JP3865217B2 - 蒸発装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、本体ケース内に設けられた蒸発管群に上方から原料液を散布して液を蒸発させて蒸気と濃縮液とを分離するようにした蒸発装置に関し、各種淡水化装置や各種原液の濃縮装置等に利用される。
【0002】
【従来の技術】
伝熱管内に加熱媒体を流すと共に伝熱管外に給液を散布し、散布した給液が伝熱管外で薄膜を形成しながら流下し、その間に伝熱管内を流れる加熱媒体によって加熱されて蒸発するように形成された水平管式蒸発器は、海水淡水化装置や廃液蒸発濃縮装置等に広く使用されている。
【0003】
このような水平管式蒸発器では、給液が加熱されてその一部分の蒸発した蒸気は、気液分離器で蒸気とミスト成分とに分離され、蒸発蒸気出口から取り出される。この取り出された蒸気は、凝縮器で凝縮されたり、多重効用蒸発装置では次の効用の加熱蒸気として用いられる。この蒸発蒸気は、真空下で給液が沸騰蒸発して発生するものであるため、蒸発濃縮液をミストとして飛散させるので、これが蒸発蒸気に随伴されると、凝縮液の純度を下げるという問題がある。
【0004】
そのため、前記の如く気液分離器を蒸発蒸気通過部に設けてミストを除去するようにしている。この場合、ミストを取り除くためには、気液分離器を通過する蒸気の流速を、気液分離器によって定まるある程度の範囲内に押さえなければならない。そのため、蒸発器の断面寸法のうちの相当の部分を気液分離器の蒸気通過面積にする必要があり、装置が大型化して製作費が高くなるという問題があった。
【0005】
これに対して、塩水蒸発器として、角形ケーシングに水平蒸発管群を配設し、その下方から流出する蒸発蒸気を反転させて通過させるようにした最下段の気水分離器と水平蒸発管群の一側面側から流出する蒸発蒸気とを上方に通過させるようにした上下段の2台の気水分離器を設けることにより、それぞれの気水分離器の幅を狭くし、ぞれによってケーシングを小形化し、製作費用を低減させるようにした装置が提案されている(実開昭56−10989号公報参照)。
【0006】
しかしながら、この装置では、上段の気水分離器には横方向から直接蒸発蒸気が流入するため、飛散した小水滴や微小水滴であるミストが発生蒸気中に多量に含まれて随伴されるため、気水分離器を通過する水分量が多くなり、発生蒸気を凝縮して製造するときの蒸留水の水質が低下するという問題がある。又、気水分離器をケーシングの一方側に設けているため、発生蒸気の気水分離器への流れのうち水平方向成分が大きくなり、ミストが搬送されやすくなり、この点でも水質が低下する傾向になるという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、従来技術における上記問題を解決し、蒸発蒸気中の液成分を増加させることなく、本体ケースが小型化されコスト低減の図られた蒸発装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、請求項1の発明は、本体ケース内に設けられた蒸発管群に上方から原料液を散布して液を蒸発させて蒸気と濃縮液とを分離するようにした蒸発装置において、
前記蒸発管群は前記本体ケースの下から下部空間を開けて幅方向の中央部分を占めるように配設されていて、前記蒸発管群の両側と前記本体ケースとの間の側部空間を上下方向に間隔を開けて仕切るように設けられた複数の仕切部材と、前記間隔を隙間を開けて覆うように上下方向に設けられた覆い部材と、前記側部空間の最下部に配置されたものとそれより上に配置されたものとで構成される気液分離部であって前記側部空間にそれぞれ前記下部空間と前記隙間及び前記間隔とを介して前記蒸気が流入して下方から上方に通過して前記蒸気中の液滴成分が分離されるように設けられた気液分離部と、を有し、前記上に配置されたものと前記最下部に配置されたものとは前記蒸気の通過する面積がほぼ同じになるように形成されていて前記隙間は前記上に配置されたものを通過する前記蒸気中の前記液滴成分が分離されるように前記蒸気の流量が前記最下部に配置されたものを通過する前記蒸気の流量より少なくなるように形成されている、ことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は本発明を適用した蒸発装置の構造例を示す。
蒸発装置は、本体ケースである缶体1内に設けられた蒸発管群2に上方から原料液として本例では海水を散布して液である水を蒸発させて蒸気である水蒸気と濃縮液である濃縮海水とに分離するようにした装置である。この装置では、蒸発管群2は缶体1の下から下部空間Sを開けて幅方向であるX方向の中央部分を占めるように配設されていて、仕切部材としての仕切板3、覆い部材としての防滴板4、気液分離部としてのデミスター5及び前記仕切板3、等が設けられている。符号6乃至9はそれぞれ、海水供給管、海水噴射用のノズル、発生蒸気管及び濃縮水管である。
【0010】
本例の蒸発装置は、多重効用式造水装置の各効用段の缶体として使用される。図示の装置が第1効用段のものであれば、外部からの加熱蒸気供給系100、この蒸気が凝縮して生成した蒸留水として取り出す蒸留水取出系200、原料海水を供給する海水供給系300、缶体1内を負圧にする抽気系400、等が設けられる。
【0011】
中間の効用段であれば、加熱蒸気供給系100に代えて、前効用段の発生蒸気管8から発生蒸気を導入するように二点鎖線で示している前段発生蒸気供給系101、海水供給系300に代えて、前効用段の濃縮水管9から中間濃縮海水を導入するように二点鎖線で示している前段濃縮水供給系301、等が設けられる。最終効用段であれば、前段発生蒸気供給系101に代えて、前効用段の蒸発蒸気を導入する二点鎖線で示す前段発生蒸気処理系102及びその処理用の凝縮器103が設けられる。
【0012】
なお、前記海水供給系300は、通常、凝縮器103の冷却水の一部分を熱交換器201を介して蒸留水と熱交換させつつ供給する海水余熱系として形成される。又、各効用段に設けられる抽気系400は、順次圧力低下するように最終的に凝縮器103に接続される。
【0013】
缶体1は、本例では円筒状のものであるが、角形のものであってもよい。大型の多重効用式造水装置では、缶体1の直径は例えば3.6m以上にもなる。蒸発管群2は、本例では水平方向に配置されているが、垂直管式のものであってもよい。
【0014】
仕切板3は、複数として本例では上仕切板32及び下仕切板31の2枚で構成されていて、蒸発管群2の両側と缶体1との間の側部空間Ssを、上下Z方向に間隔Dを開けて仕切るように設けられている。なお、缶体1が角形で幅の割に高さの高いものであるようなときには、間隔D部分を上下方向に2箇所又はそれ以上の数にすることも可能であり、そのときには、それぞれの間で間隔D部分ができるように仕切板3が設けられる。
【0015】
防滴板4は、間隔Dを隙間dを開けて覆うように取り付けられる。この場合、蒸発管群2は、製造上の必要性から、その両端が仕切板3から一定の間隔d’を明けて配置されるので、隙間dは通常この間隔d’の範囲内で調整されることになる。従って、防滴板4を介装させても、通常、そのために缶体1の寸法が大きくなるということはない。
【0016】
気液分離部を構成するデミスター5及び上記仕切板3は、本例では、側部空間Ssの最下部である下側部空間Ss1 に配置されたものである下デミスター51及び前記下仕切板31と、それより上の上方の上側部空間Ss2 に配置されたものである上デミスター52及び前記上仕切板32との2組で構成されていて、それぞれ下部空間Sと隙間d及び間隔Dとを介して蒸発した蒸気が流入し、下から上にZ1 方向に通過し、蒸発蒸気中の液滴成分である主としてミストを分離するように設けられている。そのため、下仕切板31には、上下デミスター52、51に下から上に蒸気を通過させるように、斜め方向に延設された傾斜仕切板33が結合されている。このような気液分離部は、本例では、中央部分の蒸発管群2の両側に左右対称に設けられている。
【0017】
デミスター5としては、ステンレスやアルミニウムのような耐蝕性のある金属やポリプロピレンやポリエチレンのような樹脂材やテフロン(登録商標)やグラスファイバー等の適当な材料をニットメッシュ状や山形折り返し部分を持つシェブロン状等に形成した構造の適当な市販品を使用可能である。このようなデミスター5は、蒸気の流速Vが例えば5m/sec 程度の一定流速より早くなるとミストの捕集効率が低下する特性を持つ。
【0018】
又、このようなデミスターでは、ニットメッシュの密度により、一定の捕集効率で捕集できるミストの大きさが変わると共に、通過する蒸気の圧力損失も変わってくる。即ち、密度が大であれば、圧力損失は大きくなるが、より小径のミストをより高い捕集効率で捕集できることになる。従って、実際の蒸発装置では、この密度を適当に選択することにより、通過蒸気の流速を調整し、捕集可能なミストの大きさや捕集効率を調整することになる。
【0019】
そして、このような構造の蒸発装置は、上デミスター52を通過する蒸発蒸気の流量Q2 が下デミスター51を通過する蒸発蒸気の流量Q1 より小さくなるように形成されるが、本例では、上記隙間dの寸法を調整することにより、Q1 に対するQ2 の大きさを調整するようにしている。
【0020】
なお、防滴板4の両端部を適当に折り曲げたり、防滴板4と上下の仕切板32及び31とのZ方向の重なり長さを調整したり、上下のデミスター52、51のZ方向の厚みや、これを構成する網目状部材の密度を適当に選択することによって蒸気のデミスター通過抵抗を調整したり、又はこれらの諸条件を組合せることにより、Q1 とQ2 の大きさや比率を定めるようにしてもよい。これらの諸条件は実際の装置に適合するように選択される。
【0021】
本例の装置では、上下隙間の合計2dを下部空間Sと下側部空間Ss1 との間の図示の下部間隔Hの約1/2にすることにより、即ち、ほぼd=H/4とし、これらの部分の通過流量を1対2にし、Q2 がほぼQ1 /2になるようにしている。この場合、本例では上下のデミスター52、51の蒸気通過面積をほぼ同じにしているので、下デミスター51への通過流速V1 を通常の流速とすれば、上デミスター52への通過流速V2 は通常の流速の1/2になる。なお、下部間隔Hは、下仕切板31の下端と缶体1の底部に溜められる濃縮海水の表面との間の距離である。
【0022】
以上のような蒸発装置は次のように運転されてその作用効果を発揮する。
蒸発装置が例えば3〜5段程度の多重効用式造水装置に使用されるときには、第1効用段では、図示しないポンプによって凝縮器103に海水が流され、その一部分が熱交換器201を介して加熱蒸気の凝縮した蒸留水で予熱され、最終的に60℃程度の温度になって海水供給系300から海水噴射用のノズル7に供給され、蒸発管群2にその上から一様に散布される。
【0023】
凝縮器103は、図示しない真空装置により、例えば40℃程度の飽和温度に相当する真空にされていて、缶体1内は、最終的にこの凝縮器まで導設される抽気系400により、例えば飽和温度70℃程度の真空にされる。蒸発管群2には、ボイラで発生させた蒸気が直接に又は工場等の蒸気配管系を介して加熱蒸気供給系100に供給される。この蒸気は例えば圧力0.4Mpa 、温度150℃程度の低圧飽和蒸気である。
【0024】
蒸発した蒸気は発生蒸気管8から取り出され、前段発生蒸気供給系101を介して次の第2効用段にその加熱蒸気として供給される。海水を加熱蒸発させた加熱蒸気は、凝縮して蒸留水となって蒸留水取出系200から取り出され、前記の如く熱交換器201を経由して最終的に凝縮器103のホットウェル103aに導入される。一部分が蒸発してその分だけ濃縮された中間濃縮水は、前段濃縮水供給系301を介して第2効用段にその原料海水として供給される。
【0025】
以上のような第1効用段として使用される蒸発装置では、60℃程度に予熱された海水が蒸発管群2の管表面を流れるときに、管内を流れる100℃以上の温度の加熱蒸気によって加熱され、70℃程度の飽和水になった後にその一部分が蒸発する。この蒸発蒸気は、管表面から相当の流速をもって発散し、横方向に向かったものは両側の仕切板3及び防滴板4に当たってこれに沿った方向に流れ、下方に向かったものはそのまま開いている下部空間Sに流れ、隙間d部分から間隔D部分を介して上側部空間Ss2 に入って上デミスター52を通過すると共に、下部空間Sから下方に溜められている濃縮水に当たって偏向・反転して下側部空間Ss1 に入って下デミスター51を通過し、共通の発生蒸気管8から取り出される。
【0026】
この場合、蒸発管群2で蒸発した蒸気を、片側だけに流すのでなく、両側の側部空間Ssに分けて流すので、片側だけに流す場合に較べて、それぞれの側部空間Ssに流入する蒸発蒸気の流速を1/2に遅くすることができ、側部空間に入る蒸発蒸気の随伴する小水滴やミスト分の量を少なくすることができる。
【0027】
このように配置された側部空間のうち、蒸発管群2に近接し間隔Dが開いている側部空間Ss2 では、散布された海水の小水滴やミストが管表面から蒸発した蒸気の流れに随伴され、間隔D部分から直接侵入しようとするが、防滴板4を設けているため、その直接的侵入が防止されている。しかし、蒸気を導入する必要のある隙間dが蒸発管群2に近接した位置に設けられるため、ある程度の量の小水滴及びミストが蒸気に随伴し、この部分を通過して上デミスター52に入ることが避けられない。
【0028】
一方、蒸発管群2から蒸発した蒸気のうち下方に向かったものは、前記の如く下部空間Sから下方の濃縮水に当たって偏向・反転して下デミスター51に到達するので、蒸発蒸気が随伴する小水滴及びミストのうちの比較的大きいサイズのものは、偏向・反転する際に慣性力や重力の作用によって蒸気流れから離脱し、溜まっている濃縮水や缶体1の表面に付着してドレンとして濃縮水に戻される。その結果、下デミスター51には、小水滴やサイズの大きいミストのほぼ除去された蒸気が流入する。
【0029】
上下のデミスター52、51に対するこのように蒸気流の相違に対して、本発明では、前記の如くQ1 、従って本例ではV1 をQ2 、V2 の1/2にしているので、V2 を通常の流速にすれば、下デミスター51では通常のミスト除去性能が得られると共に、上デミスター52では、側部空間Ss2 への流量及び流速を全体的に小さくして小水滴や大サイズミストのデミスター52への随伴量及び通過量を低減させることができる。
【0030】
なお、本例ではデミスター52と51とをほぼ同じ大きさにしているが、デミスター51を配置可能な最大の大きさにして、デミスター52をそれより小さくするようにしてもよい。その場合でも、Q2 を例えばQ1 の1/2程度に小さくすることになる。その結果、側部空間Ss2 への蒸気の激しい流入状態が緩和されるので、小水滴や大サイズミストの侵入を抑制することができる。なお、流速を小さくすると、微小ミストの除去率は多少低下するが、大径分の大幅な除去効果により、デミスター52を通過する海水分の全量を低減させることができる。そして、造水装置においては、製造水となる蒸留水の塩分濃度を要求される値以下に押さえることができる。
【0031】
以上のように、デミスターを上下2段に設けて下デミスター51の蒸気の通過量を全体の2/3にし、その蒸気通過断面積を通常の1段だけのデミスターの場合の2/3にし、缶体1の断面積のほぼ半分を占めるデミスターを小形化することにより、缶体1の寸法を、従来のほぼ1/6、約15%小さくすることができる。その結果、高耐蝕性を備えた価額の高い高級材料の使用される缶体1を含む蒸発装置の構造部分の寸法及び重量を大幅に削減し、製造コストを大幅に低減することができる。
【0032】
中間の第2効用段の蒸発装置では、第1段からそれぞれ、原料海水として約70℃の中間濃縮海水及び加熱蒸気として約70℃の飽和蒸気が供給され、缶体1内は飽和温度約60℃の真空にされ、海水の一部分がフラッシュ蒸発して海水温度が約60℃まで低下すると共に、約70℃の飽和蒸気で加熱されて更に海水の一部分が蒸発し、残部が中間濃縮水になる。加熱蒸気は凝縮して第1効用段のものと同様に処理される蒸留水になる。この段でも、フラッシュ蒸発を含み蒸発管群2部分では激しい蒸発作用が生ずるが、第1段と同様に、防滴板4の直接的防滴効果及び蒸気流量の低下による効果により、デミスター5を通過した蒸気は十分ミスト総量の低減された蒸気になる。
【0033】
最終の効用段の蒸発装置では、前段からそれぞれ、濃縮された原料海水として約50℃の濃縮海水及び加熱蒸気として約50℃の飽和蒸気が供給され、缶体1内は飽和温度約40℃の真空にされ、海水の一部分がフラッシュ蒸発して海水温度が約40℃まで低下すると共に、約50℃の飽和蒸気で加熱されて更に一部分が蒸発し、残部が最終濃縮水になる。
【0034】
加熱蒸気は凝縮して第1効用段のものと同様に処理された蒸留水になる。この段でも、デミスター5を通過した発生蒸気は同様に十分ミストの低減された蒸気になる。この蒸気は、最終段であるため凝縮器103で凝縮され、これまでの蒸留水と共に、最終的に製造水として取り出される。最終濃縮海水はブラインとして排水される。
【0035】
発明者等は、以上のような構成の蒸発装置を4段の多重効用式造水装置に適用した結果、造水装置に要求される塩分濃度10ppm より十分低い塩分濃度1ppm で造水装置を運転することができた。一方、比較のために、図1の防滴板4を取り外して従来の装置と同様の構造のもので運転した結果、塩分濃度は25ppm という極めて高い値になった。
【0036】
なお、本発明は蒸発装置は、以上の如く多重効用式の海水淡水化装置の各効用段の蒸発装置として好都合に使用されるが、単段又は多段の他の形式の造水装置や廃液を含む各種原液の濃縮装置等としても使用可能な装置である。
【0037】
【発明の効果】
以上の如く本発明によれば、本体ケースの下から下部空間を開けて幅方向の中央部分を占めるように蒸発管群を配設し、複数の仕切部材を設けて蒸発管群の両側と本体ケースとの間の側部空間を上下方向に間隔を開けて仕切り、覆い部材を設けてこの間隔を隙間を開けて覆い、側部空間の最下部に配置されたものとそれより上に配置されたものものとで構成される気液分離部を設けているので、蒸発管群で蒸発した蒸気を、下部空間から両側に反転させて側部空間の最下部に配置された気液分離部に流すと共に、側部空間の最下部より上に配置された気液分離部に、両側の隙間から両側の間隔を通過させて流すことができる。
【0038】
その結果、最下段より上に配置された気液分離部には、蒸発蒸気が直接間隔から流入しなくなるので、蒸発蒸気が随伴する小液的分やミスト分の量を少なくすることができる。又、蒸発管群で蒸発した蒸気を、片側だけに流すのでなく、両側の側部空間に分けて流すので、それぞれの側に流れる蒸発蒸気の流速を遅くすることができ、この点でも、側部空間に入る蒸発蒸気の随伴する小液的分やミスト分の量を少なくすることができる。
【0039】
又、上記気液分離器は、それぞれ前記下部空間と前記隙間及び前記間隔とを介して蒸気が流入して下方から上方に通過して蒸気中の液滴成分が分離されるように設けられているので、液的成分の分離された蒸発蒸気が得られ、これを加熱用蒸気や蒸留水等の目的とする製造物として取り出すことが可能になる。
【0040】
そして、気液分離部のうちの上に配置されたのものを通過する蒸気の流量が最下段に配置されたものを通過する蒸気の流量より小さくなるように形成しているので、蒸発蒸気に含まれる液成分を一層低減させることができる。即ち、側部空間を形成する仕切部材の間隔は覆い部材で覆われていても、蒸発蒸気は蒸発管群からそのまま短絡的に側方に流れて隙間から側部間隔に入るため、ある程度の量の小液滴及びミスト分が蒸気に随伴してこの部分を通過して上の気液分離部に入ることが避けられないが、この部分の通過流量が小さくなるようにしているので、最下部の気液分離部では通常のミスト除去性能が得られると共に、上の気液分離部では、蒸気の激しい流れ状態が緩和されて小液滴や大サイズのミスト分の随伴量が低減し、全体として液成分の蒸気側への侵入量を一層減少させることができる。
【0041】
以上のように、本体ケースの両側の側部空間の容積を活用して最下部及びそれより上に複数の気液分離部を設けるようにしたので、蒸気側への液成分の侵入を効果的に防止しつつ、本体ケース内の一平面における気液分離部の占める面積を小さくすることができる。その結果、本体ケースを全体的に小型化し、蒸発装置のコスト低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した蒸発装置の全体構成の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 缶体(本体ケース)
2 蒸発管群
3 仕切板(仕切部材、気液分離部)
4 防滴板(覆い部材)
5 デミスター(気液分離部)
31 下仕切板(仕切部材、気液分離部)
32 上仕切板(仕切部材、気液分離部)
51 下デミスター(気液分離部、最下部に配置されたもの)
52 上デミスター(気液分離部、それより上に配置されたもの)
D 間隔
d 隙間
S 下部空間
Ss 側部空間
Ss1 下側部空間(側部空間)
Ss2 上側部空間(側部空間)
X 幅方向
Z 上下方向
Claims (1)
- 本体ケース内に設けられた蒸発管群に上方から原料液を散布して液を蒸発させて蒸気と濃縮液とを分離するようにした蒸発装置において、
前記蒸発管群は前記本体ケースの下から下部空間を開けて幅方向の中央部分を占めるように配設されていて、前記蒸発管群の両側と前記本体ケースとの間の側部空間を上下方向に間隔を開けて仕切るように設けられた複数の仕切部材と、前記間隔を隙間を開けて覆うように上下方向に設けられた覆い部材と、前記側部空間の最下部に配置されたものとそれより上に配置されたものとで構成される気液分離部であって前記側部空間にそれぞれ前記下部空間と前記隙間及び前記間隔とを介して前記蒸気が流入して下方から上方に通過して前記蒸気中の液滴成分が分離されるように設けられた気液分離部と、を有し、前記上に配置されたものと前記最下部に配置されたものとは前記蒸気の通過する面積がほぼ同じになるように形成されていて前記隙間は前記上に配置されたものを通過する前記蒸気中の前記液滴成分が分離されるように前記蒸気の流量が前記最下部に配置されたものを通過する前記蒸気の流量より少なくなるように形成されている、ことを特徴とする蒸発装置。
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