段に並設してなり、画像を輝度情報として捕らえる多段ライン型CCD11を備え、該ライン型CCD11からの輝度信号に基づいて得られた2次元の距離データから特定の物体を認識するようにした物体認識装置が対象である。
【0008】
そして、上記多段ライン型CCD11により得られた画像を上記CCDライン毎にかつウィンドウ方向に複数に分割して各領域について距離を測定する測距手段16と、この測距手段16により測定された各領域毎の距離につき、該領域に隣接する領域の距離との差に基づいて、該各領域の測定距離と隣接領域の測定距離との差がしきい値よりも小さいときに距離データの有効ポイント数を付与する有効ポイント数付与手段25と、この有効ポイント数付与手段25により付与された有効ポイント数に基づき上記ライン毎の代表距離をそれぞれ演算するライン距離演算手段26と、このライン距離演算手段26により演算されたライン毎の代表距離に基づいて物体を認識する物体認識手段20とを備えたことを特徴としている。
【0009】
上記の構成により、まず、測距手段16において、多段ライン型CCD11の画像がライン毎にかつウィンドウ方向に複数に分割されて各領域について距離が測定される。次いで、有効ポイント数付与手段25で、上記測距手段16により測定された領域毎の距離及び隣接領域の距離の差に基づいて各領域毎の距離データの有効ポイント数が付与される。この有効ポイント数は、各領域についての距離データの有効性(信憑性又は信頼性)を判断するもので、領域に隣接する複数の領域の距離データのうち、領域の距離データとの差が所定以下であるデータを持つ隣接領域の数を計数し、同じ物体があれば、ある領域とその隣接領域との各距離データが同等の値になって隣接領域に関連した距離データが測距されることとなり、この状態を距離データの有効性が高いと判断して、大きい有効ポイント数が付与される。
【0010】
さらに、ライン距離演算手段26において、上記有効ポイント数付与手段25により付与された有効ポイント数に基づきライン毎の代表距離が演算され、物体認識手段20において、このライン距離演算手段26により演算されたライン毎の代表距離から物体が認識される。
【0011】
したがって、このように、各領域についての距離データの有効性が隣接領域との関係から有効ポイント数として判定され、この有効ポイント数に基づいてライン毎の代表距離を求めて、その距離から物体を認識するので、測距データのばらつきやノイズ等があっても、その影響を可及的に低減することができ、高精度の距離演算が可能となって正確な物体認識を行うことができる。
【0012】
また、上記有効ポイント数付与手段25は、各領域毎の測定距離と隣接領域の測定距離との差がしきい値よりも小さいときに有効ポイント数を付与するように構成されているので、隣接領域との距離差がしきい値よりも小さいときのみを有効ポイント数の付与によって有効と判断でき、距離演算の精度を高めることができる。
【0013】
請求項の発明では、上記しきい値は、領域の測定距離に応じて可変とする。具体的に、請求項の発明では、しきい値は、領域のライン位置に応じて設定された基準距離値が大きいほど大きくなるように設定する。このことで、遠距離側領域の距離データについてのしきい値を大きくすれば、その距離データの有効ポイント数を増やすことができ、遠距離側の物体についての距離データがばらついても、正確なデータを得ることができる。
【0014】
一方、請求項の発明では、しきい値は、各領域の測定距離と隣接領域の測定距離の距離差の平均値に基づき、該平均値が大きいほど大きくなるように設定する。こうすれば、実際に測定された距離データに応じてしきい値が設定されるので、距離の遠距離側が変化してもそれにしきい値を安定して対応させることができる。
【0015】
請求項の発明では、上記有効ポイント数付与手段25は、付与する有効ポイント数を領域の測定距離に応じて変えるように構成する。具体的には、請求項の発明では、有効ポイント数付与手段25は、隣接領域がウィンドウ方向にあるときの有効ポイント数をライン列方向よりも大きくするように構成する。すなわち、多段ライン型CCD11でのCCDラインが等間隔である場合、遠距離側の領域に含まれるライン数が近距離側領域に比べ少なくなり、近距離側の物体に比べ遠距離側物体が認識され難くなるが、この発明のように、隣接領域がウィンドウ方向にあるときの有効ポイント数をライン列方向よりも大きくすれば、上記少ないライン数であっても有効ポイント数を増加できるので、遠距離側物体を認識する確率を高くすることができる。
【0016】
また、請求項の発明では、有効ポイント数付与手段25は、遠距離側ライン位置での有効ポイント数を近距離側ライン位置よりも大きくするように構成する。この発明でも、上記請求項の発明と同様の効果が得られる。
【0017】
請求項の発明では、有効ポイント数付与手段25は、隣接領域との距離差が所定値よりも小さいときに有効ポイント数を大きくするように構成する。こうすると、物体を認識し易くすることができる。
【0018】
請求項の発明では、有効ポイント数付与手段25は、領域の測定距離が所定値よりも大きいときに有効ポイント数を大きくするように構成する。この発明でも、上記請求項の発明と同様の作用効果を奏することができる。
【0019】
請求項10の発明では、上記請求項5(又は請求項6〜9)の発明とは異なり、有効ポイント数付与手段25は、距離が近距離側及び中距離側にあるときのみ有効ポイント数を付与する処理を行い、遠距離側にあるときには有効ポイント数の付与処理を行わないように構成する。このことで、遠距離側では、測定された距離データの有効性を判断する有効ポイント数の付与処理が行われず、その距離データが有効ポイント数の付与処理によってノイズ等として落とされることなく、そのまま採用されることとなり、この場合でも請求項7の発明と同様の効果が得られる。
【0020】
請求項11の発明では、上記ライン距離演算手段26は、有効ポイント数付与手段25により付与された有効ポイント数がライン代表しきい値よりも大きい領域についてライン毎の代表距離演算を行うように構成する。このことで、ライン毎の代表距離演算は、各領域の有効ポイント数がライン代表しきい値よりも大きいときに行われ、ライン代表しきい値以下のときには行われないので、ライン毎の代表距離を正確に演算することができる。
【0021】
請求項12の発明では、上記ライン代表しきい値は、距離が遠距離側になるほど小さく設定する。こうすると、遠距離側のライン代表しきい値が近距離側よりも小さいので、遠距離側の距離データの取りこぼしを防止でき、遠距離側の距離演算を精度よく行って遠距離側の物体を正確に認識することができる。
【0022】
具体的には、請求項13の発明では、ライン代表しきい値は、遠距離側のライン位置ほど小さくなるようにライン毎に設定する。また、請求項14の発明では、ライン代表しきい値は、測定された距離が大きくなるほど小さくなるように設定する。これらの発明においても、請求項12の発明と同様の作用効果を奏することができる。
【0023】
一方、請求項15の発明では、ライン代表しきい値は、予め設定された検出エリア毎に設定する。このような検出エリアに応じたライン代表しきい値の設定により、所望の検出エリアの距離演算を精度よく行うことができる。
【0024】
請求項16の発明では、上記ライン代表しきい値は、各ライン毎の検出状況に応じて設定する。このことで、ライン代表しきい値が検出状況に応じて変化して設定されるので、距離演算の精度をさらに高めることができる。
【0025】
具体的には、請求項17の発明では、ライン代表しきい値は、各ライン上の領域の最大有効ポイント数に応じて設定する。その場合、請求項18の発明では、ライン代表しきい値は、最大有効ポイント数が大きいほど大きくなるように設定する。こうすると、ライン代表しきい値は、各ライン上の領域の最大有効ポイント数に応じて変化し、最大有効ポイント数が大きいほど大きくなるので、距離演算の精度を高めることができる。
【0026】
一方、請求項19の発明では、ライン代表しきい値は、各ライン上の領域の有効ポイント数の総和に応じて設定する。その場合、請求項20の発明では、ライン代表しきい値は、有効ポイント数の総和が大きいほど大きくなるように設定する。こうすると、ライン代表しきい値が、各ライン上の領域の有効ポイント数の総和に応じて変化し、その総和が大きいほど大きくなるので、距離演算の精度を高めることができる。
【0027】
また、請求項21の発明では、ライン代表しきい値は、各ライン上の領域での距離データの検出頻度に基づいて設定する。この発明では、距離データの検出頻度が高いときに、ライン代表しきい値を大きく設定することができ、このことで距離演算の精度を高めることができる。
【0028】
請求項22の発明では、上記ライン距離演算手段26は、各ライン上の領域の最大有効ポイント数となる距離データを基準として、該距離データから所定距離以上外れた距離データを距離演算に用いないように構成する。こうすれば、各ライン上の領域の最大有効ポイント数となる距離データから所定距離の範囲内にある距離データのみで距離演算が行われるので、高精度の距離演算を行うことができる。
【0029】
請求項23の発明では、上記物体認識手段20は、ライン距離演算手段26により演算されたライン毎の代表距離のデータ数が所定値以上であるときのみに、該ライン毎の代表距離に対応する物体を新規物体として登録するように構成する。こうすれば、新規物体の登録に際し制限を設けることができ、物体以外のノイズ等が誤って物体として登録されるのを抑制することができる。
【0030】
そのとき、請求項24の発明では、上記ライン毎の代表距離データ数と比較する所定値は、遠距離側ほど小さくなるように設定する。こうすれば、遠距離の物体ほど登録し易くすることができる。
【0031】
請求項25の発明では、上記測距手段16の測距特性は、遠距離側ラインを基準として、他のラインを補完するように構成する。すなわち、例えば多段ライン型CCD11の前方に画像の歪みをもたらすガラス等が配置されていると、そのガラス等の測距精度への影響を避ける目的で、ライン毎の測距特性を補正する必要がある。そのために、あるラインを基準にして他のラインを補完するとき、近距離ほど真の距離に対するずれ量が小さいので、この近距離側での距離データはある程度犠牲にしても支障はない。従って、遠距離側ラインを基準とすることで、遠距離側の距離データの有効性を高めつつ、全てのラインの検出精度を良好に補正することができる。
【0032】
請求項26の発明では、上記物体認識手段20は、物体の認識結果に基づいて警報等の信号を出力するように構成する。このことで、認識物体を容易に知ることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
図2は本発明の実施形態に係る物体認識装置を装備した車両C(自動車)を示し、この物体認識装置は、車両Cの左右斜め後側方に位置する他の車両等の物体O(図5、図11、図12に示す)を認識する。
【0034】
図2において、1は車両Cの車体、2は車体1の前後略中央部に形成された車室、3は車体1の前端部に形成されたエンジンルーム、4は車室2の前端部に配置されたインストルメントパネル、5は車室2の後端部にあるパッケージトレイ、6はリヤウィンドガラスである。そして、図3に示すように、上記物体認識装置は、各々物体Oまでの距離を測定するための左右の後側方検知センサ10,10と、この各検知センサ10の出力信号がそれぞれ入力されるコントローラ15と、このコントローラ15からの信号を受けて物体Oの存在をCRTや液晶等により表示する表示装置31、及び同物体Oの危険度を警報する警報装置32とを備えている。そして、図2に示す如く、上記両検知センサ10,10は、上記パッケージトレイ5上の左右両端部にそれぞれ斜め後方を向いた状態で取付固定されている。また、コントローラ15はエンジンルーム3の後端部に、また表示装置31及び警報装置32はインストルメントパネル4にそれぞれ配設されている。
【0035】
図5に示すように、上記各検知センサ10は、所定距離離れて上下方向に配置された上下1対のCCDチップ11,11と、該CCDチップ11,11に対応して配置されたレンズ12,12とを備えている。各CCDチップ11は、上下方向たるウィンドウ方向に沿って配置された多数のCCDからなるCCDラインをウィンドウ方向と直交するライン列方向(水平方向)に多段に並設してなる多段ライン型CCDからなり、この各CCDチップ11によりレンズ12を経て車両Cのリアウィンドガラス6越しに、上下方向に角度θ1の範囲でかつ水平左右方向に角度θ2の範囲(図10、図12参照)にある物体O等の画像を輝度情報として捕らえるようになっている。
【0036】
図4に示す如く、上記各検知センサ10はそれぞれコントローラ15内の測距回路16(測距手段)に接続されている。この各測距回路16は、両CCDチップ11,11での物体像の視差(位相差)を演算する視差演算部17と、この視差演算部17からの信号により物体Oまでの距離を演算する距離演算部18とを備えている。そして、各測距回路16では、図6及び図7に示す如く、各CCDチップ11により捕らえられた画像を、ライン方向(水平方向)にCCDライン毎のn個のラインに分割するとともに、その各ラインをウィンドウ方向(上下方向)にm個のウィンドウに分割して、画像の略全体をm×n個の領域E,E,…で構成し、両方のCCDチップ11,11による画像での同一の領域E,E間の視差を求め、この視差から各領域E毎に物体Oまでの距離を演算する。
【0037】
すなわち、両CCDチップ11,11により捕らえられた画像はいずれも図6に示すようになるが、これら両CCDチップ11,11の画像は同じライン位置(図示例ではラインi)では、図8に示すように、両CCDチップ11,11の上下方向のずれ分だけずれていて視差が生じており、この視差を利用して物体Oまでを測距する。この原理について図9により説明するに、図9の三角形P・O1・Q及び三角形O1・P1・Q1同士、並びに三角形P・O2・Q及び三角形O2・P2・Q2同士はそれぞれ相似形あるので、今、検知センサ10(レンズ12)から物体Oまでの距離をa、両レンズ12,12の中心間の距離をB(定数)、レンズ12の焦点距離をf(定数)、両CCDチップ11,11での物体像のレンズ中心からのずれ量をそれぞれx1,x2とすると、
a・x1/f=B−a・x2/f
となり、この式から、
a=B・f/(x1+x2)
が得られる。つまり、両CCDチップ11,11での物体像の視差(位相差)によって物体Oまでの距離aを測定することができる。
【0038】
尚、図6及び図7におけるG(白点)は、CCDチップ11のCCDに対応するように縦横格子状に配置された測距点(測距ポイント)であり、この測距点Gは各領域Eに含まれている。また、各CCDラインでのウィンドウは、一部が隣接するウィンドウと互いにオーバーラップするように分割されており、上下方向(ウィンドウ方向)に隣接する領域E,Eに同じ測距点G,G,…が含まれている。また、O′は物体の像である。
【0039】
また、図10に示すように、上記各CCDチップ11により捕らえられた画像をライン毎に分割して形成される複数のラインは、車両Cの外側で近距離を測距するライン位置が若い番号とされる一方、車幅方向の中央側で遠距離を測距するライン位置が大きい番号とされ、外側ラインから車幅方向の中央側ラインに向かって番号が順に増加するように番号付けされている。
【0040】
図4に示す如く、上記コントローラ15には、センサ10に基づいて得られた上下方向及び水平方向の2次元の距離データ、つまり各測距回路16からの信号を基に特定の物体Oを認識する物体認識部20と、この物体認識部20の出力信号により物体Oを新規物体かどうか選別する物体選別部21と、この物体選別部21により選別された物体Oが車両C(自車)にとって危険対象物かどうかを判断する危険判断部22とが設けられており、物体認識部20において、物体Oの認識結果に基づいて表示信号を表示装置31に、また警報信号を警報装置32にそれぞれ物体選別部21を経て出力するようにしている。
【0041】
また、コントローラ15は、物体Oを認識する上で本来は物体Oが位置し得ない不要な範囲を除外するレンジカット部24と、測距された各領域毎の距離データと周りの8つの隣接領域との比較(8隣接点処理)を行って有効ポイント数を付与する有効ポイント数付与手段としての8隣接点処理部25と、ライン毎の代表距離を演算するライン距離演算部26と、ガードレールを判定するためのガードレール判定部27と、距離データを物体O毎にグルーピングするグルーピング部28とを備えている。
【0042】
図11は上記レンジカット部24で除外される上下方向のレンジカット範囲Z1を、また図12は同左右方向のレンジカット範囲Z2をそれぞれ示しており、これらのレンジカット範囲Z1,Z2は、ラインの角度とその位置での距離とに基づいて検出される。図12中、Fは車両Cの路面、Mは道路における車両走行車線を設定する路面F上の白線、F1は道路の両側に設置された路側帯、Hはその植込みである。
【0043】
また、上記の如く各検知センサ10は車両Cのリヤウィンドガラス6越しに画像を捕らえるために、そのガラス6の歪み等により正確の距離を測定することが困難となり、視差に応じた距離の関係を補正しておく必要がある。この実施形態では、図40に示す如く、予め遠距離側ラインを基準として設定された、視差に応じた距離の関係を示す1つのマップを記憶しており、この1つのマップから距離を補正する。すなわち、測距回路16での測距特性は、遠距離側ラインを基準として、他のラインを補完するようにしている。
【0044】
さらに、周囲の明るさやウィンドガラス6の汚れ等により、視差に応じた距離の関係を補正しておくために、この実施形態では以下の処理が行われるようになっている。すなわち、周囲の明るさを判定する前者の場合、測距されている距離データの個数Ndata(図36及び図37参照)を演算してそれを全ての領域の数で割ることにより、検出率(測距率)を求め、図41に示すように、この検出率が所定値以上であるときを「昼」状態と、また所定値よりも低いときを「夜」状態とそれぞれ判定する。
【0045】
一方、ウィンドガラス6の汚れ等を判定する後者の場合、路面の白線の位置がセンサ10に対し一定の角度範囲で一定の距離範囲に含まれることを利用し、その白線の測定距離値がばらつき率をもって変化するときには、ウィンドガラス6に雨水等が付着している状態と判定し、一方、白線の測定距離値が絶対値で変化しているときには、ウィンドガラス6に汚れ等が付着している状態と判定するようにしている。
【0046】
上記8隣接点処理部25での8隣接点処理動作は、図13に示すように、ある領域E(i,j)の距離データに対しそれに隣接する周りの8つの隣接領域R1〜R8の距離データの相関性を判断するもので、具体的に図15に示す如く行われる。すなわち、最初のステップS1で、ライン数n及びウィンドウ数mに分割された領域E(i,j)毎の距離データd(i,j)を読み込み、次のステップS2で各領域E(i,j)の有効ポイント数P(i,j)をP(i,j)=0と初期化する。この有効ポイント数P(i,j)は各領域E(i,j)に設定されるもので、この値が大きいほど領域の距離データの有効性が高く、信頼性、信憑性があると判断される。次のステップS3では、全ての領域のうち左右端及び上下端の位置にある領域(格子点)への有効ポイント数を嵩上げし、周辺の領域には有効ポイント数P(i,j)を+1だけ、またその中で4つの隅角部の領域には有効ポイント数P(i,j)を+2だけそれぞれ増やすように設定する。この後、ステップS4において、隣接点処理を行うかどうかを判定し、この判定がNOのときには、ステップS11において有効ポイント数P(i,j)をP(i,j)=8に設定した後、ステップS12に進む一方、判定がYESのときには、ステップS5に進む。
【0047】
上記ステップS4で隣接点処理を行うかどうかの判定は、具体的には以下のように行う。
【0048】
(第1例)
図26に示すように、予め各ライン位置毎に決定される基準距離値diが所定値Lよりも大きいか否かを判定し、この判定がdi>LのYESのときには、隣接点処理は行わない(図15のステップS11に進む)一方、di≦LのNOのときには、隣接点処理を行う(同ステップS5に進む)。
【0049】
上記基準距離値diは、例えば図18(a)に示すように、ラインの位置が大きくなる(車体1外側ラインつまり近距離側ラインから内側ラインつまり遠距離側ラインに向かう)ほどライン位置毎に増加するように、或いは図18(b)に示す如く、ラインの位置の増加に比例して増加するように、又は図18(c)に示す如く、ラインの位置の増加に伴って段階的に増加するようにそれぞれ設定される。
【0050】
(第2例)
図27に示すように、各領域毎の測定距離d(i,j)が所定値Lよりも大きいか否かを判定し、この判定がd(i,j)>LのYESのときには、隣接点処理は行わない(図15のステップS11に進む)一方、d(i,j)≦LのNOのときには、隣接点処理を行う(同ステップS5に進む)。
【0051】
すなわち、8隣接点処理部25(有効ポイント数付与手段)は、距離が近距離側及び中距離側にあるときのみ有効ポイント数を付与する処理を行い、遠距離側にあるときには有効ポイント数の付与処理を行わないように構成されている。
【0052】
図15に示す上記ステップS5では距離しきい値d0を設定する。この距離しきい値d0は、付与ポイント数pを決定するためのもので、その設定は以下のように行う。
【0053】
(第1例)
図16に示すように、距離しきい値d0は定数Cとする。
【0054】
(第2例)
図17に示すように、距離しきい値d0は、上記各ライン毎に決定される基準距離値di(図18参照)の1/10に設定する。
【0055】
(第3例)
図19に示す如く、上記基準距離値diが所定値Lよりも大きいか否かを判定し、この判定がdi>LのYESのときには、距離しきい値d0は大きな値に、またdi≦LのNOのときには、距離しきい値d0は小さな値にそれぞれ設定する。
【0056】
(第4例)
図20に示すように、後述する領域Eと隣接領域R1〜R8との距離差dxの平均値D(有効な距離データがあるものに限る)を求め、この平均値Dが所定値DLよりも大きいかどうかを判定する。この判定がD>DLのYESのときには、距離しきい値d0をd0=Dlargeに、またD≦DLのNOのときには、距離しきい値d0を上記Dlargeよりも小さいDsmall(<Dlarge)にそれぞれ設定する。より具体的には、上記距離しきい値d0は、図21(a)に示す如く平均値Dの増大に応じて大きくなり、平均値Dが最大域に達すると一定となるか、図21(b)に示す如く平均値Dの増大に応じて段階的に大きくなるか、或いは図21(c)に示す如く平均値Dの増大に応じて比例的に大きくなるように決定される。
【0057】
図15のフローにおけるステップS5の後はステップS6に進み、隣接領域Riの距離データd(Ri)を読み込み、次のステップS7では上記領域Eと隣接領域R1〜R8との距離差dx=|d(i,j)−d(Ri)|を演算する。この後、ステップS8において、上記距離差dxと上記距離しきい値d0との大小判定を行い、この判定がdx≧d0のNOのときにはステップS12に進む一方、dx<d0のYESのときには、ステップS9において付与すべきポイント数pを設定する。このステップS9での付与ポイント数pの設定は以下のように行う。
【0058】
(第1例)
図22に示す如く、当該領域Eにおいて対象とする隣接領域がウィンドウ方向(上下方向)の領域R2又はR7に位置しているかどうかを判定し、この判定がNOのときには付与ポイント数pをp=1に、また判定がYESのときには、付与ポイント数pを上記NO判定の場合よりも大きいp=2にそれぞれ設定する。すなわち、隣接領域がウィンドウ方向(上下方向)にあるときの付与ポイント数p(従って有効ポイント数P(i,j))をライン列方向にあるときの付与ポイント数よりも大きくする。
【0059】
(第2例)
図23に示すように、上記各ライン毎に決定される基準距離値di(図18参照)が所定値Lよりも大きいか否かを判定し、この判定がdi≦LのNOのときには付与ポイント数pをp=1に、また判定がdi>LのYESのときには、付与ポイント数pを上記NO判定の場合よりも大きいp=2にそれぞれ設定する。すなわち、遠距離側ライン位置での付与ポイント数p(有効ポイント数P(i,j))を近距離側領域よりも大きくする。
【0060】
(第3例)
図24に示すように、上記領域E及び隣接領域R1〜R8の距離差dxと所定値D2との大小を判定し、この判定がdx<D2のYESのときには付与ポイント数pをp=3に設定する。判定がdx≧D2のNOのときには、今度は距離差dxと他の所定値D1(D0>D1>D2)との大小を判定し、この判定がdx≧D1のNOのときには付与ポイント数pをp=2に、またdx<D1のYESのときには付与ポイント数pをp=1にそれぞれ設定する。すなわち、隣接領域との距離差が所定値よりも小さいときに付与ポイント数p(有効ポイント数P(i,j))を大きくする。
【0061】
(第4例)
図25に示す如く、上記領域Eの測定距離d(i,j)が所定値Lよりも大きいか否かを判定し、この判定がd(i,j)≦LのNOのときには付与ポイント数pをp=1に、また判定がd(i,j)>LのYESのときには、付与ポイント数pを上記NO判定の場合よりも大きいp=2にそれぞれ設定する。すなわち、領域Eの測定距離が所定値よりも大きいときに付与ポイント数p(有効ポイント数P(i,j))を大きくする。
【0062】
このようなステップS9の後、ステップS10において、それまでの有効ポイント数P(i,j)に上記付与ポイント数pを加えて新たな有効ポイント数P(i,j)=P(i,j)+pを設定し、上記ステップS12に進む。このステップS12では、ステップS6〜S10の処理が8つの隣接領域R1〜R8の各々について終了したかどうかを判定し、この判定がNOのときにはステップS6に戻って、他の残りの隣接領域について同様の処理を行う。一方、判定がYESになると、ステップS13に進み、全ての領域E,E,…についての有効ポイント数P(i,j)の設定(ステップS6〜S10の処理)が終了したか否かを判定する。この判定がNOのときには、ステップS4に戻って他の領域Eについて有効ポイント数P(i,j)の設定を繰り返す。一方、判定がYESになると、次のライン毎の代表距離の演算処理(図28参照)に進む。
【0063】
図28は上記ライン距離演算部26での処理動作を示し、上記8隣接点処理部25(有効ポイント数付与手段)により付与設定された有効ポイント数P(i,j)に基づき上記ライン毎の代表距離をそれぞれ演算する。
【0064】
まず、ステップT1において、ライン数n及びウィンドウ数mに分割された領域E毎の距離データd(i,j)を読み込むとともに、上記8隣接点処理により付与された領域E毎の有効ポイント数P(i,j)を読み込み、次のステップT2では、ライン代表有効ポイント数PI(i)をPI(i)=0に初期化する。このライン代表有効ポイント数PI(i)は、ライン毎の代表距離演算の際にラインに設定されるもので、この値が大きいほどラインの距離データの有効性が高く、信頼性、信憑性があると判断される。
【0065】
次のステップT3では、上記ライン代表有効ポイント数PI(i)に対応するライン代表しきい値P0を設定する。このステップT3でのライン代表しきい値P0の設定は以下のように行う。
【0066】
(第1例)
この例では、図29に示す如く、ライン代表しきい値P0は一定値Cに設定する。
【0067】
また、下記の第2例〜第4例のように、ライン代表しきい値P0は、距離が遠距離側になるほど小さくなるように可変設定する。
【0068】
(第2例)
すなわち、ライン代表しきい値P0をラインの位置に応じて設定する。例えば、図30(a)に示すように、ライン位置が車体1外側から内側に向かう(ライン番号が大きくなる)に連れてライン代表しきい値P0が比例して小さくなるか、或いは、図30(b)に示すように、そのライン位置が車体1外側から内側に向かうに連れてライン代表しきい値P0が段階的に小さくなるように設定する。すなわち、ライン代表しきい値P0を、遠距離側のライン位置ほど小さくなるようにライン毎に設定する。
【0069】
(第3例)
また、ライン代表しきい値P0を実際の測定距離に応じてする。すなわち、図31(a)に示す如く、測定距離が大きくなるに連れてライン代表しきい値P0が比例して小さくなるか、或いは、図31(b)に示すように、その測定距離が大きくなるに連れてライン代表しきい値P0が段階的に小さくなるように設定する。すなわち、ライン代表しきい値P0は、測定された距離が大きくなるほど小さくなるように設定する。
【0070】
(第4例)
図33に示すように、車両Cの側方ないし斜め後方の物体認識範囲に、車両C側方で最も近い近距離検出エリアA1と、この近距離検出エリアA1の後方に位置する中距離検出エリアA2と、この中距離検出エリアA2の後方に位置しかつ最も遠い遠距離検出エリアA3と、上記中距離ないし遠距離検出エリアA2,A3の側方に位置する側方検出エリアA4とを区画設定する。そして、図32に示す如く、中距離検出エリアA2のライン代表しきい値P0を近距離検出エリアA1よりも小さくし、この中距離検出エリアA2よりも遠距離検出エリアA3のライン代表しきい値P0を小さく(図示例では遠距離検出エリアA3のライン代表しきい値P0=0)設定する。尚、側方検出エリアA4のライン代表しきい値P0は、中距離検出エリアA2のライン代表しきい値P0よりも大きくかつ近距離検出エリアA1のライン代表しきい値P0よりも小さく設定する。すなわち、ライン代表しきい値P0は、予め設定された検出エリアA1〜A4毎に設定する。
【0071】
下記の第5例〜第7例のように、ライン代表しきい値P0は測定距離の状況に応じて可変設定する。
【0072】
(第5例)
ライン代表しきい値P0は各ライン上の領域の中の最大有効ポイント数Pmaxに応じて設定する。具体的には、図34に示すように、ラインi上の領域中から最大有効ポイント数Pmax=max(P(i,1),P(i,2),…,P(i,m))を探索する。次いで、上記最大有効ポイント数Pmaxが所定値よりも大きいか否かを判定し、この判定がNOのときにはライン代表しきい値P0をP0=P1に、また判定がYESのときには、ライン代表しきい値P0を上記NOの場合よりも大きいP0=P2(>P1)にそれぞれ設定する。すなわち、ライン代表しきい値P0は、各ライン上の領域の最大有効ポイント数Pmaxに応じて設定する。
【0073】
(第6例)
ライン代表しきい値P0は各ライン上の領域の有効ポイント数の総和Psumに応じて設定する。具体的には、図35に示すように、ラインi上の領域中の有効ポイント数の総和Psum=(P(i,1)+P(i,2)+…+P(i,m)を探索する。次いで、上記総和Psumが所定値よりも大きいか否かを判定し、この判定がNOのときにはライン代表しきい値P0をP0=P1に、また判定がYESのときには、ライン代表しきい値P0を上記NOの場合よりも大きいP0=P2(>P1)にそれぞれ設定する。すなわち、ライン代表しきい値P0は、各ライン上の領域の有効ポイント数の総和Psumに応じて、その総和Psumが大きいほど大きくなるように設定する。
【0074】
(第7例)
ライン代表しきい値P0は各ライン上の領域の距離データの検出頻度に応じて設定する。具体的には、図36に示す如く、測距されている距離データの個数Ndataを演算し、このデータ個数Ndataが所定値よりも大きいか否かを判定して、この判定がNOのときにはライン代表しきい値P0をP0=P1に、また判定がYESのときには、ライン代表しきい値P0を上記NOの場合よりも大きいP0=P2(>P1)にそれぞれ設定する。すなわち、ライン代表しきい値P0を各ライン上の領域での距離データの検出頻度に基づいて設定する。
【0075】
図37は上記距離データの個数Ndataの演算例を示し、データ個数NdataをNdata=0として初期化した後、各ライン上のある領域での距離d(i,j)がd(i,j)=0かどうかを判定する。この判定がYESのときには距離データが検出されていない状態としてそのまま、また判定がNOのときには距離データが検出されている状態としてデータ個数NdataをNdata=Ndata+1に更新した後、それぞれ次のステップに進み、各ライン上の全ての領域での距離d(i,j)について終了したかどうかを判定する。この判定がYESになるまで、上記距離d(i,j)=0の判定及びフィルタ処理を繰り返し、判定がYESになるとフィルタ処理に入る。このフィルタ処理は、距離データの瞬間的な検出状況の変動によるライン代表しきい値P0の頻繁な切換えを抑えるために行うもので、まず、データ個数Ndataを平滑化して平滑化データ個数Ndatarecを求め、次いで、元のデータ個数Ndataを平滑化データ個数Ndatarecに置換する。
【0076】
図28のフローにおいて、ステップT3の後はステップT4に進み、上記領域毎の有効ポイント数P(i,j)がライン代表しきい値P0よりも大きいかどうかを判定する。この判定がP(i,j)≦P0のNOのときには、そのままステップT6に進むが、判定がP(i,j)>P0のYESのときには、ステップT5において、ライン毎の代表距離l(i)を平均化のために更新するとともに、上記ライン代表有効ポイント数PI(i)に領域毎の有効ポイント数P(i,j)を加えてライン代表有効ポイント数PI(i)の更新を行った後にステップT6に進む。すなわち、ライン距離演算部26では、8隣接点処理部25によって付与設定された有効ポイント数P(i,j)がライン代表しきい値P0よりも大きい領域についてライン毎の代表距離演算を行うようにしている。
【0077】
上記ライン毎の代表距離l(i)の更新は次の式で行う。
【0078】
l(i)=[l(i)×PI(i)
+d(i,j)×{P(i,j)−PO+1}]
÷{PI(i)+P(i,j)−PO+1}
【0079】
上記ステップT6では当該ラインの全てのウィンドウ番号(領域E)について終了したか否かを判定し、この判定がYESになるまでラインの各領域EについてステップT3〜T5を繰り返す。ステップT6の判定がYESになると、ステップT7に進み、全てのライン番号について終了したかどうかを判定し、この判定がYESになるまでステップT2〜T6を繰り返す。ステップT7の判定がYESになると、次の物体認識処理(図39参照)に進む。
【0080】
図38は上記ライン距離演算部26での処理動作の他の実施形態を示し、各ライン上の領域E,Eの最大有効ポイント数となる距離データを基準として、該距離データから所定距離以上外れた距離データを距離演算に用いないようにしている。尚、図28と同じ部分についてはその詳細な説明は省略する。
【0081】
すなわち、ステップU1,U2は上記ステップT1,T2(図28参照)と同じである。ステップU3〜U6では、ラインiにおける最大有効ポイント数PPと、その最大有効ポイント数PPが得られる領域Eの距離Dmaxとを求める。具体的には、ステップU3において、ラインiにおける最大有効ポイント数PPをPP=0に初期化した後、ステップU4で、領域E毎の有効ポイント数P(i,j)が上記ライン代表有効ポイント数PPよりも大きいかどうかを判定する。この判定がP(i,j)≦PPのNOのときには、そのままステップU6に進むが、判定がP(i,j)>PPのYESのときには、ステップU5において、その領域E毎の有効ポイント数P(i,j)を上記ライン代表有効ポイント数PPとし、かつ該領域Eでの距離d(i,j)を距離Dmaxとした後、ステップU6に進む。そして、ステップU6では、全てのウィンドウ番号について終了した、つまりライン中の全ての領域について最大有効ポイント数PP及びそれに対応する領域の距離Dmaxが得られたかどうかを判定し、この判定がYESになるまでステップU4〜U6を繰り返す。
【0082】
ステップU6の判定がYESになると、ステップU7に進み、距離判定のための下限値Dlower(=Dmax−d0)及び上限値Dupper(=Dmax+d0)を設定する。その後、ステップU8において、上記領域毎の距離d(i,j)が上記下限値Dlowerよりも大きくかつ上限値Dupperよりも小さい、すなわちDlower<d(i,j)<Dupperかどうかを判定し、この判定がNOのときにはそのままステップU10に、また判定がYESのときにはステップU9を経てステップU10にそれぞれ進む。上記ステップU9は図28におけるステップT5と、またステップU10は同ステップT6とそれぞれ同じである。そして、このステップU10の後、図28におけるステップT7と同じ処理を行うステップU11に進む。
【0083】
尚、以上に説明した各領域E毎の距離データd(i,j)から8隣接点処理を行って有効ポイント数P(i,j)を付与し、その後にライン毎の代表距離l(i)を演算する過程の具体例を図14に示しており、図14(a)は各領域毎の距離データd(i,j)を、また図14(b)は領域毎の有効ポイント数P(i,j)を、さらに図14(c)はライン毎の代表距離l(i)をそれぞれ表している。
【0084】
図39はコントローラ15における物体認識部20での処理動作を示し、この物体認識部20では、上記ライン距離演算部26により演算されたライン毎の代表距離l(i)に基づいて物体Oを認識する。すなわち、ステップW1において物体番号kを設定し、ステップW2では、物体検出距離L(k)、物体有効ポイント数PK(k)及び物体内のデータ数N(k)をいずれも0にして、一次保管用データセットのリセットを行う。
【0085】
次のステップW3では、有効な未登録のラインデータが登録されているかどうかを判定し、この判定がNOのときにはステップW8に進む。ステップW3の判定がYESになると、ステップW4において、ラインデータの前後位置XD(i)及び横位置YD(i)を設定する。この後、ステップW5において、既に上記物体検出距離L(k)が定義されているかどうかを判定し、この判定がNOのときには、ステップW6に進み、上記物体検出距離L(k)をL(k)=XD(i)に、また物体有効ポイント数PK(k)をPK(k)=PI(i)に、さらに物体内のデータ数N(k)をN(k)=1にそれぞれ設定して、一次保管用データセットのセットを行った後、ステップW8に進む。
【0086】
これに対し、ステップW5の判定がYESのときには、ステップW7に進み、物体検出距離L(k)をL(k)={PK(k)×L(i)+P(i)×XD(i)}/{PK(k)+P(i)}に、また物体有効ポイント数PK(k)をPK(k)=PK(k)+PI(i)に、さらに物体内のデータ数N(k)をN(k)=N(k)+1にそれぞれ設定して、一次保管用データセットの更新を行った後、ステップW8に進む。
【0087】
上記ステップW8では、全てのライン番号について終了したかどうかを判定し、この判定がYESになるまでステップW3〜W7を繰り返す。ステップW8の判定がYESになると、ステップW9〜W11において物体Oの登録の可否の判定を行う。まず、ステップW9において、上記物体内のデータ数N(k)が所定値以上かどうかを判定する。尚、この所定値は、遠距離側ほど小さくするように可変設定することもできる。このステップW9の判定がNOのときには、距離データはノイズ等に起因するものであると見做し、ステップW10において物体Oの登録は行わず、物体番号kの物体データを初期化した後、終了する。一方、ステップW9の判定がYESであるときには、ステップW11において物体Oの登録を行った後に終了する。すなわち、物体認識部20は、ライン距離演算部26により演算されたライン毎の代表距離のデータ数N(k)が所定値以上であるときのみに、該ライン毎の代表距離に対応する物体を新規物体として登録する。
【0088】
この物体認識部20での処理動作の後は、上記表示装置31での物体表示のための表示処理や警報装置32での警報のための警報処理を行う。
【0089】
したがって、この実施形態では、左右後側方検知センサ10,10により画像が輝度情報として捕らえられると、まず、コントローラ15の各測距回路16において、各検知センサ10の画像がライン列及びウィンドウ方向にそれぞれ分割されて各領域Eについて距離d(i,j)が測定される。次いで、8隣接点処理部25で、上記測定された領域E毎の距離d(i,j)及び隣接領域R1〜R8の距離の差dxに基づいて各領域E毎の距離データの有効ポイント数P(i,j)が付与され、ライン距離演算部26において上記有効ポイント数P(i,j)に基づきライン毎の代表距離l(i)が演算され、物体認識部20においてライン距離演算部26により演算されたライン毎の代表距離l(i)から物体Oが認識される。このように、各領域Eについての距離データの有効性が隣接領域R1〜R8との関係から有効ポイント数P(i,j)として判定され、この有効ポイント数P(i,j)に基づいてライン毎の代表距離l(i)を求めて、その距離l(i)から物体Oを認識するので、測距データのばらつきやノイズ等があっても、その影響を可及的に低減することができ、高精度の距離演算が可能となって正確な物体認識を行うことができる。
【0090】
また、上記8隣接点処理部25では、領域Eと隣接領域R1〜R8との距離差dxがしきい値d0よりも小さいときに有効ポイント数P(i,j)(付与ポイント数p)を付与するようにしているので、領域Eの隣接領域R1〜R8との距離差dxがしきい値d0よりも小さいときのみを有効ポイント数P(i,j)の付与によって有効と判断でき、距離演算の精度を高めることができる。
【0091】
そのとき、上記しきい値d0は、領域Eの測定距離データに応じて可変とされ、図17〜図19に示すように、領域のライン位置に応じて設定された基準距離値diが大きいほど大きくなるように設定すれば、遠距離側領域の距離データについてのしきい値d0を大きくすることで、その距離データの有効ポイント数P(i,j)を増やし、遠距離側の物体Oについての距離データがばらついても正確なデータを得ることができる。
【0092】
また、図20及び図21に示す如く、しきい値は、各領域Eの隣接領域R1〜R8との距離差dxの平均値Dに基づき、該平均値Dが大きいほど大きくなるように設定すれば、実際に測定された距離データに応じてしきい値d0が設定されるので、遠距離側が変化してもそれにしきい値d0を安定して対応させることができる。
【0093】
上記8隣接点処理部25においては、付与する有効ポイント数を領域Eの距離d(i,j)に応じて変え、図22に示すように、ウィンドウ方向にある隣接領域R2,R7の有効ポイント数をライン列方向よりも大きくするようにされている。すなわち、CCDチップ11でのCCDラインが等間隔である場合、遠距離領域に含まれるライン数が近距離領域に比べ少なくなり、遠距離側の物体Oが近距離側の物体Oに比べ認識され難くなるが、この実施形態のように、隣接領域がウィンドウ方向にあるときの有効ポイント数をライン列方向よりも大きくすれば、上記少ないライン数であっても有効ポイント数を増加でき、遠距離側物体Oを認識する確率を高めることができる。
【0094】
また、図23に示すように、遠距離側ライン位置での有効ポイント数を近距離側ライン位置よりも大きくするようにしても、同様の効果が得られる。
【0095】
さらに、図24に示すように、隣接領域R1〜R8との距離差dxが所定値D1又はD2よりも小さいときに有効ポイント数を大きくするようにすると、物体Oを認識し易くすることができる。
【0096】
また、図25に示す如く、測定された距離d(i,j)が所定値Lよりも大きいときに有効ポイント数を大きくするようにしても、上記と同様の作用効果を奏することができる。
【0097】
図26及び図27に示すように、距離が近距離側及び中距離側にあるときのみ有効ポイント数を付与する処理を行い、遠距離側にあるときには有効ポイント数の付与処理を行わないようにすると、遠距離側では、距離データの有効性を判断する有効ポイント数の付与処理が行われず、その距離データが有効ポイント数の付与処理によってノイズ等として落とされることなく、そのまま採用される。この場合でも同様の効果が得られる。
【0098】
上記ライン距離演算部26では、有効ポイント数P(i,j)がライン代表しきい値P0よりも大きい領域についてライン毎の代表距離演算を行うので、ライン毎の代表距離l(i)を正確に演算することができる。
【0099】
そのとき、図30〜図33に示すように、上記ライン代表しきい値P0は、距離が遠距離側になるほど小さく設定する(図30に示す如く、遠距離側のライン位置ほど小さくなるようにライン毎に設定するか、又は図31に示す如く、測定された距離d(i,j)が大きくなるほど小さくなるように設定する)と、遠距離側領域のライン代表しきい値が近距離側領域よりも小さいので、遠距離側の距離データの取りこぼしが防止でき、その遠距離側の距離演算を精度よく行って遠距離側の物体Oを正確に認識することができる。
【0100】
また、図32及び図33に示すように、ライン代表しきい値を、予め設定された検出エリアA1〜A4毎に設定すると、所望の検出エリアA1〜A4の距離演算を精度よく行うことができる。
【0101】
一方、図33〜図36に示す如く、上記ライン代表しきい値は、各ライン毎の代表距離データの検出状況に応じて設定することで、ライン代表しきい値が検出状況に応じて変化して設定され、距離演算の精度をさらに高めることができる。
【0102】
すなわち、図34に示すように、ライン代表しきい値P0は、各ライン上の領域の最大有効ポイント数Pmaxに応じて、その最大有効ポイント数Pmaxが大きいほど大きくなるように設定すると、ライン代表しきい値P0は、各ライン上の領域の最大有効ポイント数Pmaxに応じて変化する。また、図35に示す如く、ライン代表しきい値P0は、各ライン上の領域の有効ポイント数の総和Psumに応じて、その総和Psumが大きいほど大きくなるように設定すれば、ライン代表しきい値P0が、各ライン上の領域の有効ポイント数の総和Psumに応じて変化する。従って、いずれの場合でも、距離演算の精度を高めることができる。
【0103】
また、図36に示す如く、ライン代表しきい値は、各ライン上の領域での距離データの検出頻度に基づいて設定すると、距離データの検出頻度が高いときには、ライン代表しきい値を大きく設定して、距離演算の精度を高めることができる。
【0104】
図38に示すように、上記ライン距離演算部26において、各ライン上の領域の最大有効ポイント数となる距離Dmaxを基準として、該距離Dmaxから所定距離d0以上外れた距離データを距離演算に用いないように構成すれば、各ライン上の領域の最大有効ポイント数となる距離Dmaxから所定距離d0の範囲内にある距離データのみで距離演算が行われ、高精度の距離演算を行うことができる。
【0105】
図39に示すように、上記物体認識部20は、ライン距離演算部26により演算されたライン毎の代表距離のデータ数が所定値以上にあるときのみに、該ライン毎の代表距離に対応する物体Oを新規物体Oとして登録するようにすると、新規物体Oの登録に際し制限を設けることができ、物体O以外のノイズ等が誤って物体Oとして登録されるのを抑制することができる。
【0106】
そのとき、上記ライン毎の代表距離データ数と比較する所定値は、遠距離側ほど小さくなるように設定すれば、遠距離側の物体Oほど登録し易くすることができる。
【0107】
また、上記測距回路16の測距特性は、遠距離側ラインを基準として、他のラインを補完するように構成されているので、検知センサ10前方のリヤウィンドガラス6等の測距精度への影響を避ける目的で、ライン毎の測距特性を所定ラインを基準にして他のラインを補完するとき、遠距離側の距離データの有効性を高めつつ、全てのラインの検出精度を良好に補正することができる。
【0108】
また、上記物体認識部20は、物体Oの認識結果に基づいて警報等の信号を出力するように構成されているので、認識物体Oを容易に知ることができる。
【0109】
尚、上記実施形態では、車両Cの側方ないし斜め後方の物体Oを認識するようにしているが、本発明は、これら範囲以外の物体を認識する場合にも適用でき、さらには車両C以外に建物内や屋外等において物体を認識する場合にも適用することができる。
【0110】
【発明の効果】
以上説明のように、請求項1の発明によると、多段ライン型CCDの画像をライン毎にかつウィンドウ方向に複数に分割して各領域について距離を測定し、この各領域及び隣接領域の各測定距離の差に基づいて各領域毎の距離データの有効ポイント数を求め、この有効ポイント数からライン毎の代表距離を演算して物体を認識するようにしたことにより、測距データのばらつきやノイズ等があっても、その影響を可及的に低減して、高精度の距離演算により正確な物体認識を行うことができる。また、距離データの有効ポイント数を付与するとき、領域の距離と隣接領域との距離との差がしきい値よりも小さいときに有効ポイント数を付与するようにしたことにより、距離演算の精度を高めることができる。
【0111】
請求項の発明では、上記しきい値は、領域の測定距離に応じて可変とするようにした。また、請求項の発明では、しきい値は、領域のライン位置に応じて設定された基準距離値が大きいほど大きく設定するようにした。これら発明によると、遠距離側領域の距離データの有効ポイント数を増やすことができ、距離データのばらつきのある遠距離側物体についての正確なデータを得ることができる。
【0112】
請求項の発明によると、しきい値は、各領域と隣接領域との距離差の平均値が大きいほど大きく設定するようにしたことにより、実際に測定された距離データに応じてしきい値を設定でき、遠距離側が変化してもそれにしきい値を安定して対応させることができる。
【0113】
請求項の発明では、上記付与する有効ポイント数を領域の距離に応じて変えるようにした。また、請求項の発明では、隣接領域がウィンドウ方向にあるときの有効ポイント数をライン列方向よりも大きくするようにした。さらに、請求項の発明では、遠距離側ライン位置での有効ポイント数を近距離側ライン位置よりも大きくするようにした。これらの発明によると、遠距離側領域を含むライン数が近距離側領域に比べ少なくても、その遠距離側領域の有効ポイント数を増加させて、遠距離側の物体を認識確率を高めることができる。
【0114】
請求項の発明によると、隣接領域との距離差が所定値よりも小さいときに、付与する有効ポイント数を大きくするようにしたことにより、物体を認識し易くすることができる。
【0115】
請求項の発明によると、測定距離が所定値よりも大きいときに有効ポイント数を大きくするようにしたことにより、請求項の発明と同様の作用効果を奏することができる。
【0116】
請求項10の発明によると、近距離側及び中距離側にあるときのみ有効ポイント数を付与する処理を行い、遠距離側にあるときには有効ポイント数の付与処理を行わないようにしたことにより、遠距離側での距離データが有効ポイント数の付与処理によってノイズ等として落とされることなくそのまま採用でき、請求項の発明と同様の効果が得られる。
【0117】
請求項11の発明によると、ライン毎の代表距離を演算するとき、上記付与される有効ポイント数がライン代表しきい値よりも大きい領域についてライン毎の代表距離演算を行うようにしたことにより、ライン毎の代表距離を正確に演算することができる。
【0118】
請求項12の発明では、上記ライン代表しきい値は、距離が遠距離側になるほど小さく設定するようにした。また、請求項13の発明では、ライン代表しきい値は、遠距離側のライン位置ほど小さくなるようにライン毎に設定した。さらに、請求項14の発明では、ライン代表しきい値は、測定された距離が大きくなるほど小さくなるように設定した。これらの発明によれば、遠距離側ラインの距離演算を優先して行うことができ、遠距離側の距離演算を精度よく行って遠距離側の物体を正確に認識することができる。
【0119】
請求項15の発明によると、ライン代表しきい値は、予め設定された検出エリア毎に設定するようにしたことにより、所望の検出エリアの距離演算を精度よく行うことができる。
【0120】
請求項16の発明によると、ライン代表しきい値は、各ライン毎の代表距離データの検出状況に応じて設定するようにしたことにより、ライン代表しきい値を検出状況に応じて変化して設定して、距離演算の精度をさらに高めることができる。
【0121】
請求項17の発明では、ライン代表しきい値は、各ライン上の領域の最大有効ポイント数に応じて設定するようにした。また、請求項18の発明では、ライン代表しきい値は、最大有効ポイント数が大きいほど大きくなるように設定するようにした。これら発明によると、ライン代表しきい値は、各ライン上の領域の最大有効ポイント数が大きいほど大きくなるので、距離演算の精度を高めることができる。
【0122】
請求項19の発明では、ライン代表しきい値は、各ライン上の領域の有効ポイント数の総和に応じて設定するようにした。また、請求項20の発明では、ライン代表しきい値は、有効ポイント数の総和が大きいほど大きく設定するようにした。これら発明によれば、ライン代表しきい値が、各ライン上の領域の有効ポイント数の総和が大きいほど大きくなるので、距離演算の精度を高めることができる。
【0123】
請求項21の発明によると、ライン代表しきい値は、各ライン上の領域での距離データの検出頻度に基づいて設定するようにしたことにより、距離データの検出頻度が高いときにライン代表しきい値を大きく設定でき、距離演算の精度を高めることができる。
【0124】
請求項22の発明によると、ライン毎の代表距離を演算するとき、各ライン上の領域の最大有効ポイント数となる距離データを基準として、該距離データから所定距離以上外れた距離データを距離演算に用いないようにしたことにより、各ライン上の領域の最大有効ポイント数となる距離データから所定距離の範囲内にある距離データのみで距離演算でき、高精度の距離演算を行うことができる。
【0125】
請求項23の発明によると、ライン毎の代表距離に基づいて物体を認識するとき、演算されたライン毎の代表距離のデータ数が所定値以上であるときのみに、該ライン毎の代表距離に対応する物体を新規物体として登録するようにしたことにより、物体以外のノイズ等が誤って物体として登録されるのを抑制することができる。
【0126】
また、請求項24の発明によると、上記ライン毎の代表距離データ数と比較する所定値を、遠距離側ほど小さくなるように設定するようにしたことにより、遠距離の物体ほど登録し易くすることができる。
【0127】
請求項25の発明によると、各領域についての距離測定の特性は、遠距離側ラインを基準として、他のラインを補完するようにしたことにより、例えば多段ライン型CCDの前方に物体の像の歪みをもたらすガラス等が配置されていて、そのガラス等の測距精度への影響を避ける目的でラインの検出特性を補正するとき、遠距離側の距離データの有効性を高めつつ、全てのラインの検出精度を良好に補正することができる。
【0128】
請求項26の発明によると、物体の認識結果に基づいて警報等の信号を出力するようにしたことにより、認識物体を容易に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成図である。
【図2】 本発明の実施形態に係る物体認識装置の各構成部品の車両での位置を示す斜視図である。
【図3】 物体認識装置の概略構成を示すブロック図である。
【図4】 物体認識装置の詳細構成を示すブロック図である。
【図5】 検知センサにより物体を測距する概念を示す側面図である。
【図6】 CCDチップにより捕らえた画像を示す図である。
【図7】 CCDチップにより捕らえた画像の中のラインをウィンドウ方向に分割して領域を区分する概念を示す図である。
【図8】 上下のCCDチップにより得られた画像が同じラインでずれて視差が生じる状態を示す説明図である。
【図9】 上下のCCDチップにより物体までの距離を測定する原理を示す図である。
【図10】 CCDチップにより得られた画像におけるCCDラインの測距方向を示す平面図である。
【図11】 上下方向のレンジカット領域を示す側面図である。
【図12】 水平方向のレンジカット領域を示す平面図である。
【図13】 領域に隣接する8隣接領域の配置を示す図である。
【図14】 8隣接点処理からライン毎の代表距離演算までの具体例を示す図である。
【図15】 8隣接点処理動作を示すフローチャート図である。
【図16】 距離しきい値の設定のための第1例を示すフローチャート図である。
【図17】 距離しきい値の設定のための第2例を示す図16相当図である。
【図18】 基準距離値の設定例を示す図である。
【図19】 距離しきい値の設定のための第3例を示す図16相当図である。
【図20】 距離しきい値の設定のための第4例を示す図16相当図である。
【図21】 距離差の平均値に応じて距離しきい値を設定する例を示す図である。
【図22】 各領域毎の有効ポイント数付与のための第1例を示すフローチャート図である。
【図23】 各領域毎の有効ポイント数付与のための第2例を示す図22相当図である。
【図24】 各領域毎の有効ポイント数付与のための第3例を示す図22相当図である。
【図25】 各領域毎の有効ポイント数付与のための第4例を示す図22相当図である。
【図26】 各領域毎の有効ポイント数付与の実行判断のための第1例を示すフローチャート図である。
【図27】 各領域毎の有効ポイント数付与の実行判断のための第2例を示す図26相当図である。
【図28】 ライン毎の代表距離演算処理動作を示すフローチャート図である。
【図29】 ライン代表しきい値の設定のための第1例を示すフローチャート図である。
【図30】 ライン代表しきい値の設定のための第2例を示す特性図である。
【図31】 ライン代表しきい値の設定のための第3例を示す特性図である。
【図32】 ライン代表しきい値の設定のための第4例を示す特性図である。
【図33】 ライン代表しきい値の設定のための第4例における検出エリアを示す平面図である。
【図34】 ライン代表しきい値の設定のための第5例を示すフローチャート図である。
【図35】 ライン代表しきい値の設定のための第6例を示す図34相当図である。
【図36】 ライン代表しきい値の設定のための第7例を示す図34相当図である。
【図37】 ライン代表しきい値の設定のための第7例におけるデータ個数の演算例を示すフローチャート図である。
【図38】 ライン毎の代表距離演算処理動作の他の実施形態を示す図28相当図である。
【図39】 物体の認識処理動作を示すフローチャート図である。
【図40】 視差に応じた距離補正のための特性を示す特性図である。
【図41】 検出率に応じて昼夜判定するための説明図である。
【符号の説明】
C 車両
6 リヤウィンドガラス
10 後側方検知センサ
11 CCDチップ(多段ライン型CCD)
15 コントローラ
16 測距回路(測距手段)
20 物体認識部(物体認識手段)
21 物体識別部
25 8隣接点処理部(有効ポイント数付与手段)
26 ライン距離演算部(ライン距離演算手段)
31 表示装置
32 警報装置
E,E(i,j) 領域
R1〜R8 隣接領域
d(i,j) 測定距離
dx 隣接領域との距離差
d0 しきい値
P(i,j) 有効ポイント数
P0 ライン代表しきい値
l(i,j) ライン代表距離
A1〜A4 検出エリア
O 物体
O′ 物体像

Claims (26)

  1. ウィンドウ方向に沿って配置された多数のCCDからなるCCDラインをウィンドウ方向と直交するライン列方向に多段に並設してなり画像を輝度情報として捕らえる多段ライン型CCDを備え、該多段ライン型CCDからの輝度信号に基づいて得られた2次元の距離データから特定の物体を認識するようにした物体認識装置であって、
    上記多段ライン型CCDにより得られた画像を上記CCDライン毎にかつウィンドウ方向に複数に分割して各領域について距離を測定する測距手段と、
    上記測距手段により測定された各領域毎の距離につき、該領域に隣接する領域の距離との差に基づいて、該各領域の測定距離と隣接領域の測定距離との差がしきい値よりも小さいときに距離データの有効ポイント数を付与する有効ポイント数付与手段と、
    上記有効ポイント数付与手段により付与された有効ポイント数に基づき上記ライン毎の代表距離をそれぞれ演算するライン距離演算手段と、
    上記ライン距離演算手段により演算されたライン毎の代表距離に基づいて物体を認識する物体認識手段とを備えたことを特徴とする物体認識装置。
  2. 請求項の物体認識装置において、
    しきい値は、領域の測定距離に応じて可変とされていることを特徴とする物体認識装置。
  3. 請求項の物体認識装置において、
    しきい値は、領域のライン位置に応じて設定された基準距離値が大きいほど大きくなるように設定されていることを特徴とする物体認識装置。
  4. 請求項の物体認識装置において、
    しきい値は、各領域の測定距離と隣接領域の測定距離との距離差の平均値に基づき、該平均値が大きいほど大きくなるように設定されていることを特徴とする物体認識装置。
  5. 請求項1の物体認識装置において、
    有効ポイント数付与手段は、付与する有効ポイント数を領域の測定距離に応じて変えるように構成されていることを特徴とする物体認識装置。
  6. 請求項の物体認識装置において、
    有効ポイント数付与手段は、隣接領域がウィンドウ方向にあるときの有効ポイント数をライン列方向よりも大きくするように構成されていることを特徴とする物体認識装置。
  7. 請求項の物体認識装置において、
    有効ポイント数付与手段は、遠距離側ライン位置での有効ポイント数を近距離側ライン位置よりも大きくするように構成されていることを特徴とする物体認識装置。
  8. 請求項の物体認識装置において、
    有効ポイント数付与手段は、隣接領域との距離差が所定値よりも小さいときに有効ポイント数を大きくするように構成されていることを特徴とする物体認識装置。
  9. 請求項の物体認識装置において、
    有効ポイント数付与手段は、領域の測定距離が所定値よりも大きいときに有効ポイント数を大きくするように構成されていることを特徴とする物体認識装置。
  10. 請求項1の物体認識装置において、
    有効ポイント数付与手段は、距離が近距離側及び中距離側にあるときのみ有効ポイント数を付与する処理を行い、遠距離側にあるときには有効ポイント数の付与処理を行わないように構成されていることを特徴とする物体認識装置。
  11. 請求項1の物体認識装置において、
    ライン距離演算手段は、有効ポイント数付与手段によって付与された有効ポイント数がライン代表しきい値よりも大きい領域についてライン毎の代表距離演算を行うように構成されていることを特徴とする物体認識装置。
  12. 請求項11の物体認識装置において、
    ライン代表しきい値は、距離が遠距離側になるほど小さく設定されていることを特徴とする物体認識装置。
  13. 請求項12の物体認識装置において、
    ライン代表しきい値は、遠距離側のライン位置ほど小さくなるようにライン毎に設定されていることを特徴とする物体認識装置。
  14. 請求項12の物体認識装置において、
    ライン代表しきい値は、測定された距離が大きくなるほど小さくなるように設定されていることを特徴とする物体認識装置。
  15. 請求項11の物体認識装置において、
    ライン代表しきい値は、予め設定された検出エリア毎に設定されていることを特徴とする物体認識装置。
  16. 請求項11の物体認識装置において、
    ライン代表しきい値は、各ライン毎の代表距離データの検出状況に応じて設定されていることを特徴とする物体認識装置。
  17. 請求項16の物体認識装置において、
    ライン代表しきい値は、各ライン上の領域の最大有効ポイント数に応じて設定されていることを特徴とする物体認識装置。
  18. 請求項17の物体認識装置において、
    ライン代表しきい値は、最大有効ポイント数が大きいほど大きくなるように設定されていることを特徴とする物体認識装置。
  19. 請求項16の物体認識装置において、
    ライン代表しきい値は、各ライン上の領域の有効ポイント数の総和に応じて設定されていることを特徴とする物体認識装置。
  20. 請求項19の物体認識装置において、
    ライン代表しきい値は、有効ポイント数の総和が大きいほど大きくなるように設定されていることを特徴とする物体認識装置。
  21. 請求項16の物体認識装置において、
    ライン代表しきい値は、各ライン上の領域での距離データの検出頻度に基づいて設定されていることを特徴とする物体認識装置。
  22. 請求項1の物体認識装置において、
    ライン距離演算手段は、各ライン上の領域の最大有効ポイント数となる距離データを基準として、該距離データから所定距離以上外れた距離データを距離演算に用いないように構成されていることを特徴とする物体認識装置。
  23. 請求項1の物体認識装置において、
    物体認識手段は、ライン距離演算手段により演算されたライン毎の代表距離のデータ数が所定値以上であるときのみに、該ライン毎の代表距離に対応する物体を新規物体として登録するように構成されていることを特徴とする物体認識装置。
  24. 請求項23の物体認識装置において、
    所定値は、遠距離側ほど小さくなるように設定されていることを特徴とする物体認識装置。
  25. 請求項1の物体認識装置において、
    測距手段の測距特性は、遠距離側ラインを基準として、他のラインを補完するように構成されていることを特徴とする物体認識装置。
  26. 請求項1の物体認識装置において、
    物体認識手段は、物体の認識結果に基づいて警報等の信号を出力するように構成されていることを特徴とする物体認識装置。
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