JP3863735B2 - 情報取得システム並びに管理装置及び車載装置 - Google Patents

情報取得システム並びに管理装置及び車載装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、情報取得システム並びに管理装置及び車載装置に係わり、例えば、貨物輸送用トラック、タクシー等の車両に搭載され、車両の走行に応じた走行状態情報を収集するタコグラフ等の車載装置に、管理装置内の情報を取得させる情報取得システム並びに当該情報取得システムに用いられる管理装置及び車載装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、貨物輸送用トラックやタクシー等の車両には、出庫から入庫までの運行における乗務員の運転状況を把握するために、車両の走行速度やエンジン回転数などの走行状態情報をディジタルデータとして、ICカードなどの記録媒体に記録するディジタルタコグラフが搭載される。
【0003】
また、特にトラックなどの運送業者にとっては乗務員に安全運転をいかに徹底させるかが重要な問題である。そこで、安全面から運転状況を把握するために、上述した走行速度やエンジン回転数などに加えて、走行速度やエンジン回転数が予め定めた安全管理値を超えた回数を累積して走行状態情報として記録させる機能を備えたタコグラフもある。これにより、管理者は、その日の乗務員の運行における運転状況を把握して、乗務員に的確な安全運転の指導を行うことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来、上述したディジタルタコグラフにおいて、上記安全管理値の変更又はソフトウェアのバージョンアップは、前記安全管理値情報及び前記バージョンアップ情報を記録したICカードをタコグラフに挿入して、行っていた。しかしながら、従来のICカードを用いた方法では、車両毎にICカードを挿入しに行かねばならず、手間がかかるという問題があった。
【0005】
特に、上述した安全管理値は、変更する車両に応じてその値が異なる個別情報であるため、ICカードも車種などに応じて複数種、用意する必要があり、コスト面で非常に問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記のような問題点に着目し、個別情報の取得の際に、合理性の向上及びコストダウンを図った情報取得システム並びに当該情報取得システムに用いられる管理装置及び車載装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の発明は、図1の基本構成図に示すように、管理装置10と、車両に搭載された車載装置20とを備え、前記管理装置と前記車載装置との間の無線通信を利用して、前記管理装置内に格納された情報を前記車載装置に取得させる情報取得システムであって、前記管理装置は、複数の前記車載装置に対応した個別情報を格納する第1格納手段11d−1と、操作装置と、該操作装置の操作に応じて前記第1格納手段に格納された全ての前記個別情報を、対応する前記車載装置の識別が可能となるように順次、送信する送信手段11a−1とを有し、前記車載装置は、前記送信手段により送信される個別情報が当該車載装置に対応した個別情報であるか否かを判断する判断手段21a−1と、前記判断手段により対応すると判断されたとき、前記個別情報を取得して予め格納された個別情報を前記取得した個別情報に変更する取得手段21a−2を有することを特徴とする情報取得システムに存する。
【0008】
請求項1記載の発明によれば、管理装置内において、送信手段は、第1格納手段に格納された全ての個別情報を、対応する車載装置の識別が可能となるように順次、送信する。車載装置内において、判断手段は、送信手段により送信される個別情報が、当該車載装置に対応した個別情報であるか否かを判断し、取得手段は、判断手段により対応すると判断されたとき、送信手段により送信される個別情報を取得して予め格納された個別情報を前記取得した個別情報に変更する
【0009】
従って、車載装置において、管理装置から送信される個別情報が、当該車載装置に対応する個別情報であるかを判断することにより、複数の車載装置に対して、個別情報を送信しても、送信した個別情報に対応する車載装置のみがその個別情報を取得することができる。このため、一度に複数の車載装置が個別情報を取得することが可能になる。しかも、無線通信を利用して情報の送受信を行うため、個別情報毎にICカード等の記録媒体を必要としない。
【0010】
請求項2記載の発明は、図1の基本構成図に示すように、請求項1記載の情報取得システムであって、前記管理装置は、前記複数の車載装置に応じた識別情報を格納する第2格納手段11d−2をさらに有し、前記管理装置において、前記送信手段は、前記識別情報及び該識別情報に応じた前記車載装置に対応する前記個別情報を順に送信し、前記車載装置は、当該車載装置に応じた識別情報を格納する第3格納手段21bをさらに有し、前記判断手段は、前記送信手段により送信された識別情報が、前記第3格納手段に格納された識別情報と一致するか否かを判定する一致判定手段21a−11を有し、該一致判定手段が一致すると判定したとき、前記順に送信される前記個別情報が、当該車載装置に対応する個別情報であると判断することを特徴とする情報取得システムに存する。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、管理装置内において、送信手段が、識別情報及びこの識別情報に応じた車載装置に対応する個別情報を順に送信する。車載装置内の判断手段内において、一致判定手段が、送信された識別情報と、当該車載装置に応じた識別情報とが一致するか否かを判定し、一致すると判定したとき、順に送信される個別情報が、当該車載装置に対応する個別情報であると判断する。従って、識別情報を用いることにより、管理装置から送信される個別情報が、対応する個別情報であるか否かを容易に判断することができる。
【0012】
請求項3記載の発明は、図1の基本構成図に示すように、請求項2記載の情報取得システムであって、前記車載装置は、前記一致判定手段が一致すると判定したとき、前記個別情報の送信を要求する旨の要求信号を送信する要求手段21a−3をさらに有し、前記送信手段は、前記要求信号を受信した後、前記識別情報に応じた前記車載装置に対応する前記個別情報を送信することを特徴とする情報取得システムに存する。
【0013】
請求項3記載の発明によれば、車載装置において、要求手段が、一致判定手段により一致すると判定されたとき、個別情報の送信を要求する旨の要求信号を送信する。管理装置において、送信手段が、要求信号を受信したとき、識別情報に応じた車載装置に対応する個別情報を送信する。従って、一致判定手段が、一致判定を終了したタイミングに応じて、個別情報を送信することができる。また、管理装置が送信した識別情報に応じた車載装置が、通信エリア内になかったとき、個別情報を送信する必要がない。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1、2又は3記載の情報取得システムであって、前記車載装置は、車両の走行に応じた走行状態情報を収集して該収集した走行状態情報が安全管理値を超えた回数を累積する運行管理を行うタコグラフであり、前記取得手段は、前記判断手段により対応する個別情報であると判断されたとき、前記送信手段により送信された前記個別情報に応じて、前記運行管理を行うために予め格納された安全管理値を変更することを特徴とする情報取得システムに存する。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、車載装置が、車両の走行に応じた走行状態情報を収集して、運行管理を行うタコグラフである。取得手段が、判断手段により、対応する個別情報であると判断されたとき、送信手段により送信された個別情報に応じて、運行管理を行うために予め格納された安全管理値を変更する。従って、複数のタコグラフに対して、個別情報を送信しても、対応するタコグラフのみが送信した個別情報に基づき、安全管理値を変更することができるため、一度に複数のタコグラフが安全管理値を変更することができる。
【0016】
請求項5記載の発明は、請求項1、2、3又は4記載の情報取得システムであって、前記管理装置は、全車両が共通に取得すべき情報である一括情報を格納する第4格納手段をさらに有し、前記送信手段は、前記一括情報を送信し、前記取得手段は、前記一括情報を受信したとき、当該一括情報を取得することを特徴とする情報取得システムに存する。
【0017】
請求項5記載の発明によれば、管理装置において、送信手段が、全車載装置が共通に取得すべき情報である一括情報を送信する。車載装置において、取得手段が、一括情報を受信したとき、その一括情報を取得する。従って、全車載装置が共通に取得すべき一括情報を送信したとき、各車載装置は、対応する情報であるか否かを判断することなく、取得することができる。
【0018】
請求項6記載の発明は、図1の基本構成図に示すように、車両に搭載された車載装置との間の無線通信を利用して、前記車載装置に対して情報を送信する管理装置であって、前記管理装置は、複数の前記車載装置に対応した個別情報を格納する第1格納手段11d−1と、操作装置と、該操作装置の操作に応じて前記第1格納手段に格納された全ての前記個別情報を、対応する前記車載装置の識別が可能となるように、順次送信する送信手段11a−1とを備えることを特徴とする管理装置に存する。
【0019】
請求項6記載の発明によれば、送信手段が、個別情報を、対応する車載装置の識別が可能に、送信する。従って、一度に複数の車載装置が個別情報を取得する情報取得システムに用いることができる。
【0020】
請求項7記載の発明は、図1の基本構成図に示すように、複数の車載装置に対応した個別情報を格納する第1格納手段を有し、操作装置の操作に応じて前記第1格納手段に格納された全ての前記個別情報を、対応する前記車載装置の識別が可能となるように順次送信する管理装置との間の無線通信を利用して、前記管理装置からの前記個別情報を取得する車載装置であって、前記個別情報が、当該車載装置に対応した個別情報であるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により対応する個別情報であると判断されたとき、前記個別情報を取得して予め格納した個別情報を前記取得した個別情報に変更する取得手段とを備えることを特徴とする車載装置に存する。
【0021】
請求項7記載の発明によれば、車載装置において、判断手段が、管理装置から対応する車載装置の識別可能に、送信される個別情報が、その車載装置に対応した個別情報であるか否かを判断し、取得手段が、判断手段により、対応する個別情報であると判断されたとき、個別情報を取得する。従って、一度に複数の車載装置が個別情報を取得する情報取得システムに用いることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態を、図面を参照して説明する。
図2は、本発明の情報取得システムの一実施の形態を示すブロック図である。同図に示すように、情報取得システムは、管理装置10と、車両に各々搭載された車載装置としての無線アンテナ付きディジタルタコグラフ200〜20n1(以下、タコグラフ200〜20n1)とを備えている。この情報取得システムは、管理装置10とタコグラフ200〜20n1との間の無線通信を利用して、管理装置10内に格納された情報を、タコグラフ200〜20n1に取得させるシステムである。上記無線通信としては、例えばDSRC通信(狭帯域無線通信)を利用することが考えられる。
【0023】
なお、情報としては、全タコグラフ200〜20n1が共通に取得すべき情報である一括情報と、各タコグラフ200〜20n1が各々別々に取得すべき情報である個別情報とがある。一括情報としては、タコグラフ200〜20n1内のソフトウェアをバージョンアップするためのバージョンアップ情報などがある。また、個別情報としては、上記従来で説明した安全管理値などがある。
【0024】
上述した管理装置10は、予め定めたプログラムに従って動作するパーソナルコンピュータ(パソコン)11を有する。パソコン11には、操作装置12と表示装置13と無線アンテナAT1とが接続されている。図3に示すように、パソコン11は、予め定めたプログラムに従って装置全体の動作の制御を行う管理装置側CPU11a(以下、CPU11a)を有している。
【0025】
このCPU11aには、バスBを介してCPU11aのためのプログラム等を格納した読み出し専用のメモリであるROM11b、各種のデータを格納すると共にCPU11aの処理作業に必要な各種エリアを有する読み出し書込自在のメモリであるRAM11cが接続されている。CPU11aにはさらに、主記憶装置11dがバスBを介して接続されており、主記憶装置11dにはハードディスクなどを用いている。
【0026】
この主記憶装置11dには、上述した一括情報が格納された一括情報ファイルと、各タコグラフ200〜20n1に対応して、各々定められた識別情報(ID)が格納された識別情報ファイルと、各IDに対応した、即ち各タコグラフ200〜20n1に各々対応した個別情報が格納された個別情報ファイルと、各タコグラフ200〜20n1に上記一括情報及び個別情報を取得させるための取得プログラムが格納された取得プログラムファイルとが形成されている。以上のことから、主記憶装置11dは、第1格納手段及び第2格納手段に相当することがわかる。
【0027】
なお、上記各種ファイルは、CD−ROMやフロッピーディスク等のパソコン11から読み込むことができる記録媒体から、主記憶装置11dにインストールすることを前提としているが、本発明はこれに限定するものではなく、通信インタフェースなどを設け、インターネットや電話回線を介してダウンロードすることもできる。
【0028】
また、CPU11aには、操作装置インタフェース(I/F)11eがバスBを介して接続されている。この操作装置I/F11eに、キーボードやマウスを有して構成する操作装置12が接続されると、操作装置12から入力された各種入力データは、バスBに供給されてCPU11aに入力される。
【0029】
バスBには表示ドライバ11fが接続されており、この表示ドライバ11fには液晶ディスプレイなどを用いて構成される表示装置13が接続されている。そして、この表示ドライバ11fは、表示装置13の表示内容をCPU11aからの指示に基づいて制御するものである。
【0030】
バスBには送受信回路11gが接続されており、この送受信回路11gにはタコグラフ200〜20n1との無線通信を行うための無線アンテナAT1が接続されている。送受信回路11gは、無線アンテナAT1が受信した信号を復調したり、バスBから出力される信号を変調したりする。
【0031】
上述したタコグラフ200〜20n1は、図4に示すように、予め定めたプログラムに従って動作するマイクロコンピュータ(μCOM)21を各々有する。上記μCOM21は、予め定めたプログラムに従って装置全体の動作の制御を行うタコグラフ側CPU21a(以下、CPU21a)を有する。
【0032】
このCPU21aには、CPU21aの処理プログラム等を格納する読み出し書込自在のメモリであるFROM21bと、CPU21aの処理作業に必要な各種エリアを有する読み出し書込自在のメモリであるSRAM21cが接続されている。上記FROM21bには、搭載されているタコグラフに対応するIDが格納されている。即ち、FROM21bは、第3格納手段に相当することが明らかである。
【0033】
CPU21aは、さらに図示しない速度センサやエンジン回転数センサなどに接続されており、所定時間毎に、走行速度やエンジン回転数などの車両の走行状態情報が入力して格納する処理を行う。また、CPU21aは、車両の走行速度やエンジン回転数が予め定めた安全管理値を超えた回数を累積して走行状態情報として格納する処理も行う。
【0034】
なお、上記安全管理値は、例えばFROM21b内に格納されている。さらに、CPU21aには、表示ドライバ22が接続されており、この表示ドライバ22には液晶ディスプレイなどを用いて構成される表示装置23が接続されている。そして、この表示ドライバ22は、表示装置23の表示内容をCPU21aからの指示に基づいて制御するものである。
【0035】
CPU21aには送受信回路24が接続されており、この送受信回路24にはタコグラフ200〜20n1との無線通信を行うための無線アンテナAT2が接続されている。送受信回路24は、無線アンテナAT2が受信した信号を復調したり、CPU21aから出力される信号を変調したりする。
【0036】
上述した構成の情報取得システムの動作について、管理装置10内のCPU11aの処理手順を示す図5のフローチャート及びタコグラフ200〜20n1内のCPU21aの処理手順を示す図6のフローチャートを参照して以下説明する。まず、管理装置10において、CPU11aは、操作装置12の操作に応じて情報取得動作を開始し、図示しない初期ステップにおいて、パソコン11内のRAM11cに形成した各種のエリアの初期設定を行ってから最初のステップS11に進む。そして、ステップS11において、CPU11aは、一括情報を送信する旨を示す情報を含んだ一括コマンドS1を送受信回路11gに対して出力する。
【0037】
送受信回路11gは、CPU11aから出力された一括コマンドS1を変調して、無線アンテナAT1を介して外部に送信する。その後、CPU11aは、主記憶装置11d内の一括情報ファイルから一括情報を読み出し、読み出した一括情報を含んだ一括信号S2を送信する(ステップS12)。
【0038】
次に、CPU11aは、RAM11c内に格納されたカウント値nを読み出す。なお、カウント値nは、その値が0であればタコグラフ200、1であればタコグラフ201を表すものである。そして、CPU11aは、カウント値n即ち、タコグラフ20nに対応したIDを主記憶装置11d内の識別情報ファイルから読み出し、読み出したID及び個別情報を送信する旨を示す情報を含んだ個別コマンドS3nを送信する(ステップS13)。その後、CPU11aは、タコグラフ20nから個別情報の送信を要求する旨の要求信号S5が受信されたか否かを判断する(ステップS14)。
【0039】
要求信号S5が受信されていれば(ステップS14でY)、CPU11aは、主記憶装置11d内の個別情報ファイル内からステップS13で送信したIDに対応するタコグラフ20nの個別情報を読み出し、読み出した個別情報を含んだ個別信号S4nを送信する(ステップS15)。
【0040】
次に、CPU11aは、RAM11c内に格納されたカウント値nが所定値(n1+1)以上であるか否かを判断する(ステップS16)。このとき、カウント値nが所定値(n1+1)に達していれば(ステップS16でY)、個別情報ファイル内に格納された(n1+1)個の個別情報全てをタコグラフ200〜20n1に送信したと判断して処理を終了する。
【0041】
これに対して、カウント値nが所定値(n1+1)に達していなければ(ステップS16でN)、カウント値nをインクリメントして(ステップS17)、再びステップS13に戻る。このステップS17のインクリメントの結果、再びステップS13及びS15に進むと、タコグラフ20(n+1)に対応するIDや個別情報を含んだ信号が送信される。
【0042】
一方、ステップS14において、要求信号S5が受信されていなければ(ステップS14でN)、CPU11aは、個別コマンドS3nを送信してからの経過時間をカウントするために、SRAM21c内に格納されたカウント値tをインクリメントする(ステップS18)。
【0043】
このインクリメントの結果、カウント値tが所定時間Yに達していなければ(ステップS19でN)、再びステップS14に戻る。これに対して、カウント値tが所定時間Yを超えていれば(ステップS19でY)、無線アンテナAT1が形成する通信エリアに、送信した個別コマンドS3n内に含まれるIDに対応するタコグラフ20nがないと判断して、ステップS17に進む。
【0044】
上述した管理装置内のCPU11aは、個別情報を送信させる前に、IDを送信させることにより、送信する個別情報に対応するタコグラフ200〜20n1の識別が可能にしている。このことから、CPU11aは、送信手段として働くことがわかる。
【0045】
次に、タコグラフ200〜20n1内のCPU21aの処理動作について説明する。CPU21aは、例えば、電源供給に応じて動作を開始し、図示しない最初のステップにおいて、μCOM21内のSRAM21cに形成した各種のエリアの初期設定を行ってから最初のステップS20に進む。
【0046】
そして、ステップS20において、CPU21aは、無線アンテナAT2を介して送受信回路24が一括コマンド又は個別コマンドの何れかの信号を受信したか否かを判断する(ステップS20)。送受信回路24が信号を受信していれば、次にCPU21aは、受信した信号が一括コマンドS1か、それとも個別コマンドS3nであるかを判断する(ステップS21)。
【0047】
一括コマンドであれば(ステップS21で一括)、CPU21aは管理装置から送信される一括信号S2を受信する受信処理を行う(ステップS22)。ここで、一括情報がバージョンアップ情報であるとすると、CPU21aは、受信した一括信号S2に含まれる一括情報に基づいてFROM21b内の処理プログラムを書き換える変更処理を行った後(ステップS23)、処理動作を終了する。
【0048】
これに対して、受信した信号が個別コマンドS3nであれば(ステップS21で個別)、CPU21aは、判断手段における一致判定手段として働き、個別コマンドS3n内に含まれるIDがFROM21b内に含まれるIDと一致するか否かを判定する(ステップS24)。一致すると判定したとき、CPU21aは、管理装置10から次に送信される個別情報が、本タコグラフ20nに対応する個別情報であると判断して、その個別情報の送信を要求する要求信号を送信する(ステップS25)。このステップS25の要求処理により、CPU21aが要求手段として働くことがわかる。
【0049】
その後、CPU21aは、該要求信号に応じて、管理装置10から送信される個別信号S4nを受信する受信処理を行う(ステップS26)。ここで、受信した個別信号S4nが安全管理値情報であるとすると、CPU21aは、受信した個別信号S4nに含まれる個別情報に基づき、安全管理値を変更する変更処理を行った後(ステップS27)、処理を終了する。このステップS26、27の受信処理及び変更処理により、CPU21aが取得手段として働くことがわかる。
【0050】
これに対して、ステップS24で一致しないと判定したとき(ステップS24でN)、CPU21aは、次に管理装置10から送信される個別情報が、本タコグラフ20nに対応する個別情報でないと判断して、上記要求処理、受信処理及び変更処理を行うことなく、ステップS20に戻る。従って、その後管理装置10から別のタコグラフに対応した、即ち本タコグラフに対応しない個別情報を含んだ個別信号が送信されても、その個別情報を取得することがなく、安全管理値が変更されることもない。
【0051】
以上のように、タコグラフ200〜20n1は各々、個別コマンドS3n内に含まれるIDに基づき、その後管理装置10から送信される個別情報が、本タコグラフに対応する個別情報であるかを判断することにより、複数のタコグラフ200〜20n1に対して、個別情報を送信しても、送信した個別情報に対応するタコグラフ200〜20n1のみがその個別情報を取得する。
【0052】
このため、一度にタコグラフ200〜20n1が個別情報を取得することが可能になる。しかも、無線通信を利用して情報の送受信を行うため、個別情報毎にICカード等の記録媒体を必要としない。このため、個別情報の取得の際に、合理性の向上及びコストダウンを図ることができる。また、IDを用いることにより、管理装置10から送信される個別情報が、対応する個別情報であるか否かを容易に判断することができる。
【0053】
また、タコグラフ200〜20n1において、IDが一致すると判定されたとき、その個別情報を要求する旨の要求信号を送信し、管理装置10が要求信号を受信したとき、個別情報を含んだ個別信号を送信するようにしている。このため、タコグラフ200〜20n1側が、一致判定を終了したタイミングに応じて、個別信号を送信することができる。しかも、管理装置10が送信したIDに対応するタコグラフが通信エリア内になかったとき、そのIDに応じたタコグラフの個別情報を送信する必要がなく、より一層合理性の向上を図ることができる。
【0054】
また、管理装置10から、全タコグラフ200〜20n1が共通に取得すべき情報である一括情報を送信する旨の一括コマンドS1を送信したとき、全タコグラフ200〜20n1は、その後送信される一括情報を無条件で取得する。従って、全タコグラフ200〜20n1が共通に取得すべき一括情報を送信したとき、各タコグラフ200〜20n1は、対応する情報であるか否かを判断することなく、取得することができ、より一層合理性の向上を図ることができる。
【0055】
なお、上述した実施の形態では、個別コマンドS3nを送信した後、個別情報を含んだ個別信号S4nを送信して、管理装置10から送信される個別情報に対応するタコグラフ200〜20n1の識別を可能にしていた。しかしながら、例えば、個別信号S4nにIDを含ませて、対応するタコグラフ200〜20n1の識別を可能にすることも考えられる。このように、個別情報に対応するタコグラフ200〜20n1の識別を可能にする送信方法は、上記実施形態に限られたものではない。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、一度に複数の車載装置が個別情報を取得することが可能になる。しかも、無線通信を利用して情報の送受信を行うため、個別情報毎にICカード等の記録媒体を必要としないので、個別情報の取得の際に、合理性の向上及びコストダウンを図った情報取得システムを得ることができる。
【0057】
請求項2記載の発明によれば、識別情報を用いることにより、管理装置から送信される個別情報が、対応する個別情報であるか否かを容易に判断することができる情報取得システムを得ることができる。
【0058】
請求項3記載の発明によれば、一致判定手段が、一致判定を終了したタイミングに応じて、個別情報を送信することができる。また、管理装置が送信した識別情報に応じた車載装置が、通信エリア内になかったとき、個別情報を送信する必要がないので、より一層合理性の向上を図った情報取得システムを得ることができる。
【0059】
請求項4記載の発明によれば、複数のタコグラフに対して、個別情報を送信しても、対応するタコグラフのみが送信した個別情報に基づき、安全管理値を変更することができるため、一度に複数のタコグラフが安全管理値を変更することができるので、安全管理値の変更の際に、合理性の向上を図った情報取得システムを得ることができる。
【0060】
請求項5記載の発明によれば、全車載装置が共通に取得すべき一括情報を送信したとき、各車載装置は、対応する情報であるか否かを判断することなく、取得することができるので、より一層合理性の向上を図った情報取得システムを得ることができる。
【0061】
請求項6又は7記載の発明によれば、一度に複数の車載装置が個別情報を取得する情報取得システムに用いることができる管理装置又は車載装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の情報取得システムの基本構成図を示すブロック図である。
【図2】本発明の情報取得システムの一実施の形態を示すブロック図である。
【図3】図2の情報取得システムを構成する管理装置の内部構成図である。
【図4】図3の情報取得システムを構成する車載装置の内部構成図である。
【図5】図3に示す管理装置側CPU11aの処理手順を示すフローチャートである。
【図6】図4に示すタコグラフ側CPU21aの処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 管理装置
11d−1 第1格納手段(主記憶装置)
11d−2 第2格納手段(主記憶装置)
11a−1 送信手段(管理装置側CPU)
20 車載装置
21a−1 判断手段(タコグラフ側CPU)
21a−11 一致判定手段(タコグラフ側CPU)
21a−2 取得手段(タコグラフ側CPU)
21a−3 要求手段(タコグラフ側CPU)
21b 第3格納手段(FROM)

Claims (7)

  1. 管理装置と、車両に搭載された車載装置とを備え、前記管理装置と前記車載装置との間の無線通信を利用して、前記管理装置内に格納された情報を前記車載装置に取得させる情報取得システムであって、
    前記管理装置は、複数の前記車載装置に対応した個別情報を格納する第1格納手段と、操作装置と、該操作装置の操作に応じて前記第1格納手段に格納された全ての前記個別情報を、対応する前記車載装置の識別が可能となるように順次、送信する送信手段とを有し、
    前記車載装置は、前記送信手段により送信される個別情報が当該車載装置に対応した個別情報であるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により対応すると判断されたとき、前記個別情報を取得して予め格納された個別情報を前記取得した個別情報に変更する取得手段を有する
    ことを特徴とする情報取得システム。
  2. 請求項1記載の情報取得システムであって、
    前記管理装置は、前記複数の車載装置に応じた識別情報を格納する第2格納手段をさらに有し、
    前記管理装置において、前記送信手段は、前記識別情報及び該識別情報に応じた前記車載装置に対応する前記個別情報を順に送信し、
    前記車載装置は、当該車載装置に応じた識別情報を格納する第3格納手段をさらに有し、
    前記判断手段は、前記送信手段により送信された識別情報が、前記第3格納手段に格納された識別情報と一致するか否かを判定する一致判定手段を有し、該一致判定手段が一致すると判定したとき、前記順に送信される前記個別情報が、当該車載装置に対応する個別情報であると判断する
    ことを特徴とする情報取得システム。
  3. 請求項2記載の情報取得システムであって、
    前記車載装置は、前記一致判定手段が一致すると判定したとき、前記個別情報の送信を要求する旨の要求信号を送信する要求手段をさらに有し、
    前記送信手段は、前記要求信号を受信した後、前記識別情報に応じた前記車載装置に対応する前記個別情報を送信する
    ことを特徴とする情報取得システム。
  4. 請求項1、2又は3記載の情報取得システムであって、
    前記車載装置は、車両の走行に応じた走行状態情報を収集して該収集した走行状態情報が安全管理値を超えた回数を累積する運行管理を行うタコグラフであり、
    前記取得手段は、前記判断手段により対応する個別情報であると判断されたとき、前記送信手段により送信された前記個別情報に応じて、前記運行管理を行うために予め格納された安全管理値を変更する
    ことを特徴とする情報取得システム。
  5. 請求項1、2、3又は4記載の情報取得システムであって、
    前記管理装置は、全車両が共通に取得すべき情報である一括情報を格納する第4格納手段をさらに有し、
    前記送信手段は、前記一括情報を送信し、
    前記取得手段は、前記一括情報を受信したとき、当該一括情報を取得する
    ことを特徴とする情報取得システム。
  6. 車両に搭載された車載装置との間の無線通信を利用して、前記車載装置に対して情報を送信する管理装置であって、
    前記管理装置は、複数の前記車載装置に対応した個別情報を格納する第1格納手段と、
    操作装置と、
    該操作装置の操作に応じて前記第1格納手段に格納された全ての前記個別情報を、対応する前記車載装置の識別が可能となるように、順次送信する送信手段と
    を備えることを特徴とする管理装置。
  7. 複数の車載装置に対応した個別情報を格納する第1格納手段を有し、操作装置の操作に応じて前記第1格納手段に格納された全ての前記個別情報を、対応する前記車載装置の識別が可能となるように順次送信する管理装置との間の無線通信を利用して、前記管理装置からの前記個別情報を取得する車載装置であって、
    前記個別情報が、当該車載装置に対応した個別情報であるか否かを判断する判断手段と、
    前記判断手段により対応する個別情報であると判断されたとき、前記個別情報を取得して予め格納した個別情報を前記取得した個別情報に変更する取得手段と
    を備えることを特徴とする車載装置。
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