JP3867413B2 - 燃料噴射ノズル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関例えばディーゼルエンジンに備えられる燃料噴射ノズルに係り、特に、その噴射制御のために例えば開弁時期等を検出するための検出装置がノズルホルダ内に組込まれた燃料噴射ノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ディーゼルエンジンの排ガス規制強化に対応するため、より精密な噴射制御を目的とした噴射開始(開弁)時期や噴射終了(閉弁)時期を検出するための検出装置が要望されている。こうした要望を満たす一例として、実公平8−9426号公報に記載された燃料噴射ノズルの開弁時期検出装置が知られている。
【0003】
この検出装置は、プレッシャピンを押し下げるばねが収納されるノズルホルダ内のばね収納孔の上部に組込まれた圧電素子が、ノズルニードルがリフトする時にプレッシャピンを介して圧縮される前記ばねの反発力を受けることにより、その圧力に応じた電圧を発生して、ノズルニードルのリフト量を検出し、それに基づいて開弁時期を検出するものである。
【0004】
そして、検出信号(圧電素子の発生電圧)をノズルホルダ外に取出すために、ばね収納孔から上方へと向って伸びる縦孔をノズルホルダに形成するとともに、この縦孔と交差する横孔をノズルホルダに形成し、かつ、圧電素子の電極に形成した軸部を縦孔内に挿入するとともに、この軸部に接触する接続端子を横孔内に挿入して、これら互いに接触した軸部と接続端子とにより信号取出し経路を形成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ノズルホルダのばね収納孔は、高圧の余剰燃料をノズルホルダ外に逃す経路として利用されるから、結局のところ、前記公報に記載の構成は、加圧された燃料を逃がすばね収納孔に連通する貫通孔(縦孔及び横孔)をノズルホルダに開けて、そこに信号取出し経路を通して、この経路を経て検出信号を取出すという構成に他ならない。
【0006】
そのため、高圧の余剰燃料が前記貫通孔を通って漏れないようにする燃料漏れ防止構造が必要であり、例えば、信号取出し経路の出口部にゴムを利用したシール材を設けて、それを固定部品によりノズルホルダに固定したり、或いは前記出口部に未硬化の液状合成樹脂等を注入した後それを硬化させて形成される封止構造等が考えられる。しかし、このような燃料漏れ防止構造を採用することは、それによって燃料噴射ノズル全体の部品点数が増加して、構造及び組立が複雑化したり、組立が面倒になったりして、コスト高になるという問題がある。しかも、ゴムや合成樹脂はエンジン駆動時に高温に晒されて劣化することは避けられず、それに伴い燃料漏れを起こす恐れがある。
【0007】
又、ノズルホルダの横孔を貫通する信号取出し線(絶縁被覆電線)を用いて検出信号の取出しをする場合には、この線とノズルホルダの横孔との間の燃料漏れ止めをしても、信号線取出し線自体の絶縁被覆と芯線との間の微小な隙間を通って燃料が漏れ出すことは妨げ得ないという問題がある。
【0008】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、ノズルニードルのリフト量についての検出信号の取出し部からの燃料漏れを簡単な構造で確実に防止できる燃料噴射ノズルを得ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ノズルニードルのリフト量を検出する検出装置をノズルホルダ内に組込んだ燃料噴射ノズルを前提とする。そして、前記課題を解決するために、前記検出装置を、前記ノズルニードルのリフト量に応じた電圧を発生する電圧発生器と、この発生器に直列接続された第1コイルと、この第1コイルに電磁結合して設けられるとともに前記ノズルホルダ外に引出される信号取出し線が接続された第2コイルとを備えて形成したことを特徴とするものである。
【0010】
この請求項1の発明において、検出装置の電圧発生器はノズルニードルのリフト量に応じた電圧を発生するから、この発生電圧に応じた電流が電圧発生器に直列接続された第1コイルに流れるに伴い、第1コイルはその電流値に応じた強さの磁界を形成する。そうすると、第1コイルに電磁結合された第2コイルは、第1コイルが形成した磁界の電磁誘導によって第1コイルに印加された前記発生電圧に比例する電圧を発生するから、この誘起電圧は検出信号として第2コイルに接続された信号取出し線によりノズルホルダ外に取出される。したがって、第2コイル及び信号取出し線を、電圧発生器及び第1コイルが収容されるとともに高圧の余剰燃料が通る逃がし経路から隔離して、ノズルホルダの内外を貫通することなく設けることができる。
【0011】
請求項1の発明を実施するにあたり、それに従属する請求項2の発明のように、前記ノズルホルダを磁性体製とするとともに、その内部に収容されたプレッシャピンを付勢するばねの収容孔に連通する検出孔を前記ノズルホルダが有しており、前記検出孔と対向する位置に前記第1コイルを配してこの第1コイルとともに前記電圧発生器を前記収容孔に収容し、かつ、前記検出孔に非磁性体製であって閉鎖端壁を有したコイルハウジングを圧入し、このハウジング内に前記第2コイルを収容して前記第1コイルと磁気結合させるとよい。この発明においては、ノズルホルダにはその内外を貫通する検出孔があるが、この孔は第2コイルを収容するコイルハウジングの圧入によって塞がれるから、この検出孔を通って余剰燃料が漏れることがないとともに、このコイルハウジングの閉鎖端壁により第1、第2のコイルを電磁結合が可能なように簡単に隔離できる。
【0012】
又、請求項1の発明を実施するにあたり、それに従属する請求項2の発明のように、前記ノズルホルダを非磁性体製とするとともに、その内部に収容されたプレッシャピンを付勢するばねの収容孔とは前記ノズルホルダと一体の隔壁により隔てられた検出穴を前記ノズルホルダが有しており、前記隔壁と対向する位置に前記第1コイルを配してこの第1コイルとともに前記電圧発生器を前記収容孔に収容し、かつ、前記検出穴に前記第2コイルを収容して前記第1コイルと磁気結合させるとよい。この発明においては、非磁性体製のノズルホルダ自体が収容孔と検出孔とを隔離する隔壁を一体に有するから、第2コイルを収容するためのコイルハウジングが不要であるとともに、この隔壁により第1、第2のコイルを電磁結合が可能なように簡単かつ確実に隔離することができる。
【0013】
又、前記請求項1〜3の発明を実施するにあたり、これらのいずれか1項に従属する請求項4の発明のように、前記電圧発生器の電圧発生要素を前記ノズルニードルのリフト動作により圧縮されるばねの力が作用する圧電素子としてもよく、又、同様に、前記請求項1〜3のいずれか1項に従属する請求項5の発明のように、前記電圧発生器を、前記ノズルニードルに連動するプレッシャピンに取付けられた磁石と、この磁石を囲んで配置された検出コイルとから形成してもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図4を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。
【0015】
図3は第1の実施の形態に係る燃料噴射ノズルA全体の構成を示す縦断面図で、この図中符号1で示すノズルホルダは、同一軸線上に位置される第1、第2の端部1a、1bと、前記軸線から分岐された第3の端部1cとを有している。ノズルホルダ1は金属等の磁性体からなり、その内部には第1〜第3の段差2a〜2cを有する収容孔2が軸方向に貫通して形成されているとともに、第2、第3の段差2b、2c間において収納孔2に直角に連なった検出孔3が貫通されている。第2端部1bに開放された収容孔2の一端は余剰燃料の戻し口2eとして利用され、図示しない戻りパイプを介して燃料タンクに連通される。
【0016】
第1端部1aの外周にはホルダキャップ4が螺合され、このキャップ4にはノズルボディ5の一部と金属製パッキン6とが夫々収容されている。パッキン6は、ホルダキャップ4を第1端部1aにねじ込むことにより、第1端部1aとノズルボディ5との間に挟着されている。
【0017】
段付き円柱状をなすノズルボディ5の小径部はホルダキャップ4を貫通して外部に突出されていて、その先端部はノズル部5aをなしている。ノズルボディ5の中心部に設けられたニードル摺動穴5bにはノズルニードル7がその軸方向にのみ摺動可能なように高精度に収容されている。このニードル7は燃料噴射ノズルAの弁体を担うもので、その図示しない先端部はノズル部5aの弁座面に接離され、それによる開弁に伴い燃料の噴射が行なわれ、かつ、閉弁に伴い燃料噴射の停止が行われるようになっている。
【0018】
図3に示されるようにノズルニードル7の他端部をなす小径部7aは、パッキン6を貫通して収容孔2の第1端部1a側に連通された段付き孔6aに挿入されている。段付き孔6aのノズルボディ5側の大径孔部には、この孔部の高さ寸法よりも短いリング状の中継部材9が軸方向に移動可能に収容され、かつ、段付き孔6aのノズルホルダ1側の小径孔部には、この孔部を貫通して筒状ばね受10の小径筒部が挿入されている。ばね受10はノズルニードル7がリフトされるときに中継部材9を介して押圧移動されるようにその小径筒部の先端を僅かな隙間を設けて中継部材9に対向させている。そして、小径部7aは中継部材9を貫通してばね受10の内部に挿入され、この小径部7aと中継部材9及び前記小径筒部との間のクリアランス、及び後述のプレッシャピンと前記小径筒部との間のクリアランスは、前記余剰燃料の戻し経路として使用される。
【0019】
ノズルホルダ1、パッキン4、及びノズルボディ3にはこれらを順次通る燃料通路8が形成されている。燃料通路8の入口をなす第3端部1cには、図1に示されるように高圧燃料を供給する燃料噴射ポンプPが燃料噴射管Sを介して接続される。図1中Cは燃料噴射ノズルAが備える後述の検出装置の検出信号等が供給されるECU(電子制御ユニット)等のコントローラCであり、このコントローラCによって燃料噴射ポンプPの動作が制御されるようになっている。
【0020】
収容孔2内にはプレッシャピン11が軸方向に移動自在に収容されており、このピン11の先端部は段付き孔6aの中心部を通ってノズルニードル7の小径部7aの端面に当接されている。このプレッシャピン11とノズルニードル7とは同一軸線上に連続して設けられている。
【0021】
収容孔2にはプレッシャピン11をノズルニードル7方向に常に付勢する第1ばね12が収容されているとともに、ばね受10を常に中継部材9方向に付勢する第2ばね13が収容されている。コイルばね製の第2ばね13は、その一端をばね受10に支持させるとともに他端を前記第1段差2aに当て止められたリング状の固定ばね受14に支持させて圧縮状態に組込まれている。
【0022】
プレッシャピン11は、第2ばね13及び固定ばね受14を貫通しているとともに、このピン11にはばね受鍔部11aが設けられている。プレッシャピン11と固定ばね受14とのクリアランスは前記余剰燃料の戻し経路として使用される。コイルばね製の第1ばね12は、その一端をばね受鍔部11aに支持させるとともに、他端を収容孔2の第2段差2b側に収容されたばね力伝達板としてのリング状ばね受15に支持させて圧縮状態に組込まれている。この第1ばね12のばね力は本実施形態では第2ばね13のばね力よりも小さいが、第1ばね123と第2ばね13のばね力は、第2ばねのばね力の方が大きい場合もある。
【0023】
ノズルホルダ1内にはノズルAの開弁時期を検出するためにノズルニードル7のリフト量を検出する検出装置21が組込まれている。図4に示されるように検出装置21は、電圧発生器22と、第1コイル23と、第2コイル24とを備えている。
【0024】
詳しくは、電圧発生器22は、両端面に電極板25が装着された電圧発生要素としての圧電素子26を両側から絶縁材27で挟み、これら圧電素子26及び一対の絶縁材27を筒状の絶縁材製保護体28に収容して形成されている。一方の電極板25は一方の絶縁材27を貫通する電極端子25aを有し、他方の電極板は圧電素子26及び前記一方の絶縁材27を貫通する電極端子25bを有している。この電圧発生器22は余剰燃料経路となる通路29を有し、この通路29は一対の電極板25とは絶縁されている。
【0025】
第1コイル23はその両端を電極端子25a、25bに接続して電圧発生器22に直列に設けられているとともに、非磁性体材料からなるコイルハウジング30内に収められている。コイルハウジング30は一対の電極端子25a、25bが貫通した前記一方の電極板25に重ねて接着止め等により連結されている。このコイルハウジング30は第1コイル23から隔離された余剰燃料経路用通路31を有して、これは前記通路29に連通されている。
【0026】
第2コイル24は第1コイル23と電磁結合して設けられるものであって、ステンレス等の非磁性体材料からなるコイルハウジング32内に収められている。コイルハウジング32はその軸方向一端に閉鎖端壁32aを有している。第2コイル24の両端には信号取出し線33が接続されており、この線33は前記端壁32aと反対側の開放端を通ってコイルハウジング32の外に引出されている。
【0027】
一体化された電圧発生器22と第1コイル23とは、図3に示されるようにコイルハウジング30を前記第3段差2cに当て止めるとともに、このハウジング30より突出した電圧発生器22部分を前記第2段差2bに当て止めて前記収容孔2の第2端部1b側に収容固定されている。この収納によって、第1コイル23は検出孔3と対向する位置に配置される。そして、電圧発生器22にはノズルニードル7のリフト荷重を受けるように第1ばね12を支持したばね受15が当接されている。
【0028】
又、コイルハウジング32はその閉鎖端壁32aを先頭にして検出孔3に盲栓状に圧入してノズルホルダ1に取付けられる。このハウジング32内には第2コイル23が収容され、これに接続された信号取出し線33はノズルホルダ1外に引出される。検出孔3へのコイルハウジング32の取付けにより、検出孔3が封止されるとともに、第1コイル23を収容したコイルハウジング30の開口端も閉鎖される。このような検出装置21のノズルホルダ1内への装着により、第1、第2のコイル23、24は、前記閉鎖端壁32aを隔壁としてこれを間に置いて電磁結合が可能なように並設されている。
【0029】
前記構成の燃料噴射ノズルAにおいて、燃料噴射ポンプPから高圧燃料が燃料通路8に圧送されるに伴い、この通路8の内圧が、第1ばね12によるノズルニードル7の押付け荷重より大きい開弁力をノズルニードル7に与えるようになると、ノズルニードル7は第1ばね12の付勢力に抗してプレッシャピン11を伴って第2端部1b側に移動(リフト)する。この時の上昇は、ノズルニードル7が中継部材9を押上げて、この部材9が第2ばね13で付勢されているばね受10の小径筒部に当たるまで行われる。それによって、ノズルニードル7がプレリフトされる。この上昇による開弁によって燃料がノズル部5aの図示しない噴射孔からディーゼルエンジンの燃焼室内に噴射され、この燃料噴射により燃焼室内ではいわゆる種火に相当する燃焼が開始される。
【0030】
前記燃料の圧送は引き続いているので燃料通路8の内圧は上昇し、それが第1、第2のばね12、13による合計荷重より大きな最大開弁圧力に達すると、ノズルニードル7が、第2ばね13の付勢力に抗してばね受10を押し動かしながら、更に第1ばね12の付勢力に抗してプレッシャピン11をリフトさせ、こうしてノズルニードル7は最大にリフトされる。この最大リフトにしたがい燃料通路8内の燃料が、既に種火ができている燃焼室内に主噴射されるから、この燃料を適切に燃焼させることができる。
【0031】
そして、燃料噴射ポンプPからの燃料圧送が終了すると、燃料通路8内の圧力は低下するので、それが設定された閉弁圧に達すると、第1、第2のばね12、13の付勢力により、ノズルニードル7、プレッシャピン11、ばね受10、及び中継部材9が、燃料圧力に抗してノズル先端側に夫々押圧移動されて元の状態に復帰する。したがって、ノズルニードル7の先端部が着座して噴射孔が閉じられ燃焼噴射が終了する。
【0032】
このような燃料噴射において、高圧の余剰燃料はニードル摺動穴5bとノズルニードル7との間のクリアランス、ノズルニードル7の小径部7aと中継部材9との間のクリアランス、小径部7a及びプレッシャピン11とばね受10との間のクリアランスを通ってノズルホルダ1の収容孔2に流入し、更に、この孔2内においてプレッシャピン11と固定ばね受14との間のクリアランス及び検出装置21に設けられた各通路29、31を通って収容孔2の戻し口2dに至り、ここから外部に流出して燃料タンクに戻される。
【0033】
ところで、既述の燃料噴射の伴うノズルニードル7のリフト動作に伴って第1ばね12は以上のように圧縮されるから、このばね12がばね受け15を介して電圧発生器22の圧電素子26に与える荷重、つまり、リフト荷重は変動する。それに伴い圧電素子26は、リフト荷重に応じた電圧、言い換えれば、ノズルニードル7のリフト量に応じた電圧を発生する。
【0034】
こうして発生された電圧によって圧電素子26に直列に接続された第1コイル23には電流が流れるとともに、その電流の大きさに応じた強さの磁界が第1コイル23によって形成される。この磁界は、第1コイル23に隔壁となる前記閉鎖端壁32aを間に置いて近接されている第2コイル24に作用するため、それに応じた電流が第2コイル24に流れる。すなわち、以上のような第1、第2のコイル23、24間での電磁結合によって、ノズルニードル7のリフト量を第2コイル24に取出すことができ、この検出信号はノズルホルダ1外に引出された信号取出し線33を介して前記コントローラCに与えられる。
【0035】
なお、前記閉鎖端壁32aを有したコイルハウジング32は、非磁性材料であるから、ノズルホルダ1を形成する磁性材のように材質自体の磁化と渦電流とにより周囲の磁界を打ち消す働きが高いものとは異なり、渦電流のみが発生するので磁界を減じる作用は小さく、そのため、第1コイル23が形成した磁界は前記閉鎖端壁32aを通過でき、前記電磁結合を実現できる。
【0036】
図2のタイムチャートには、前記ノズルニードル7のリフト量の変化と、検出装置21から出力される検出信号の変化と、開弁時期の検出により立てられる開弁検出フラグと、エンジン回転数から算出したフラグリセット信号Rと、開弁信号Tとの関係が示されている。これから明らかなようにコントローラCは、その開弁検出部に設定されたしきい値Uを検出信号がはじめて越えた時点(前記プレリフトした時点)で、開弁時期検出フラグを立てる。なお、図2中Oが開弁時点である。更に、コントローラCは、ディーゼルエンジンの回転数から燃料噴射時間より十分長く、かつ、次の燃料噴射までの時間よりも早いタイミングでフラグリセット信号Rを出して、開弁検出フラグをリセットすることにより、前記フラグを立てた時点からリセットするまでの期間にわたり開弁信号Tを保持して、燃料噴射を制御する。
【0037】
既述のようにノズルニードル7のリフト量を、ノズルホルダ1内に設けた検出装置21の電圧発生器22でノズルニードル7のリフト量に応じた電圧を発生させて、それを検出装置21の第1コイル23と第2コイル24との間の電磁結合によって取出し、取出された検出信号をコントローラCで信号処理して開弁時期を検出している。そのため、第2コイル24及びこれに接続されてノズルホルダ1外に引出される信号取出し線33を、高圧の余剰燃料の逃がし経路内に位置される電圧発生器22及び第1コイル23とは非磁性体製のコイルハウジング32を用いて隔離し、ノズルホルダ1の内外を貫通することなく設けることができる。
【0038】
したがって、コイルハウジング32で閉鎖された検出孔3を通る燃料漏れがないとともに、逃がし経路内の高圧の余剰燃料に信号取出し線33が晒されてこの線33内を通る燃料漏れもないので、ノズルニードル7のリフト量についての検出信号の取出し部からの燃料漏れを確実に防止できる。しかも、検出孔3に圧入された非磁性金属材料製のコイルハウジング32が検出孔3の栓をなしているので、燃料漏れを防止するためのシール材やその固定部品を要したり、或いは合成樹脂による封止を要したりすることがない。したがって、燃料漏れの防止構造が簡単であるとともに、シール材や封止部材を用いる場合のような劣化がないので、耐久性に優れる。
【0039】
図5および図6は本発明の第2の実施の形態を示している。この実施の形態は基本的には前記第1の実施の形態と同様な構成であるので、同様構成部分には前記第1の実施の形態と同じ符号を付して、その構成および作用の説明を省略し、以下異なる点について説明する。第2の実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、収容孔が第4段差を有することと、検出装置の電圧発生器の構成と、プレッシャピンの構成である。
【0040】
すなわち、第2の実施の形態において、収容孔2の第4段差2dは図6に詳しく示すように第2段差2bの近傍に第3段差2cとは逆側に設けられていて、これにはばね受15が当て止めされている。又、検出装置21の電圧発生器22は、収容孔2内において第2、第4の段差2b、2d間に配置された磁石41と、これを囲んで配置された検出コイル42とから形成されている。前記プレッシャピン11はその軸方向にばね受鍔部11aから第2端部1b方向に伸びる延長軸部11bを有しており、この軸部11bの先端には前記磁石41が固定されている。又、検出コイル42には前記第1コイル23が直列に接続されている。なお、以上の点以外の構成は図5及び図6には示されない部分を含めて前記第1の実施の形態と同様である。
【0041】
この第2の実施の形態の構成によれば、ノズルニードル7及びプレッシャピン11が軸方向に移動されると、磁石41と検出コイル42との相対位置が変化するので、自己誘導作用によりノズルニードル7の移動速度に比例した電圧が検出コイル42に発生する。こうした磁石41と検出コイル42との自己誘導作用により、検出コイル42にはノズルニードル7のリフト量に応じた電圧が発生し、それに応じた電流が第1コイル23に流れて、このコイル23が磁界を形成するので、その磁界の電磁誘導により第2コイル24には第1コイル23に印加される電圧に比例する電圧が発生され、それが検出信号としてノズルホルダ1外に取出される。したがって、この第2の実施の形態においても、ノズルホルダ1内に組込まれた検出装置21でノズルニードル7のリフト量を検出して、第1の実施の形態と同様に本発明の課題を解決できるものである。
【0042】
図7は本発明の第3の実施の形態を示している。この実施の形態は基本的には前記第1の実施の形態と同様な構成であるので、同様構成部分には前記第1の実施の形態と同じ符号を付して、その構成および作用の説明を省略し、以下異なる点について説明する。第3の実施の形態が第1の実施の形態と異なる部分は、ノズルホルダとそこに設けられて第2コイルが収容される検出穴の構成である。
【0043】
すなわち、第3の実施の形態において、ノズルホルダ1は非磁性材で形成されているとともに、検出穴43は収容孔2とは薄い隔壁44により隔てて設けられている。隔壁44はノズルホルダ1と一体である。この検出穴43にはコイルハウジングを用いることなく第2コイル24が直接収容されている。なお、以上の点以外の構成は図7には示されない部分を含めて前記第1の実施の形態と同様である。
【0044】
この第3の実施の形態の構成においては、第1の実施の形態と同様にノズルホルダ1内に組込まれた検出装置21でノズルニードルのリフト量を検出して、本発明の課題を解決できるものである。しかも、この実施形態では、ノズルホルダ1を非磁性材製としたから、このホルダ自体における検出穴43回りの部分が第1実施形態で用いたコイルハウジングを兼ねるので、部品点数及び組立工数を少なくできる点で優れている。その上、隔壁44がノズルホルダ1と一体であるから、収容孔2に対する第2コイル24の隔離が極めて確実であって、検出穴43を通る燃料漏れの恐れを皆無とできる点でも優れている。
【0045】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0046】
請求項1〜5に記載の発明によれば、ノズルニードルのリフト量をノズルホルダ内に設けた検出装置が備える第1コイルと第2コイルとの間の電磁結合によって検出するから、第2コイル及び信号取出し線を、ノズルホルダの内外を貫通することなく、高圧の余剰燃料の逃がし経路内に位置される電圧発生器及び第1コイルとは隔離して設けることができ、したがって、ノズルニードルのリフト量についての検出信号の取出し部からの燃料漏れを簡単な構造で確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料噴射の制御系統を概略的に示す図。
【図2】図1に示された制御系統による燃料噴射ノズルの開弁時期検出を説明するためのタイムチャート。
【図3】第1の実施の形態に係る燃料噴射ノズルの構成を示す縦断面図。
【図4】図3に示された燃料噴射ノズルが備える検出装置の構成を拡大して示す断面図。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る燃料噴射ノズルの構成を示す縦断面図。
【図6】図5に示された燃料噴射ノズルが備える検出装置回りの構成を拡大して示す断面図。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る燃料噴射ノズルが備える検出装置回りの構成を拡大して示す断面図。
【符号の説明】
A…燃料噴射ノズル、
1…ノズルホルダ、
2…収容孔、
3…検出孔
7…ノズルニードル、
11…プレッシャピン、
12…第1ばね、
13…第2ばね、
21…検出装置、
22…電圧発生器、
23…第1コイル、
24…第2コイル、
26…圧電素子(電圧発生要素)、
32…コイルハウジング、
32a…閉鎖端壁(隔壁)、
33…信号引出し線、
41…磁石、
42…検出コイル、
43…検出穴、
44…隔壁。

Claims (5)

  1. ノズルニードルのリフト量を検出する検出装置をノズルホルダ内に組込んだ燃料噴射ノズルにおいて、
    前記検出装置を、前記ノズルニードルのリフト量に応じた電圧を発生する電圧発生器と、この発生器に直列接続された第1コイルと、この第1コイルに電磁結合して設けられるとともに前記ノズルホルダ外に引出される信号取出し線が接続された第2コイルとを備えて形成したことを特徴とする燃料噴射ノズル。
  2. 前記ノズルホルダを磁性体製とするとともに、その内部に収容されたプレッシャピンを付勢するばねの収容孔に連通する検出孔を前記ノズルホルダが有しており、前記検出孔と対向する位置に前記第1コイルを配してこの第1コイルとともに前記電圧発生器を前記収容孔に収容し、かつ、前記検出孔に非磁性体製であって閉鎖端壁を有したコイルハウジングを圧入し、このハウジング内に前記第2コイルを収容して前記第1コイルと磁気結合させたことを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射ノズル。
  3. 前記ノズルホルダを非磁性体製とするとともに、その内部に収容されたプレッシャピンを付勢するばねの収容孔とは前記ノズルホルダと一体の隔壁により隔てられた検出穴を前記ノズルホルダが有しており、前記隔壁と対向する位置に前記第1コイルを配してこの第1コイルとともに前記電圧発生器を前記収容孔に収容し、かつ、前記検出穴に前記第2コイルを収容して前記第1コイルと磁気結合させたことを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射ノズル。
  4. 前記電圧発生器の電圧発生要素を前記ノズルニードルのリフト動作により圧縮されるばねの力が作用する圧電素子としたことを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の燃料噴射ノズル。
  5. 前記電圧発生器を、前記ノズルニードルに連動するプレッシャピンに取付けられた磁石と、この磁石を囲んで配置された検出コイルとから形成したことを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の燃料噴射ノズル。
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