JP3865679B2 - スターリング冷凍機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フリーピストン型スターリング機関を用いたスターリング冷凍機に関し、特にスターリング冷凍機の制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
冷凍機は一般に冷媒の凝縮及び蒸発を利用した蒸気圧縮式の冷凍サイクルが採用されている。しかし、蒸気圧縮式の冷凍サイクルの冷媒として用いられるフロンは、オゾン層破壊による環境への悪影響が指摘され、近年、使用及び生産が規制されてきている。
【0003】
このため、フロンを用いた冷凍サイクルに替えて、逆スターリング冷凍サイクルによるスターリング機関を用いたスターリング冷凍機が提案されている。逆スターリング冷凍サイクルは作動媒体としてヘリウムガス、水素ガス、窒素ガス等の自然媒体を使用するため、環境への悪影響を防止することができる。
【0004】
スターリング冷凍機は、圧縮空間を介してピストンとディスプレーサとが軸方向に並設され、圧縮空間と再生器を介して連通する膨張空間がディスプレーサの先端に設けられている。ピストンとディスプレーサとが所定の位相差で往復運動することにより、作動媒体が圧縮空間で圧縮されるとともに膨張空間で膨張して膨張空間側を低温にできるようになっている。
【0005】
ピストンは一般にリニアモータにより駆動される。リニアモータの駆動電圧を増減してピストンのストロークを可変することによって冷凍能力をコントロールすることができる。即ち、リニアモータの駆動電圧を小さくすると、ピストンのストロークが短くなるため冷凍能力が低下する。リニアモータの駆動電圧を大きくすると、ピストンのストロークが長くなり冷凍能力が向上する。
【0006】
このような関係を利用して、従来、ピストンとディスレーサの駆動用のリニアモータを1台ずつ備え、ピストンとディスプレーサの各変位を測定してそれぞれの中立位置を一定に維持するように、リニアモータへの入力電流を制御していた(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
また、駆動コイルへの入力電力に基づいてピストンのストロークを導出し、このストロークに基づいて入力電力をオフセットすることによりピストンの上死点を一定に保ち、圧縮空間の死容積を一定に維持する技術も知られていた(例えば、特許文献2参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平2−217757号公報
【特許文献2】
特開平11−304270号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来のスターリング冷凍機によると、運転開始時の低温側の温度が常温に近い状態では、内部ガス圧が定常運転状態に至っていないので、この時に定常状態の駆動電圧をリニアモータに印加すると、ピストンとディスプレーサとの位相がずれて両者が衝突する危険があった。また、冷却負荷が変化してピストンとディスプレーサとの位相がずれたり、冷凍能力を最大に引き出しているときに外部要因(スターリング冷凍機の電源電圧や雰囲気温度)が変化したりしたとき、あるいはスターリング冷凍機の内部要因(組立て誤差や部品精度等の個体差)があるときにも衝突する危険があった。この衝突する危険を回避するために、リニアモータの駆動電圧は理想駆動電圧よりも低く設定せざるを得ず、スターリング冷凍機の冷凍能力を最大限に引き出せないという課題があった。
【0010】
本発明は、冷凍能力を向上させたスターリング冷凍機を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、作動ガスを封入したシリンダ内を往復運動するピストン及びディスプレーサと、前記ピストンを移動させるリニアモータとを具備してなるフリーピストン型のスターリング冷凍機において、スターリング冷凍機の運転状況に対応したピストンの目標ストロークを動作テーブルとして記憶し、該動作テーブルに基づいて前記リニアモータを駆動制御する制御手段を備え、前記動作テーブルは、スターリング冷凍機の起動開始からの経過時間を変数とする1次元テーブルであることを特徴としている。
【0014】
この構成によると、リニアモータを駆動するとピストンとディスプレーサとが所定の位相差で往復運動して作動媒体を圧縮及び膨張して冷凍サイクルが運転される。制御手段は、スターリング冷凍機の運転状況に対応したピストンの目標ストロークを動作テーブルとして記憶しており、該動作テーブルに基づいてピストンのストロークを目標ストロークに設定する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は第1実施形態のスターリング冷凍機を示す断面図である。スターリング冷凍機40は、軸方向に分割された略円筒形状のシリンダ3内に、円柱形のピストン1及びディスプレーサ2が内嵌されている。ピストン1とディスプレーサ2とは圧縮空間9(以下、「ウォームセクション」という場合がある)を介して同軸に配置されている。
【0025】
シリンダ3の先端にはディスプレーサ2との間に膨張空間10(以下、「コールドセクション」という場合がある)が形成されている。圧縮空間9と膨張空間10とはヘリウム等の作動媒体が流通する媒体流通路11により連通している。媒体流通路11内には、作動媒体の熱を蓄積するとともに蓄積した熱を作動媒体に供給する再生器12が配されている。シリンダ3の略中間には鍔部3aが突設されている。鍔部3aにはドーム状の耐圧容器4が取り付けられ、内部を密閉してバウンス空間8が形成されている。
【0026】
ピストン1は後端でピストン支持バネ5と一体化され、ディスプレーサ2はピストン2の中心孔1aを貫通するロッド2aを介してディスプレーサ支持バネ6と一体化されている。ピストン支持バネ5とディスプレーサ支持バネ6とはボルト22により連結されている。後述するように、ピストン1が往復運動するとディスプレーサ2はその慣性力によってピストン2に対して所定の位相差を有して往復運動を行うようになっている。
【0027】
バウンス空間8内のシリンダ3には内側ヨーク18が外嵌されている。内側ヨーク18には隙間19を介して外側ヨーク17が対峙している。外側ヨーク17には駆動用コイル16が内装され、隙間19には環状の永久磁石15が移動可能に配されている。永久磁石15はカップ状のスリーブ14を介してピストン1と一体化されている。これにより、駆動用コイル16に電圧を印加することによってピストン1を軸方向に移動させるリニアモータ13が構成されている。
【0028】
駆動用コイル16には、リード線20、21が接続されている。リード線20、21は、耐圧容器4の壁面をハーメチックシール端子37(図2参照)を介して貫通し、制御ボックス30に接続されている。制御ボックス30によってリニアモータ13の駆動電源が供給されるようになっている。
【0029】
上記構成のスターリング冷凍機40は、リニアモータ13によってピストン1が往復運動すると、ディスプレーサ2の慣性力によってピストン1に対して所定の位相差でディスプレーサ2が往復運動する。これにより、圧縮空間9と膨張空間10との間を作動媒体が移動して逆スターリングサイクルが構成される。即ち、作動媒体が圧縮されることによって高温側となる圧縮空間9で発生した熱は媒体流通路11を介して大気中へ放出され、更に作動媒体は再生器12に熱を蓄積して膨張空間10へ移動する。
【0030】
再生器12により冷却された作動媒体は低温側となる膨張空間10で膨張されることによって更に冷える。そして、作動媒体が媒体流通路11を通じて圧縮空間9へ移動する際に再生器12に蓄えられた熱によって加熱される。この動作を繰り返して膨張空間10(コールドセクション)の冷凍が行われるようになっている。
【0031】
図2は、制御ボックス30とスターリング冷凍機40との接続状態を示す図である。スターリング冷凍機40には膨張空間10、圧縮空間9、バウンス空間8の温度Tc、Th、Tbをそれぞれ検知する温度センサ34、35、36が取り付けられている。
【0032】
制御ボックス30には温度センサ34、35、36の出力をそれぞれA/D変換するTcA/D変換部108、ThA/D変換部109、TbA/D変換部110が設けられている。また、リード線20、21を介してハーメチックシール端子37にはリニアモータ駆動用電圧出力部101が接続されている。リニアモータ駆動用電圧出力部101は、リニアモータ13の駆動電圧を出力する。
【0033】
図3は、制御ボックス30の更に詳細を示すブロック図である。制御ボックス30には、各種演算等を行うマイクロコンピュータ104が設けられる。マイクロコンピュータ104には、制御ボックス30の各部に電源を供給する電源部105が接続されている。
【0034】
また、マイクロコンピュータ104には、電源部105の入力電圧を検出する電圧センサー(不図示)の検出値をA/D変換して入力する電圧値入力部102及びリニアモータ13の消費電流を検出する電流センサ33の検出値をA/D変換して入力する電流値入力部103が接続されている。更に、制御ボックス30をリセットするリセット部106、PWMインバーター波形を生成する発振部107、書換可能な不揮発性記憶素子(EEPROM)から成ってデータを記憶する記憶部111がマイクロコンピュータ104に接続されている。
【0035】
後述するように、電圧値入力部102からの入力に応じてマイクロコンピュータ104から電源部105に制御信号が送信される。これにより、電源部105の出力電圧が制御される。また、リニアモータ駆動用電圧出力部101は、マイクロコンピュータ104の制御によって電源部105の出力電圧をPWMインバーター波形に変換してリニアモータ13に供給するようになっている。
【0036】
図4は、マイクロコンピュータ104の内部構成を示すブロック図である。マイクロコンピュータ104内には、制御プログラムが記憶された読出し専用のROM121、演算の一時記憶を行うRAM122、運転時間等を計時するタイマー123、入出力用のI/Oポート125がCPU124に接続される。CPU124がROM121から読出した制御プログラムを実行することによりスターリング冷凍機40の制御が行われる。
【0037】
リニアモータ13の駆動を制御する方法として、リニアモータ13の駆動電圧を検知して目標ストロークに対応した駆動電圧に制御するステップ制御と、ピストン1のストロークを検知して所望のストロークに制御するストローク制御とが考えられる。
【0038】
ステップ制御は、電圧値入力部102から入力された電圧値および電流値入力部103から入力された電流値に基づいて算出された、駆動中のリニアモータ13の駆動電圧と、ピストン1の目標ストロークに対応した駆動電圧とをマイクロコンピュータ104により比較して、リニアモータ駆動用電圧出力部101から出力される駆動電圧をステップ状に調整して行われる。
【0039】
ストローク制御は、マイクロコンピュータ104により駆動中のリニアモータ13の駆動電圧、消費電流、インダクタンス、抵抗成分から演算することによりピストン1のストロークを検出し、記憶部111(図3参照)に記憶された目標ストロークと比較して、リニアモータ駆動用電圧出力部101から出力される駆動電圧を目標ストロークに対応した駆動電圧に調整して行われる。
【0040】
ピストン1のストロークの検出方法を説明するため、図5にリニアモータ13の等価回路を示す。リニアモータ駆動用電圧出力部101から駆動電圧Vtが与えられると、リニアモータ13には電流Iが流れ、抵抗成分R及びインダクタンスLにより電圧降下が生じて逆起電力Vgが発生する。
【0041】
電流Iは駆動電圧Vtに対して位相のずれがあるため、位相差をθとすると、図6のベクトル図に示すように、抵抗成分R及びインダクタンスLによる電圧降下はそれぞれRIcosθ、Lsinθ・dI/dtとなる。従って、逆起電力Vgは下記の式(1)で表される。また、逆起電力VgはストロークXpの関数になるため、下記の式(2)によっても表される。
【0042】
Vg=Vt−RIcosθ−Lsinθ・dI/dt ・・・(1)
Vg=f(Xp) ・・・(2)
【0043】
図7は駆動電圧Vtと電流Iの出力波形を示す図である。位相差θは以下のように求めることができる。即ち、駆動電圧Vtの電圧のピーク位置(位相角90゜)を位置Aとして、位置Aから所定角度、例えば10゜、20゜遅れた位置を位置B(位相角100゜)、位置C(位相角110゜)とする。また、位置A、B、Cの時の電流IをそれぞれIA、IB、ICとすると、位相差θは以下のようになる。
【0044】
IA≧IB>IC の時、θ≦5°
IB>IA≧IC の時、5°<θ≦10°
IB≧IC>IA の時、10°<θ≦15°
IC>IB>IA の時、θ>15゜
【0045】
上記のように、位置A、B、Cの遅れ角度を10゜にすると5°の分解能で位相差θを判定することが可能となる。遅れ角度をより小さくすれば分解能を高くすることができるとともに、測定ポイント数を増加させるとより広範囲の位相差を測定することが可能となる。
【0046】
上記式(1)、(2)において、L、Rは既知であり、Vt、Iはそれぞれ電圧値入力部102及び電流値入力部103から与えられることにより位相差θが求められるので、マイクロコンピュータ104によりストロークXpを演算することができる。
【0047】
また、位相差θ≒0の時、上記式(1)は下記の式(3)のように近似することができる。従って、スターリング冷凍機40の負荷が軽い場合は位相差θ≒0となるため、式(3)を用いてストロークXpを求めてもよい。
【0048】
Vg=Vt−RI ・・・(3)
【0049】
しかし、スターリング冷凍機40の負荷が大きくなると位相差θは大きくなるため、位相差θの影響を完全に無視することはできない。そこで、上記の式(3)において、抵抗成分Rにスターリング冷凍機40の負荷を考慮することが望ましい。スターリング冷凍機40の負荷は、スターリング冷凍機40の高温側の温度と低温側の温度との関数により表わすことができる。
【0050】
高温側の温度として、ウォームセクション9の温度Thまたはバウンス空間8の温度Tbを用いる。低温側の温度として、コールドセクション10の温度Tcを用いる。従って、上記の式(3)に替えて下記の式(4)または式(5)を用いることができる。そして、マイクロコンピュータ104は、式(4)または式(5)と式(2)との関係からピストン1のストロークXpを求めることができる。
【0051】
Vg=Vt−R(Th、Tc)I ・・・(4)
Vg=Vt−R(Tb、Tc)I ・・・(5)
【0052】
記憶部111(図3参照)にはスターリング冷凍機40の運転状況に応じたピストン1の目標ストロークが記憶されている。表1は、記憶部111に記憶された目標ストロークのテーブルを示している。
【0053】
【表1】
【0054】
同表によると、目標ストロークはスターリング冷凍機40の低温側の温度及び高温側の温度の2次元(マトリックス)テーブルになっており、これらの温度帯に応じて異なる値になっている。
【0055】
コールドセクション10の温度Tcは、10℃〜20℃、0℃〜10℃、−10℃〜0℃、−20℃〜−10℃、−30℃〜−20℃、の5つの範囲に区分けされている。ウォームセクション9の温度Thまたはバウンス空間8の温度Tbは、〜30℃、30℃〜40℃、40℃〜50℃、50℃〜60℃、の4つの範囲に区分けされている。これらの温度範囲や温度の区切りは一例であって上記に限定されるものではない。
【0056】
図8は、この温度を変数とする目標ストロークのテーブルを参照するプログラムのフローチャートである。まず、ウォームセクション温度ThをTh温度センサ35・ThA/D変換部109で検知・デジタル変換して測定する(ステップ#51)。その温度が、60℃未満30℃以上の範囲にあるか確認する(ステップ#52,53)。60℃以上の場合は59℃に、30℃以下の場合は29℃に整える(ステップ#54,55)。その値を10で割って小数点以下を切り捨てて整数化し、さらにその値から2を引いて、FThを求める(ステップ#56)。
【0057】
次に、Tcの温度をTc温度センサ34・ThA/D変換部108で検知・デジタル変換して測定し、30を加える(ステップ#57)。その温度が、50℃未満0℃以上の範囲にあるか確認する(ステップ#58,59)。50℃以上の場合は49℃に、0℃以下の場合は0℃に整える(ステップ#61)。その値を10で割って小数点以下を切り捨てて整数化し、FTcを求める(ステップ#62)。ROM上のテーブルが存在する先頭アドレスTA/Dに4(4−FTc)とFThとを加えて、ターゲットアドレスを算出する(ステップ#63)。そのアドレスのデータをAcとして取り込み(ステップ#64) 、目標ストロークとする(ステップ#65)。
【0058】
なお、ウォームセクション温度Thのかわりに、バウンス空間の温度Tbを用いても同様の効果が得られる。
【0059】
スターリング冷凍機40は低温側の温度が低いほど作動媒体のガス圧が安定して駆動されており、同様に高温側の温度が高いほど作動媒体のガス圧が安定して駆動されている。従って、起動直後等の作動媒体のガス圧が不安定なときはリニアモータ13によりピストン1が小さいストロークで駆動される。これにより、ピストン1とディスプレーサ2との衝突が低減される。そして、起動後の時間経過によって作動媒体のガス圧が安定すると徐々にストロークを大きくして、高い冷凍能力で運転する。
【0060】
また、起動直後にはストロークを小さくしリニアモータ13の往復運動の速度を速くしてガス圧を早く安定させるとともに、ストロークを大きくすると往復運動の速度を遅くして行き過ぎによる衝突を回避すると良い。
【0061】
尚、ピストン1とディスプレーサ2とが所定距離以内に接近した際や衝突の発生を検知した場合には、前述のステップ制御に切り換える。これにより、直前の駆動電圧よりも低い駆動電圧でリニアモータ13を駆動して衝突を回避した駆動に復帰できるようになっている。
【0062】
目標ストロークはテーブルから抽出するのではなく演算により求めてもよい。例えば、目標ストロークXbを式(6)或いは式(7)のように温度Tc、Thの関数により表わすことができる。式(6)または式(7)により目標ストロークを演算すると、よりなめらかにストロークを調整することができるとともに、記憶部111のデータ量を削減することができる。
【0063】
Xb=(α1Tc+α2)(α3Th+α4) ・・・(6)
Xb=(β1Tc2+β2Tc+β3)(β4Th2+β5Th+β6) ・・・(7)
(α1〜α4,β1〜β6は定数)
【0064】
次に、本発明の第2の実施形態のスターリング冷凍機について説明する。この実施形態は、後述する衝突検知手段を用いることにより、ストローク制御に加え、ピストン1とディスプレーサ2の衝突による危険な状態の回避が行えるようにしたものである。
【0065】
上記第1の実施形態において、マイクロコンピュータ104はリニアモータ13の駆動電圧を徐々に上昇させ、ピストン1とディスプレーサ2の衝突の危険があるストローク付近になると、目標ストロークが得られるまでゆっくりと上昇させる。このように駆動電圧を上昇させているときは、ピストン1とディスプレーサ2のストロークのバランスがうまく取れていないため、比較的衝突が起こりやすくなる。したがって、もし衝突が検知されれば、直ちにピストン1のストロークを小さくすることにより、衝突による危険な状態を回避することが必要である。
【0066】
この場合の衝突を検知する具体的方法について説明する。この方法は、駆動電圧を上昇させれば、リニアモータ13の消費電流が増加することを利用している。リニアモータ13の等価回路における駆動電圧Vtと消費電流Iの関係を予測演算し、駆動電圧を所定値上昇させたとき、予測演算して得られた消費電流値に数パーセント上乗せした衝突検知電流値Aを演算記憶する。そして、実際の消費電流値を電流センサ33により測定し、上記衝突検知電流値Aと比較する。測定値が衝突検知電流値Aを越えた場合は衝突と判断し、危険回避を行う。危険回避の具体的方法については後述する。
【0067】
また、ピストン1の目標ストロークが得られ、一定の駆動電圧でリニアモータ13を制御しているときは、ピストン1とディスプレーサ2の接近時の間隔が非常に小さくなっているため、負荷や入力電圧の少しの変動でも衝突する危険がある。
【0068】
この場合の衝突検知の具体的方法について説明する。この方法は、ピストン1とディスプレーサ2が衝突すれば、リニアモータ13の消費電流が周期的に変動することを利用している。すなわち、ピストン1の運動が目標ストロークに到達し、一定の駆動電圧でリニアモータ13を制御している場合、通常、消費電流値も一定になるはずであるが、ピストン1とディスプレーサ2の衝突が起こると、衝突のたびに周期的に電流値が大きく変動する。そのとき、衝突と判断できることを利用している。
【0069】
まず、目標ストロークが得られた時点で、消費電流値を検出して記憶する。そして、その値に数パーセントを掛けて衝突検知電流変動値Bを演算記憶する。そして、安定時の電流を0.1秒単位で繰り返し測定・記憶し、1秒毎にその変動値を下記の式で演算する。
変動値=1秒中の電流の最大値−1秒中の電流の最小値
【0070】
この変動値と衝突検知電流変動値Bと比較する。変動値が衝突検知電流変動値Bを越えた場合は、衝突と判断し回避処理を行う。ここで、上記記載の時間0.1秒、1秒は、一例であり、これに限定されるものではない。ちなみに、この衝突検知方法は、駆動電圧Vtが所定電圧を越えている場合に働かせると良い。
【0071】
上記のように2種類の衝突検知方法を用いて、ピストン1とディスプレーサ2の衝突の検知を行なっている。そして、実際衝突が検知されれば、ストローク制御から、ステップ制御に移行し、ストローク制御でコントロールしていた駆動電圧からステップで減らし、所定電圧低めの駆動電圧でリニアモータ13を駆動制御することになる。
【0072】
この減らす駆動電圧のステップ数は、ウォームセクションの温度Thとコールドセクションの温度Tcによる関数となっており、基本的に、ウォームセクションの温度Th、コールドセクションの温度Tcが高くなるとステップ数は大きくなるように設定されている。表2にその一例を示す。
【0073】
【表2】
【0074】
なお、ウォームセクション温度Thの代わりにバウンス空間温度Tbでも代用可能であり、また、ステップ数をThまたはTcについての一次関数や二次関数に変換することも可能である。
【0075】
このようにして衝突を検知すると、ストローク制御からステップ制御に移行し、リニアモータ13の駆動電圧をステップ数で下げることにより、ピストン1のストロークが瞬時に小さくなり、衝突による危険な状態を回避して安全に駆動制御することが可能となる。
【0076】
さらに、衝突を検知した場合にストローク制御からステップ制御に移行したが、逆にステップ制御からストローク制御に戻ることが必要になる。これには、時間による方法を取っていて、ステップ制御に移行した時点から所定時間経過後(例えば20秒後)、ストローク制御に復帰するように設計している。そして、ステップ制御を行なっている間は衝突検知を停止している。
【0077】
この場合、上記所定時間も負荷の変動にリンクさせることが可能で、ウォームセクションの温度Thとコールドセクションの温度Tcを変数とする2次元テーブルを利用するとよい。表3にその一例を示す。基本的には、ウォームセクションの温度Thが高く、コールドセクションの温度Tcが低いと時間が長くなるように設計されている。
【0078】
【表3】
【0079】
また、ウォームセクション温度Thの代わりにバウンス空間温度Tbでも代用可能であり、また、衝突検知の停止時間(上記所定時間)をウォームセクション温度Thまたはコールドセクション温度Tcについての一次関数や二次関数に変換することも可能である。
【0080】
次に、本発明の第3の実施形態のスターリング冷凍機について説明する。本実施形態は、スターリング冷凍機40の組立誤差や部品精度等の寸法に応じてマイクロコンピュータ104により目標ストロークを補正するようになっている。
【0081】
また、スターリング冷凍機40の組立誤差や部品精度によってピストン1とディスプレーサ2との間隔等の寸法に個体差が生じる。この時、全製品のスターリング冷凍機40を表1と同じテーブルの目標ストロークを用いてストローク制御を行うと、ピストン1とディスプレーサ2との衝突が発生する場合がある。
【0082】
このため、記憶部111には目標ストロークを補正する補正データが格納されている。例えば、記憶部111にはピストン1とディスプレーサ2との間隔に対応した係数k1のテーブルが記憶される。製造工程では、スターリング冷凍機40の各個体に対してのピストン1とディスプレーサ2との間隔を計測し記憶部111に格納する。したがって、スターリング冷凍機40の各個体に対応する係数k1がテーブルから定まることになる。
【0083】
スターリング冷凍機40の駆動時にマイクロコンピュータ104によって、記憶部111に格納された表1から目標ストロークXbが、ピストン1とディスプレーサ2との間隔に応じた係数k1のテーブルから係数k1がそれぞれ読出され、式(8)に示すように目標ストロークXbが補正される。そして、補正された目標ストロークXb’を基にストローク制御が行われるようになっている。
【0084】
Xb’=k1Xb ・・・(8)
【0085】
スターリング冷凍機40に供給される電圧が変動すると、電源部105の出力電圧も変動する。これにより、リニアモータ駆動用電圧出力部101からリニアモータ13に出力される駆動電圧が目標ストロークに対応しない電圧になる場合がある。このため、記憶部111には電源部105の出力電圧を補正する補正データが格納されている。例えば、記憶部111には電源部105の入力電圧に対応した係数k2のテーブルが記憶される。
【0086】
スターリング冷凍機40の駆動時にマイクロコンピュータ104によって表1の目標ストロークが読出され、該目標ストロークに応じた駆動電圧が求められる。同時に記憶部111から電源部105の入力電圧に応じた係数k2が読出され、式(9)に示すように電源部105の出力電圧Vbが補正される。そして、補正された出力電圧Vb’がリニアモータ駆動用電源出力部101に供給され、目標ストロークに対応した駆動電圧がリニアモータ13に供給されるようになっている。
【0087】
Vb’=k2Vb ・・・(9)
【0088】
また、リニアモータ13の消費電流Iが変動すると、インダクタンスL及び抵抗成分R(図5参照)の電圧降下の変化によりリニアモータ13に加わる電圧が変動する。これにより、所望のストロークが得られない場合がある。このため、記憶部111にはリニアモータ13の駆動電圧を補正する補正データが格納されている。例えば、記憶部111には消費電流に対応した係数k3のテーブルが記憶される。
【0089】
スターリング冷凍機40の駆動時にマイクロコンピュータ104によって表1の目標ストロークが読出され、目標ストロークに応じた駆動電圧Vcが求められる。同時に電流入力部103の入力に基づいて記憶部111から係数k3が読出され、式(10)に示すように駆動電圧Vcが補正される。そして、補正された駆動電圧Vc’によりリニアモータ13が駆動されるようになっている。
【0090】
Vc’=k3Vc ・・・(10)
【0091】
上記の係数k1、k2、k3はテーブルとして複数の値が格納されるが、係数k1、k2、k3を演算により求める式を記憶部111またはROM121に格納してもよい。
【0092】
上記構成のスターリング冷凍機40の動作を図9のフローチャートを参照して説明する。まず、ステップ#10ではコールドセクションの温度Tc及びウォームセクションの温度Thを温度センサ34、35により検知し、TcA/D変換部108及びThA/D変換部109を介してマイクロコンピュータ104に送信する。
【0093】
ステップ#11では、マイクロコンピュータ104によって記憶部111に記憶された目標ストロークのテーブルから、温度Tc、Thに対応する目標ストロークXbを抽出する。ステップ#12では、記憶部111に記憶された補正係数のテーブルから、ピストン1とディスプレーサ2との間隔に応じた補正係数k1を抽出する。ステップ#13では、目標ストロークを式(8)に基づいて補正し、目標の目標ストロークXb’を得る。
【0094】
ステップ#14ではスターリング冷凍機40の入力電圧(電源部105の入力電圧)を検出する。ステップ#15では記憶部111に記憶された補正係数k2のテーブルから、入力電圧に対応した補正係数k2を抽出する。ステップ#16では、電源部105の出力電圧を式(9)に基づいて補正し、安定した出力電圧Vb’を得る。
【0095】
ステップ#17では目標ストロークで駆動するための駆動電圧Vcをマイクロコンピュータ104により演算する。ステップ#18ではリニアモータ13の消費電流Iを電流センサ33で検知し、電流値入力部103を介してマイクロコンピュータ104に入力する。
【0096】
ステップ#19では、記憶部111に記憶された補正係数k3のテーブルから、消費電流Iに対応した補正係数k3を抽出する。ステップ#20では、リニアモータ駆動用電圧出力部101から出力する駆動電圧を式(10)に基づいて補正し、目標ストロークに狂いが生じない駆動電圧Vc’を得る。
【0097】
ステップ#21ではリニアモータ駆動用電圧出力部101から駆動電圧Vc’を出力してリニアモータ13に印加する。ステップ#22では、上記式(1)(2)に基づいてピストン1のストロークXpを検出する。ステップ#23では検出したストロークXpが目標ストロークXb’に一致しているかを判別する。
【0098】
ストロークXpと目標ストロークXb’とが一致していない場合は、ステップ#14〜#23を繰り返し、検出したストロークXpに基づいて駆動電圧Vcを再度演算する(ステップ#17)。ストロークXpと目標ストロークXb’とが一致すると、ステップ#10に戻り、スターリング冷凍機40の運転状況の変化に対応して目標ストロークを調整する動作が繰り返し行われる。
【0099】
本実施形態によると、ピストン1のストロークを検出して目標ストロークに制御するところのストローク制御を行うことにより、ピストン1とディスプレーサ2との衝突を回避するとともに、スターリング冷凍機40の冷凍能力を向上させることができる。
【0100】
また、記憶部111にスターリング冷凍機40の運転状況に応じた目標ストロークのテーブルが記憶されるので、運転状況に応じた目標ストロークでリニアモータ13を駆動することができる。従って、ピストン1とディスプレーサ2との衝突を回避するとともに、スターリング冷凍機40の冷凍能力をより向上させることができる。
【0101】
また、記憶部111をマイクロコンピュータ104内臓のROM121とは別に設けているため、マイクロコンピュータ104の負荷を軽減するとともに、大容量のデータを格納することができる。これにより、種々の運転状況に応じた目標ストロークを記憶してきめ細かい制御を行うことができる。
【0102】
更に、スターリング冷凍機40の組立誤差や部品精度等による寸法バラツキに応じて目標ストロークを補正するので、スターリング冷凍機40の個体差によるピストン1とディスプレーサ2との衝突を回避することができる。
【0103】
加えて、スターリング冷凍機40に供給される電圧の変動やリニアモータ13の消費電流の変動に応じてマイクロコンピュータ104により電源部105の出力電圧或いはリニアモータ13の駆動電圧を補正するので、より安定した目標ストロークでリニアモータ13を駆動できる。
【0104】
次に、第4の実施形態のスターリング冷凍機について説明する。本実施形態の構成は前述の図1〜図9に示す第1〜第3実施形態と同様であり、表4に示すように、記憶部111に記憶された目標ストロークのテーブルが異なっている。
【0105】
【表4】
【0106】
同表によると、目標ストロークは、スターリング冷凍機40の起動後の時間経過を変数とする1次元(リニア)テーブルとなっており、時間経過に従って増加している。時間経過はタイマー123(図4参照)により計測し、経過時間に対応した目標ストロークになるようにピストン1のストロークが調整される。前述の図9に示すフローチャートのステップ#10において、タイマー123によって起動後の時間を検出することにより第1実施形態と同様に制御することができる。
【0107】
これにより、起動直後の不安定な時期は、目標ストロークを小さくしてピストン1とディスプレーサ2との衝突を回避するとともに、安定状態になるほど目標ストロークを大きくして冷却能力を高くできるようになっている。尚、起動直後は経過時間によって表4に示すテーブルから目標ストロークを抽出し、所定時間経過後(例えば120秒後)に、低温側と高温側の温度によって表1に示すテーブルから目標ストロークを抽出するとよりきめ細かい制御が可能になる。
【0108】
次に本発明の第5の実施形態について説明する。図10は、第5の実施形態のスターリング冷凍機の動作を示すフローチャートである。本実施形態は、スターリング冷凍機40の入力電圧V及びリニアモータ13の消費電流Iに基づいて目標ストロークのテーブル(表1参照)を補正して作成し、このテーブルを随時更新するようになっている。
【0109】
まず、ステップ#30ではスターリング冷凍機40の入力電圧Vを検出する。ステップ#31ではリニアモータ13の消費電流Iを電流センサ33で検知し、電流値入力部103を介してマイクロコンピュータ104に入力する。ステップ#32では、記憶部111に格納された表5に示す補正テーブルから、入力電圧V及び消費電流Iに基づいて基準時の目標ストロークXb’(Im、Vn)を抽出する。表5において、列方向には入力電圧Vに応じて4段階に区分けされ、行方向には消費電流Iに応じて4段階に区分けされている。例えば、I=I4、V=V4であったとすると、抽出される基準時の目標ストロークXb’(I4、V4)は、5.7mmとなる。
【0110】
【表5】
【0111】
基準時の目標ストロークXb’(I、V)は、例えばコールドセクションの温度Tcが−15℃、ウォームセクションの温度Thが45℃のときの目標ストロークXb’(I、V)が記憶されている。
【0112】
スターリング冷凍機40の入力電圧V及びリニアモータ13の消費電流Iが変動すると、リニアモータ駆動用電圧出力部101(図3参照)から所定の目標ストロークXbに応じた駆動電圧を出力してもピストン1が目標ストロークXbで駆動されない。そのため、入力電圧V及び消費電流Iに応じて目標ストロークXbの補正が必要となる。
【0113】
ステップ#33では、基準時の目標ストロークXb’(I、V)に基づいて、前述の表1と同様の目標ストロークXb’のテーブルが作成され、記憶部111に記憶される。すなわち、表1におけるTc=−15℃、Th=45℃での目標ストロークの値が6.0mmから5.7mmに補正されるため、表6のようなテーブルが作成されることになる。表6では、表1に示す目標ストロークXbに対して各条件下の目標ストロークXb’が同じ比率(95%)になっている。
【0114】
【表6】
【0115】
ステップ#34ではコールドセクションの温度Tc及びウォームセクションの温度Thを温度センサ34、35により検知し、TcA/D変換部108及びThA/D変換部109を介してマイクロコンピュータ104に入力する。ステップ#35では、マイクロコンピュータ104によって記憶部111に記憶された目標ストロークXb’のテーブル(表6参照)から、温度Tc、Thに対応する目標ストロークXb’を抽出する。
【0116】
ステップ#36では、リニアモータ駆動用電圧出力部101から出力する駆動電圧Vcを目標ストロークXb’に基づいて演算する。ステップ#37ではリニアモータ駆動用電圧出力部101から駆動電圧Vcを出力してリニアモータ13に印加する。ステップ#38では、上記式(1)(2)に基づいてピストン1のストロークXpを検出する。
【0117】
ステップ#39では、マイクロコンピュータ104によって記憶部111に記憶された目標ストロークXbのテーブル(表1参照)から、温度Tc、Thに対応する目標ストロークXbを抽出する。ステップ#40では検出したストロークXpが目標ストロークXbに一致しているかを判別する。
【0118】
ストロークXpと目標ストロークXbとが一致していない場合は、ステップ#36〜#40を繰り返し、検出したストロークXpに基づいて駆動電圧Vcを再度演算してリニアモータ13を駆動する。ストロークXpと目標ストロークXbとが一致するとステップ#30に戻り、スターリング冷凍機40の運転状況の変化に対応して目標ストロークXb’のテーブルを書換えて同じ動作が繰り返し行われる。
【0119】
【発明の効果】
本発明によると、ピストンのストロークを検出して目標ストロークに制御するストローク制御を行うことにより、ピストンとディスプレーサとの衝突を回避するとともに、スターリング冷凍機の冷凍能力を向上させることができる。また、記憶部にスターリング冷凍機の運転状況に応じた目標ストロークが記憶されるので、運転状況に応じた目標ストロークでリニアモータを駆動することができる。従って、ピストンとディスプレーサとの衝突を回避するとともに、スターリング冷凍機の冷凍能力をより向上させることができる。
【0120】
また、記憶部をマイクロコンピュータ内臓のROM等とは別に設けているためマイクロコンピュータの負荷を軽減することができるとともに、大容量のデータを格納することができる。これにより、種々の運転状況に応じた目標ストロークを記憶してきめ細かい制御を行うことができる。
【0121】
また、本発明によると、スターリング冷凍機の起動後の時間に応じた目標ストロークや、スターリング冷凍機の低温側及び高温側の温度に応じた目標ストロークを記憶するので、例えば、起動直後の作動媒体のガス圧が不安定なときはリニアモータを小さいストロークで駆動し、起動後の時間経過によって作動媒体のガス圧が安定すると徐々にストロークを大きくすることができる。従って、スターリング冷凍機起動時におけるピストンとディスプレーサとの衝突が低減されるとともに、高い冷凍能力で運転することができる。
【0122】
また、本発明によると、スターリング冷凍機の寸法バラツキに基づいて目標ストロークを補正する補正データを記憶部に記憶するので、スターリング冷凍機の個体差によるピストンとディスプレーサとの衝突を回避することができる。
【0123】
また、本発明によると、スターリング冷凍機の入力電圧や、リニアモータの消費電流に基づいてリニアモータの駆動電圧を補正するので、より安定した目標ストロークでのピストン駆動を実現できる。
【0124】
また、本発明によると、スターリング冷凍機の入力電圧や、リニアモータの消費電流に基づいてリニアモータの駆動電圧を補正する補正データを書換えるので、より高精度に目標ストロークでのピストン駆動を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態のスターリング冷凍機を示す断面図である。
【図2】 本発明の第1の実施形態のスターリング冷凍機の接続状態を示す図である。
【図3】 本発明の第1の実施形態のスターリング冷凍機の制御ボックスの構成を示すブロック図である。
【図4】 本発明の第1の実施形態のスターリング冷凍機のマイクロコンピュータの構成を示すブロック図である。
【図5】 本発明の第1の実施形態のスターリング冷凍機のリニアモータの等価回路図である。
【図6】 本発明の第1の実施形態のスターリング冷凍機のリニアモータの入力電圧Vtと逆起電力Vgの関係を示すベクトル図である。
【図7】 本発明の第1の実施形態の駆動電圧と電流の出力波形を示す図である。
【図8】 本発明の第1の実施形態のスターリング冷凍機のストローク制御のプログラムの一例を示すフローチャートである。
【図9】 本発明の第3の実施形態のスターリング冷凍機の動作を示すフローチャートである。
【図10】 本発明の第5の実施形態のスターリング冷凍機の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 ピストン
2 ディスプレーサ
3 シリンダ
8 バウンス空間(背圧空間)
9 圧縮空間(ウォームセクション)
10 膨張空間(コールドセクション)
12 再生器
13 リニアモータ
30 制御ボックス
33 電流センサ
34 Tc温度センサ
35 Th温度センサ
36 Tb温度センサ
Claims (1)
- 作動ガスを封入したシリンダ内を往復運動するピストン及びディスプレーサと、前記ピストンを移動させるリニアモータとを具備してなるフリーピストン型のスターリング冷凍機において、
スターリング冷凍機の運転状況に対応したピストンの目標ストロークを動作テーブルとして記憶し、該動作テーブルに基づいて前記リニアモータを駆動制御する制御手段を備え、前記動作テーブルは、スターリング冷凍機の起動開始からの経過時間を変数とする1次元テーブルであることを特徴とするスターリング冷凍機。
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