JP3269454B2 - 振動型圧縮機 - Google Patents

振動型圧縮機

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JP3269454B2 JP10790498A JP10790498A JP3269454B2 JP 3269454 B2 JP3269454 B2 JP 3269454B2 JP 10790498 A JP10790498 A JP 10790498A JP 10790498 A JP10790498 A JP 10790498A JP 3269454 B2 JP3269454 B2 JP 3269454B2
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昌和 岡本
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2309/00Gas cycle refrigeration machines
    • F25B2309/001Gas cycle refrigeration machines with a linear configuration or a linear motor

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  • Control Of Positive-Displacement Pumps (AREA)
  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ピストンの往復動
によって流体を圧縮する振動型圧縮機に関し、特に、振
動型圧縮機の効率対策に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、圧縮機としては、シリンダ内
をピストンが往復動して冷媒ガス等を圧縮するものが知
られている。また、この種の圧縮機には、いわゆるリニ
アモータによってピストンを駆動する振動型圧縮機が知
られている。
【0003】具体的に、上記振動型圧縮機は、ハウジン
グ内にシリンダやピストン等を収納して構成されてい
る。該シリンダはハウジングに固定される一方、該ピス
トンはコイルバネを介してハウジングに固定されてい
る。また、永久磁石がハウジングに固定される一方、ピ
ストンと一体に形成された電磁コイルが該永久磁石と対
向する位置に配置されている。この永久磁石と電磁コイ
ルとがリニアモータを構成し、電磁コイルに所定周波数
の交流を供給する。これによって、電磁コイルに流れる
電流と永久磁石による磁界との間で電磁力が作用し、ピ
ストンに駆動力が付与される。そして、上記リニアモー
タの駆動力と上記コイルバネの反力とによって、ピスト
ンを往復動させるようにしている。
【0004】一方、圧縮機を冷凍機等に用いる場合は、
冷凍能力の調節を行うために圧縮機の容量を可変とする
のが望ましい。しかし、上記振動型圧縮機においては、
圧縮機容量を制御するためにピストンの振動数を変更す
ると圧縮機効率が大幅に低下するという問題がある。即
ち、ピストンの往復運動は、ピストンの質量である質量
成分と、コイルバネ及び圧縮される冷媒ガスのバネ成分
とから成るバネ質量系の振動と考えることができる。そ
して、ピストンの振動数を該バネ質量系の共振点とした
場合に、ピストンの駆動に要する電力が最小となる。こ
のため、ピストンの振動数を変更すると、圧縮機の容量
は低下するものの圧縮機の運転に要する電力はあまり低
減されず、圧縮機の圧縮機効率が大幅に低下してしま
う。従って、ピストンのストロークを変更することによ
って圧縮機容量の制御が行われる。
【0005】しかし、上述のようにピストンのストロー
クを変更して振動型圧縮機の容量制御を行う場合におい
ても、圧縮機効率が低下してしまうという問題があっ
た。つまり、図11(a)に模式的に示すように、シリ
ンダ(cy)とピストン(p)との衝突を回避するため、
ピストン(p)の最大ストローク時においても、シリン
ダ(cy)とピストン(p)の間には所定のトップクリア
ランスCL1を確保する必要がある。そして、このトップ
クリアランスCL1の確保によって死容積V1が生じる。一
方、ピストン(p)の中立位置Nは、ピストン(p)のス
トロークに拘わらず一定である。このため、図11
(b)に模式的に示すように、ピストン(p)のストロー
クを ST1 から ST2 へ短縮すると、トップクリアランス
が CL1 から CL2 へと増加し、死容積が V1 から V2 へ
と増大する。この結果、圧縮機の体積効率が低下し、圧
縮機効率の低下を招いていた。
【0006】以上、シリンダ及びピストンを1つずつ備
える、いわゆるシングルピストン式の振動型圧縮機につ
いての問題点を説明したが、上述の問題は、2つのピス
トンを備えて圧縮動作を行う、いわゆるダブルピストン
式の振動型圧縮機においても生じる。この種の振動型圧
縮機では、2つのピストンを1つのシリンダ内に対向さ
せて設け、この2つのピストンを所定の周期で互いに接
離するように往復動させている。そして、両ピストンに
挟まれた空間に冷媒ガスを吸引し、圧縮して吐出するよ
うにしている。このため、ピストン同士の衝突を防ぐた
めに、両ピストンが上死点にある状態で両ピストン間に
所定のトップクリアランスを確保する必要があり、これ
に伴って死容積が生じる。そして、両ピストンの中立位
置を固定したままストロークを変更すると、死容積が増
大して圧縮機効率が低下する。
【0007】上述の問題に対しては、ピストンの中立位
置を変化させて上記トップクリアランスを一定に維持す
る方法が提案されている。つまり、図12に模式的に示
すように、ピストン(p)のストロークを ST1 から ST2
へ短縮する際に、中立位置を N1 から N2 へ変位させ
る。この中立位置の変位によって、ピストン(p)のス
トロークに拘わらずトップクリアランスCLが一定とな
り、死容積が V に維持される。この結果、圧縮機の体
積効率の低下を防止でき、圧縮機効率の低下を防ぐこと
ができる。
【0008】そこで、ピストンの中立位置を変位させる
手段として、例えば特開平9−324751号公報に開
示されているようなものが提案されている。具体的に
は、背圧室と可動要素とを設けるようにしている。該背
圧室は、固定的に設けられて内部を加減圧可能に構成さ
れている。また、該可動要素は、ピストンを弾性支持す
るコイルスプリングに取り付けられると共に、背圧室の
圧力変化に伴ってピストンの軸方向へ移動するように構
成されている。そして、背圧室内を加減圧して可動要素
を移動させ、これによってピストンの中立位置を変位さ
せるようにしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ようなピストンの中立位置を変位させる場合、その変位
量を導出するために、その運転状態におけるピストンの
ストロークを検出する必要がある。そして、従来は、各
種のセンサを設け、該センサの信号に基づいてピストン
のストロークを検出するようにしていた。つまり、位置
センサ等を設けてピストンの位置を直接に検出したり、
圧力センサを設けて圧縮機の運転圧力条件を検出し、予
め求めておいた運転圧力条件とピストンの位置との関係
に基づいて間接的にピストンの位置を検出するようにし
ていた。このため、上述のような圧縮機の容量制御を行
うには新たなセンサの設置が必要となり、圧縮機の構成
の複雑化を招き、製造コストも増大するという問題があ
った。
【0010】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、圧縮機の構成の複雑
化を回避しつつ、広い能力範囲にわたって圧縮機の効率
を向上させることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、圧縮機(C)
への入力電力に基づいてピストン(7)のストロークを
検出するようにしたものである。
【0012】具体的に、本発明が講じた第1の解決手段
は、シリンダ(3)と、該シリンダ(3)に挿入されてシ
リンダ(3)内部に圧縮空間(8)を区画形成するピスト
ン(7)が設けられた可動部(20)と、該ピストン(7)
がシリンダ(3)内で往復動自在になるように該可動部
(20)を弾性支持する弾性部材(26)と、上記可動部
(20)又はシリンダ(3)の何れか一方に固定された駆
動用磁石(16)と、交流電力を発生する駆動電源(80)
と、上記可動部(20)又はシリンダ(3)の他方に設け
られ、上記駆動電源(80)より交流電力を受けて上記ピ
ストン(7)がシリンダ(3)内で往復動するための電磁
力を発生させる駆動コイル(18)とを備え、上記圧縮空
間(8)内で冷媒ガスを周期的に圧縮する振動型圧縮機
を前提としている。そして、駆動コイル(18)への入力
電力に基づき、上記ピストン(7)のストロークを導出
するストローク導出手段(94)と、上記ピストン(7)
の上死点を定位置に維持するために、該ストローク導出
手段(94)で導出したピストン(7)のストロークに基
づいてピストン(7)の中立位置を変更する中立位置変
更手段とを設けるものである。
【0013】また、本発明が講じた第2の解決手段は、
上記第1の解決手段において、設定信号に対応した所定
の圧縮機容量となるように駆動コイル(18)への入力電
力を導出し、該入力電力に基づいて駆動電源(80)から
供給される交流電力を制御する容量制御手段(92,93)
を備える一方、ストローク導出手段(94)は、容量制御
手段(92,93)から駆動コイル(18)の入力電力の信号
を受けるようにするものである。
【0014】また、本発明が講じた第3の解決手段は、
上記第1又は第2の解決手段において、中立位置変更手
段に、ピストン(7)の中立位置を変更するように駆動
コイル(18)へ供給される駆動電源(80)の交流電力を
オフセットする制御部(95)を設けるものである。
【0015】また、本発明が講じた第4の解決手段は、
上記第1又は第2の解決手段において、中立位置変更手
段に、直流電力を発生する直流電源(97)と、可動部
(20)又はシリンダ(3)のうちの駆動コイル(18)が
設けられる側に配置され、上記直流電源(97)より直流
電力を受けてピストン(7)を変位させるための電磁力
を発生させる補助コイル(77)と、ピストン(7)の中
立位置を変更するように補助コイル(77)へ供給される
直流電源(97)の直流電力を制御する制御部(96)とを
設けるものである。
【0016】また、本発明が講じた第5の解決手段は、
上記第1又は第2の解決手段において、シリンダ
(3)、可動部(20)及び弾性部材(26)をハウジング
(1)に収納する一方、中立位置変更手段に、上記ハウ
ジング(1)に固定されて弾性部材(26)を支持し、且
つ電圧を印加されて変形する圧電体(61)と、ピストン
(7)の中立位置を変更するように上記圧電体(61)に
印加する電圧を制御する制御部(98)とを設けるもので
ある。
【0017】また、本発明が講じた第6の解決手段は、
上記第1又は第2の解決手段において、シリンダ
(3)、可動部(20)及び弾性部材(26)をハウジング
(1)に収納する一方、中立位置変更手段に、上記ハウ
ジング(1)に形成されて背圧室(63)を有する背圧部
(62)と、該背圧部(62)に移動自在に設けられると共
に、弾性部材(26)に取り付けられる受圧部材(66)
と、ピストン(7)の中立位置を変更するように背圧室
(63)を加減圧して受圧部材(66)を移動させる制御部
(99)とを設けるものである。
【0018】−作用−上記第1の解決手段では、駆動コ
イル(18)に駆動電源(80)の交流電力が供給される
と、ピストン(7)がシリンダ(3)内において所定の周
期で往復動し、圧縮空間(8)においてガスを周期的に
圧縮する。
【0019】一方、ストローク導出手段(94)が、予め
求めておいた駆動コイル(18)への入力電力とピストン
(7)のストロークとの関係を用い、該入力電力に基づ
いてピストン(7)のストロークを導出する。そして、
中立位置制御手段が、ストローク導出手段(94)で導出
したピストン(7)のストロークに基づいてピストン
(7)の中立位置を変更し、ピストン(7)の上死点を定
位置に維持しする。従って、圧縮機容量を変更するため
にピストン(7)のストロークを変更した場合において
も、圧縮空間(8)の死容積が一定に維持される。この
ため、圧縮機効率を低下させることなく、圧縮機容量が
変更される。
【0020】また、上記第2の解決手段では、容量制御
手段(92,93)が、設定信号に対応した所定の圧縮機容
量となるように駆動コイル(18)への入力電力を導出
し、駆動電源(80)から駆動コイル(18)へ供給される
交流電力が該入力電力となるように制御を行う。一方、
ストローク導出手段(94)は、該容量制御手段(92,9
3)が導出した入力電力を受け、該入力電力に基づい
て、ピストン(7)のストロークを導出する。
【0021】また、上記第3の解決手段では、制御部
(95)が、ピストン(7)のストロークに基づいて駆動
電源(80)の交流電力に所定の直流成分を付加し、該交
流電力をオフセットする。このオフセットされた交流電
力を駆動コイル(18)に供給し、ピストン(7)の中立
位置を変更する。
【0022】また、上記第4の解決手段では、制御部
(96)が、ピストン(7)のストロークに基づいて直流
電源(97)の直流電力を所定値に制御する。そして、こ
の所定値の直流電力を補助コイル(77)へ供給し、該補
助コイル(77)に所定の電磁力を発生させる。この補助
コイル(77)で発生した電磁力によりピストン(7)が
変位し、ピストン(7)の中立位置が変更される。
【0023】また、上記第5の解決手段では、シリンダ
(3)がハウジング(1)に固定され、可動部(20)が弾
性部材(26)及び圧電体(61)を介してハウジング
(1)に固定される。そして、制御部(98)が、ピスト
ン(7)のストロークに基づいて所定の電圧を圧電体(6
1)に印加し、圧電体(61)を変形させる。この圧電体
(61)の変形に伴って可動部(20)が変位し、ピストン
(7)の中立位置が変更される。
【0024】また、上記第6の解決手段では、シリンダ
(3)がハウジング(1)に固定され、背圧部(62)がハ
ウジング(1)に形成される。該背圧部(62)には受圧
部材(66)が移動自在に設けられ、可動部(20)が弾性
部材(26)を介して該受圧部材(66)に取り付けられ
る。そして、制御部(99)が、背圧部(62)の背圧室
(63)を加減圧して受圧部材(66)を移動させる。この
受圧部材(66)の移動によって可動部(20)が変位し、
ピストン(7)の中立位置が変更される。
【0025】
【発明の効果】従って、上記の解決手段によれば、圧縮
機容量を制御するためにピストン(7)のストロークを
変更した場合においても、中立位置変更手段によってピ
ストン(7)の上死点を予め設定した定位置に維持する
ことができる。従って、圧縮空間(8)内の死容積を一
定に維持することができる。この結果、圧縮機(C)の
体積効率の低下を防止でき、圧縮機容量の制御を行った
場合においても、圧縮機効率の低下を防ぐことができ
る。
【0026】その際、ストローク導出手段(94)によっ
て、駆動コイル(18)への入力電力からピストン(7)
のストロークを導出することができる。一方、従来よ
り、この駆動コイル(18)への入力電力を調節すること
により、圧縮機容量の制御が行われていた。従って、上
記の解決手段によれば、従来より圧縮機容量の制御を行
うのに必要であった駆動コイル(18)への入力電力の値
を用いて、ピストン(7)のストロークを検出すること
ができる。この結果、新たなセンサを設けることなくピ
ストン(7)のストロークを検出することができ、圧縮
機(C)の構成の複雑化や製造コストの増大を防ぎつ
つ、ピストン(7)の中立位置を変更して圧縮機効率の
低下を防ぐことができる。
【0027】特に、上記第2の解決手段では、具体的
に、容量制御手段(92,93)が導出した駆動コイル(1
8)への入力電力に基づいて、ストローク導出手段(9
4)がピストン(7)のストロークを導出する。そして、
中立位置制御手段により、該ピストン(7)のストロー
クに基づいてピストン(7)の上死点を定位置に維持す
ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態1】以下、本発明の実施形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0029】図1に示すように、本実施形態は、振動型
圧縮機(C)を搭載したスターリング冷凍機(R)であ
る。このスターリング冷凍機(R)は、ダブルピストン
型の振動型圧縮機(C)とフリーディスプレーサ型の膨
張機(E)とが組み合わされて構成されている。また、
該スターリング冷凍機(R)にはコントローラ(81)を
備え、該コントローラ(81)は、振動型圧縮機(C)の
運転制御を行うように構成されている。
【0030】上記振動型圧縮機(C)は、垂直上下方向
に延びる密閉円筒状のハウジング(1)を備えている。
このハウジング(1)は、上下方向の中心線を有する円
筒壁部(1a)と、円筒壁部(1a)の両端開口部を気密に
閉塞する円板壁部(1b,1b)とによって構成されてい
る。ハウジング(1)内には、両端が開放されて上下方
向に延びる1つの円筒状のシリンダ(3)が、ハウジン
グ(1)の円筒壁部(1a)と同心状に配置されている。
シリンダ(3)の長さ方向中央部の外周には、シリンダ
(3)の中心線と直交する方向に延びる円板状のフラン
ジ(4)が一体に形成されている。フランジ(4)の外周
端には、シリンダ(3)と同心に上下方向に延びる円筒
状の嵌合部(5)が一体に形成されている。また、シリ
ンダ(3)の外周には、円筒状の継鉄部材(6)が嵌合固
定されている。これらシリンダ(3)、フランジ(4)、
嵌合部(5)及び継鉄部材(6)は純鉄等の磁性材料から
なっていて、ヨーク(継鉄)を構成している。嵌合部
(5)はハウジング(1)の円筒壁部(1a)内周に移動不
能に嵌合され、これによりシリンダ(3)がハウジング
(1)に固定される。
【0031】シリンダ(3)には、有底円筒状の上下一
対のピストン(7,7)がそれぞれ先端側を対向させた状
態で摺動自在に嵌装され、この両ピストン(7,7)間の
シリンダ(3)により囲まれた部分に圧縮空間(8)が形
成されている。シリンダ(3)、フランジ(4)及び嵌合
部(5)には、シリンダ(3)内周面から嵌合部(5)外
周面まで半径方向に貫通するガス通路(9)が形成され
ている。このガス通路(9)の内端は圧縮空間(8)に常
時連通されている一方、外端はハウジング(1)の円筒
壁部(1a)に開口した貫通孔(10)、及び貫通孔(10)
に連結した連結管(49)を介してフリーディスプレーサ
型膨張機(E)に接続されている。
【0032】上下のピストン(7,7)は、それぞれリニ
アモータ(15,15)に連結され、各リニアモータ(15,1
5)が各ピストン(7)を往復駆動するように構成されて
いる。各リニアモータ(15)は、駆動用磁石(16)を備
えている。該駆動用磁石(16)は、環状の永久磁石であ
って、継鉄部材(6)の外周に嵌合部(5)内周面と円環
状の空間をあけた状態で嵌合固定されている。各リニア
モータ(15)は、この駆動用磁石(16)により、継鉄部
材(6)、フランジ(4)及び嵌合部(5)をヨークとし
て駆動用磁石(16)外周面と嵌合部(5)内周面との間
の空間からなる磁気ギャップに所定強度の磁界(静止磁
場)を発生させる。
【0033】各ピストン(7)は、その背面側、つまり
シリンダ(3)中央と反対側の開口端部から半径方向外
側に延びるフランジ部(7a)を有する。フランジ部(7
a)の外周には、リニアモータ(15)の駆動部としての
有底円筒状のボビン(17)が底壁側にて移動一体に結合
されている。ボビン(17)の開口側は、ピストン(7)
と同心状にシリンダ(3)中央側に延び、且つその先端
部が駆動用磁石(16)外周面と嵌合部(5)内周面との
間の磁気ギャップに上下方向に往復動自在に配置されて
いる。ボビン(17)の先端寄り外周には、駆動用磁石
(16)と対応した位置に電磁コイルからなる駆動コイル
(18)(ソレノイド)が巻回されている。そして、ボビ
ン(17)及びピストン(7)(詳しくは、駆動コイル(1
8)等の可動部分全体を含む)によって可動部(20)が
構成されている。従って、この可動部(20)は、ハウジ
ング(1)やシリンダ(3)等に対し相対移動自在に構成
されている。
【0034】上記ハウジング(1)の各円板壁部(1b)
には、電流導入端子(23,23)が、該円板壁部(1b)を
絶縁状態で貫通して設けられている。該電流導入端子
(23,23)の一端は駆動コイル(18)に接続され、他端
はリード線(70)を介してコントローラ(81)に接続さ
れている。該コントローラ(81)には駆動電源(80)が
接続され、該駆動電源(80)で発生した交流電流をリニ
アモータ(15,15)の各駆動コイル(18,18)に同期させ
ながら供給し、両ピストン(7,7)を所定の運転周波数
で互いに接離するように逆方向に往復動させるように構
成されている。また、該コントローラ(81)は、上記両
ピストン(7,7)が上死点に位置して互いに最も接近し
た場合でも、両ピストン(7,7)の間に所定の間隔(ト
ップクリアランス)を保持するようにしている。そし
て、このトップクリアランスの保持に起因して、圧縮空
間(8)に死容積が生じる。
【0035】ハウジング(1)の円板壁部(1b)内壁面
には、ピストン(7)の軸線上の位置にそれぞれ円筒状
のハウジング側バネ取付部材(24)が突設され、このハ
ウジング側バネ取付部材(24)の外周には、螺旋状のバ
ネ取付溝(24a)が形成されている。一方、各ピストン
(7)の底面にはピストン側バネ取付部材(25)が一体
的に取り付けられ、このピストン側バネ取付部材(25)
の外周にも螺旋状のバネ取付溝(25a)が形成されてい
る。そして、圧縮機側の弾性部材であるコイルバネ(2
6)が、各バネ取付部材(24,25)を介してハウジング
(1)及びピストン(7)に取り付けられている。その
際、該コイルバネ(26)の各端部は、各バネ取付部材
(24,25)のバネ取付溝(24a,25a)に螺合状態で固定さ
れている。つまり、該コイルバネ(26)が、ピストン
(7)をシリンダ(3)に対して上下方向に往復動自在に
弾性支持している。
【0036】一方、フリーディスプレーサ型膨張機
(E)は、左右方向に延びる円筒状シリンダ(31)を有
している。この円筒状シリンダ(31)は、その先端側
(図1に示す左側)の開口部がコールドヘッド(32)に
より、その基端側(図1に示す右側)の開口部がフラン
ジ(33)によりそれぞれ気密に閉塞されている。円筒状
シリンダ(31)内には、中央円筒状のフリーディスプレ
ーサ(37)が左右方向に往復動自在に嵌装されており、
該フリーディスプレーサ(37)によって円筒状シリンダ
(31)の内部空間が先端側の膨張空間(35)と基端側の
作動空間(36)とに区画されている。該フリーディスプ
レーサ(37)の内部空間には、蓄冷器(38)(再生式熱
交換器)が充填されている。この蓄冷器(38)は、フリ
ーディスプレーサ(37)の両端に開口した連通孔(39,4
0)により、それぞれ膨張空間(35)及び作動空間(3
6)に連通されている。
【0037】フリーディスプレーサ(37)の基端部に
は、ディスプレーサ側バネ取付部材(42)が設けられ、
このディスプレーサ側バネ取付部材(42)の外周には螺
旋状のバネ取付溝(42a)が形成されている。また、フ
ランジ(33)における作動空間(36)に臨む部分にはフ
ランジ側バネ取付部材(43)が設けられ、このフランジ
側バネ取付部材(43)の外周にも同様のバネ取付溝(43
a)が形成されている。そして、膨張機側の弾性部材で
あるコイルバネ(44)が、各バネ取付部材(42,43)を
介してフランジ(33)及びフリーディスプレーサ(37)
に取り付けられている。その際、該コイルバネ(44)の
各端部は、各バネ取付部材(42,43)のバネ取付溝(42
a,43a)に螺合状態で固定されている。つまり、該コイ
ルバネ(44)が、フリーディスプレーサ(37)を円筒状
シリンダ(31)に対して上下方向に往復動自在に弾性支
持している。
【0038】更に、フランジ(33)には、作動空間(3
6)に連通するガス孔(45)が貫通形成されている。こ
のガス孔(45)の外端側には、連結管(49)が気密に嵌
合固定されている。よって、この膨張機(E)の作動空
間(36)は、連結管(49)を介して圧縮機(C)の圧縮
空間(8)に接続されている。これら圧縮機(C)のガス
通路(9)から連結管(49)内の空間を経て膨張機(E)
の作動空間(36)に至る部分は連通路(50)となり、こ
の連通路(50)及び作動空間(36)により常温空間(5
1)が構成されている。そして、圧縮機(C)からのガス
圧により膨張機(E)のフリーディスプレーサ(37)を
円筒状シリンダ(31)内で往復動させてガスを膨張空間
(35)で膨張させ、これによって、円筒状シリンダ(3
1)の先端のコールドヘッド(32)に寒冷を発生させる
ようにしている。
【0039】上記膨張機(E)の作動空間(36)周りの
円筒状シリンダ(31)には、作動空間(36)内のガスを
冷却するための冷却用フィン(72)が突設されている。
また、上記コールドヘッド(32)には、該コールドヘッ
ド(32)の温度を検出する温度センサ(Th)が設けら
れ、該温度センサ(Th)は、検出温度信号を出力するよ
うに構成されている。
【0040】上記コントローラ(81)は、図2のブロッ
ク図に示すように、温度設定部(91)と、入力導出部
(92)と、電力制御部(93)と、ストローク導出手段
(94)であるストローク導出部(94)と、制御部である
波形制御部(95)とによって形成されると共に、駆動電
源(80)が接続され、該駆動電源(80)の交流電力をリ
ニアモータ(15,15)の各駆動コイル(18,18)に同期さ
せながら供給するように構成されている。
【0041】上記温度設定部(91)は、コールドヘッド
(32)の設定温度が入力され、設定温度信号を出力する
ように構成されている。
【0042】上記入力導出部(92)には、温度設定部
(91)の設定温度信号と、温度センサ(Th)の検出温度
信号とが入力されている。また、該入力導出部(92)
は、図示しないが、駆動コイル(18)の入力電力の現在
値を検出する電力検出部を備えている。そして、該入力
導出部(92)は、スターリング冷凍機(R)に所定の冷
凍能力を発揮させて該温度センサ(Th)の検出温度を上
記設定温度とするため、所定の圧縮機容量とするのに必
要となる駆動コイル(18)への入力電力を導出し、入力
指令信号を出力する。
【0043】尚、上記電力検出部については、ワットメ
ータによって構成して入力電力を直接的に検出するよう
にしてもよいし、入力電圧を検出する電圧計を設け、入
力電圧と入力電力とが比例関係にあることを利用して入
力電力を間接的に検出するように構成してもよい。その
際、一般に、ワットメータよりも電圧計のほうが簡素な
構成となっている。従って、入力電圧から入力電力を検
出する場合の方が、より簡素な構成で駆動コイル(18)
の入力電力の現在値を検出することができる。
【0044】上記電力制御部(93)は、駆動電源(80)
の交流電力を受け、入力導出部(92)の入力指令信号に
基づいて、所定の入力電力を駆動コイル(18)に波形制
御部(95)を介して供給するように構成されている。そ
して、上記入力導出部(92)及び電力制御部(93)が、
容量制御手段を構成している。
【0045】上記ストローク導出部(94)は、本発明の
特徴とするものであって、入力導出部(92)の入力指令
信号が入力されている。そして、該入力指令信号、即ち
駆動コイル(18)への入力電力に基づいてピストン
(7)のストロークを導出するように構成されている。
具体的に、駆動コイル(18)への入力電力とピストン
(7)のストロークとの関係は、図3に例示するよう
に、一対一対応となっている。つまり、該入力電力の値
に対してピストン(7)のストロークは一義的に定ま
る。従って、予め試験等によって該入力電力とストロー
クとの関係を定めて関数化し、この両者の関係を示す関
数を用いて駆動コイル(18)への入力電力からピストン
(7)のストロークを導出するようにしている。尚、入
力導出部(92)の電力検出部で検出した駆動コイル(1
8)の入力電力の現在値をストローク導出部(94)へ入
力し、該入力電力の現在値に基づいてピストン(7)の
ストロークを導出するようにストローク導出部(94)を
構成してもよい。
【0046】上記波形制御部(95)は、ストローク導出
部(94)で導出したピストン(7)のストロークに基づ
き、上記電力制御部(93)から駆動コイル(18)に供給
される交流電力をオフセットして、ピストン(7)の上
死点を所定の定位置に維持するように構成されている。
例えば、ピストン(7)のストロークを、最大ストロー
クから所定のストロークへ短縮する場合を考える。この
場合、図4に示すように、駆動コイル(18)へ入力する
交流の振幅を I1pp から I2pp へと変更すると同時に、
該交流に所定の直流成分を付加してΔI だけオフセット
させる。即ち、変更前の最大値 I1max と、変更後の最
大値 I2max とが一致するように交流をオフセットさせ
るようにしている。尚、上述の例は、交流が最大値とな
る際にピストン(7)が上死点に位置する場合を示して
いる。これに対し、交流が最小値となる際にピストン
(7)が上死点に位置する場合には、交流の振幅を変更
する前後の最小値 I1min と I2min とが一致するように
交流をオフセットさせるようにする。
【0047】−運転動作− 次に、本スターリング冷凍機(R)の作動について説明
する。
【0048】運転開始に伴い、駆動電源(80)から交流
電流がコントローラ(81)を介して両リニアモータ(1
5,15)の駆動コイル(18,18)に同期して供給、つまり
通電される。この通電に伴い、駆動コイル(18)及び駆
動用磁石(16)による磁界間の作用により、ボビン(1
7)及びピストン(7)からなる両可動部(20,20)が各
々の中立位置から互いに接離するように逆向きに往復動
する。この両ピストン(7,7)の接離により圧縮空間
(8)の容積が増減変化し、圧縮空間(8)内に所定周期
の圧力波が生じる。圧縮空間(8)は連結管(49)を介
して膨張機(E)に連通しているため、膨張機(E)では
フリーディスプレーサ(37)が圧縮空間(8)の圧力波
と同じ周期で往復動し、膨張空間(35)におけるガスの
膨張により寒冷が生じる。その後、このフリーディスプ
レーサ(37)の往復動の繰り返しにより、円筒状シリン
ダ(31)の先端のコールドヘッド(32)が次第に極低温
レベルにまで冷却される。
【0049】また、上記スターリング冷凍機(R)は、
コールドヘッド(32)の温度、即ち温度センサ(Th)の
検出温度が設定温度となるように、その冷凍能力が制御
される。この冷凍能力の制御は、コントローラ(81)に
よって振動型圧縮機(C)の圧縮機容量を制御して行わ
れ、圧縮機容量の制御は、ピストン(7)のストローク
を変更することによって行われる。
【0050】つまり、温度設定部(91)に設定温度が入
力されると、該温度設定部(91)が設定温度信号を出力
する。この設定温度信号を受けて、入力導出部(92)が
振動型圧縮機(C)の駆動コイル(18)へ入力すべき入
力電力を導出し、入力指令信号を出力する。そして、電
力制御部(93)が駆動電源(80)の交流電力を受け、入
力導出部(92)の入力指令信号に基づいて、所定の入力
電力を駆動コイル(18)へ供給する。これによって、ピ
ストン(7)のストロークが変更され、圧縮機容量の制
御が行われる。
【0051】一方、ストローク導出部(94)は、入力導
出部(92)の入力指令信号、即ち駆動コイル(18)への
入力電力に基づいてピストン(7)のストロークを導出
する。このストローク導出部(94)で導出したピストン
(7)のストロークに基づいて、波形制御部(95)が、
電力制御部(93)から駆動コイル(18)に供給される交
流電力をオフセットする。従って、ピストン(7)のス
トロークを変更した場合においても、ピストン(7)の
上死点を定位置が維持され、圧縮空間(8)の死容積が
一定に維持される。
【0052】−実施形態1の効果− 本実施形態1によれば、圧縮機容量を制御するためにピ
ストン(7)のストロークを変更した場合においても、
波形制御部(95)で駆動コイル(18)への入力電力をオ
フセットさせることにより、ピストン(7)の上死点を
定位置に維持することができる。従って、圧縮空間
(8)内の死容積を一定に維持することができる。この
結果、圧縮機(C)の体積効率の低下を防止でき、圧縮
機容量の制御を行った場合においても、圧縮機効率の低
下を防ぐことができる。
【0053】その際、ストローク導出部(94)によっ
て、駆動コイル(18)への入力電力からピストン(7)
のストロークを導出することができる。従って、従来よ
り圧縮機容量の制御を行うのに必要であった駆動コイル
(18)への入力電力の値を用いて、ピストン(7)のス
トロークを検出することができる。この結果、新たなセ
ンサを設けることなくピストン(7)のストロークを検
出することができ、圧縮機(C)の構成の複雑化や製造
コストの増大を防ぎつつ、ピストン(7)の中立位置を
変更して圧縮機効率の低下を防ぐことができる。
【0054】
【発明の実施の形態2】本発明の実施形態2は、上記実
施形態1が駆動コイル(18)への入力電力をオフセット
させることによってピストン(7)の中立位置を変更す
るようにしたのに代えて、図5に示すように、リニアモ
ータ(15)に補助コイル(77)を設け、この補助コイル
(77)に直流電流を流すことによりピストン(7)の中
立位置を変更するようにしたものである。
【0055】本スターリング冷凍機(R)の圧縮機(C)
においては、駆動コイル(18,18)のハウジング(1)の
両端側に、駆動コイル(18,18)と同径の円環状の補助
コイル(77,77)が設けられている。各補助コイル(7
7)は、駆動用磁石(16)との間で電磁力を発生させて
ピストン(7)を変位させるものであり、リード線(7
0)及び電流導入端子(23)を介してコントローラ(8
2)に接続されている。尚、振動型圧縮機(C)及び膨張
機(E)におけるその他の構成は、上記実施形態体1と
同様である。
【0056】上記コントローラ(82)は、図6のブロッ
ク図に示すように、温度設定部(91)と、入力導出部
(92)と、電力制御部(93)と、ストローク導出手段
であるストローク導出部(94)と、直流電源(97)と、
制御部である直流制御部(96)とによって構成されてい
る。そして、該温度設定部(91)、入力導出部(92)、
及びストローク導出部(94)は上記実施形態1と同様に
構成されている。また、該電力制御部(93)について
は、入力電力を直接に駆動コイル(18)へ供給するよう
に構成されている点のみが、上記実施形態1と異なって
いる。
【0057】上記直流制御部(96)は、ストローク導出
部(94)で導出したピストン(7)のストロークに基づ
き、ピストン(7)の上死点を定位置に維持するのに要
するピストン(7)の中立位置の変位量を求め、この求
めた変位量だけピストン(7)を変位させるのに必要な
直流電力を直流電源(97)に発生させる指令信号を出力
するように構成されている。また、上記直流電源(97)
は、該直流制御部(96)の指令信号を受け、所定の直流
電力を発生して補助コイル(77)へ供給するように構成
されている。そして、上記補助コイル(77)、直流制御
部(96)及び直流電源(97)が中立位置変更手段を構成
している。
【0058】−運転動作− 本実施形態のスターリング冷凍機(R)は、上記実施形
態1と同様に動作し、コントローラ(82)による圧縮機
容量の制御も上記実施形態1のコントローラ(81)によ
る制御と同様である。
【0059】次に、本実施形態におけるピストン(7)
の中立位置の変更制御について説明する。直流制御部
(96)には、ストローク導出部(94)で導出したピスト
ン(7)のストロークが入力し、該ストロークに基づ
き、ピストン(7)の上死点を定位置に維持するために
必要なピストン(7)の中立位置の変位量を導出する。
更に、該直流制御部(96)は、導出した変位量だけピス
トン(7)を変位させるため、直流電源(97)に指令信
号を出力する。直流電源(97)は、直流制御部(96)の
指令信号に基づいて補助コイル(77)に所定の直流電力
を供給する。補助コイル(77)には直流電源(97)の直
流電力が供給され、補助コイル(77)と駆動用磁石(1
6)との間に一定の磁界が発生する。これによって、ピ
ストン(7)を一定量変位させるような新たな電磁力が
発生し、この電磁力によって、ピストン(7)の中立位
置が所定量だけ変位する。従って、ピストン(7)のス
トロークを変更した場合においても、ピストン(7)の
上死点を定位置が維持され、圧縮空間(8)の死容積が
一定に維持される。
【0060】その他の構成並びに作用及び効果は、上記
実施形態1と同様である。
【0061】
【発明の実施の形態3】本発明の実施形態3は、上記実
施形態1が駆動コイル(18)への入力電力をオフセット
させることによってピストン(7)の中立位置を変更す
るようにしたのに代えて、図7に示すように、振動型圧
縮機(C)に圧電体であるピエゾ素子(61)を設け、該
ピエゾ素子(61)を変形させることによってピストン
(7)の中立位置を変更するようにしたものである。
【0062】上記ピエゾ素子(61)は、印加される電圧
に応じて上下方向に伸縮するように構成されている。そ
して、ハウジング側バネ取付部材(24)が、該ピエゾ素
子(61)を介してハウジング(1)の円板壁部(1b)内
壁面に設けられる。つまり、ハウジング(1)の円板壁
部(1b)内壁面とハウジング側バネ取付部材(24)との
間に該ピエゾ素子(61)が配置される。
【0063】本実施形態のコントローラ(83)は、図8
のブロック図に示すように、温度設定部(91)と、入力
導出部(92)と、電力制御部(93)と、ストローク導出
手段であるストローク導出部(94)と、制御部である電
圧制御部(98)とによって構成されている。そして、該
温度設定部(91)、入力導出部(92)、及びストローク
導出部(94)は、上記実施形態1と同様に構成されてい
る。また、該電力制御部(93)については、入力電力を
直接に駆動コイル(18)へ供給するように構成されてい
る点のみが、上記実施形態1と異なっている。
【0064】上記電圧制御部(98)は、ストローク導出
部(94)で導出したピストン(7)のストロークに基づ
き、ピストン(7)の上死点を定位置に維持するのに要
するピストン(7)の中立位置の変位量を求め、更に、
この求めた変位量だけピストン(7)を変位させるのに
必要なピエゾ素子(61)の伸縮量を求めて、該所定量だ
けピエゾ素子(61)を伸縮させるためにピエゾ素子(6
1)に電圧を印加するように構成されている。そして、
上記ピエゾ素子(61)及び電圧制御部(98)が中立位置
変更手段を構成している。
【0065】−運転動作− 本実施形態のスターリング冷凍機(R)は、上記実施形
態1と同様に動作し、コントローラ(83)による圧縮機
容量の制御も上記実施形態1のコントローラ(81)によ
る制御と同様である。
【0066】次に、本実施形態におけるピストン(7)
の中立位置の変更制御について説明する。電圧制御部
(98)には、ストローク導出部(94)で導出したピスト
ン(7)のストロークが入力し、該ストロークに基づ
き、ピストン(7)の上死点を定位置に維持するために
必要なピストン(7)の中立位置の変位量を導出する。
更に、該直流制御部(96)は、導出した変位量だけピエ
ゾ素子(61)を伸縮させるために、ピエゾ素子(61)に
所定の電圧を印加する。ピエゾ素子(61)は、所定の電
圧を印加されて伸縮する。そして、このピエゾ素子(6
1)の伸縮に伴ってピストン(7)が上下に変位し、ピス
トン(7)の中立位置が変更される。従って、ピストン
(7)のストロークを変更した場合においても、ピスト
ン(7)の上死点を定位置が維持され、圧縮空間(8)の
死容積が一定に維持される。
【0067】その他の構成並びに作用及び効果は、上記
実施形態1と同様である。
【0068】
【発明の実施の形態4】本発明の実施形態4は、上記実
施形態1が駆動コイル(18)への入力電力をオフセット
させることによってピストン(7)の中立位置を変更す
るようにしたのに代えて、図9に示すように、振動型圧
縮機(C)に背圧部(62)と受圧部材(66)とを設け、
受圧部材(66)を移動させることによってピストン
(7)の中立位置を変更するようにしたものである。
【0069】上記背圧部(62)は、所定の内径を有する
管状の円筒部材(64)から成り、該円筒部材(64)は、
ハウジング(1)の円板壁部(1b)内壁面に、ピストン
(7)の軸線上の位置にそれぞれ突設されている。
【0070】上記受圧部材(66)は、実施形態1のハウ
ジング側バネ取付部材(24)とほぼ同様の形状に形成さ
れている。即ち、該受圧部材(66)は、上記円筒部材
(64)の内径に対応した所定の直径を有する円筒状に形
成されると共に、その外周には、螺旋状のバネ取付溝
(65a)が形成されている。このバネ取付溝(65a)には
コイルバネ(26)が螺合状態で取り付けられる一方、該
受圧部材(66)は、上記円筒部材(64)にピストン
(7)側から嵌装され、該円筒部材(64)の軸方向へ移
動自在となっている。
【0071】また、上記円板壁部(1b)、円筒部材(6
4)及び受圧部材(66)によって背圧室(63)が区画形
成されている。そして、該背圧室(63)を加減圧するこ
とによって受圧部材(66)が上下方向へ移動するように
構成されている。更に、上記円筒部材(64)には、一端
が背圧室(63)に開口する圧力導入管(65)が設けら
れ、該圧力導入管(65)を通じて背圧室(63)にガス圧
又は液圧を供給することによって、背圧室(63)を加減
圧するようにしている。
【0072】本実施形態のコントローラ(84)は、図1
0のブロック図に示すように、温度設定部(91)と、入
力導出部(92)と、電力制御部(93)と、ストローク導
出手段であるストローク導出部(94)と、制御部である
背圧制御部(99)とによって構成されている。そして、
該温度設定部(91)、入力導出部(92)、及びストロー
ク導出部(94)は、上記実施形態1と同様に構成されて
いる。また、該電力制御部(93)については、入力電力
を直接に駆動コイル(18)へ供給するように構成されて
いる点のみが、上記実施形態1と異なっている。
【0073】上記背圧制御部(99)は、ストローク導出
部(94)で導出したピストン(7)のストロークに基づ
き、ピストン(7)の上死点を定位置に維持するのに要
するピストン(7)の中立位置の変位量を求め、更に、
この求めた変位量だけピストン(7)を変位させるため
に、圧力導入管(65)を通じて背圧部(62)の背圧室
(63)に所定のガス圧又は液圧を供給するように構成さ
れている。そして、上記背圧部(62)及び背圧制御部
(99)が中立位置変更手段を構成している。
【0074】−運転動作− 本実施形態のスターリング冷凍機(R)は、上記実施形
態1と同様に動作し、コントローラ(84)による圧縮機
容量の制御も上記実施形態1のコントローラ(81)によ
る制御と同様である。
【0075】次に、本実施形態におけるピストン(7)
の中立位置の変更制御について説明する。背圧制御部
(99)には、ストローク導出部(94)で導出したピスト
ン(7)のストロークが入力し、該ストロークに基づ
き、ピストン(7)の上死点を定位置に維持するために
必要なピストン(7)の中立位置の変位量を導出する。
更に、該背圧制御部(99)は、導出した変位量だけ受圧
部材(66)を移動させるため、圧力導入管(65)を通じ
て背圧室(63)に所定のガス圧又は液圧を供給する。そ
して、背圧室(63)の圧力変化に従って受圧部材(66)
が上下に移動し、この受圧部材(66)の移動に伴ってピ
ストン(7)が上下に変位し、ピストン(7)の中立位置
が変更される。従って、ピストン(7)のストロークを
変更した場合においても、ピストン(7)の上死点を定
位置が維持され、圧縮空間(8)の死容積が一定に維持
される。
【0076】その他の構成並びに作用及び効果は、上記
実施形態1と同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係るスターリング冷凍機の断面図
である。
【図2】実施形態1に係るコントローラの構成図であ
る。
【図3】駆動コイルへの入力電力とピストンのストロー
クとの関係を例示するグラフである。
【図4】実施形態1に係るスターリング冷凍機でピスト
ンのストロークを変更する際の、ストローク変更前後に
おける駆動コイルへ入力される交流波形である。
【図5】実施形態2に係るスターリング冷凍機の断面図
である。
【図6】実施形態2に係るコントローラの構成図であ
る。
【図7】実施形態3に係るスターリング冷凍機の断面図
である。
【図8】実施形態3に係るコントローラの構成図であ
る。
【図9】実施形態4に係るスターリング冷凍機の断面図
である。
【図10】実施形態4に係るコントローラの構成図であ
る。
【図11】従来の振動型圧縮機においてピストンの中立
位置を変更しない場合のピストンの動きを示す模式図で
ある。
【図12】従来の振動型圧縮機においてピストンの中立
位置を変更する場合のピストンの動きを示す模式図であ
る。
【符号の説明】
(1) ハウジング (3) シリンダ (7) ピストン (8) 圧縮空間 (16) 駆動用磁石 (18) 駆動コイル (20) 可動部 (26) コイルバネ(弾性部材) (61) ピエゾ素子(圧電体) (62) 背圧部 (63) 背圧室 (66) 受圧部材 (77) 補助コイル (80) 駆動電源 (92) 入力導出部(容量制御手段) (93) 電力制御部(容量制御手段) (94) ストローク導出部(ストローク導出手段) (95) 波形制御部(制御部) (96) 直流制御部(制御部) (97) 直流電源 (98) 電圧制御部(制御部) (99) 背圧制御部(制御部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−4763(JP,A) 特開 平1−114673(JP,A) 特開 平2−112164(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25B 9/14 520

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ(3)と、 該シリンダ(3)に挿入されてシリンダ(3)内部に圧縮
    空間(8)を区画形成するピストン(7)が設けられた可
    動部(20)と、 該ピストン(7)がシリンダ(3)内で往復動自在になる
    ように該可動部(20)を弾性支持する弾性部材(26)
    と、 上記可動部(20)又はシリンダ(3)の何れか一方に固
    定された駆動用磁石(16)と、 交流電力を発生する駆動電源(80)と、 上記可動部(20)又はシリンダ(3)の他方に設けら
    れ、上記駆動電源(80)より交流電力を受けて上記ピス
    トン(7)がシリンダ(3)内で往復動するための電磁力
    を発生させる駆動コイル(18)とを備え、上記圧縮空間
    (8)内で冷媒ガスを周期的に圧縮する振動型圧縮機に
    おいて、 上記駆動コイル(18)への入力電力に基づき、上記ピス
    トン(7)のストロークを導出するストローク導出手段
    (94)と、 上記ピストン(7)の上死点を定位置に維持するため
    に、該ストローク導出手段(94)で導出したピストン
    (7)のストロークに基づいてピストン(7)の中立位置
    を変更する中立位置変更手段とを備えていることを特徴
    とする振動型圧縮機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の振動型圧縮機において、 設定信号に対応した所定の圧縮機容量となるように駆動
    コイル(18)への入力電力を導出し、該入力電力に基づ
    いて駆動電源(80)から供給される交流電力を制御する
    容量制御手段(92,93)を備える一方、 ストローク導出手段(94)は、容量制御手段(92,93)
    から駆動コイル(18)の入力電力の信号を受けているこ
    とを特徴とする振動型圧縮機。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の振動型圧縮機にお
    いて、 中立位置変更手段は、 ピストン(7)の中立位置を変更するように駆動コイル
    (18)へ供給される駆動電源(80)の交流電力をオフセ
    ットする制御部(95)を備えていることを特徴とする振
    動型圧縮機。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の振動型圧縮機にお
    いて、 中立位置変更手段は、 直流電力を発生する直流電源(97)と、 可動部(20)又はシリンダ(3)のうちの駆動コイル(1
    8)が設けられる側に配置され、上記直流電源(97)よ
    り直流電力を受けてピストン(7)を変位させるための
    電磁力を発生させる補助コイル(77)と、 ピストン(7)の中立位置を変更するように補助コイル
    (77)へ供給される直流電源(97)の直流電力を制御す
    る制御部(96)とを備えていることを特徴とする振動型
    圧縮機。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2記載の振動型圧縮機にお
    いて、 シリンダ(3)、可動部(20)及び弾性部材(26)がハ
    ウジング(1)に収納される一方、 中立位置変更手段は、 上記ハウジング(1)に固定されて弾性部材(26)を支
    持し、且つ電圧を印加されて変形する圧電体(61)と、 ピストン(7)の中立位置を変更するように上記圧電体
    (61)に印加する電圧を制御する制御部(98)とを備え
    ていることを特徴とする振動型圧縮機。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2記載の振動型圧縮機にお
    いて、 シリンダ(3)、可動部(20)及び弾性部材(26)がハ
    ウジング(1)に収納される一方、 中立位置変更手段は、 上記ハウジング(1)に形成されて背圧室(63)を有す
    る背圧部(62)と、 該背圧部(62)に移動自在に設けられると共に、弾性部
    材(26)に取り付けられる受圧部材(66)と、 ピストン(7)の中立位置を変更するように背圧室(6
    3)を加減圧して受圧部材(66)を移動させる制御部(9
    9)とを備えていることを特徴とする振動型圧縮機。
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